| Name | Dialogue |
| | サフィアへの期待 |
| パスカル | ただいま~!実験に使えそうな植物の苗、貰って来たよ! |
| リフィル | ありがとう、パスカル。それじゃあ実験を始めましょうか |
| キール | アイゼン、準備はいいか? |
| アイゼン | ああ。マナリスを使って、この苗を成長させればいいんだな? |
| キール | そうだ。カタグラフィの中で、かつてこの島にいた天族が植物の苗を急成長させていた |
| キール | 同じ事が出来るのか確かめたい。…始めてくれ |
| アイゼン | …… |
| | メキ…メキメキ… |
| パスカル | …!すご~い、あっという間に苗が育っていくよ! |
| リフィル | 植物の相対成長速度が格段に早まっているようね |
| パスカル | アイゼンも、マナリスを使って植物を成長させられるんだ~ |
| パスカル | もしかして…あたしにも出来たりするのかな? |
| リフィル | 可能性はあるけれど…検証する事は出来ないわ |
| リフィル | 天族以外の種族がマナリスを使用する事は、調査隊内で禁じられているのよ |
| パスカル | あ、そっか~…。人間が使うと危ないんだっけ |
| キール | 使用時の代償が計り知れないからな。…アイゼン、マナリスを使用した時に疲労感はあったか? |
| アイゼン | 力を吸われる感覚はあるが…ルカの傷を治療した時に比べれば、大した事はないな |
| パスカル | ふむふむ、なるほどね…。かなえる願いの大きさによって疲労度が変化してるんじゃないかな |
| パスカル | どう思う、リフィル? |
| リフィル | その可能性は高いわね。もう一つ、実験をしてみましょう |
| リフィル | アイゼン、ここにある複数の苗を一気に成長させる事は出来るかしら? |
| アイゼン | ああ。…いくぞ |
| | メキメキメキメキィ… |
| リフィル | どんどん苗が育っていく…驚くべき光景ね |
| キール | ああ…信じられないな。本当に、これだけの力を持った物が存在するなんて |
| アイゼン | …っ |
| パスカル | さっきより体力の消耗が大きいみたいだね。大丈夫? |
| アイゼン | ああ…、問題ない少し休めば回復する |
| キール | やはり、苗を一気に成長させると身体的な負担が増すようだな |
| リフィル | これで、マナリス使用時の疲労度は願いの大きさに比例する事がわかったわね |
| アイゼン | …もう一つ、試したい事がある |
| キール | 何だ? |
| アイゼン | マナリスに、「呪いの解除」を願う |
| リフィル | …危険じゃないかしら?ルカの怪我を治療した時は、今より体力の消耗が激しかったのでしょう? |
| リフィル | 呪いの解除にどれだけの力が必要かはわからないけれど…。苗を育てるよりは危険度が高いわ |
| アイゼン | 覚悟の上だ。危険かどうかは、試してみないとわからん |
| アイゼン | それに…俺が天族である以上、命を落とす事はないだろう |
| パスカル | 呪いが解けたかどうかは、どうやって確認するの? |
| パスカル | 研究室の外に落とし穴でも掘ってみる? |
| アイゼン | 必要ない。…これを使う |
| リフィル | それは…カーラーン金貨か!? |
| アイゼン | ほう、よく知っているな。古代遺跡から発掘されたものだ |
| リフィル | すばらしい!遺跡に関する文献で存在を知ってはいたが、実物を見るのは初めてだ! |
| アイゼン | マナリスに呪いの解除を願った後、これを投げる |
| リフィル | 投げるだと…!?正気か?その金貨にどれだけの価値があると思って… |
| アイゼン | これは俺の物だ。どう使おうと、俺の勝手だろう |
| リフィル | く…。そ、それはそうだが… |
| アイゼン | 死神の呪いの影響で、コインを投げる時は必ず裏側が出る |
| アイゼン | つまり、表が出れば呪いが解除されたという事だ |
| キール | 死神の呪いは、コインの裏表にまで作用するのか。たまたま表が出る可能性は…? |
| アイゼン | ないな。千回振っても裏しか出ない悪運だ。そう簡単には覆らないだろう |
| リフィル | …いいわ。あなたがそうしたいなら、私達に止める権利はなくてよ |
| リフィル | ただし、危険だと判断したら、すぐに中断してちょうだい |
| アイゼン | …わかった。マナリスを使うぞ |
| アイゼン | …… |
| パスカル | …何か起こってる感じはしないね |
| キール | ああ、視覚的な変化はないな。アイゼン、大丈夫なのか? |
| アイゼン | …あぁ、何ともない。これは… |
| アイゼン | …… |
| | キンッ── |
| | パシッ |
| アイゼン | …やはりな |
| キール | 裏が出た、という事は…。呪いは解かれていないようだな |
| アイゼン | …マナリスを使った時、力を吸われる感覚が全くしなかった |
| パスカル | かなえられない願いには、そもそもマナリスの力が作用しないって事だね |
| リフィル | マナリスにも、かなえられない願いがある…。新しい発見だわ |
| キール | 願いの大きさと代償の関係性を、再定義する必要がありそうだな |
| パスカル | 天族と人間で、代償に差がある理由も解明しないといけないしね~! |
| リフィル | その辺りの解明は、これからの研究次第かしら |
| リフィル | 急ぎたい気持ちはあるけれど…今日の実験は、ここまでにしましょう |
| アイゼン | 何故、辞める?俺は続けてもかまわんぞ |
| キール | いや、リフィルの言う通りだ。連続的なマナリスの使用は避けるべきだろう |
| キール | いくら天族が最低限の代償でマナリスを使えるとは言っても… |
| キール | 疲労は確実に、アイゼンの身体に蓄積されているはずだからな |
| パスカル | そうだね~。任務の時にアイゼンがヘロヘロだと困るし… |
| アイゼン | …いいだろう。力を残しておくに越した事はないからな |
| アイゼン | マナリスでは死神の呪いが解けないとわかった以上、サフィアを手にする事が先決だ |
| パスカル | マナリスでかなわない願いでも、サフィアなら、かなえられるかもしれないもんね~ |
| リフィル | 確かに、その可能性はあるわね。エルピスの塔に厳重保存されているくらいだから、貴重な物でしょうし… |
| リフィル | マナリスよりも大きな力を宿していると考えてもいいと思うわ |
| キール | どんな願いでもかなえられる…馬鹿げた伝説だが、マナリスがある以上は完全に否定も出来ない |
| キール | 代償はあるものの、マナリスにも願いをかなえる力が宿っているからな |
| パスカル | サフィアとマナリスは同じ輝きを発してるから、関連性がありそうだしね |
| パスカル | サフィアでアイゼンの呪いが解けるといいな~。ルカ達もそれを望んでるだろうしさ! |
| アイゼン | マナリスが集まらない限り、エルピスの塔の扉は開かん。次の招集を待つしかないだろう |
| パスカル | そうだねえ…砂漠地帯から帰ってきて何日か経ったし、あたしもそろそろ次の任務に出たいな~ |
| リフィル | あなた達以外の調査隊員が、調査領域の拡大にあたっているはずだけれど… |
| リフィル | 私達の方には、詳しい話は下りてきていないわ |
| キール | 気になるなら、本部にいる他の調査隊員に聞いてみる事だな |
| キール | 今は、マナリス探索に多くの人員が割かれてる。新しい情報が入っているかもしれない |
| パスカル | ん~、それなら…今から会議室に行ってみようかな~ |
| パスカル | あそこなら、上層部の誰かがいるかもしれないし…運が良ければ教えてくれるかも! |
| アイゼン | 会議室にいるのがあの曲者だった場合、厄介だが…背に腹は代えられんな |
| アイゼン | 俺も行く。実験をしないなら、ここにいても仕方がない |
| リフィル | 何かわかった事があったら、私達にも知らせてちょうだい |
| キール | ぼく達はここで研究を続ける。いつでも訪ねて来てくれ |
| アイゼン | ああ、わかった。行くぞ、パスカル |
| パスカル | がってんだー!そんじゃ、会議室目指して、しゅっぱーつ! |
| scene1 | 伝わらない想い |
| パスカル | いい天気だね~。こんな日は一日中、発明に没頭して過ごしたいな~ |
| アイゼン | お前はいつでもそうだろう |
| アイゼン | …今日は風が穏やかだ。波も静かだろう。船を出せば、いい航海が出来る |
| パスカル | アイゼンは本当に海が好きなんだね |
| アイゼン | 海が、俺とあいつらの生きる場所だからな |
| パスカル | え~、今は陸にいるけど生きてるじゃん! |
| アイゼン | そういう事を言ってるんじゃない |
| アリーシャ | パスカル!それにアイゼンも |
| パスカル | アリーシャ!奇遇だね~ |
| エレノア | こんにちは。この間は、砂漠地帯でお世話になりました |
| アイゼン | 別に、大した事じゃない。気にするな |
| パスカル | そうそう!困った時はお互い様だしね! |
| エレノア | ありがとうございます |
| エレノア | ところで…二人はどこかに行く途中だったのですか? |
| パスカル | うん、会議室にね。マナリスの新しい情報が入ってないかな~と思って |
| エレノア | なるほど。残念ですが…そう言った話は聞けないと思います |
| アイゼン | 何故、そう言い切れる |
| アリーシャ | 私とエレノアは、さっきまで本部の会議に出ていたんだ |
| アリーシャ | 上層部から、調査領域の拡大と新しいマナリスの探索に難航していると報告を受けた |
| エレノア | 調査隊員を増員して未調査領域の調査にあたっているようですが…目ぼしい収穫はないそうです |
| パスカル | そうなんだ…。なら、任務はもう少しお預けかな~ |
| アリーシャ | 焦っても仕方がない。任務が入るまで、私達も出来る事をしよう |
| アイゼン | お前達はこれからどこに行くつもりだ |
| エレノア | 警備の応援です。エルピスの塔周辺の人手が足りないようなので、そちらに |
| パスカル | 二人共、仕事熱心だね~ |
| アイゼン | …… |
| アイゼン | …俺も、お前達と行こう |
| アリーシャ | 島の警備を手伝うというのか…? |
| アイゼン | ああ。研究ばかりだと身体が鈍る。島内を自由に動くには、お前の監視が必要だろう |
| アイゼン | そういう約束だからな。俺は、それに従うだけだ |
| アリーシャ | 私達は構わないが、マナリスの研究協力はいいのか? |
| アイゼン | 問題ない。実験は中断する事になった |
| パスカル | 連続的にマナリスを使用するのは控えようって話になったんだよ |
| エレノア | そうだったんですね。それなら、アイゼンも一緒に行きましょう |
| エレノア | 警備に協力する人手は、多い方がいいでしょうから |
| アリーシャ | そうだな。アイゼン、よろしく頼む |
| アイゼン | ああ。やるからには、とことんやる |
| エレノア | 気が合いますね!私も、やるからには全力でやりぬく方です |
| アリーシャ | パスカルはどうするんだ? |
| パスカル | ん~、研究室に戻ろうかな |
| パスカル | マナリスの情報が得られないなら、会議室に行っても仕方ないし… |
| パスカル | 今出来る事をやろうかなって。時間がある時にレーダーを改良しようと思ってたんだよね! |
| アリーシャ | 改良…?何か気になる事でもあるのか? |
| パスカル | そうそう。ちょっと付け足したい機能があってさ |
| パスカル | 完成したら見せるよ! |
| エレノア | 通信機を改良した手腕といい、パスカルは技術的な知識が豊富なんですね… |
| エレノア | 素晴らしい才能です |
| アイゼン | ……確かに、発明品は役に立つ。だが、こいつと話していると才能がある事すら忘れるがな |
| アリーシャ | そんなところも、パスカルの良さだと私は思うよ |
| アリーシャ | では、行こう。パスカル、また任務の時に会おう |
| パスカル | うん、またね~! |
| パスカル | よ~し、研究室に戻って、改良作業に取り掛かりますか |
| scene2 | 伝わらない想い |
| パスカル | ──そう言えば…あの部品の予備、あったかな~ |
| パスカル | 通信機を改造した時に全部使っちゃったんだっけ…?どうだっけ…? |
| パスカル | あれがないと、改良作業が進まないけど… |
| パスカル | ん~ま、いっか |
| ??? | よくないでしょう |
| | |
| パスカル | ん? |
| ヒューバート | 全く、あなたという人は…足りない物があるなら、調査隊の街に行って── |
