| Name | Dialogue |
| シェリアの情熱 | scene1 |
| アスベル | シェリア!遅くなってすまない |
| シェリア | 私こそ急に押しかけてしまってごめんなさい |
| アスベル | いや、大丈夫だ。一体どうしたんだ? |
| シェリア | 実はこの前、ケリー様にお会いしたの |
| アスベル | 母さんに? |
| シェリア | それでね、ケリー様からアスベルの儀礼服を準備するようにって |
| シェリア | お金を受け取ってるのよ |
| アスベル | なんで急に儀礼服なんて… |
| シェリア | ケリー様は、アスベルの事が心配なのよ。着る物に困ってないか?とか |
| アスベル | お、大げさだなぁ… |
| シェリア | 同じような服しか持ってないなんて、騎士団に所属しているのに駄目よ |
| アスベル | う…その通りだけど… |
| シェリア | まさか記念式典とか、大事な行事の時でさえも、その服装なの? |
| アスベル | あ、ああ。きちんとしているし問題ないだろう? |
| シェリア | はあ…アスベル…。紳士たるもの、服装にも気を使わなくちゃ! |
| シェリア | 私も一緒に行くから、さっそくお店に行きましょ! |
| アスベル | シェリアも!? |
| シェリア | ケリー様からお金を預かったのは私よ? |
| シェリア | きちんとした服を揃えるまで見届けなくちゃ! |
| シェリアの情熱 | scene2 |
| シェリア | このお店とか、どうかしら?気になる物があったら、言ってね |
| シェリア | さあ、アスベルに合ったいい服を探すわよ! |
| アスベル | あ、ああ! |
| アスベル | シェリア、随分気合が入ってるなぁ… |
| シェリア | ん~…これは…ピンクのひらひらか… |
| シェリア | ないわね |
| シェリア | …こっちは…このボタンの部分が… |
| アスベル | シェリア、これはどうだ? |
| シェリア | あ、いい感じ! |
| シェリア | …あ、でも裾がちょっと… |
| アスベル | そ、そうか。難しいな… |
| シェリア | こっちは色が微妙ね…。他には… |
| シェリア | あっ!アスベル!これなんてどうかしら? |
| アスベル | 良さそうだな。色は…こっちの方が好きだけど |
| シェリア | うん、私もこの色の方がアスベルに似合うと思うわ。とりあえず、試着してみたら? |
| アスベル | ああ、そうだな。ちょっと待っててくれ |
| アスベル | どう…かな? |
| シェリア | すごく似合ってるわよ!アスベル! |
| アスベル | そ、そうか?こういうのはあまり着ないから何だか照れるな… |
| シェリア | この服ならどんな場面でもバッチリだと思うわ! |
| アスベル | シェリアにそう言ってもらえると心強いよ |
| アスベル | それじゃ、会計を済ませてどこかで休も―― |
| シェリア | 後はこれに合う鞄や靴を探さないと! |
| アスベル | えぇっ!?ま、まだあるのか!? |
| シェリア | 何言ってるのよ!?当然でしょ! |
| シェリア | 服が似合っていても、他でバランスが悪かったら格好悪いでしょう? |
| アスベル | た、確かにそうだけど…。この服を選ぶだけでも結構時間がかかったじゃないか |
| シェリア | 似合う服を探す事は時間がかかる事なのよアスベル |
| アスベル | そ、そうなの?でも、この服だけでも十分だと俺は── |
| シェリア | さ!次はこの服に合う靴を探しましょ! |
| アスベル | シェ、シェリア…この靴じゃ駄目なのか…? |
| シェリア | ううん…ちょっと惜しいのよね…。ラインの色が紫じゃなかったら… |
| アスベル | ラインの色だけならいいんじゃないか…? |
| シェリア | 駄目よ!ほら、値札を見て?それなりに値段がするのよ。だったらこだわらないと! |
| アスベル | ね、値札…。でも、この店にある靴はもう全部見たぞ…? |
| シェリア | それじゃ、服の会計だけ済ませて靴屋さんに行きましょ! |
| アスベル | ま、まだ行くのか…。疲れた… |
| シェリア | お会計を済ませたわ。さあ、行くわよ!アスベル!! |
| アスベル | は、はいっ!! |
| アスベル | 俺のためにここまで真剣になってくれるのはすごく有り難いんだが… |
| アスベル | どちらかというと、シェリアの方が楽しんでるような気がしてきた… |
