| Name | Dialogue |
| 俺と、少女と、果たし状 | scene1 |
| ルドガー | 今日の夕飯は何にしようかな… |
| ルドガー | 新鮮なトマトをたくさん使ってトマトスープなんかもいいな |
| ルドガー | でも、トマトを使うとエルが食べられないな。いや、好き嫌いなくすため、あえて… |
| エル | あれ?ルドガー |
| エル | これから買い物いくの? |
| ルドガー | うん。エルも一緒に来るか? |
| エル | ううん。エルはおうちでお留守番してる |
| エル | あ!そうそう |
| エル | ルドガー、人気投票1位おめでとう!エル、びっくりしちゃった! |
| ルドガー | あ、ありがとう…。なんだかテレるな… |
| エル | さっすがエルのアイボーだけあるね♪ |
| エル | ねえねえ、1位になるって、どんなかんじなの? |
| ルドガー | んー…、そうだな。いままでより、たくさんの人に話しかけられるようになったかな |
| ルドガー | 結果発表からもう三週間ぐらい経つけど、まだ話題にされるよ |
| エル | ふーん、やっぱり人気があるってのも大変なんだね。 |
| エル | ん?何か落ちたよ? |
| エル | ルドガーのポケットに入っていたコレ…なんだろ… |
| ルドガー | 気付かなかったな。中身はなんだろう…ってこ…、これは…!? |
| エル | 「人気投票1位の座は 俺さまがいただく」ってこれ…ハタシジョウってやつだよ! |
| ルドガー | 果たし状…!?…って、よくそんな言葉知ってたな |
| エル | あたりまえだし!エルはもの知りなんだよ! |
| ルドガー | でも、一体誰が…!? |
| エル | わかんないけど、1位になれなかった人がルドガーにシットしたのかも… |
| ルドガー | …とすると、やっぱり人気投票にいた人達が… |
| エル | エルが犯人さがしてあげる!アイボーを守るのが、アイボーのつとめだし! |
| ルドガー | あ、おい!エル! |
| ルドガー | …しょうがない、俺も行こう。エル、待てよ! |
| | |
| エル | うーん、一番あやしいのは2位のルークってひとだよね |
| エル | ルドガーのせいで1位になれなかったんだし… |
| ルドガー | エル、こんなところに隠れてどうするつもりだ? |
| エル | しっ!ルドガー!ルークが来たよ! |
| マルタ | 人気投票で8位に入るなんて…。さすが、私の王子様!! |
| エミル | そんな…、僕なんて… |
| エミル | ルークなんて2位だしさ。ほんとすごいよ! |
| マルタ | もー!エミルったら謙虚なんだから |
| マルタ | でも大丈夫。私の中でエミルは永遠に1位だよ♪ |
| ルーク | あー!もー!うるせー! |
| ルーク | いちゃつくならどっかでやれ!それに2位2位うるせーんだよ! |
| ルーク | 確かに今年は2位だったけどよ、来年はあのル…なんとかって奴を抜いて、絶対俺が1位になってやる! |
| マルタ | あ、ルーク、待ってよー! |
| エル | ルーク、ルドガーの名前を覚えてないっぽい… |
| ルドガー | うーん…、じゃあこれを書いたのはルークじゃないのかもしれないな |
| エル | ルークじゃないなら、早く次のヨーギシャのところに行かないと! |
| ルドガー | よ…容疑者って… |
| エル | ルドガー!早く―! |
| 俺と、少女と、果たし状 | scene2 |
| ルドガー | エル…、ここは… |
| エル | しっ!ルドガー!隠れて! |
| ルドガー | ん?あそこにいるのは… |
| エル | 人気投票5位にランクインした、ジューダスって人だよ |
| ルドガー | たしか、2013年の投票だとランクインしていなかったのに、今年は5位に浮上したんだったけ |
| エル | しっ!ルドガー!何かしゃべってるみたいだよ |
| ジューダス | 何?この間の人気投票の話だと? |
| ジューダス | …なぜ僕を祝う必要がある。僕には関係のない事だ |
| ジューダス | …余計なおしゃべりはやめろと言っているだろう、シャル |
| エル | あの人ずっとひとりでしゃべってるー! |
| エル | パパが言ってた…。怪しい人にはかかわっちゃいけない、って |
| エル | ほ…、ほかのひとをさがそ!! |
| ルドガー | お、おい!エル!!待てって! |
| ジューダス | なんなんだ…。騒がしい奴らだな… |
| | |
| エル | はぁ…、はぁ…。ハンニンなかなか見つからないね… |
| ルドガー | エル。そんなに無理して捜さなくても… |
| エル | エル、無理なんてしてない!だって、ルドガーのためだもん! |
