NameDialogue
scene1面影
リッドさて、ルナの暴走も鎮まった事だ。そろそろバチカルへ戻るとしようぜ
ミラそうだな。もう心配はない事を街の人達に伝えてやらなければ
エステル
フレンエステリーゼ様、どうしましたか?
エステルあ、はい。見てください。ここからだとバチカルの街がすごくよく見えるんです
カノンノ本当だ。きれいな街並み…
フレン何とか僕達が街を出た時以上の被害を出さずに済んだようだね
アスベルそうだな…
エステルバチカルへ戻ったら、インゴベルト六世陛下にも、謝罪しなければなりませんね
エステルいきなり飛び出したりしてしまって、ご心配をおかけしているかもしれませんし…
リタなら、ルークを連れてったら?こんなんでも一応、国王の甥だし
ルークこんなんでも、は余計だっつーの!
エステルふふ、大丈夫ですよ、リタ。自分のした事のけじめは自分でつけるつもりですから
リオンとにかく、ここに留まる理由はもうない。行くぞ
アスベルそうだな、では行こう。みんな、足元には注意してくれ
scene2面影
カノンノ…ふう。無事に山を下りて、街に戻って来られたね
アスベル街の人達の混乱ももう収まっているみたいだな。少し安心したよ
ティアルーク!
ルークおう、ティア。救護活動は上手くいってんのか?
ティアええ。光の雨が降らなくなったから本格的に活動を始めているわ
ティアところで、あなた達が戻って来たという事は大精霊の暴走は鎮められたのよね?
リッドああ、安心してくれ。そっちの心配はもういらねえ
リオングーベック山にいた大精霊ルナは、正気を取り戻した。この街が再び光の雨の被害に遭う事はない
クラースルナ…月の大精霊か。任せたのは確かだが、やはりこの目で見てみたかったものだな
スタン…にしても、さすがだな!みんななら絶対何とかしてくれるって信じてたよ
ミラルナの暴走を鎮められたのはリタとエステルの活躍があったからだ
ミラ二人がいなければ、あのままルナを取り逃がしていたかもしれない
ティア何はともあれ全員無事で本当によかったわ。バチカルを守ってくれてありがとう
ティア…じゃあ、早速だけど私は陛下の元へ向かうわ。事態の収束をご報告しないと
エステルわたしもご一緒させていただいて構いませんか?ちょうど国王陛下の元へ伺おうと思っていたので…
ティアわかりました。ご案内いたします
フレンアスベル、僕はエステリーゼ様に随行する
アスベルああ、わかった。大精霊の事は俺達に任せてくれ
フレンすまない、健闘を祈るよ
アスベルありがとう、そっちもな。エステリーゼ様を頼む
エステルリタ、それじゃここでお別れですね
リタえ?あ、ああ、そうね
エステル…無茶は駄目ですよ?
リタそりゃあたしのセリフ!あんたこそ気をつけなさいよ。後先考えないですぐ突っ走るんだから
エステルはい、わかりました
ティアルーク。あなたの事は、私から陛下にお伝えしておくわ
ルークおう、頼むぜ。大精霊の暴走を鎮めてる事ちゃんと伝えてくれよな
ティア…みんな、彼が調子に乗って無茶をしないように見てもらえると助かるわ
アスベルああ、任せてくれ。ルーク、団体行動だぞ?
ルークあのな、人をガキ扱いすんじゃねえっつーの!
リッドさてと。オレ達も、次の大精霊のところへ行かないとな
クラースよし、今度こそ私はお前達と共に行くからな
女の子お兄ちゃん!無事だったのね!ずっと捜してたのに一体どこに行ってたのよ!?
スタンうわっ!ごめん、リリス……じゃないな。ええと、君は?
女の子ご、ごめんなさい!私の兄に後ろ姿が似てたから…。じゃあ、やっぱりお兄ちゃんは…
スタン君の兄さんがどうかしたのか?
女の子閉じ込められたかもしれないの!街の人達の話だと、崩れた家があるって聞いて…
女の子これだけ捜しても見つからないならもうそこしかないの…!お願い、手伝っていただけませんか!?
スタン何だって!?わかった、すぐ行く!
スタン…みんな、ごめん。俺はもう少しここに残って街の人達の手助けをしようと思う
ミラスタン…。そうだな、光の雨が止まったとはいえまだ街の一角はこの状況だ
ミラお前さえ構わないなら、その方が、街の人々からしても心強いかもしれないな
スタンああ、俺はそうしたい。むしろ、何て言うか…放っておけないんだ
スタンさっきの子、リリスに似てたのもちょっとあるかも知れないけど、俺はこの街のみんなを助けたい
カノンノリリス…さん?
リオン…スタンの妹の名だ
アスベル妹…!じゃあひょっとして、ルイニス街の氷に…
スタン…うん。そうなんだ
カノンノそんな…。初めて聞いたよ
スタンルイニス街の氷は俺の力じゃどうにもならないから…かな。あまりみんなに話したくなかったんだ
スタンルイニス街で何も出来なかったから…だからこそ、俺の力で助けられる人がいるなら、助けたい
スタン勝手ばかりでリオンやみんなには悪いけど、俺──
リッドいや、別に全然悪くなんかねえよ。街の人を助けてやりてえのはオレ達だって同じだしな
スタンありがとう、リッド。でも、大精霊の事も早く何とかしないといけない
スタンバチカルみたいな被害に遭う人達をなくすためにも…。みんなにこの先を託したいんだ
ルーク…考えたら俺こそ残んなきゃなんねーのに何つーか、その…ありがとな
スタンそう言ってもらえると、気が楽になるよ。この街は、俺に任せてくれ!
スタンリオン、勝手言ってごめんな?後で必ず追いかけるからさ
リオン…別にお前が、どこで何をしようと僕には関係ない
リオン後になって、来る来ないも僕が知った事か。好きにしろ
スタンははは。リオンらしいな。…じゃあみんな、大精霊の事は頼むよ!またな!
リタホント相変わらずね、あんた。また後で会おうって、素直にそう言えばいいのに
リオン…ふん。お前とルークには言われたくない台詞だな
ルークおい、待てよ!何でそこで俺の名前が出るんだよ!
リッド…やれやれ。人数減っても会話の内容は変わらねえなあ
カノンノ仲良くなったって事だよ!ほら、言うでしょ?喧嘩するほど仲がいいって
アスベルはは、そうだな。よし、じゃあ俺達もそろそろ──
街の男ひいぃ、助けてくれ!
クラースむ…?何事だ?
ミラ…!見ろ、向こうに魔物が!
ルークくそっ、おい!魔物のくせにでかい顔すんじゃねえ!
scene1邂逅
リッドで、次はどこへ行けばいいんだ?
クラース救護活動を手伝っている時に、街の人間にも話を聞いてみたが、めぼしい情報は得られなかったな
アスベルそうか…。ミラ、大精霊の気配は感じないのか?
ミラ先ほどから探ってはいるのだが近くにはいないようだ
ミラ少し待ってくれ。意識を集中し、さらに遠くまで大精霊の気配を探ってみる
クラース相変わらずすごいな、ミラは。出来る事ならその能力、私にもわけてほしいところだ
ルーク何だよ、クラースは出来ねえのか?お前も精霊が好きなんだろ?
クラース残念だが興味と素質は別の話だ。ミラと私では素質に格段の違いがあるからな
ミラ
ミラ…!見つけたぞ
リッドどこにいるんだ?
ミラああ。南東の方角から、大精霊の気配を感じる
ミラ伝わってくる気配の感じからすると、ここからかなり距離はありそうだ
リタ南東って事はシルヴァラントの方って事よね
アスベルとにかく南東へ向かってみよう。大精霊に近づけばミラが場所の特定をしやすいだろうし
ルークだな。…にしても、大精霊ってのは一体どんだけいるんだ?
ルークこれまでも結構な数の大精霊を元に戻して来たけど、終わりが見えねえっつーか…
ミラそうぼやくな。ここまで私達がやって来た事は、確実に成果となって表れている
ミラマナの減少速度も、以前よりずっと緩やかになったし、自然の均衡も元に戻りつつある
アスベル異変が収まりつつあるようだと俺も思っていた
アスベル頻繁に起きていた地震も少なくなって来ているしな
リタそうは言っても、暴走したままの大精霊が残っている以上、ここで止めるわけにはいかないんでしょ
カノンノうん、そうだね。他の大精霊もみんな助けてあげないと
リオン何はともあれ先に行くぞ。ミラ、場所の特定を急げ
ミラ勿論だ
scene2邂逅
リタそれにしても、バチカルって案外広い街なのね。メルトキオと比べても負けず劣らずだったわね
ルーク言ったろ、バチカルは大都会だって。メルトキオなんかと一緒にすんなっつーの
アスベルそろそろシルヴァラント領内に入ったはずだが…
リオンああ。ここはメルトキオ近郊の森だ
ルーク
ミラむ?どうかしたのか、ルーク。何をそわそわしている?
ルークべ、別に、そわそわなんかしてねーよ
ルーク
リタ思いっきりしてるじゃないの、落ち着きないわね。何か気になる事でもあるわけ?
ルークだから、何でもねーって!
カノンノルークはミュウの事が心配なんだよね?
ルークあ…ち、違うっつーの!むしろ、ブタザルの事なんかすーっかり忘れてたっつーの!
リタわざとらしい…
カノンノせっかく近くまで来てるんだし少し様子を見に行ってもいいんじゃないかな?
ルーク…いい。ジーニアス達がついてるはずだし、それに…今は大精霊を見つける方が先だろ
アスベルルーク…。そうだな、早く──
???きゃあっ!?
クラース何だ!?今の悲鳴は…
ミラ女の声だったな…
アスベル魔物に襲われているのかもしれない。行ってみよう!
リオン待て、アスベル!
アスベル…!
ガルルルル!
リッドげっ、マジで魔物が出やがった!
ルークこいつがさっきの悲鳴を上げてた奴を襲ったのかよ?
クラースいや、悲鳴が聞こえたのはもっと遠くの方だった。この魔物はおそらく関係ないだろう
リタとにかく、さっさと片付けるわよ!
アスベルああ!
scene3邂逅
リッドったく、魔物に足止めされたお蔭でとんだ時間を食っちまったぜ…
アスベルさっきの悲鳴は確かこの辺りから聞こえたはずなんだが…
カノンノ見て!あそこ!
ミラあれは…ミントにジュードではないか!何故こんなところに…
クラースおーい、ミント、ジュード!
ジュードえ?クラース…?それにミラも!
ミントお久しぶりです、みなさん
カノンノさっき、こっちの方で悲鳴が聞こえて駆けつけてきたんだけど…ひょっとして、今のって…
ミントあ、私です。薬草を採っていたら、いきなり魔物が出て来て…
ジュードでも、魔物の方は倒したから、もう大丈夫だよ
ミントみなさんに心配をかけてしまったようですね。すみません
クラースいや、構わんさ。誰も怪我をしていないなら、それでいい
リタそれはそうと、あんた達二人だけなの?
ルークそういや、確かバロニアで別れた時は、ガイや他の奴らも一緒だったよな
ミントあ、みなさんでしたら──…
ガイルーク!
ルーク何だ、いたのかよ。噂した途端に現れるとか、相変わらずだな、ガイ
ガイそういうお前こそ、変わりなさそうじゃないか。安心したよ
カノンノエリーゼ、ティポ、久しぶり!またこうして会えて嬉しいよ
ティポぼくもだよー!
エリーゼはい!わたしも嬉しいです
ファラリッド、ちゃんとみんなの役に立ってる?迷惑をかけたら駄目だよ
リッド迷惑なんてかけてねえよ。ファラこそ、まわりを見ずに突っ走ったりすんなよ?
アスベルよし、せっかく会えた事だ、お互いの情報を交換しておくか
リタそうね
ミント本当に聞いた通りですね。順調なようで何よりです
リオン聞いた通り、だと?
ガイああ、実は救援活動で各地を回っていた中で、みんなの話は耳にしてたんだ
ルーク俺達の話?誰から聞いたんだよ?
