NameDialogue
scene1災いの予感
ミラ
ミラ…!
ミラ…また、マナが減った…
精霊イフリート
ミラああ、わかっている、イフリート。これは今に始まった事ではない
ミラ人間界でマナの減少が目立つようになったのは…ここ1年くらいか
ミラそうだな、シルフ?
精霊シルフ
ミラここまで続くと、さすがにもうただの自然現象とは考えにくい
ミラ人間界に、確実に何かが起きている
精霊ノーム
ミラふむ。ウンディーネとノームもそう思うか
精霊ウンディーネ
ミラん?原因に心当たりがあるか?
ミラそうだな…
ミラ人間界に出現したという光の神殿。それと、各地に飛散したという星のカケラ…
ミラまだはっきりした事はわからないが時期を考えると、それらがマナ減少に関係している可能性は高いだろう
ミラ
ミラやはり人間界に行く必要があるな。人間界でマナ減少の原因を突き止め、対処せねばなるまい
ミラ人間界を守る事、それが精霊の主、ミラ=マクスウェルの務めだ
四大精霊
ミラそうか。お前達もついて来るか。それでは…
ミラ行こう。人間界に
scene2災いの予感
ミラ四大。最近の人間界の動向を教えてくれ
精霊ウンディーネ
ミラふむ…ウィンドルの国王が、自らを選ばれし者と称し、星のカケラを全て集める事を宣言した、か
ミラ星のカケラの話は、耳に挟んだ事がある
ミラ確か、全部で6個という話だったな
精霊ノーム
ミラなるほど。ウィンドルはその星のカケラほしさに、隣国のア・ジュールに攻め込んだのか
ミラア・ジュールの側もウィンドルに対抗すべく、積極的な軍備増強を行なっている
ミラこの両大国の衝突は他国にも影響を与え、シルヴァラントやキムラスカにも動揺の兆しあり、か…
ミラ
ミラ…人間というのは、なぜこうも争いごとを好むのか
ミラマナの減少が人間間の争いを助長したのか、あるいはその逆か…判ずるのは難しいところだがな
精霊イフリート
ミラああ、わかっている
ミラこれは今となっては、もはや人間界だけの問題ではない
ミラ精霊界も以前と比べて荒れている。今まで姿を見なかった魔物が現れるようになったのはその一例だ
ミラ人間界と精霊界は裏表の関係。どちらかに変化が生じれば、もう一方にも必ず影響が生じる…
ミラむ…?
ミラ
ミラ魔物…?こんなところにまで入り込んでくるとは
ミラ撃退するぞ。四大も私に続け!
scene1人間界へ
ミラこうして人間界に来るのも、考えてみると久しぶりだな
精霊イフリート
ミラ以前と比べて、変わったところはあるかだと?
ミラそうだな…
ミラぱっと見は変わらないが、空気の感じは明らかに違っているな
ミラ前はもっとマナが豊かで、多くの生命に満ちあふれていたが、今はどこか荒んだ印象を受ける
精霊ノーム
ミラ当然だろう。マナはあらゆる生命の源でもある。そのマナが減れば、生命の活気も衰えるのは道理だ
ミラもし何者かが人為的にマナを減らしているのだとすれば、それは許されるものではない
精霊ウンディーネ
ミラさて、これからどうするかだが…
ミラこれだけマナが減少していると、人間の暮らしにも何か異変が起きているかもしれない
ミラまずはどこかの街へ行き、情報を集めるとしよう
ミラ四大。この辺で一番大きな街はどこになる?
精霊シルフ
ミラなるほど。ここから南に行くと、このあたりを治めるウィンドルの王都があるのか
ミラではまず最初に、その王都を目指すとしようか
scene2人間界へ
ミラここがウィンドルの王都かさすがに大した繁栄ぶりだが…
ミラマナが今の調子で減少を続ければ、果たしていつまでもつ事か
精霊シルフ
ミラ心が荒れている人間が多い?
ミラ今この国は戦争中だからな。そうなるのも仕方あるまい
ミラここへ来る間も、多くの兵が戦場に向かって移動していくのをお前達も見ただろう?
精霊イフリート
ミラ愚かな行為…そうだな。確かにその通りだ
ミラさて、お前達は、街でマナ減少の手がかりを探ってくれ
ミラ私もこの辺で情報を収集する。では、また後でな
騎士団員1聞いたか。例の奇病の噂
ミラ(奇病だと…?)
騎士団員2ああ。イニル街で流行ってるんだろ。王都に伝染しないといいんだけどな
騎士団員1あの街で病気が流行った理由は、やはりあの…
ミラおい、お前達。その話、詳しく聞かせてくれないか?
騎士団員2な、何だお前は。人の話を盗み聞きするんじゃない!
騎士団員1お前に話す事など何もない!
ミラ(行ってしまった… あの様子では、口を割らせるのは 難しそうだな)
四大精霊
ミラお前達、戻ったか
ミラ何か収穫はあったか?こちらは気になる話を聞いたぞ
精霊イフリート
ミラふむ。隣国ア・ジュールで、新技術を用いた兵器が開発されている噂がある、か…
ミラその新技術とやらがマナ減少と何か関係があるのではないかと、お前達は考えているのだな
精霊シルフ
ミラ両方とも調べる必要がありそうだが…どちらを先にするか
精霊ウンディーネ
ミラ…そうだな。イニル街から先に行くか。同じウィンドル国内だしな
ミラよし、そうと決まれば…
きゃああああ!
魔物だ!
ミラ魔物?こんな街中に?
scene1同じ場所を目指して
ミライニル街へ行くのはこの道でいいのか?
精霊ウンディーネ
ミラうむ…人間界の地理に疎いからな…案内がいればいいのだが、そんな都合のいい話があるわけも…
ミラむ?あれは…
???あっ!
ミラ危ない!
グオオオ…
ミラ…何とか間に合ったかケガはないか?
???う、うん…助けてくれてありがと…
ミラ(この二人…父娘か?)
ミラ魔物相手に油断は禁物だ。それと、そこの長髪の男。父親ならちゃんと娘を守るべきだろう
エルあ、違うよ。ユーリはエルのパパじゃなくって、セーギの味方の騎士団だよ!
ミラ(ふむ、読みが外れたか…だが、 騎士と子どもがこんなところで 一体なにをしているのだ…?)
エルあなたは?エルはエル。このひとはユーリ
ミラ私の名はミラ。ミラ=マクスウェルだ
エルミラはここでなにしてたの?
