NameDialogue
scene1勝利の代償
リフィルふう…
ジーニアスどう?姉さん
リフィル二人共峠は越したわ。時間はかかるけど、何とか持ち直すでしょう
カノンノよかった…!
リタルークもミュウも助かるのね。ほっとしたわ
リッド一時はどうなる事かと思ったぜ。ま、無事で何よりだ
アスベルああ、そうだな。本当にありがとう、ジーニアス、リフィルさん
リフィルここへ来るまでに施した応急処置が功を奏したのよ。賢明な判断だったわ
リフィル…さてと、ここはあなた達に任せて私はそろそろ戻るわね
リフィル彼らが目を覚ますまで、ゆっくりしていくといいわ。…後はお願いね、ジーニアス
ジーニアスうん、任せといて
ジーニアスあーあ、二人共こんなにボロボロになっちゃって…
ルドガーまさかルーク達だけでクロノスに勝ったなんてな
ミラ何とか勝利を得たが、その分、代償も大きい
エミル…そうだね。二人共助かったからいいものの、ここまでひどい怪我を負うなんて
アスベルルーク達はしばらくここで安静にしていてもらわないとな
ソフィルークとミュウが治るまで、わたし達もここにいるの?
リオン…いや、僕達に立ち止まっている時間はない
リタそうね、二人はここに残してあたしらだけで次の大精霊のところへ行くしかないわ
カノンノルーク…ミュウ…
ジーニアス大丈夫、二人の事はボクが責任を持って見てるから安心して
エミル僕もここに残ります。二人が心配だし…
ミラお前達が見ていてくれるならルーク達も心強いだろう
ルークう…
ソフィルーク!?
ルドガー意識が戻ったのか?
ルークあれ…?ここ、どこだ…?
ジーニアスボクの家だよ。思ったより早く意識が戻って安心したよ
ルークジーニアス…?お前の家っつー事は、ここはメルトキオか…?
リッドああ、結構前に戻って来たんだ。お前はずっと意識がなかったからわからないのも無理ねえけどな
ルーク…そうか、俺は確か時空の歪みでクロノスと戦って……
アスベルルーク、本当によくやってくれたな。お前達のお蔭でクロノスの暴走を鎮められたんだ
カノンノそれだけじゃないよ、クロノスが私達に協力してくれる事になったの。本当にありがとう、ルーク
ルークいや…俺はただ…ブタザルの奴が──
ルークそうだ、あいつは!?ブタザルはどこだ!?
リタミュウならあそこに──
ミュウ
ルーク……!!くっ…!
カノンノちょ、ちょっとルーク!?駄目だよ急に起き上がったりしたらまた傷が…
ルークうるせー…!傷なんかどうでも──
ルークいつっ…!
ソフィルーク、無理しちゃダメ
ルークおい、ブタザル…
ミュウ
ルークブタザル!おい、起きろ!おい!!
ルークくそっ…やっぱり…だから逃げろってあれほど…
ルーク……
エミルルーク…。大丈夫だよ、安心して。ミュウは生きてる
ルークへ?……マジか?本当か、エミル!?
エミルうん、本当だよ。ちゃんと息してるでしょ?
ルーク……本当だ。弱々しいけど…息してる…
ルーク…けっ、何だよ!ブタザルのくせに脅かしやがって、こいつ…
エミル安心した?
エミル…それなら、そろそろ腕を放して欲しいんだけど?
エミル嬉しいのはわかるけど、そんなに強く掴まれると…
ルークなっ、べ、別に嬉しいとかそんなんじゃねーっつーの!
ルークてっきり死んだと思ってたからびっくりしただけだ!
ルークつーか、お前らもお前らだ!生きてるなら生きてるって早く言えよ!
リタあんたが勝手に早合点しただけでしょ。ほんと、バカっぽいんだから
ルークお前らがそろいもそろって辛気くせー顔してるからだろーが!俺は悪くねえ!
カノンノルークは本当にミュウの事が大好きなんだね
ルーク誰がだよ!こいつを死なせたらティア達に何言われるかってだけで──
ソフィ…ふふ
ルークあ、こら!何笑ってんだソフィ!
リッド何はともあれルークも怪我はしてっけど一応元気そうだし、一安心だな
アスベルああ、そうだな
ルドガー…よし、ルークの目覚めも確認出来たところで、今度こそ出発しようか
ルーク出発?次の大精霊のところか?
ミラああ、そうだ
ルークそうか。じゃあ、俺も一緒に…
ルークいてっ!
ジーニアス駄目だよ、ルーク。大人しく寝てないと
エミル大精霊の事はしばらくみんなに任せてルークは治療に専念して。僕も一緒にいるから
ルークけっ、こんな傷、屁でもねーよ。動いてる内に治るっての
カノンノ駄目だよ。アッシュさん達とも約束したの、ルークに無理はさせないって
ルークアッシュ…!?そういやあいつらは一体どこに…
アスベルメルトキオまで一緒に戻って来たんだけどな、その後すぐにどこかへ行ってしまったんだ
カノンノアッシュさんもナタリアさんもルークの事、すごく心配してたんだよ
カノンノだから約束したの、ルークの事は安心して任せて、無理はさせないからって
ルークナタリアはともかく……あいつが俺の心配なんかするわけねーだろ
カノンノ本当だよ…!気を失ったルークをここまで運んでくれたのもアッシュさんなんだよ
ルークあいつが俺を…?信じらんねえ…
アスベルいや、カノンノの話は事実だ。彼自身も傷を負っていたし、俺が運ぶと言ったんだが、それでもって…
ルークマジかよ…。何であいつがそんな…
ルークって、いてて…くそ
アスベルルーク…?
リオンいずれにせよ、今の負傷した状態のお前では足手まといだ。…まずは傷の治療に専念しろ
ミラ…私も同感だ。傷が癒えたらまた合流すればいい
ルーク……
リタちょっと、あいつ大丈夫なの?何かぼーっとしちゃってるけど
エミルうーん、僕にもわからない…。急にどうしちゃったんだろう
ジーニアス…とにかく、ルーク達の事はボクらに任せて、君達は早く動き出した方がいいんじゃない?
リッドそれもそうだな
リオンミラ。次の大精霊の居場所はどこだ
ミラ…ここから西の方角に大精霊の強い気配を感じる
ソフィ西…じゃあ、そっちの方に向かえばいいんだね
アスベルああ
リッドじゃあなルーク、オレ達は行く
ルーク
ミラでは、エミル、ジーニアス後は頼んだぞ
エミルうん、わかった。みんな、気をつけて
ジーニアス外まで見送るよ。みんな、行こう
scene2勝利の代償
リタありがと、ジーニアス。見送りはここまででいいわ。ルーク達の事、頼んだわよ
ジーニアスうん、任せて。姉さんもいる事だし、二人の事は心配いらないよ
ジーニアス…それにしても、コンウェイが帰っちゃったのは残念だったなー。もっといろいろと話したかったのに
ルドガー縁があればまた会えるだろ。そうガッカリするなよ
エミルちょ、ちょっとルーク!駄目だって…
ルークうるせー!邪魔すんじゃねーって言ってんだろ!
カノンノあれって…
エミルごめん、みんな…。頑張って止めたんだけど全然言う事聞いてくれなくて…
ルークおい、お前ら!俺を置いて行こうったって、そうはいかねーからな!