ジュードレイア達だよ
ミラレイア…?では、リンネル村へも行ったのか?
ファラうん!メルディとも会ったよ。そこで、ニブル湖の大精霊とか、みんなの活躍は聞いてたの
ジュードそれから徐々に地震も減ったし、亀裂の被害も聞かなくなったから、順調なんだとは思っていたけど…
ガイまさか既に5体もの大精霊を元に戻したなんてな。大したもんだ
ルーク任せろっつーの。残りの大精霊も全部元に戻してみせるぜ
ミラまだ油断は出来ない。先日のバチカルのような被害が、どこかの街で出ないとも限らないからな
ミントバチカル…。光の雨が降った、という話でしたね…
ガイなぁ、ジュード。俺達の次の目的地は、バチカルにしてもいいか?
ガイ被害が大した事なさそうとはいえそれでも非常時には違いない。きっと何か必要とされると思うんだ
ファラわたしもそう思う。行こう?バチカルならそう遠くないし!
ファラ大精霊はリッド達が何とかしてくれるでしょ?
リッド何とかって、お前なあ…
ガイそれに、やはり自分の街だけに気になるんだ。我がままなのはわかってるんだが…頼むよ
ジュードそうだね。きっと人手は多いに越した事はないだろうし。よし、じゃあ僕達はバチカルに行こう
エリーゼ決まり…ですね
ティポよーし!バチカルへゴーゴー!
ミントみなさん、ちょっと待ってください。そういえば、アルヴィンさんの姿が…
リオン
ミラそうか、アルヴィンも同行していたのだったな。どこへ行ったのだ?
エリーゼ野暮用がある…とか言ってましたけど…
ティポせっかく気分が盛り上がったのに、何だよもー!アルヴィン君のバホー!
ジュードアルヴィン…一体どこへ行ったんだろう…?
リオン
scene1頼れる仲間
リドウ──これだけ言っても本当に気は変わらないのか?
アルヴィンったく…。おたくも大概しつこいねえ
アルヴィン何度言おうが、俺の答えは同じ、お前の悪趣味に付き合う気はさらさらないね
リドウ…ふうん、相変わらず食えない奴だね。ま、それならいいけど
リドウ滅びゆくこの世界と運命を共にしたいって言うなら止めはしないさ。じゃあな
アルヴィン待てよ
リドウ
アルヴィン俺達が今何をしているか、お前はよく知っているはずだ
リドウ何が言いたいのかな?
アルヴィン俺達と相反する行動をしているお前を俺が大人しく見逃すと思うのか?
アルヴィン…お前とは、気付けばそれなりに古い付き合いになるが、それも今日までだな
カチャ…
リドウおいおい、そんな物騒なものをこっちに向けないでくれよ
リドウ何より、俺をここで殺しても意味ないぜ
アルヴィン…どういう意味だ?
リドウ俺一人を殺したところで、世界が死ぬ運命は変えられないからだ
アルヴィンお前以外にも、同じような事を企んでる仲間がいるって事か?
アルヴィンだが、ここでお前を殺さないでいい理由にはならないな
リドウなるほど。確かにそうだな
リドウ…だけど、俺が死んだら困る奴がいるんだよね。それも君の知り合いに
アルヴィン何?
リドウ「みんなの頼れる仲間」に対して君が今みたく銃を向けられるとは俺には到底思えないがな
アルヴィン…!
リドウほら、隙が出来た!
アルヴィンつっ…!
リドウ歴戦の傭兵さんでもさすがにうろたえちゃったみたいだね
リドウせいぜい気をつけなよ。特に背中には、ね
アルヴィン…!!待て、リドウ…
アルヴィン逃げ足の速い奴だ…
ジュード本当に、どこに行っちゃったのかなアルヴィン…
リオンあの男が戻って来るまで、僕達が待っている必要はないだろう。…行くぞ
リタそうね。いつまでもこんなところで時間を無駄には──
ファラあ、戻って来たよ!
アルヴィンおーおー、これはこれはみなさんおそろいで
ティポアルヴィン君、遅いぞー!
エリーゼアルヴィン…!今まで何をしていたんですか
アルヴィンあれ?さっき野暮用だって、エリーゼ姫に伝言しなかったっけか?
ガイ野暮用にしたって、少々長すぎるんじゃないのか
ミントあまりにも帰って来ないものですから何かあったのかと心配したんですよ
アルヴィン悪い悪い。ほら、この通り何ともないさ
リオン
アルヴィン
アルヴィン何だ、リオン?俺がいなくて寂しかったのか?
リオン…僕に馴れ馴れしい口を利くな。目障りだ
アルヴィン何だよ、一緒に旅した仲じゃねえか。相変わらずつれないねえ
カノンノリオンとアルヴィンさんって仲がよかったんだね
ミラ仲がいい、か…。アルヴィンが一方的に仲良くしているといったように見えるが…
アルヴィンおいおい、ミラ。そりゃねえだろ
アルヴィン…ま、とにかくこうしてまた会えて、よかったよ。ひとまず安心したぜ
リオン
クラースあの二人、何かあったのか?
アスベルクラースさんもそう思いますか?何だか急にリオンがピリピリし出したというか…
ジュードアルヴィン、僕達はこれから、バチカルへ向かおうと思うんだけど
アルヴィンへいへい。ミラ達も一緒か?
ミラいや、私達は大精霊の気配を追い南東の方角を目指す。バチカルとは反対だな
アルヴィンそうか…
アルヴィン…じゃあ俺も、ここからはミラ達について行くとしようかね
リオン…!
アルヴィン各地の被害も収まりつつあるし、ここからは大精霊の方に力を入れた方が──
リオン断る。お前はジュード達とバチカルに行け
アスベル…リオン?
リオンこっちの人手は十分足りている。お前はミントの用心棒だっただろう?それを投げ出す気か?
ガイああ、そう言えばそんな話だったな。駄目じゃないか、職務怠慢だぞ
ガイさっきだってジュードがお前の代わりしてたんだからな
リオン
アルヴィンそういえば、そうだったわ。悪ぃ悪ぃ。じゃあ、俺はバチカル組だな
アルヴィン…で、いいんだよな、リオン?
リオン
ジュードよし、そうと決まったら僕達は早速バチカルへ向かうよ。お互い頑張ろうね!
アスベルああ!街にいるスタンやティア達にもよろしく伝えてくれ
ガイわかった。それとルーク、あまり無茶するなよ?
ルーク言われなくてもわかってるっつーの!
カノンノじゃあみんな、気をつけてねー!
リッドあいつらは行ったみてえだな。じゃ、そろそろオレ達も行くか
クラースそうだな
リオン
アスベル
scene2頼れる仲間
シェリアう…
ルビア…!
シェリアここは…?
ルビアよかった、目が覚めたのね!
シェリアあなたは…?
カイウス目を覚ましたって!?
ルビアこら!女の子が寝てるところにノックもなしに入って来るなんて、サイテーよ、カイウス!
カイウスうわっ、ごめん!後で出直すよ!
トントン
カイウス…ちょっと時間あけたけど、どうだ?入っていいか?
ルビアさっきは突然でごめんなさい。カイウスを入れても構わない?
シェリアえ、ええ。どうぞ…
ルビアあたしはルビア・ナトウィック。こっちのうるさいのは、カイウス・クオールズよ
カイウスうるさいは余計だよ
シェリア私はシェリア…シェリア・バーンズよ
ルビア具合はどう?
シェリアええ、大丈…つっ…!
ルビアあ、無理はしないで!まだ怪我は治ってないんだから
カイウスルビアと一緒に森を抜けようとしていた時に、あんたが倒れているのを見つけたんだ
カイウス近くが崖になってたから、そこから落ちて来たんだろうなって
シェリアそういえば…
ルビア呼び掛けても全然目を覚まさないから心配になって、近くにあったこの村まで運んで来たのよ
シェリア村…?
カイウスここはトーティス村ってとこらしい。オレ達は初めて立ち寄ったんだけど…知ってる?
シェリアここがトーティス村…。名前は知ってるけど、来るのは私も初めてだわ
シェリア確か、少し前に自国の騎士団に襲われて…。たくさんの人が犠牲になったって…
ルビアうん…。だけどね、みんな立て直すために頑張ってるんだって
ルビアこの宿屋のおばさんも、通りがかる旅人や商人が休めるようにって無理して続けているみたい
ざわ…ざわ…
シェリア…?何かしら。随分と外が騒がしいみたいだけど…
カイウスああ…何か変な仮面を被った奴が村の広場で演説をしてるんだよ
シェリア演説…?
カイウスまあ、オレは興味ないけどさ。そんな事より、シェリアが目を覚ましてよかったよ
シェリアごめんなさい、私のせいで。あなた達には他に用事があったんじゃない?
ルビアううん、気にしないで。あたし達は故郷へ帰るだけだったから
カイウスオレ達は旅の途中だったんだけど、大地震が起きたり、地面に変な亀裂が出来たりしただろ?
カイウスだから、少し心配になって故郷に帰ろうって話になったんだ
シェリアそうだったの…時間を取らせてしまったのね。ごめんなさい
シェリア私はもう大丈夫よ
ルビアでも…
シェリア心配してくれてありがとう。故郷や大切な人達を心配する気持ち、私にもわかるわ
シェリアきっと故郷の人もあなた達の事心配していると思うわ。だから、早く帰ってあげて
シェリアあなた達は命の恩人ね。助けてくれて、本当にありがとう
カイウスシェリア…
カイウス…わかった。じゃあお言葉に甘えて。行こう、ルビア
ルビアう、うん。それじゃあ…
ルビアシェリアはアスベルって人を捜してるんでしょ?見つかるといいわね
シェリア…!ど、どうしてアスベルの事を!?
カイウス気を失っている時に、何度もそのアスベルって奴の名前を呼んでたんだってよ
カイウスアスベル、どこなの…とか、どうか無事でいて…とか言ってたんだろ?だよな、ルビア
シェリアあ…
ルビアも、もうカイウス!余計な事言わないで!!
ルビアそれじゃあ、あたし達は行くね。怪我が完全に治るまで、無理しちゃ駄目よ
ルビアゆっくり休んでいいって、宿屋のおばさんも言ってたから
シェリアうん、ありがとう。あなた達も気をつけて行ってね
カイウスまた会おうな!
ざわ…
シェリアあ…また…
男の声何か、胡散臭い話だな。本当に財宝なんてあるのか?
女の声そんな眉唾物の話なんて信じられないよ…
男の声いや、でも財宝があるなら…
シェリア…何だか、あまりいい雰囲気じゃなさそうね。何の話をしているのかしら…
リタ──ジュード達、無事にバチカルに着いたかしら
リッドどうだろうな。道中何もなけりゃ、そろそろ着いていてもいい頃だろうが
リオン
アスベルリオン、ちょっといいか?
リオン…何だ?
アスベルアルヴィンと何かあったのか?
リオン…何故そんな事を聞く
アスベルお前達のやり取りを見ていて少し気になったんだ。不穏な空気だった気がして…
リオン…何もない
アスベルそうか…。だったらいいんだが、何かあればいつでも──
リオンお前には関係ない
アスベルリオン…
ルーク何だ、喧嘩か?
カノンノリオン、行っちゃったね。アスベル、リオンがどうかしたの?
アスベル…いや、大した事じゃないんだ。そんな事より先を急がなくちゃな
リタ……?
scene1閉ざされた扉
シェリアいたた…
シェリアうーん、ああは言ったもののやっぱりまだ少し傷が痛むわね…
ざわ…
シェリア…!あ、あれが噂の仮面の男…?
???──もう一度言う!国王やその取り巻きの言う事を、決して信じてはならない!
???あいつらは狡猾だ。甘言に惑わされてはいけない。自分以外はみんな敵と知れ!
???みんな知っているはずだ!戦争を止めると言った傍からあいつらは戦争を再開した!
中年の男そうだ…国王のやる事は、何も信用出来ねえ…
???国王はこの村の事など決して顧みはしない!