ミライニル街というところへ行く途中だ。奇妙な噂を耳にしたのでな
ユーリその噂ってのは、あそこで流行っているっていう奇病の事か
ミラ知っているのか
ユーリオレもそれを調べるためにあの街へ向かっているとこなんだよ。エルを送っていくついでにな
ミラなるほど。目的地は同じか
エルせっかくだから、ミラもエル達と行こうよ
ミラ(四大はどう思う?この二人、 敵意はなさそうだが…)
精霊シルフ
ミラ(確かにイニル街に行くのであれば、 ついて行くのが得策か…)
ミラ…そうだな。私はこの辺の地理に疎いから、同行させてもらえると助かる
ミラでは、行くとしようか
scene2同じ場所を目指して
ミラユーリはエルを家に送るためにイニル街へ向かっていると言ったな。それはつまり…
ユーリつまり、エルの家はイニル街にあるってこった
ユーリだろ、エル?
エルうん
ミラでは街の状況についても詳しいのだな。差し支えなければ、教えてもらえないか?
エルユーリにも話したんだけど、最近へんなビョーキがはやってて具合わるいひとがたくさんいるの
エルビョーキがうつるからって、街を出てくひともたくさんいて、助けてくれるひともいなくて…
エルだからエル、王様に頼んで、助けてもらおうって思ったの
ミラなるほど…
ミラ(想像していた以上に、 事態は深刻そうだな…)
ユーリで、こいつははるばるイニル街から王都のそばまでやってきた
ユーリオレの方は、騎士なんかやってたばっかりに、こうして付き合う破目になってるって訳だ
ミラほう、ユーリは騎士なのか
ミラ弱き者に手を差し伸べる、立派な騎士道精神だな
ユーリ立派かどうかは知らねえけどな
ユーリけど、こんな子ども一人で送り返して、夢見悪い事になんのも考え物でな
ミラその通りだな。それで、国王には話はできたのか?
ユーリいや、まだだ。さすがにいきなり国王が相手してくれるとも思えなかったんでな
ユーリだからオレが街の状況を確認して、エルの代わりに国王に報告しようと思ってる
エルよろしくね、ユーリ
ユーリま、やるだけやってみるさ
精霊ノーム
ミラ(何…?魔物がひそんでいる?)
ミラ二人とも、気を付けろ!
ユーリあんなところに!
ユーリなんでわかったんだ、ミラ?
ミラ理由を説明している暇はない。こいつを撃退するぞ!
scene1病に侵された街
ユーリそろそろか…?
ミラ(やはり予想した通りか。 この辺一帯はマナの消費が激しい)
ミラ(四大。先に街へ入り、 探りを入れてくれ。頼んだぞ)
四大精霊
ユーリ街が見えてきたな
エルなんかヘンな気する…。街にいるときは感じなかったのに…
ミラお前達も気付いたか。これはマナの消費が激しいせいだ。…やはりあの街には何かあるようだな
エルマナ?
ミラこの世界を司るエネルギーとでも言えばいいだろうか。目には見えないがな
ユーリへえ、物知りなんだな
ミラところでユーリとエルは、星のカケラの伝説を知っているか?
エルエル聞いたときある!
エルカケラを手にし己に打ち勝った者だけが、光の神殿に入れる…
エルでしょ!
ユーリただのおとぎ話のはずが、本当に光の神殿が現れたってんで、世界中大騒ぎになっているな
ミラその騒ぎとマナの減少、そして奇病の流行…。すべての時期が微妙に重なっているのが気になってな
ユーリ何か関係があると思うのか?
ミラ…まあいい。とにかく、街の様子を調べよう
ユーリだな
scene2病に侵された街
ミラこれは…
ユーリなんてこった。そこら中に人が倒れてんじゃねえか!
ミラ外から見た時に予感はしてはいたが、思っていた以上にひどい状況だな
ミラ(この有様…単にマナが減少した だけでは説明がつかない)
ミラ(他にも原因があるようだな)
ユーリ街で病気が流行り出したのは、確かひと月前だと言ったよな。こんな状態がずっと続いていたのか?
エルエルが出かけるまではこんなじゃなかったよ!
ミラ(1ヶ月前か…その頃この街に何が あったのか、調べなくてはな。 それにしても…)
ミラ街がこんな状態だと、治安の悪化も心配だな
エルチアン?
ユーリ悪さする奴が増えてないかって事だ
エル…悪いひと多くなってるよビョーキがはやる前はそんな事なかったのに。それに魔物も…
ユーリこれだけたくさん病人が出てりゃ警備の手だって足りなくなんだろ。魔物が入り込んでもおかしくないな
ミラあの王都でさえ魔物が出るのだ。こんな小さな街ならなおさらだろう
ユーリそりゃごもっともだ。ここには騎士団すらいないしな
ユーリエル。街の中で、特にひどい状況の場所は分かるか?
エルどこもみんなつらそうだけど…一番はあっちかな
ミラむ…?
ミラちょっと待て、二人とも。向こうから何か来るぞ!
ユーリちっ…!
scene1仮面の男
ミラふう…
エル急に魔物が襲ってきてびっくりしたね
四大精霊
ミラ戻って来たか、お前達。何かわかったか?
エルえ?戻って来たって何の事?
ミラなんでもない。ただの独り言だ
ミラ(街の南に妙な施設を見つけた?)
ミラ(ふむ…確かめてみるか)
ユーリったく、出鼻をくじかれたな。そんじゃ調査再開といくか
エル街の東側へ行くんだよね
ミラ(東か…私の行きたい方角とは 異なるな)
ミラすまないが、私は別行動を取らせてもらう
ミラ調べたい事があってな
エルえ?ミラ…ここでお別れなの?
ミラそんな悲しそうな顔をするな、エル
ミラ用が済んだらまた合流する
ミラしばらくしたら、街の入り口で落ち合おう。それでどうだ?
エルわかった。それならまた会えるね
ユーリ行くのはいいが、一人で大丈夫か?
ミラ心配はいらない
ミラでは、また後でな
ミラさて。その南にあるという施設に行ってみるか
ミラこれは…!
ミラマナがいきなり減っただと…一体何が起きた?
精霊ウンディーネ
ミラお前達の見つけた施設と関係があるかもしれないな。急ぐぞ!
scene2仮面の男
ミラこの道をまっすぐ行ったところに、お前達のいう施設があるのだな
精霊イフリート
ミラ確かにこの辺は、マナの量は街の他のところと比べても少ない…
ミラ自然にこうなるとは考えにくいな。やはり何かしら人為的な原因があるという事か?
ミラむ…?
???
ミラ(こいつ…何者だ? 物腰にまったく隙がない)
???そこのお前
ミラ私に何か用か?
???金髪の男と、茶色の髪の女を見なかったか?
ミラ金髪の男と茶色の髪の女…?
