| Name | Dialogue |
| scene1 | 災いの予感 |
| ミラ | … |
| ミラ | …! |
| ミラ | …また、マナが減った… |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | ああ、わかっている、イフリート。これは今に始まった事ではない |
| ミラ | 人間界でマナの減少が目立つようになったのは…ここ1年くらいか |
| ミラ | そうだな、シルフ? |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | ここまで続くと、さすがにもうただの自然現象とは考えにくい |
| ミラ | 人間界に、確実に何かが起きている |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | ふむ。ウンディーネとノームもそう思うか |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | ん?原因に心当たりがあるか? |
| ミラ | そうだな… |
| ミラ | 人間界に出現したという光の神殿。それと、各地に飛散したという星のカケラ… |
| ミラ | まだはっきりした事はわからないが時期を考えると、それらがマナ減少に関係している可能性は高いだろう |
| ミラ | … |
| ミラ | やはり人間界に行く必要があるな。人間界でマナ減少の原因を突き止め、対処せねばなるまい |
| ミラ | 人間界を守る事、それが精霊の主、ミラ=マクスウェルの務めだ |
| 四大精霊 | … |
| ミラ | そうか。お前達もついて来るか。それでは… |
| ミラ | 行こう。人間界に |
| scene2 | 災いの予感 |
| ミラ | 四大。最近の人間界の動向を教えてくれ |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | ふむ…ウィンドルの国王が、自らを選ばれし者と称し、星のカケラを全て集める事を宣言した、か |
| ミラ | 星のカケラの話は、耳に挟んだ事がある |
| ミラ | 確か、全部で6個という話だったな |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | なるほど。ウィンドルはその星のカケラほしさに、隣国のア・ジュールに攻め込んだのか |
| ミラ | ア・ジュールの側もウィンドルに対抗すべく、積極的な軍備増強を行なっている |
| ミラ | この両大国の衝突は他国にも影響を与え、シルヴァラントやキムラスカにも動揺の兆しあり、か… |
| ミラ | … |
| ミラ | …人間というのは、なぜこうも争いごとを好むのか |
| ミラ | マナの減少が人間間の争いを助長したのか、あるいはその逆か…判ずるのは難しいところだがな |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | ああ、わかっている |
| ミラ | これは今となっては、もはや人間界だけの問題ではない |
| ミラ | 精霊界も以前と比べて荒れている。今まで姿を見なかった魔物が現れるようになったのはその一例だ |
| ミラ | 人間界と精霊界は裏表の関係。どちらかに変化が生じれば、もう一方にも必ず影響が生じる… |
| ミラ | む…? |
| ミラ | … |
| ミラ | 魔物…?こんなところにまで入り込んでくるとは |
| ミラ | 撃退するぞ。四大も私に続け! |
| scene1 | 人間界へ |
| ミラ | こうして人間界に来るのも、考えてみると久しぶりだな |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | 以前と比べて、変わったところはあるかだと? |
| ミラ | そうだな… |
| ミラ | ぱっと見は変わらないが、空気の感じは明らかに違っているな |
| ミラ | 前はもっとマナが豊かで、多くの生命に満ちあふれていたが、今はどこか荒んだ印象を受ける |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | 当然だろう。マナはあらゆる生命の源でもある。そのマナが減れば、生命の活気も衰えるのは道理だ |
| ミラ | もし何者かが人為的にマナを減らしているのだとすれば、それは許されるものではない |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | さて、これからどうするかだが… |
| ミラ | これだけマナが減少していると、人間の暮らしにも何か異変が起きているかもしれない |
| ミラ | まずはどこかの街へ行き、情報を集めるとしよう |
| ミラ | 四大。この辺で一番大きな街はどこになる? |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | なるほど。ここから南に行くと、このあたりを治めるウィンドルの王都があるのか |
| ミラ | ではまず最初に、その王都を目指すとしようか |
| scene2 | 人間界へ |
| ミラ | ここがウィンドルの王都かさすがに大した繁栄ぶりだが… |
| ミラ | マナが今の調子で減少を続ければ、果たしていつまでもつ事か |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | 心が荒れている人間が多い? |
| ミラ | 今この国は戦争中だからな。そうなるのも仕方あるまい |
| ミラ | ここへ来る間も、多くの兵が戦場に向かって移動していくのをお前達も見ただろう? |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | 愚かな行為…そうだな。確かにその通りだ |
| ミラ | さて、お前達は、街でマナ減少の手がかりを探ってくれ |
| ミラ | 私もこの辺で情報を収集する。では、また後でな |
| 騎士団員1 | 聞いたか。例の奇病の噂 |
| ミラ | (奇病だと…?) |
| 騎士団員2 | ああ。イニル街で流行ってるんだろ。王都に伝染しないといいんだけどな |
| 騎士団員1 | あの街で病気が流行った理由は、やはりあの… |
| ミラ | おい、お前達。その話、詳しく聞かせてくれないか? |
| 騎士団員2 | な、何だお前は。人の話を盗み聞きするんじゃない! |
| 騎士団員1 | お前に話す事など何もない! |
| ミラ | (行ってしまった… あの様子では、口を割らせるのは 難しそうだな) |
| 四大精霊 | … |
| ミラ | お前達、戻ったか |
| ミラ | 何か収穫はあったか?こちらは気になる話を聞いたぞ |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | ふむ。隣国ア・ジュールで、新技術を用いた兵器が開発されている噂がある、か… |
| ミラ | その新技術とやらがマナ減少と何か関係があるのではないかと、お前達は考えているのだな |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | 両方とも調べる必要がありそうだが…どちらを先にするか |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | …そうだな。イニル街から先に行くか。同じウィンドル国内だしな |
| ミラ | よし、そうと決まれば… |
| 女 | きゃああああ! |
| 男 | 魔物だ! |
| ミラ | 魔物?こんな街中に? |
| scene1 | 同じ場所を目指して |
| ミラ | イニル街へ行くのはこの道でいいのか? |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | うむ…人間界の地理に疎いからな…案内がいればいいのだが、そんな都合のいい話があるわけも… |