???何故なら、この村にした仕打ちを微塵も悪いと思っていないからだ
???真に村を復興したいと思うのなら国の助けにすがろうなどと思ってはならない!
???生き延びたければ自力で財を成せ!幸い、この村の近くには財宝が眠るとされる遺跡がある!
???この石を見るがいい。これこそがその遺跡の財宝に至る鍵だ!
???この村が受けた仕打ちを繰り返すのが嫌ならこれを使って力を掴むがいい!
若い女遺跡の鍵って…あんなのただの石じゃない…
中年の女どこへ行くんだい
若い男家に戻って、武器を探す。決めたよ。俺はシンクについていく
中年の女何を言っているんだい!?こんな話を信じるのかい?
若い男待っているだけじゃ駄目なんだ!遺跡の財宝があれば復興が出来るじゃないか
中年の男それにシンクは誰よりこの村の事を考えてくれている…!
中年の男2俺もついて行くぞ!
シェリアそんな…リチャード陛下はちゃんとこの村の事を考えてるわ…。どうしてこんな話をしているの?
チェスターみんな、こいつの妄言に、耳を貸すな!
シンク妄言とは、言ってくれるね
チェスター遺跡や財宝なんて嘘っぱちだ!あったらとっくに持って行かれてるぜ!
チェスターそれに、この村にはちゃんと国からの使者が来て、復興のために調査をしていったんだ!
チェスターみんな、こいつの話に耳を傾けるな!根拠なんかどこにもねえ!
シンクボクの言葉を信じるなって言うけどさ。アンタがそう言い切る根拠は何なのさ?
シンクボクは遺跡の場所を知っているし、こうしてその鍵も持っている。それが嘘だっていう証拠は?
チェスター何?
シンク国からの使者だって、形だけかもしれないし、それこそ偽者だったかもしれない
チェスターそんな事は…
シンクこの村がかつてどんな目に遭ったか、ボクは知っているよ。自国の騎士団に一方的に蹂躙されたんだ
チェスターそれは…
シンクアンタだって家族の一人くらい犠牲になってるんじゃないの?
チェスター違う…妹は…アミィは…
シンクそらみなよ。それなのにまだ、あんな奴らを信じて助けを待つって言うのかい?
チェスターくっ…
シェリアやめなさい!
シェリアどうしてあなたは、そうやって人の心を不安にさせる事ばかり言うの?
シェリア確かにこの村は、かつてとてつもない悲劇に見舞われたわ…
シェリア国王陛下は直接その事に関わってはいなかったけれど、自らの責任を痛感されている!
シェリアそして二度と同じ悲劇を起こさない事を誓って、平和の実現に向けて努力しているの
シェリア私は王都バロニアで、そうした努力を実際目にしてきた。嘘ではないわ!
シンクふーん、バロニアで実際に目にしてきた、ね。だから信じろってわけだ
シンクじゃあ、今この村の状況をどう説明するのさ。このどこが復興が進んでるっていうのさ?
シェリア今は…世界各地で起きた異変に一つ一つ対応されているわ!事態が落ち着けばきっと──
シンクどこでも、おめでたい奴ってのはいるもんだね…目障りだよ
チェスターおっと。手を出そうってのか?そうはさせねえ!
シンクフッ…
チェスター何っ!?
ガスッ!
チェスターうぐっ…!は、速すぎる…そんな、馬鹿な…
ドサッ!
シェリア大丈夫ですか!?しっかりしてください!
シンク粋がる割には大した事ないね
シンクさて、また邪魔されても面倒だ。この際、二人まとめて退場してもらった方がいいかもね
村の男シンク、この二人はまた騒がれないようにオレ達が連れてくよ!
シェリア…!
ルーク──あれ?もう日が暮れたのかよ?
リタそんなわけないでしょ、バカね。まだそんな時間じゃないわ
リオン日が暮れたのではない、これは霧のせいだ。辺り一帯に霧が立ち込めている
クラースしかも、ただの霧ではないぞ。闇のような、黒い霧だ…。これは一体…
ルーク霧?これ霧なのか?霧って白いモンだろ!?
アスベル視界が遮られるほどの「黒い」霧…。こんなもの、今まで一度も──
アスベル…もしかして、これは…!
ミラああ、大精霊によるものだろう。先ほどから、気配が格段に強くなっている
カノンノって事は、今度の大精霊は「霧」に関係する大精霊っていう事…?
ミラいや、これは霧ではなく、闇そのもの…。気配の主は、闇の大精霊シャドウだろう
クラース…シャドウか。そういう事ならこの状態にも納得がいく
ルークなら、早速そのシャドウって奴を捜そうぜ
リタ…見つからないわね
リッドシャドウの闇のせいで視界が悪いのも厄介だな
ルーク本当にここであってんのかよ?
ミラ間違いない。気配のありかはこの周辺、そう遠くはないはずなのだが…
カノンノあ…
リタカノンノのネックレスが光った!?って事は、やっぱり──
リオン…徹底的に周囲を捜索するしかなさそうだ
リッドでも、これだけ捜していねえのに、他にどこを──
アスベルおい、みんな来てくれ!ここに大きな岩がある!
ルーク岩?その岩がどうかしたのかよ?別に珍しくも何とも…
アスベルよく見てくれ。岩に割れ目があって、そこから下に降りられるようになっている
アスベルそれに、シャドウの闇もここから出ている
リタこの下に洞窟でもあるのかしらね
ミラ
ミラ確かにこの裂け目の奥から、気配を感じる
カノンノネックレスも少し光が強くなったみたい!
リオン…よし、降りるぞ
アスベルああ!
scene2閉ざされた扉
キキィィ…!
ルークうおっ!な、何だ今の!?
リッド落ち着けルーク、ただのコウモリだ
ルークな、何だよ…脅かすなっつーの!
リタそれにしても…ほんっと暗いわね、ここ。洞窟にしても妙にひんやりしてるし…
ミラそうだな。いかにもシャドウが好みそうな場所だ
アスベルみんな、足元に注意して進んでくれ。カノンノ、お前も気をつけて歩くんだぞ
カノンノうん、大丈夫!
カノンノありがと──…あっ!
リオンぼさっとするな
カノンノあ、ごめん。ありがとう、リオン
リッドこう暗くちゃ歩きづれえったらねえな…
カノンノあ…!
ミラこれは…大精霊、アスカとルナの力だな
カノンノふふっ、ありがとう!アスカ、ルナ!歩きやすくなったよ
ルークへへっ、こりゃ便利だな!
ミラむ…?
アスベルどうかしたのか、ミラ?
ミラ…どうやら、行き止まりのようだ
ルークマジかよ!?ここまで来て冗談だろ!
リタ…ちょっと待って。ここ、ただの壁じゃないわ。あれを見て
リオン…扉か
カノンノ本当だ、大きい扉…。でも、どうしてこんなところに扉が?
アスベル理由は見当もつかないが…ミラ、シャドウの気配はこの奥で間違いないか?
ミラああ、そのようだ
ルークだったら、早いとこ開けちまおうぜ。おいリッド、お前も手伝えよ
リッド仕方ねぇな…
リッド・ルークせーの!
リオン微動だにしていないようだが…
ルークおい、リッド!お前手抜いてんじゃねーぞ!
リッド冗談よせよ。オレは全力出したって
アスベル古そうな扉だし、傷んでいてそう簡単に動かないのかもしれない
カノンノだったら、全員で一斉に押してみようよ
アスベルああ、それがいい。じゃあ、行くぞ!せーの…!
リッドこのっ…!
ルークぐぬぬ!
ミラはぁぁっ!
リタ…駄目ね。やっぱりびくともしない
クラースどうやら力ずくで開けるのは難しそうだ。これは参ったな…
カノンノねえ、みんなちょっと見て。ここに変なくぼみがあるよ
アスベルくぼみ…?本当だ。…何だか不思議な形だな。人の手で作られたものみたいだ
リタ…扉の仕掛けを動かすためのものかしら
クラースもしそうだとするとそこにはまるものが鍵の役割を果たしそうだな
リタ専門外だから断言は出来ないけど、可能性はあると思……あれ?
ルーク何だ?どうかしたのかよ
リタよく見たら、この仕掛けと扉の意匠、何だか見覚えがある…
リタ…もしかして、ここってあの「封じられた遺跡」なんじゃ…
クラース「封じられた遺跡」だと?
リッドまさか!あれって単なる言い伝えじゃねえのかよ?
リオン…いや、現にこの扉は言い伝えのように、鍵で硬く閉ざされている。可能性としてあり得ない話ではない
ルークお前ら、俺にもわかるように話せっつーの!つーか、そんな話聞いた事ねーぞ
リタそりゃあんたは知らないでしょうよ。でもシルヴァラントじゃこれは割と有名な言い伝えなの
クラースシルヴァラントに?ああ、それでリッドやリオンは知っているというわけか
アスベルその「封じられた遺跡」っていうのは一体何なんだ?
リタこの大陸のどこかにあるという「人々の望むもの」が眠る遺跡よ
リタそれを持ち出される事を恐れた大昔のシルヴァラントの王が、遺跡ごと封じたって言われてる
リタただのおとぎ話みたいだけど、真面目な歴史書とか学術書にも言及があるんで気になってたのよね
アスベル人々の望むもの?それは一体何なんだろう…
ルークどうせ隠し財宝だとか、そういうもんじゃねーの?
ミラいや、そういった物質的なものではなく、特別な力のような目には見えないものかもしれんぞ
リッドま、何でも構わねえが、シャドウがこの奥にいるなら、まずこの扉を開く方法を見つけねえと
クラース…という事は、鍵となるものを探し出す必要があるが
カノンノ鍵なんて一体どこにあるの…?
クラース少なくとも、ここには落ちてないだろうな。そんな親切な話があるはずがない
リタそうね…ここをもっと調べてもいいけど…
リタもしここが本当に例の遺跡なら手間だけどメルトキオまで戻った方がいいかも
リタあそこの図書館なら文献も充実してるし、何か手がかりが見つかるかもしれない
リオン確かに、闇雲に探すより手がかりを見つけられる可能性は高そうだ
アスベルよし、メルトキオに戻ろう
ルークマジかよ。ここまで来て引き返すのかよ、ったりぃ…
リオン…やむを得ん。そうと決まれば、さっさとここから…
グルルル…
リッドおい、今のは──
ガルルル!
ミラ魔物か!
scene1仮面をつけた男
チェスターう…
シェリア…!
シェリア大丈夫…?
チェスターお前…
チェスターいつっ…ここはどこだ…?
シェリア広場近くの小屋の中。閉じ込められたの
チェスターそうか…
チェスター…さっきはすまねえ。割って入ったのに庇ってやれなくて…情けねえよ
チェスターあのシンクって奴の演説はオレが止めるべきだったんだ
チェスターあいつの取り巻き…あいつらは村の奴らなんだ…。お前を巻き込んで…すまねえ
シェリア助けてくれたんだもの、謝る事なんてないわ
チェスターオレはチェスター・バークライト。この村の住人だ。お前、そういや確か怪我をして…
シェリアええ、たまたま通りがかったカイウスとルビアって二人が運んでくれたと聞いたわ
シェリア私はシェリア。シェリア・バーンズよ
チェスターシェリアか。お前には感謝してるぜ
シェリア私に感謝?どうして?
チェスター村が襲われたのは事実だ。そのせいで妹も死んだ。国王を恨んでねえって言やあ、ウソになる
チェスターあいつの話を聞いている内に心の底にしまっていたはずのあの時の感情がどんどん溢れてきて…
チェスター
シェリアチェスター…
シェリアこの村がどんな目に遭ったか、私も聞いていたわ
シェリアあなたがそんな風に考えてしまうのも、仕方のない事だと思う
チェスターああ…でも、お前の言葉を聞いて完全に目が覚めたぜ。ありがとな
チェスターあいつは村の人々の悲しみを、利用している
チェスターつらい気持ちにつけ込んで財宝だなんだって言って村のみんなを煽っているんだ
チェスター遺跡の財宝の話で村のみんながバラバラになっちまって…。こんなんじゃ復興もままならねえ
チェスター財宝の話だって眉唾もんだ…。せっかくここまでみんなで頑張って来たってのに…
シェリアシンクが村の人達をいたずらに煽って村の復興の足止めをしているのだとしたら、見過ごせないわ
シェリアまずはここから脱出しないと…!全てはそこからよ
チェスターああ、そうだな
クラースメルトキオまで、あとどれくらいだ?
