NameDialogue
ルカはあ…
パスカルあれー?元気ないね、ルカ?
ルカそりゃ元気だってなくなるよ…。僕達、今どこにいるのさ?
パスカルんー…、わかんないね!
ルカわ、わかんないって…。どうするんだよ、もう…
ロイドまあ、気にしたって仕方ないだろ?もう迷っちまったんだからさ
ルカロイドはいいよね…。僕はそんな風に考えられないよ
ロイド気にしすぎるなって!肉でも食べて、元気出そうぜ!ほら!
ルカあ、ありがとう…。むぐむぐ…
ロイドどうだ、美味いだろ?
ルカ…うん、美味しい
ロイドだろー?ここは水もきれいだし、そこら辺に食べられるものもある
ロイド食うには困らないと思うぜ。それに──
ロイドパスカルも頼りになりそうだしな!
ルカそうかな…本当に大丈夫?
ルカこの森はどこに進んでも、同じ場所に戻ってきちゃうような変な森なのに…
パスカルね、不思議だよね!?きっと何か仕掛けがあるんだと思う!それなら解く事も出来るはずだよ!
ルカそうだといいんだけど…
ロイドパスカルも肉、食うか?
パスカルありがと!でもちょっと待ってねー。今いいところだからさー
ロイドそれ、さっきからいじってるけど何なんだ?
パスカル森で拾ったものだよ。あたしもよくわからないんだよねー
パスカルアンマルチアの技術っぽいから、何となく動かせそうなんだけど…
パスカルここかな?ポチっと
ポチッ…!
パスカル…無理かー
ルカ…もしかして、それを直せばこの森を抜けられるって事?
パスカルどうだろうねー?
ルカえ、ええ~!?じゃあ何でそんな事してるのさ!
パスカルいやー、そこに機械があったら、いじってみたくなるじゃん?
ルカならないよ!それよりまず森を抜ける方法を──
ロイドでもまあ、絶対に役に立たないって決まったわけじゃないだろ?
ロイド何かの手がかりになるかもしれないし、それに──
ロイドサフィアに繋がってる、なんて事もあるかもしれないしな!
パスカルいいねーいいねー。そっちの方が夢があって楽しそう!
ロイドだよな!パスカル、頼んだぜ!
パスカル任せてー!サフィアへの道はあたしが切り開いちゃうよー!
ルカ……
ルカそんなに上手くいかないと思うんだけどな…
ルカはあ…
ルカどうしてこんな事に…
ある日、突然現れた伝説の島
古文書に記されたその島の名は──「アヴァロン島」
その島には、伝説があった
曰く、何でも願いがかなう。曰く、望むものが手に入る
曰く、必ず幸せをもたらす──
そんな夢のような宝があるという
宝の名は「サフィア」
アヴァロン中央に位置する塔──「エルピスの塔」の頂上にサフィアはさん然と光り輝いていた
しかしその塔は不思議な封印により、固く閉ざされていた。何者も寄せ付けないかのように…
そんな突如現れた不思議な島、アヴァロン島を四大国は共有地とした
幾多の戦乱を経て、平和協調の道へ大きく歩み始めた四大国は、島を協同で調査する事にしたのだ
それはサフィアの入手や島の調査を目的としつつも、何よりも平和的な催しとして──
各国は広く調査隊を募集し、塔の封印を解きサフィアへの道を開いた者に報酬を与えるとした
地位も、名誉も、お金も、望むものが何でも与えられる
夢のような報酬に人々はこぞって調査隊に入り、アヴァロンへと向かったのだった──
「アヴァロンに眠る輝石」編
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ルカわあ…!突然現れた無人島って聞いてたけど…アヴァロン島って、栄えてるんだね
スパーダ式典会場になるこの辺と、港だけって話だぜ?まだほとんどは未開の地らしいな
スパーダ四大国が平和に向けて手を取り合った記念の式典だ。見えるとこだけでも、小綺麗にしとこうってとこだろうよ
ルカそっか…。じゃあ、やっぱり一歩外に出たら…
スパーダおう、心配すんなって。調査隊員ルカがこれから行く場所は、大冒険の匂いがプンプンする場所だぜ
スパーダ光の差さねェ昼でも薄暗い森とか、溶岩流れる山の洞窟とか…せいぜい死なねェよう気を付けろよ!
