| Name | Dialogue |
| 恐怖の火の玉 | scene1 |
| ロイド | なぁ、そういえばこの前不思議な事があったんだけどさ |
| リタ | 何よ突然 |
| ロイド | 魔物退治で森に行ったんだけどその時に森の奥のほうで火の玉を見かけたんだ |
| ロイド | 魔物かと思ってそっと近づいてみたんだけどな… |
| ロイド | フッて消えたんだ。突然、フッて |
| リタ | 何よそれ。どうせただの見間違いでしょ |
| ゼロス | 火の玉…!それなら俺さまも見たぜ! |
| ゼロス | この間の晩、林道を歩いてた時だ… |
| ゼロス | 遠くの茂みの方で、ゆらゆらと炎が宙に浮いてたんだ |
| ゼロス | あれは間違いなく火の玉だったぜ! |
| リタ | ひ、火の玉って… |
| リタ | そんなの魔物か何かに決まってるじゃない |
| ゼロス | 俺さまもそう思って辺りを見回したんだが…魔物の気配はなかったぜ |
| リタ | み、見間違いよ!そうに決まってるわ! |
| リタ | そんな非科学的な事、ナンセンスよ! |
| リタ | くだらない話してないで、ほら、さっさと行くわよ! |
| リタ | … |
| ゼロス | リタちゃん、さっきからずーっと黙ってるけど… |
| ゼロス | おなかでも痛い? |
| ロイド | リタ、どこか悪いのか? |
| リタ | べ、別に何でもないわよ |
| ゼロス | いつものリタちゃんらしくねえな |
| ゼロス | ん?もしかして…火の玉の話が怖かったのかな? |
| リタ | う…うるさいわね!そんなわけないでしょ! |
| リタ | 大体、火の玉なんて―― |
| | ガサガサ… |
| リタ | いやああっ! |
| ロイド | 魔物か! |
| ロイド | って、リタ…驚き過ぎじゃないか? |
| リタ | な、何よ、ただの魔物じゃないの |
| リタ | 人騒がせね。ぶっ飛ばしてやる! |
| 恐怖の火の玉 | scene2 |
| リタ | これで魔物は全部? |
| リタ | ったく、手間かけさせるんじゃないわよ |
| リタ | このあたしに対して暗がりに乗じて襲い掛かってくるなんて、10年どころか百年早いわよ |
| ゼロス | 今日のリタちゃん…何か、いつにも増して、鬼気迫るものがなかったか? |
| ゼロス | ま、そのお蔭でやられずに済んだわけだけどさ… |
| ロイド | 確かに!少し雰囲気が違ったな |
| ロイド | …それにしても、さっきの技――… |
| ゼロス | そういえば… |
| ゼロス | 今ので思い出したんだけどよこんな話を聞いた事があるぜ |
| ゼロス | 魔物に襲われ、命を落とした人間は幽霊となって出てくる |
| ゼロス | 常人には、幽霊そのものは見えない。…だが、一つだけ誰にでも見る事が出来るものがある |
| ロイド | それって… |
| ゼロス | 人間の「魂」… |
| ゼロス | 俺達が見た火の玉は、きっと魔物に命を奪われた人間達の魂だったんだ! |
| ロイド | そ、そうだったんだな… |
| リタ | … |
| ゼロス | ほーら、今まさにリタちゃんの後ろに… |
| リタ | !! |
| ロイド | ん?そんなのいないぞ? |
| ゼロス | なーんて!冗談だよ、冗談。幽霊の話も、実はぜーんぶ嘘──… |
| ゼロス | うがっ! |
| ゼロス | いってーっ!い、痛いよリタちゃん… |
| リタ | だから、くだらない話はすんなって言ったでしょ! |
| リタ | 殴るわよ!? |
| ゼロス | もう殴ってるよ… |
| ゼロス | そんな怒らなくていいだろ…かわいいジョークじゃないかよぉ |
| ロイド | !あ、そういえば… |
| ゼロス | ん?どうかしたのか、ハニー |
| ロイド | いや、さっき見たリタのファイアボールなんだけど…俺が見た火の玉にそっくりだなって… |
| ゼロス | あー…そう言われてみればそうかも… |
| ロイド | リタ、もしかして1週間前の夜、遺跡の近くの森にいなかったか? |
| リタ | え?1週間前… |
| リタ | ああ、そういえば調査のために行ったような… |