リッドあと半分弱ってとこじゃねえか?そう遠くないとは思うが
クラース…!まだ半分近くもあるのか…
リタちょっとクラース。何よ、まさかもう疲れたとか言うんじゃないでしょうね?
クラース…そのまさかだ。ずっと歩き──
???あー!!!
カノンノ…!な、何今の声…!?
アーチェリター!みんなー!久しぶりー!って、あれ、クラースも一緒じゃん!
リタアーチェ!?あんたこんなところで何してんのよ?
アスベルユーリ達は一緒じゃないのか?
アーチェそれがさ、ちょっといろいろあって今はあたしとクレスだけ別行動してんの
アーチェ…って、そうそう!そのクレスがいなくなっちゃったんだ~。みんな一緒に捜すの手伝ってよ!
ルークいなくなっただあ?どーせお前の方がうろうろしててはぐれたんじゃねーの?
アーチェ違うってば!ホント失礼しちゃう!
アーチェとにかく捜して!アーチェちゃんのお・ね・が・い★
クラース人使いが荒いな。やれやれ…
scene2仮面をつけた男
リッド見つけたぞ、クレスだ!
リオンあれは…
ガルルル…
クレスやああっ!
ギャウウッ!
クレスふう…
アーチェクレス!
クレスアーチェ!どこへ行ってたんだ。捜したんだぞ…って、あれ?
クレスアスベル達も一緒だったのか。君達がアーチェを見つけてくれたのかい?
ルーク見つけてくれた…?ははーん、そういう言い方するってことは、やっぱはぐれたのは…
アーチェあーもう!バカ!違うって言ってんでしょ!
ミラところで、お前達は何故ユーリ達と別行動を取っているのだ?
カノンノもしかして…喧嘩しちゃったとか?
アーチェ違う違う!ついさっきまで一緒にいたし、全然そういうんじゃないよ
クレス今は別行動だが、ユーリ達とは後で合流する手筈になっているんだ。その点は心配いらないよ
アスベルじゃあ、どういう事なんだ?
クレス偶然君達と再会して以来、僕達は引続き第三者の情報を追っていたんだ
アーチェその中でね、ある村に立ち寄ったの。そこで妙な光景を目にしてさ…
リタ妙な光景?
クレス…その村の人達は、みんなどこか様子がおかしかったんだ
クレス妙に疑心暗鬼な様子だったり、攻撃的になっていたり…
アーチェそれで、少し探りを入れてみたの。そしたら、仮面を付けた妙な男が村を訪れていた事がわかってさ
クレス詳しい事情はわからないけど、どうやら彼が村人達に何かよからぬ事を吹き込んだらしいんだ
クレスその男の名前はシンクと言うらしい
アスベル仮面の男…シンク…
カノンノ…ねえ、アスベル。ひょっとしてその人って
リオン心当たりがあるのか?
アスベルああ、俺とカノンノが出会って間もない頃に、仮面を付けた男に会った事があるんだ
アスベル彼は街頭に立って、人々を煽ったり不安に陥れるような演説をしていた
カノンノアスベルが必死に止めようと説得を試みたんだけど話を聞いてくれなくって…
アスベルその彼もシンクと名乗っていた…。仮面も付けていたし、行いからしてもおそらく同一人物だと思う
クレス…!
アーチェクレス、とにかく急ごう!早くトーティス村に帰らないと
ルークトーティス村?何だよ、急に。あの村がどうかしたのか?
アーチェさっきの話には続きがあって、その仮面の男、次はトーティス村に向かったって話なの
クレストーティス村は僕の出身地だ。先の事件でみんな、身体にも心にも深い傷を負っている…
クレスそんな彼らが、おかしな演説で不安を煽られでもしたら、と思ったらいても立ってもいられなくてね…
アーチェそれで、あたしとクレスは一旦トーティス村に向かうために別行動させてもらってたってワケ
カノンノそんな…
アスベル
リタただでさえこんな状況でみんなが不安を抱えてるってのに、本当最低ね、そいつ…
リッドとにかく、事情はわかった。お前達は早いとこトーティス村へ帰ってやれよ
クレスありがとう、リッド。そうさせてもらうよ
クレスじゃあ、僕達はこれで──
アスベルクレス、待ってくれ!
カノンノアスベル…?
アスベル俺は前にシンクに会った時、彼のやっている事を止める事が出来なかった…
アスベル彼が未だに、人々に不安や失望といった悪い影響を与え続けているんだとしたら…
クレスアスベル…。君のせいじゃない
アスベルいや、止められる機会があったんだ。あの時、彼を止めるべきだったんだ
アスベル…すまない、リオン、ミラ、リッド…俺もクレス、アーチェと共にトーティス村へ行く
アスベルシンクに、何の目的があるのかわからない
アスベルけど、行く先々でみんなを不安に陥れているのだとすれば
アスベル今、シンクを食い止めなければ、この先トーティス村や他のところでも混乱を招き続けるかもしれない
アスベルみんなは、あの扉を開ける手がかりを見つける事を優先してほしい
リオンだが──…
リッド別にいいんじゃねえのか?全員で動いたところで、オレ達はすぐシャドウに会えるわけでもねえし
リタそうね。遺跡の情報を集めるだけなら、あたしらだけでも問題ないわ
ミラ確かに、アスベルの言うように、人の心をかき乱すような者を放っておくのは危険だ
クラースふむ…同感だな。そんな物騒な状況になっているならもう少し誰か同行した方がいいだろう
クラース幸い、急を要しているとはいえ私達が今動ける事といえば、情報収集しかない事だしな…
アスベルありがとう…。クラース、みんな
リタあたしはメルトキオに行くわよ
ルーク俺はトーティス村に行くぜ。図書館で調べものとかたりぃし
ミラ私もトーティス村に行こう
ミラメルトキオより遺跡に近いトーティス村ならば、シャドウの気配の変化があった時に動きやすい
リッドじゃあオレは、メルトキオに行くかな
リオン僕もメルトキオへ行く。一刻も早く、手がかりを手に入れたい
クラース私もメルトキオへ行こう。調べ物ならば協力出来る事もあるだろう
アスベルカノンノは…トーティス村は危険かもしれない…
クラースいや、カノンノはアスベルと一緒の方がいいだろう
カノンノうん。私も、シンクの事は止めたい!
カノンノアスベルと一緒に、トーティス村に行くよ!
ミラどうやら上手く二分したようだな。では、早速それぞれ動き出すとしよう
リタいいわ。こっちは任せといて
リタじゃ、行くわよ
アスベル頼んだぞ、みんな。トーティス村の件が片付いたら、こちらもすぐメルトキオに向かう
カノンノみんな、気をつけてね!
ミラ私達はトーティス村に急ごう
クレスありがとう、助かる。村へは僕が案内するよ。さあ、こっちだ
アスベルああ、頼む!
scene1遺跡の鍵
ドン!ドン!
チェスター…ちっ。これだけ体当たりを繰り返しても、開きやしねえ!
シェリアあまり無理はしないで…
シェリア誰か!いませんか?!
シェリア何の反応もないわね…。外まで声が届いていないのかしら
チェスターこの小屋は、今じゃガラクタまみれの廃屋みたいになっちまってるが、元々は食料を備蓄していたところだ
チェスターだから壁も扉も、とりわけ頑丈に作られてる。以前の騒動の時も燃えずに残ったしな
シェリア扉に体当たりしても開かなかったり、外に声が届いてる様子がないのは、そういう事だったのね…
シェリア私達に打てる手は、何かないのかしら…
チェスターそうだな…
チェスター壁も扉も駄目となると、あと狙えるのは上だけだな
シェリア上って…屋根?
チェスターそういう事だ。確か、この小屋の屋根は木製だ。木ならぶち破る事も出来るだろ
チェスター弓があれば楽勝なんだが、あいつに取られちまったみたいだし…
チェスター…仕方ねえ、ここにあるもので何とかするしかねえな
チェスター…よし、落ちてた廃材で何とか弓矢っぽいものを作れたぞ
シェリアすごい…。随分手先が器用なのね
チェスター村を再建するために、いろいろな事をやったからな。…危ないから離れててくれ
チェスターそれじゃ、行くぞ…はっ!
ビュンッ!
バゴーーーン!
ガラガラガラッ…!
シェリアきゃっ!?
チェスターおっと、大丈夫か?破片に気をつけろよ
シェリアええ、ありがとう。大丈夫よ
チェスター何とか成功だな。あのくらいの穴なら人も通れそうだ。後はあそこから出るだけだ
シェリアでも、どうやって?だいぶ高さがあるし、壁を登るのは難しそうだわ
チェスター任せとけって。オレに考えがある
チェスターさてと…
ミラここがトーティス村か…
ルーククレスから話は聞いてたけど、こんなひでえ有様になってたのかよ…
クレスこれでもかなり持ち直した方なんだ
アーチェそうだね、みんな、村の再建のために一生懸命頑張ったもんね
カノンノアスベル…この村、前に何かあったの?
アスベルそれは…
クレスちょっと前に、不幸な事件に巻き込まれてね。…壊滅近くまで追い込まれたんだ
カノンノえ…
カノンノそうだったんだ…。ごめんなさい、私、何にも知らなくて…
アーチェいいのいいの。カノンノが謝る事じゃないよ
中年の女おや、アーチェにクレス。戻って来たのかい
アーチェあ、おばさん!
アーチェ最近村の様子はどう?変な奴が来てたりしない?仮面を被ったヤツなんだけど
中年の女ああ、シンクの事かい?
中年の女やだね、あんないい子を変な奴だなんて
中年の女シンクは、あたしらの村を助けてくれるって言ってくれているんだよ
中年の女国なんて当てにしてられないからね。いい子が来てくれて助かったよ
ルーク…いい子、だってよ。仲良くやってるみたいじゃねーか
ミラそうだな…
クレスそれで、そのシンクは、今も村に?
中年の女ああ。広場で話をしているよ。クレス、あんたも腕が立つんだからシンクを手伝ってあげなよ
アーチェあれ?そういえば、チェスターは?
中年の女チェスターかい?あの子はちょっとね…
アーチェ何かあったの?
中年の女村で騒ぎを起こした女の子がいて、何故かその子を守ろうとしてそれで一緒に捕まってるらしいよ
クレス捕まったって…どこにいるんですか!?
中年の女なに、心配する事はないさ。今は村の空き小屋で、二人そろって頭を冷やしているだけだよ
中年の女じきに出て来るはずさ
アーチェ女の子って、誰?あたしの知ってる人?
中年の女いいや、村の子じゃないね。全くのよそ者さ
アーチェよそ者って言ったって…
クレスチェスターの事も心配だ…。とにかく、広場の方に行ってみよう!空き小屋もその辺りにある
アスベルああ、案内を頼む!
scene2遺跡の鍵
ミラここが広場か
クレス…!村のみんながこぞって集まっている。これは…
カノンノアスベル、あそこを見て!
アスベルあれは…!
シンク
アスベルやっぱり、シンクだったか…
ルークあいつがシンクか。本当に仮面被ってんのかよ…
村の男シンク、財宝の眠る遺跡はどこにあるんだ?
シンクこの村の南、シルヴァラント領にある
村の女遺跡には魔物がいるんじゃないの?
シンク心配いらないさ。魔物はボクが蹴散らしてあげよう
ミラ村の南…シルヴァラントにある遺跡だと?
カノンノそれってシャドウのいる遺跡の事?
ルークおいおい、あんなところに村の連中をつれてこうってのかよ?
シンクみんな、準備はいいか!村の復興のために遺跡に出発する
村人達おー!
アスベル待ってくれ!