| パスカル | 弟くん!?わ~、久しぶり~! |
| ヒューバート | …相変わらず、人の話を聞かない人ですね |
| ヒューバート | それから、ぼくは弟くんじゃなくてヒューバートです。いつになったら覚えるんですか? |
| パスカル | え~、アスベルの弟だから、弟くんでしょ?呼びやすいし、いいじゃん! |
| ヒューバート | …… |
| パスカル | というか、弟くんも島に来てたんだね~!知らなかったよ |
| ヒューバート | あなたと同じ調査隊の一員として、警備の任務についています |
| ヒューバート | 前回の任務では、兄がご迷惑をお掛けしたようで |
| ヒューバート | その他にも、パスカルさん達の噂は聞いていますよ。活躍されているようですね |
| パスカル | ん~それほどでも…あるかな~。弟くんは本部に用事でもあったの? |
| ヒューバート | いいえ。ちょうど今は休憩時間で… |
| ヒューバート | パスカルさんが研究室にいると聞いたので、向かおうとしていたところです |
| パスカル | あたしのとこに?何で何で? |
| ヒューバート | 何でって…。それは、その…久しぶりですし、会いた── |
| パスカル | あ~、なるほどね!挨拶しに来てくれたんだ!?律儀だね~ |
| ヒューバート | …… |
| ヒューバート | …もういいですよ、それで |
| ヒューバート | それより、さっき独り言で言っていた部品の事ですが |
| パスカル | 買ってきてくれるの!? |
| ヒューバート | 何故そうなるんですか。そのくらい、自分で買いに行ってください |
| パスカル | む~、けちんぼめ~ |
| ヒューバート | …ぼくは今から、任務で調査隊の街に向かうところなんです |
| ヒューバート | だから、その…一緒に付いてきても構いませんよ |
| パスカル | …何で? |
| ヒューバート | だから、改良に必要な部品を買うためですよ! |
| パスカル | あ、そっか~!じゃあ、一緒に行こうかな |
| パスカル | 部品を売ってるのって、どこのお店だっけ… |
| ヒューバート | …はぁ。仕方ありませんね。任務まで少し時間があるので、付き合います |
| ヒューバート | …あなた一人だと不安ですから |
| パスカル | さっすが弟くん!頼りになる~ |
| パスカル | そうと決まれば…張り切って行こう~! |
| ヒューバート | ちょっ…いきなり走り出さないでください! |
| scene1 | 強さの理由 |
| ロイド | ん~、やっぱりここのマーボーカレーは最高だぜ! |
| スパーダ | カレーひとつで大げさなヤツだな |
| ルカ | ロイド、いつもそれ食べてるもんね |
| ロイド | ああ!いくらでも食べられるんだよな |
| スパーダ | ま、確かにここの料理は美味ぇけどよ |
| ルーク | …この肉、ちょっと硬えな。もう少し焼いた方が柔らかくなんのに |
| ルカ | え、大丈夫?お店の人に言って、もう一度火を通してもらう…? |
| ミュウ | 待ってほしいですの。ボクがお役に立てるですの! |
| ロイド | ミュウが…?どうするつもりなんだ? |
| ミュウ | 火を吹くですの |
| ルーク | おわっ!?熱っ!? |
| ルーク | おい、ブタザル!俺ごと丸焼きにするつもりか!? |
| ミュウ | みゅううぅぅぅ……。ごめんなさいですの~!わざとじゃないですの! |
| ロイド | あはは、ルーク達がいると賑やかでいいな |
| スパーダ | うるせェの間違いだろ |
| ルカ | は、はは…。でも、こんな風にみんなでご飯を食べるの、初めてだよね |
| スパーダ | まあな。今回はたまたま待機の時期が被っただけだしよ |
| ロイド | 時間が合うときはまた一緒に食べに来ようぜ!な、ルーク! |
| ルーク | ま、まあ…お前らがどうしてもって言うんなら、来てやらねえ事もないけど… |
| ミュウ | みゅう~♪ |
| ルカ | ミュウ、なんだか機嫌がいいみたいだね? |
| ミュウ | はいですの!ご主人様が嬉しそうだと、ミュウも幸せですの! |
| スパーダ | へえ?ルークはロイドの誘いが嬉しかったってわけか |
| ルーク | な、ちが…! |
| ロイド | おー、俺もルークが来てくれたら嬉しいぜ! |
| ルーク | ぐ…! |
| ルーク | こんのブタザル!お前、何勝手な事言ってんだよ! |
| ミュウ | みゅぅ~~~!?ご主人様、何で怒ってるんですの? |
| ??? | あの、すみません。まだ席は空いてますか? |
| 店員 | ああ、相席でいいなら、そっちの席が空いてるよ |
| ロイド | ん…?あれって…! |
| ルーク | クレスじゃねーか! |
| クレス | ルーク!?それに、ロイドも! |
| ミュウ | ミュウもいるですの! |
| クレス | ミュウも、久しぶりだね |
| ミュウ | はいですの! |
| ルカ | ロイド達の知り合い? |
| ロイド | ああ。クレスとは、光の神殿で出会ったんだ |
| ロイド | 一緒に困難を乗り越えた大切な仲間だぜ! |
| ロイド | クレス、こいつらはルカとスパーダだ |
| クレス | 僕はクレス・アルベイン。よろしく |
| スパーダ | ああ、よろしくな |
| ルカ | よろしく、クレスさん |
| クレス | クレスでいいよ。…相席させてもらってもいいかな? |
| ロイド | 当たり前だろ!一緒に飯食おうぜ! |
| クレス | ありがとう |
| ルーク | クレスは、いつこの島に来たんだ? |
| クレス | 少し前からだよ |
| クレス | アヴァロン島は四大国が協力して調査を進める場所だって聞いてね。興味を惹かれたんだ |
| クレス | 今は街の建設活動を手伝ってて、作業がひと段落したから食事をとりに来たんだよ |
| スパーダ | へえ、建設の手伝いねえ。お前、そういうのに慣れてんのか? |
| クレス | そうだね。ずっとトーティス村の復興作業を手伝っていたから |
| ロイド | そういえば、トーティス村はどうなったんだ? |
| クレス | 復興が終わって、普通の生活が送れるようになったよ。今度、ぜひ遊びに来てほしいな |
| ロイド | ああ!必ず行くぜ |
| スパーダ | …なあ、さっきロイドはクレスと光の神殿で出会ったって言ってたよな? |
| スパーダ | じゃあ、ミラとも知り合いなんじゃねーの? |
| クレス | …!ミラの事を知っているんだね |
| スパーダ | ああ。ミラが光の神殿に向かう直前まで、一緒にいたからよ |
| ルカ | 光の神殿って… |
| ルカ | 前にスパーダが話してくれた、「選ばれし者」だけが行けるっていう神殿だよね? |
| ルカ | ロイドもそこへ行ったの…? |
| ルーク | 俺も行ったぜ?後は…ユーリとか、ソフィもいたな |
| クレス | そうだね。懐かしいな…みんな、元気にしているといいけど |
| ロイド | ユーリなら、この島にいるぜ!その内、きっと会えるさ |
| クレス | …!そうか、ユーリもここにいるんだね。早く会いたいよ |
| ルーク | 光の神殿か…あん時は冷や冷やさせられたよな。変な仕掛けがいっぱいあってよ |
| ロイド | ああ。最初はみんなと連携がとれなくて、危ない目にも遭ったしな |
| クレス | そう言えば、あの時も── |
| | |
| ルカ | …… |
| スパーダ | どうしたんだ、ルカ?さっきから固まってっけどよ |
| ルカ | うん…僕はずっと、ロイドが特別に強い人だと思ってたけど… |
| ルカ | 今の話を聞いて、ロイドの強さにも長い歴史があるんじゃないかって思ったんだ |
| ルカ | いろんな戦いを経験して、今の強いロイドになったんじゃないかなって… |
| スパーダ | はッ…そりゃそうさ。最初から強い人間なんていねぇよ |
| スパーダ | あいつはあいつなりに、乗り越えてきたもんがあるんじゃねえの? |
| ルカ | そうだね。ロイドがルークやユーリから信頼を寄せられてるのも… |
| ルカ | ずっと一緒に戦って来たからなのかな? |
| ルカ | …僕が、スパーダを信頼してるみたいにさ |
| スパーダ | …さあな。そんなの、本人達に聞いてみなきゃわかんねーだろ |
| ルカ | …うん。でも…もし、ロイド達が冒険を経て強くなる事が出来たんだとしたら… |
| ルカ | 僕も…この島で変われるかな?ずっと憧れてたアスラみたいに…勇敢になりたいんだ |
| スパーダ | …… |
| スパーダ | そう思ったんなら、強くなれよ、ルカ。口だけで終わったら、格好悪ぃからな |
| ルカ | うん! |
| | |
| ルカ | ねえ、ロイド!今の話、詳しく聞かせてよ |
| ロイド | ああ、いいぜ! |
| スパーダ | …おめェならなれるさ。元々、弱い人間なんかじゃねぇんだからよ |
| クレス | ──ごちそうさま。美味しかったね |
| ロイド | おう、やっぱりみんなで食べる飯は美味えよな! |
| クレス | そうだね。…少し前までは、違う国の人同士で食事を共にする事はあまりなかった |
| クレス | アヴァロン島で別の国に住む人達が協力して街を作る姿を見て、平和を実感したよ |
| クレス | いつまでも、この平和が続いてくれるといいな |
| ルーク | …まあ、確かにな |
| スパーダ | 戦争で魔導兵器が使われンのも、そのせいで村や街に被害が出るのも、もう見たくねェしな |
| ロイド | ああ。俺達も、クレスと同じ気持ちだ |
| ルカ | みんなが望んでる事だと思うよ。島での出来事が、平和に繋がっていくといいね |
| ルーク | そういう事なら俺とスパーダに任せとけって! |
| ルーク | 四大国連合調査隊は、平和への希望だからな!ガンガン活躍して、目立ってやるよ! |
| スパーダ | …ま、確かにいつまでもルカ達にいいとこ持ってかれたままでいるわけにもいかねえしな |
| スパーダ | 手加減はしねえぜ。首洗って待っとけよ、ヒャーハッハッハ! |
| ロイド | 望むところだ!俺達も負ける気はないよな、ルカ! |
| ルカ | う、うん…!アイゼンの呪いを解くためにも、マナリス探しを頑張らなきゃ |
| クレス | 頼もしいね。調査隊の…君達の活躍を期待してるよ |
| ロイド | …そうだ!クレス、この後時間ないか? |
| ロイド | せっかく会えたんだし、手合わせでもしようぜ! |
| クレス | いいね。建設の再開まで、まだ時間もあるし |
| ルーク | …!手合わせなら、俺も一緒に行くぜ! |
| ミュウ | ミュウもお供するですの! |
| ルカ | あ、あの…僕も一緒に行っていいかな? |
| ルカ | クレスと戦ってみたいんだ…! |
| クレス | 勿論いいよ。僕もルカ達と手合わせがしたいからね |
| スパーダ | おもしれぇ事になってきたじゃねーか! |
| スパーダ | そうと決まれば、さっさと行こうぜ! |
| ルカ | うん…! |
| scene2 | 強さの理由 |
| パスカル | 買い物、終了~!付き合ってくれてありがとね、弟くん! |
| ヒューバート | これくらい、構いませんよ。…ほしい物は全て揃いましたか? |
| パスカル | うん、ばっちり!これでレーダーの改良が出来るよ~ |
| ヒューバート | それならよかったです |
| ??? | ──パスカル? |
| | |
| パスカル | ソフィ!? |
| ヒューバート | 兄さん…! |
| アスベル | ヒューバートじゃないか!二人で何してるんだ? |
| ヒューバート | ぼくはパスカルさんの買い物に付き合っていたんです。兄さんは… |
| パスカル | ソフィも島に来てたんだね!再会の記念にぎゅーってしちゃう! |
| | ひょいっ |
| | びたーん! |
| パスカル | うう…地面に顔ぶつけた…相変わらずガードが固いよ~ |
| ソフィ | …さわるの、だめ |
| パスカル | へいへーい |
| ヒューバート | 何をやっているんですか…あなたは |
| ソフィ | ヒューバート…? |
| ヒューバート | …?あなたは…?どうしてぼくの名前を知って… |
| ソフィ | …会った事があるから… |
| ヒューバート | あなたとぼくは、初対面だと思いますが… |
| アスベル | ヒューバート、驚かないで聞いてくれ。ソフィは、未来から来たんだ |
| ヒューバート | 未来から…? |
| パスカル | そうだよ~!だから、未来のアスベルや弟くんと会ってるんだよね? |
| ソフィ | うん、パスカルもいるよ。みんな、わたしにとって大切な友達だから… |
| ソフィ | この時代でも会えて、嬉しい |
| ヒューバート | …にわかには信じ難い話ですが、冗談を言っているわけではなさそうですね |