| ミラ | む?あれは… |
| | |
| ??? | あっ! |
| ミラ | 危ない! |
| | グオオオ… |
| | |
| ミラ | …何とか間に合ったかケガはないか? |
| ??? | う、うん…助けてくれてありがと… |
| ミラ | (この二人…父娘か?) |
| ミラ | 魔物相手に油断は禁物だ。それと、そこの長髪の男。父親ならちゃんと娘を守るべきだろう |
| エル | あ、違うよ。ユーリはエルのパパじゃなくって、セーギの味方の騎士団だよ! |
| ミラ | (ふむ、読みが外れたか…だが、 騎士と子どもがこんなところで 一体なにをしているのだ…?) |
| エル | あなたは?エルはエル。このひとはユーリ |
| ミラ | 私の名はミラ。ミラ=マクスウェルだ |
| エル | ミラはここでなにしてたの? |
| ミラ | イニル街というところへ行く途中だ。奇妙な噂を耳にしたのでな |
| ユーリ | その噂ってのは、あそこで流行っているっていう奇病の事か |
| ミラ | 知っているのか |
| ユーリ | オレもそれを調べるためにあの街へ向かっているとこなんだよ。エルを送っていくついでにな |
| ミラ | なるほど。目的地は同じか |
| エル | せっかくだから、ミラもエル達と行こうよ |
| ミラ | (四大はどう思う?この二人、 敵意はなさそうだが…) |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | (確かにイニル街に行くのであれば、 ついて行くのが得策か…) |
| ミラ | …そうだな。私はこの辺の地理に疎いから、同行させてもらえると助かる |
| ミラ | では、行くとしようか |
| scene2 | 同じ場所を目指して |
| ミラ | ユーリはエルを家に送るためにイニル街へ向かっていると言ったな。それはつまり… |
| ユーリ | つまり、エルの家はイニル街にあるってこった |
| ユーリ | だろ、エル? |
| エル | うん |
| ミラ | では街の状況についても詳しいのだな。差し支えなければ、教えてもらえないか? |
| エル | ユーリにも話したんだけど、最近へんなビョーキがはやってて具合わるいひとがたくさんいるの |
| エル | ビョーキがうつるからって、街を出てくひともたくさんいて、助けてくれるひともいなくて… |
| エル | だからエル、王様に頼んで、助けてもらおうって思ったの |
| ミラ | なるほど… |
| ミラ | (想像していた以上に、 事態は深刻そうだな…) |
| ユーリ | で、こいつははるばるイニル街から王都のそばまでやってきた |
| ユーリ | オレの方は、騎士なんかやってたばっかりに、こうして付き合う破目になってるって訳だ |
| ミラ | ほう、ユーリは騎士なのか |
| ミラ | 弱き者に手を差し伸べる、立派な騎士道精神だな |
| ユーリ | 立派かどうかは知らねえけどな |
| ユーリ | けど、こんな子ども一人で送り返して、夢見悪い事になんのも考え物でな |
| ミラ | その通りだな。それで、国王には話はできたのか? |
| ユーリ | いや、まだだ。さすがにいきなり国王が相手してくれるとも思えなかったんでな |
| ユーリ | だからオレが街の状況を確認して、エルの代わりに国王に報告しようと思ってる |
| エル | よろしくね、ユーリ |
| ユーリ | ま、やるだけやってみるさ |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | (何…?魔物がひそんでいる?) |
| ミラ | 二人とも、気を付けろ! |
| ユーリ | あんなところに! |
| ユーリ | なんでわかったんだ、ミラ? |
| ミラ | 理由を説明している暇はない。こいつを撃退するぞ! |
| scene1 | 病に侵された街 |
| ユーリ | そろそろか…? |
| ミラ | (やはり予想した通りか。 この辺一帯はマナの消費が激しい) |
| ミラ | (四大。先に街へ入り、 探りを入れてくれ。頼んだぞ) |
| 四大精霊 | … |
| | |
| ユーリ | 街が見えてきたな |
| エル | なんかヘンな気する…。街にいるときは感じなかったのに… |
| ミラ | お前達も気付いたか。これはマナの消費が激しいせいだ。…やはりあの街には何かあるようだな |
| エル | マナ? |
| ミラ | この世界を司るエネルギーとでも言えばいいだろうか。目には見えないがな |
| ユーリ | へえ、物知りなんだな |
| ミラ | ところでユーリとエルは、星のカケラの伝説を知っているか? |
| エル | エル聞いたときある! |
| エル | カケラを手にし己に打ち勝った者だけが、光の神殿に入れる… |
| エル | でしょ! |
| ユーリ | ただのおとぎ話のはずが、本当に光の神殿が現れたってんで、世界中大騒ぎになっているな |
| ミラ | その騒ぎとマナの減少、そして奇病の流行…。すべての時期が微妙に重なっているのが気になってな |
| ユーリ | 何か関係があると思うのか? |
| ミラ | …まあいい。とにかく、街の様子を調べよう |
| ユーリ | だな |
| scene2 | 病に侵された街 |
| ミラ | これは… |
| ユーリ | なんてこった。そこら中に人が倒れてんじゃねえか! |
| ミラ | 外から見た時に予感はしてはいたが、思っていた以上にひどい状況だな |
| ミラ | (この有様…単にマナが減少した だけでは説明がつかない) |
| ミラ | (他にも原因があるようだな) |
| ユーリ | 街で病気が流行り出したのは、確かひと月前だと言ったよな。こんな状態がずっと続いていたのか? |
| エル | エルが出かけるまではこんなじゃなかったよ! |
| ミラ | (1ヶ月前か…その頃この街に何が あったのか、調べなくてはな。 それにしても…) |
| ミラ | 街がこんな状態だと、治安の悪化も心配だな |
| エル | チアン? |
| ユーリ | 悪さする奴が増えてないかって事だ |
| エル | …悪いひと多くなってるよビョーキがはやる前はそんな事なかったのに。それに魔物も… |
| ユーリ | これだけたくさん病人が出てりゃ警備の手だって足りなくなんだろ。魔物が入り込んでもおかしくないな |
| ミラ | あの王都でさえ魔物が出るのだ。こんな小さな街ならなおさらだろう |
| ユーリ | そりゃごもっともだ。ここには騎士団すらいないしな |
| ユーリ | エル。街の中で、特にひどい状況の場所は分かるか? |
| エル | どこもみんなつらそうだけど…一番はあっちかな |
| ミラ | む…? |
| ミラ | ちょっと待て、二人とも。向こうから何か来るぞ! |
| ユーリ | ちっ…! |
| scene1 | 仮面の男 |
| ミラ | ふう… |
| エル | 急に魔物が襲ってきてびっくりしたね |
| 四大精霊 | … |
| ミラ | 戻って来たか、お前達。何かわかったか? |
| エル | え?戻って来たって何の事? |
| ミラ | なんでもない。ただの独り言だ |
| ミラ | (街の南に妙な施設を見つけた?) |
| ミラ | (ふむ…確かめてみるか) |
| ユーリ | ったく、出鼻をくじかれたな。そんじゃ調査再開といくか |
| エル | 街の東側へ行くんだよね |
| ミラ | (東か…私の行きたい方角とは 異なるな) |
| ミラ | すまないが、私は別行動を取らせてもらう |
| ミラ | 調べたい事があってな |
| エル | え?ミラ…ここでお別れなの? |
| ミラ | そんな悲しそうな顔をするな、エル |
| ミラ | 用が済んだらまた合流する |
| ミラ | しばらくしたら、街の入り口で落ち合おう。それでどうだ? |
| エル | わかった。それならまた会えるね |
| ユーリ | 行くのはいいが、一人で大丈夫か? |