シンク…!
シンク誰かと思ったらアンタか
アスベルシンク、お前が行こうとしている遺跡はとても危険な場所だ
アスベルそんな場所に村の人達を行かせるわけにはいかない
シンクここでもボクの邪魔をしに来たのかい。相変わらずしつこいね
クレス村の人達を危険な目に遭わせるような真似はやめてくれないか
アーチェそうだよ!せっかくここまで立ち直ったのに!
アーチェここでみんながバラバラになったら今度こそ、この村は駄目になっちゃう!
シンクふん…
ミラ…このように各地の人々を混乱させて回る、お前の目的は一体何なのだ?
ルークわざわざあっちこっちで適当な事吹き込んでんじゃねーぞ!
シンク適当?ボクは力のない人達のために自分が出来る事をしているだけさ
シンクこの村の人達に必要な事を教えて自発的な行動を促したに過ぎない
シンクこうやって横槍入れると言う事はアンタ達も財宝が目当てなのかな?
カノンノ違うよ!あの遺跡は危なくて…!
シンクどうだかね。そんな事を言って財宝を横取りする気なんじゃないの?
村の男何だって…
アスベル…!
クレス村のみんな…。僕の話を聞いてくれ!
クレス僕達は財宝なんてなくても村を元に戻せる。そうだろう?
クレス今までこうしてやって来れたんだこれからだって、出来るはずだ!
村の若者クレス…
クレス自分達の力を信じてくれないか?僕やチェスターも、出来る事をする。今までと同じように!だから…!
村人達
シンク
シンク…この村に寄ったのは無駄足だったみたいだね
シンクアンタらみたいな奴はさっさと潰しておけばよかったよ
ルークてめえ、やる気かよ!
シンクああ、そうさ。今度こそアンタ達には消えてもらう
クレスみんな、来るぞ!
scene3遺跡の鍵
シンクくっ…
ミラ動くな。その傷では、もうまともに戦う事は出来まい
ルークへっ、いくら腕に自信あったって、この人数相手に喧嘩売るなっつーの
アスベルシンク、こんな事はもうやめるんだ。俺達は別にお前と争いたいわけじゃない
シンクふん…情けをかけているつもりかい?反吐が出るね
カノンノ私達は別にそんなつもりじゃ…
シンクアンタ達の空虚な言葉で、ボクの心が動く事は断じてない。説得出来るなんて思わないでほしいね
アーチェまだ抵抗するつもり?
シンクそうしたいのは山々だけど…さすがに分が悪い。ここは退かせてもらう
ルークおい、待てよこら!
チェスターおっと、待ちな
シェリアあなたをこのまま行かせるわけにはいかないわ
シンク…!
アーチェチェスター!
チェスターお、アーチェにクレス!戻って来てたのか
アスベルシェリア!まさかお前だったのか!?
シェリアア、アスベル!?
カノンノあれがシェリアさん…
クレス君達は空き小屋に捕まっていたと聞いていたんだけど、無事だったんだね。安心したよ
チェスター小屋の中にあった廃材で、弓の代用品を作ってな。そいつで屋根をぶっ飛ばしたのさ
シェリアそれから、鉄の棒に縄を括りつけて、外まで飛ばして…何とか脱出する事が出来たの
ミラ上手く機転を利かせたようだな
クレスさすがチェスターだ
チェスター…みんながこいつの事を止めてくれたみてえだな。助かったぜ
チェスターこいつはな、財宝が眠る遺跡の鍵を持ってる、とかぬかしやがって
チェスターあるかもわからねえ財宝の話にみんなを巻き込もうとしてたんだ
ミラ何…シンクは遺跡の鍵を持っているのか!?
チェスター鍵って言っても、こいつが持ってたのは変な形の石だぞ?
ルーク変な形の石…。おいおい、それってまさか…
シンク「封じられた遺跡」の鍵さ。この村の南にある遺跡のね
アスベル…!
シンクふーん…その反応…。アンタ達はこの鍵が必要なんだ…
アスベルシンク、お前、本当に鍵を持っているのか?
シンクふふっ…こんな鍵ボクにはもう必要ないからね…
シンクくれてやるよ!
カノンノあっ──!
アーチェおっとっと!危ないじゃない!誰かに当たったらどーすんのよ!
シンク人間は、絶望や恐怖に、打ち勝つ事は出来ない…。せいぜい、闇に飲まれてくればいい
アスベル闇に飲まれるだって…?それは一体どういう──
シンク
アスベル待て!シンク!
チェスターあいつ!…逃げられたか!
カノンノまた、逃げられちゃった…
アスベル他のところで、同じような事を繰り返すのだろうか…
ルークどうだっていいだろ、あんな奴。どうせあんだけ痛めつけられてりゃしばらくは何も出来ねーって
チェスター今度はぜってぇ村に近寄らせねえよ、あんなヤツ!
scene1迫る侵食
アスベル…それにしても、まさかこんなところでシェリアに会うなんてな
シェリア本当、私も驚いたわ。あれだけ捜し回って、足取りすら掴めなかったのに
アスベル捜し回ったって…俺の事をか?
シェリアええ…
シェリアしばらくバロニアで待ってたんだけど、どうしても会えなかったから
シェリア諦めて故郷に帰る前に、少しだけ周辺の街や村を、巡ってみる事にしたの
シェリアその途中で迷い込んだ森の中で崖から落ちちゃって…気付いたらこの村に運ばれてて
アスベルごめん…シェリアがそんな事になっていたなんて、俺、全然知らなくて…
シェリアいいの。私が勝手にやっていただけだから気にしないで
シェリアでもそうやって怪我をしたから、この村に来られて、アスベルにも会えたのよね。不思議なものだわ
アスベル俺もバロニアにいる時に、シェリアが来てるって聞いて、ちょっと捜してみたんだけど…
アスベルあの時もっと、気にすればよかったな
シェリア仕方ないわよ。アスベルにはやらなくちゃいけない事が、たくさんあったんでしょう?
アスベル…まあな
シェリアねえ、アスベル。一体何があったの?よかったら話してくれない?
アスベルああ、勿論だ。実は──
シェリア大精霊…。そんな存在がいるのね
シェリア普通じゃ考えられない異変が、各地で起こっていた事は知ってるわ
シェリア…でもまさか、その原因が大精霊だったなんて…
アスベルああ。…でも、それもじきに全て終わる
アスベルみんなで力を合わせて、大精霊を元に戻す事に成功しているんだ
アスベルただ…次のシャドウっていう大精霊のところへ行くのには、ちょっと手間取ってるけどな
シェリアシャドウ?
アスベル闇を司る大精霊…だそうだ。シルヴァラントの南東にある遺跡にいるのはわかってる
アスベルただ、その地下遺跡の入口である扉は硬く閉ざされていて、開けるには鍵が必要だったんだ
シェリアそれが、さっきシンクが投げた石なのね?
アスベル本物だという確証はないけど、有力な手がかりである事は間違いない
アスベル早速みんなを集めて出発しよう
クレス何はともあれ、この村の騒動は収まった。アスベル達の協力のお蔭だよ
クレスみんなにはしばらく村の外に出ないように頼んできたよ。安全になったら知らせないとな
アーチェこのまま、遺跡に財宝探しに行かれても困っちゃうからね。シャドウの事もあるし
アーチェあ、シンクと一緒にいた村の人がシンクが逃げて行ったって話をしてくれたみたいだよ
アーチェこれで村のみんなに話が伝わって騙されてたって事に気付いてくれるといいんだけど
シェリア私とチェスターを閉じ込めた事も反省してるって伝えてくれたわ
チェスター一時はどうなる事かと思ったけどこれならもう村は大丈夫だろ
アーチェわざわざ来てくれてありがとね!
ルークま、上手い具合に探してたもんも見つかったし、結果オーライって奴じゃねーの?
ミラでは、私達はメルトキオへ向かいリタ達と合流後、再び例の地下遺跡に向かおうと思う
クレス僕も一緒に行くよ。今度は僕の方に、君達の手助けをさせてほしい
ルーククレスはユーリ達と合流する事になってんじゃねーのか?
クレスみんなとは、この村で落ち合う事になってるんだ
クレスもし僕が君達と行ったとしてもアーチェから状況は伝わるだろうし心配はいらないよ
ミラそういう事なら、是非力を貸してほしい。クレスが共に来てくれるなら私達としても心強い
チェスター本当はオレも一緒に行きてえところだが、シンクの一件の後始末をしないといけねえ
シェリア私もここに残ってチェスター達の手伝いをするわ
シェリア…って言っても、怪我がまだ完治してないからやれる事には限りがあると思うけど…
アスベルシェリア…大丈夫か?
シェリア私の事は心配しないで。アスベルこそ、あまり無茶はしないでね
シェリアカノンノの事も、ちゃんと守ってあげるのよ
カノンノシェリアさんに会えてよかった。想像通り優しくて素敵な人…
カノンノアスベルから話を聞いてどんな人だろうって、ずっと気になってたから本当に嬉しかったよ
シェリアふふっ、私も会えて嬉しかったわ。カノンノ、アスベルの事をお願いね。しっかり見ててあげて
カノンノうん、任せて!
クレスよし、それじゃ僕達はそろそろ行こうか
アスベルああ!
scene2迫る侵食
ルークシルヴァラントに入ったか。早いとこリタ達と合流して鍵が手に入った事を知らせねーとな
アスベルだから、まだその石が遺跡の鍵と決まったわけじゃ…
ミラ…!
カノンノミラ?急に立ち止まったりして、どうかしたの?
ミラ…少しまずい状態だ
クレスまずいって…それは一体何の話だい?
ミラシャドウだ…。奴の気配が、以前に比べて急激に高まっている
アスベル何だって…
ルークお、おい、あれ…南東の方。あれ、シャドウの闇じゃねーのか!?
カノンノ本当だ…!これだけ距離があるのに、こんなにもはっきり見えるなんて…
ミラシャドウによる闇が大陸を侵食し始めている…
ミラこれは、すぐに止めなければ取り返しのつかない事になるぞ…
ルーク具体的に、どうなるんだよ?
ミラ大陸中、ひいては世界全体が闇に包まれる事になる。そうなれば…
アスベル光がなくなれば植物は枯れて、食べものもなくなる…
ミラそうだ。それに、食糧不足は飢えをもたらすだけではなく、争いも引き起こす事になるだろう
ミラただでさえ、光のない生活は、不安を増長させ、人間の心を蝕む
ミラ闇を司る大精霊とは、それだけの力を持つ存在なのだ
ルークとんでもねー野郎だな…
クレスそれがここまで拡大してるって事は、時間がないって事じゃないのかい?
ミラああ…。まさかこの短時間で、ここまで急速に影響が拡大するとは…
ルークだったらさっさと遺跡に行ってシャドウの奴を止めちまえばいいんじゃねーのか?
アスベルこの石が地下遺跡の鍵である確証はないが、この形状はあの扉にあったくぼみと似ている
アスベル今なら閉ざされた扉の先に入れるかもしれないしな…
クレスそれを確かめる意味でも、今はまず地下遺跡に向かう事を優先すべきだと思う
ミラそうだな…。シャドウの事は、早めに対処する必要がある。可能性があるのであればそれに賭けよう
アスベルよし、じゃあ進路を変更してとにかく俺達は地下遺跡を目指そう
ミラああ。リタ達には申し訳ないが…。異変に気付いて駆けつけてくれるとよいのだが
ルークおし、決まりだな!じゃあとっとと行こうぜ
カノンノうん!
ガサッ!
クレス…!今の音、まさか…
ガルルルル!
アスベル魔物か!…みんな、時間もない事だ。協力して一気に切り抜けよう!
scene1育まれる絆
アスベルさて、ようやくここまで戻って来たな
クレス話を聞いて、どんなところかと思っていたけど…想像以上に空気が重いね
カノンノ霧も前より濃くなったみたい。視界がさらに悪くなったね…
アスベルアスカとルナが照らしてくれなければとても歩いて来られなかったな
ミラそれほど、シャドウの状態が悪化しているという事だ。先を急ごう
カノンノあ…ネックレスが
クレスこの扉の先にシャドウがいるんだね
ルークとにかく、早いとこ例の石でここを開けられるかどうか試してみようぜ
アスベルああ、そうだな。よし、じゃあこのくぼみに例の石をはめてみるぞ
カノンノお願い…上手くいって…!