| ヒューバート | 兄さんはどうして彼女と一緒にいるんですか? |
| アスベル | 港の警備中に会ったんだ。島に来たばかりだから、街を案内しようと思って連れてきた |
| アスベル | ウィンドル港でアヴァロン島の噂を聞いて、観光しに来たんだよな? |
| ソフィ | うん、そう。未来に帰る前に、島を見てみたくて |
| パスカル | そういえば、ソフィはどうしてこの時代に来てたのー? |
| ソフィ | 最初は、晶化現象を止めるためにリアラに転移させてもらったの |
| ソフィ | 晶化現象はおさまったけど…戦争の種が残されてないか、確かめようって話になって… |
| ソフィ | わたしが、この時代に留まる事にしたんだよ |
| ヒューバート | リアラさん…という方が、あなたの仲間で、過去に転移させる力があるという事ですね? |
| ソフィ | うん。…信じられないかな? |
| ヒューバート | すぐに全てを飲み込むのは難しいですが… |
| ヒューバート | 兄さんとパスカルさんが嘘をつく必要はありませんし…。…あなたの話を信じます |
| ソフィ | ありがとう、ヒューバート |
| パスカル | それで?アスベルとソフィはこれからどうするの? |
| アスベル | ソフィは島に来たばかりだから、エルピスの塔に連れて行こうかと思っていたんだ |
| ヒューバート | 確かに、島の観光をするなら、塔に行くのがいいでしょうね |
| パスカル | はいはーい!あたしも一緒に行きたい! |
| パスカル | ソフィに島を案内してあげる! |
| ソフィ | うん、ありがとう、パスカル |
| パスカル | その代わり…ぎゅーってしてもいい? |
| ソフィ | …だめ |
| | |
| ヒューバート | ぼくはこれから警備の任務があるので、ここで失礼します |
| パスカル | え~、弟くん、行っちゃうの? |
| ヒューバート | 元々、休憩時間だけあなたの買い物に付き合う約束だったでしょう |
| ソフィ | …お仕事、頑張ってね |
| ヒューバート | …ありがとうございます。あなたも、島を楽しんでください |
| アスベル | それじゃ、俺達は塔に向かって行くか |
| パスカル | 了解~!弟くん、また会おうねー! |
| ソフィ | …ヒューバート、また話せる? |
| ヒューバート | ええ。あなたが島にいるなら、きっと会えますよ。…次は、未来の話を聞かせてください |
| ソフィ | うん…!わかった。…行ってきます |
| scene1 | 塔を見上げて |
| アスベル | ──これが、エルピスの塔だ |
| ソフィ | 大きい…。上で光ってる、あれは…? |
| パスカル | サフィアだよ~。伝説によると、何でも願いがかなう宝物なんだって |
| アスベル | 望むものが手に入るとも、必ず幸せをもたらすとも言われてる |
| アスベル | サフィアはエルピスの塔に厳重保存されていて、まだ誰も触れた事がないんだ |
| ソフィ | アスベルとパスカルは、塔の封印を解くために調査隊にいるの…? |
| アスベル | それだけが目的じゃないんだが…塔の封印を解いて、サフィアへの道をひらくのも重要な任務の一つだ |
| パスカル | マナリスっていう、塔の扉を開く鍵を最初に見つけたのはあたしのいる隊なんだよ~! |
| パスカル | すごいでしょ!?ソフィ、褒めて褒めて~! |
| ソフィ | …… |
| | ひょいっ |
| | びたーん! |
| パスカル | うう…手厳しい… |
| ソフィ | …さわるの、だめ |
| パスカル | ほ~い… |
| ソフィ | マナリスが鍵…。なら、マナリスを使えば、あの扉は開くの? |
| アスベル | ああ。島にあるマナリスを全て集めると、封印は解かれる。遺跡の壁画にそう記されていたらしい |
| パスカル | しかも、マナリス自体にも願いをかなえる力があるってわかったんだ~! |
| パスカル | 怪我を一瞬で治したり、植物を急成長させたり…いろんな事が出来るんだよ~ |
| アスベル | 俺も、その報告は受けてる。マナリスには、特殊な力が宿っているみたいだな |
| ソフィ | …… |
| アスベル | ソフィ…?どうかしたのか? |
| ソフィ | …ううん、ただ…「星のカケラ」を思い出してたの |
| ソフィ | あれも、願いをかなえる物だと思われてたから… |
| アスベル | …不安なのか? |
| パスカル | 不安…?何で? |
| アスベル | 世界は、星のカケラほしさに、戦争を始めてしまった… |
| アスベル | マナリスやサフィアにも願いをかなえる力があるなら、争いの種になる可能性がある |
| ソフィ | うん…。あの時みたいに、世界が闇に包まれるのは嫌、だから… |
| アスベル | …俺も、最近考えるんだ。サフィアが伝説通りの宝だった場合、ほしがる人は沢山いる |
| アスベル | 島の調査は平和的な催しとして行われてはいるが… |
| アスベル | 高度に発達した技術を悪用して、平和を脅かす存在が現われるかもしれない |
| パスカル | なるほどね~。そんな風に考えた事なかったよ~! |
| アスベル | …パスカルには、サフィアでかなえたい願いはないのか? |
| パスカル | ん~、あたしの願いかぁ…。…思い浮かばないから、研究だけさせてほしいかな |
| パスカル | 何でも知りたくなっちゃう性分だからさ~ |
| アスベル | パスカルらしいな |
| ソフィ | うん、そうだね |
| パスカル | そう言うアスベルは?かなえたい願いでもあるの? |
| アスベル | いや…俺は、願いは自分の力でかなえるものだと思ってる |
| アスベル | 身に余る力を得る事は望んでいないよ。パスカルと同じだ |
| パスカル | あたしはそんな難しい事、考えてなかったけどね~! |
| アスベル | …幾多の戦乱を経て、四大国は平和協調の道を歩み出した |
| アスベル | この平和は、リチャードは勿論、各国が長い間望んでいたものだ。だから…俺は、平和を守りたい |
| アスベル | そのために出来る事があるなら、何でもするつもりだ |
| ソフィ | アスベルなら、大丈夫。それに…わたしも、守るよ。アスベル達が大切にしてるもの |
| パスカル | うんうん、あたしも!いつでも協力するからさ! |
| アスベル | ありがとう、二人共。よろしく頼む |
| アスベル | さて、塔は十分見たし、そろそろ別の場所に行こうか |
| パスカル | そうだね!ソフィは他に行きたいところとか、観たい場所はある? |
| ソフィ | ん~… |
| | プルルル… |
| アスベル | ん…?通信だ |
| | ピッ |
| アリーシャ | アスベル、私だ |
| アスベル | アリーシャか。どうしたんだ? |
| アリーシャ | 私の隊と、四大国連合調査隊に本部から招集がかかっている。新たな任務が入ったそうだ |
| パスカル | いえ~い、待ってましたー! |
| アリーシャ | …!パスカルも一緒にいるのか。ちょうどよかった |
| アリーシャ | 私とアイゼン、エレノアは、今から本部へ戻るつもりだ。君達も向かってもらえるだろうか |
| アスベル | ああ、わかった。俺達も今から向かう |
| | ツー、ツー、ツー |
| パスカル | やった~!新しい任務だ~! |
| アスベル | ──ソフィ、すまない。調査隊の任務が入ったんだ |
| アスベル | …一人で大丈夫か? |
| ソフィ | うん、平気だよ。アスベルとパスカルは、任務に行って来て |
| アスベル | …… |
| パスカル | ソフィも一緒に来る?そしたら── |
| | |
| ロイド | ますます強くなったな、クレス! |
| クレス | ありがとう。ロイドも、着実に腕を上げてるね |
| パスカル | あれ、ロイド? |
| ロイド | パスカル!アスベルも一緒だったのか。それに… |
| クレス | ソフィ!久しぶりだね |
| クレス | ちょうど会いたいって話をしていたところなんだ |
| ソフィ | クレスも島に来てたんだね。会えてうれしい |
| ルーク | なんだぁ?今日はよく知ってる奴に会うな |
| ミュウ | 賑やかですの!楽しいですの! |
| アスベル | ルーク、スパーダ。四大国連合調査隊に新しい任務が入ったんだ |
| パスカル | あたし達にもだよ~!今から本部に戻ろうとしてたとこ |
| ロイド | そうなのか?じゃあ、俺達も行かないとな! |
| ルカ | クレス、ありがとう。手合わせ、すごく勉強になったよ |
| クレス | こちらこそ。調査隊の任務、頑張って |
| アスベル | ソフィはどうする?俺達と本部に向かうか? |
| ソフィ | ううん、もう少し島を見て回ろうと思う |
| クレス | じゃあ僕が案内するよ。ソフィ、一緒に行こう |
| ソフィ | いいの?ありがとう |
| アスベル | クレスが一緒なら、心配ないな。行こう、みんな |
| scene2 | 塔を見上げて |
| エドナ | …… |
| ライラ | エドナさん、待ってください。あんまり先へ行かれると、はぐれてしまいますわ |
| エドナ | 別に、付いて来てほしいなんて一言も言ってないけど?あなたが勝手に来ただけでしょ |
| ライラ | スレイさんとミクリオさんは調査で忙しいようですし… |
| ライラ | 一人で島の中を周るより、エドナさんと一緒にいた方が楽しいじゃありませんか |
| エドナ | どうしてもって言うなら止めないけど、面倒事は起こさないでよね |
| ライラ | はい。わかっていますわ |
| エドナ | …… |
| ライラ | エルピスの塔が、気になるんですか? |
| エドナ | …あの塔の上にあるサフィアには、何でも願いをかなえる力があるって言われてるらしいけど… |
| エドナ | …胡散臭いわね |
| ライラ | ですが…エドナさん、島に来てから頻繁に塔へ通われていますよね |
| ライラ | サフィアでかなえたい願いがあるのではないですか? |
| エドナ | …さぁね |
| エドナ | 行くわよ。無駄口叩いたら、今度こそ置いていくから |
| ライラ | …!待ってください、エドナさぁん! |
| | |
| アイゼン | ──人が多いな |
| エレノア | エルピスの塔は、今や観光地ですからね。この辺りは特に混むんです |
| アリーシャ | それだけ、サフィアに対する関心が高いという事だ |
| アリーシャ | 日に日に、島に来る観光客の数も増えているらしい |
| アイゼン | こう人が多いと、動き辛いな──… |
| ??? | …さん、この先に…が、あるんです |
| ??? | 寄り道しないって…でしょう。いい加減に… |
| アイゼン | …!? |
| アイゼン | (今の声は…) |
| アリーシャ | アイゼン…?どうかしたのか? |
| アイゼン | …いや、何でもない。行くぞ |
| アリーシャ | …?ああ… |
| アイゼン | (まさか、な…) |
| | |
| パスカル | はー…ようやく人波から抜け出せたね~ |
| アスベル | ああ。少し時間を取られたから、急がないとな |
| ルカ | そうだね…。ん…?あの、前を歩いてる人達って、もしかして… |
| パスカル | おーい、アイゼン~!アリーシャ~! |
| アイゼン | …… |
| アリーシャ | パスカル…!それにみんなも。近くにいたんだな |
| パスカル | ありゃ…?アイゼン、聞こえなかったのかな? |
| エレノア | ルークやスパーダも、アスベルと一緒だったんですね |
| スパーダ | おう、途中で偶然会ってよ |
| アリーシャ | 全員揃ったな。このまま本部へ向かおう |
| パスカル | …… |
| パスカル | アイゼン~お~い |
| アイゼン | (この島にあいつが…エドナがいるはずがない。だが、あの声は──) |
| パスカル | ねえ、あたしの声聞こえてる? |
| アイゼン | …ああ、行くぞ |
| ロイド | どうしたんだ…?アイゼンの奴、うわの空だったな |
| ルカ | もしかして…マナリスの実験協力で疲れてるのかな…? |
| パスカル | …考えたんだけどさ、ここが陸だからじゃないかな? |
| パスカル | 海水かけてみる?水を得た魚みたいに元気になるかも! |
| ルカ | え、何…?海水…? |
| ロイド | …前から思ってたけど、パスカルの考えてる事って謎だよな~ |
| パスカル | そんなに褒めても何も出ないよ~ |
| アスベル | …褒めてはいないんじゃないか? |
| scene1 | パスカルの目的 |
| アリーシャ | ──失礼します。招集命令に応じて、参上いたしました |
| エレノア | 四大国連合調査隊も、全隊員、到着しています |
| ローエン | おや、みなさんお揃いで。そう畏まる事はないですよ、気楽に話しましょう |