ミラいや、見ていないが
???そうか
???ならばいい
ミラ明らかにただ者ではなかったな。かなりの実力の持ち主のようだ
ミラくっ、まただ…!
ミラまたマナが、急激に減少したぞ
ミラ原因を作っているのは、やはりこの先にある施設か?
通りすがりの男う…
ミラおい、しっかりしろ。いきなり倒れてどうした?大丈夫か?
通りすがりの男
ミラ気を失ったか…
ミラこれ程急激にマナが減ったりすれば影響を受ける者が出るのも無理もない
精霊イフリート
ミラどうする、だと?
ミラ人目につく場所まで連れて行くしかあるまい
ミラこの男をここにこのまま放置すれば、確実に生死に関わるだろうしな
グオオオオ!
ミラ魔物だと?こんな時に!
scene1不思議な2人
ミラ具合はどうだ?ここまで来れば他の人間もいるから後は何とかなるだろう
通りすがりの男ご親切にありがとうございます。本当に助かりました
ミラさて。もう一度あの施設まで行ってみるか
ミラ…うん?
???いないなあ、ジューダス。どこに行ったんだろ
???魔導器(ブラスティア)を気にしていたから、きっとその近くだと思うんだけど…
ミラ(あれは…仮面の男が話していた、 金髪の男と茶色の髪の女か?)
ミラお前達。ちょっといいか?
ミラ先ほど仮面をかぶった男に会ったが、お前達の知り合いではないのか?
???仮面の…?それ、ジューダスよね、カイル!
カイルうん!
カイルねえ、その仮面をかぶった人と、どこで会ったの?
ミラ街の南にある施設の近くだ
カイルやっぱり魔導器のところだ。リアラ、もう一度行ってみよう!
ミラもう一つ聞いてもいいか?
ミラお前達、あの施設の事を何か知っているのか?
リアラ直に見たわけではないけど…あの施設の中にあるのは、魔導器と呼ばれる装置よ
カイルこの国の王様が数ヶ月前に、技術者を呼んで建てたんだって。でも、何で作ったのかわからないんだ
カイルオレには難しくてよくわからないけどその魔導器は生き物の命を吸い上げて動力源ってヤツにしてるらしいんだ
カイル魔導器を動かすと、人が飲むと危険な水をたくさん出すんだって。だから街の人が病気なんだと思う
カイルあ、そういえば…ア・ジュールって国にはもっとすごい魔導兵器があるんだって
ミラ魔導兵器…だと?
カイルうん、多分魔導器と同じ。それを兵器に…
リアラカイル。こっちの世界の人に、あまり干渉するのはよくないわ
カイルあ、うん。そうだったね
リアラそろそろ行きましょう。早くしないと、ジューダスと合流できなくなるかもしれない
リアラじゃあわたし達はこれで。さようなら
ミラ
ミラあいつら、一体何者だ…?やけに色々な事を知っていたな
ミラこっちの世界と言ったのも気になる…
ミラ…だが、ひとまずマナの減少の原因がわかったのは収穫だな
ミラ奇病の原因は、やはりあの施設か
ミラ魔導器…確かそう言っていたか
精霊ノーム
ミラそうか。ユーリとエルがそろそろ戻って来るかもしれないな
ミラまた合流すると約束した手前、行かないわけにもいくまい。先にふたりと合流しよう
scene2不思議な2人
ミラ街の入り口まで戻ったが…ユーリとエルはまだ来ていないか。このまま待つとしよう
精霊ノーム
ミラ魔導器…生命を吸い上げて動力源にする装置か…
ミラ生命がマナを指すのは確実だろう。この国の王が設置を命じたと言っていたが…
精霊ウンディーネ
ミラそうだな。誰が作ったのか、確認する必要があるだろう。そうせねば問題は解決しない
エルあっ、ミラがいるよ
ユーリオレ達より先に戻ってたか
ミラふたりとも無事なようだな
ユーリそっちは何か収穫はあったか?
ミラああ。街で流行っている奇病の原因を特定した
ユーリ…南にある施設か?
ミラそうか。お前達も同じ答えにたどり着いたようだな
ユーリオレ達のほうは、たまたまみたいなもんだけどな
ミラ(もしかしたらユーリ達も、 あの三人に会ったのかもしれんな)
ミラどうもその施設というのは、この国の王が技術者を派遣して、数ヶ月前に設置したものらしい
エルエル、思い出した!
エル施設ができる時、これで暮らしが楽になるってみんな言ってた
エル魔導器があればショーライアンタイだって
ユーリこりゃいよいよその施設とやらに行ってみなきゃならねえな
ミラそうだな…
ミラむ?
エル何か来るよ!
scene1その原因となるもの
ユーリこの先に例の施設があるんだな
ミラああ
ミラ(さっき、この辺で仮面の男と 会ったのだったな…あの三人組は、 無事に再会できただろうか)
ミラ施設が見えてきたな
エルあの中に魔導器があるんだよね?
ユーリ見て終わりって訳にはいかなさそうだな
ユーリとっととぶっ壊しちまうか
ミラ私もそのつもりだ。気が合うな
エルエルも手伝う!
ユーリ頼もしいな
ユーリそれじゃ、乗り込むとするか
精霊ウンディーネ
ミラ(この先に武装した兵が多数いる? …わかった)
ミラ正面は鍵がかかっているようだな。裏に回ってみよう
エル厳しいの?エルには何も見えないよ
ミラ先ほど近くまで行って確認した。間違いない
ミラ(四大に教えてもらったと言っても、 何の事か理解できないだろうしな)
ユーリ…ま、いいさ。ここはミラの忠告に従っておこうぜ、エル
ミラふむ。この排水溝から中に潜入できそうだな
エルここなんかくさいよ…
ユーリ大丈夫か?無理に一緒に来なくたっていいんだぜ?
エル大丈夫!
エルビョーキになった人達を助けるためだもん
ミラ中に入るぞ
scene2その原因となるもの
エルこれって…
ユーリこいつが例の魔導器か?
ミラ周囲のマナが減り続けている。やはり、こいつが元凶のようだ
ミラ(マナを動力源にしてエネルギーに 転換する装置か。 とんでもない代物だな)
ミラ(しかし…ほとんどの人間はそもそも マナの存在すら知らないというのに どうしてこんな物が作れたのか)
ミラ(今回の一件、 わからない事が多すぎる。)
ミラ(どうやらかなり根が深そうだな)
ザザー…
ユーリ廃液みたいなのが流れ出してやがる。あれが井戸の水に染み込んでんのか?