ゴト…
ミラどうだ…?
ガコン!
ズズズ…!
カノンノ扉が開いたよ!
ルークそら、俺の言った通りだったろ!やっぱりこいつがこの扉の鍵だったじゃねーか!
ミラとにかく、あまり猶予はない。慎重に進みつつも、早い段階でシャドウを見つけ出さなければ…
クレスああ、そうだね…
scene2育まれる絆
クレス中は、さらに暗いね。それに音も何一つ聞こえない…。不思議な感覚だ
アスベル確かに静かだ…。音が、遠くに吸い込まれていくような…
クレス…何だか懐かしいね。あの時を思い出すよ
ルークあの時?
クレスこの先何が起こるのかわからない…、光の神殿の中を進んでいた時も今と似たような感覚だった
ミラ確かに、わからなくはないな
ルークそういやあ、今ってあの時の顔ぶれが半分もいるんだな…
アスベル光の神殿か…。三人は、光の神殿で初めて会ったんだっけ?
クレスうん。そんなに昔の事じゃないのに、こうやって改めて話すと、随分懐かしく感じるね
クレス最初はさ、お互い警戒し合って、連携も上手くいかなかったんだ
ミラ最初だけではなかったぞ。途中で分裂の危機に陥った事もあっただろう
ルーク…いろいろあったのは確かだけどよ。け、けど、最後は何とかなったんだし、いいじゃねーか
アスベルそんな事があったのか…。何だか今のみんなを見てると信じられないな
クレス勿論、今はそうじゃないけどね。でも、知り合った当初は本当にいろんな問題があったさ
クレス今となってはそれもいい思い出だけど
カノンノ何だか、今のみんなみたいだね
アスベルん?
カノンノ最初はね、ただ世界を救うっていう目的のために一緒に行動しているって感じだったけど、今は違う
カノンノ何だろう、本当の仲間っていうか…日に日にね、みんながすごく仲良くなっていってる気がするよ
アスベルカノンノ…
アスベル…ふっ、何だか他人事みたいに言ってるけど、お前もその中の一人なんだって事、忘れるなよ?
カノンノ…!うん、そうだね。ありがとうアスベル
ミラ確かに…いつの間にかお前達にも躊躇なく背中を預けられるほどの信頼が芽生えている
ミラ…不思議なものだな。何か特別な話をしたわけでもないのに
ルーク
クレス信頼や友情、仲間との絆が生まれる瞬間なんてきっと、そういうものなんだよ
ルーク…お前ら、よくそんな臭い事平然と言えるな。聞いてて背中がむずむずしてきたっつーの!
ルークおら、くだらねー事言ってねーで、さっさと先に進むぞ!
アスベル…?ルークの奴、突然どうしたんだ?
カノンノふふっ、大丈夫だよ。きっと恥ずかしいだけで──
ルーク…!うおっ、何だこいつ!?いつからここにいた!?
ミラ
???
ルークな、何だよこいつは…!
クレスひょっとして、こいつがシャドウか!
アスベルああ。状況的に間違いないはずだ
ミラ待て。妙だ…奴からは気配を感じない…
カノンノ私のネックレスも反応してないよ
ルークじゃあ、目の前にいるこいつはシャドウじゃなくて何だっつーんだよ!
ヒュンッ
ルークうおっと!
アスベル今は考えている場合じゃないこのまま戦うぞ!
scene3育まれる絆
アスベルはああっ!
ズバッ!
シャドウ?
カノンノやった…!シャドウが倒れたよ!
ミラ
ルーク何だ、他の大精霊と比べると全然大した事なかったな
クレスこいつは本当に大精霊なのか?
アスベル手ごたえはないが…カノンノ!念のため、シャドウにリプリカームを
カノンノうん!
ミラ…!カノンノ待て、奴の様子がおかしい
カノンノえ?
ルークちっ、また復活するっつーなら、そうはさせ──
シュウウ…
カノンノどうして?!…シャドウが消えて…
クレスこれは…!アスベル、今までもこういう事はよくあったのかい?
アスベル…いや、こんな事象が起きた事はない。一体何が起きているんだ…?
ルークもしかして逃げやがったのか!?
カノンノ…!あ、あれ…見て!
シャドウ?
ミラくっ!いつの間に…!?
クレス消滅したわけではなく、瞬間的に移動したのか…?
ルーク…!お、おい…、こっちにも別のシャドウが…
シャドウ?
アスベルなっ…!シャドウが2体も…!
ミラ何!?
ルークくそっ、しかも挟み撃ちかよ!
クレスとにかく、迎え撃つしかない!みんな、互いに背中を預けるように立つんだ!
アスベルわかった!カノンノ、早く俺達の傍に──…!カノンノ!?
シャドウ?
カノンノ…!
ルークおい、あいつカノンノを狙ってやがるぞ!
アスベルくそっ…カノンノ!!
???せいっ!!
ズバッ!ズバズバッ!
シュウウ…
アスベル!?
カノンノシャドウが…消えて…
???危ないところだったな。大丈夫か?
カノンノあなた達は──
scene1大精霊シャドウ
カノンノあなた達は──
ルークユーリ!ロイド!それに…
ソフィみんな…!
クレスソフィまで…!
ミラどうしてお前達がここに…?
ユーリトーティス村へ行って、アーチェ達からお前らの話を聞いてな
ロイドメルトキオに追いかけても行き違いになるかもと思って俺とユーリは先回りしたんだが…
ロイドさらに俺達の読みの先行ってたな!封印されてたっぽい扉が開いてて驚いたぜ
ルークてっきりリタ達が来たのかと思ったら、お前らだったのかよ
ユーリ来たのがオレ達じゃ不満か?
ルークべっ、別にそんな事言ってねーだろ!
ミラとにかく、よく来てくれた。礼を言う
アスベルそれにしてもソフィ、どうしてお前がここにいるんだ?シーブル村にいたはずじゃ…
ソフィみんなが行ってから少ししてコハクとヒスイが村に戻って来たの
ソフィだからもう大丈夫かなって思ってアスベル達と一緒に行こうとキムラスカに向かったの
ソフィそしたら、その途中の村で黒い霧の話を聞いて…。村の人達がすごく怖がってたから…
アスベル放っておけなくなって、調べに来たのか
ソフィうん
ロイドで、黒い霧の発生地点を見つけてここに来た時に、俺達と会った。…だよな?ソフィ
ソフィそれでね、ロイド達と一緒にみんなを捜していたの、でも明るかったからすぐ見つけられたよ
ロイドそういえば、何でお前らの周りこんなに明るいんだ?
ミラ大精霊、ルナとアスカが力を貸してくれているのだ
ロイドへー便利だな!俺達、ここまで来るのに苦労したんだぜ?
ユーリレイヴンとゼロスはメルトキオに向かったぜ。アーチェは村に残るってよ
クレスうん…そうだろうな。アーチェには、村の事を頼んできたから
クレスレイヴン達は、リタの方と会えるといいんだが…
ユーリそれはそれとして、今のが例の大精霊って奴か?思ったより手応えなかったんだが
ロイドそうなんだよ。弱いとまでは言わないけど、こう…もっと強いのを想像してたから
ルークそんな事ねえっつーの。他の大精霊はマジでヤバかったんだ。ただ、シャドウだけが…
ミラやはり、そうか…
アスベルミラ?何かわかったのか?
ミラ先ほど私達が倒したのは、おそらくシャドウの「幻」だ
ミラ奴らはシャドウであり、シャドウではない
ルークシャドウなのにそうじゃない…?おい、わけがわからねーぞ。どういう事だよ
ミラつまり、シャドウの力で生み出された本体とは異なる別の存在という事だ
ロイド要するに、その…今倒した奴は偽者って事だよな?
ミラああ、簡単に言えばそうだな
クレス近くに現れても、ミラやカノンノが全く気配を感知出来なかったのは、そのせいか
ソフィどうして、偽者だってわかるの?
ミラ奴と戦っている最中、私は目の前のシャドウからではなく別の場所に気配を感じていた
ミラ今も、シャドウの気配は途絶えていない。本体は別の場所にいる
ユーリなるほどな。その本体を倒さない限り、いくら偽者倒したって無駄ってわけだ
カノンノなら、急いで見つけないと
ルークったく、たりぃけどやるしかねえな。ユーリ、ロイド、ソフィ、お前らも手伝えよ
ソフィうん。そのためにここに来たんだよ
ロイドん?よく見たら、光の神殿に行った時の顔ぶれが全員そろってるじゃないか!
ユーリ今頃気付いたのか?そういう巡り合わせらしいぜ、オレ達は
ロイド何だ、だったら早く教えてくれよ!
カノンノ頼もしい仲間が来てくれたね
アスベルああ。この顔ぶれなら、シャドウ本体を相手にしても決してひけを取らないはずだ
クレスよし。それじゃ、シャドウの本体を捜そう
ユーリああ
scene2大精霊シャドウ
ユーリ──にしても、この「封じられた遺跡」ってのは、どういうもんなんだ?
ユーリただの遺跡にしちゃ、作りが随分頑丈に見えるし、雰囲気もちっとばかし特別な気がするんだがな
ロイド「封じられた遺跡」の話は俺も聞いた事あるってくらいでそこまで詳しい事はわからないんだ
ロイドましてや本当に存在してたなんて、それすら信じられないくらいだ
カノンノそうなんだね。でも大丈夫、きっとリタ達がいろいろと調べてくれてるよ
ルークリタの奴、俺達が先に遺跡に入った事を知ったら、また怒鳴り散らすんじゃねーのか?
ミラそうか?きっとリタもあの黒い霧を見れば私達がどういう行動を取るかわかってくれると思うが
ロイド黒い霧が広がっている様子は、俺達も確認したぜ。しかも、どんどんひどくなっていって…
ロイドあれを放っておいたらまずいって事は俺達だってわかったよ。だから、リタもわかってくれるって!
ルークならいーけどよ、後でぎゃあぎゃあ言われんのは…
ユーリ…おっと、おしゃべりはそこまでみたいだぜ
ソフィひょっとして、シャドウ…?
ミラ…ああ、奴らだ
シャドウ(幻)
シャドウ(幻)
シャドウ(幻)
カノンノ今度は3体も…!
ルークったく、次から次へと湧き出てきやがって…うぜーんだよ!
ヴンッ…!
ロイド…?あれ…?シャドウが消えて──
シャドウ(幻)
アスベル…!まずい、こっちだ!囲まれたぞ…
ユーリ見かけによらず素早いこった。さてどうしたもんだ、これは?
ミラシャドウの本体よりは戦闘力が劣るとはいっても、普通の魔物よりは遥かに強い
クレスわずかでも背を見せれば確実にそこを突いてくるだろうね…。下手に動くのは避けた方がいい
ロイドなら、3体まとめて倒す…とか?
ユーリま、それしか思いつかねーな
クレスよし、じゃあ僕が様子を見て合図を出す
クレスユーリ、ルーク、ロイド、ミラ、ソフィ。君達は一斉にそれぞれの「幻」の元へ散ってくれ
クレスそして、アスベル。君はこの場に留まり、何としてでもカノンノを守ってほしい
カノンノえ…?
ユーリこの分だと、いつどこから新たな「幻」が湧き出て来るか、わかったもんじゃねえって事だろ
アスベルしかし…
ロイドカノンノに何かあったら大変だろ?何たって俺達の切り札だぜ
ミラこのシャドウは私達に任せてアスベルはカノンノを守る事に専念してほしい
ルーク何だよ、俺達だけじゃ不安だとでも思ってんのかよ
アスベルいや、そういうわけじゃない。だけど、みんなだけが危険に身を晒すなんて──
ユーリ偶然にもこうやってオレ達がここに集まったのも、そうしろっていう誰かさんのお導きかもしれねえぜ?