| ルーク | ローエン!そう言えば、お前がキムラスカの代表だったな |
| ローエン | ご無沙汰しております、ルーク様。調査隊での活躍は聞き及んでいますよ、ご立派ですね |
| ルーク | へ…へへ。まあ、それほどでもあるかな… |
| スパーダ | 何照れてンだよ |
| ルーク | う…うるせぇな! |
| ローエン | ほっほっほ、お変わりがないようで、安心しました |
| フレン | アスベル、しばらくだね |
| アスベル | フレンもいたんだな |
| フレン | ああ。島に来てから、あまり顔を合わせていなかったけど…元気そうでよかったよ |
| フレン | …早速だけど、調査隊代表として君達に任務を頼みたいんだ |
| パスカル | いえーい、待ってましたー!次は何の調査かな~? |
| フレン | アリーシャ達には、湖の近くで新たに見つかった集落の探索を任せたい |
| アリーシャ | 新たに、という事は…未調査領域の安全確保と、遺物の探索も含まれるでしょうか |
| フレン | その通りだ。マナリスの探索を最優先に、調査を進めてほしい |
| フレン | 任務地に向かってもらう前に、君達に紹介したい人がいる |
| フレン | …ジェイ、入ってきてくれるかな |
| ジェイ | ──呼びましたか? |
| ロイド | お前は…?初めて見る顔だな! |
| ジェイ | ぼくはジェイです。はじめまして |
| ルカ | ジェイって…セネルと一緒にいたって言う、あの…? |
| ジェイ | ええ。みなさんは彼とお知り合いでしたね |
| フレン | 集落を見つけたのは、ジェイなんだ |
| フレン | ジェイには、君達の案内役を務めてもらう。詳しい話は、彼から聞いてくれ |
| アリーシャ | 了解しました。急ぎ出発した方がよいでしょうか? |
| フレン | ジェイ、君はすぐに向かえるかい? |
| ジェイ | ぼくはいつでも構いませんよ。ああ、ただ…そちらのみなさんは、念入りに準備しておいてください |
| ジェイ | 任務に失敗した時の言い訳にされても困りますから |
| アイゼン | …ふん、言ってくれるな |
| ルカ | 準備が必要なくらい、危険な場所に行くって事なのかな…?ちょっと不安だね… |
| パスカル | え?そう? |
| ルーク | …で?俺達は何すんだよ |
| ローエン | 四大国連合調査隊のみなさんには、砂漠地帯の調査領域拡大を手伝っていただきたいのです |
| ルーク | だーっ、また砂漠かよ!? |
| ミュウ | 次はミュウもいますの!安心してほしいですの! |
| ルーク | 出来るわけねえだろ!ブタザルは黙ってろ! |
| ミュウ | みゅうぅぅぅぅぅ… |
| ローエン | ここのところ、砂漠地帯に多くの魔物が出現していましてね |
| ローエン | 実力のあるみなさんに、調査をお願いしたいのです |
| スパーダ | そういう事なら仕方ねえな。実際にあそこへ行ったオレ達の方が、他のヤツらより砂漠に詳しいしよ |
| アスベル | ああ、それに…砂漠地帯は広い。調査するべき場所はまだ残っているはずだ |
| ローエン | 行ってくださる、という事でよろしいですかな? |
| エレノア | はい、異論はありません |
| アスベル | ルークも、それでいいか? |
| ルーク | …わかったよ。行けばいいんだろ?かったりーけど、仕方ねえな |
| ミュウ | ご主人様、偉いですの!ミュウも頑張りますの! |
| フレン | …実を言うと、調査隊は今、マナリスの回収と調査領域の拡大を急いでいるんだ |
| ローエン | アイゼンさんの協力を得て行ったマナリスの実験結果を受けて、調査隊も本気を出したという事です |
| ローエン | 万が一にでも調査隊以外の人間がマナリスを手にした場合、悪用される可能性もありますからね |
| パスカル | …… |
| ルカ | パスカル?どうかした? |
| パスカル | …アスベルとソフィも、同じ事を言ってたんだよね~ |
| パスカル | マナリスやサフィアを悪用する人がいるかもしれない、ってさ |
| パスカル | みんな、そんな風に考えるんだな~って、思っただけ |
| アリーシャ | マナリスの悪用、か。あれだけの力を持った物だ。調査隊が警戒するのもわかるな |
| アスベル | 調査中にマナリスを発見したら、すぐに報告する |
| フレン | ああ、頼んだよ。それから、くれぐれも気を付けて |
| ローエン | 何か不測の事態があった場合は、本部に連絡してください |
| エレノア | わかりました。アリーシャ達とは、ここから別行動になりますね |
| スパーダ | 任務が終わったらまた会おうぜ!じゃあな! |
| ロイド | おう、またな! |
| scene2 | パスカルの目的 |
| ジェイ | これから向かう集落は、断崖の縁に沿うように築かれています |
| ジェイ | 湖の近くにある森を抜けるので、魔物に用心してください |
| パスカル | 崖の近くの集落って、どんなところなのかな~?わくわくしちゃうね! |
| ロイド | ああ!準備も出来たし早速、出発し── |
| | |
| ルカ | うわぁ!な、何…!? |
| アリーシャ | あの光は…雷、か?さっきまであんなに晴れていたのに…雲行きも怪しくなってきたな |
| | |
| | ポツ… |
| ロイド | 冷てっ。今の、雨か…? |
| | ポツ…ポツ… |
| | |
| | ザー… |
| パスカル | う、嘘… |
| ルカ | 一瞬で大雨になったね… |
| | ゴロゴロ… |
| | ピシャーン |
| パスカル | ひぃ~、木が真っ二つになっちゃったよ |
| アリーシャ | 落雷か…!みんな、木から離れろ |
| ルカ | ねえ、アイゼン。これって、もしかして… |
| アイゼン | …ああ、死神の呪いだろうな |
| ジェイ | 困りましたね…。これだと、出発出来ませんよ |
| ロイド | え?何でだ? |
| ジェイ | さっき言いましたよね?発見した集落に行くには、森を抜けないといけません |
| ジェイ | この荒天の中、木が密集した場所を歩くのは危険です |
| アリーシャ | ジェイの言う通りだ。落雷に巻き込まれないとも限らない |
| アリーシャ | …出発は明日にしよう。隊長として、みんなを危険に晒すわけにはいかない |
| パスカル | そ、そんなぁ~。やっと任務に出られるかと思ったのに… |
| ルカ | 残念だけど、仕方ないよパスカル。宿舎に戻ろう? |
| パスカル | …あ、そうだ!レーダーを改良しなきゃいけないんだった! |
| アリーシャ | 切り替えが早いな… |
| scene3 | パスカルの目的 |
| パスカル | う~ん、こんなもんかなあ |
| パスカル | おお、いい感じ~。よし、これなら── |
| アイゼン | こんな時間に何をしているんだ、お前は |
| パスカル | ありゃ?アイゼンこそ、遅くまで起きてるんだね~ |
| アイゼン | 天族は眠る必要がないからな |
| パスカル | そうなの?いいな~あたし、夜更かしした次の日はすっごく眠くなるんだよね |
| パスカル | そんで…アイゼンは何でここに来たの?あたしを捜してたとか? |
| アイゼン | 近くを歩いていたら、研究室から灯りが見えた。それで、立ち寄っただけだ |
| アイゼン | 改良とやらは、終わったのか? |
| パスカル | あともうちょっとかな~!マナリスの移動経路を記録出来るようにしたくてさ |
| アイゼン | 過去にマナリスが存在していた場所がわかる、という事か |
| パスカル | そうそう、亜空間の時みたいに、マナリスの信号が途切れる可能性があるでしょ? |
| パスカル | だから、直前にあった場所が割り出せるようにしようかなあって |
| パスカル | ハスタの事もあるし、マナリスが奪われた時の対策も考えとかないとね |
| アイゼン | …… |
| アイゼン | …お前は何故、マナリスを追い求める |
| アイゼン | かなえたい願いでもあるのか?それとも、知的欲求を満たしたいだけなのか |
| パスカル | ん~、単純にマナリスの事を知りたいって気持ちもあるよ |
| パスカル | あとは…アンマルチア族のルーツを知りたいんだ |
| アイゼン | ルーツ、だと? |
| パスカル | うん。マナリスにはアンマルチア族の技術が使われてる可能性が高いからさ |
| パスカル | サフィアやマナリスの研究を通して、アンマルチア族のルーツを解明出来るんじゃないかって思ってね |
| アイゼン | …なるほどな。研究が、お前の目的であり願いというわけか |
| パスカル | そうそう。だから、何でも研究したくなっちゃうんだ~ |
| パスカル | そう言えば、アイゼンの呪いって発動する条件みたいなのはないの? |
| アイゼン | そんなものがあるなら、俺が知りたいくらいだ |
| パスカル | ん~、じゃあさ……死神の呪いが発動する条件を研究してみるのはどうかな? |
| パスカル | 発動条件を解明して、呪いを抑えられる技術を発明出来たりしたら面白いよね~ |
| アイゼン | 簡単に言ってくれるな。お前にそんな事が出来るのか? |
| パスカル | やってみないとわかんないけどね~。ただ、天族に何かしら作用する技術は生み出せると思うよ |
| アイゼン | 何…? |
| パスカル | 前に、不可視物質を可視化する道具を発明したんだよね |
| パスカル | 「解析機1号」っていう名前なんだけど…天族にも作用したんだよ |
| アイゼン | …!その道具を使うと、天族の姿が見えるようになるのか |
| パスカル | うん。あたしが思うに、アヴァロン島にも似たような技術があるんじゃないかな |
| パスカル | だから、島に来た時にアイゼンの姿が見えるようになったんだよ |
| アイゼン | …確かに、筋は通るな。カタグラフィの中でも、天族の姿は他の種族から見えていた |
| パスカル | あたしの先祖が技術を提供して、天族が島で生きる手助けをしてたのかもしれないね |
| パスカル | だから、あたしも…アイゼンが困ってるなら、死神の呪いを解くために協力するよ |
| パスカル | どうせ発明するなら、誰かの役に立つ技術の方がいいもんね |
| アイゼン | …… |
| アイゼン | お前は、変わった奴だな |
| パスカル | え~、ひどいな~。まあ、よく言われるんだけどね~ |
| アイゼン | …… |
| | |
| アリーシャ | ──よし、全員揃ったな |
| ジェイ | みなさん、覚悟と準備は出来てますね? |
| ロイド | ああ、ばっちりだぜ! |
| パスカル | 雨が上がって、落雷の心配もなくなったしね! |
| アイゼン | 油断は出来ないがな。先は長い…さっさと出発するぞ |
| ルカ | うん、行こう! |
| scene1 | 悠久からの目覚め |
| ジェイ | 着きました。ここが、断崖の集落です |
| パスカル | やっとたどり着いた~!長い道のりだったね |
| ロイド | すげぇー!崖から家が生えてるぜ! |
| アイゼン | これまで見てきた集落とは、建物の構造がずいぶん違うな |
| ルカ | うん。他の集落と同じで、寂れてはいるけど… |
| ルカ | う…何、これ… |
| ロイド | ルカ…?いきなりうずくまって、どうしたんだ? |
| ルカ | (この、感覚は…) |
| | |
| 兵士 | アスラ様…!敵軍が後退を始めたようです |
| アスラ | 奇襲が功を奏したか。読み通り、切り立った壁が敵軍の行動を制限したようだな |
| アスラ | だが…奴らとて、諦めたわけではなかろう |
| アスラ | …兵をまとめよ!敵が態勢を立て直す前に、こちらから仕掛ける |
| 兵士 | はっ! |
| アスラ | 戦続きだが、許せよ。俺達は止まれぬのだ… |
| アスラ | この地で命を散らした同志達の想いに報いるために! |
| | |
| ルカ | 今の、は… |
| アリーシャ | 大丈夫か、ルカ?気分が悪いなら、休憩しよう |
| ルカ | …ううん、平気だよ。少しぼーっとしてたみたい |
| アリーシャ | そうか…?身体に異変があれば、私に言ってくれ |
| ルカ | うん、ありがとう… |
| ルカ | (さっき、アスラがいた場所…建物は今よりきれいだったけど、この集落と景色が似てた) |
| ルカ | (もしかして…アスラは、アヴァロン島にいたの…?それじゃあ、今まで見てた夢も…) |
| ルカ | …… |
| ジェイ | みなさん。ここから先は、ぼくも足を踏み入れていない場所です |
| ジェイ | 何が起こるかわからないので、用心してください |
| パスカル | 了解~!ルカ、行くよー? |
| ルカ | …!う、うん…! |
| ロイド | よし。それじゃあ、奥に進んでみようぜ |
| | |
| | ガサッ |