| ミラ | 心配はいらない |
| ミラ | では、また後でな |
| | |
| ミラ | さて。その南にあるという施設に行ってみるか |
| | |
| ミラ | これは…! |
| ミラ | マナがいきなり減っただと…一体何が起きた? |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | お前達の見つけた施設と関係があるかもしれないな。急ぐぞ! |
| scene2 | 仮面の男 |
| ミラ | この道をまっすぐ行ったところに、お前達のいう施設があるのだな |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | 確かにこの辺は、マナの量は街の他のところと比べても少ない… |
| ミラ | 自然にこうなるとは考えにくいな。やはり何かしら人為的な原因があるという事か? |
| ミラ | む…? |
| ??? | … |
| ミラ | (こいつ…何者だ? 物腰にまったく隙がない) |
| ??? | そこのお前 |
| ミラ | 私に何か用か? |
| ??? | 金髪の男と、茶色の髪の女を見なかったか? |
| ミラ | 金髪の男と茶色の髪の女…? |
| ミラ | いや、見ていないが |
| ??? | そうか |
| ??? | ならばいい |
| ミラ | 明らかにただ者ではなかったな。かなりの実力の持ち主のようだ |
| ミラ | くっ、まただ…! |
| ミラ | またマナが、急激に減少したぞ |
| ミラ | 原因を作っているのは、やはりこの先にある施設か? |
| 通りすがりの男 | う… |
| ミラ | おい、しっかりしろ。いきなり倒れてどうした?大丈夫か? |
| 通りすがりの男 | … |
| ミラ | 気を失ったか… |
| ミラ | これ程急激にマナが減ったりすれば影響を受ける者が出るのも無理もない |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | どうする、だと? |
| ミラ | 人目につく場所まで連れて行くしかあるまい |
| ミラ | この男をここにこのまま放置すれば、確実に生死に関わるだろうしな |
| | グオオオオ! |
| ミラ | 魔物だと?こんな時に! |
| scene1 | 不思議な2人 |
| ミラ | 具合はどうだ?ここまで来れば他の人間もいるから後は何とかなるだろう |
| 通りすがりの男 | ご親切にありがとうございます。本当に助かりました |
| ミラ | さて。もう一度あの施設まで行ってみるか |
| ミラ | …うん? |
| | |
| ??? | いないなあ、ジューダス。どこに行ったんだろ |
| ??? | 魔導器(ブラスティア)を気にしていたから、きっとその近くだと思うんだけど… |
| ミラ | (あれは…仮面の男が話していた、 金髪の男と茶色の髪の女か?) |
| ミラ | お前達。ちょっといいか? |
| ミラ | 先ほど仮面をかぶった男に会ったが、お前達の知り合いではないのか? |
| ??? | 仮面の…?それ、ジューダスよね、カイル! |
| カイル | うん! |
| カイル | ねえ、その仮面をかぶった人と、どこで会ったの? |
| ミラ | 街の南にある施設の近くだ |
| カイル | やっぱり魔導器のところだ。リアラ、もう一度行ってみよう! |
| ミラ | もう一つ聞いてもいいか? |
| ミラ | お前達、あの施設の事を何か知っているのか? |
| リアラ | 直に見たわけではないけど…あの施設の中にあるのは、魔導器と呼ばれる装置よ |
| カイル | この国の王様が数ヶ月前に、技術者を呼んで建てたんだって。でも、何で作ったのかわからないんだ |
| カイル | オレには難しくてよくわからないけどその魔導器は生き物の命を吸い上げて動力源ってヤツにしてるらしいんだ |
| カイル | 魔導器を動かすと、人が飲むと危険な水をたくさん出すんだって。だから街の人が病気なんだと思う |
| カイル | あ、そういえば…ア・ジュールって国にはもっとすごい魔導兵器があるんだって |
| ミラ | 魔導兵器…だと? |
| カイル | うん、多分魔導器と同じ。それを兵器に… |
| リアラ | カイル。こっちの世界の人に、あまり干渉するのはよくないわ |
| カイル | あ、うん。そうだったね |
| リアラ | そろそろ行きましょう。早くしないと、ジューダスと合流できなくなるかもしれない |
| リアラ | じゃあわたし達はこれで。さようなら |
| ミラ | … |
| | |
| ミラ | あいつら、一体何者だ…?やけに色々な事を知っていたな |
| ミラ | こっちの世界と言ったのも気になる… |
| ミラ | …だが、ひとまずマナの減少の原因がわかったのは収穫だな |
| ミラ | 奇病の原因は、やはりあの施設か |
| ミラ | 魔導器…確かそう言っていたか |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | そうか。ユーリとエルがそろそろ戻って来るかもしれないな |
| ミラ | また合流すると約束した手前、行かないわけにもいくまい。先にふたりと合流しよう |
| scene2 | 不思議な2人 |
| ミラ | 街の入り口まで戻ったが…ユーリとエルはまだ来ていないか。このまま待つとしよう |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | 魔導器…生命を吸い上げて動力源にする装置か… |
| ミラ | 生命がマナを指すのは確実だろう。この国の王が設置を命じたと言っていたが… |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | そうだな。誰が作ったのか、確認する必要があるだろう。そうせねば問題は解決しない |
| エル | あっ、ミラがいるよ |
| ユーリ | オレ達より先に戻ってたか |
| ミラ | ふたりとも無事なようだな |
| ユーリ | そっちは何か収穫はあったか? |
| ミラ | ああ。街で流行っている奇病の原因を特定した |
| ユーリ | …南にある施設か? |
| ミラ | そうか。お前達も同じ答えにたどり着いたようだな |
| ユーリ | オレ達のほうは、たまたまみたいなもんだけどな |
| ミラ | (もしかしたらユーリ達も、 あの三人に会ったのかもしれんな) |
| ミラ | どうもその施設というのは、この国の王が技術者を派遣して、数ヶ月前に設置したものらしい |
| エル | エル、思い出した! |
| エル | 施設ができる時、これで暮らしが楽になるってみんな言ってた |
| エル | 魔導器があればショーライアンタイだって |
| ユーリ | こりゃいよいよその施設とやらに行ってみなきゃならねえな |
| ミラ | そうだな… |
| ミラ | む? |
| エル | 何か来るよ! |
| scene1 | その原因となるもの |
| ユーリ | この先に例の施設があるんだな |
| ミラ | ああ |
| ミラ | (さっき、この辺で仮面の男と 会ったのだったな…あの三人組は、 無事に再会できただろうか) |
| | |
| ミラ | 施設が見えてきたな |
| エル | あの中に魔導器があるんだよね? |
| ユーリ | 見て終わりって訳にはいかなさそうだな |
| ユーリ | とっととぶっ壊しちまうか |
| ミラ | 私もそのつもりだ。気が合うな |
| エル | エルも手伝う! |
| ユーリ | 頼もしいな |
| ユーリ | それじゃ、乗り込むとするか |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | (この先に武装した兵が多数いる? …わかった) |
| ミラ | 正面は鍵がかかっているようだな。裏に回ってみよう |
| エル | 厳しいの?エルには何も見えないよ |
