| Name | Dialogue |
| 生まれ変わった俺さま | scene1 |
| ゼロス | は~い、そこのプリティーなキミ~俺さまと楽しいところに行かない? |
| 街の女性 | … |
| ゼロス | ちょ、ちょっと~、無視しないでよ~ |
| ゼロス | はぁ~…、今日は絶不調だぜ…。俺さまフラれっぱなし… |
| ゼロス | 一体、何が悪いんだ? |
| ゼロス | …ん? |
| ゼロス | あ、あれはっ! |
| ??? | … |
| ゼロス | 何たる美人!しかもあんなに大胆な格好で… |
| ゼロス | これは近年稀にみるビッグチャンス! |
| ゼロス | あんなの、誘ってくれって言ってるようなもんじゃねーか!むしろ誘わないほうが失礼ってもんだ |
| ゼロス | くーっ!俺さまついてるーっ! |
| ゼロス | 何だよぅ、さっきまでの不発はこの運命的な出会いの布石だったんだな |
| ゼロス | よーし、あのおねーさんに突撃だ! |
| ゼロス | は~い、そこのお美しいおねーさ── |
| ??? | ここで待っていろと言っていたが… |
| ??? | よぅ、悪いな、ミラ。遅れちまって |
| ??? | じゃあ、行きますか |
| ゼロス | なっ!何だよ~、男がいたのかよ! |
| ゼロス | あの男、あんな美女を連れ立って…。俺さまくやしー! |
| ゼロス | あんなやつのどこがいいんだよー! |
| ゼロス | …でも、何かオシャレな感じだったなスカーフとかロングコートとか、何か紳士っぽいっていうか… |
| ゼロス | !ひょっとして、俺さま服装が駄目なんじゃないのか? |
| ゼロス | …そうだ、絶対そうだ!こうやって肩なんか出してる場合じゃねぇ! |
| ゼロス | 俺さまがあの男と同じ服装をすれば美女のハートもグッと掴めるはずだ! |
| ゼロス | そうと決まれば店に急がねぇと! |
| 生まれ変わった俺さま | scene2 |
| ゼロス | ジャーン!どうだ!これで完璧だぜ! |
| ゼロス | これで街を歩けば、かわい子ちゃん達がわんさか寄ってきちゃうな~ |
| ゼロス | さて、気を取り直して…って、あれ? |
| ゼロス | あそこに見えるはハニーじゃねえか。コレットちゃんとしいなも |
| ゼロス | よし、まずはあいつらに生まれ変わった俺さまを見せてやろうじゃないか |
| ゼロス | おーい、ハニー! |
| ロイド | ん?今誰か…俺の事呼んだか? |
| ロイド | …ってお前!ゼロスか…? |
| ロイド | 何だよ、その格好 |
| ゼロス | あれ~?気づかなかった? |
| ゼロス | ま、仕方ないか~。俺さま、こんなにイケてる姿に生まれ変わっちゃったもんな~ |
| ゼロス | 男は身だしなみってのにも気を付けないといけないんだぜ? |
| ゼロス | そういうのわからないよな?ハニーは |
| ロイド | そうだな、その服装がカッコいいかどうかは俺にはわからないよ |
| しいな | イケてる姿、ねぇ… |
| しいな | 服はいいかもしれないけど… |
| ゼロス | ぐっ…何だよ! |
| しいな | 服「は」いいんじゃないか。ただ、あんたにはちょっと… |
| しいな | 何ていうか、服に負けているんだよ |
| ロイド | うん、うん俺が言いたかったのはそれだよ |
| ゼロス | はぁ!?おいおい…それ本気で言ってんのか? |
| ゼロス | わかってねーな、ハニーは… |
| コレット | 私はその服好きだよ |
| コレット | ただ…ゼロスにはヒラヒラが長すぎるし大きいから、なんかおかしい |
| ゼロス | コ、コレットちゃんまで… |
| ゼロス | べ、別にカッコいいと思ってこの服買ったわけじゃねーし |