ルカうう…。やっぱり僕に調査隊なんて無理だよ…
スパーダヒャハハハハ!ビビりすぎだっての!新しい服が泣いてるぜ
スパーダ調査隊に入るなら、やっぱそんくらいビシッとした格好じゃねェとな!
ルカスパーダが勝手に応募したんじゃないか…。服をくれたのは嬉しかったけどさ
ルカ式典に招待されたスパーダの付き添いをして、すぐ帰るくらいのつもりだったのに…
ルカ喧嘩したまま家出同然で出てきちゃったから父さんも母さんも心配してるかも…
スパーダ…何だよ、父親との喧嘩、まだ引きずってんのか?
ルカうん。勢いでこんなところまで来ちゃったけど、本当にこれでよかったのかなって…
ルカ喧嘩がしたいわけじゃなかったのに。父さんともっとちゃんと話せてたら…
スパーダ過ぎた事ウジウジ悩んでたって仕方ねェだろ?
スパーダお前にはやりてェ事があって、それが父親の望むものとは違った。ただそれだけの事じゃねーか
ルカうん、それはそうなんだけど…
スパーダあー、煮え切らねェ奴だな!
スパーダいいか、ルカ。この島にはすげェお宝があるんだぜ?
スパーダエルピスの塔の頂上に光るサフィア。具体的にどんなもんかは全然わかってねェらしいが…
ルカうん、サフィアの恩恵で、飢えも病気もなく幸せだった。そんな言い伝えはあるみたいだけどね
スパーダとにかくすげェもんって事だ。だってよ、四大国が何でも望みの報酬を与えるなんて言い出すんだぜ
スパーダ何でも!望みの報酬を!だぜ!?それに比べりゃお前の悩みなんて、何でもねェって
スパーダ塔の封印を解く手柄を立てて、お前の夢も実家の事も全部解決しちまえばいいじゃねェか!
スパーダそうしたらお前の父親だって、お前の事見直すんじゃねェの?
ルカうん、そうだね
ルカサフィアを手に入れる。それが出来るくらい頑張れば、僕も少しは、変われるかな…
スパーダお!お前もわかってきたじゃねェか。もっと前向きに行こうぜ、前向きに!
スパーダもうここまで来ちまったんだ。腹くくって楽しめよ
スパーダ島に着いた日は自由に動けるんだろ?エルピスの塔でも見に行ってこいよ。今日から一般公開してるって話だぜ
ルカうん。塔までの道の整備と安全確保が出来たから、観光客の立ち入りも許可されたみたい
スパーダま、オレはこれから貴族同士の面倒なお付き合いって奴でお前にはついてけねェんだけどな
ルカえ、今から別行動って事?知らない土地に一人…不安だな…
スパーダ新米調査隊員ルカの初めての冒険にはちょうどいいんじゃねェか?ヒャハハハハ!じゃあ、またな~!
ルカちょっと、スパーダ!待ってよ!
ルカ……
ルカ行っちゃった…
ルカはあ…
ルカけど、見に行くだけ行ってみようかな
ドン!
アイゼン……
ルカあっ…!?す、すみません!大丈夫ですか!?
アイゼン…!お前…
ルカどうしました?
ルカ…!もしかして怪我でもしたんですか!?
アイゼンお前…俺が見えるのか?
ルカえ…?はい、見えますけど…?
アイゼン何だと?いや、見えてるのはこいつだけかも知れん…
アイゼン…おい、そこのお前
通りすがりの男えっ、私ですか?
アイゼン見えている、か…。何でもない。悪かったな
アイゼンちっ…厄介だな…
ルカあの、どうかしたんですか…?
アイゼンいや、気にするな。じゃあな
ルカえ?あ、あのちょっと──
ルカ何だったんだろう…?自分が見えるか、なんて…
ロイドうわー!ここがアヴァロン島なんだな!
コレットすごいにぎわってるね!お祭りみたい!
ロイド実際お祭りみたいなもんだろ。記念式典はあるし、塔も見学に行けるようになったしな
コレットそっか、そだよね。私もこれから予定がなければ、塔を見に行けたのにな…
ロイドまあ、国の仕事じゃ仕方ないって。神子として招待されてる以上、そう自由には動けないよな
コレットうん…。しばらく自由行動はあんまり出来ないかも…。ロイドはどうする?塔を見に行く?
ロイドへっ?俺も別にどこかに行くつもりはないぞ?