| ルドガー | エル… |
| | ガルルル…ガルルルル…ギャウウウウウ!!! |
| ルドガー | 危ない!エル!!伏せろ!! |
| 俺と、少女と、果たし状 | scene3 |
| ルドガー | ふう…、これで全部か…。エル、怪我はないか? |
| エル | うん、大丈夫。あれ…?あのひとって…? |
| エル | やっぱりー!ユーリだ!! |
| ユーリ | お、エルにルドガーじゃねえか。どうしたんだ、こんなところで? |
| ルドガー | 実はこんな物が届いて…。その犯人をエルが捜してくれてたんだ |
| ユーリ | こいつは…またおかしなのを寄越す奴がいたもんだな |
| エル | ルドガーに1位をとられた人気投票で上位のひとがエルはあやしいと思ってるんだけど… |
| ユーリ | なるほどな |
| ユーリ | けど、フレンといいアスベルといいこんなせせこましい真似する奴じゃねえよ |
| ユーリ | おっさん…レイヴンにしたってそこまで執着してるとも思えねえしな |
| エル | んもー!ルドガーを狙ってるのは誰なのー!! |
| ルドガー | エル、もういいよ。犯人はなんてわからなくても |
| エル | え…!?でも、ルドガー…それじゃあ… |
| ルドガー | 俺のために、エルがこんなに頑張ってくれたんだ。それだけで満足だよ |
| エル | ルドガー… |
| ユーリ | ま、人気があるって事はその分、やっかみやらなんやらもどうしたって増えるもんだろ |
| ユーリ | けど、誰が何と言おうとお前の事が好きでついてきてくれる奴らがいる |
| ユーリ | そこさえ忘れなきゃそれでいいんじゃねえか |
| ルドガー | ユーリ… |
| エル | ユーリ、かっこいいー!!さすが、ずっと人気投票1位をとってただけあるね! |
| ルドガー | そうだな、こんな俺にも俺を信じてついてきてくれる人間がいる… |
| ルドガー | それを忘れないために…いや、戒めるために、誰かがこんな物を送ってくれたのかもしれないな |
| ルドガー | 今回の事で、舞い上がったりせず、結果を謙虚に受け止めるよ |
| ルドガー | そうだろ?ユーリ |
| ユーリ | お前がそう思うなら、それでいいと思うぜ。オレは |
| ルドガー | じゃあ、この件は解決したって事で、今日はもう帰ろうか。美味しいスープを作るよ |
| エル | トマトだけは入れないでよねー!! |
| ルドガー | わかった、わかった。チキンのスープにするよ |
| ルドガー | ユーリも一緒にどうだい? |
| ユーリ | お、いいのか?じゃ、お言葉に甘えさせてもらうとすっか |
| ルドガー | じゃあ、みんなで帰ろうか! |
| | |
| ゼロス | うぅ…、ずっとあいつらの後をつけて出番をうかがってたのに… |
| ゼロス | なんでルドガーの奴、この俺さまに気づかねーんだよ!! |
| ゼロス | 確かに、俺は11位だったけどよ…10位以内には入れなかったけどよ… |
| ゼロス | … |
| ゼロス | 俺さまを一人にするなよー!! |
| 変わらないもの | scene1 |
| ユリウス | その時、…が…で……の…が…で… |
| ユリウス | … |
| ユリウス | ルドガー…? |
| ルドガー | わ!ごめん、兄さん!! |
| ユリウス | 居眠りしていたのか…。疲れているのか…? |
| ユリウス | 無理もないか。いきなり人気投票で1位になり、 |
| ユリウス | そのまま時の人となってしまったからな、お前は |
| ルドガー | 俺自身はそんな感じしないんだけどね |
| ユリウス | 本当か?この前も知らない人から話しかけられていたのを見たぞ。まったく、人気者は大変だな |
| ルドガー | 確かにそういう事は増えたかな。慣れてないから、どう対応すればいいのか考えちゃうよ… |
| ユリウス | そうか…。なあ、俺の代わりに一つ頼まれ事をしてくれないか? |
| ルドガー | 兄さんの代わりに…? |
| ユリウス | そうだ。この地図にある遺跡に行き、奥の扉にある石碑を調べてきてくれ |
| ユリウス | ぶらぶら歩いているうちにいい気分転換にもなるだろう。それじゃあ、頼んだぞ |
| ルドガー | あ!ちょっと、兄さん! |
| ルドガー | 石碑を調べろ、とだけ言われても…仕方ない、向かうか… |
| | |
| ルドガー | ここが兄さんの言っていた遺跡か…。さっそく奥の石碑を… |
| | え…!?あれ、もしかして… |
| | キャー!本物よ!! |
| ルドガー | えっ!こんなところまでファンがいるのか…! |
| ルドガー | と、とにかく、どこかに隠れよう! |
| | |
| ルドガー | ふぅ…。ここなら誰もいないか… |