ソフィいつものルークに戻ってる…
アスベルそ、そうだな…
ルークここまで来たからには追い返したって無駄だからな。俺も一緒に行くぜ!
アスベル一緒にって、無茶を言うな。そんな大怪我をしているのに
ルークこんな怪我、どうって事ねーっつーの!
ルーク大体、怪我が完全に治ってねーのはミラやリッドも一緒だろ
リッドう…それは…まあ…
ルークほらみろ!なのに俺だけなんて不公平じゃねーか
ルドガーいや、でも…
ルークそんなに俺を休ませたけりゃさっさと大精霊、全部元に戻そうぜ。そうすりゃ俺も休んでやるからよ
ソフィ
ルーク何だよ、ソフィ。文句でもあんのか
ソフィううん、そうじゃない
ソフィルークが大精霊を心配してるって気持ちはわかった。…だから、来てもいいよ
ルーク別に心配してねーっつーの。俺はただ早いとこ面倒事を終わらせたいってだけで…
ソフィうん、わかった。…でもね、一つだけ約束してほしいの
ソフィ辛くなったらすぐに言って。わたしがルークを守るから
ルーク…わーったよ、ったく。必要ねーけど、約束してやる。これでいいか?
ソフィうん、ありがとう
リタ結局ついてくるわけ?みんな、あんたのためを思って言ってたってのに、呆れた…
リタとにかくついてくる以上、絶対足手まといになんじゃないわよ?いい?
ルークへっ、任せとけっつーの!
ルークじゃ、そういう事でエミル、それにジーニアス、ブタザルの面倒は頼んだぜ
エミル…う、うん、わかった。ルークも気をつけて
リオン…よし、そうと決まればさっさと行くぞ。お前達、これ以上無駄に時間を使うな
ルーク無駄って言い方はねーだろ!大体リオン、お前はいつも──
きゃああああっ!
ルドガー何だ、今の悲鳴は…
ミラ見ろ、魔物だ!
ガルル…
リッドやれやれ、これじゃあまた「時間を無駄にするな」ってリオンに言われちまうな
アスベル街の人達に被害が及ぶ前にあの魔物を倒さないと…。よし、みんな急ごう!
scene1大精霊の気配
ロイド…あれからあちこち見て回ったけど新たに破壊された街や村は見つからなかったな
スタンあいつの言った通りだったって事か…
アーチェやっぱ、あの白い髪のヤツが犯人なんじゃない?犯人じゃないとわかんないような事知ってたじゃん
ゼロス俺さまもアーチェちゃんに同感だ。あいつがアスカを暴走させてたって事とも話が繋がるし…
ユーリ
クレスユーリ、君はどう思う?何か引っかかっている事があるように見えるけど
ユーリん?
ユーリああ…まあ、大した事じゃねえんだがちっとばかし気になる事があってな
ユーリあいつが犯人だとして、何で出くわした時、オレ達には手を出さなかったのか…
スタンう~ん。わからないけど、俺達の方が人数が多かったから、とか、そんな理由じゃないのか?
ユーリ街一つ滅ぼしてのけたのかもしれない奴がか?どうだろうな
ユーリそれに、あいつが例の第三者って奴だとしたら、単独ってのも考えにくいんじゃないのか
レイヴンうーん…まあ、確かに…
ユーリテムザ山でロイド達が最初に会った時点で、言ってみりゃ奴はオレ達の目的を知ったわけだ
ユーリもし、あいつが第三者なら尻尾を掴もうとしているオレ達を野放しにする理由がわからねえ
クレスなるほど。確かにそうだね…
ロイドじゃあ、あの男は第三者じゃないって事か?
ユーリそれも現時点じゃ断定出来ないな。詳しい事情を知る存在だって事は間違いねえだろうけどな
ゼロスだったら、何にせよやる事は一緒だ。何としてもあの男を捜し出して、洗いざらい吐かせるしかねーだろ
ユーリ…まあな
レイヴンとにかく、当面の目的はあの男の捜索って事で決まりかね
クレスああ。…とは言うものの彼の行先は見当もつかないし、どこへ向かったらいいんだろう…
ドガッ!
ロイドん?この音は何の音だ?
ガルルルル!
グオオオオ!
バキィッ!
スタン叩きつけるような音と…魔物の声が…たくさん…?
アーチェ近くで誰かが魔物と戦ってるんじゃない!?
レイヴン音だけじゃ何とも言えんけど、もしかしたら、助けが必要だったりするかもねえ
クレスとにかく、音のする方へ行ってみよう!
ルークいてて…。…ったく、クロノスの野郎手加減なしで殴りやがって…
カノンノ仕方ないよ。あれはクロノスの意志じゃないんだし…
カノンノクロノスが言ってたよ。ルーク達に借りが出来た、それを返すために私達に力を貸してくれるって
カノンノきっとルーク達に、とても感謝してるって事だよ
ルーク
ルーク…けっ、まあ仕方ねーからそういう事にしてやるけどよ
カノンノふふっ
ルドガーじゃあ、俺はそろそろ行くよ
ルークん?何だ、ルドガー、一緒に来ないのかよ?
ルドガーああ、俺は兄さんと合流して時空の歪みに取り残された人達を一緒に助けに行く
ルークそうか…ってそういや、時空の歪みはどうなったんだ?
ルドガー現状はそのままで、完全にこの世界との繋がりが断たれるのは、先の話になると思う
ミラあれだけの空間だからな、完全に繋がりを断つには時間が必要だ
ルークって事は…また地震が起きたら時空の歪みに落っこっちまうかもしれねーって事か?
カノンノそれは安心して。その心配はなくなるみたい
ミラクロノスが自我を取り戻した今、亀裂が生じたとしても、時空の歪みと繋がる事はない
ミラ更に言えば、幸いマナの減少も徐々に緩やかになっている
ミラ地震などの異変も静まりつつある事を踏まえると、亀裂が発生する事自体少なくなっていくだろう
ルークややこしいな…要するにどういう事なんだ?
ルドガー要は、新たな被害が出る事はない、後は取り残された人達を救い出せば、一件落着って事だ
ルークよくわかんねーけど、とにかくもう大丈夫って事だな
ルドガーま、そんなところだ
アスベルルドガー、今まで本当にありがとうな。お蔭でいろいろと助かったよ
アスベルここからは別行動になるが、時空の歪みに取り残された人達を必ず救い出してあげてほしい
ルドガーああ、勿論。絶対最後の一人まで救い出してみせる
ルドガー…それじゃ、俺はそろそろ行くよ。また俺で力になれる事があったらいつでも声をかけてくれ
リッドああ、ユリウスにもよろしく伝えておいてくれ
scene2大精霊の気配
リッドこの辺りの魔物は凶暴なヤツが多いから注意して進めよ
アスベル…ん?
アスベルああ、そういえば、リッドはコルテア街に住んでるって言っていたな
リッドああ。異変が起こる前は、この森でよく狩りをしてたからな、それなりに詳しいぜ
リッドそういや、ルイニス街も近いよな。リオンなら、この辺りの事に詳しいんじゃねえのか?
リオン…さあな
カノンノこの森の荒れようじゃ動物達も居場所をなくしてしまってるかもしれないね…
リタそれは魔物にも言える事ね。森を出て、周辺の街や村に被害を与えてなきゃいいけど
ルーク…つーか、ミラ。何かどんどん森の奥に進んでるけど方向、合ってんのかよ?