ミラなるほど。それも奇病が流行った一因か
ミラこんな物を自国の領内に置くとは…
ミラ王の意図は不明だが、こんな物が人間界にあってはならない
ミラ(そうだ…この魔導器は、 明らかに人間の手に余る。 どのような使用目的があっても)
ユーリなら、さっさとやっちまうか
エルうん!
ユーリ警備の連中が来る前に決めちまおうぜ
ミラよし、やるぞ!
scene1また会う日まで
ミラ警備の連中は追いかけて来ないな。無事に脱出できたようだ
エル魔導器を壊せてよかったね!
ユーリああ。土産も手に入ったしな
ミラこれは何だ?
ユーリあの魔導器の魔核(コア)じゃねえかと思う。こいつを外した途端、動きが完全に止まったからな
ミラちょっと見せてもらっていいか?
ミラ
ミラふむ…こうして見ただけでは、何なのかよくわからないが…
ユーリこの魔核を押さえときゃ、魔導器修理してまた動かそうったってそう簡単にはいかねえだろ
ミラフッ。抜け目のない奴だこれは返すぞ
エル何だか、空気がキレイになったみたい
ミラこの辺はもう大丈夫だろう。時間はかかるが、減少したマナも少しずつ元に戻るだろう
ミラそうすれば自然と、奇病も収まっていくはずだ
エルじゃあもう、心配いらないんだね
エルありがとう、ユーリ!ミラ!
ミラエルもよく頑張ったな
ミラさてと…
ユーリもう行くのか
ミラああ。次はア・ジュールへ向おうと思う。あの国に関しても、色々不穏な噂を耳にしているのでな
ユーリそうか。じゃオレは王都へ戻って、今回の事を報告するとすっか
エル王様に言っといてくれる?
エルもうこの街に、へんなものを置かないでって
ユーリああ、任せとけ
ミラではさらばだ、二人とも
ミラ縁があればまた会おう
ユーリオレも行くか
ユーリエル、元気でな。もう無茶はすんなよ
エルうん、またね。二人とも!
scene2また会う日まで
精霊シルフ
ミラ…うむ、わかった。ア・ジュールへ行くには、このまま北西へ進めばいいのだな
ミラこの辺はイニル街へ行く際も通ったが、その時と比べると、空気が少しはよくなったな
ミラ逆に言えば、あの魔導器がどれほど周囲の環境に悪影響を及ぼしていたかという事になるが…
精霊イフリート
ミラ何のためにあんな物が作られたのか、だと? この国の王の目的は、間違いなく兵器への転用だろうな
ミラあの金髪の少年…カイルと言ったか。彼の話では、ア・ジュールにある魔導兵器はさらに大がかりらしいが…
ミラア・ジュール王も、考えている事は同じのようだな。魔導器の力を用いて、相手国を攻め滅ぼそうとしている
ミラそんなことをしてマナを濫費し、戦争に勝っても、得られるのは荒廃しきった土地だけだというのにな
ミラ何とも愚かしい事だ…
精霊ノーム
ミラ…私を励ましてくれるのか、ノーム
ミラ心配はいらない。こんな事でへこたれたりはしない
ミラたとえ前途に何が待ち受けていようと私は己の使命を全うする
ミラ精霊の主として、な
精霊ウンディーネ
ミラほう。ウンディーネはあのユーリが持っていたコアが気になるか
ミラ私も気にはなっている。魔導器はあのコアによって動いていた
ミラあのコアはいったい何なのだ?ウィンドルもア・ジュールも一体どこで手に入れたのか…
ガルル…
ミラ…魔物か!?
scene1偶然の出会い
ミラア・ジュールへ向かうには、ここから船に乗らないといけないのか
ミラ随分混雑しているな。この分だと船に乗るまでに、だいぶ待たされそうだ
???メルディ、どこなの?もしいたら返事して!
???はあ…ここにもいないか。あの子一体、どこに行ったんだろう
ミラおっと…
???あっ、ごめんなさい!ぶつかっちゃった…
ミラ私は大丈夫だ。気にしなくていい
ミラところで、何かあったのか?思い悩んでいるような様子だったが…
???あ、はい。わたしの友達の事を考えてて…
???知りませんか?長い髪を頭の両脇でこう結んでて…
ミラそういう髪型で私が知っているのはイニル街のエルくらいだな…
???え、エル…?もしかして、エルの事知ってるの!?
ミラああ。さっきまで行動をともにしていた。
???よかったー!エル、無事なんだー!
???王都の近くまで一緒だったんだけど途中で別れなくちゃならなくて…
???ちゃんと王様に会えたのかな?
???エルの街、変な病気が流行っていて王様に助けてもらうって言ってたけど
ミラああ、王様には会えていないが、その病気ならもう大丈夫だ。原因を取り除いたからな
???ホント!?
???よかったー。これでエルも、前みたいに無事に暮らせるんだね
???あ、ごめんなさい!まだ名前名乗ってなかったね
レイアわたし、レイア・ロランド
レイアあなたの名前も教えてもらっていい?
ミラミラ=マクスウェルだ
レイアありがとう、ミラ!エルの事教えてくれて
レイアあ、わたしそろそろ行かないと
レイアエルも心配だったんだけど、別の友達を捜してるの
レイアじゃあね、ミラ。また、どこかで会ったらよろしくね!
ミラああ、またな
ミラエルの知り合いか。世間は狭いな
ミラさて、船に乗るなら、切符を入手しなくてはな
scene2偶然の出会い
ミラ船の切符は買えたが、これだけ待っている客が多いと、乗り込むまでに時間がかかるな
ミラウィンドルとア・ジュールは戦争をしているのに、人の行き来がこれだけ盛んというのも、不思議な話だが
ミラ仕方ない。順番が来るまで待つとしよう
精霊ウンディーネ
ミラそうだな。この間に、ア・ジュールに着いてからどうするか考えておいたほうがいいかもしれん
ミラ魔導兵器がどこにあるか、突き止めるのが何より先決だ。すぐにわかればいいのだが
精霊シルフ
ミラ魔導兵器を見つけたらどうするか?そんな事、考えるまでもない
ミラ魔導兵器は人間が手にすべき技術ではないとよくわかった。であれば、破壊するべきだろう
精霊イフリート
ミラ…根本的な原因を突き止めなければきりがない事も無論承知している。そちらの調査も進めないとな
???きゃああああ!
ミラ何だ?
ガアアアア!