| ミラ | 先ほど近くまで行って確認した。間違いない |
| ミラ | (四大に教えてもらったと言っても、 何の事か理解できないだろうしな) |
| ユーリ | …ま、いいさ。ここはミラの忠告に従っておこうぜ、エル |
| ミラ | ふむ。この排水溝から中に潜入できそうだな |
| エル | ここなんかくさいよ… |
| ユーリ | 大丈夫か?無理に一緒に来なくたっていいんだぜ? |
| エル | 大丈夫! |
| エル | ビョーキになった人達を助けるためだもん |
| ミラ | 中に入るぞ |
| scene2 | その原因となるもの |
| エル | これって… |
| ユーリ | こいつが例の魔導器か? |
| ミラ | 周囲のマナが減り続けている。やはり、こいつが元凶のようだ |
| ミラ | (マナを動力源にしてエネルギーに 転換する装置か。 とんでもない代物だな) |
| ミラ | (しかし…ほとんどの人間はそもそも マナの存在すら知らないというのに どうしてこんな物が作れたのか) |
| ミラ | (今回の一件、 わからない事が多すぎる。) |
| ミラ | (どうやらかなり根が深そうだな) |
| | ザザー… |
| ユーリ | 廃液みたいなのが流れ出してやがる。あれが井戸の水に染み込んでんのか? |
| ミラ | なるほど。それも奇病が流行った一因か |
| ミラ | こんな物を自国の領内に置くとは… |
| ミラ | 王の意図は不明だが、こんな物が人間界にあってはならない |
| ミラ | (そうだ…この魔導器は、 明らかに人間の手に余る。 どのような使用目的があっても) |
| ユーリ | なら、さっさとやっちまうか |
| エル | うん! |
| ユーリ | 警備の連中が来る前に決めちまおうぜ |
| ミラ | よし、やるぞ! |
| scene1 | また会う日まで |
| ミラ | 警備の連中は追いかけて来ないな。無事に脱出できたようだ |
| エル | 魔導器を壊せてよかったね! |
| ユーリ | ああ。土産も手に入ったしな |
| | |
| ミラ | これは何だ? |
| ユーリ | あの魔導器の魔核(コア)じゃねえかと思う。こいつを外した途端、動きが完全に止まったからな |
| ミラ | ちょっと見せてもらっていいか? |
| ミラ | … |
| ミラ | ふむ…こうして見ただけでは、何なのかよくわからないが… |
| ユーリ | この魔核を押さえときゃ、魔導器修理してまた動かそうったってそう簡単にはいかねえだろ |
| ミラ | フッ。抜け目のない奴だこれは返すぞ |
| | |
| エル | 何だか、空気がキレイになったみたい |
| ミラ | この辺はもう大丈夫だろう。時間はかかるが、減少したマナも少しずつ元に戻るだろう |
| ミラ | そうすれば自然と、奇病も収まっていくはずだ |
| エル | じゃあもう、心配いらないんだね |
| エル | ありがとう、ユーリ!ミラ! |
| ミラ | エルもよく頑張ったな |
| ミラ | さてと… |
| ユーリ | もう行くのか |
| ミラ | ああ。次はア・ジュールへ向おうと思う。あの国に関しても、色々不穏な噂を耳にしているのでな |
| ユーリ | そうか。じゃオレは王都へ戻って、今回の事を報告するとすっか |
| エル | 王様に言っといてくれる? |
| エル | もうこの街に、へんなものを置かないでって |
| ユーリ | ああ、任せとけ |
| ミラ | ではさらばだ、二人とも |
| ミラ | 縁があればまた会おう |
| ユーリ | オレも行くか |
| ユーリ | エル、元気でな。もう無茶はすんなよ |
| エル | うん、またね。二人とも! |
| scene2 | また会う日まで |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | …うむ、わかった。ア・ジュールへ行くには、このまま北西へ進めばいいのだな |
| ミラ | この辺はイニル街へ行く際も通ったが、その時と比べると、空気が少しはよくなったな |
| ミラ | 逆に言えば、あの魔導器がどれほど周囲の環境に悪影響を及ぼしていたかという事になるが… |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | 何のためにあんな物が作られたのか、だと? この国の王の目的は、間違いなく兵器への転用だろうな |
| ミラ | あの金髪の少年…カイルと言ったか。彼の話では、ア・ジュールにある魔導兵器はさらに大がかりらしいが… |
| ミラ | ア・ジュール王も、考えている事は同じのようだな。魔導器の力を用いて、相手国を攻め滅ぼそうとしている |
| ミラ | そんなことをしてマナを濫費し、戦争に勝っても、得られるのは荒廃しきった土地だけだというのにな |
| ミラ | 何とも愚かしい事だ… |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | …私を励ましてくれるのか、ノーム |
| ミラ | 心配はいらない。こんな事でへこたれたりはしない |
| ミラ | たとえ前途に何が待ち受けていようと私は己の使命を全うする |
| ミラ | 精霊の主として、な |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | ほう。ウンディーネはあのユーリが持っていたコアが気になるか |
| ミラ | 私も気にはなっている。魔導器はあのコアによって動いていた |
| ミラ | あのコアはいったい何なのだ?ウィンドルもア・ジュールも一体どこで手に入れたのか… |
| | ガルル… |
| ミラ | …魔物か!? |
| scene1 | 偶然の出会い |
| ミラ | ア・ジュールへ向かうには、ここから船に乗らないといけないのか |
| ミラ | 随分混雑しているな。この分だと船に乗るまでに、だいぶ待たされそうだ |
| ??? | メルディ、どこなの?もしいたら返事して! |
| ??? | はあ…ここにもいないか。あの子一体、どこに行ったんだろう |
| ミラ | おっと… |
| ??? | あっ、ごめんなさい!ぶつかっちゃった… |
| ミラ | 私は大丈夫だ。気にしなくていい |
| ミラ | ところで、何かあったのか?思い悩んでいるような様子だったが… |
| ??? | あ、はい。わたしの友達の事を考えてて… |
| ??? | 知りませんか?長い髪を頭の両脇でこう結んでて… |
| ミラ | そういう髪型で私が知っているのはイニル街のエルくらいだな… |
| ??? | え、エル…?もしかして、エルの事知ってるの!? |
| ミラ | ああ。さっきまで行動をともにしていた。 |
| ??? | よかったー!エル、無事なんだー! |
| ??? | 王都の近くまで一緒だったんだけど途中で別れなくちゃならなくて… |
| ??? | ちゃんと王様に会えたのかな? |
| ??? | エルの街、変な病気が流行っていて王様に助けてもらうって言ってたけど |
| ミラ | ああ、王様には会えていないが、その病気ならもう大丈夫だ。原因を取り除いたからな |
| ??? | ホント!? |
| ??? | よかったー。これでエルも、前みたいに無事に暮らせるんだね |
| ??? | あ、ごめんなさい!まだ名前名乗ってなかったね |
| レイア | わたし、レイア・ロランド |
| レイア | あなたの名前も教えてもらっていい? |
| ミラ | ミラ=マクスウェルだ |
| レイア | ありがとう、ミラ!エルの事教えてくれて |
| レイア | あ、わたしそろそろ行かないと |
| レイア | エルも心配だったんだけど、別の友達を捜してるの |
| レイア | じゃあね、ミラ。また、どこかで会ったらよろしくね! |
| ミラ | ああ、またな |
| ミラ | エルの知り合いか。世間は狭いな |
| ミラ | さて、船に乗るなら、切符を入手しなくてはな |
