| Name | Dialogue |
| 信じられるのは… | scene1 |
| アスベル | ずいぶん、歩いたな…。みんな疲れが出てきたようだ… |
| アスベル | 確か、この近くに街があったはずだ。そこで休憩しよう。もう少しの辛抱だ |
| ティポ | さんせーい。もうクタクタだよー |
| カノンノ | もう少しだって思ったら、急にお腹が空いてきちゃった |
| エリーゼ | 私もです… |
| アスベル | 街に着いたら、どこか食事が出来るところを探そう |
| アスベル | と、言っても…地震や亀裂で混乱が起きてなければいいんだが…――ん? |
| エリーゼ | 何でしょうか?向こうに人がたくさんいます… |
| アスベル | ああ、行ってみよう |
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| | ざわざわ… |
| アスベル | 誰かが演説をしてるのか?あの仮面の少年は… |
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| シンク | みんな、聞け!昨今起こっている謎の地震、それによる大地の亀裂… |
| シンク | これらの天変地異が起こる事は預言により、すべてわかっていた! |
| シンク | しかも各国の王やその取り巻きどもはその預言を知っていながら、ずっと隠していたのだ! |
| | ざわざわ… |
| アスベル | なっ!? |
| エリーゼ | そ、そうなんですか? |
| アスベル | いや…そんな話、聞いた事がない…。一体どういう事なんだ? |
| アスベル | そんな人々を不安にさせるような事を何故… |
| シンク | このような重要な情報がなぜ隠されていたのか… |
| シンク | 答えは簡単さ。奴らは自分達だけ助かろうとしている! |
| 男性 | そんな…! |
| 女性 | 私達はこの地震のせいで、こんなに苦しんでいるのに… |
| シンク | 自分が助かるために重要な事を隠していた奴らを信用してはならない! |
| シンク | 信じられるのは自分の力だけだ!他人の優しさはまやかしだ!誰かの力に頼るな! |
| アスベル | それは違う! |
| シンク | 何…? |
| カノンノ | アスベルさん!? |
| シンク | 誰さ、アンタ? |
| アスベル | 俺はアスベル。アスベル・ラントだ。お前こそ、一体何者なんだ? |
| シンク | ボクはシンク。それ以上話す義理はないね |
| アスベル | シンク…。なぜ、人々の不安を煽るような事ばかり言うんだ! |
| アスベル | こんな時だからこそ、助け合う必要があるんだろう? |
| アスベル | そのために、人を思いやる気持ちを忘れちゃいけない! |
| エリーゼ | そ、そうです!一人じゃ出来ない事もあるけど…誰かと一緒なら出来る事もあります! |
| ティポ | 自分一人だけで生きていくなんて、辛すぎるよー |
| | グァァァアアアアア!!!! |
| 男性 | うわぁっ!!! |
| 女性 | ま、魔物の群れが! |
| シンク | 建前ばかりの綺麗事なんかに興味はないよ |
| シンク | 本当に信じているなら、その思いやる気持ちとやらで、せいぜいこいつらを守ってやるんだね |
| アスベル | あっ!待て!! |
| カノンノ | アスベルさん!魔物が来るよ! |
| アスベル | くそっ! |
| 信じられるのは… | scene2 |
| エリーゼ | みんな、大丈夫ですか…? |
| カノンノ | うん、大丈夫。さっきの人は…どこかへ行っちゃったみたいだね |
| ティポ | みんなが危ないのに一人で逃げちゃうなんて酷いよー!バホー!! |
| アスベル | そうだな… |
| エリーゼ | どうして、「人を信じちゃ駄目」なんて言うのでしょうか…? |
| アスベル | …彼にそう思わせた事情が何かあるのかもしれない… |
| ティポ | 事情…? |
| アスベル | それが何かはわからないけどな大変な事が起きている中で、混乱している可能性もある |
| カノンノ | …そうだね |
| アスベル | けれど、もし次に会う事があればお互いちゃんと話をして… |
| アスベル | 彼の不安も取り除けるといいと思うよ |
| カノンノ | うん…そうだね。次に会えた時、わかってくれたらいいね! |
| アスベル | ああ! |
| アスベル | よし、じゃあ怪我人がいないか確認したら、宿屋を探そうか |