ミラ魔物?こんなところに現れるとは!
scene1雪の国、ア・ジュール
ミラここがア・ジュール…
ミラウィンドルほどひどくはないが、この国もマナがだいぶ減っているな。やはり魔導兵器の影響か
ミラさて…その魔導兵器の情報を集めなくては
ミラ私はその辺りにいる者にそれとなく話を聞いてみる。お前達も色々と調べてみてくれ
精霊ウンディーネ
ミラ…よし、始めるか
ミラううむ…何人かに尋ねてみたが、誰も魔導兵器の事は知らないか
ミラウィンドルの時のように、上手い具合に情報を入手できるといいのだが…
精霊イフリート
ミラおお、お前達戻ったか。首尾はどうだ?
精霊ウンディーネ
ミラ兵士同士がそれらしい話をしているのを聞いた…?
ミラよくやった。それで?
精霊シルフ
ミラ…ほう。新兵器を開発している兵器工場があるのか
ミラ明らかに怪しいな。場所はどの辺りかわかるか?
精霊ノーム
ミラ首都カン・バルクの近郊…なるほどな
ミラよし、その工場へ行ってみるとしよう。魔導兵器はそこにある可能性が高い
scene2雪の国、ア・ジュール
ミラむ…?
ア・ジュール兵1そこの女、止まれ!
ミラ私に何か用か
ア・ジュール兵1今我が国は戦時中につき、検問を行なっている。お前は我が国の者か?
ミラいや、キムラスカだ。知り合いを訪ねて、カン・バルクに向かう途中だ
ア・ジュール兵1キムラスカか…
ア・ジュール兵2隊長殿。この女は特に怪しい物は所持しておりません
ア・ジュール兵1そうか。行っていいぞ
ミラすまんな
ミラ…ふう。咄嗟にごまかしたが、うまくいったようだな
精霊ノーム
ミラ嘘はよくないと言われてもな。あの場合、仕方ないだろう
ミラ精霊界から来たとは言えないし、ウィンドル出身だなどと思われたら警戒されるだろうしな
ア・ジュール兵1うわあああ!?
ミラあれは…魔物?さっきの兵達を襲っているのか
ミラええい、このまま見捨てては置けん!
scene1敵か味方か
ミラこの道を行った先に、兵器工場があるのだな
ミラ工場に近付くにつれて、マナが少なくなっている。やはり魔導兵器の影響か
精霊イフリート
ミラ(…ああ、私も気付いていた。 何者かが後をつけて来ているな)
ミラ(相手の目的がわかるまではと、 今まで気付かないふりをしてきたが… そうも言ってはいられないか)
ミラおい、そこのお前
ミラ私に用があるのなら、こそこそ隠れたりせず、堂々と出て来て話したらどうだ
???へえ、気付かれてたか。うまい事気配を隠したはずなんだけどなあ
ミラ何者だ?
???おっと待った。オレはお前の敵じゃない
スパーダオレはスパーダ・ベルフォルマ。お前、兵器工場へ行くんだろ?港で色々聞いて回ってたしな
ミラ
スパーダそう怖い顔するなって。…実はオレも目的地は同じなんだが、協力し合わないか?
ミラお前も兵器工場へ…?
スパーダオレの狙いも魔導兵器だ。こういえば、納得してもらえるか?
ミラ…どうやら色々と知っているようだな
スパーダまあな。オレはお前の敵じゃない。詳しい事は道中に話すさ
ミラ…わかった。ひとまずは行動をともにしよう
スパーダ話が早くて助かるぜ。それで、お前の名前は?
ミラミラ=マクスウェルだ
ミラスパーダ、予め言っておく。もし怪しい素振りを見せたら…その時はわかっているな?
スパーダわかってるって。本当に怖い女だな
ミラでは兵器工場へ向かおう
scene2敵か味方か
ミラスパーダ、お前は魔導兵器についてどれくらい知っている?
スパーダ理屈はよくわからねえけど、凄まじいエネルギーを生み出す装置だって聞いてるぜ
スパーダうちの王様はその魔導兵器をウィンドルとの戦争に使うつもりらしい
ミラ(やはり思った通りか…)
ミラそれで、お前は魔導兵器をどうするつもりだ?
スパーダどうするって…そうだなあ
スパーダ小さければ失敬するとこなんだが、大きいとそうもいかないだろうな。その時はぶっ壊すか。ヒャハハハハ!
ミラうちの王様、と言うからには、お前はア・ジュールの人間だろう。それなのになぜそんな事をする?
スパーダ自分の国の戦争の邪魔は、普通しねえよ。でもよ、どうも胡散臭いと思ってな
スパーダその魔導兵器ってのは、無限に使えるって触れ込みなんだが、そんなうまい話があるとは思えねえ
スパーダさすがにうちの王様がそんな胡散臭い物に惑わされるのはちょっとな。だから取り上げるのさ
精霊ウンディーネ
ミラ(嘘は言っていないと思う、か。 そうだな。私も同意見だ)
ミラなるほど。お前はお前なりの信念を持って、行動しているのだな
スパーダ少しはオレの事を信用したか?
ミラ少しはな
ミラお前はこの国の事情に詳しいようだな。ア・ジュールの魔導兵器は…
スパーダちょっと待った。話は後にしたほうがよさそうだ
ガアアアア!
ミラ魔物か!
scene1激闘
スパーダおっ、見えてきたぜ。あれが兵器工場だ
ミラやはりここも警備は厳しそうだな。また排水溝から潜入するか
スパーダまた?
ミラ私はここへ来る前に、ウィンドルの施設にも行っているからな
スパーダそれも魔導兵器に関係するのか?あっちでも研究してるって聞いてるぜ
ミラああ。だが向こうはもう心配ない。装置を破壊して、再建できないよう手も打った
スパーダ魔導兵器を壊すのは慣れてるってか。頼もしいな。こっちもその調子で頼むぜ
スパーダそれはそうと…さっき魔物に襲われる前に、何か言いかけてなかったか?
ミラああ、あれか
ミラア・ジュールの魔導兵器の建造を決めたのは王自身か?それとも、誰か他の人間の提案なのか?
ミラお前はその事について、何か知らないか?
ミラ(もし他の人間の提案だとすれば、 今回の一連の件のカギを 握っているかもしれん…)
スパーダなるほど。聞いた話じゃ、魔導兵器の建造は、ある女が持ち掛けたらしい
スパーダオレも会った事はねえけど何でもすげえ、イイ女だとか
ミラほう。女なのか
スパーダ名前も聞いたんだけど…何て言ったか…ミ…ミ…ミュウ?
ミラミュウ?イイ女というより、どちらかというと動物を連想させる名だな
スパーダあー…それっぽい名前なんだが…悪い。忘れちまった
ミラ…わかった。なら仕方あるまい。…見ろ。排水溝があったぞ
スパーダよし、中に入ろうぜ
scene2激闘
スパーダうまい事潜り込めたけどよ、なんか変な感じがするぜ…
ミラこの一帯のマナが減少しているからだ。魔導兵器が稼働しているとこうなるようだ
ミラ(ただ稼働しているだけでこれだ。 兵器として実用されれば、 多大な被害が出るだろう)
スパーダよくわかんねえけど、そうか。うん?あれは…!