| scene2 | 偶然の出会い |
| ミラ | 船の切符は買えたが、これだけ待っている客が多いと、乗り込むまでに時間がかかるな |
| ミラ | ウィンドルとア・ジュールは戦争をしているのに、人の行き来がこれだけ盛んというのも、不思議な話だが |
| ミラ | 仕方ない。順番が来るまで待つとしよう |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | そうだな。この間に、ア・ジュールに着いてからどうするか考えておいたほうがいいかもしれん |
| ミラ | 魔導兵器がどこにあるか、突き止めるのが何より先決だ。すぐにわかればいいのだが |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | 魔導兵器を見つけたらどうするか?そんな事、考えるまでもない |
| ミラ | 魔導兵器は人間が手にすべき技術ではないとよくわかった。であれば、破壊するべきだろう |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | …根本的な原因を突き止めなければきりがない事も無論承知している。そちらの調査も進めないとな |
| ??? | きゃああああ! |
| ミラ | 何だ? |
| | ガアアアア! |
| ミラ | 魔物?こんなところに現れるとは! |
| scene1 | 雪の国、ア・ジュール |
| ミラ | ここがア・ジュール… |
| ミラ | ウィンドルほどひどくはないが、この国もマナがだいぶ減っているな。やはり魔導兵器の影響か |
| ミラ | さて…その魔導兵器の情報を集めなくては |
| ミラ | 私はその辺りにいる者にそれとなく話を聞いてみる。お前達も色々と調べてみてくれ |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | …よし、始めるか |
| ミラ | ううむ…何人かに尋ねてみたが、誰も魔導兵器の事は知らないか |
| ミラ | ウィンドルの時のように、上手い具合に情報を入手できるといいのだが… |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | おお、お前達戻ったか。首尾はどうだ? |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | 兵士同士がそれらしい話をしているのを聞いた…? |
| ミラ | よくやった。それで? |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | …ほう。新兵器を開発している兵器工場があるのか |
| ミラ | 明らかに怪しいな。場所はどの辺りかわかるか? |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | 首都カン・バルクの近郊…なるほどな |
| ミラ | よし、その工場へ行ってみるとしよう。魔導兵器はそこにある可能性が高い |
| scene2 | 雪の国、ア・ジュール |
| ミラ | む…? |
| ア・ジュール兵1 | そこの女、止まれ! |
| ミラ | 私に何か用か |
| ア・ジュール兵1 | 今我が国は戦時中につき、検問を行なっている。お前は我が国の者か? |
| ミラ | いや、キムラスカだ。知り合いを訪ねて、カン・バルクに向かう途中だ |
| ア・ジュール兵1 | キムラスカか… |
| ア・ジュール兵2 | 隊長殿。この女は特に怪しい物は所持しておりません |
| ア・ジュール兵1 | そうか。行っていいぞ |
| ミラ | すまんな |
| ミラ | …ふう。咄嗟にごまかしたが、うまくいったようだな |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | 嘘はよくないと言われてもな。あの場合、仕方ないだろう |
| ミラ | 精霊界から来たとは言えないし、ウィンドル出身だなどと思われたら警戒されるだろうしな |
| ア・ジュール兵1 | うわあああ!? |
| ミラ | あれは…魔物?さっきの兵達を襲っているのか |
| ミラ | ええい、このまま見捨てては置けん! |
| scene1 | 敵か味方か |
| ミラ | この道を行った先に、兵器工場があるのだな |
| ミラ | 工場に近付くにつれて、マナが少なくなっている。やはり魔導兵器の影響か |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | (…ああ、私も気付いていた。 何者かが後をつけて来ているな) |
| ミラ | (相手の目的がわかるまではと、 今まで気付かないふりをしてきたが… そうも言ってはいられないか) |
| ミラ | おい、そこのお前 |
| ミラ | 私に用があるのなら、こそこそ隠れたりせず、堂々と出て来て話したらどうだ |
| ??? | へえ、気付かれてたか。うまい事気配を隠したはずなんだけどなあ |
| | |
| ミラ | 何者だ? |
| ??? | おっと待った。オレはお前の敵じゃない |
| スパーダ | オレはスパーダ・ベルフォルマ。お前、兵器工場へ行くんだろ?港で色々聞いて回ってたしな |
| ミラ | … |
| スパーダ | そう怖い顔するなって。…実はオレも目的地は同じなんだが、協力し合わないか? |
| ミラ | お前も兵器工場へ…? |
| スパーダ | オレの狙いも魔導兵器だ。こういえば、納得してもらえるか? |
| ミラ | …どうやら色々と知っているようだな |
| スパーダ | まあな。オレはお前の敵じゃない。詳しい事は道中に話すさ |
| ミラ | …わかった。ひとまずは行動をともにしよう |
| スパーダ | 話が早くて助かるぜ。それで、お前の名前は? |
| ミラ | ミラ=マクスウェルだ |
| ミラ | スパーダ、予め言っておく。もし怪しい素振りを見せたら…その時はわかっているな? |
| スパーダ | わかってるって。本当に怖い女だな |
| ミラ | では兵器工場へ向かおう |
| scene2 | 敵か味方か |
| ミラ | スパーダ、お前は魔導兵器についてどれくらい知っている? |
| スパーダ | 理屈はよくわからねえけど、凄まじいエネルギーを生み出す装置だって聞いてるぜ |
| スパーダ | うちの王様はその魔導兵器をウィンドルとの戦争に使うつもりらしい |
| ミラ | (やはり思った通りか…) |
| ミラ | それで、お前は魔導兵器をどうするつもりだ? |
| スパーダ | どうするって…そうだなあ |
| スパーダ | 小さければ失敬するとこなんだが、大きいとそうもいかないだろうな。その時はぶっ壊すか。ヒャハハハハ! |
| ミラ | うちの王様、と言うからには、お前はア・ジュールの人間だろう。それなのになぜそんな事をする? |
| スパーダ | 自分の国の戦争の邪魔は、普通しねえよ。でもよ、どうも胡散臭いと思ってな |
| スパーダ | その魔導兵器ってのは、無限に使えるって触れ込みなんだが、そんなうまい話があるとは思えねえ |
| スパーダ | さすがにうちの王様がそんな胡散臭い物に惑わされるのはちょっとな。だから取り上げるのさ |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | (嘘は言っていないと思う、か。 そうだな。私も同意見だ) |
| ミラ | なるほど。お前はお前なりの信念を持って、行動しているのだな |
| スパーダ | 少しはオレの事を信用したか? |
| ミラ | 少しはな |
| ミラ | お前はこの国の事情に詳しいようだな。ア・ジュールの魔導兵器は… |
| スパーダ | ちょっと待った。話は後にしたほうがよさそうだ |
| | ガアアアア! |
| ミラ | 魔物か! |
| scene1 | 激闘 |
| スパーダ | おっ、見えてきたぜ。あれが兵器工場だ |
| | |