| エリーゼ | はい! |
| 信念の力 | scene1 |
| カノンノ | あ、アスベルさん。おかえりなさい! |
| エリーゼ | ハスタって人についての報告、終わりました…? |
| アスベル | ああ、警備班の方で準備が出来次第追ってくれるそうだ |
| ティポ | 早く捕まるといいねー |
| アスベル | クラトスさん、お待たせしました |
| クラトス | いや、問題ない。だが… |
| | ガヤガヤ… |
| クラトス | 何やら、向こうの方が騒々しくなってきたな |
| エリーゼ | 何かあったんでしょうか…? |
| カノンノ | 事件じゃなければいいけど…。ちょっと様子を見てみない? |
| アスベル | そうだな… |
| アスベル | さっき、ハスタの件があったばかりだ。念のため確認しておこう |
| エリーゼ | あっ!アスベル!見てください! |
| アスベル | 彼は…! |
| クラトス | アスベル、知り合いか? |
| カノンノ | 少し前に、会った事があるんです |
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| シンク | ──不規則に起こる地震と亀裂で農場や牧場の被害は甚大。生産量は急激に落ちている |
| シンク | このまま行けば、食糧が底をつくのは時間の問題だ |
| シンク | だが国は何もしてくれはしない。自分で動かなければ、待っているのは飢え死にだけだ! |
| クラトス | ずいぶんと民衆の不安を煽る演説をするのだな |
| カノンノ | 前に会った時もそうだったんです |
| エリーゼ | みんなを不安にさせて、何をするつもりなんでしょう…? |
| アスベル | … |
| シンク | 野垂れ死にが嫌なら自分の身は自分で!必要なものは己の手で奪い取るしかない! |
| アスベル | シンク、待ってくれ! |
| シンク | …またアンタ達か |
| アスベル | 確かに、地震や亀裂の影響で物資の不足が進んでいるかもしれない |
| アスベル | だが、物資の問題だけじゃないみんなでこの状況を乗り切るために思いやりが必要なのだと、俺は思う |
| アスベル | 人一人の力はとても小さい。でも、みんなで力を合わせれば乗り越えられる事が増えるんだ |
| カノンノ | アスベルさん… |
| シンク | 相変わらずの綺麗事だね。吐き気がするよ |
| アスベル | …確かに、綺麗事かもしれない。だが、その理想を信じ努力する事で叶う可能性が生まれるんじゃないか? |
| アスベル | …なぁ、お前はどうしてこんな事を演説して回ってるんだ? |
| シンク | アンタ達には関係のない事さ。余計な口出しはやめてもらおうか |
| シンク | …いや、行く先々で邪魔されるのも面倒だ。やっぱりここらで消えてもらった方がいいかもね |
| アスベル | 戦うというのか…!? |
| シンク | いい機会じゃないか。アンタとボク、どちらの思いの方がより強いか試してみようよ! |
| 信念の力 | scene2 |
| シンク | っ…!思ったより、やるもんだね |
| アスベル | シンク、もうやめるんだ! |
| カノンノ | そうだよ。こんな事をしても意味ないよ! |
| シンク | 意味がない…それはどうかな |
| シンク | 今回はボクから仕掛けたけど… |
| シンク | もしまたアンタの考えに絶対に賛同しないヤツが現れたら…アンタはどうするんだい? |
| アスベル | どういう意味だ? |
| クラトス | …わかり合えないのであれば力を行使するのは当然、とでも言いたいのだろう |
| エリーゼ | そんな…! |
| シンク | 結局は力で主張を押し通す。これがアンタの唱える綺麗事の真実ってやつさ |
| シンク | 協力して助けあう…ね。とんだお笑い草さ |
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| ティポ | あっ!また逃げたーー!! |
| カノンノ | アスベルさん… |
| アスベル | 戦う力は、大切なものを守るためのひとつの手段に過ぎない…大切なのは、気持ちだと思うんだ |
| カノンノ | うん、私もすごく大切な事だって思ってるよ |
| アスベル | …ありがとう、カノンノ |
| アスベル | さて、先へ進むための準備をしようか良い店があると良いんだが |
| カノンノ | うん、そうだね |