| アイゼン | …水を差してくれるな |
| | |
| | ガルルル! |
| アリーシャ | 魔物か…! |
| ロイド | 先にあいつを倒さないとな。行くぜ、みんな! |
| scene2 | 悠久からの目覚め |
| アリーシャ | ──この辺りには、何もないようだ |
| ルカ | カタグラフィも落ちてないね。今まで見てきた集落には、たくさん転がってたのに… |
| ジェイ | これは…。建物の側面に、戦跡があります |
| ジェイ | かつてこの集落で、大きな戦があったようですね |
| ジェイ | いつの頃の物かわかりませんが…それらしき痕跡があちこちに残っています |
| ルカ | …… |
| ルカ | (アスラも、誰かと戦ってるみたいだった…。ここは、やっぱり…) |
| アイゼン | 集落にあった大半の物が、戦で失われた可能性があるな |
| パスカル | ねえねえ、それならどこかの家に入ってみようよ! |
| パスカル | ここの周りは大体探し終えたし、屋内なら、戦の影響を受けずに残ってる物があるかもしれないよ? |
| アリーシャ | そうだな。建物の風化が進んでいるから、まずは屋内の安全確認をして… |
| パスカル | …あ!あっちの家とかよさそう!見て来るね! |
| アリーシャ | 待て、パスカ──…聞いていないか |
| ロイド | もうあんなところに…。おーい、待てってー! |
| | |
| ルカ | はあ…はあ…パスカル、足早いね |
| パスカル | そうかな?それより…見てよ、この装置! |
| アイゼン | これは…。森の遺跡の隠し部屋にあった装置と形状が似ているな |
| ロイド | ほんとだ。剣の試練を受けた時も、似たようなやつがあったな。これ、全部壊れてるのか…? |
| パスカル | うん、みたいだね。大掛かりな設備だし、もしかしたら… |
| パスカル | ここで、何かの研究をしてたんじゃないかな~? |
| ジェイ | 装置を起動して確かめるのは、難しそうですね |
| アリーシャ | 部屋の中に、何か手がかりが残されているかもしれない。手分けして、探してみよう |
| パスカル | ん~…、研究に関する資料はないか~ |
| パスカル | どこか怪しい場所は… |
| ルカ | …ねえ、パスカル!扉の横にあるこの装置、まだ動きそうじゃない? |
| パスカル | どれどれ…?お、ほんとだ! |
| アイゼン | 起動出来るのか? |
| パスカル | うん、ちょっと待ってね。ふんふん…なるほど…ここをこうして… |
| | ピ、ピピピー |
| ロイド | 装置が、動き出したぞ! |
| | |
| | プシュー… |
| アリーシャ | 扉が開いたな。中は…階段になっているようだ |
| ジェイ | 地下に続いているようですね |
| アイゼン | 行くぞ。下に、何かあるかもしれん |
| | |
| アリーシャ | ここは…地下室か |
| パスカル | 上の施設と違って、ここの装置はまだ生きてるみたいだね |
| ルカ | 中央にあるあの装置は、何に使う物なんだろう? |
| ロイド | …!何だ…? |
| アイゼン | 装置が反応したようだな |
| | ヒューン──… |
| ジェイ | …!装置の蓋が開きましたね |
| ルカ | みんな、見て!装置の中に人がいるよ! |
| パスカル | あの人…死んでるのかな? |
| ??? | …… |
| ??? | …… |
| scene1 | 古を知る者 |
| ??? | …… |
| パスカル | うわ、動いた!? |
| アイゼン | どうやら生きているようだな |
| ??? | …あなた方は?どうしてこの場所に…? |
| アリーシャ | 私の名はアリーシャ・ディフダ。調査隊の任務で、この集落一帯を調査している |
| アリーシャ | 研究施設と思われる建物を調べていたところ、地下に続く階段を発見してここへ来た |
| ??? | 調査というと…島の住民に依頼されたのですか? |
| アリーシャ | いや。島の調査は、調査隊が独自で行っている |
| アリーシャ | それに、この島に住民がいたのは大昔の事だ |
| ??? | 大昔…?…少しお待ちください。装置で経過年数を確認します |
| ??? | ピピ…ピ… |
| ??? | …なるほど。どうやら私は、長い間眠りについていたようですね |
| アイゼン | まさか、お前は…アヴァロン島の住民なのか? |
| エメロード | はい。自己紹介が遅くなりましたね。私の名はエメロードと言います |
| ルカ | エメロードさんは、どうしてこの地下室に…? |
| エメロード | 集落から住民が避難した後、そこにある装置の中で眠りにつきました |
| エメロード | 島の混乱が収まるまでと思っていたのですが…こんなに時が経っていたなんて |
| ジェイ | …信じ難い話ですね。それだけの期間、あなたはその姿を維持していたと言うんですか? |
| エメロード | いいえ。私は眠りにつく前に、自らの精神をヒューマノイドに転送しました |
| エメロード | その時に、本来の身体を手放しています |
| ルカ | ヒューマノイド…?それって、一体…? |
| エメロード | 人の形をした人にあらざる者です |
| エメロード | 人の形を取っているので、精神を移した後も違和感なく活動する事が出来ます |
| ロイド | 精神の転送…。それって確か… |
| ロイド | 剣の試練の時、二刀流の剣士が似たような事を話してたな |
| ロイド | 島の技術を使って、精神を装置に転移したって… |
| エメロード | その技術を発明したのは、島にいたアンマルチアです |
| パスカル | アンマルチア族が、この島に住んでたの!? |
| エメロード | はい。アンマルチアが訪れる前から、この島には様々な種族が暮らしていましたが… |
| エメロード | 技術の提供によって、アンマルチアも島民として受け入れられたのです |
| アイゼン | アンマルチア族とは、何者なんだ |
| エメロード | アンマルチアは、技術者の集団です。私もかつてはその一員でした |
| ルカ | え!?それって…パスカルとエメロードさんが遠い親戚かもしれないって事? |
| エメロード | …?念のために説明しますが、技術者集団の一派がアンマルチアと呼ばれていただけです |
| エメロード | アンマルチアに、血のつながりはありません |
| パスカル | え~!みんな家族じゃないの!? |
| エメロード | その通りです。…もしや、あなたはアンマルチアの? |
| パスカル | うん、そうだよ |
| エメロード | なるほど…。扉の装置を解除出来たのは、そのためですね |
| アリーシャ | あなたが古代アンマルチアの一員ならサフィアやマナリスについても詳しいのだろうか? |
| エメロード | …… |
| エメロード | サフィアに、マナリス…。聞き覚えのある名称ですが… |
| アイゼン | 覚えてないのか…? |
| パスカル | あれー?マナリスにはアンマルチア族の技術が使われてると思ったんだけどな |
| ルカ | えっと…それなら、島から住人が避難した理由は覚えてますか? |
| エメロード | それは…戦争が…。いえ、それ以外にも原因があったように思います |
| エメロード | …どうやら、長い眠りの影響で記憶回路に障害が起きているようですね |
| エメロード | 少し時間をいただければ、徐々に回復するはずです |
| アリーシャ | そうか。無理に思い出す必要はないが、記憶が戻った時は教えてほしい |
| エメロード | はい、勿論です。では…上の研究施設へ向かいましょう |
| エメロード | ここを出れば、何か思い出せる事があるかもしれません |
| scene2 | 古を知る者 |
| エメロード | …研究室の装置は、全て壊れているようですね |
| アイゼン | 長い時間が経っているからな。昔のままとはいかないだろう |
| ロイド | 何か思い出せそうか? |
| エメロード | …ええ、ぼんやりとですが。私達はここで、人々の願いをかなえる技術を発明していた… |
| エメロード | それが…サフィアにマナリス。先ほど、あなた方が話していた物です |
| パスカル | やっぱり、サフィアとマナリスには古代アンマルチアの技術が使われてたんだね! |
| パスカル | しかも、技術の流用じゃなくて、実際に島にいたアンマルチア族の手で作られた物だったんだ! |
| パスカル | く~!ますます研究のし甲斐があるよ。いい事聞いちゃったな~! |
| ルカ | あはは。嬉しそうだね、パスカル |
| アイゼン | お前がサフィアを生み出した技術者集団の一員なら、聞きたい事がある |
| アイゼン | マナリスの使用には代償を伴うが、サフィアも同じなのか? |
| エメロード | 代償…。確かに、使用時に疲労感や脱力感を訴える者がいたように思います |
| エメロード | 詳しい事は思い出せませんが、サフィアの使用にも何らかの代償があると考えていいでしょう |
| エメロード | ただ…島に住む人々は、サフィアやマナリスの使用に対して肯定的でしたね |
| アリーシャ | カタグラフィに映っていた天族は、人間がマナリスを使用するのは危険だと言っていたが… |
| エメロード | 乱用しない限り、大きな問題はないはずです |
| エメロード | 使用者が限度を理解しているのなら、危険性はありません |
| ルカ | それなら…サフィアの使用も、使い方さえ間違わなければ危険じゃないって事になるのかな |
| エメロード | ええ、勿論です。技術は使われるためにあるのですから |
| パスカル | サフィアはエルピスの塔に封印されてるんだけど、どうしてか知ってる? |
| エメロード | …いいえ。封印されたという記憶はありませんね |
| エメロード | サフィアはマナリスよりも高い性能を持っていたので、何かの理由で封印が必要になったのかもしれません |
| ロイド | 性能が高いって事は、かなえられる願いもマナリスより大きいのか? |
| エメロード | はい。サフィアはマナリスよりも少ない代償で、より大きな願いをかなえる事が出来ます |
| ルカ | それなら…サフィアを使って、アイゼンの呪いを解けるかもしれないね! |
| エメロード | …ですが、サフィアやマナリスにもかなえられない願いがあります |
| エメロード | 使用者によって効果が変わるので、一概には言えませんが |
| アリーシャ | 彼は天族だ。大きな願いであっても、かなえられる可能性は高いのではないだろうか? |
| エメロード | 天族…そうですか。それならば、代償は最小限に抑えられるでしょう |
| エメロード | かつてのアヴァロン島でも、天族がサフィアを用いて島の繁栄に貢献していました |
| アイゼン | …試してみない限りは、何とも言えないという事か… |
| ルカ | そういえば、パスカル。ここに来てから、マナリスの波動は感じないの? |
| パスカル | 全然だね~。さっきレーダーを確認してみたけど、特に反応はなかったよ |
| アリーシャ | 今までは集落の傍にある遺跡や洞窟にマナリスが隠されていたが…ここには保管されていないのだろうか |
| エメロード | …変ですね。この集落にも、かつてマナリスが存在していました |
| エメロード | もしかしたら…崖の上にある基地に、保管されているかもしれません |
| エメロード | 島に留まった者の多くは、基地内に避難していたはずです |
| エメロード | マナリスは貴重な物なので、持ち出された可能性が高いかと |
| パスカル | 崖の上か~。登っていくのは、難しそうだね |
| ルカ | うん…すごく高い崖だったし… |
| エメロード | 心配はいりません。移動する手段はあります |
| エメロード | 移動のための装置が設置されている場所まで、ご案内しましょう |
| エメロード | 基地内を案内するために、私もあなた方と一緒に行きます |
| ロイド | ありがとな、助かるぜ! |
| ジェイ | ぼくは一度、本部に戻ります。ここであった事を報告しないと |
| アリーシャ | 了解した。私達はこのまま、マナリスの探索に向かう |
| ジェイ | はい。何かあった時には、通信機で連絡を取ってください |
| ルカ | ここまで連れてきてくれて、ありがとう |
| ジェイ | 仕事なので、お礼はいりません。…それでは、また |
| アリーシャ | 私達も出発しよう。案内を頼めるだろうか |
| エメロード | はい。みなさん、私の後について来てください |
| | |
| エメロード | この装置を使って、崖の上に移動します |
| パスカル | お~!転移装置だ!この集落にもあったんだね~ |
| ルカ | 転移装置…?それって、森の遺跡にあった瞬間移動が出来る装置だよね? |
