| Name | Dialogue |
| 引き受けたからには | scene1 |
| レイヴン | おっ!青年発見!探したわよ~♪ |
| ユーリ | おっさん…?何か用か? |
| レイヴン | まー用っていうか何というか、ちょいと付き合ってくんない? |
| ユーリ | そりゃ別に構わねえけど…。また何かおかしな事企んでんじゃねえだろうな |
| レイヴン | いやいや、そんな事ないってば!細かい事、気にしないで、ささ、こっちこっち! |
| | |
| ユーリ | ──で、何なんだ、ここは? |
| レイヴン | ここ?ここは俺様の知り合いがやってるカフェ |
| ユーリ | カフェ?言われてみりゃ悪くない雰囲気の店だが… |
| ユーリ | で?まさか、一緒にお茶しようとか言い出すんじゃねえだろうな |
| レイヴン | んー俺様、お茶より酒の方が…ってそうじゃなくて |
| 店長 | レイヴンさん、この人が手伝ってくれるっていう人かい? |
| レイヴン | お、そうそう。ちゃんと連れてきたわよー |
| ユーリ | どういう意味だ、今のは?いい加減ちゃんと説明しろ、おっさん |
| レイヴン | いや実はさ、ここの店員さんの間で風邪が流行っちゃってさ。人手が足りないそうなのよ |
| ユーリ | なるほどな。だからって何でオレなんだ?カフェの仕事なんて知らねえぞ |
| レイヴン | 大丈夫大丈夫!青年、料理も結構上手いし何とかなるって! |
| 店長 | お願いだ!店閉めちゃうとせっかく来てくれたお客さんに申し訳がたたないんだ |
| ユーリ | …しょうがねえな、ったく。分かった。けどあんまり期待はすんなよ? |
| 店長 | 助かるよー! |
| レイヴン | よっし、決まり♪んじゃ青年、健闘を祈る! |
| ユーリ | ん?ちょっと待てよ。まさか、おっさんは手伝わないつもりじゃねえだろうな |
| レイヴン | ん~、おっさん色んなトコで引っ張りだこなのよねぇ |
| ユーリ | はあ? |
| レイヴン | いやー、モテるおっさんって辛い! |
| レイヴン | つーわけで、お店の方よろしく!後で遊びに来るから! |
| レイヴン | そんじゃねぇ~! |
| ユーリ | ちょっ…おいこら!おっさん!? |
| ユーリ | …ったく、人に押し付けるだけ押し付けて逃げやがったな |
| ユーリ | 仕方ねえ、引き受けたからには腹くくるとすっか… |
| 引き受けたからには | scene2 |
| カロル | ここがユーリがお手伝いしてるカフェなんだね! |
| リタ | へえ、なかなか繁盛してるじゃない |
| レイヴン | そらそうよ!お茶だけでなく料理もなかなかって評判の店だからねえ |
| リタ | でもこんなに繁盛してて大丈夫なわけ?人手足りないんでしょ? |
| レイヴン | うーん、さすがの青年も今頃てんてこまいかもしれないねえ |
| リタ | 結構、いい匂いね。お腹も空いてきたとこだし、おっさんの奢りって事で入るわよ |
| レイヴン | え、ちょっとリタっち!って、まあそんくらいいいけどもさ… |
| カロル | ほら、早く入らないと、座れなくなっちゃうよ! |
| | |
| カロル | あれ…?ユーリ、どこにもいないね |
| レイヴン | まあ、お客相手に愛想振りまくってガラでもないし、厨房の方かもねえ |
| リタ | 厨房ってあの奥よね。って、何か騒がしくない? |
| カロル | あ!ねえ、見て!!厨房の中! |
| ユーリ | よっ…と! |
| 女性1 | きゃー!すごーい! |
| 女性2 | フライパンをいくつも操って…ショーを見てるみたい! |
| 女性3 | 次々とホットケーキが積み上がっていく…!ちょーおいしそう!! |
| レイヴン | せ、青年!? |
| カロル | フライパンと、ホットケーキがくるくる回ってる…! |
| カロル | すごいや、あっという間にできあがってくよ! |
| リタ | 呆れた。別にそんな事しなくたって普通に作れるでしょうに |
| カロル | でもカッコイイよね。さすがユーリ! |
| リタ | カッコで料理すんな! |
| レイヴン | むむむ…まさか厨房でまで女の子にモテモテとは…青年ズルイ! |
| カロル | べ、別にずるくはないんじゃないかな… |
| リタ | そうね。客は喜んでんだし、お店にとっても、ありがたいんじゃないの? |
| レイヴン | 異議あり!断固異議あーりー!カフェの店員は曲芸より接客!接客できてナンボでしょ! |
| レイヴン | 青年!せーねーん!ちょっとこっち来て! |
| ユーリ | へいへい、ただいま…っと、何だ、お前ら来たのかよ |
| カロル | ウエイターの制服、似合ってるね! |
| ユーリ | そりゃどーも。で、何だ?今ちょっと取り込み中なんだがな |
| レイヴン | 青年!お冷!お冷のおかわりちょーだい! |
| ユーリ | おっさん、本当に自分はやる気ねーのな…。てか、もう注文はしたのか? |
| レイヴン | まだ考え中なの! |
| ユーリ | ふーん、んじゃ決まったらまた呼んでくれ。お冷のポット、ここに置いとくぜ |
| リタ | 何よ、この店、セルフサービスなわけ? |
| ユーリ | いつもってわけじゃねえが、今、昼のかき入れ時でな。悪ぃが自分でやってくれ |