ミラああ、問題ない。目指す方角は、概ね変わりない
リッドこの方角って言ったら、コルテア街があるところじゃねえか
アスベルそんな…ミラ、大精霊はコルテア街にいるのか?
ミラいや、今の時点では正確な位置まではわからない
ソフィ街じゃないといいね…
アスベルとにかく、大精霊の居場所が特定出来ないとしても急いだ方がいい
カノンノうん、そうだね。ミラ、引続き道案内を…
ガサッ
リッド…!今の音はまさか…
ガルルル!
リッドやっぱり魔物か!
scene1偶然の再会
ロイドあちこちに魔物の死体が…。戦闘は既に終わったみたいだな
ゼロスああ、…にしてもこれだけの魔物を倒すなんてただ者じゃなさそう──
ガアアッ!
アーチェなっ、魔物!?
レイヴンうおっと…!まだお仲間が潜んでたか
セネル…どけっ!
セネルふっ、はっ、食らえっ!
ギャウウッ!
セネルふう…
クレス素手で魔物を…君は一体…?
セネルすまない、驚かせてしまったな
セネル俺はセネル・クーリッジ。シーブル村の…
アーチェあーっ!!誰かと思ったらセネルじゃん!
ロイド何だアーチェ、知り合いか?
レイヴンそそ、リタっち達とア・ジュールに行った時にお世話になったんよ。なー、セネルちゃん
セネルお前達…。まさかこんなところで再会するとはな。他の二人は一緒じゃないのか?
アーチェ二人?ああ、リタとエステルの事ね。今はいろいろあって別行動してるの
アーチェそれより、あんたこそどうしてこんなとこに?海で救助活動を続けるって話じゃなかったっけ?
セネル…少し気になる話を聞いてな
セネル海の荒れは収まりつつあるし、救助活動は中断して、今はその「気になる話」を追う事にした
クレス気になる話…?セネル、よかったらその話、僕達にも聞かせてくれないかい?
セネルああ、勿論だ
セネル西にある小さな孤島を知っているか?
ゼロスルイニス街の西にある孤島…確かバレル島だったか
セネルああ。そこで妙な雷雲が発生しているらしい
セネルそいつは、普通じゃ考えられないほどの速さで拡大、遂には本土に差しかかるまで広がっているそうだ
ゼロス雷雲ねえ…雷が鳴って、大雨が降るってだけじゃねーの?
セネルただの雷雨だけなら、俺もわざわざ調べになんか行かない
ユーリって事は、何か妙なとこがあんだな
セネル雨は降らないらしいが、雷がな。自然現象で起こる雷とは比にもならない威力だって話だ
アーチェ比にもならない威力ってどんくらいなのよ?
セネルこれ以上の事は俺にもわからない、だから確かめに行くんだ
セネルその情報が本当だとしたら…雷雲が拡大している以上周辺の街にも被害が出る可能性がある
スタン
ユーリ異常な威力の落雷か…嫌な感じだな
クレス…僕も同じ事を考えてたよ。ひょっとすると、これは、大精霊の影響なのかもしれないね
ユーリ考えられるな。ま、オレは専門じゃねえし詳しい事はわからねえが
セネル大精霊の影響?一体どういう事だ?
セネルお前達はミラとも知り合いなんだな
ユーリて事は、お前もか?世間ってのは案外狭いもんだな
レイヴンあのさ、もし本当に大精霊絡みなら、ミラちゃん達にこの雷の話、伝えた方がいいんでないの?
クレスそうだね…彼女に伝えた方がいいとは思うけど…
ユーリ慌てんなって。本当に大精霊が関わってんなら、ミラだってもう向かってるかもしれねえぜ
セネルミラが…そうか。なら、お前達、俺と一緒にシーブル村へ来るか?
アーチェシーブル村…?何で?孤島はルイニス街の西にあるんじゃ…
セネルバレル島へ行くには、シーブル村から船を出し、南の海上を進むしか方法はない
セネル…仮にミラが動き出しているとしたら遅かれ早かれ、必ずシーブル村を目指す事になるだろう
レイヴン闇雲に動くよりは、セネルくんに同行した方が、ミラちゃん達と会える可能性は高いって事ね
ゼロスじゃあ、今はあの男の捜索は後回しにしよーぜ!俺さま、野郎よりミラさまを追う方がいいっ!
スタン…なあ、セネル…その雷雲の事だけど、今どの辺りまで広がってるんだ?
セネルバレル島から一番近い街…ルイニス街の上空辺りまで拡大していると聞いている
ロイドルイニス街だって!?おい、スタン…
スタン…ああ
スタン…悪い、みんな。俺、一旦ルイニス街に行くよ。ここからならそう遠くないし
セネルルイニス街へ?今街へ行ったとしても、お前がそこで出来る事はないだろう?
スタンルイニスには妹のリリスがいるんだ。もし雷が当たったら…!
セネル妹か…
セネル…スタン、だったらなおさら、街へ行くのはよせ
スタン何でだよ!
セネル…妹を救いたいなら、俺と一緒に来て大きな被害になる前に落雷を止める方法を探すべきだ
セネル俺にも妹がいる。お前の気持ちは痛いほどわかるが、むやみに突っ走らず冷静になれ
スタンセネル…
ロイドスタン、俺もそれがいいと思う。ここはみんなでシーブル村に向かってミラを捜そう
スタンシーブル村だな、わかった。…リリス…街のみんな…絶対に雷は止めてやるからな…!
セネルよし、そうと決まれば早速行こう
リッドコルテア街はもうすぐだ
リッドまさか本当に大精霊がコルテア街にいるって言うんじゃねえだろうな…
ミラいや、気配はここからさらに北西…。被害を心配するならおそらくルイニス街の方だ…
ルークお、おい、待てよリオン!
ミラそうか…ルイニス街は今も……
リオン
ミラ…リオン、気を落とすな。気休めにしかならないかもしれないが聞いてくれ
ミラ私達が出会ってすぐの頃、氷漬けの街を元に戻すべくイフリートの力を借りた事を覚えているか?
リオン…ああ。それがどうした
ミラ大精霊イフリートの力を用いても、街の氷が溶ける事はなかった。すなわち──
リオン…あの氷に覆われている以上ルイニス街が大精霊の影響を受ける事はない、という事か…
ミラ確証はないが、その可能性は高い
リオン
リオン…ふん、まさか街があの氷に守られる事になるとはな。皮肉なものだ
ルークわかるように言えよ。つまりルイニス街は大丈夫って事か?
リタ多分ね。でも、切羽詰まってるって状況に変わりはないわよ
リタそれにルイニス街だけじゃないわ。あの辺だって、他にも街や村はたくさんあるし
アスベルリタの言う通りだ。とにかく俺達は一刻も早く大精霊の元へ急いだ方がいい
ソフィうん、急ごう
scene2偶然の再会
アーチェ孤島に行ってミラと会えると思う?別の大精霊のところに行っちゃってすれ違っちゃったりしないかな?
ユーリどうだろうな。けど、バレル島で何が起きてるか、確かめるのも無駄じゃないだろ
ゼロスん?おい、みんな…向こうから来る奴らってもしかして…
ミラユーリ?
ユーリミラ…!?…おいおい、偶然にもほどがあるだろ
アーチェホント、嘘みたい…
アスベル俺達もびっくりしたよ
ミラまさか、大精霊の気配を追って来てお前達と会う事になるとはな
ロイド…大精霊の気配…!?やっぱりそうだったのか!
