| Name | Dialogue |
| とくべつなキノコ | scene1 |
| ナタリア | ブレイブフィード! |
| ガイ | 絶破十字衝! |
| | ギャアアア! |
| ナタリア | やりましたわね。今ので最後ですわ |
| ガイ | ああ、ひとまず出てきた魔物は全て倒したはずだ |
| ガイ | 一旦、街に戻って魔物の発生状況を報告しよう |
| ナタリア | それにしても、この森は本当、季節によって姿を変えますわね。神秘的ですわ |
| ガイ | ああ。木々が色々な種類の花や実をつけて、その時々でまるで違って見えるな |
| ナタリア | キノコもいろいろなものが── |
| ナタリア | …あら?あれは味がよいと評判のキノコではありませんこと? |
| ガイ | ん? |
| ガイ | ああ、そういえば見覚えあるな。アカ…アカダマダケだったか? |
| ナタリア | それですわ。確かそのような名前でしたわ |
| ナタリア | ここ一面に生えてますわね…せっかくですから採って帰りましょう |
| ガイ | それは構わないが…何か大事な事を忘れているような気がするんだが…何だったかな |
| ナタリア | ガイ、ぼーっとしてないで手伝ってくれませんこと?きっと街の皆さんも喜びますわ |
| ガイ | あ、ああ…すまない |
| ガイ | そうだな、たくさん持って帰ろう |
| ナタリア | たくさん採れましたわね |
| ガイ | ああ、これだけあればたくさん料理が作れるだろうな |
| ガイ | …さて、そろそろ帰るとする―― |
| | ガサガサ |
| ナタリア | 何ですの? |
| | ガルルルル! |
| ガイ | 魔物だ!行くぞ、ナタリア! |
| とくべつなキノコ | scene2 |
| ナタリア | 倒したと思えばまた出てくる…この辺りに潜む魔物はかなり増えてきているようですわね |
| ガイ | ああ、そうだな。帰ったらすぐに報告を―― |
| ??? | ああ?何やってんだ。お前ら? |
| ナタリア | まあ、ルーク!私はガイと一緒にこの森の魔物の発生状況を調査していたところですわ |
| ナタリア | あなたこそこのようなところで何をなさっているんですの? |
| ルーク | 俺は伯父上に言われて来たんだよ。アカ何とかダケってキノコを探してきてくれって言うから… |
| ルーク | …ったく、いくら伯父上の頼みだからって、何で俺がこんな事しなきゃなんねーんだっつーの |
| ガイ | 期待されてるって事さ。しっかり働くんだな、ルーク |
| ルーク | あーあ、ったりぃ… |
| ナタリア | アカ何とか…! |
| ナタリア | ルーク、もしかしてあなたが探しているのはこのアカダマダケじゃありませんの? |
| ルーク | ん?そういやそんな名前だった気がするな |
| ルーク | つーか、何でお前、そんなもん持ってんだ? |
| ナタリア | 先ほど、向こうで見つけたんですわ。美味しいと評判のキノコだし、持って帰ろうと思って |
| ナタリア | たくさん採れましたし、他ならぬお父様のためですもの、お分けして差し上げますわ |
| ルーク | マジか?助かったぜ!ちっとも見つからねーからうんざりしてたとこだったんだ |
| ガイ | …一応、聞くけど、ルーク。お前、本当にちゃんと探したのか?割と目立つところに生えてたぞ |
| ルーク | う、うるせえな!それじゃ、キノコも手に入ったし、俺は帰るからな。じゃあな! |
| ガイ | やれやれ相変わらずだな、ルークのやつ… |
| ガイ | 調査も済んだ事だし、俺達もそろそろ帰ろうか |
| | グルルルル |
| ナタリア | また魔物ですわ。まったく、次から次へと… |
| ナタリア | えい!しつこいですわね…! |
| ナタリア | やあ! |
| ナタリア | …あっ!?キノコの袋が… |
| ナタリア | いけませんわ!キノコが魔物に食べられ── |
| | …グルル |
| ガイ | 魔物が怯んだ!?…よし、チャンスだ!とどめを! |
| ナタリア | アストラル・レイン! |
| | ギャアアア! |
| ナタリア | やりましたわ、倒しましたわよ! |
| ガイ | ああ、しかし今の魔物…なぜあのタイミングで怯んだんだろう… |
| ??? | ご主人様ー、どこですのー!ご主人様ー! |
| ナタリア | あら、ミュウ。どうしたんですの? |
| ミュウ | ご主人様と一緒にアカダマダケを探しに来たんですの! |
| ミュウ | でも、ご主人様歩くの早くてはぐれてしまったですの… |
| ガイ | ルークなら街の方へ戻ったぞ。アカダマダケも…ほら、これを少し分けてやったからな |