| エメロード | この島には、これと似た装置がいくつか設置されています。遺跡にあった物も、その一部でしょう |
| エメロード | 少しお待ちください。装置を起動させます |
| | ピコ…ピコピコ… |
| ロイド | アンマルチア族って、すごいんだな。森の遺跡で装置を見た時も、驚いたけど… |
| ロイド | この集落も、何でもかんでも発達してるって感じだしさ |
| アイゼン | これだけの技術があれば、サフィアやマナリスを発明出来たというのも頷ける |
| | カチッ |
| | フイイーーン! |
| | |
| エメロード | …準備出来ました。みなさん、こちらへ |
| パスカル | やった~!これで、五つ目のマナリスに近付いたね! |
| エメロード | …すでに、四つのマナリスを回収しているのですね |
| エメロード | マナリスは全部で六つあったと記憶しています |
| アイゼン | あと二つで、塔の扉を開く鍵が全て集まるという事か |
| ロイド | 意外と集まってたんだな!とっとと揃えちまおうぜ |
| エメロード | それでは、崖の上に転送します |
| scene1 | 迫りくる光 |
| エメロード | ──到着しました |
| ロイド | おおーすげぇ!ほんとに一瞬で、崖の上に着いたな! |
| アリーシャ | 目の前に見えるあれが…アンマルチアの基地なのか? |
| エメロード | はい。人目を避けるため、外観は遺跡のような作りになっていますが… |
| エメロード | 内部には研究施設や格納庫、簡易的な居住空間も併設されています |
| パスカル | あの中にマナリスがあるのかなー?崖の下にいた時と同じで、ビリビリは特に感じないけど… |
| パスカル | …ん~、やっぱりレーダーにも反応がないや |
| エメロード | そのレーダーは、マナリスが発している波動を探知する道具ですか? |
| パスカル | うん、そうだよ。カタグラフィの再生装置を改造して、レーダー機能を付けたんだ~ |
| エメロード | すばらしい技術ですね。さすがはアンマルチアの末裔です |
| エメロード | しかし…残念ながら、この島にはマナリスの波動を遮断する装置が存在します |
| エメロード | マナリスを安全に保管するためにアンマルチアが発明した物なので、当然基地の中にも装備されています |
| アイゼン | なるほどな。レーダーの反応がなくとも、マナリスが保管されている可能性はあるという事か |
| パスカル | あちゃ~。そっか…波動が遮断された場合の対処を考えとくべきだったね |
| パスカル | 改良したレーダーの性能をみんなに見せたかったんだけど…。今回は役立ちそうにないな~… |
| ロイド | 気にするなよ、パスカル!いつか必ず、役立つ時が来るって! |
| アリーシャ | ああ、私達はいつも君の技術に助けられて来たからな |
| パスカル | そう…?なら、いいんだけどさ! |
| アイゼン | マナリスがあの中にあるかどうかは、実際に入って確かめればいい |
| ルカ | そうだね。エメロードさん、案内してもらえますか…? |
| エメロード | ええ、勿論です。…ここから先は、注意して進みましょう |
| エメロード | 長い時間が経過しているので、内部の様子がどうなっているのか、私にもわかりません |
| ルカ | うう…何事もないといいけど |
| ロイド | 心配したって仕方ないさ!中に入ろうぜ! |
| scene2 | 迫りくる光 |
| アリーシャ | …基地の内部は、外観とはまるで雰囲気が違っているな |
| パスカル | 至るところにアンマルチアの技術が使われてるね~ |
| アイゼン | この廊下の先には、何がある? |
| エメロード | 操作室です。まずはそこで、基地の情報を集めましょう |
| エメロード | マナリスはおそらく…波動遮断装置があるシャトルの中に保管されているはずです |
| ロイド | シャトルって何だ? |
| エメロード | 推進力を利用して上昇する、有人の飛行体の事です |
| アリーシャ | 飛行体か…。アンマルチア族は、そんな物まで作れてしまうのだな |
| エメロード | ええ。シャトルは、基地の最下層部…格納庫の中にあります |
| エメロード | 操作室に詳しい情報が残されているはずなので、確認してみましょう |
| アリーシャ | ああ、りょうか── |
| | |
| | ビーーーッ!ビーーーッ! |
| ルカ | な、何!? |
| エメロード | …どうやら、基地の防衛システムが作動したようですね |
| | プシュー… |
| アリーシャ | くっ…出入り口が…! |
| アイゼン | …退路を塞がれたな |
| | キュイーン |
| ロイド | おい、見ろ…!廊下の先に、何かいるぞ!? |
| エメロード | あれは、防衛のために作り出された機械です。防衛システムによって動いています |
| パスカル | あの機械…この先の扉を守ってるみたいだね |
| エメロード | 扉の奥に操作室があります。先へ進むには、あの機械を倒すしかないようですね |
| パスカル | よーし、それなら早速── |
| アリーシャ | 待て、パスカル!何か様子がおかしい |
| ロイド | 何か出てきたぞ…!? |
| ルカ | 何だろう、あれ?光ってるみたいだけど… |
| エメロード | 気を付けてください。あのレーザーに触れると、あらゆるものが切断されます |
| ルカ | せ、切断!?ひぃ… |
| アリーシャ | 前にも後ろにも、進めなくなってしまったな… |
| ロイド | でも、レーザーがあるなら、あの機械も襲ってこれないだろ?策を練る時間はあるぜ! |
| アイゼン | そう単純でもなさそうだがな |
| | |
| | ビーーーッ!ビーーーッ! |
| | |
| ルカ | レーザーが動き出した…!迫ってきてるよ! |
| ロイド | 止まった…? |
| エメロード | 段階的に接近する構造のようですね。一時的に停止していますが、またすぐに動き出すと思います |
| ルカ | そ、そんな… |
| アリーシャ | 退路は断たれている。このままでは… |
| ロイド | エメロード!何とかして、防衛システムってやつを止められないのか!? |
| エメロード | …難しいですね。操作室に入らないと、防衛システムは解除出来ません |
| エメロード | アンマルチア以外の者が基地に入った際に、システムが稼働するようになっていたのでしょう |
| パスカル | それなら、どこかに侵入者を感知するセンサーが設置されてるはずだよ! |
| エメロード | なるほど…。センサーを破壊すれば、レーザーを止められるかもしれません |
| アイゼン | …… |
| アイゼン | …!見ろ!機械の背後にある壁だ! |
| ルカ | ほんとだ!何かの装置があるよ |
| エメロード | あの形は…防衛用のセンサーで間違いありません |
| アリーシャ | 狙えるか?パスカル |
| パスカル | うん、任せて! |
| アイゼン | レーザーが解除されると、機械が襲ってくるぞ |
| アリーシャ | すぐに攻撃出来るように、私達も準備しておこう |
| パスカル | そんじゃ、いくよ!──輝線! |
| | |
| | ヒューン── |
| | |
| パスカル | やった! |
| | キュイーン |
| ロイド | 来るぞ!みんな、構えろ! |
| scene3 | 迫りくる光 |
| ルカ | やった…!機械が動かなくなったよ |
| パスカル | これで先へ進めるね~!…ん? |
| | |
| | ギィイイ… |
| エメロード | 危ない…! |
| | ドンッ! |
| | |
| | ドサッ |
| パスカル | うっ… |
| エメロード | く… |
| アリーシャ | パスカル!エメロード! |
| アイゼン | …!あの機械、まだ動けるとはな |
| ルカ | ロイド、そっちへ向かったよ! |
| ロイド | 任せろ!はあっ! |
| | ギ…ギギギ… |
| ロイド | アイゼン、後は頼むぜ! |
| アイゼン | ああ!──破砕しろ! |
| アイゼン | ストーンエッジ! |
| | ズガッ!! |
| | ガシャーン |
| | |
| アリーシャ | 何とか倒せたようだな… |
| ロイド | パスカル、エメロード、大丈夫か…? |
| パスカル | …いてて。あたしは何とか… |
| エメロード | う… |
| アリーシャ | 無理に立ち上がらない方がいい。…傷の具合はどうだ? |
| エメロード | 少し手首を挫いた程度なので、問題はありません |
| パスカル | …ごめん、エメロード。あたしを庇ったせいだよね |
| エメロード | いいえ。あなたがセンサーを壊したお蔭で、ここにいる全員が助かったのです。謝る必要はありません |
| エメロード | それに、逆の立場であれば、あなたも同じ事をしたのではないですか? |
| パスカル | …!うん、ありがとね! |
| アイゼン | 先を急ぐぞ。いつまた防衛システムが作動するか分からん |
| ロイド | そうだな。行こうぜ、みんな! |
| scene1 | 技術の在り方 |
| アイゼン | ここが…操作室か |
| アリーシャ | この装置は…? |
| エメロード | 基地の制御装置です。これ一つで、基地内の全システムを管理する事が出来ます |
| ルカ | じゃあ、これを使えば防衛システムが解除出来るんですね |
| エメロード | ええ、その通りです |
| エメロード | 装置の状態は…問題ないようですね。早速取り掛かりましょう |
| パスカル | はいは~い!あたしにも手伝わせて~! |
| パスカル | アンマルチアの里にも同じような装置があったから、役に立てると思うよ! |
| エメロード | 助かります。では、制御装置のロックを外してもらえますか? |
| パスカル | がってんだ~!えっと…確か、ここをこうして… |
| | ピピ…ピ…ピピピ… |
| パスカル | よし、完璧!これで、制御機能を自由に使えるはずだよ! |
| エメロード | ありがとうございます。後は、防衛システムにアクセス出来れば… |
| | ピピ…ピ…ピピピ… |
| | ピー… |
| エメロード | 解除出来ました。…どうやら、基地の防衛レベルが最大値に引き上げられていたようです |
| エメロード | 常時は作動しない緊急時用の防衛システムが作動していました。先程のレーザーも、その一部です |
| ルカ | それだけ、この基地に危険が迫ってたって事なのかな…? |
| エメロード | はい…。私が眠りについた頃のアヴァロン島は戦争の真っ只中にありました |
| エメロード | それ故に、侵入者を警戒して防衛レベルを引き上げたのでしょう |
| アイゼン | 基地内を管理している装置なら、マナリスが保管されている場所を探る事も出来るのか? |
| エメロード | はい。制御装置の中にある情報を抽出しましょう |
| | ピピ…ピ… |
| エメロード | これは…マナリスに関する情報が消えていますね |
| エメロード | …過去の変更記録を確認しましたが、意図的に情報を削除した痕跡があります |
| エメロード | アンマルチアがこの基地を出る際に、装置内の情報を消した可能性がありますね |
| アイゼン | 侵入者にマナリスを奪われないよう、情報を消したという事か… |
| エメロード | ええ。他にもサフィアに関する情報が残されていたはずですが…同様に削除されています |
| ロイド | 装置に情報が残ってないなら、他に何かマナリスの手がかりを見つけないとな |
| アリーシャ | ん…?あの、机の上にある物は… |
| パスカル | カタグラフィだ~! |
| ロイド | 本当だ!よく見ると、部屋の中にいくつか落ちてるな |
| ロイド | 取ってくるから、少し待っててくれ |
| エメロード | カタグラフィを見れば、私が眠りについた後の島の様子がわかるかもしれません |
| エメロード | 再生をお願い出来ますか? |
| パスカル | うん、勿論! |
| ロイド | ほら、パスカル。カタグラフィ、取って来たぜ |
| パスカル | ありがとう~!じゃあ、これから再生するね |
| パスカル | バコッとな! |
| | ポチッ…! |
| | |
| 天族の男 | まさか…サフィアを使って、島に瘴気を蔓延させるなんて… |
| ドワーフの男 | マナリスの力を利用して瘴気の影響を防いではいるが…ここも、そう長くは持たんだろう |
| 集落の女 | このままでは、島の外にある国々にも被害が及んでしまうわ。何とかしないと… |
| ??? | …別の次元に空間を作り、島を隔離する方法を探そう |
| ドワーフの男 | 隔離…!?そんな…お前達の技術で、どうにか出来ないのか? |
| アンマルチアの男 | …すまない。アンマルチアの技術をもってしても、瘴気の流出は止められないんだ |