| ミラ | やはりここも警備は厳しそうだな。また排水溝から潜入するか |
| スパーダ | また? |
| ミラ | 私はここへ来る前に、ウィンドルの施設にも行っているからな |
| スパーダ | それも魔導兵器に関係するのか?あっちでも研究してるって聞いてるぜ |
| ミラ | ああ。だが向こうはもう心配ない。装置を破壊して、再建できないよう手も打った |
| スパーダ | 魔導兵器を壊すのは慣れてるってか。頼もしいな。こっちもその調子で頼むぜ |
| スパーダ | それはそうと…さっき魔物に襲われる前に、何か言いかけてなかったか? |
| ミラ | ああ、あれか |
| ミラ | ア・ジュールの魔導兵器の建造を決めたのは王自身か?それとも、誰か他の人間の提案なのか? |
| ミラ | お前はその事について、何か知らないか? |
| ミラ | (もし他の人間の提案だとすれば、 今回の一連の件のカギを 握っているかもしれん…) |
| スパーダ | なるほど。聞いた話じゃ、魔導兵器の建造は、ある女が持ち掛けたらしい |
| スパーダ | オレも会った事はねえけど何でもすげえ、イイ女だとか |
| ミラ | ほう。女なのか |
| スパーダ | 名前も聞いたんだけど…何て言ったか…ミ…ミ…ミュウ? |
| ミラ | ミュウ?イイ女というより、どちらかというと動物を連想させる名だな |
| スパーダ | あー…それっぽい名前なんだが…悪い。忘れちまった |
| ミラ | …わかった。なら仕方あるまい。…見ろ。排水溝があったぞ |
| スパーダ | よし、中に入ろうぜ |
| scene2 | 激闘 |
| スパーダ | うまい事潜り込めたけどよ、なんか変な感じがするぜ… |
| ミラ | この一帯のマナが減少しているからだ。魔導兵器が稼働しているとこうなるようだ |
| ミラ | (ただ稼働しているだけでこれだ。 兵器として実用されれば、 多大な被害が出るだろう) |
| スパーダ | よくわかんねえけど、そうか。うん?あれは…! |
| ミラ | どうした? |
| | |
| スパーダ | ここ、いかにも何かがあったように見えねーか?今は何もねえけど… |
| ミラ | 一足遅かったか…どうやら魔導兵器は、別のところに運び出されてしまったようだ |
| ??? | ふふ、残念だったわね |
| ミラ | お前は…? |
| スパーダ | 誰だ? |
| ??? | こんにちは、ミラ。それともはじめましてと言ったほうがいいのかしら |
| ミラ | 私を知っているのか? |
| ミュゼ | 私はミュゼ。あなたと同じ精霊よ |
| スパーダ | う、浮いてる…!?それに精霊って…。おい、どういう事だ? |
| ミラ | その説明は後だ。ミュゼ。お前が精霊だとしたら、なぜこんなところにいる |
| 四大精霊 | … |
| ミラ | (四大も、奴の事は知らないか… いったい何者なのだ?) |
| | |
| スパーダ | 思い出したぜ、こいつだよ!うちの王様をそそのかして、魔導兵器を作らせた女ってのは |
| ミュゼ | そそのかしただなんて…私はマナの存在も知らない人間に、有効な活用方法を教えてあげただけよ |
| ミラ | なぜそんな事をする。それがどのような影響を及ぼすか、想像はつくだろう! |
| ミラ | 現にお前がもたらした魔導兵器のせいで人間界のマナは激減しているのだぞその事をどう思っているのだ |
| ミュゼ | そんなの、どうでもいいわ。私はあの人に喜んでほしくてやっているだけだもの |
| ミラ | ミュゼ。精霊の主として命じる。人間界にある全ての魔導兵器を、即刻処分しろ |
| ミュゼ | 嫌だと言ったら? |
| ミラ | 力ずくでもそうさせる |
| ミュゼ | そちらの彼も、ミラの肩を持つのかしら? |
| スパーダ | おまえらの話はさっぱりだけどよ、結果的には、オレの目的もミラと同じだからな |
| ミュゼ | そう。だったらそれで構わないわ。…二人がかりでいらっしゃい! |
| scene3 | 激闘 |
| ミュゼ | うう… |
| ミラ | さあ、ミュゼ。答えてもらおうか。ここにあった魔導兵器をどこへ移した? |
| ミュゼ | 誰が言うものですか! |
| ミュゼ | ひどい…よくも私にこんな事…許さないわ。絶対に許さない |
| ミュゼ | あなたの想い通りになんてさせないわ、ミラ。絶対に邪魔はさせない |
| ミュゼ | 元はと言えば、こうなったのは全部あなたのせいなのよ。その事を思い知らせてあげる! |
| ミラ | 私のせい…だと?それはどういう事だ |
| スパーダ | 飛んだ…!? |
| ミラ | 待て! |
| ミラ | 逃げられた…ミュゼの奴、一体どこへ魔導兵器を運んだのだ… |
| ミラ | (私のせい… あの言葉の意味は一体…) |
| スパーダ | その事を知っていそうな人に、心当たりあるぜ。行ってみるか? |
| ミラ | 本当か?ぜひ連れて行ってくれ。一体どこの誰だ? |
| スパーダ | …うちの王様さ |
| scene1 | 国王・ガイアス |
| ミラ | ア・ジュールの首都は初めて来たが、大した繁栄ぶりだな。ウィンドルの王都と比較しても遜色ない |
| スパーダ | ア・ジュールの王は昔から何かと、ウィンドルに張り合っているからな。あっちに負けまいと必死なのさ |
| ミラ | それは今の王も、という事だな |
| スパーダ | まあな。…さて、城門に到着だな。行くぞ |
| ミラ | 正面から堂々と行っていいのか? |
| スパーダ | いつも排水溝からじゃ芸がないだろ?ここはオレに任せとけって |
| | |
| 警備兵 | 止まれ、何者だ! |
| スパーダ | オレの名はスパーダ・ベルフォルマ。陛下のお召しを受け、参上した |
| 警備兵 | ベルフォルマ家の方でしたか。失礼いたしました、どうぞ |
| スパーダ | 行くぞ、ミラ |
| ミラ | あ、ああ |
| スパーダ | どうだ、うまくいっただろ? |
| ミラ | お前は随分と顔が広いのだな |
| スパーダ | オレが、というより、オレの家が、だけどな |
| スパーダ | あんま言いたくねーけど、ベルフォルマ家ってのは、この国じゃそれなりの格なんだよ |
| スパーダ | まあ、たまにはこうやって家の名前を使うのもいいだろ。さっさと王様に会おうぜ |
| scene2 | 国王・ガイアス |
| ガイアス | む…? |
| スパーダ | ご無沙汰しております、陛下 |
| ガイアス | ベルフォルマ家の七男か。確か、スパーダといったな。…一緒にいる女は誰だ? |
| ミラ | 私はミラ=マクスウェル。お前がこの国の王か? |
| ガイアス | いかにも。俺がア・ジュール王、ガイアスだ。 |
| スパーダ | ミラ、ここはオレに任せとけ |
| ミラ | わかった。お前にまかせる |
| スパーダ | 陛下、私もベルフォルマ家の一員として、戦場に赴く事になりました |
| ガイアス | そうか。で、用件はそれだけか |
| スパーダ | つきましてはご挨拶がてら、魔導兵器の事をお伺いしてくるよう父上に言われまして… |
| ガイアス | あれはまだ工場で実験中だ。今すぐ実戦に投入する予定はない。戦況によほどの変化でもない限りな |
| スパーダ | あ、あれ…左様ですか… |
| ミラ | (どういう事だ? 工場に兵器はなかった…。 奴は嘘をついているのか?) |
| | |
| 部下 | 陛下、前線より急報です! |
| ガイアス | … |
| ガイアス | …………何だと!? |
| スパーダ | 何かあったのですか、陛下? |
| ガイアス | ウィンドルが大攻勢をかけてきた。国境付近に敷いた防衛線が突破されかかっていると報告があった |
| ガイアス | 俺も直ちに現地へ向かう。スパーダ、お前もすぐ向え |
| スパーダ | 御意 |
| | |
| スパーダ | ふう…とんでもない事になったな |
| ミラ | ウィンドルがこのタイミングで攻勢をかけてくるとは… |