ロイドコレットのそばにいるのが、護衛としての俺の仕事だからな
コレットロイド…ありがと
ロイドへへっ…
コレットでも、私の事は気にしなくてだいじょぶだよ
ロイドえっ?何でだよ
コレットだってロイド、島に来てから、ずっとそわそわしてるよ。本当はいろいろ見て回りたいでしょ?
コレットせっかくの機会なんだから、見てこなきゃ損だよ
ロイドコレット…いいのか?
コレットうん!一緒に行けないのは残念だけど私の分までいろいろ見てきて、話を聞かせてくれたら嬉しいな
ロイド…わかった!任せとけ。ありがとな、コレット!じゃあ、また後で会おうぜ!
コレットえへへ…。楽しみに待ってるね、ロイド
ロイドさて、と。塔への道はこっちだよな…
ロイドしかしすごい人だかりだな…。道いっぱいに人がいるぜ。──ん?
街の男1お前!今ぶつかってきただろ!
街の男2ぶつかってきたのはそっちだろ?ふらふら歩きやがってよお!
アリーシャ君達!それ以上のもめ事は止めないか!
街の男1うるさい!すっこんでろ!
街の男2そうだそうだ、邪魔するな!
アリーシャくっ…言ってもわからないか…。それならば──
ロイドちょっと、待てって。お互い落ち着こうぜ?
アリーシャ君は確か…。ロイド・アーヴィング…?
ロイドそう言うお前は…アリーシャか?アリーシャ・ディフダ!そうだろ?来てたんだな
ロイドっと、話は後だな。ここは俺に任せてくれ!
ロイドおい、二人共
街の男1あん?
街の男2何だ?
ロイド今日はエルピスの塔が見れるようになった記念の日だろ?
ロイドそんな日にいがみ合ってたら、全然楽しめないじゃないか
ロイドここはお互い謝って、スッキリした気持ちで楽しもうぜ!
街の男1…確かに、イライラしすぎてたかもしれないな…悪かったよ
街の男2いや、こっちこそ悪かったよ…
ロイドよーし、これで大丈夫だな!
アリーシャすまない。助かったよ
ロイドまさかこんなところで会うなんてな。アリーシャは記念式典に出るために来たのか?
アリーシャああ。式典当日は来賓側だが…。今は騎士として、警備の任務についている
アリーシャ人がたくさん集まれば、今のような問題も起こってしまうし、海賊が島を狙っているという話も聞く
アリーシャそれに魔物が出ないとも限らない。塔の周辺やそこまでの道の安全を確保するのが私達の任務だ
ロイドつまり、アリーシャ達のお蔭で、調査隊じゃなくても塔を見に行けるようになったわけだな
アリーシャ道を切り開いたのは私じゃない。その功績を無駄にしないためにも、きちんと警備をしなければならない
アリーシャだから、さっきのようないさかいを収めるのも私達の仕事なのだが…。丸く収めてくれてありがとう、ロイド
ロイドいいって。ドワーフの誓い第二番。「困っている人を見かけたら 必ず力を貸そう」だ
ロイドそれより、このお祭り騒ぎだ。アリーシャももっと力を抜いて、楽しんでもいいんじゃないか?
アリーシャいや、私には警備の任務がある。塔周辺の警備担当だから、今は持ち場へ移動しているところさ
ロイド何だ、目的地は一緒じゃないか。俺も塔を見に行くところなんだ。一緒に行こうぜ
ロイドこの島について知ってる事、いろいろ教えてくれよ。移動中の世間話くらいいいだろ?
アリーシャまあ、それくらいなら…。では、一緒に行くとしようか。案内するよ
ロイドこれが塔か…。近くで見ると、本当にでけーな…
アリーシャああ。それに不思議な感じだ…
アリーシャ塔から溢れ出る神秘的な力…これもサフィアの影響かな?
アリーシャさて、私はこのまま警備の持ち場に行かなければならないが…ロイドはどうする?
ロイド俺はもっと近くで見て来るよ
アリーシャそうか。それじゃあ、また
ロイドおう!警備頑張れよ!
ルカうわあ…大きい塔だな。上にあるのがサフィアかな…?
ルカこんな遠くからでも、光ってるのがわかる──
パスカルあれがエルピスの塔なんだ。すごーい!大きい!
ルカうわっ!?君、いつから隣に…
パスカルそれに、あの頂上にある光!サフィアって本当に光ってるんだ!