| アンマルチアの男 | 島外に瘴気を出さないためには、島ごと閉じ込めるしかない |
| 天族の男 | そうだね…。ここまで瘴気が広がってしまったら、マナリスを使っても完全に消し去る事は出来ない |
| アンマルチアの男 | ああ。早急に、島を隔離する方法を見つけ出そう |
| アンマルチアの男 | 私達が作り出したサフィアによって、悲劇がもたらされてしまった。…これは、私達の罪でもあるんだ |
| | |
| アイゼン | こいつらは…山の集落で見つけたカタグラフィに映っていた天族達だな |
| ルカ | 本当だ…あの時と同じで、いろんな種族の人達が集まってるね。随分深刻そうだけど… |
| エメロード | 瘴気…。…思い出しました |
| エメロード | サフィアが悪用された結果、島中に瘴気が蔓延し、住民の大半が避難を余儀なくされたのです |
| パスカル | 島の内部に亜空間が残されていたのは島に残った人達が瘴気から逃れるためだったんだね~ |
| アリーシャ | 瘴気の被害を他国に及ぼさないために亜空間が作られたのだとしたら… |
| アリーシャ | やはり、島を隔離したのは、島への侵入者を阻むためではなかったのか |
| ロイド | サフィアを使って瘴気を蔓延させた奴は、誰なんだ…? |
| エメロード | …そこまでは思い出せません。その人物が、どうなったのかも… |
| アイゼン | サフィアが封印された理由は、瘴気の蔓延と関係がありそうだな |
| パスカル | …… |
| ルカ | どうかした?パスカル |
| パスカル | カタグラフィの中で、アンマルチア族の男の人が言ってたでしょ? |
| パスカル | 「これは私達の罪でもある」って…。そこが引っ掛かってるんだよね |
| ロイド | そんなの、悪用した奴が悪いに決まってるさ。技術者のせいじゃないだろ? |
| パスカル | うん…。でも、サフィアを作り出した技術者側にも、やっぱり責任があると思うんだ |
| パスカル | …使い方次第で、技術が人を不幸にする事もあるんだね |
| ルカ | パスカル… |
| エメロード | …技術は、人に使われてこそ真価を発揮します |
| エメロード | サフィアやマナリスは、島の繁栄に不可欠でした |
| エメロード | すばらしい発明を、罪だと決めつけてしまうのは、早計だと思います |
| アリーシャ | そうだな。とは言え…ハスタのような男がいる以上、マナリスを放置するわけにはいかない |
| アリーシャ | 悲劇が繰り返されないように、早急に残りのマナリスを確保して厳重に管理しよう |
| パスカル | うん。あたしも研究を進めて、サフィアとマナリスの有用性を確かめるよ |
| パスカル | 安全に使える物だって証明出来れば、封印する必要もないしね!よーし、がんばるぞ~! |
| ロイド | やる気だな、パスカル! |
| パスカル | うん!アンマルチア族の発明品が悪用されて島が大変な事になっちゃったなら… |
| パスカル | あたしは、二度とそれが繰り返されないようにしないと! |
| パスカル | 技術は、よい事のために使われるべきだもん |
| アリーシャ | …君の言う通りだ、パスカル。これ程すばらしい技術を、私利私欲のために使うべきじゃない |
| アリーシャ | 技術者として人を幸せにしようとする君の考えは、すばらしいと思うよ |
| パスカル | え~!照れるな~! |
| エメロード | …… |
| ルカ | ねえ、みんな。他のカタグラフィも、再生してみない? |
| アイゼン | 賛成だ。アヴァロン島の歴史に関する新たな情報は手に入れたが… |
| アイゼン | 肝心のマナリスの情報は、まだ得られてない |
| ロイド | そうだな!パスカル、今度はこっちのカタグラフィを見てみようぜ! |
| パスカル | オッケー、バコッとな! |
| | ポチッ…! |
| | |
| アンマルチアの女 | 島は隔離されたわ。これで、瘴気が漏れ出す心配もないでしょう |
| アンマルチアの男 | ああ。俺達も、早く島外へ避難しよう |
| アンマルチアの男 | マナリスはどうする? |
| アンマルチアの女 | …ここに置いていくわ。波動遮断装置に入れておくのが安全だろうから |
| アンマルチアの女 | 基地の防衛システムがあるとは言え、万全を期す方がいいでしょう |
| アンマルチアの男 | そうだな。後は…万が一に備えて、シャトルのメインシステムを書き換えよう |
| アンマルチアの男 | 格納庫に配置されてる防衛用の機械とメインシステムを連動させれば、基地の防御システムから切り離せる |
| アンマルチアの男 | あれだけの数の機械があるんだ。基地に侵入した奴がいても、簡単にはシャトルに近付けないさ |
| | |
| アイゼン | 防衛用の機械、か…。廊下にいた奴と似たような機械がいるなら厄介だな |
| ロイド | ああ。でも、シャトルにマナリスがあるのは間違いなさそうだぜ! |
| ルカ | 格納庫の機械は、シャトルのメインシステムと連動してるって言ってたね… |
| ルカ | つまり、ここにある制御装置で防衛システムを弄っても、動きを止められないって事なのかな? |
| エメロード | 念のために、調べてみましょう |
| | ピピ…ピ…ピピピ… |
| エメロード | …やはり、操作室からは操作出来ないように設定されていますね |
| エメロード | シャトルのメインシステムは、私が眠りについた後に書き換えられています |
| エメロード | 解除出来るかどうかは、実際にシャトルの装置を触ってみないとわかりません |
| アリーシャ | カタグラフィの会話を聞く限り、格納庫には複数の機械が配置されているようだ |
| エメロード | はい。真正面から戦っても、こちらが消耗するだけで突破は難しいでしょう |
| ルカ | …… |
| ルカ | ──僕達が、足止めしよう |
| アリーシャ | 足止め…?どういう意味だ、ルカ? |
| ルカ | シャトルのメインシステムを解除出来る可能性があるのは、パスカルとエメロードさんでしょ |
| ルカ | 僕達がシャトルに向かうための道を作るよ |
| ルカ | 防衛用の機械を全部倒すのは無理だけど…隙を作る事は出来ると思うんだ |
| アイゼン | なるほどな。隙をついて、こいつらがシャトルのメインシステムを目指すわけか |
| アイゼン | 危険な賭けにはなるが…ふっ、悪くない提案だ |
| エメロード | ですが、システムが解除されない限りあなた方は無数の機械と戦い続ける事になるのですよ? |
| ロイド | パスカル達がシステムを解除するまで時間を稼げばいいんだろ?任せとけって! |
| アリーシャ | …… |
| ルカ | アリーシャは、僕の作戦に反対かな…? |
| アリーシャ | …いや、私も全力を尽くそう。危険だが、他にいい作戦があるとも思えない |
| パスカル | アリーシャ…みんな…本当にいいの…? |
| ルカ | うん!僕らは何度もパスカルに救われてきたから、信じられるよ |
| ルカ | いつも頼ってばかりで、無責任かもしれないけど… |
| ルカ | 僕は僕が出来る事を、やり遂げるから…! |
| ロイド | よく言ったな、ルカ! |
| アイゼン | 失敗したら、海でサメの餌にするからな |
| パスカル | 心配いらないって!絶対、システムを解除してみせるからさ |
| アイゼン | ふっ…いい度胸だ |
| ルカ | エメロードさんも…この作戦に、賛同してくれますか? |
| エメロード | あなた方にその覚悟があるなら、止める事は出来ませんね。…協力させていただきます |
| ロイド | そうと決まれば…格納庫に向かおうぜ! |
| アリーシャ | ああ、行こう! |
| scene1 | 背中を預けて |
| エメロード | ──あそこに見えるのが、シャトルです |
| ルカ | すごいや…基地の中に、あんな物があるなんて… |
| ロイド | 俺達はここからシャトルの前に走って行けばいいんだよな? |
| エメロード | はい。一定の距離まで近付くと、反応を感知した機械の集団が防衛のために動き出します |
| エメロード | 一度シャトルに近付くと、メインシステムを停止しない限り機械に襲われ続けると考えてください |
| アイゼン | 覚悟の上だ。──まずは、俺達が出る |
| アイゼン | お前達は防衛機械の隙をついて、シャトルの中に飛び込め |
| ルカ | 必ず、僕達が道を切り開いてみせるよ! |
| パスカル | うん!メインシステムの方は、あたしとエメロードに任せて! |
| ロイド | ああ、頼んだぜ! |
| アリーシャ | では、作戦開始だ。行こう |
| | |
| | ビーーーッ!ビーーーッ! |
| | |
| ロイド | …!早速見つかったみてぇだな! |
| アイゼン | 来るぞ、構えろ |
| | キュイーンキュイーン |
| ルカ | すごい数だね…! |
| アリーシャ | あっという間に囲まれたか…!どうにかして、包囲網を突破しないと── |
| | ギュィイイン |
| アリーシャ | くっ…! |
| アイゼン | アリーシャ、下がれ!──エアスラスト! |
| | ギ…ギギギ… |
| アリーシャ | すまない、助かった |
| アイゼン | 気にするな。そんな事よりも… |
| | キュイーンキュイーン |
| ロイド | どんどん集まってくるぞ! |
| アイゼン | ちっ、きりがないな |
| アリーシャ | 個々の力も相当なものだ。これ以上集まると、隙を作るのが難しくなる |
| ルカ | ──僕が行くよ!パスカルに、必ず道を作るって約束したから…! |
| ルカ | はああっ! |
| | ギ…ギギギ… |
| アリーシャ | 今だ!押し込むぞ! |
| ロイド | 任せろ! |
| ロイド | ──くらえ!散沙雨!! |
| | ガシャーン |
| ルカ | 今だ!二人共、先に行って! |
| パスカル | ありがとう、みんな!無茶しないでね! |
| アイゼン | 俺達の事は心配するな。必ず、システムを止めてこい |
| ロイド | 信じてるぜ、パスカル!エメロード! |
| パスカル | うん…! |
| | キュイーンキュイーン |
| パスカル | うわあああ!出た! |
| アリーシャ | ──させない!星天裂華! |
| | ザシュッザシュッ! |
| | ガシャーン |
| パスカル | アリーシャ! |
| アリーシャ | 大丈夫だ。私達が食い止める |
| ルカ | うん!パスカルとエメロードさんを追わせたりしないよ! |
| エメロード | 進みましょう! |
| パスカル | …わかった!みんな、後でね! |
| パスカル | すぐに終わらせてくるからさ! |
| アイゼン | …行ったか |
| | キュイーンキュイーン |
| ロイド | こいつら、どっから湧いてくるんだ…!? |
| アリーシャ | 先ほどよりも、遥かに数が多くなっているな |
| アイゼン | シャトルへは行かせるな。ここを死守するぞ! |
| ルカ | うん! |
| scene2 | 背中を預けて |
| パスカル | はあ…はあ…ここが…? |
| エメロード | はい…。メインシステムのある、制御室です |
| パスカル | あっ…!窓の手前にあるあれって…! |
| エメロード | マナリスですね。周りを覆っている容器に、波動を遮断する技術が使われています |
| | ピッ…ピピピ… |
| パスカル | …なるほど、こうなってんのか。それなら… |
| エメロード | …… |
| エメロード | 何をしているのですか? |
| パスカル | 何って…システムを停止させようとしてるんだよ |
| エメロード | …目の前にマナリスがあるのに、回収しなくてよいのですか? |
| パスカル | 仲間がピンチなんだもん!今はこっちの方が大切だよ |
| パスカル | やっぱりこれじゃない、か…。いや、こっちを書き換えれば… |
| エメロード | 仲間… |
| エメロード | …そうでしたね。私も手伝いましょう |
| | ピッ…ピピッ…! |
| エメロード | メインシステムの中枢にアクセスしました |
| エメロード | 少し複雑なシステムに書き換えられていますが…いけますか? |
| パスカル | うん…!ありがとう。これなら、何とかなると思う! |
| エメロード | では、取り掛かりましょう |
| | ピッ…ピピッ…ピ… |
| エメロード | …あの方々は、あなたの事を随分信頼しているようでしたね |
| パスカル | そうなのかな~?だとしたら嬉しいけど、大変な仕事を任されちゃったよね |
| パスカル | あたし達が失敗したら、みんなの命を危険に晒す事になっちゃうしさ |
| エメロード | 重圧を感じているのですか? |
| パスカル | 感じないって言ったら、嘘になるけど…あたしにしか、出来ない事だから |