| ルドガー | さっそく石碑の場所を探さないと… |
| ルドガー | …ん? |
| ルドガー | 扉が開かない…!? |
| | ガルルルル… |
| ルドガー | まいったな…。さらに向こうからは魔物がせまってきてるぞ |
| ルドガー | 仕方ない。こいつを倒してから、扉を探そう |
| 変わらないもの | scene2 |
| ルドガー | なんとか魔物は倒したけど、肝心の扉が見つからない…何か仕掛けでもあるのかな? |
| ??? | おい!そっちに誰かいるのか!? |
| ルドガー | …!!壁の向こうから声が…!誰かいるのか…!? |
| ルドガー | 助けてください!ここに閉じ込められてしまったみたいなんだ! |
| ??? | ちょっ…え?マジかよ…! |
| ??? | やっと助けが来たと思ったのに、ぬか喜びかよ… |
| | |
| ルーク | あーあ。ったく、こんな事なら、ティアの奴の言う事なんか無視して来なきゃよかったぜ |
| ルドガー | 君も閉じ込められているのか? |
| ルーク | ああ?そうだよ、悪いかよ。扉が勝手に閉まりやがって、剣で叩いたくらいじゃ開きゃしねえ |
| ルーク | ったく…どーなってんだっつーの! |
| | |
| ルドガー | !!! |
| ルドガー | また魔物が現れた!! |
| ルドガー | ごめん!話はこいつを倒した後で…!! |
| 変わらないもの | scene3 |
| ルドガー | はぁ…、はぁ…。これでひとまずは大丈夫か… |
| ルーク | お、おい、なんかすげー音がしたけど、大丈夫なのか? |
| ルドガー | ああ。魔物は全部倒したからもう大丈夫だ |
| ルーク | 魔物がいたのかよ…閉じ込められたのがこっちでよかったぜ |
| ルーク | まあいいや、待ってりゃそのうちティアの奴が捜しに来るだろうし、それまでのんびり待つとするか |
| | |
| ルーク | なあ、お前なんか面白い話とかねえか?だいたい、なんでこんなとこにいるんだ? |
| ルドガー | … |
| ルドガー | 最近色々と悩みができたから、気分転換もかねてと、ここでの仕事を頼まれたんだ |
| ルーク | ふーん |
| ルドガー | …最近、自分が周りから注目される出来事があって、 |
| ルドガー | それを機に周りの反応が変わったんだけど、その環境にまだうまくなじめなくて… |
| ルドガー | あっ、別に嫌な事をされているわけじゃないんだ。この環境にうまく順応できれば一番いいんだろうけど… |
| ルーク | …なんかよく分かんねーけど、周りがうるせーなら、気にしなきゃいいだけじゃねえの? |
| ルドガー | でも、周りの世界が急に変わると、自分だけ置いてきぼりになった気にならないか? |
| ルーク | うーん、やっぱよく分かんねえや。確かにこっちの素性知った途端に態度変える奴とかムカつくけどな |
| ルーク | けど周りが変わったからって自分も変わらなきゃなんねーって事はないだろ |
| ルーク | 俺は俺だし、ずっと変わらないもんがあってもいい…と、思う。うまく言えねーけど |
| | |
| ルドガー | 変わらないもの… |
| ルドガー | … |
| ルーク | …ん?なんだこれ… |
| ルドガー | …? |
| ルーク | なんか、壁の隙間に変なボタンがあるぞ! |
| ルーク | 押してみるか…よっと |
| | ゴゴゴゴゴゴ… |
| ルーク | やった、扉が開いたぜ!なあ、ひょっとしてこれ、お前の方にもあるんじゃねえか? |
| ルドガー | え…、壁の隙間にあるボタン…?これ…か |
| | ゴゴゴゴゴゴ… |
| ルーク | 開いたのか?これでお前も帰れるな |
| ルーク | それじゃ俺は帰るからな。こんなとこに行かせやがって、ティアの奴に文句言ってやる… |
| ルドガー | あ!ちょっと待って!君の名前は…! |
| ルドガー | … |
| ルドガー | もう行っちゃったか…。誰だったんだろうな、あの人… |
| ルドガー | 変わらないもの…か… |
| ユリウス | おーい、ルドガー!どこだー!? |
| | |
| ユリウス | はぁ…、はぁ…。なんだ、ここにいたのか |
| ルドガー | 兄さん、どうしてここに…? |
| ユリウス | お前がなかなか帰ってこないから心配になってだな… |
| ルドガー | … |
| ルドガー | 兄さんは…変わらないなぁ |
| ユリウス | ん?何言ってるんだ。変わらないのはお前の方だぞ |
| ユリウス | 小さい頃からこうやって俺に心配ばかりかけて… |
| ユリウス | ん?何笑ってるんだ? |
| ルドガー | ふふふ |
| ルドガー | なんでもないよ |