パスカルね!ね!すごくない?すごいよね!?
ルカう、うん…そうだね
パスカルいやー、これは何としても塔の秘密を解かないとね!そんでサフィアを手に入れないと!
パスカルもっと近くで見てみようよ!
ルカ何で手を掴んで…じゃなくて、いや、僕は──
パスカル…あ、ごめんごめん!あたし、パスカル!
ルカえ?あ、えっと、僕はルカ…
パスカルルカだね!オッケー!よろしく~
パスカルんじゃ、しゅっぱーつ!
ルカええ!?ちょっと!ねえ!ねえってば!全然意味がわからないよ…!
ルカ手を離してよ~!
パスカルうーん、押してもびくともしないなー
ルカねえ、パスカル…さん?警備の人が見てるよ?止めた方がいいんじゃ…
パスカル大丈夫大丈夫!他の人も結構ベタベタ触ってるし。あとあたしの事は呼び捨てでいいよ~
ルカう、うん…。…本当に大丈夫かな…?
パスカルルカ、ちょっといい?
ルカな、何…
パスカルちょーっと手伝ってくれない?
アイゼン……
アリーシャそこのあなた
アイゼン…俺の事か?
アリーシャそうだ。森に入ろうとしているように見えたのだが…
アリーシャこの先に入れるのは、調査隊のみとなっている。あなたは調査隊員か?
アイゼン……
アリーシャそうでないなら入るのは認められない
アリーシャこの森には魔物もいるし、未知の脅威もあるかもしれない。どうか理解してほしい
アリーシャもしどうしても森に入りたいならば、正規の手続きを経て調査隊に──
アイゼン悪いな。それは聞けねえ相談だ
アリーシャあっ、待て!
ルカうわわあ!?ちょ、ちょっと~!
パスカルんもー、ぐらつかないでよー
ルカそ、そんな事言ったって、肩車なんてやった事ないし…
パスカルほらほら、しっかり立たないと見えないよ!
ルカう、うう…
パスカルんー、上の方にもこれってものはないか…
パスカルあれ?あっちの方に…
ルカう、うわああ!急に横に行かないでよ!
パスカルえ?──ちょっ、うわあっ!?
ルカた、倒れる~!
ドサッ!!
ルカいてて…
ロイドなあ、お前ら、何やってるんだ?
ルカあっ、ご、ごめんなさい!すぐに避けますから…
ロイドいや、別に俺は警備でも何でもねーしな。そんな緊張しなくていいって
ロイド何か面白そうな事やってんなー、って思ってさ
ルカそう、だったんだ…
ロイド俺はロイド・アーヴィングって言うんだ。お前らは?
パスカルあたしはパスカル!よろしく~!
ルカあ、僕はルカ・ミルダ。よろしく、ロイド
ロイドそれで、肩車までして何を調べていたんだ?
パスカルふっふっふ~、勿論、塔の封印を解き明かそうとしていたんだよ!
ロイドへえ、何か手がかりはあったのか?
パスカルそれがなかったんだよ~。だから、今度はあっちの方を調べてみよっかってね!
ロイドそっちに何かありそうなのか?何を探せばいいか教えてくれたら、手伝うぜ?
パスカルんっとね~。ビリビリ~!ビャー!みたいな奴があるはずなんだよね~
ロイド何だそりゃ?全然わからねえよ…
ロイド何て言うか、変な奴だな。お前の知り合い
ルカえっ!?別に、僕は彼女とは──
警備兵1おい、そっちにあいつは行ってないか!?
警備兵2いや、こっちはいない!向こうの森の方を見てくれ!
ルカ何だろう?誰かが森の中に入ったみたいだ。結構大きな騒ぎになってる…
パスカルうーんと、ここがこうなってるから…
ルカねえ、聞いてる?怪しい人がいるらしいよ──
パスカルよっし、わかった!
パスカルこっちだよ!早く行こう!
ルカえ?そっちは森だよ?危ないよ!
パスカル平気平気!
ルカちょっと、パスカル!?行っちゃった…どうしよう…
ロイド追いかけないとまずいんじゃないか?警備の人は別の騒ぎで大変そうだし、このままだと行方不明になっちまう
ルカえ、で、でも…まずは警備の人に…──って、見失っちゃう…!
ルカほっとくわけにもいかないし…
ルカ…うん、行こう!