ソフィもしかして、ティルグかな?
クレスティルグか…。そうかもしれないね。じゃあ、とにかくみんな、行こう!
ユーリよし、あいつはオレに任せろ!
ルークお、おい!待てよユーリ!そうやっていつも一人で、カッコつけようとすんじゃねー!
ミラ私も遅れを取るわけにはいかんな。ロイド、ついて来れるか?
ロイド当然!
クレスソフィ、残りの「幻」は僕達二人で何とかしよう!準備はいいかい?
ソフィうん!
カノンノアスベル…!
アスベル大丈夫だ。ここはみんなを信じて任せよう
アスベル彼らはあの「選ばれし者達」だ。俺達にとっては、この上なく心強い味方だよ
scene1闇を打ち払いし者
リタはあ…
リッドあの様子だと、遺跡の鍵を手に入れるのは難しそうだな
クラースふむ…。遺跡の由来や鍵の形状の情報が手に入ったまではよかったのだがな…
リオン肝心の鍵のありかがわからないのでは、どうにもならん
リタまさかその鍵となる石が、盗まれていたなんて…!
リッドま、ないものは仕方ねえさ。とにかく、これ以上打つ手はねえし、早いとこアスベル達と合流しようぜ
クラース急ぐと言っても…彼らはメルトキオに来ると言っていただろう
クラース随分と時間も経ってしまったが彼らはまだトーティス村にいるのだろうか
リオン仮にいないとしても、鍵がない以上あいつらも他に行く場所はない。僕達との合流を急ぎここへ来るはずだ
リッドじゃあ大人しく待ってようぜ移動して行き違いになるのはごめんだ
クラース…!
リオン…クラース、どうかしたのか?
クラースこれは…?
リタ…もしかして、シャドウの気配を感じ取ってるの?
クラース何となくだがな
クラースこれほど離れた場所にいる私ですら感知出来るという事は、事態は着実に深刻さを増しているという事か…
レイヴンあ、いたいた、リタっち発見!
ゼロス地下遺跡に関する調査は順調か?
リタおっさんにゼロス!?何であんた達がここに?
レイヴンそりゃ勿論、リタっち達のお手伝いをするためよ
ゼロス大変だったんだぜ?レイヴンが絶対図書館にいるって言ったのに、行ったらいなかったしよ
リッドそいつは惜しかったな。図書館なら、この街に来て一番最初に行ったぜ
クラースそこで、ある程度遺跡に関する情報を手に入れた後、場所を移して鍵の情報を追っていたというわけだ
レイヴンなるほどね。…ところで、アスベル達はまだここには来てないのかな?
リタ…?来てないけど?
ゼロス…って事は、レイヴン?
レイヴンアスベル達はシャドウのいる遺跡に向かったって線が濃厚だねえ
リオン遺跡へ向かった、だと?
リタどういう事?説明して
リッドじゃあ、そのシンクって仮面の男が遺跡の鍵を持ってたのか
ゼロスそういう事。で、それを持ってアスベル達はこの街に向かうって話していたらしいんだが…
レイヴンどうやら来てないみたいだしひょっとしたら、先に地下遺跡に行っちゃったのかもね
リッドその石が本物かどうか試しにでも行ったのか?
リタアーチェにそう言ったからには最初は本当にメルトキオに行くつもりだったんだと思う
クラース…ミラが大精霊の異変を強く感じ、その石が本物の鍵だと信じて賭けに出た──
クラース考えられるとしたら、そんなところか
リッド何はともあれ、あいつらが地下遺跡に向かっている以上、オレ達もすぐに後を追うべきじゃねえのか?
リッドクレスや、ユーリ、ロイド達が追いかけてるとはいえ人数は多いに越した事はねえだろ
クラースああ、そうだな
レイヴンんじゃ、早速向かいますか
ゼロスおう!
ユーリ…どうやらシャドウの「幻」はあらかた片付いたようだな
ソフィとても動きが早くてどうしようかと思ったけど、何とかなったね…
カノンノみんな、ありがとう。やっぱりすごく強いね
アスベルさすが息が合っていて、俺の出る幕はなかったみたいだな
クレス倒した数はこれで6体か…。一体何体いるんだろう
ミラシャドウ本体の暴走を鎮めるまで、無限に現れると思っておいた方がいい
ミラ「幻」をいくら倒そうと、本体の力は弱っている気配はない…。「幻」と本体は全くの別物と考えていいだろう
ソフィ本体を倒さないと終わらないって事なんだね…
ユーリそれはそれで厄介だな…。戦闘力は大した事ねえとはいえ、数によっちゃこっちがへばっちまう
ルークだったら早いとこ本体を見つけてケリつけよーぜ
ミラそういう事だ。では、先を急ごう
アスベルああ!
scene2闇を打ち払いし者
アスベルユーリ達6人がそろうのって久しぶりなんだよな?
ユーリん?そういやそうだな。何人かとは時々顔合わせちゃいるが
クレス6人全員がそろうのはあの時以来だよね
ロイド何だか本当懐かしいよな。そんなに昔の事じゃないはずなのに
クレス本当だね。僕もさっき、同じ事を言ったばかりさ
ミラ私達が共に行動したのはほんの短い間に過ぎなかったが、随分いろんな事があったな
ルークらせん階段じゃ、てっきりユーリが死んじまったと思ったしな
ロイドそうだそうだ、そんな事もあったよな
ユーリさすがにオレもあん時はどうなるかと思ったが、ま、お蔭さんでこうしてまた会えたってわけだ
カノンノふふ、でもさっきは本当に驚いたよ。久しぶりに一緒に戦ったはずなのに、全員の息がぴったりなんだもん
アスベルそういられるのはきっと君達6人が強い絆で結ばれているからだろうな
アスベル君達と同じ目標を持ち共に進む事が出来て、本当に心強いよ
ユーリ…相変わらず律儀な奴だな、お前も。けど、心強いのは同感だ
ユーリま、共に進むにはちっとばかしクセのある奴ぞろいだけどな
ロイドそうだなあ。我の強い連中だから、衝突も多かったし…
ミラ我の強さで言うと、今協力してくれている者達も負けず劣らずだがな
アスベルふっ、…確かにそうかもしれないな
ルークまーなんつーの?「英雄」が一緒なら心強くて当然つーか…
ミラ「英雄」ではない、正しくは「選ばれし者」だぞ?
ルークお、同じようなもんだろ。いちいち細かい事気にすんなっつーの!
ソフィふふっ
ソフィあのねアスベル。わたしアスベルとも絆で結ばれてるって、そう思うよ
クレスそうだね、僕達は仲間だ。何があってもアスベルとなら乗り越えて行けると信じてるよ
アスベル…ありがとう、みんな
ミラむ…!
ソフィどうしたの、ミラ。何か見つけた?
ミラシャドウの気配が急激に強くなった…近いぞ…!
カノンノあ、私のネックレスも…!
ユーリへえ、本当に独りでに光るんだな
アスベル…!あれは…
シャドウ(幻)
シャドウ(幻)
ロイドみんな、早速おでましだぞ
クレス「幻」の方か…!それにしても、何て数なんだ…。次々と現れて…
ズズズ…!
シャドウ(幻)
ソフィ囲まれる…!
ミラシャドウの気配が強い…この中にシャドウの本体がいるぞ
ルークけっ、「幻」を隠れ蓑にしようってわけかよ!
ユーリこう多いと、いちいちミラに本体を見分けてもらうより、まとめてぶっ倒した方が速そうだな
クレス元よりそのつもりさ。アスベル、カノンノを頼む
アスベルわかった!カノンノ、下がってくれ!
チャキッ
カノンノううん、今度は私も戦う!
カノンノこんなに相手の数が多いんじゃ、みんなに任せきりには出来ないもの
カノンノそれに私も、みんなの役に立ちたいの。お願い!
アスベルカノンノ…。わかった、絶対に無茶はするなよ。あと、俺の傍から離れるな
カノンノうん!
クレス気を抜くな!この数だ、本物のシャドウを取り逃がしてしまうかもしれない!
ミラよし、やるぞ!
ルークおう!
ミラはっ!
クレスとうっ!
ソフィやああっ!
ルークうおおっ!
ロイド倒れろ!
ユーリこいつはどうだ!
アスベル食らえっ!
カノンノたああっ!
シャドウ(幻)
シュウウウ…
ルークよし、やったぜ!これでかなり数が減って──
ズズズ…!
シャドウ(幻)
クレスくっ…また新手が…
ロイド倒しても倒しても次々に湧いてくる。これじゃ、きりがないぞ!
ルークおいミラ、やっぱ早いとこシャドウの本体を見つけられねーのかよ!?
ミラさっきから試みているが戦いながらでは──
ゴオオオオオ…
アスベル黒い霧が…!
ミラ…!まずい、皆、伏せろ!
ソフィえっ…!?
バシュンッ!!!
カノンノきゃあっ!
ソフィカノンノ!危ない…っ!
クレスくっ…みんな…大丈夫か?
カノンノう、うん…ソフィが助けてくれたから
ソフィうっ…
アスベルソフィ…!怪我をしたのか?…大丈夫か?
ソフィうん…ありがとう…アスベル
ユーリちっ、なるほどな。これが大精霊様の本気ってわけか
ルークああ、ミラの一声のお蔭でマジ助かったぜ…
ミラ…だが、これではっきりした。今の攻撃を放ったのが、シャドウの本体だ…!
シャドウグ…アアア…
クレスあいつが…
ミラ奴を倒せば「幻」も消えるはず
ユーリそうとわかりゃ、早いとこ仕留めちまうか。行くぜ!
ソフィうん!
ロイドうおおおおっ!「幻」は邪魔だ、そこをどけ!
ザシュッ!ズバッ!
ロイドはあ…はあっ
ズズズ…!
シャドウ(幻)
ルーク…ロイド!後ろだ、くそっ!
ルークおらあっ!!
ズバッ!
カノンノはあ…はあ…
シャドウ(幻)
アスベル…囲まれた。俺が合図をするまで動くな
カノンノうん…わかった…!
アスベルこっちだ…。俺の方に引きつけて…
アスベル…今だ!
アスベルはああっ!
ザシュッ!
ミラはっ!
ズバッ!
ミラよし、道は開けた…!これで本体の元へ──
ズズズ…!
シャドウ(幻)
ミラくっ…!また新たな「幻」が…!
ユーリミラ、屈め!
ユーリお前ら、邪魔だっ!
ズバーッ!
クレスはあっ!
ソフィたあっ!
ズバッ!ザシュッ!
クレス…まずい、倒しても倒しても「幻」の数は増える一方だ…!
ソフィシャドウに近づけない…!みんなも辛そう…このままじゃ…
クレスきっと何か方法があるはずだ、シャドウの本体に近づく方法が──…
シャドウグアア…
ゴオオオオオ…
クレス…!あれは…
ソフィシャドウの本体にシャドウの「幻」が集まってる…
ロイドおい…あれだけいた「幻」達がどんどん消えてくぞ?
シャドウガアアアアアアアッ!
バシュンッ!!
アスベル…うっ……
アスベル何も見えない…。みんな!無事か…!?
クレス…アスベル…、ああ…僕は何とか…。他のみんなは──
ミラくっ…シャドウの攻撃がここまでとは…
カノンノルナとアスカ…どうしちゃったの?明かりが消えちゃった
ミラいや、消えたのではない…
ミラ先ほどの攻撃で吐き出した闇が光も飲み込むほど強いのだろう
ロイドそんな…
シャドウグアア…アアッ…
ルークちっ、シャドウの野郎!あっちか?
ソフィルーク…!
クレス闇雲に動いては駄目だ!仲間を傷付けてしまうかもしれない
ロイドくそっ…。シャドウは、どっちだ…?ちっとも目が慣れねえ…!
ユーリこうも暗いと攻撃されてもわからないな
ミラ攻撃が来る前に何か手立てを考えねば…
ソフィわたし達…このまま死んじゃうのかな…?