| 通りすがりの男 | うわあああ! |
| 警備兵 | 魔物が出たぞ! |
| スパーダ | 魔物!?街の中だってのに…!おい、ミラ、行くぞ! |
| | ガルルルル! |
| ミラ | ああ!一気に片をつけるぞ! |
| scene1 | いざ、戦場へ |
| ミラ | さて。これからどうするかだが… |
| スパーダ | そうだな…ここは一度、情報を整理しようぜ |
| ミラ | …スパーダ、お前はガイアスが話した事をどう思う? |
| スパーダ | あの口ぶりじゃ、魔導兵器が既に工場にないって事は、知らねえだろうな |
| ミラ | 嘘をついたわけではないと? |
| スパーダ | ああ。あの人がそんな事をする必要はないだろ? |
| スパーダ | あのミュゼって女が、独断でやったのかもしれねーしよ |
| ミラ | いずれにせよ…魔導兵器のありかをはっきりさせる事はできなかったな |
| スパーダ | でも見当はついただろ。防衛線が破れかかってるってのは、よほどの変化だと思うぜ |
| ミラ | 魔導兵器が戦場に投入される可能性があるという事か |
| スパーダ | ま、そう考えるのが妥当だろうな。下手すりゃミュゼのヤツが、とっくに設置を終えてるかもな |
| ミラ | だとしたら…次に向かうところは決まったな |
| スパーダ | ああ、戦場だ |
| scene2 | いざ、戦場へ |
| ミラ | そういえば、スパーダ。お前は星のカケラの事は知っているか? |
| スパーダ | そんなには知らねーな。持っていれば例の、光の神殿に入れるって事くらいだぜ |
| ミラ | 私が聞いた話では、神殿に入れるのはカケラを手にし、己に打ち勝った真の選ばれし者だけが、だが |
| スパーダ | 光の神殿に入れれば、何でも願いがかなうんだっけ? |
| ミラ | それは… |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | 願いがかなうのは星のカケラが6個そろった時、だそうだ。 |
| スパーダ | だそうだ…?まるで誰かに言われたみたいに話すんだな |
| スパーダ | まあ、星のカケラに関しては、そんな感じで詳しくは知らない。別に欲しいとも思わないしな |
| ミラ | 皆がお前のようならいいのだがな。ウィンドルの国王など、カケラ欲しさに戦争を始めたと聞く |
| ミラ | ガイアスはどうなのだ?何か耳にした事はあるか? |
| スパーダ | うちの王様は神頼みみたいな事には興味がないと思うぜ。あの人は自分を信じているからな |
| ミラ | その割に、魔導兵器にはすがろうとしているようだが |
| スパーダ | そこはオレも、気に入らねえけどな。ウィンドルに対抗するために、仕方なくってところもあるんだろ |
| ミラ | スパーダ。お前が当初言っていた、魔導兵器を破壊したいという気持ちは今も変わりはないか? |
| スパーダ | ああ。そこは信用してくれていいぜ。もう、かっさらうわけにもいかねえだろうしな |
| ミラ | それならいい |
| 精霊シルフ | … |
| ミラ | む…? |
| スパーダ | どうした? |
| ミラ | 魔物がいる! |
| | グオオオオ! |
| スパーダ | ちっ、トロトロしすぎちまったみてえだな |
| scene1 | 魔導兵器を追って |
| スパーダ | この辺りだな…既に両国の兵がやり合ってる |
| 精霊ウンディーネ | … |
| ミラ | (ああ、私も気が付いた。 あたり一帯のマナの流れが、 かなり乱れているな) |
| ミラ | (今のところは魔導兵器ではなく、 多くの人間が放つ殺気が 原因になっているようだが…) |
| スパーダ | どうかしたか、ミラ? |
| ミラ | いや、何でもない |
| スパーダ | さてと、ここまで来たら、次は前線を目指さねーとな |
| スパーダ | この辺は地形が複雑だから、ア・ジュールとウィンドル双方の部隊が入り乱れて動いているはずだ |
| スパーダ | 下手をすると敵の大部隊と遭遇して面倒な事になる可能性もある。気をつけろよ |
| ミラ | 敵か…危険なのは、ウィンドル軍だけではあるまい |
| ミラ | ア・ジュール側が私達の事を、敵と間違える可能性もあるのではないか? |
| スパーダ | ああ。こうやって勝手に動いているとそうなる危険性は、どうしても出てくるんだよ |
| スパーダ | だから、両軍から追われるハメにならないよう、できるだけ注意しながら進むしかねえ |
| ミラ | わかった。無益な戦闘は極力避けたいからな。お前の言う通り、注意して進もう |
| ミラ | (魔動兵器…必ず見つけて 破壊する。そして…ミュゼ…。 奴はいったい何を企んでいる?) |
| scene2 | 魔導兵器を追って |
| ア・ジュール兵 | 誰だ!? |
| スパーダ | スパーダ・ベルフォルマ。国王陛下の勅命を受け、行動中だ。通してくれ |
| ア・ジュール兵 | ベルフォルマ家の…!失礼いたしました |
| スパーダ | ところで聞きたいんだが、魔導兵器がどこに配備されているか知っているか? |
| ア・ジュール兵 | 魔…? |
| スパーダ | 知らないみたいだな。それならいい |
| ミラ | 魔導兵器の情報を知っている者には、なかなか会えないな |
| スパーダ | 時間がないってのによ… |
| ア・ジュール兵 | 何?軍の中に裏切り者がいる、だと? |
| ア・ジュール兵 | 兵器工場に潜入…男女2人組…帽子を被った男に金髪の女…?まさか… |
| ミラ | …! |
| スパーダ | ヤバい!逃げろ! |
| スパーダ | どうやら、オレ達が兵器工場へ行った事が、広まり始めてるみたいだな… |
| スパーダ | 魔導兵器がなくなった事をオレ達のせいだと誤解されたら、たまったもんじゃないぜ |
| ミラ | 早く魔導兵器を見つけるぞ。このままでは身動きが取れなくなる |
| | ザッザッザッ… |
| スパーダ | …この足音の数、別の部隊か。ここは隠れてやり過ごすしかなさそうだな |
| ウィンドル兵 | ア・ジュールの工作員がこちらへ逃げたと報告があった。何としても見つけ出せ! |
| ウィンドル兵 | 工作員は全部で4名!紫髪の少女と茶髪の少女、金髪の少年、仮面の男だ! |
| | ザッザッザッ… |
| スパーダ | ア・ジュールだけでなく、ウィンドルのほうも大変みたいだな |
| ミラ | 茶髪の少女と金髪の少年と仮面の男?紫髪の少女に心当たりはないが、まさかな… |
| | ガサガサ… |
| スパーダ | また別の部隊か? |
| | グオオオオッ! |
| ミラ | 邪魔をするな! |
| scene1 | ゆるぎない意志 |
| スパーダ | その話、本当か? |
| ア・ジュール兵 | はい。この先の山の山頂に、巨大な大砲のような見慣れない兵器が設置されていると聞きました |
| スパーダ | ミラ、どう思う? |
| ミラ | そうだな… |
| 精霊イフリート | … |
| ミラ | (山頂の方角から、 マナの減少を感じる… おそらく魔導兵器の影響だろう) |
| ミラ | どうやらそれが魔導兵器の可能性が高いな |
| スパーダ | わかった。これでようやく場所を突き止めたな |
| スパーダ | よし、急ごうぜ! |
| | |
| スパーダ | あそこに見えるでかいのが、もしかして… |
| ミラ | ああ、間違いない。魔導兵器だ |
| ミラ | (すでに大量のマナがエネルギーに 転換されているようだな…) |
| ミラ | (これでは いつ使われてもおかしくない) |
| ミラ | よし、急いで破壊するぞ |
| | |
| ミュゼ | そうはさせないわ! |
| ミラ | ミュゼ! |
| ミュゼ | あなた達に私の邪魔はさせない。ここで黙って見ていなさい |
| スパーダ | 目の前で魔導兵器が使われるのを、はいそうですかと黙って見てられるかよ! |
| ミラ | ミュゼ!お前はなぜそこまでして、人間同士の戦いに首を突っ込む? |