| ゼロス | スカーフだって、店のおやじがセットとか言って勝手に付けただけだし… |
| ゼロス | つーか、服買ってまでモテたいとかお、思ってねーし… |
| ゼロス | ちくしょー! |
| コレット | あ…ゼロス! |
| | |
| ゼロス | ったく、何だよ!みんなして好き勝手言いやがって |
| ゼロス | ヒラヒラうるせーっつーんだよ。オシャレってもんがわからない連中に見せるんじゃなかったぜ… |
| コレット | ゼロスー! |
| ゼロス | コ、コレットちゃん…。どうしたんだよ |
| コレット | ゼロス…、さっきはごめんね。服の事でいろいろ言っちゃって… |
| ゼロス | えっ? |
| コレット | でも…悪気があったわけじゃないんだよ |
| コレット | 何ていうか…その… |
| コレット | 見た目をすごく気にしてたみたいだけど、大切なのはやっぱり中身だよ |
| ゼロス | コレットちゃん…慰めに来てくれたの? |
| コレット | そういうわけじゃないけど…服装にこだわるなんてゼロスらしくないよ! |
| コレット | もっと中身を磨けばいいんじゃないかな。ゼロス自身が成長するっていうか… |
| ゼロス | 俺さま自身… |
| ゼロス | そうか!中身か! |
| ゼロス | 俺さまとした事が、何でそこに気付かなかったんだ! |
| ゼロス | ありがとう!コレットちゃん!俺さま、間違ってたぜ |
| コレット | わかってくれたんだね。よかったー |
| ゼロス | おう!俺さま、もうバッチリ! |
| ゼロス | もっとトークに磨きをかけなきゃ。ボキャブラリーも増やさねえとな |
| コレット | トーク?ボキャブラリー? |
| ゼロス | 今度こそ落としてみせるぜ!待ってろよー、子猫ちゃん達!! |
| コレット | ああ、ゼロス! |
| コレット | 行っちゃった…。元気になったみたいでよかったけど… |
| コレット | ホントにわかってるのかな…? |
| 子猫ちゃん達を守れ! | scene1 |
| ゼロス | さーて、今日も街の子猫ちゃん達に挨拶回りしないとな~ |
| ??? | ロイド!ゼロス! |
| ゼロス | お、しいなじゃねぇか |
| ゼロス | そんな胸…じゃなくてそんな顔してどうしたんだ? |
| しいな | 実は最近、街に不審者が出没しているらしいんだよ |
| ゼロス | ふーん、不審者ねぇ… |
| しいな | 女性をしつこく追い回すって話さ。みんな迷惑してるって |
| ロイド | 女性をしつこく…お前と同じじゃないか、ゼロス! |
| ゼロス | おい!俺さまをその辺の不審者と一緒にしてんじゃねーよ! |
| ゼロス | 俺さま、すんごーく優しく接してるんだぜ。そりゃもう、紳士的なもんさ |
| しいな | とにかく!その話を聞いて、あたしも不審者捜しに協力しはじめたってわけさ。あんた達も協力しておくれよ |
| ゼロス | あったりめーだ! |
| ゼロス | この紳士ゼロス、子猫ちゃん達が困っているのを黙って見過ごすわけにはいかねぇ! |
| ゼロス | ハニー!捜し出してとっちめてやろうぜ! |
| ロイド | ああ!そうと決まれば早速行こう! |
| ゼロス | さっきから見回ってはいるが…それらしきやつはいねえなぁ |
| ゼロス | それよりも子猫ちゃん達が俺を呼んで── |
| ロイド | おい、ゼロス… |
| ゼロス | わかってるよ。ちゃんと捜せばいいんだろ、不審者を |
| ロイド | それもそうなんだけど… |
| ロイド | さっきから街の人達がお前の事をチラチラ見ている気が… |
| ロイド | お前…目立ち過ぎるんじゃないか?その肩の出てるピンクの服とか特徴あるし── |
| ゼロス | ロイドくん、それは仕方ないんだよ。スターの証?有名税ってやつ? |