ミラどうした?
スパーダここ、いかにも何かがあったように見えねーか?今は何もねえけど…
ミラ一足遅かったか…どうやら魔導兵器は、別のところに運び出されてしまったようだ
???ふふ、残念だったわね
ミラお前は…?
スパーダ誰だ?
???こんにちは、ミラ。それともはじめましてと言ったほうがいいのかしら
ミラ私を知っているのか?
ミュゼ私はミュゼ。あなたと同じ精霊よ
スパーダう、浮いてる…!?それに精霊って…。おい、どういう事だ?
ミラその説明は後だ。ミュゼ。お前が精霊だとしたら、なぜこんなところにいる
四大精霊
ミラ(四大も、奴の事は知らないか… いったい何者なのだ?)
スパーダ思い出したぜ、こいつだよ!うちの王様をそそのかして、魔導兵器を作らせた女ってのは
ミュゼそそのかしただなんて…私はマナの存在も知らない人間に、有効な活用方法を教えてあげただけよ
ミラなぜそんな事をする。それがどのような影響を及ぼすか、想像はつくだろう!
ミラ現にお前がもたらした魔導兵器のせいで人間界のマナは激減しているのだぞその事をどう思っているのだ
ミュゼそんなの、どうでもいいわ。私はあの人に喜んでほしくてやっているだけだもの
ミラミュゼ。精霊の主として命じる。人間界にある全ての魔導兵器を、即刻処分しろ
ミュゼ嫌だと言ったら?
ミラ力ずくでもそうさせる
ミュゼそちらの彼も、ミラの肩を持つのかしら?
スパーダおまえらの話はさっぱりだけどよ、結果的には、オレの目的もミラと同じだからな
ミュゼそう。だったらそれで構わないわ。…二人がかりでいらっしゃい!
scene3激闘
ミュゼうう…
ミラさあ、ミュゼ。答えてもらおうか。ここにあった魔導兵器をどこへ移した?
ミュゼ誰が言うものですか!
ミュゼひどい…よくも私にこんな事…許さないわ。絶対に許さない
ミュゼあなたの想い通りになんてさせないわ、ミラ。絶対に邪魔はさせない
ミュゼ元はと言えば、こうなったのは全部あなたのせいなのよ。その事を思い知らせてあげる!
ミラ私のせい…だと?それはどういう事だ
スパーダ飛んだ…!?
ミラ待て!
ミラ逃げられた…ミュゼの奴、一体どこへ魔導兵器を運んだのだ…
ミラ(私のせい… あの言葉の意味は一体…)
スパーダその事を知っていそうな人に、心当たりあるぜ。行ってみるか?
ミラ本当か?ぜひ連れて行ってくれ。一体どこの誰だ?
スパーダ…うちの王様さ
scene1国王・ガイアス
ミラア・ジュールの首都は初めて来たが、大した繁栄ぶりだな。ウィンドルの王都と比較しても遜色ない
スパーダア・ジュールの王は昔から何かと、ウィンドルに張り合っているからな。あっちに負けまいと必死なのさ
ミラそれは今の王も、という事だな
スパーダまあな。…さて、城門に到着だな。行くぞ
ミラ正面から堂々と行っていいのか?
スパーダいつも排水溝からじゃ芸がないだろ?ここはオレに任せとけって
警備兵止まれ、何者だ!
スパーダオレの名はスパーダ・ベルフォルマ。陛下のお召しを受け、参上した
警備兵ベルフォルマ家の方でしたか。失礼いたしました、どうぞ
スパーダ行くぞ、ミラ
ミラあ、ああ
スパーダどうだ、うまくいっただろ?
ミラお前は随分と顔が広いのだな
スパーダオレが、というより、オレの家が、だけどな
スパーダあんま言いたくねーけど、ベルフォルマ家ってのは、この国じゃそれなりの格なんだよ
スパーダまあ、たまにはこうやって家の名前を使うのもいいだろ。さっさと王様に会おうぜ
scene2国王・ガイアス
ガイアスむ…?
スパーダご無沙汰しております、陛下
ガイアスベルフォルマ家の七男か。確か、スパーダといったな。…一緒にいる女は誰だ?
ミラ私はミラ=マクスウェル。お前がこの国の王か?
ガイアスいかにも。俺がア・ジュール王、ガイアスだ。
スパーダミラ、ここはオレに任せとけ
ミラわかった。お前にまかせる
スパーダ陛下、私もベルフォルマ家の一員として、戦場に赴く事になりました
ガイアスそうか。で、用件はそれだけか
スパーダつきましてはご挨拶がてら、魔導兵器の事をお伺いしてくるよう父上に言われまして…
ガイアスあれはまだ工場で実験中だ。今すぐ実戦に投入する予定はない。戦況によほどの変化でもない限りな
スパーダあ、あれ…左様ですか…
ミラ(どういう事だ? 工場に兵器はなかった…。 奴は嘘をついているのか?)
部下陛下、前線より急報です!
ガイアス
ガイアス…………何だと!?
スパーダ何かあったのですか、陛下?
ガイアスウィンドルが大攻勢をかけてきた。国境付近に敷いた防衛線が突破されかかっていると報告があった
ガイアス俺も直ちに現地へ向かう。スパーダ、お前もすぐ向え
スパーダ御意
スパーダふう…とんでもない事になったな
ミラウィンドルがこのタイミングで攻勢をかけてくるとは…
通りすがりの男うわあああ!
警備兵魔物が出たぞ!
スパーダ魔物!?街の中だってのに…!おい、ミラ、行くぞ!
ガルルルル!
ミラああ!一気に片をつけるぞ!
scene1いざ、戦場へ
ミラさて。これからどうするかだが…
スパーダそうだな…ここは一度、情報を整理しようぜ
ミラ…スパーダ、お前はガイアスが話した事をどう思う?
スパーダあの口ぶりじゃ、魔導兵器が既に工場にないって事は、知らねえだろうな
ミラ嘘をついたわけではないと?
スパーダああ。あの人がそんな事をする必要はないだろ?
スパーダあのミュゼって女が、独断でやったのかもしれねーしよ
ミラいずれにせよ…魔導兵器のありかをはっきりさせる事はできなかったな
スパーダでも見当はついただろ。防衛線が破れかかってるってのは、よほどの変化だと思うぜ
ミラ魔導兵器が戦場に投入される可能性があるという事か
スパーダま、そう考えるのが妥当だろうな。下手すりゃミュゼのヤツが、とっくに設置を終えてるかもな
ミラだとしたら…次に向かうところは決まったな
スパーダああ、戦場だ
scene2いざ、戦場へ
ミラそういえば、スパーダ。お前は星のカケラの事は知っているか?