ロイド聞いてくれミラ。セネルの話だと――
カノンノ西の孤島に発生した妙な雷雲…?
ソフィミラ…それって…
ミラああ、発生している現象から考えても大精霊による影響とみて間違いはなさそうだ
ミラ更に言えば、雷雲の発生したバレル島は、私達が追っていた大精霊の気配と同じ方角にある
リオンつまり、僕達の追っていた大精霊こそルイニス街周辺に雷雲をもたらしている元凶、という事か…
スタンリオン、早く何とかしないと、ルイニス街が──
リオン…街への影響は今のところ問題ないと考えていいようだ
スタン問題ない…?それはどういう事だ?
リオン街を覆う氷だ。同じ大精霊であるイフリートの炎でも、影響を受けなかった事を考えると…
スタン雷の影響も受けないって事か!?
ミラ…おそらく、だがな
スタンよかった…少し安心したよ。とはいえ、雷は何とかしないとな
スタンルイニス街の氷が結局何なのか、全然わかってないし、確実に安全だとも言い切れない
スタンそれに、例えルイニス街が大丈夫だとしても、他の街が危険に晒されてるかもしれないし
スタンそうだろ、リオン?
リオンああ…
スタンなら、俺もバレル島に連れて行ってくれ!このまま黙って見てるなんて、俺には出来ない!
クレス…よし、じゃあ、こうしないか?
クレス僕達は、引続き第三者を追う。大精霊の事はミラ達に任せたい
クレススタン、君はミラ達と一緒に大精霊のところへ行くといい。第三者の事は僕達で何とかするから
スタンクレス…
クレスミラ、これでどうかな?彼にとってあの街は、家族のいる大切な場所なんだ
クレスだから、同行させてやってほしい
ミラわかった。スタン、では共に行くぞ
スタンありがとう!
ロイドやっぱり大精霊だったんだな…
ユーリどうやってお前らにそれを伝えたもんかと思ってたんだが手間が省けて助かったぜ
ミラ私達もここでユーリ達に出会わなければルイニス街に向かっていただろう
ミラまさか、気配のありかが海を隔てた孤島にあったとは、想像すらしていなかったからな
アスベル…とにかくこれで大精霊の居所ははっきりした。俺達は急いでバレル島へ向かうべきだ
ソフィうん、わかった
リッドバレル島に行くにはシーブル村に行かないといけねえんだったな
セネルああ。そこからでしか島へは行けない
ルーク決まりだな。んじゃ、とっとと行こうぜ
アスベルユーリ、情報ありがとうな。大精霊の事は任せてくれ、必ずどうにかする
ユーリああ、頼んだぜ。オレらは第三者の情報収集に専念させてもらうさ
ロイド大精霊の事、頼んだぜ!
リタおっさん、あんたもぼーっとしてないでしっかり働きなさいよ
レイヴンへいへい。全く、たまに会ったと思えば、つれない言い草なんだから…
ロイドじゃあ、俺達は行くぜ。しっかりやれよ!
ゼロス俺さまもミラさまと一緒に行きたいけど、ま、しょーがねえかぁ。気をつけろよー!
カノンノうん!みんなも、気をつけてねー!
ソフィシーブル村…
アスベルソフィはシーブル村に来た事があるのか?
ソフィうん。優しい人達がたくさんいてすごくいいところだった
アスベルそうか、それはよかったな。村の人達と久しぶりに会えるといいな
アスベルじゃあ、改めて出発しよう。みんな、準備はいいか?
ガサ…
リオン…!待て、そこの茂みに何かいる
カノンノひょっとして…
ガアアアアッ!
ルークけっ、魔物かよ!
scene1シーブル村へ
セネルここまで来れば、シーブル村まではあと少しだ
ミラそうか──…ん?あれは…
ガルル…
フィリア
セネル誰かが魔物に襲われているようだな
スタン大変だ、助けないと!
アスベルああ!
???たああーーーっ!
ズバッ!
ギャオオオッ!
セネルあいつ…
アスベル…?セネルの知り合いか?
???フィリア、大丈夫!?
フィリアはい…!ありがとうございます、シングさん
セネルシング!
シングあ、セネル!どこ行ってたんだよ
セネルそれはこっちの言い分だ。お前こそどこへ行っていた?
シングそれが…実は、時空の歪みってところにうっかり迷い込んじゃってさ
シング詳しく話すと長いんだけど、ユリウスさんって人に助けてもらってようやく戻って来れたんだよ
ソフィあ!シング…!
シングソフィ!
シング…って、あれ!?オレも知った顏がちらほら…
シングみんなに久しぶりに会えて嬉しいよリタも一緒にいるんだね!
リタいつぞやは情報提供、助かったわ。お蔭で赤い髪の男もコレットも見つける事が出来たわ
フィリアこんにちは、ルークさん
ルークフィリアじゃねーか。何でメルトキオの司祭がここにいるんだ?
セネル司祭?
シング少し前までは、オレを助けてくれたユリウスさんの手伝いをしてたらしいんだけど…
シング今はいろいろあってシーブル村で怪我人達の救護を手伝ってくれてるんだ
スタンへえ。この状況で司祭様がいてくれるなんて、村の人達も心強いだろうな
シングところでセネル、コハクとヒスイを見なかったか?ずっと村に帰ってないらしいんだ
スタンコハクとヒスイって、兄妹の?その二人なら、俺、ちょっと前に会ったぞ
スタン…って待てよ、そういえばシングを捜してるとか何とか言ってたような…
シングええーっ!?コハクはともかく、ヒスイまでオレを捜しに?
シングそれは悪い事しちゃったな…
シングでも無事でよかった、ずっと心配してたんだ
スタン二人共元気そうだったよ。確か今は、クラースさんって人と行動を共にしてるはずだ
シングありがとう、スタン。二人の事がわかって安心したよ
シング本当はオレも二人を捜しに行きたかったんだけど、今は村も物騒な事になっててさ…
シングさっきの魔物、見ただろ?ああいった魔物がしょっちゅう村に侵入して来るような状態なんだ
フィリアシングさんが戻られてからは、魔物の被害がかなり減ったんですがそれでも怪我人は後を絶たなくて…
セネルそれで、シーブル村に留まり救護を手伝ってくれてるのか…
フィリアええ…
シングでもまあ、セネルも村に戻って来たしシーブル村もこれでちょっとは安心かな?
セネル…いや、シング。悪いが、俺はまた少し村を離れなければならない…
シング…何かあったのか?
スタンああ、実は…
フィリアバレル島に妙な雷雲…ですか
シングへぇ…そんな事になってたんだ
セネルシーブル村の事も気がかりだが、雷雲を放っておけば被害が生まれる可能性が高い
スタン島から近い街や村にも危機が迫ってるんだ。一刻も早く孤島へ行かないと!
シングだったら、村の事は心配しないで!オレが頑張るからさ
シングフィリアも手伝ってくれてる事だし、こっちはこっちで何とかするよ
セネルすまないな
シングじゃあ、とにかく早いところ村へ戻ろう
フィリアそうですね
scene2シーブル村へ
セネルよし、村に着いた
セネル…にしても随分と荒れているな。これも天変地異の影響か…
シングうん、オレが戻って来た時にはもうこんな感じで──
きゃああ!
シング…!あの悲鳴は!?