| パスカル | やらなきゃいけないって思うんだ。出来るのにやらないのは、出来ないのと一緒だから |
| エメロード | …… |
| エメロード | あなたは…仲間を置いて、マナリスを手に入れたいとは思わないのですか? |
| エメロード | 手に届く場所に、マナリスがあると言うのに |
| パスカル | マナリスより、みんなを助ける方がずっと大切だよ! |
| パスカル | だって、マナリスの研究が進んでも、喜んでくれる仲間がいなきゃ、意味がないからね! |
| エメロード | …なるほど。それが、あなたの考えなのですね |
| パスカル | うん!だから、早くこのシステムを停止させないと…! |
| パスカル | …これじゃない、か…。なら…この方法かな…? |
| パスカル | 駄目だ、これだとシステムの中に入れない…! |
| パスカル | (みんな、もう少しだけ持ちこたえて…!) |
| | |
| | ギュィイイン |
| ルカ | くっ… |
| アリーシャ | ルカ…!大丈夫か!? |
| ルカ | うん!まだ、やれるよ…! |
| ルカ | やあああっ! |
| | ズバッ! |
| | ギ…ギギギ… |
| ルカ | ぜえ…はあ… |
| ロイド | くそっ。わかってたけど、全然数が減らないな! |
| アリーシャ | ああ、倒しても倒しても、次の機械が出てくる |
| | ギュィイイン |
| ロイド | ぐ…っ |
| アリーシャ | うぅ… |
| | |
| アイゼン | はあああっ! |
| | ドカッ |
| | ガシャーン |
| | |
| アリーシャ | アイゼン…! |
| アイゼン | 手間のかかる奴らだな。この程度で音を上げるのか? |
| アリーシャ | …まさか!これくらいでへこたれはしないさ |
| ロイド | ああ、パスカルが頑張ってるのに、俺達が諦めるわけにはいかねぇよ! |
| ルカ | うん!限界まで戦うよ!今が逃げちゃいけない時なんだって、僕にもわかるから! |
| アイゼン | ふっ… |
| アイゼン | こちらから攻めるぞ!後れを取るなよ! |
| scene3 | 背中を預けて |
| エメロード | ──私の方は、準備出来ました |
| パスカル | あたしも、もうちょっと…!あとは、ここをこうして… |
| | ピッ…ピピッ…! |
| パスカル | よし!出来たよ…! |
| エメロード | では、システムを停止しましょう |
| パスカル | うん!…みんな、お待たせ。これで最後っと! |
| | ポチッ |
| | ピ── |
| | |
| | ギ…ギギギ… |
| ルカ | …!防衛機械が、止まった…? |
| アイゼン | …らしいな。見ろ、他の奴らも停止していくぞ |
| ロイド | ああ、これって…! |
| アリーシャ | パスカルが、約束を守ってくれたようだな |
| | |
| パスカル | はあああ…何とか間に合った~!今回ばっかりは、焦ったよ~ |
| エメロード | この短時間でシステムを停止させられるなんて… |
| エメロード | さすがは、アンマルチアの末裔ですね |
| パスカル | エメロードが隣にいてくれたから、心強かったよ。一人じゃないって思えたしさ |
| エメロード | そうですか… |
| エメロード | さて、システムの停止も済んだ事ですから…マナリスを取り出しましょうか |
| | ピッ…ピピッ…! |
| エメロード | …美しい輝きですね。ずっと見ていたくなります |
| パスカル | そうかな?確かに綺麗だとは思うけど… |
| パスカル | 見つめてるだけじゃ、物足りないよ~研究してる時の方が、わくわくするし! |
| エメロード | ふふ…。技術者らしい意見ですね |
| エメロード | さあ、マナリスを回収しましょう |
| パスカル | 了解~! |
| パスカル | これで、任務完了だね! |
| エメロード | そろそろ、シャトルを出ましょうか。みなさんが待っているはずです |
| パスカル | ああ~!そうだった!いけないいけない |
| パスカル | そんじゃ、行こっか! |
| | |
| パスカル | みんな、無事~? |
| アリーシャ | 私達は大丈夫だ。そちらも怪我はないか? |
| エメロード | ええ、問題ありません |
| ルカ | メインシステムの停止、上手くいったんだね…! |
| パスカル | ルカ達があの機械を足止めしてくれてたからだよ~!…遅くなってごめんね |
| ロイド | 全然不安じゃなかったぜ!パスカル達を信じてたからな |
| パスカル | …へへ |
| アイゼン | それで、マナリスは無事に確保出来たのか? |
| パスカル | 勿論!ほら! |
| ロイド | これで、五つのマナリスが揃ったんだな…!残すは、あと一つか… |
| アリーシャ | そうだな。マナリスが手に入った事だし、一度本部へ戻ろう |
| アリーシャ | エメロードも、私達と一緒に来てもらえるだろうか?かつての島の話を聞かせてほしいんだ |
| エメロード | はい。ぜひ、同行させてください |
| エメロード | 私の持つ知識や技術が役立つようであれば、協力は惜しみません |
| アリーシャ | ありがとう、助かるよ |
| パスカル | よし、それじゃみんなで本部に帰ろう~! |
| scene1 | 小さな諍い |
| パスカル | ふ~、やっと街の近くまで来たね! |
| ロイド | ああ。ここまで来ると、帰って来たって感じがするよな! |
| ルカ | 集落の中は閑散としてたけど、この辺りは人が多いし賑やかだもんね |
| エメロード | これほどの活気があるとは…かつてのアヴァロン島を見ているようです |
| アイゼン | この島に住民がいた頃は、今と同じくらい賑わっていたのか |
| エメロード | ええ。様々な種族が共に暮らし、サフィアやマナリスの力を使って繁栄の道を歩んでいました |
| アリーシャ | そうだったんだな…。今のアヴァロン島に人が訪れるようになったのは、最近の事だ |
| アリーシャ | 突然現れた伝説の島を見ようと、各国から多くの観光客が集まっている |
| ロイド | 街にはいろんな物があるんだぜ!島でしか売ってない土産とか…あと、飯も美味いんだ! |
| パスカル | あたし達が街を案内するよ~!この前、発明に使えそうな道具がたくさん並んでる店を見つけたんだ~ |
| エメロード | それは、興味深いですね。ぜひお願いしたいです |
| アイゼン | 調査隊の本部は、街と逆方向だ。観光がしたいなら、本部にマナリスを届けてからにしろ |
| パスカル | わかってるって~!楽しみにしててね、エメロード! |
| エメロード | はい、ありがとうございます |
| | プルルル… |
| アリーシャ | ん…?通信機が… |
| | ピッ |
| ローエン | …聞こえていますかな?みなさん、任務ご苦労様です |
| アリーシャ | ローエン殿!どうされたのですか? |
| ローエン | みなさんにお願いしたい事がありましてね |
| ロイド | 俺達に…? |
| ローエン | ええ。実は…調査隊の街で、民衆が小競り合いを起こしているようでして |
| ローエン | 街の中が混乱状態にあると聞いているため、警備の人数を増やし事態の収拾を図りたいと思っています |
| ローエン | 任務続きでお疲れとは思いますが、行っていただけますか? |
| アリーシャ | わかりました。すぐに向かいます |
| ローエン | お願いします。くれぐれも、お気をつけて |
| | ツー、ツー、ツー |
| パスカル | ローエンが、調査隊の街に行けってさ~! |
| アイゼン | …遊びで行くわけじゃないだろう。勝手に消えて、観光するなよ |
| パスカル | 流石のあたしでも、それはしないってー!…多分 |
| アイゼン | おい |
| パスカル | 冗談だって~ |
| アリーシャ | 小競り合いか…。記念式典の前にも、もめ事を起こしている者がいたが… |
| ロイド | そう言えば、島でアリーシャに会った時に、喧嘩の仲裁をしてたよな |
| アリーシャ | ああ。あの時はロイドに助けられたよ |
| アリーシャ | 最近は警備が行き届いていて、もめ事の類は起こっていなかったんだが… |
| ルカ | 街が混乱状態になるくらいだから、ただの喧嘩じゃなさそうだね |
| ロイド | とりあえず行ってみようぜ!実際に見てみなきゃ、わかんないだろ |
| アリーシャ | そうだな。エメロード、悪いが付き合ってもらえるだろうか |
| エメロード | ええ、構いません |
| アイゼン | 行くぞ。喧嘩の仲裁なら、殴って黙らせるのが一番だ |
| パスカル | うひょ~、過激~! |
| scene2 | 小さな諍い |
| 街の男1 | てめえ!絶対に許さねえ |
| 街の男2 | お前が先に突っかかって来たんだろうがよ! |
| アリーシャ | これは… |
| 商人 | この野郎!盗んだ店頭の商品を返せってんだ! |
| 観光客 | しつこいんだよ!盗んでねえって言ってんだろ! |
| ルカ | 思ったより、荒れてるね…。喧嘩をしてる人も、一人や二人じゃないみたい |
| ロイド | 一体、何が起こってんだ…? |
| ??? | ロイド…? |
| ロイド | ん?お前は…エミルか!? |
| エミル | やっぱり、ロイドだったんだ…!元気そうでよかった |
| アリーシャ | ロイドの知り合いなのか? |
| ロイド | ああ。というか、何でエミルが調査隊の街にいるんだ…? |
| エミル | 調査隊の一員として、警備の任務についてるんだよ |
| エミル | ロイド達は、どうしてここに…? |
| ロイド | 俺は、調査隊の本部から連絡を受けてここに来たんだ |
| ロイド | 街で小競り合いが起こってるから、警備に協力してほしいって |
| エミル | …!ロイドも調査隊に入ってたんだね |
| アリーシャ | ローエン殿から事情は聞いている。私達に出来る事があれば、言ってくれ |
| エミル | ローエンさんが…。人手が足りていなかったから、助かります |
| エミル | 今、街の各所で暴動が起こっていて…警備の人間だけじゃ、手が回らないんです |
| ロイド | 俺達も手伝うぜ!そのために、ここに来たんだからな |
| エミル | ありがとう…!僕はこれから、街の東側に向かうんだ |
| エミル | ロイド達は、西側の様子を見てきてくれないかな? |
| アリーシャ | 了解した。早速、向かおう |
| ロイド | ああ。また後でな、エミル! |
| エミル | うん!任せたよ、ロイド |
| scene3 | 小さな諍い |
| 街の男3 | ああ…イライラすんなお前の顔見てると、反吐が出る! |
| 街の男4 | それはこっちの台詞だ。さっきから難癖つけやがって! |
| 街の男3 | ああ?やるか?かかってこいよ! |
| ルカ | ど、どうしよう…!今にも殴り合いが始まりそうだよ…! |
| パスカル | あの人達、手に瓶を持ってる!危ないよ~! |
| エメロード | あの二人には、周りの様子が見えていないようですね |
| アイゼン | さっさと止めるぞ。他人の喧嘩に付き合ってる暇はないからな |
| アリーシャ | アイゼン!いきなり殴りかかったりはしないだろうな!? |
| アイゼン | …相手の出方による |
| ロイド | まずは話し合いで解決しようぜ。──ん?おい、みんな!あれ… |
| ??? | 喧嘩は駄目だよ! |
| 街の男3 | 何だ?お前 |
| 街の男4 | ガキはすっこんでろよ! |
| ??? | こんな街中で暴れたりしたら、危ないよ。誰かが怪我をするかもしれない |
| 街の男3 | お前には関係ねえだろ! |
| アイゼン | あいつは…! |
| アリーシャ | いけない…!このままでは、あの子が危険だ |
| ロイド | 行くぞ! |
| | |
| 街の男4 | こっちは苛ついてんだ。さっさと行けよ |
| ??? | 落ち着いて。街の人達が、怖がってる |
| 街の男3 | うるせえな!早く失せろって言ってんだよ!一発殴らなきゃわからねえか!? |
| | ヒュッ── |
| ??? | …! |
| ルカ | あの人、瓶で殴る気だよ…! |
| アリーシャ | くっ、間に合わな── |
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| | ドカッ |
| | ドサッ |
| 街の男3 | ぐ…… |
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| ベルベット | まったく、急にいなくなったと思ったら…こんなとこで何してるの?フィー |
| ??? | ベルベット!ありがとう、助かったよ |
| ロイド | あれは…!ベルベット…!? |