| ゼロス | 注目の的になっちまうなんて、人気者はつらいねぇ |
| しいな | いい意味じゃなくて悪い意味で、じゃないのかい? |
| しいな | ナンパばっかりしてるからそういう意味で有名人になっちまって警戒されてるのさ |
| ゼロス | 何だよ、しいな、もしかして妬いてるのか?ん~? |
| ゼロス | でもまあ、目立っていては不審者捜しに支障をきたすからな。ここは一つ、変装するしかねーぜ |
| ゼロス | 待たせたな!お前達! |
| ロイド | そ、その格好は… |
| しいな | あんた、まだその服持ってたのかい |
| ゼロス | おっと、言いたい事はあるだろうが俺さまはこれで行くぜ! |
| ゼロス | 肝心なのは中身だ。そうだろ? |
| しいな | まったく…。まあ、好きにすればいいけど… |
| ロイド | 逆に目立ちそうな気もするけどゼロスがそれでいいって言うんなら… |
| ゼロス | よっしゃ!じゃあこれで不審者を── |
| | きゃーっ! |
| ロイド | 何だ!?あっちの外れの方から聞こえたぞ! |
| ゼロス | 早速お出ましだなー、不審者め!待ってろよー!子猫ちゃん達を脅かした罪は重いぜ! |
| | |
| しいな | あそこだね!って… |
| ゼロス | おいおい、ありゃ魔物じゃねーか! |
| ロイド | とにかくあの人を助け出そう! |
| ゼロス | よし!じゃあ俺さまがいつもの華麗な舞いで… |
| ゼロス | …くっ!何だよこの服!すっげー動きづれぇぞ… |
| しいな | このバカ!何やってんだい!ったく、そんな着慣れないもの着てるからだよ! |
| しいな | そんなんじゃ、足手まといになるだけだ!さっさと着替えてきな! |
| ゼロス | ぐっ…。わーったよ… |
| 子猫ちゃん達を守れ! | scene2 |
| ゼロス | よし、これで大丈夫だな。早くハニー達のところに戻らねーと… |
| | |
| ゼロス | なっ!魔物が…。もう倒しちまったのか? |
| しいな | 変装なんてふざけた事してるからあんな事になるんだよ |
| ゼロス | 余計な事しなきゃよかったぜ… |
| ロイド | ま、とにかくさっきの女の人も無事だったし、街に戻ろうぜ |
| | |
| ゼロス | しっかし、結局不審者は見つからなかったな |
| しいな | これだけ噂になってりゃ警戒もしてるだろうしね |
| しいな | って事で…あんた達、明日も捜すよ! |
| ロイド | ああ!明日こそ見つけてやる! |
| ゼロス | ハニーはのんきでいいよなー…。実は不審者なんていないんじゃ── |
| 女性 | あの人です!あの人が、しつこく声をかけて来るんです! |
| | 何っ!?不審者!? |
| 警備兵 | おい!お前か!女性にしつこく声をかけている不審な男は! |
| ゼロス | ん…?えっ、俺さま!? |
| ゼロス | あ、キミはこの前の子猫ちゃん♪ |
| 警備兵 | 何が子猫ちゃんだ!ちょっと事情を聞かせてもらおうか。来い! |
| しいな | ひょっとして、不審者って… |
| ロイド | ゼロスだったのか…。って、最初に言った通りじゃないか! |
| しいな | そういう事かい…。街の人達にチラチラ見られてたのもやっぱりそのせいだったんだね… |
| ゼロス | ちょっと待ってくれよ!俺さまはただプリティーな子猫ちゃんにだな… |
| ゼロス | おい、ハニー!しいな!何とか言ってやってくれよ |
| しいな | ナンパばっかりしてるツケが回ってきたね。しーっかりお灸を据えてもらうんだね |
| ロイド | まあ自業自得ってやつだな |
| ロイド | いい経験ができるんじゃないか?がんばってこいよ! |
| ゼロス | 俺さまは…俺さまは… |
| ゼロス | 俺さまは、不審者じゃねー! |