| ナタリア | たまたま私達がたくさん生えている場所を見つけたんですのよ |
| ミュウ | !!それは…アカダマダケではないですの! |
| ミュウ | 食べたら笑いが止まらなくなるバクショウダケですの!似てるけど、間違いないですの! |
| ガイ | …!!そうか、思い出した。何か引っかかると思っていたんだがそれだ…! |
| ナタリア | 大変ですわ。早くルークを追いかけましょう。万が一、お父様のお口に入ったら…! |
| ガイ | ああ、急ごう!早まるなよ、ルーク…! |
| ミュウ | ま、待ってですの!置いていかないで欲しいですの~! |
| ルーク | まさか、こんなにあっさりキノコを手に入れられるなんてな。すっげーツイてたぜ |
| ルーク | …確かすげー美味いって話だし、一つくらい別にいいよな |
| ルーク | どれ、あーん… |
| 誇り高き王宮料理人 | scene1 |
| アッシュ | …お前がどうしてもと言うから付いてきたが、こんな草原まで連れて来てどういうつもりだ? |
| ナタリア | 気分転換ですわ。ここのところ、お疲れみたいでしたもの |
| ナタリア | …ひょっとして、ご迷惑でした? |
| アッシュ | …いや。少しくらいなら付き合ってやる。行きたいところに連れていけ |
| ナタリア | アッシュ… |
| ナタリア | 分かりましたわ。もう少しですから、行きましょう |
| | |
| ナタリア | ここですわ。一番見晴らしがよいと聞きましたの。風も清々しくて気持ちよいですわね |
| アッシュ | …ああ、そうだな |
| ナタリア | そろそろお腹も空いてきましたわね。この辺りでお昼にしませんこと? |
| ナタリア | 実は私、腕によりをかけてお弁当を作ってきましたのよ |
| アッシュ | 手製の弁当…わざわざお前が作ったのか? |
| ナタリア | ええ、ピクニックにお弁当は欠かせませんもの。栄養バランスも考えてありますわ |
| アッシュ | お前は王女なんだ。別に料理などできなくても、料理人にでも任せておけばいいだろう |
| ナタリア | あら、こういう時は自分で作るのが大事と、ものの本にもありましたわ |
| ナタリア | それに今回は自信がありますのよ。何といっても王宮の料理人直々の指導のもと、作ったんですもの |
| ナタリア | ぜひ、お食べになって。感想を聞かせていただきたいですわ |
| アッシュ | …分かった。なら── |
| | ガサガサ |
| アッシュ | 何だ!? |
| | グオオオオ! |
| ナタリア | 魔物ですわ! |
| アッシュ | わかっている!食事は後だ |
| アッシュ | やるぞ! |
| 誇り高き王宮料理人 | scene2 |
| ナタリア | せっかくの昼のひと時に水を注されてしまいましたわね |
| ナタリア | でもこれで不届きな魔物もいなくなりましたわ |
| ナタリア | では気を取り直して、さあ、召し上がれ |
| アッシュ | ああ |
| アッシュ | もぐ… |
| アッシュ | む… |
| ナタリア | ど、どうですの?お口に合いまして? |
| アッシュ | … |
| ナタリア | ア、アッシュ? |
| アッシュ | …いや、悪くない |
| アッシュ | 驚いたな。指導を受けたにしてもここまでとは |
| アッシュ | 確かお前は料理はあまり… |
| ナタリア | それは褒め言葉と受け取ってよいのですわね!?うれしいですわ! |
| ナタリア | さぁ、アッシュ、遠慮なさらずどんどんお食べになって。まだまだたくさんありますわよ |
| アッシュ | ああ。それにしてもお前に教えた料理人は大した教え上手だったらしいな |
| ナタリア | そうですわね。最初から最後まで、細かく指導してくださいましたわ |
| ナタリア | 美味しい味付けが出来るようにとみなさん、何度も代わる代わる味見をして下さって… |
| アッシュ | みなさん?代わる代わる?何人もいたのか? |
| ナタリア | ええ |
| ナタリア | でもなぜかみなさん、次々と体調を崩してしまわれて… |
| ナタリア | その都度、別の料理人に交代しながら指導していただきましたのよ |
| ナタリア | みなさん、本当に熱心な方々でしたわ |
| ナタリア | でも、こうしてアッシュにも褒めていただけましたし、指導を受けた甲斐がありましたわ! |
| ナタリア | 私、これからも精進して参りますわ! |
| アッシュ | … |
| アッシュ | 代わる代わる味見…体調を崩して…交代… |
| アッシュ | …ふん。料理人にも根性の座ったやつがいたという事か |
| アッシュ | どこの誰だか知らないが、礼は言っておいてやる |