| ゼロス | …って事はよ、3日前の晩、街の近くの林道にも行ってたんじゃないの? |
| リタ | … |
| リタ | あ、確かにそっちにも行ってたかも |
| ゼロス | … |
| ゼロス | 肝心のファイアボールももちろん…? |
| リタ | そりゃ使ったに決まってるじゃない。夜の森や林道なんて魔物だらけだし |
| ゼロス | 何だよー! |
| ゼロス | 火の玉の正体はリタちゃんかよー!俺さま、火の玉見て大興奮だったのに |
| リタ | はぁ?あんた達が勝手に勘違いしたんでしょうが! |
| ゼロス | 火の玉も幽霊もなかったとはね。ま、幽霊は俺さまが作った話だけど |
| ゼロス | ったく、がっかりだぜ… |
| ゼロス | にしても、リタちゃん急に元気になったじゃねえの |
| ゼロス | やっぱり怖かったのかい? |
| リタ | う、うるさいわね! |
| リタ | あたしの火の玉であんた達を本物の幽霊にしてあげましょうか? |
| | えっ!? |
| リタ | 研究の成果をこんなところで試せるなんてね… |
| ゼロス | ダメダメダメダメ!こんなとこで披露しちゃ駄目だってリタちゃ~ん |
| リタ | うるさい!くだらない話ばっかりして! |
| リタ | こんなに近くで見られるんだから感謝しなさい! |
| リタ | ファイアボール! |
| | ぎゃああああああ! |
| 想いを込めた贈り物 | scene1 |
| リタ | この街は相変わらず賑やかね… |
| リタ | 珍しい物が集まるマーケットが開催されるって聞いて来たけど、この騒がしさはちょっと閉口だわ |
| エステル | でも、お店もたくさんありますしこうやってお買い物しているとすぐに時間が過ぎてしまう気がします |
| リタ | 買い物ねぇ… |
| リタ | 確かに、工具とか部品とか探す時は時間がいくらあっても足りないけど |
| エステル | それにしても、今回のマーケット、いろいろなお店がありますね |
| エステル | どのお店も個性的で素敵です |
| リタ | まあ確かに店の種類は多いわね |
| リタ | 食料品に衣類、雑貨…あと、民芸品とかってやつとか |
| エステル | 買い物はひと通り済みましたけど、まだ時間ありますよね… |
| エステル | ねえリタ、みんなにお土産を買いませんか? |
| リタ | お土産…? |
| リタ | ま、まあ別にいいけど… |
| | |
| エステル | こうやって、お土産を渡す相手の事を思い浮かべながら選ぶのってとても楽しいです |
| リタ | ふうん、そういうもん?あたしにはよくわからないけど |
| リタ | ん?あ、あれって…!! |
| エステル | あ、リタ、どこへ行くんです? |
| リタ | この工具、新型じゃない! |
| リタ | 前からこういうの探してたのよね。ふふん、来てみるもんね |
| リタ | …って、何よ、この値段! |
| リタ | いくら新型だからって、ぼったくりすぎなんじゃないの!? |
| リタ | いま持ってるお金は… |
| リタ | 駄目か。全然足りない |
| リタ | あーもうこんな素敵なのを前に諦めるしかないなんて |
| エステル | …こっちでは駄目なんです?わたしには同じに見えますけど… |
| リタ | まあ、そんなもんよね。あーあ、しょうがないわ |
| リタ | あんたはあんたの買い物続けてて |
| | |
| エステル | あ、このお人形…!リタ、見て下さい |
| リタ | ?この人形がどうしたの? |
| エステル | 小さくてかわいいです… |
| エステル | それにほら、見て下さい。一つ一つ顔が違うんですよ |
| エステル | こういうお人形達の中から、大好きな友達に似たものを見つけ、身に着けておく |
| エステル | そうすると、そのお友達とはずっと仲良くいられる、と聞いた事があります |
| リタ | ずっと仲良く… |
| エステル | お友達同士で一緒に買ってそれを交換する、というのが一般的だそうですが |
| エステル | 友情を願う相手へのプレゼントや、自分用のお守りとして持つ場合とか色んなやり方もあるそうですよ |