| ユーリ | 正直、注文取りに来る暇も惜しい。決まったら厨房まで来てくれ |
| ユーリ | じゃ、オレは調理に戻るぜ。また後でな |
| レイヴン | ええ!?ちょ、ちょっと青年!そんなのアリ!? |
| レイヴン | あんな接客でも女の子にキャーキャー言われて…おっさん、納得できない! |
| リタ | ようするにそこが気に入らないだけじゃない。バカっぽい… |
| カロル | 何て言うか…ユーリって店員さんの格好になってもユーリのまんま、なんだね… |
| 見ればわかる | scene1 |
| ユーリ | …よし、これで全部だな |
| ユーリ | ったく、ついでだからってあれやこれやと買いに行かせやがって… |
| ??? | ユーリ! |
| ユーリ | よお、お二人さん |
| フレン | やあ、ユーリ。今、カフェで働いているそうだね |
| エステル | リタ達から聞きました! |
| ユーリ | ったく、あいつら、言い触らしやがったのかよ |
| エステル | もう、そんな事言わないでください。それにしても… |
| エステル | ユーリ、すごい荷物ですね。買い出しです? |
| ユーリ | ん?ああ、まあ、そんなとこだ。おまえらこそ何やってんだ? |
| フレン | うん、話を聞いてエステリーゼ様がぜひユーリの店に行ってみたいとおっしゃるのでね |
| エステル | お料理もお茶もとてもおいしいと聞きました! |
| ユーリ | て事は客か?やれやれ、それじゃ無碍にするわけにもいかねえか |
| ユーリ | ちょうど店に戻るところだ。付いてこいよ。案内してやるから |
| エステル | ありがとうございます!とっても楽しみです! |
| | |
| フレン | それにしてもずいぶん重そうな荷物だな。半分持とう |
| ユーリ | お、助かるぜ |
| フレン | …本当に重いな。これは、小麦粉かい?量も種類もずいぶんあるようだが… |
| ユーリ | ああ、そっちは強力粉、こっちは薄力粉…全粒粉に米粉…もろもろあるぜ |
| ユーリ | 注文した分だけだと足りないから受け取りついでに買い足してくれって店長から頼まれてな |
| エステル | 小麦粉が足りないんです…?ユーリが働いているのはカフェなんですよね… |
| エステル | パン屋さんもやっているんです? |
| ユーリ | れっきとしたカフェだよ。ま、詳しい事は店でな |
| 見ればわかる | scene2 |
| ユーリ | オレは仕事着に着替えてくるから、空いてる席に適当に座ってくれ |
| フレン | ああ、わかった |
| フレン | ユーリが働いているというのでどんな店かと思いましたが…なかなかおしゃれなお店ですね |
| エステル | はい!飾ってある雑貨も素敵です♪ |
| フレン | それで、エステリーゼ様、何をお召し上がりになりますか? |
| エステル | そうですね、メニューは…ええと、これ、ですよね…? |
| フレン | すいぶん分厚いですね…でも確かにメニューのようです。どうぞ |
| エステル | ありがとうございます。ええと…ドリンクにランチセット…、サイドメニューもいろいろありますね |
| エステル | それから、デザートですね。…ええとそれから… |
| エステル | …すごいです!デザートの種類がこんなにたくさん…! |
| フレン | 確かに…いくらカフェとはいえ、こんなに種類があるなんて |
| エステル | どれにしたらいいのか迷っちゃいますね… |
| エステル | あ、ユーリにお勧めを聞いてみるのはどうです? |
| フレン | なるほど、それは名案ですね。おーい、ユーリ! |
| ユーリ | よう、注文は決まったのか? |
| エステル | それが…メニューが多すぎてどれにしたらいいか迷ってしまって… |
| フレン | それでどれがお勧めなのかユーリに教えてもらおうと思ってね |
| ユーリ | ああ、これか。ま、やっぱり、多すぎるよな |
| フレン | この店は料理とお茶が評判と聞いていたが、むしろデザートが売りなのかい? |
| ユーリ | いや、別にそんなこたねえよ。全部、お楽しみいただけるぜ |
| ユーリ | ただここんとこ、急にデザートのメニューが増えたんで、少々おかしな具合になっているだけさ |
| エステル | どうしてこんなにデザートのメニューが増えたんです? |
| ユーリ | それなんだけどな、最初、仕事覚えるついでにあれこれ作って試してみたんだよ |
| ユーリ | そしたら店長がやけに気に入ってな。作るそばからメニューに追加しちまいやがったのさ |
| ユーリ | お蔭で厨房はやたら種類作んなきゃなんねえんでひどい有様だ |
| エステル | じゃあさっきの小麦粉ももしかして… |
| ユーリ | ああ、全部このデザートのためってわけだ |
| フレン | 役に立てているのは結構だけど…大変なんだな |
| ユーリ | まあな。おまけにまだ何か新しいのを考えろって店長に言われててな |
| ユーリ | 早いとこ、本来の店員に戻ってきてもらって、解放されたいぜ、ったく |
| エステル | ま、まだ新しいものを作るんです…!? |
| フレン | このままだと、ユーリのデザート専門店になってしまいそうですね… |