スパーダそんなには知らねーな。持っていれば例の、光の神殿に入れるって事くらいだぜ
ミラ私が聞いた話では、神殿に入れるのはカケラを手にし、己に打ち勝った真の選ばれし者だけが、だが
スパーダ光の神殿に入れれば、何でも願いがかなうんだっけ?
ミラそれは…
精霊ウンディーネ
ミラ願いがかなうのは星のカケラが6個そろった時、だそうだ。
スパーダだそうだ…?まるで誰かに言われたみたいに話すんだな
スパーダまあ、星のカケラに関しては、そんな感じで詳しくは知らない。別に欲しいとも思わないしな
ミラ皆がお前のようならいいのだがな。ウィンドルの国王など、カケラ欲しさに戦争を始めたと聞く
ミラガイアスはどうなのだ?何か耳にした事はあるか?
スパーダうちの王様は神頼みみたいな事には興味がないと思うぜ。あの人は自分を信じているからな
ミラその割に、魔導兵器にはすがろうとしているようだが
スパーダそこはオレも、気に入らねえけどな。ウィンドルに対抗するために、仕方なくってところもあるんだろ
ミラスパーダ。お前が当初言っていた、魔導兵器を破壊したいという気持ちは今も変わりはないか?
スパーダああ。そこは信用してくれていいぜ。もう、かっさらうわけにもいかねえだろうしな
ミラそれならいい
精霊シルフ
ミラむ…?
スパーダどうした?
ミラ魔物がいる!
グオオオオ!
スパーダちっ、トロトロしすぎちまったみてえだな
scene1魔導兵器を追って
スパーダこの辺りだな…既に両国の兵がやり合ってる
精霊ウンディーネ
ミラ(ああ、私も気が付いた。 あたり一帯のマナの流れが、 かなり乱れているな)
ミラ(今のところは魔導兵器ではなく、 多くの人間が放つ殺気が 原因になっているようだが…)
スパーダどうかしたか、ミラ?
ミラいや、何でもない
スパーダさてと、ここまで来たら、次は前線を目指さねーとな
スパーダこの辺は地形が複雑だから、ア・ジュールとウィンドル双方の部隊が入り乱れて動いているはずだ
スパーダ下手をすると敵の大部隊と遭遇して面倒な事になる可能性もある。気をつけろよ
ミラ敵か…危険なのは、ウィンドル軍だけではあるまい
ミラア・ジュール側が私達の事を、敵と間違える可能性もあるのではないか?
スパーダああ。こうやって勝手に動いているとそうなる危険性は、どうしても出てくるんだよ
スパーダだから、両軍から追われるハメにならないよう、できるだけ注意しながら進むしかねえ
ミラわかった。無益な戦闘は極力避けたいからな。お前の言う通り、注意して進もう
ミラ(魔動兵器…必ず見つけて 破壊する。そして…ミュゼ…。 奴はいったい何を企んでいる?)
scene2魔導兵器を追って
ア・ジュール兵誰だ!?
スパーダスパーダ・ベルフォルマ。国王陛下の勅命を受け、行動中だ。通してくれ
ア・ジュール兵ベルフォルマ家の…!失礼いたしました
スパーダところで聞きたいんだが、魔導兵器がどこに配備されているか知っているか?
ア・ジュール兵魔…?
スパーダ知らないみたいだな。それならいい
ミラ魔導兵器の情報を知っている者には、なかなか会えないな
スパーダ時間がないってのによ…
ア・ジュール兵何?軍の中に裏切り者がいる、だと?
ア・ジュール兵兵器工場に潜入…男女2人組…帽子を被った男に金髪の女…?まさか…
ミラ…!
スパーダヤバい!逃げろ!
スパーダどうやら、オレ達が兵器工場へ行った事が、広まり始めてるみたいだな…
スパーダ魔導兵器がなくなった事をオレ達のせいだと誤解されたら、たまったもんじゃないぜ
ミラ早く魔導兵器を見つけるぞ。このままでは身動きが取れなくなる
ザッザッザッ…
スパーダ…この足音の数、別の部隊か。ここは隠れてやり過ごすしかなさそうだな
ウィンドル兵ア・ジュールの工作員がこちらへ逃げたと報告があった。何としても見つけ出せ!
ウィンドル兵工作員は全部で4名!紫髪の少女と茶髪の少女、金髪の少年、仮面の男だ!
ザッザッザッ…
スパーダア・ジュールだけでなく、ウィンドルのほうも大変みたいだな
ミラ茶髪の少女と金髪の少年と仮面の男?紫髪の少女に心当たりはないが、まさかな…
ガサガサ…
スパーダまた別の部隊か?
グオオオオッ!
ミラ邪魔をするな!
scene1ゆるぎない意志
スパーダその話、本当か?
ア・ジュール兵はい。この先の山の山頂に、巨大な大砲のような見慣れない兵器が設置されていると聞きました
スパーダミラ、どう思う?
ミラそうだな…
精霊イフリート
ミラ(山頂の方角から、 マナの減少を感じる… おそらく魔導兵器の影響だろう)
ミラどうやらそれが魔導兵器の可能性が高いな
スパーダわかった。これでようやく場所を突き止めたな
スパーダよし、急ごうぜ!
スパーダあそこに見えるでかいのが、もしかして…
ミラああ、間違いない。魔導兵器だ
ミラ(すでに大量のマナがエネルギーに 転換されているようだな…)
ミラ(これでは いつ使われてもおかしくない)
ミラよし、急いで破壊するぞ
ミュゼそうはさせないわ!
ミラミュゼ!
ミュゼあなた達に私の邪魔はさせない。ここで黙って見ていなさい
スパーダ目の前で魔導兵器が使われるのを、はいそうですかと黙って見てられるかよ!
ミラミュゼ!お前はなぜそこまでして、人間同士の戦いに首を突っ込む?
ミュゼ私はガイアスを喜ばせたいだけ。他に理由はないわ
スパーダうちの王様…?
ミュゼ無駄話はもう終わりよ。ここで死ぬあなた達に、詳しい事を教えても仕方ないわ
ミラ何…
ミュゼさあ、覚悟しなさい!
scene2ゆるぎない意志
ミュゼあなた達、しつこいわね
ミラミュゼ、聞かせろ。お前がガイアスにそこまで肩入れするのはなぜだ?