| エステル | 何だかロマンチックじゃないです?こういうの、とっても憧れます |
| リタ | 眉唾よ、マユツバ |
| リタ | そんな非科学的な話あたしは興味ないわ |
| リタ | まあ好きにしたらいいわ。あたしはもう少し他の工具も見てるから |
| エステル | あ、リタ… |
| | |
| リタ | ほんと、あの子ったら、飽きもせずああいうの好きよね |
| リタ | 何がいいのか、さっぱりだわ |
| リタ | そんな、友達とずっと仲良くとか……仲良く…あたしとエステルが… |
| リタ | って、そうじゃなくて |
| リタ | …ってあれ?エステル? |
| | |
| リタ | …ここにもいない |
| リタ | 一体どこに行ったのかしら |
| リタ | …この人形、どことなくエステルに似てる気がするわね… |
| リタ | … |
| | 「大好きな友達に似たお人形を 身に着けておくとずっと仲良く…」 |
| リタ | ま、まさか、あるわけないじゃない。こんな人形なんかで… |
| | |
| リタ | それにしても本当に、エステルったらどこに行ったのかしら… |
| 街の女性 | キャァァァァッ! |
| リタ | 今の悲鳴は何!? |
| リタ | まさかあれって魔物じゃない!こんな街中に…! |
| リタ | って、エステルもいるじゃない! |
| リタ | また街の人をかばったりして…何でいつもそう無鉄砲なのよ! |
| 想いを込めた贈り物 | scene2 |
| リタ | はぁ…はぁ…何とか倒せたからよかったけど… |
| リタ | まったく一人で無茶しすぎよ!せめて、まずあたしを捜すとか… |
| エステル | ごめんなさい、リタ。でも、街の人達が危なくて… |
| リタ | …わかったから、いいわよ、もう |
| リタ | ところで、買い物はもういいの? |
| エステル | はい、みんなへのお土産もちゃんと買えましたし、もう大丈夫です |
| リタ | お土産…そういえばそんな事言ってたわね |
| リタ | で、結局何を買ったわけ? |
| エステル | ええっと…ユーリにはラピードに似たキーホルダーです。ラピードはユーリの大切な相棒ですから |
| エステル | ラピードには美味しそうなドッグフードです。栄養素が豊富で動き回るラピードにぴったりかなって |
| エステル | フレンには栄養ドリンクです。責任感が強く、働き者のフレンにはこれが一番です |
| リタ | ふ、ふーん |
| リタ | 他はともかく、最後のはお土産っていうのかよくわからないけど… |
| エステル | そうそう、リタにもあるんですよ |
| リタ | へ?あたしに? |
| リタ | …ひょっとして… |
| エステル | はい、これ |
| エステル | リタが欲しがってた工具です! |
| リタ | え? |
| リタ | あ、ああ、工具、ね。あ、あはは… |
| エステル | ?あれ、何か間違っちゃいましたか? |
| エステル | 確かその工具だと思ったんですけど… |
| リタ | う、ううん、そういう意味じゃ…!ただ、ほら、高かったから… |
| リタ | その、ありがたく使わせてもらうわ! |
| エステル | よかったです。研究に役立ててくださいね |
| エステル | あ、それと、あともう一つ… |
| リタ | ん?あれ?この柄の部分に何か付いてる… |
| リタ | ちょっと、これって… |
| エステル | はい、さっきのお人形です。持っていてくれると嬉しいなって |
| エステル | リタとはずっとお友達でいたいですから |
| リタ | エステル… |
| エステル | リタには、わたしに似たお人形を |
| エステル | そして、ほら、見て下さい。わたしもリタ似のお人形を―― |
| リタ | こ、こんなの信じるなんて、ほんと子供なんだから |
| リタ | しょうがないからもらっておいてあげるけど |
| エステル | あ、リタ!どこに行くんです?待って下さい! |
| エステル | …あれ? |
| エステル | リタ、何か落として…これはお人形…? |
| エステル | …わたしにそっくり… |
| エステル | ふふ、リタ、これからもずっとずっと、仲良くしてくださいね |