| シェリア | アスベルー!何やってるのよー! |
| アスベル | い、今行く!! |
| アスベル | はぁ…この買い物…いつ終わるんだろうな… |
| 話を聞いてください! | scene1 |
| アスベル | 魔物の大群が商人を襲うと、報告のあった場所はこの辺だよな? |
| フレン | ああ、間違いないと思う |
| フレン | 雨風で視界が悪い…。油断せずに進もう |
| アスベル | ああ! |
| アスベル | はぁっ!! |
| 魔物 | ギャアアッ!! |
| アスベル | ふうっ…これで12体目か…。やっぱり、泥に足を取られて戦いづらいな… |
| フレン | とはいえ、このまま魔物達を放っておくわけにもいかない |
| アスベル | ああ、わかってる。ここで全て討伐しないと近隣の街や村にまで被害が及ぶ可能性がある |
| フレン | できる限り早く魔物達を倒してしまわないとな。アスベル、まだ行けるかい? |
| アスベル | ああ、もちろんだ! |
| フレン | よし、行こう! |
| 話を聞いてください! | scene2 |
| アスベル | これで最後だ!風牙絶咬!! |
| アスベル | よし!任務完… |
| アスベル | うわぁっ!! |
| | バシャーン!! |
| フレン | あ…アスベル!大丈夫か!? |
| アスベル | …ったたた…。だ、大丈夫… |
| フレン | よかった。残念な事に、見た目はまったく大丈夫じゃなさそうだけど… |
| アスベル | え…?う、うわっ!!泥で服がドロドロに… |
| フレン | はは…アスベルの服は元々白いから泥の汚れは目立つな |
| アスベル | うーん…ダメだ…。払っても仕方がない |
| フレン | 洗濯しないといけないな。そのためにも、さあ、街に帰ろう |
| アスベル | ああ…そうだな |
| | |
| アスベル | はあ…ついてないな… |
| アスベル | まさか、この服しか着替えがないなんて… |
| フレン | 見慣れないが立派な服だね。なにか特別なものなのかい? |
| アスベル | 大分前に幼なじみと一緒に買ったんだが、結局着る機会無くて、ずっと騎士団の物置に置いてたんだ |
| フレン | なるほどね。でもよく似合ってると思うよ |
| アスベル | あ、ありがとう。そう褒められると、何だか照れくさいな… |
| アスベル | でも、普段こんな格好で仕事なんてしないから、恥ずかしくなってきた… |
| フレン | 特に問題はないと思うが…おっと、もうこんな時間か。そろそろ持ち場に戻らないと |
| アスベル | ああ、俺も自分の持ち場に行くよ気を付けて、フレン |
| アスベル | さて、俺は城門の警備か……うう…目立ちそうだな… |
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| アスベル | …ううう…気のせいだと思うけど見られてる気がして落ち着かない… |
| アスベル | ちゃんとシェリアに選んでもらった服だし、おかしくはないはず… |
| アスベル | 堂々としていればいいんだよな。堂々としてれば… |
| マリク | お、アスベルじゃないか! |
| アスベル | きょ、教官!? |
| マリク | ん?何だ。珍しい服装だな正装して警備か? |
| マリク | お、…もしかして、デートか?それともイメチェンか? |
| アスベル | イメチェ…デート…!?ちちち、違います!これは…! |
| マリク | そうか…あまりの朴念仁っぷりで心配だったアスベルが… |
| マリク | とうとう色気づき始めたか…。そうか、そうか…あのアスベルが… |
| アスベル | 教官…少し俺の事馬鹿にしてませんか…? |
| アスベル | …じゃなくて!別におしゃれだとかそういうのを意識したわけではなくて… |
| マリク | いや、みなまで言うな…アスベル! |
| マリク | 人の評価が気になり、背伸びした服装を着る…。恐らく誰もが一度は通る道だ… |
| マリク | お前はそれが今だったというだけだ |
| アスベル | 教官、人の話を聞いてください!この服は着替えがなくて仕方なく… |
| マリク | ああ、わかってる、みなまで言うな。さあ、さっそくアスベルの成長をみんなに報告しないとな! |
| マリク | 城門前の見張り任務、しっかりこなせよ!じゃあな! |
| アスベル | え、みんなって!?きょ、教官、待ってください! |
| アスベル | 俺、任務でここから動けないのに!教かーーん!! |