ユーリ気が早い事言うなって。こういうのは諦めの悪さが肝心──
シャドウグア…アア…
全員
ロイド…シャドウの奴、なかなか攻撃してこないぞ…!いるのか?
カノンノわからない…。本当に何にも見えなくて、まるで真っ暗な闇に飲まれたみたい──
アスベル闇に…?…あの時シンクが言っていたのはこの事だったのか…?
ミラ闇に飲まれろ…、シンクは去り際にそう言い放っていったな…
クレス人間は、絶望や恐怖に打ち勝つ事は出来ない…とも言っていた
アスベル
ユーリフン…。陰気な奴が言いそうなこった
シャドウグオオオオオオオオッ!!
カノンノ…!もう駄目…今度こそ…
ユーリちっ…!
アスベル…。守ると決めたんだ…
アスベルこの世界を…大切な仲間のいるこの世界を、何としても守ると心に決めたんだ…
アスベル感覚を…心を澄ませば…見極められるはずだ
シャドウグオオオオオオオオッ!!
アスベルそこだっ!!
ズバーーーーーーーーッ!!
アスベルはあ…はあ…
シャドウグア…アア…
ミラ…!やったのか…!
カノンノそうみたい!アスカとルナの光でみんなが見えるようになったよ!
アスベル…ここで倒れるわけにはいかない。俺達の肩には、世界の存亡や大切な者達の命がかかっている…!
アスベルだから…絶対に、負けられない…!
アスベル闇も、恐怖も、自分自身が生み出した幻だ!
カノンノアスベル…
クレス…うん、そうだね。アスベルの言う通り、僕達は絶対に負けられない
ソフィこの世界は、わたし達の大切な世界だから…
ロイド…よし、みんな!今がチャンスだ!一気に奴を叩くとしようぜ!
ルークったく、…んな事お前に言われなくてもわかってるっつーの!
ユーリんじゃ、気が変わらない内にとっととやろうぜ
ミラ皆、アスベルに続け!全員の力を結集するのだ
カノンノうん!
アスベルみんな…ありがとう!
アスベル何としてでも、お前の暴走は鎮めてみせる…行くぞ、シャドウ!
アスベルはああああっ!
scene3闇を打ち払いし者
アスベルこれで終わりだ!
ズバーーーーーーッ!!
シャドウグア…ア…ア…
シャドウ
アスベルはあ…はあ……終わった、か…?
ロイドそうみたいだな
ユーリそう願いたいね。もう一戦ってのはちょいとばかしキツイぜ
カノンノふう…終わった…よかっ──…
トスンッ
アスベルカノンノ!?大丈夫か?
カノンノえ!?うん!大丈夫…!…その…何て言うか、ほっとしたら急に力が抜けちゃって…
ミラ何だ?腰を抜かしたのか?
カノンノう…た、多分…
アスベルふっ…ははは…!
カノンノもう!笑わないでよ…!
アスベルごめんごめん。さあ、カノンノ、リプリカームを頼む
カノンノあ、そうだね、座り込んでる場合じゃないね
カノンノシャドウ、もう、落ち着いたかな?
シャドウ
カノンノシャドウ?
ルークおい!何とか言えっての!
シャドウ
シャドウ…我……力を示せし者と契約す…
アスベルシャドウ…俺達に力を貸してはくれないだろうか…
ロイド契約してくれるのか!?
ルーク何だよ!俺やカノンノの事は無視したくせにアスベルにはやけに素直じゃねーか!
ユーリやれやれ…物わかりがいいのか何なんだか
ミラシャドウの闇を打ち払ったのはアスベルだ。力を示したアスベルに応えたのだろう
カノンノそうだったんだね!
シャドウ
ルークしゃべれるなら最初からそう言えっての…
カノンノ──ありがとう、シャドウ…
ロイドシャドウがネックレスに…。これで契約が完了したって事か?
カノンノうん、そうだよ。ほら、ネックレスの色が変わったでしょ?ここに、シャドウがいるって事だよ
クレス話には聞いていたけど…実際目の当たりにすると不思議な感覚になるね
アスベル…カノンノ、本当によく頑張ったな
カノンノううん、私なんかより、アスベルだよ!
カノンノシャドウに勝てたのは、アスベルのお蔭だよ。本当にありがとう
カノンノシャドウが契約してくれたのも、アスベルの強さを認めてくれたんだよ
アスベル俺のお蔭だなんて、そんな…。これはみんなで力を合わせた結果だよ
ソフィ…でも、あの時アスベルが立ち上がっていなかったら、みんな無事じゃなかったかもしれない
ミラソフィの言う通りだ。シャドウの攻撃から守ってくれた、という点でもそうだが──
ミラ何より、半ば諦めかけていた私達を再び奮い立たせてくれたのもまた、アスベルだ
クレス僕も同じように思うよ。これは紛れもなく、君が導いた勝利だ
アスベルみんな…。…ありがとう
アスベル…でも、これだけは言わせてくれ
アスベル俺の行動がきっかけだったとしても、やっぱり勝因は、あの時みんなが立ち上がってくれた事だと思う
アスベル俺一人では成し遂げられなかったし、それはみんなも同じなんだ。…だから、俺からも言わせてほしい
アスベルみんな、本当にありがとう
ロイドアスベル…
ユーリ…ふっ。どんな時もアスベルはアスベル、だな
ルークああ、そうだな。頑固っつーか、何ていうか…
アスベル頑固だって…?そ、そうかなあ…
クレスはは、悪い意味じゃないよ。気にしなくていいさ
ユーリま、何はともあれ、シャドウの暴走はこれで鎮まったわけだ
ロイドとなると、遺跡周辺を覆っていた黒い霧も…
ミラああ、徐々に解消されるはずだ
ソフィよかった…
アスベルよし、じゃあそろそろ外へ出ようか
ルークああ、そうしようぜ。外の様子も知りてーしな
クレスうん、じゃあ行こう!
ユーリさてと。外はどんな具合だ?
ソフィ黒い霧が全部消えたわけじゃないけど…少し薄くなったみたい
クレスでも、最初にここに来た時と比べたら、随分明るくなってる気がしないか?
ロイドこの調子だと完全に解消されるまで、そう時間はかからなさそう──
リタちょっと、あんた達!
ルークお、リタじゃねーか!
ロイドそっちも無事に合流出来たんだな
ゼロス何だかんだ言ってリタちゃん達を捜し出すまで結構時間食っちまったけどな
レイヴンそれより、みなさんそろって随分と清々しい顔しちゃって…、その様子だとひょっとして…
カノンノうん。シャドウの暴走は無事鎮められたよ!あと、契約も交わしてくれたの
クラースやはりそうか…。薄らと感じていた気配が、道中急になくなったから、そのような気はしていたが…
ミラすまないな、クラース。本来はお前達と合流してから地下遺跡へ向かうはずだったのだが…
クレス遺跡周辺が深刻な事態に陥っていたんです。それで、僕達だけで先を進もうという判断になって…
クラースいや、そんな事だろうと大体想像はついていた。その判断は正しかったと思うよ
クラース……ただ、私が大精霊と縁がないだけなのだろう…。はあ…また見られなかったか…
ルークだーっ!うじうじすんなっつーの!
リタそれにしても遺跡の鍵が手に入るなんて運がいいわよね
アスベルああ、俺も驚いたよ。実は──
リッドオレ達もあれからこの地下遺跡についていろいろと調べてたんだ
リッド例の石は、メルトキオのとある家系で代々大切に守られてきた
リッドちゃんとその家は存在してたんだがオレ達が訪ねた時にはもうなかったんだ
リッド地割れで家屋が半壊したところに盗みが入ったらしい
ルーク何者かに盗まれた…?じゃあ、その犯人がシンクだったって事かよ?
リタそいつが持ってたんだから、その可能性が高いでしょうね。誰かからもらったのかもしれないけど
クレスシンクは、何でその鍵を持ってたんだろう。そこにいるのはシャドウだって知っていたようだし
ミラ確かに…。前にリタ達が話していた「人々の望むもの」と思しきものも、何もなかったしな
クラース…それについても、話そう。今回の調査の中でいろいろとわかった事があるのだ
リタここが、前にあたしらの話してた「封じられた遺跡」である事は間違いないわ
リタ…ただ、伝わっていたものと現実は少し違ったみたいだけどね
カノンノ違った?
リッドこの地下遺跡は、過去に存在したとある王族の墓なんだとよ
ユーリ墓だって?…そういや、確かに古い遺跡にしてはやけにしっかりした造りだったっけな
リタ昔この大陸には二つの国があったの。でも、時代が流れる中で、ある時一つの国となった
ソフィそれが、今のシルヴァラントって事?
リオンそういう事だ。そして、歴史の闇に消えたもう一つの国の王族があの遺跡にあるものを封じた
リッドけど、長い年月が経つ中で、元の歴史は忘れ去られちまって…
ロイド俺達の知ってる「封じられた遺跡」の話になったってわけか…
ミラ…だとすると、あの扉の仕掛けは墓が荒らされる事を防ぐための仕掛けだったという事か
クラースそうだ。鍵となる例の石は、失われた王族の血を継ぐ者が代々厳重に管理してきたそうだ
アスベルそれで、さっき話していた鍵が盗まれたって話に繋がるわけか…
リッドま、何はともあれお前達が無事でほっとしたぜ
リタ…ったく、ほんとそれよ。心配して急いでこっちに来たのに何か損した気分じゃない
ルーク仕方ねーだろ、黒い霧が広がって相当ヤバい状況だったんだ……つーかやっぱり…
リタ…?何がやっぱり、よ?
ルークおい、ミラ。な、やっぱ俺の言った通りだろ?
ルークリタの事だから、絶対後で何かごちゃごちゃ言ってくるって──
リタごちゃごちゃとは何よ、失礼ね。あんたの事だからどうせ──
ミラ…違うんだ、聞いてくれ。その話なら続きがあって、お前ならきっとわかってくれるだろうと──
リタ何よ、ミラ。あんたまでこのバカと一緒になってそんな話してたってわけ?
リオン…リタ、落ち着け
リッドやれやれ、リオンの言う通りだ。結果何とかなったんだし、この際細かい事はどうでも──
リタ全然細かくないわよ!だいたい遺跡を調べるチャンスだって逃しちゃったし──…あ!
リタそうだ、せっかくここまで来たんだし遺跡の扉が開くところくらい見てみたいわね…
リタって事で、ルーク。案内しなさいよ
クラースおっ、遺跡に行くのか?私も連れて行って──
ルークだー!もう、付き合いきれねーっつーの!
カノンノあ…ルークが逃げた
リタあ、こら!ちょっと、遺跡の中で何見たのか教えなさいよ!
アスベルルーク、リタ!?
ソフィ行っちゃったね…
ユーリこの期に及んで鬼ごっことはルークの奴、元気なこった
レイヴンリタっちもね。ここへ着くまで相当ピッチ上げてお疲れモードだったってのに…
カノンノふふっ、でも何だかみんな楽しそう
アスベル
アスベル…本当だな
ルークだから!中は暗いから危ねぇんだって!
ソフィ…戻って来た
リタあんた達はその暗い中をどうやって進んだってのよ
ロイドああ、それは大精霊が周囲を照らしてくれて──
クラース何!大精霊が!?カノンノ、是非私にも見せてほしい!
カノンノええ!クラースさん!?
アスベル待ってください!大精霊をむやみに喚び出しちゃ駄目ですよ!
ゼロスおいおい、カノンノちゃんまで連れてかれちゃったぜ
ロイド何だかみんな楽しそうだしいいんじゃないのか?
リッド…オレは腹減ったな
ミラ私も、お腹が空いてきたな…。誰か食べ物を持って来ていないか?
リオンもう少し我慢しろ。全く…自分勝手な奴ばかりだ
クレス
クレスアスベルは、いい仲間に出会えたね
ソフィ…みんなにこにこしてて、楽しそう
ユーリ…さてと、そんじゃ遺跡探検組の気が済むまで、ここで一休みさせてもらうとすっか
クレスうん、そうしよう