女の子た、助けて…
グルルル…
リッドおいおい、まずい状況だぜ。村のど真ん中に魔物が…!
アスベルその子に手出しはさせない!
バシッ!
ギャウウッ!
リタふう…アスベルが咄嗟に割って入ったお蔭で何とか間に合ったみたいね
フィリア怪我はありませんでしたか?
女の子う、うん…ありがとう
シングはあ…全く、心臓が止まるかと思ったよ。近頃はあんな事ばっかりさ
シングさっきは魔物を追いかけて村の外へ出てたんだけど…やっぱり村を離れちゃ駄目だね
ソフィあんなにいいところだったシーブル村がどうして…
ミラこれも全て、異変の影響なのだろうな
セネル…シング。こんな状況で、お前一人に村を任せてすまないが…
シング気にしないで!確かにもう少し人手が欲しいけど、魔物はそんなに強くないし、オレ一人で何とかするよ
ソフィ
ソフィねえ、シング。わたしがここに残って手伝う。それだと少しは助かる?
アスベルソフィ…お前、いいのか?
ソフィうん。この村はね、わたしが前にこの時代に来た時に、初めて来た場所なの
ソフィ村の人達はみんな親切でわたしにとても優しくしてくれた
ソフィそれにね、シングとコハクに助けてもらった事もあるんだよ
ソフィだから、今度はわたしがシングや村のみんなを助けたい…
カノンノソフィ…
シング力を貸してくれるっていうならオレ達としては大助かりだけど…でも、ソフィ、本当にいいのか?
ソフィうん、いいよ
シングそれなら、ありがたくお願いするよ!ありがとう、ソフィ
フィリア私からもお礼を…。ありがとうございます、ソフィさん
ソフィアスベル…。わたしはこの村に残る、だから、大精霊の事はお願いしてもいい?
ソフィ…大精霊の事は、すごく大事な事だってわかってる。けど、困ってるシングを置いていけない…
アスベルああ、わかるよ、ソフィ。大丈夫、大精霊の事は俺達に任せてくれ。必ず暴走を鎮めると約束する
ソフィ…ありがとう、アスベル!
ソフィあと、ミラ…ルークの事、見ててあげてね。無理しないように…
ミラ大丈夫だ、目を配っておく
ルークあのな、お前ら!二人そろって俺をガキ扱いすんじゃねー!
セネル…とにかくソフィ、本当に感謝する。だが、ここは安全だとは言えない。十分に気をつけてくれ
ソフィうん、ありがとう。セネル達も気をつけてね
セネルああ!じゃあ、みんな行こう。船は波止場に係留してある
リオン…!またか…
ガルル…
リッドやれやれ、また魔物かよ。ソフィもこれから大忙しだな…
ルークとにかく、とっとと片付けちまおーぜ!
scene1雷鳴響く孤島
ルークおい、岩にぶつかるぞ!
セネル大丈夫だ、よけられる!
リタこっちに大きい渦があるわ!
セネルわかってる!
アスベルそれにしてもひどいな、この海域は…難所なんてものじゃないぞ
リオンそこかしこに岩があり、潮の流れも早い。確かに抜けるのは容易ではないな
ミラ
リッドなあ、ミラ。さっきから全く話してないよな。何か気になる事でもあるのか?
ミラ…いや、何でもない。気にするな
アスベル…?本当に大丈夫なのか?
ミラああ、心配をかけてすまない。今は無事この荒れた海を乗り越えられる事だけを祈ろう
カノンノうん、そうだね…
カノンノお願い…どうか無事に、バレル島に着けますように…
リタ何とか無事にたどり着けたわね…。船酔いしてる余裕すらなかったわ
ルークふー…本当にもう何度も死ぬかと思ったぜ…
リッドにしても、これだけ大荒れの海で何とか島までたどり着けたのはセネルの腕のお蔭かもな
スタンああ、本当だな。ありがとな、セネル
セネル礼には及ばない。むしろ本番はここからだ
アスベルああ。それにしても、この薄暗さは…
リオン陽の光が全く入らないな…。まるで雷雲が全てを遮っているようだ
ゴゴゴ…
カノンノ雷の音…?今にも落雷しそう──
ズドドドドーーーン!!
カノンノきゃあっ!?言ってるそばから…
ルーク…おいおい、やべーんじゃねえのか?あんなでっかい稲光を見たのは初めてだぜ…
リッドああ…それに稲光から雷が落ちるまでそんなに間がなかった。こいつは近いな…
リタって事は、大精霊も…
リオン…!
スタンカノンノのネックレスが、光り出した…?
ミラ間違いない、大精霊はすぐ近くにいる
ミラこの雷雲を生み出している、雷を司る大精霊…ヴォルトがな
カノンノヴォルト…
リオン…行くぞ。相手がどんな大精霊であろうと、やる事は同じだ
アスベルああ、リオンの言う通りだ。…みんな、一刻も早くヴォルトを捜し出そう!
scene2雷鳴響く孤島
ゴゴゴゴ…
ルークずっと空がゴロゴロ鳴ってやがる。またいつ雷が落ちてきても、おかしくねえぞ
リタちょっと、やめてよ。そういう事言うと…
ズドドドドーーーン!
カノンノきゃーっ!!
リッドうおっ、またかよ!
リタだからやめてって言ったのに!
ルークた、ただの偶然だ!俺のせいじゃねっつーの!
アスベルカノンノ、大丈夫か?
カノンノう、うん…いきなりでびっくりしたけど…
スタンまずいな…。こんな調子じゃ、いつ雷に打たれてもおかしくないぞ
ミラ…だが、それでも行くしかない。今私達が行かなければ、この雷が各地の街を襲う事になる
アスベルそうはさせない…!必ず止めてみせるさ
セネル…よし、みんな。出来るだけ姿勢を低くしながら進め。警戒は怠るなよ
カノンノう、うん…!
リオン…!ここは…
リッド木が焼けて煙が出てる…。さっきのでっかい雷が落ちたんだろうな
ルークマジかよ…。ズタズタの黒焦げじゃねーか…
アスベル想像していた以上に深刻な事態だ…。こんな落雷が直撃したら、人間なんてひとたまりもない…
リオン
スタンなあリオン。ちょっといいか?
スタンこれまでみんなが戦ってきたっていう大精霊の話、聞いたよ。すごい力を持ってるんだってな
リオン
スタンみんなあちこち怪我してるみたいだし…これまで相当苦労してきたんだろうな
リオン…だから、何だ?
リオン大精霊の話を聞いて怖気づいたのなら帰れ。セネルに帰りの船を出してもらえばいい
スタン帰りたい、なんて言ってないだろ!むしろその逆だ
リオン逆…?
スタン…リオン、俺さ、みんなから話を聞いて考えたんだ
スタンヴォルトとの戦いは、俺達が前に出て戦わないか?
リオン…何?お前、何を考えている?
スタンええと…。ほら、ルークとかリッドとか…みんな、結構ひどい怪我じゃないか
スタン俺は今のところ、大きな怪我もしてないだろ?だから、だよ
スタンこれ以上怪我人を増やさないために、俺とリオンで頑張りたいんだ。リオンと俺なら、きっとやれる
リオン
スタンお前がルイニスのために頑張ってる事はわかってるつもりだ。だから、俺もその手伝いがしたいんだよ
リオンスタン…
リオン
スタンごめん、説明がわかりにくかったか?ええと、だからさ…
リオンお前の下手な説明はもういい。無駄口を叩く暇があるならさっさとヴォルトを捜せ
スタンおい、リオン…!
