| Name | Dialogue |
| 俺の息子はすごい! | scene1 |
| リリス | ごめんね、お兄ちゃん。買い物に付き合わせた上にたくさん荷物を持たせちゃって |
| スタン | 何言ってんだよ。これぐらい、どうって事ないさ。家まであと少しだし |
| スタン | …ん?ボールが転がって来たぞ |
| 子ども | すみませーん!そのボール、こっちに蹴ってくださーい! |
| スタン | おう!任せとけー! |
| スタン | …よっと! |
| 子ども | ありがとうございましたー! |
| スタン | 元気な子ども達だなあ。俺も昔はあんな感じだったっけ |
| リリス | お兄ちゃんは昔から全然変わってないじゃない |
| スタン | う…。そ、そんな事ないぞ!俺だって…たぶん成長してるって! |
| スタン | あ…! |
| スタン | なあ、リリス。…もし俺に子どもができたらどんな子になるんだろう |
| リリス | ええっ!?お、お兄ちゃんの…子ども?急に何!? |
| スタン | やっぱり俺に似るのかなあ。きっと冒険好きになるんだろうなあ |
| リリス | それですーっごく寝ぼすけで、朝誰かに起こされないと起きないような子なんでしょ? |
| スタン | そこは似ちゃうのか… |
| リリス | 大丈夫。どんな寝ぼすけさんだって私がばっちり起こしてあげるから! |
| スタン | ちょ、ちょっと待て!俺の子どももリリスが起こすのか!? |
| リリス | …うう、確かにおかしいわよね。いいわよ…そうしたら私が「死者の目覚め」を伝授するから… |
| スタン | なっ、何でそこでリリスが涙ぐむんだよ!俺、何か悪い事したか!? |
| リリス | してませんー!お兄ちゃんが急に変な話するからでしょっ! |
| スタン | …変な話、したかなあ…? |
| スタン | あっ、そうだ!俺の子どもがどんな子になるかみんなに聞いて回ろう! |
| スタン | まずはリオンに聞いてみたいな。リリス、悪いけど先に帰っててくれるか? |
| リリス | えっ、ちょっと… |
| リリス | お、お兄ちゃん!? |
| 俺の息子はすごい! | scene2 |
| スタン | 街の中にはいないみたいだし…リオンのやつ、どこへ行ったんだ? |
| スタン | …あれ? |
| スタン | あそこにいるのはリオンじゃないか!おーい! |
| スタン | こんなところにいたのか!随分捜したんだぞ |
| リオン | どこにいようが僕の勝手だろう。で、僕に何の用だ? |
| スタン | なぁ、リオン。俺の子どもってどんな子だと思う? |
| リオン | 何だ、いきなり…。お前の子どもの事など知るか |
| スタン | そんな事言わないで、何でもいいから聞かせてくれよ。なあ、どんな子だと思う? |
| リオン | お前のような直情バカがもう一人増えるなど冗談じゃない。くだらん事で僕に話しかけるな |
| スタン | おい、ちょっと…! |
| スタン | …えーっと、要するにリオンは… |
| スタン | 俺と同じ性格の子どもになるって思ったって事だよな!なるほどなあ |
| スタン | 他のみんなはどう思うんだろう? |
| スタン | よーし、次、聞きに行ってみよう! |
| | |
| スタン | なあ、ルーティ!ちょっと聞きたい事があるんだけど |
| ルーティ | ん?何? |
| スタン | いつか俺にも子どもができるとしてさどんな子になると思う? |
| ルーティ | はあ!?こ、子ども!? |
| ルーティ | 急に何言い出すのよ! |
| ルーティ | そ、そんな事聞かれてもわかるわけないでしょ! |
| スタン | ?どうしてそんなに怒るんだ? |
| ルーティ | べ、別に怒ってなんかないわよ! |
| ルーティ | …そ、そうね。きっとあんたそっくりなんでしょうね |
| ルーティ | 女の子でも男の子でもあんたに似ちゃうに違いないわ |
| スタン | そうかな? |
| ルーティ | きっと寝ぼすけで熱血で人の世話ばっかり焼いちゃうバカよ |
| ルーティ | …ま、悪くはないけど |
| スタン | ん?最後のだけ聞き取れなかったけど |
| ルーティ | な、何も言ってないわよ! |
| ルーティ | はい。もうこの話は終わり。とっとと他に行きなさい |
| スタン | うーん。ルーティのやつ、何であんなに怒ってたんだろ |
| スタン | あ、おーい!コングマーン! |
| コングマン | よう、スタン!俺様に何か用か? |
| スタン | もし将来、俺に子どもができるとしたら、どんな子になるかみんなに聞いて回ってるんだ |
| コングマン | おめぇの子どもねぇ… |
| コングマン | そうだなあ。おめぇか嫁さんに似るんじゃねえか? |
| コングマン | そもそも嫁さんは誰だよ? |
| コングマン | ま、まま、まさか、おめぇ、フィ… |
| スタン | ん?フィ…何?…って、俺の子どもの話なのに何でコングマンが震えてるんだよ! |
| コングマン | うるせえ!!おめぇにあの方は…!!…スタン!正々堂々、勝負でぇ! |
| スタン | ええええええ!? |
| | |
| リリス | お帰り、お兄ちゃん。随分遅かったわね |
| スタン | あちこち回って、さすがに疲れたよ。最後はコングマンに追いかけられたし |
| リリス | それで、収穫はあったの? |
| スタン | ああ!みんなのお蔭で俺の子どものイメージがかなり湧いて来たぞ! |
| スタン | みんな言ってた。俺に似て、冒険好きで、寝ぼすけで、熱血で… |
| スタン | ええと、あとは... |
| スタン | 人の世話ばっかり焼いちゃって、コングマンに追いかけられるんだ! |