ミュゼそんなの決まってるじゃない。彼が私の事を、必要だと言ってくれたからよ
スパーダ王様が?
ミュゼだから私は魔導兵器を作って、強大な戦力を生み出して、彼の望みをかなえてあげるの
ミラそんな私利私欲のために…
ミラ貴重なマナを浪費し、人間界のみならず精霊界をも危機に陥れるとは…!
ミュゼあなたにはわからないわ!
ミュゼそうよ。生まれた時から光の当たる場所にいて、精霊の主とみんなに持ち上げられてきたあなたに…
ミュゼずっと陰の存在であり続け、誰にも顧みられなかった私の気持ちがわかるはずがない!
ミラそんなお前を、ガイアスだけが受け入れたと?
ミュゼそう。だから私は魔導兵器を使って、彼の望みをかなえてあげると決めたの
ミュゼ世界を統べる王になりたい、世界を牽引する者になりたいという、彼の望みをね
スパーダうちの王様も、とんでもない女に見込まれたもんだな
ミラお前のねじまがった私欲のせいで、世界を危機にさらす事はできない。魔導兵器は全て破壊する
ミュゼミラ。あなたは私が殺してあげる。姉としてのせめてもの慈悲よ
ミラ姉だと…!?
ミュゼさあ、覚悟なさい!
scene3ゆるぎない意志
スパーダここまでだぜ!
ミュゼうう…どうして…どうしてこんな…
ミラミュゼ、聞かせてくれ。お前は本当に…私の姉なのか?
ミュゼそうよ。あなたは私を知らなかったけど、私は知っていた。陰からいつも見ていたんだから
ミュゼあなたは生まれながらに精霊の主で、常に光のあたる場所にいて、みんなに愛されてきた…
ミュゼ一方私は、ずっと日陰に置かれ、誰からも必要とされず、実の妹にさえ存在を知られずに過ごしていた…
ミュゼ姉妹なのにどうしてこうも違うの、とずっとずっと思ってきたわ…
ミラ…それでお前は、兵器工場で会った時、私のせいだと言ったのだな
スパーダなるほどな。だったら、これからお互いわかり合えるよう腹割って話し合えばいいじゃねえか
ミラミュゼ。お前を追い詰めたのは、私の責任でもあるのかもしれない
ミラ済まない…
ミラだが、それでも私は、魔導兵器を破壊しなければならない
ミラこれは人間界には余る物だ
ミュゼやめて!
ド---ン!
スパーダこれだけぶっ壊せば、もう直せねーだろ
ミュゼ終わった…全て終わってしまった…
ミュゼ魔導兵器を失ってしまった私は、もうガイアスの力になれない
ミュゼもう彼に必要とされない…
ガイアス余計な心配だな、ミュゼ
ミラガイアス!
ガイアスミュゼ。俺がお前を必要だと言ったのと、魔導兵器とは、何の関係もない
ガイアス俺がお前を必要だと言ったのは、お前自身の能力を評価したためだ
ガイアスそれ以上でもそれ以下でもない
ミュゼガイアス…
ガイアス俺は魔導兵器の助けなど借りずとも、祖国を守り、いつの日かこの世界を統一してみせよう
ガイアスミュゼ。お前は俺の命に従い、存分にその力を発揮すればいい。余計な気を回すな
ミュゼああ…ガイアス…ありがとう…!
スパーダ…これで一応、丸く収まったのか?
ミラそうだといいが…うん?
ミラお前達、魔導兵器の残骸の中から何か見つけてきたのか
精霊ノーム
ミラこれは…クリスタル魔導兵器の主動源か…?
ミュゼその通りよ。そのクリスタルがなければ、魔導兵器を動かす事はできないわ
ミラそうか。ではこのクリスタルは私が回収させてもらう
ガイアス魔導兵器の研究を行なっているのは、我が国だけではない
ガイアスこの1つを回収したところで、魔導兵器はまたどこか、別の国で使われる事になるだろう
ミラ
ミラなら全て回収するまでだ、人間界にはただの1つすら残さん
ミラそれが私の進むべき道だ
ミラ何だ…?クリスタルが光り出した…
ミュゼ何てきれいな光…
スパーダミラ。もしかしたらそれ、星のカケラなんじゃねえ?
ミラこのクリスタルがか?もし本当にそうだとしたら、なぜ急に光り出したのだ?
ガイアス…マクスウェル。もしそのクリスタルが、本当に星のカケラだとしたらどうする?
ガイアスもしそうだとしたら、お前はこの先、ウィンドルを敵に回す可能性もあるぞ
ガイアスあの国の王が、カケラを狙っている事はお前も知っていよう
ガイアスそれでもお前の意志は変わらないか?
ミラ無論だ。その程度の事で、私の意志は揺らいだりはしない
ガイアスなるほどな。伝説が本当なら…
ガイアスお前はもしかすると星のカケラに認められ、「真の選ばれし者」になったのかもしれん
スパーダじゃあ、これで光の神殿に入る資格が得られたって事か
ミラ(もし星のカケラとクリスタルが 同じ物なら、全てのカケラを集める 事で、私の目的は達成できるか…)
ミラ光の神殿へ行けば他のカケラについて、何かわかるかもしれない
ミラ…よし、行ってみるとしよう
ミラまるで私の言葉に答えるかのような光り方だな
ミラそうか。このまま連れて行ってくれるのか
スパーダミラ、オレも一緒に行くぜ
スパーダうっ、弾かれた…?
スパーダそれに、これ以上、ミラに近付けないって、どういう事だ?
スパーダもしかして、選ばれたのはミラだけ…?
スパーダクソ、もう一度!
スパーダやっぱりダメか…
スパーダなんでオレは、光の神殿へ連れて行ってもらえねーんだ?
ガイアススパーダ。お前には星のカケラをどうしたいかという、明確な意志はあるのか?
スパーダなるほど、そこがミラとの差か…
ミラスパーダ、色々と世話になった。ここからは私だけで行って来る
スパーダオレの方こそ、ありがとな。気をつけろよ
ミラガイアス。ミュゼの事を、よろしく頼む
ガイアスお前が心配するまでもない
ミュゼミラ…私の事を心配してくれるの?
ミラたった一人の姉だからな
ミラ…では、行ってくる
スパーダ行っちまったか…
ガイアス感傷に浸っている暇はないぞ。ウィンドルとの戦いがまだ継続中だという事を忘れるな
ガイアス今は敵の動きを食い止めねばならぬ。二人ともついて来い
ミュゼわかったわ、ガイアス!
スパーダやれやれ。これから忙しくなりそうだぜ…
スパーダ…ミラ。無事に戻って来いよ