スタン…って、行っちゃったか。どうしたんだ?リオンの奴…
リッドやれやれ。スタン、お前も大変だな
アスベル口では大丈夫だって言っていても、リオンはやっぱりルイニス街の事が気がかりなんだろう
ミラ…だとしても、視界や足場の悪いこの状況で、単独で動く事には賛成出来ない
スタンミラの言う通りだな…。とにかく、リオンを連れ戻さないと
スタンおーい!リオ──
ズドドドドドーーーーン!!!
ルークぐあっ!
ミラルーク!
カノンノきゃあっ!
アスベルカノンノ!?
リオン今の落雷…まさか!
アスベルう…
カノンノアスベル、大丈夫!?私を守ろうとして、こんな…
アスベルよかった…無事みたいだな。俺の事は心配しなくていい、大丈夫だから…
ミラ…ルーク、立てるか?
ルークぐ…あ、ああ、なんとかな。てっきり全員消し炭にされたと思ったけどよ…
リタミラが咄嗟に防御陣を展開してくれたからよ。でなかったら今頃…
リタって、セネル、あんたその肩…!
セネル…問題ない、気にするな。それよりも今の落雷…あれじゃ気配を感じ取るのは難しそうだ
リッドああ、本当にこんなの直撃したら笑えねえよ…
スタンすごい雷だったな…。これがただの雷だったとしたら、ヴォルトはもっとすごいんだろうな…
リオンおい、お前達!無事か!?
アスベルああ、何とかな…。リオン、お前は大丈夫か?
リオン僕は何ともない。…だが、ヴォルトと戦う前に負傷者を増やす事になるとは…
リッド…とにかく、ここから離れるべきだ。また雷が落ちてくるようじゃ、次こそ一巻の終わりだろうしな
リオンよし、動ける者から離れろ。今度は分散した方がいいだろう。直撃の確率が減る
リオン…スタン、僕に掴まれ
スタンああ、助かるよ。ありがと──
スタン…なっ…!リオン、後ろ…!!
リオン…!
ヴォルトヴヴヴ
カノンノ…!みんな、ネックレスの光がどんどん強くなってる…
リオンでは、こいつが…
ミラああ、間違いない。ヴォルトだ
リタこっちが負傷してから出て来るなんて、いい度胸してるじゃない…!
ルークけっ、どんなマネをしようが結局お前が俺達に倒されるって事は変わらねーけどな!
ヴォルトガガガ
セネル…!ヴォルトを見ろ、光を帯び始めたぞ…
ヴォルトガガ…ガガガ…
アスベルどうやら、一気に俺達にトドメを刺すつもりでいるらしい…!
スタンみんな、気をつけろ!来るぞ!
scene1大精霊ヴォルト
スタンリオン、今だ!
リオンはああっ!
ズバッ!
ヴォルトヴヴ…
セネルはあ…はあ…やったか?
リッドいや、まだだ…。だが、ヤツは確実に弱ってるぞ!リオン、今の内にトドメを刺せ!
リオン言われなくてもわかっている
ヴォルトヴヴヴ…ガガ…
リオンこれで…終わりだっ!
ヴォルトガガガガガガ
バチバチッ
リオン…!ヴォルトの周囲に光が…まさか、これは──…まずい!
ミラ…!
リオンお前達、離れろ!!
ズババババッ!
リオンぐっ…!
カノンノきゃあああっ!
アスベルカノ──…ぐああっ!
ルークうわあああっ!
リッドうぐっ!
スタンぐわああっ!!
ミラくっ…!
スタンう…
リオンスタン、大丈夫か
スタン何とか…リオン、お前は…?
リオンああ。僕は無事だ
カノンノアスベル…何度も庇ってもらってありがとう…大丈夫…?
アスベル俺は大丈夫だ…、それより、みんなは…!?
ルークみんな…何とか無事みたいだ。つか、今度こそマジで死んだかと思ったぜ…
ミラ渾身の一撃を放ったというわけだな。何とか全員直撃は免れたようだが…
セネルまた、ミラの防御陣に助けられたな
ミラああ…。だが、今の雷撃でもう防御陣は展開出来そうにない…
リタ…ヴォルトはどこ!?姿が見当たらないわ
リオン雷撃を放った後、ここから去って行った
リオン周囲の木々をなぎ払いながらあの森の奥に入って行った
スタンあいつは逃げたって事だよな?だとしたら、きっとヴォルトも相当なダメージを負っているはずだ
スタンすぐに追いかけよう!
リッドそうだな…逃がすわけにはいかねえ
ルークつっ…
ミラルーク、傷が痛むのか?
ルークこのくらい何ともねえ…!…お前ら、とっととヴォルトをぶっ倒して元に戻すぞ
カノンノうん…!
リオン…こっちだ。動ける奴は僕について来い
スタンああ、わかった!
scene2大精霊ヴォルト
リタ見事に辺りの木々はズタボロね。すごいエネルギーだわ…
スタン大精霊の力がここまでのものだなんて…。話は聞いてたけど、想像以上だ…
ルーク…ああ、あの雷撃はヤバすぎるぜ
セネルミラのお蔭で何とか直撃せずに済んでいたが、次まともにあいつを食らったら…
リオンおそらく全滅は免れないだろう。例え生き残る者がいたとしてもカノンノを失えばそれまでだ…
アスベル何か方法はないのか…?ヴォルトの雷撃を避けて倒す方法は…
リタ今までだってギリギリだったのよ?近づけばそれだけ不利になるわ
リッドなら、雷撃を放つ前に倒しちまうってのはどうだ?
ルークどうやってだよ!あれだけみんなで攻撃してもまだ倒せなかったんだぞ!?
ミラ…いや、出来ない事もなさそうだ。あまり気は進まないがな…
アスベルなっ…本当か!?
ミラああ。さっきのヴォルトとの戦闘の最中、奴の周囲のマナの密度が大きく低下する変化が見られた
カノンノマナの密度が低下…?それってどういう事?
ミラ簡単に言えば、一時的にヴォルトが無防備な状態になった、という事だ
ミラその機を狙えばおそらく一瞬で片を付ける事も出来なくはないだろう…
スタンじゃあ、そのタイミングを狙うべきだ。そうだろ?
ミラ…ああ、だが──
リオン…その攻撃方法にはお前の気の進まぬ理由がある、という事だな
ミラ…察しがいいな。いや、リオンは気付いていたか…
アスベルヴォルトの身体が光に包まれた瞬間だって…?
リオンああ。間違いない。ヴォルトは光に包まれた後に雷撃を放っていた
セネル…つまりは、その瞬間こそヴォルトを倒せる唯一のタイミングだって事か?
ミラそういう事だ
リッドそれって…失敗したら、問答無用で雷撃を食らっちまうって事だよな。さすがに、それは無茶じゃねえのか?
ミラ勿論、無茶は承知の上だ。だが、ヴォルトの雷撃がある以上、この方法しかないだろう
スタンそんな…
リオン闇雲に挑んだところで、雷撃が放たれれば、どのみち終わりだ
リオン…命を懸けるなら、僕は勝機のある方法を選ぶ
アスベルリオン…
アスベルああ、そうだな、俺もリオンに賛成だ!