| ミュゼ | 私はガイアスを喜ばせたいだけ。他に理由はないわ |
| スパーダ | うちの王様…? |
| ミュゼ | 無駄話はもう終わりよ。ここで死ぬあなた達に、詳しい事を教えても仕方ないわ |
| ミラ | 何… |
| ミュゼ | さあ、覚悟しなさい! |
| scene2 | ゆるぎない意志 |
| ミュゼ | あなた達、しつこいわね |
| ミラ | ミュゼ、聞かせろ。お前がガイアスにそこまで肩入れするのはなぜだ? |
| ミュゼ | そんなの決まってるじゃない。彼が私の事を、必要だと言ってくれたからよ |
| スパーダ | 王様が? |
| ミュゼ | だから私は魔導兵器を作って、強大な戦力を生み出して、彼の望みをかなえてあげるの |
| ミラ | そんな私利私欲のために… |
| ミラ | 貴重なマナを浪費し、人間界のみならず精霊界をも危機に陥れるとは…! |
| ミュゼ | あなたにはわからないわ! |
| ミュゼ | そうよ。生まれた時から光の当たる場所にいて、精霊の主とみんなに持ち上げられてきたあなたに… |
| ミュゼ | ずっと陰の存在であり続け、誰にも顧みられなかった私の気持ちがわかるはずがない! |
| ミラ | そんなお前を、ガイアスだけが受け入れたと? |
| ミュゼ | そう。だから私は魔導兵器を使って、彼の望みをかなえてあげると決めたの |
| ミュゼ | 世界を統べる王になりたい、世界を牽引する者になりたいという、彼の望みをね |
| スパーダ | うちの王様も、とんでもない女に見込まれたもんだな |
| ミラ | お前のねじまがった私欲のせいで、世界を危機にさらす事はできない。魔導兵器は全て破壊する |
| | |
| ミュゼ | ミラ。あなたは私が殺してあげる。姉としてのせめてもの慈悲よ |
| ミラ | 姉だと…!? |
| ミュゼ | さあ、覚悟なさい! |
| scene3 | ゆるぎない意志 |
| スパーダ | ここまでだぜ! |
| ミュゼ | うう…どうして…どうしてこんな… |
| ミラ | ミュゼ、聞かせてくれ。お前は本当に…私の姉なのか? |
| ミュゼ | そうよ。あなたは私を知らなかったけど、私は知っていた。陰からいつも見ていたんだから |
| ミュゼ | あなたは生まれながらに精霊の主で、常に光のあたる場所にいて、みんなに愛されてきた… |
| ミュゼ | 一方私は、ずっと日陰に置かれ、誰からも必要とされず、実の妹にさえ存在を知られずに過ごしていた… |
| ミュゼ | 姉妹なのにどうしてこうも違うの、とずっとずっと思ってきたわ… |
| ミラ | …それでお前は、兵器工場で会った時、私のせいだと言ったのだな |
| スパーダ | なるほどな。だったら、これからお互いわかり合えるよう腹割って話し合えばいいじゃねえか |
| ミラ | ミュゼ。お前を追い詰めたのは、私の責任でもあるのかもしれない |
| ミラ | 済まない… |
| ミラ | だが、それでも私は、魔導兵器を破壊しなければならない |
| ミラ | これは人間界には余る物だ |
| ミュゼ | やめて! |
| | |
| | ド---ン! |
| | |
| スパーダ | これだけぶっ壊せば、もう直せねーだろ |
| ミュゼ | 終わった…全て終わってしまった… |
| ミュゼ | 魔導兵器を失ってしまった私は、もうガイアスの力になれない |
| ミュゼ | もう彼に必要とされない… |
| ガイアス | 余計な心配だな、ミュゼ |
| ミラ | ガイアス! |
| ガイアス | ミュゼ。俺がお前を必要だと言ったのと、魔導兵器とは、何の関係もない |
| ガイアス | 俺がお前を必要だと言ったのは、お前自身の能力を評価したためだ |
| ガイアス | それ以上でもそれ以下でもない |
| ミュゼ | ガイアス… |
| ガイアス | 俺は魔導兵器の助けなど借りずとも、祖国を守り、いつの日かこの世界を統一してみせよう |
| ガイアス | ミュゼ。お前は俺の命に従い、存分にその力を発揮すればいい。余計な気を回すな |
| ミュゼ | ああ…ガイアス…ありがとう…! |
| スパーダ | …これで一応、丸く収まったのか? |
| ミラ | そうだといいが…うん? |
| ミラ | お前達、魔導兵器の残骸の中から何か見つけてきたのか |
| 精霊ノーム | … |
| ミラ | これは…クリスタル魔導兵器の主動源か…? |
| ミュゼ | その通りよ。そのクリスタルがなければ、魔導兵器を動かす事はできないわ |
| ミラ | そうか。ではこのクリスタルは私が回収させてもらう |
| ガイアス | 魔導兵器の研究を行なっているのは、我が国だけではない |
| ガイアス | この1つを回収したところで、魔導兵器はまたどこか、別の国で使われる事になるだろう |
| ミラ | … |
| ミラ | なら全て回収するまでだ、人間界にはただの1つすら残さん |
| ミラ | それが私の進むべき道だ |
| | |
| ミラ | 何だ…?クリスタルが光り出した… |
| ミュゼ | 何てきれいな光… |
| スパーダ | ミラ。もしかしたらそれ、星のカケラなんじゃねえ? |
| ミラ | このクリスタルがか?もし本当にそうだとしたら、なぜ急に光り出したのだ? |
| ガイアス | …マクスウェル。もしそのクリスタルが、本当に星のカケラだとしたらどうする? |
| ガイアス | もしそうだとしたら、お前はこの先、ウィンドルを敵に回す可能性もあるぞ |
| ガイアス | あの国の王が、カケラを狙っている事はお前も知っていよう |
| ガイアス | それでもお前の意志は変わらないか? |
| ミラ | 無論だ。その程度の事で、私の意志は揺らいだりはしない |
| ガイアス | なるほどな。伝説が本当なら… |
| ガイアス | お前はもしかすると星のカケラに認められ、「真の選ばれし者」になったのかもしれん |
| スパーダ | じゃあ、これで光の神殿に入る資格が得られたって事か |
| ミラ | (もし星のカケラとクリスタルが 同じ物なら、全てのカケラを集める 事で、私の目的は達成できるか…) |
| ミラ | 光の神殿へ行けば他のカケラについて、何かわかるかもしれない |
| ミラ | …よし、行ってみるとしよう |
| | |
| ミラ | まるで私の言葉に答えるかのような光り方だな |
| ミラ | そうか。このまま連れて行ってくれるのか |
| スパーダ | ミラ、オレも一緒に行くぜ |
| スパーダ | うっ、弾かれた…? |
| スパーダ | それに、これ以上、ミラに近付けないって、どういう事だ? |
| スパーダ | もしかして、選ばれたのはミラだけ…? |
| スパーダ | クソ、もう一度! |
| スパーダ | やっぱりダメか… |
| スパーダ | なんでオレは、光の神殿へ連れて行ってもらえねーんだ? |
| ガイアス | スパーダ。お前には星のカケラをどうしたいかという、明確な意志はあるのか? |
| スパーダ | なるほど、そこがミラとの差か… |
| ミラ | スパーダ、色々と世話になった。ここからは私だけで行って来る |
| スパーダ | オレの方こそ、ありがとな。気をつけろよ |
| ミラ | ガイアス。ミュゼの事を、よろしく頼む |
| ガイアス | お前が心配するまでもない |
| ミュゼ | ミラ…私の事を心配してくれるの? |
| ミラ | たった一人の姉だからな |
| ミラ | …では、行ってくる |
| スパーダ | 行っちまったか… |
| ガイアス | 感傷に浸っている暇はないぞ。ウィンドルとの戦いがまだ継続中だという事を忘れるな |
| ガイアス | 今は敵の動きを食い止めねばならぬ。二人ともついて来い |
| ミュゼ | わかったわ、ガイアス! |
| スパーダ | やれやれ。これから忙しくなりそうだぜ… |
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| スパーダ | …ミラ。無事に戻って来いよ |