| リリス | …お兄ちゃん、自分で何を言ってるかわかってる? |
| | |
| リアラ | …カイル、自分で何を言ってるかわかってる? |
| ジューダス | どうかしたのか?様子がおかしいようだが |
| カイル | うう、何か今、ものすごい悪寒が… |
| 強くなるには… | scene1 |
| スタン | リリスに頼まれてたものも無事に買えたし、早く帰って昼寝でもするか |
| | ガサガサ |
| スタン | ん?今、何か── |
| | グオオオオ! |
| スタン | うおっ!魔物か!よし、相手になってやる! |
| | ギャオオオオオオオ! |
| スタン | !!反対側にもいたのか!! |
| スタン | ぐあっ! |
| スタン | くそっ!剣が弾き飛ばされてしまった!この状況はまずいな… |
| スタン | …ん?あ、あれは!コングマン! |
| コングマン | ぶっとばしてやるぜ!おらぁ! |
| | ギャアアア! |
| スタン | 拳で一撃とは…さすがコングマン! |
| コングマン | とうっ!ほらよ、おめぇの大事な剣だろ!落としてんじゃねぇ! |
| スタン | あ、ありがとう… |
| コングマン | よし、残りの魔物もさっさと片付けちまうぞ! |
| スタン | ありがとう、コングマン。助かったよ |
| コングマン | おう、油断してんじゃねぇぞ! |
| スタン | それにしても…コングマンは体術だけじゃなく武器も使えるんだよな? |
| コングマン | ああ、当然だ。武器も使えてこそチャンピオンってもんよ |
| スタン | なら、何でいつも武器は使わないで自分の肉体のみで魔物と戦うんだ? |
| コングマン | それはおめぇ、男の…いや、チャンピオンのプライドってやつだな |
| コングマン | この鍛え抜かれた肉体があれば武器なんぞ使わなくとも十分戦闘が可能だ!ガハハハハ! |
| スタン | そっか…。俺はさっき剣がなくなって何もできなかった… |
| スタン | …このままじゃ駄目だ!俺も武器ばかりに頼らないで肉体のみでも戦えるようにしないと |
| コングマン | おいおい、冗談だろ?おめぇのその、ひょろひょろな身体で魔物に勝てるとでも思ってるのか? |
| コングマン | 俺様みたいに鍛えねえと通用しないぞ!そんなに甘ぇもんじゃねえからな! |
| スタン | そうだよな、でも…俺、頑張ってみるよ! |
| | |
| スタン | ふんっ! |
| スタン | ふんっ! |
| スタン | ふんっ! |
| リリス | どうしたの、お兄ちゃん?コングマンさんみたいな声を出して… |
| スタン | 見りゃわかるだろ。ふんっ! |
| スタン | 筋トレだよ。ふんっ! |
| リリス | そ、そっか… |
| リリス | それはそうと、ちょっとお願いがあるんだけど… |
| スタン | 俺は鍛えなきゃ、ふんっ! |
| スタン | いけないんだ。ふんっ! |
| スタン | 悪いけど後にしてくれ。ふんっ! |
| リリス | もう!わかったわよ。買い物は自分で行くから |
| | |
| スタン | あれから何日だろう。鍛え続けて、結構いい身体になってきたんじゃないか? |
| スタン | よし、もうひと頑張りするか |
| リオン | こんなところで何をしている? |
| スタン | よう、リオン。身体を鍛えてるんだよ。お前もやったらどうだ? |
| リオン | 僕には必要ない。一人で勝手にやっていろ |
| | ガサガサ |
| リオン | ん? |
| | グオオオオ! |
| リオン | くっ!魔物か! |
| スタン | 何だって!? |
| スタン | よし、ここは日頃の鍛錬の成果を…! |
| 強くなるには… | scene2 |
| スタン | はぁ、はぁ… |
| スタン | 結局、剣…使っちゃったな… |
| リオン | おい、お前。ふざけているのか?なぜ最初から剣を使わない!? |
| リオン | 身体を鍛えるのはお前の勝手だが、剣が疎かになるならば今すぐやめろ!足手まといだ! |
| スタン | ご、ごめん…悪かったよ |
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| リリス | どうしたの、お兄ちゃん? |
| スタン | …リオンが怒るのもしょうがないか。体術だけで戦う事を意識しすぎて剣の扱い方がダメになってた |
| スタン | …あれはコングマンだからできる事なんだよな |
| リリス | …お兄ちゃん。さっきから独り言がすごいんだけど |
| スタン | 俺がやってた事は、ただのコングマンの真似事にすぎないんだ! |
| スタン | コングマンは身体を鍛える事で武器を使わずとも戦える術を得た。でも、それはあいつだからできる事だ |
| スタン | 俺がただ身体を鍛えたからといってコングマンと同じように戦えるわけじゃない |
| リリス | そうよ、お兄ちゃん |
| リリス | コングマンさんはコングマンさん!お兄ちゃんはお兄ちゃん!でしょ? |
| リリス | お兄ちゃんはお兄ちゃんのやり方でここまでやってこられたんじゃない。街の人達だって守れてる |
| リリス | だから、これからも今までどおりでいいんじゃない? |
| スタン | 俺には俺なりの…今までやってきたやり方… |
| スタン | …そうか! |
| リリス | 何かわかった? |
| スタン | ああ、リリス、俺わかったよ!今までやってた自分なりのやり方…これで俺はもっと強くなれる! |
| スタン | よし、そうと決まればまずは… |
| スタン | 誰にも起こされる事なく全力で好きなだけ寝るぞ! |
| スタン | 回復と成長には睡眠が必要だもんな!そう…「寝る子は育つ」だ! |
| リリス | 何でそうなるのよっ! |