セネル俺も反対はしない。だが、その方法でいくとしてももう少し詳細を詰めた方がいい
リタ同感ね。うっかり全滅はごめんだわ。それに、さっきみたいに逃げられないようにもしないと
リッドじゃあ、オトリ作戦ってのはどうだ?
カノンノオトリ?
リッドああ。ヴォルトが無防備な状態を狙うトドメ役は誰か一人に任せて残りは全員オトリ役になるんだ
リッドオトリ役は分散して攻撃を仕掛けてヴォルトの注意を引きつけておくってワケだ
ミラいい案かもしれない。ヴォルトの気が逸れる分、トドメ役の成功率は上がる
セネル少なくとも、闇雲に突っ込むよりは勝算がありそうだ
ルークけど、誰がそのトドメ役をやるんだ?そいつが失敗したら元も子もねーって事だろ?
カノンノうーん…
スタンその役目、俺はリオンが相応しいと思うんだけど、どうかな?
スタン剣の腕はみんな知ってるだろ?それにリオンはすごく冷静だし…俺はリオンが適任だと思うんだ
ミラ確かにその通りだな。リオンの腕が立つというのは、私も同感だ
カノンノヴォルトの雷撃にいち早く気付いて私達に声を掛けてくれたのもリオンだったしね
アスベル確かに、観察力や判断力という部分でもリオンは鋭いし、申し分はない
リッド素早さって点でも問題ねえしな。スタンの言う通り、オレもリオンが適任だと思うぜ
セネル俺も特に異存はない
ルークいつも態度がそっけないのは気にいらねーけどな
リタこの際態度はどうでもいいでしょ。やる事さえやってくれれば
アスベル…そういうわけだ。リオン、お前にトドメ役を頼みたい。引き受けてくれるか?
スタン勝手に進めてごめんな、リオン。押し付ける気はないんだ。大切な役だし…リオンに決めて欲しい
リオン僕は…
リオン
リオン…いいだろう、引き受けてやる。だがスタン、勘違いするなよ。僕は別に臆しているわけじゃない
リオンお前達が僕の足を引っ張らないか心配だった、それだけの事だ
スタンははは、リオンらしいな!…頼むぞ、リオン!
リオン…やり遂げてやるさ、必ずな。ただし、お前達は誰一人として僕の足を引っ張るな。…いいな?
スタンああ、勿論約束するよ。な、みんな?
リッドおう!オレは元々猟師だからな。こういうヤツなら任せとけって
ルークそれより、リオン!お前、役割重大なんだからな!
ルーク言ってみりゃ、俺達の命はお前にかかってんだから…集中してやれよ、マジで!
リオンそんな事は言われなくてもわかっている
アスベルよし。方針も決まって、光明が見えてきたな
カノンノうん、そうだね
スタンみんな、リオンを信用してるんだな!俺もずっとお前を頼りにしてたけど…やっぱりお前はすごいよ、リオン!
リオン
スタン…どうした、リオン?やっぱり不安になったのか?
リオン…何でもない。考え事だ。…カノンノ、お前は僕と一緒に来い
リオンオトリ役から離れたところで待機し、僕がヴォルトを仕留めた後で僕のところに来い。いいな?
カノンノえ…?
カノンノ私は大丈夫だよ。みんなと一緒に、オトリ役をやるから
リオンお前は、オトリ役よりももっと重要な役目を担っている。忘れたわけではあるまい?
カノンノで、でも…
アスベル…カノンノ、俺からも頼む。ここはリオンの指示に従ってくれ
カノンノアスベル…私大丈夫だよ?みんなと一緒にきっと上手く──
ミラカノンノ、私も二人と同意見だ
カノンノミラ…
ミラお前には大精霊の暴走を鎮めるという重要な役割がある
ミラここで万が一お前を失えば世界を救う希望を失う事になる…
ルーク大精霊の暴走を鎮められるのはカノンノしかいねーしな
カノンノ
アスベル…お前を信じていないわけじゃない。ただ、この作戦は危険だ、下手すれば全滅する可能性だってある
アスベルお前には、お前にしかやれない事があるんだ
カノンノ…うん、わかった。じゃあ私は、リオンと行って、離れて待ってるね。みんなの無事を祈ってる
リタあんたこそ、気をつけなさいよ。油断してやられんじゃないわよ
スタンよし!それぞれ役割も決まったところで、早速動きだそう
セネルああ、そうだな。ヴォルトはこの森を更に奥へ進んだところにいるはずだ
リッドじゃ、早いとこ行くとしよう…
リッド…ん?
ガサガサッ!
リオン…!そこの陰に何かいるぞ!
リタまさかヴォルト…!?
ガルルルル!
ルーク魔物かよ!…ったく、もう作戦失敗かと思ったじゃねーか!脅かすんじゃねえっつーの!
scene1雷雲を切裂く者
セネル…!
セネル…みんな、姿勢を低くしろ。見つけたぞ、ヴォルトだ…
リタあんなところに…
リッドおい、こっちだ。気付かれたらまずい。注意しながら進むぞ
ヴォルト
スタン大丈夫、まだ気付かれてはなさそうだな
ルークへっ、今度はこっちから奇襲をかけてやるぜ。覚悟してろよ、ヴォルト…!
ミラでは皆、準備はいいな?先ほど決めた作戦の通りに動いてくれ
リッドああ、問題ねえ。攻撃は頼んだぜ、リオン
リオン…わかっている
カノンノアスベル…
アスベル俺達の事は大丈夫だ、お前はリオンの指示に従って自分の身を守ってくれ、いいな?
カノンノう、うん…
ルークよし、それじゃ始めよーぜ!ヘマするなよ、お前ら!
スタンうおおおおーーっ!
ヴォルト…!
ルーク今度は逃がさねーぞ、ヴォルト!
ヴォルトジジ…ガガガガ…
アスベルそうだ…こっちを見ろ。お前の相手は俺達だ
ミラヴォルトの注意を引きつけつつ、雷撃のタイミングを見極めなければ…
リタリオンの奴、大丈夫なんでしょうね。失敗したら承知しないんだから
カノンノ始まった…みんな大丈夫かな…
カノンノ…大丈夫だよね。きっと。うん、絶対大丈夫
リオン
スタンせいっ!
セネルふっ!はっ!食らえっ!
ヴォルトガガガ…ガガガ
リタやっぱり大して効いてない…雷撃はまだなの!?
リッド…!光に包まれ始めてる…ひょっとしたら…
アスベル来るか…!?
セネル…いや、まだだ!
ルークくそっ、まぎらわしい事してんじゃねーよ!
ヴォルトヴヴ…
ミラもっとだ…!もっと攻撃を重ねてヴォルトの気を引くんだ!
スタンよし!来い!うおおおおっ!
scene2雷雲を切裂く者
セネルはあっ!
ズドッ!
ヴォルトヴヴヴ
アスベル次はこっちだ。食らえ!
ズバッ!
ヴォルトヴ…
リッドさっきから相当攻撃を当ててるぞ。この分だと雷撃を出す前に、決着をつけられるんじゃねえか?
ヴォルトヴヴ…ガガガッ!
ヴンッ!
リッドうおっ!?
ミラ油断するな、リッド!これしきの事でヴォルトが倒れるとは思えん
スタンさっき逃げたのは一体何だったんだよ!
ルークぐっ…くそっ…!さっきの傷が…
リタちょっと、ルーク!?…まずいわ、このままじゃあたしらの方が先にバテちゃいそう…
ヴォルトジジ…ガガガガ…
バチバチ…
スタンみんな、あれを見ろ…!ついに雷撃の準備が始まったんじゃ…
ミラ…!間違いない、ヴォルトの周辺にあるマナの密度に変化が生じている
セネルここからが本番だな…!
アスベルあと一息だ。みんな、頑張ろう!
カノンノ見て、ヴォルトの方…!ヴォルトに光が集まって来てる…
リオン
カノンノ雷撃を放つ準備をしてる…きっとそうだよね、リオン?
カノンノ…リオン?私の事をじっと見てるけど…何かついてる…?
リオン…そういうわけじゃない
カノンノ…とにかくお願い、みんなのところに行ってあげて!指示通り私はここで待ってるよ
カノンノリオンの攻撃はきっと成功する…私もみんなも信じてるよ。だから──
リオン…来い
カノンノ…え?
カノンノリ、リオン?そんなに腕を強く引っ張らないで…ねえ、どうしたの…?
リオン…黙ってついて来い
カノンノで、でも…みんなが…!一体どこに行くの!?ねえ、リオン…!?
リオン
ヴォルトジジ…ガガ
バチバチバチッ…!!
リッドどうやら本格的に雷撃を放つ準備に入ったみたいだな…!攻撃を仕掛けるにはいい頃合いだ
リタそうね。後はリオンが、上手く決めてくれれば…
スタン頼むぞ…リオン!
カノンノ本当に、どこに行くつもりなの…?ヴォルトやみんなのいるところから、どんどん遠くなっちゃうよ?
リオン
カノンノリオン、お願い…わけがわからないよ…ねえ…
リオン
リオン…お前はただ黙って僕に従えばいい
カノンノリオン…
バチバチバチッ…!
リタちょっと、スタン!リオンはまだなの!?ヴォルトの奴、今にも雷撃を放ちそうな勢いよ!?
スタンじきに来るはずだ…!だからもう少し踏ん張ってあいつの注意を引きつけててくれ!
ヴォルトガガガガガガ
アスベルヴォルトを覆っている光がどんどん増している…攻撃するなら今が絶好の機会だ…!
セネルくっ…なのに何故来ない!?このままじゃ…本当に間に合わないぞ…!
ルークだーっ!何やってんだよリオンの奴!
スタンルーク、最後まで信じろ!!大丈夫だ、必ず来る…!リオンは必ず…
バチバチバチッ!!
リッドちっ、駄目だ、もう間に合わねえ…!
スタンそんな…!絶対そんなはず……
ミラ
ズバーーーーッ!
ヴォルトジ…ジジ…
リタうっ…!光が拡散して視界が…
セネル光が収まった…。今のは一体…?
リオン…どうやらヴォルトの雷撃は収まったようだ
スタンリオン…!!
ルークったく、遅えんだよ!ギリギリすぎるっつーの!
ミラ…いや、ルーク。リオンの攻撃は絶妙なタイミングで繰り出されている
ミラマナの密度の変化には十分に注意を向けて見ていた。それは間違いない…
ミラヴォルトの攻撃パターンにもあの短時間で気付いていたリオンだ
ミラ雷撃のタイミングも観察していたのかもしれないな
アスベルそうだったのか…。俺も、遅いと感じていたが時期を見計らってたんだな…
スタンさすがリオンだ!本当にありがとうな!これでヴォルトも倒せて──
リオン…いや、まだだ
ヴォルトヴヴヴ…
リタちょっと、嘘でしょ!?
セネル…いや、だが見てみろ。ヴォルトの様子が明らかにおかしい。攻撃は確実に効いている
ミラ今なら、雷撃を気にする事なく、攻撃を仕掛けられる。全員で一気に畳みかけるぞ!
アスベルああ!
リッド行くぞ、ヴォルト!
ヴォルトガガガ
scene3雷雲を切裂く者
リオンはああああっ!
ズバーーン!
ヴォルトヴ…
ヴォルト
ルークヴォルトの奴、やっと大人しくなりやがった
リッドやれやれ、ようやくってワケか
リタ8人がかりでやっとだなんて、ほんと随分と手こずらせてくれたもんだわ
スタン本当にな…って、ほら見てみろよ。今気付いたけど、周辺があちこち焼け焦げてるぞ
アスベルうわ…本当だ…おそらくヴォルトの電撃の影響だろうな
セネル…周辺の様子もそうだが、それだけじゃない。スタン、お前顔をやけどしてるぞ
スタンえ?…あれ、本当だ。全然気付いてなかったよ
ミラこれくらいで済んだのは、むしろ幸いだ
ミラこれまで相手にした大精霊と比べても、ヴォルトの強さは相当なものだったからな
リオン
スタンやったな、リオン!絶対決めてくれるって、俺、信じてたよ!
リオンうるさい!耳元で大声を出すな
スタンへへ…
アスベルところで…カノンノはどこだ?
リタそう言えば、姿が見えないわね。リオン、あんた一緒だったわよね?カノンノはどこに行ったの?
リオン
アスベルどうしたんだ…?…まさか、カノンノの身に何かあったんじゃ…
アスベルリオン、カノンノはどこだ…?教えてくれ、一体何が──
カノンノおーい!
カノンノはあ…はあ…みんな、無事でよかった…!
アスベルカノンノ…!どこにいたんだ!?姿が見えないから、てっきり何かあったのかと思って…
カノンノごめんね、戻って来るのが遅くなっちゃって…心配をかけちゃったみたいだね
カノンノでも、まずはその事で、リオンにお礼を言わなきゃ…。さっきは本当にありがとう
リタ何の話?
カノンノ実はね、本当なら私はそこの木の影に隠れておく話になってたんだけど…ほら、見て
リッドん?黒焦げになって倒れてる木が…
リッドってまさか…
カノンノうん、あのままあそこにいたら私もきっと今頃無事ではいられなかったと思う
カノンノけどね、リオンが機転を利かせて私を別の安全な場所まで連れてってくれたの
カノンノリオン、さっきは本当にありがとう!
リオン…ああ
カノンノじゃあ、私は早速ヴォルトのところに行くね
アスベルリオン、カノンノの事、本当にありがとう。俺からも礼を言わせてくれ
リオン…僕は…
リオン
カノンノ──ありがとう、ヴォルト…
リオンヴォルトとの契約は終わったのか?
カノンノうん
ミラセルシウス、アスカ、クロノス、そしてヴォルト…これでまた新たなる大精霊を救う事が出来たな
リオンこれで4体か…
アスベル大精霊との戦闘は苦難を強いられる事も多いが着実に成果は得られてる
ルークこの調子でやっていけば、異変が収まる日も結構近いって事だよな?
リッドああ、徐々にではあるが着実にマシにはなってきてるしな
リタあと少し…引続き、頑張らないとね
カノンノうん!
カノンノ…あ、見て。空が…
リッドお、陽の光か…?
セネル辺り一面に広がっていた雷雲が晴れてきたようだな
カノンノきれい…
アスベルああ、きれいだな
スタンああいう風にさ、俺達のやっている事が、世界を照らす光になるといいよな
アスベル…きっとそうなる、いや、必ずそうしてみせるさ
カノンノアスベル…
カノンノうん、そうだね!よーし、これからも頑張ろうね、みんな!
アスベルああ!
リオン