| Name | Dialogue |
| scene1 | 異変の影響 |
| | ゴゴゴゴ… |
| リッド | おっと…今度の地震は大きいな |
| リッド | こんなのがずっと続いたら、街が潰れちまう。早く収まってもらわねぇと… |
| ??? | リッドー! |
| リッド | ファラ、無事だったか? |
| ファラ | うん、わたしは大丈夫。リッドこそ何ともない? |
| リッド | ああ。見ての通り、ピンピンしてるぜ |
| ファラ | よかった |
| ファラ | …それにしても、何なんだろうね。この大きな地震… |
| ファラ | とにかく、街のみんなが心配だし見て回らなきゃ! |
| ファラ | リッドも手伝ってくれない? |
| リッド | おい、ファラ! |
| リッド | 行っちまった…やれやれ。相変わらずのお節介だな |
| リッド | 仕方ねぇ、オレも行くか…。ファラ、待てって! |
| scene2 | 異変の影響 |
| ファラ | とりあえず、大ケガをした人はいないみたいだね |
| リッド | ああ、けど安心は出来ねえぞ。地震はまだ続くかもしれねえだろ |
| リッド | こんな調子で続いたら、崩れる建物だって出るかもしれねえ |
| ファラ | そっか。そうなる前に建物の補強をしておかないといけないよね! |
| 街の男 | リッド、ファラ!大変だ!崩れた外壁から魔物の群れが入ってきた! |
| リッド | 何だって!? |
| ファラ | 大変!何とかしないと |
| ファラ | リッド、行こう! |
| リッド | やれやれ、今日は本当に慌ただしい日だな… |
| リッド | ああ、わかった。行くって |
| | |
| | ガルル… |
| ??? | エミル… |
| エミル | 安心しな。マルタの事は俺が守ってやる |
| エミル | はああっ! |
| | ギャウウッ! |
| エミル | よし!終わったぜ |
| | グオオッ! |
| リッド | おい、後ろだ!まだ終わってねえ、油断するな! |
| エミル | えっ!? |
| | バシッ! |
| | ギャオオッ! |
| | |
| リッド | ふぅ、危なかったな |
| エミル | あ、ありがとうございます。助けてくれて |
| ファラ | あなた達、見ない顔だね。どこから来たの? |
| エミル | ええと…キムラスカから… |
| エミル | 僕はエミル・キャスタニエです |
| エミル | こっちはマルタ・ルアルディ。よろしくお願いします |
| マルタ | どうも… |
| ファラ | よろしくね、二人とも |
| リッド | お前ら、旅行か何かか?早くキムラスカに帰った方がいいぜ |
| エミル | 僕達もそうしたいと思ってはいるんですが… |
| | ガルルルル! |
| | |
| ファラ | また魔物が! |
| リッド | まだいたのかよ。エミル、マルタ、ここはオレ達に任せて逃げろ! |
| エミル | 僕も一緒に戦います。マルタ、離れてて! |
| マルタ | う、うん |
| ファラ | 来るよ! |
| scene3 | 異変の影響 |
| リッド | ふう。何とか倒したか |
| エミル | マルタ、終わったよ |
| マルタ | … |
| ファラ | 慣れない土地で怖い目に遭って、怯えてるんだね。でももう安心… |
| | ズガガガガッ! |
| エミル | また地震!? |
| リッド | 今度のはさらにでかいぞ! |
| ファラ | な、何これ… |
| マルタ | エミル…! |
| | ズザッ! |
| | |
| マルタ | …! |
| エミル | マルタ! |
| リッド | 地面に亀裂が!? |
| ファラ | ウソ…! |
| マルタ | エミル! |
| マルタ | きゃああああっ! |
| ファラ | 大変! |
| エミル | マルタ…!マルターッ!! |
| リッド | やめろ、エミル!お前まで落ちちまうぞ! |
| エミル | は、離して!早くしないと間に合わない! |
| ファラ | いくら大地震っていっても、地面にこんな大きな亀裂が出来るなんて… |
| エミル | 離してくれ…!離せ…! |
| エミル | 離せって…言ってんだろうがあああ! |
| リッド | うおっ!? |
| エミル | マルタ、今行くぞ! |
| | |
| | バシィッ! |
| エミル | ぐあっ! |
| ファラ | 亀裂に虹色のバリアが現れてエミルが弾かれた…?一体何が起きたの? |
| エミル | くそっ、間に合わなかった…! |
| エミル | お前のせいだぞ!お前が邪魔しなけりゃ…! |
| リッド | オレのせいで間に合わなかったってどういう事なんだ?説明してくれ。全くわからねえよ |
| エミル | うるせえ! |
| エミル | ちくしょう…マルタ、待ってろよ! |
| ファラ | エミル… |
| ファラ | …リッド、エミルの後を追おう! |
| リッド | な、何でだよ!? |
| ファラ | マルタが亀裂に落ちちゃったんだよ!?早く助けないと! |
| リッド | …ああ。わかったよ。放っておけってのもムリな話だしな |
| リッド | …行こうぜ |
| scene1 | 亀裂の謎を追って |
| エミル | 他の亀裂が発生する様子もない…。駄目だ… |
| エミル | マルタ、ごめん…。僕がついていながら… |
| ファラ | あ、いたいた。エミルー! |
| エミル | あなた方は… |
| エミル | さっきはごめんなさい。せっかく助けてもらったのに、あんな態度を取っちゃって… |
| リッド | いや…別にそれはいいんだけどよ。お前を止めたのはオレだしな |
| リッド | …なあ、ファラ。こいつ、たまに話し方が変わるけど何なんだろうな… |
| ファラ | わたし達の方こそごめんなさい。一緒にいたのに、マルタを助けられなくて… |
| エミル | … |
| ファラ | エミル、あなたはあの亀裂について何か知ってるみたいだったけど、よかったら話してくれない? |
| エミル | この街へ来る前にも、別のところで亀裂が生じるのを目の当たりにしたんです |
| エミル | その時も人が飲み込まれて…。助けようとしたんだけど、さっきと同じように弾かれて |
| リッド | なるほどな。それで、ああなる事を知ってたのか |
| エミル | あれは地震によってできたただの亀裂なんかじゃありません |
| エミル | うまく言えないけど…あの亀裂からは何か、異質な力が溢れ出ているんだと思います |
| ファラ | じゃあ、その力のせいで、亀裂の中に入れないって事? |
| リッド | でも、それはおかしくねえか?現にマルタは目の前で… |
| エミル | そう、だから僕思ったんです。亀裂が出来たその瞬間だけ、入れるんじゃないかって… |
| ファラ | だからさっき、急いで亀裂に飛び込もうとしてたんだね |
| リッド | …そりゃ、知らねえとはいえ止めちまって悪かったな |
| リッド | …で、エミルはこれからどうすんだ? |
| エミル | 勿論、何としてでもあの亀裂の中に入って、マルタを助けに行きます |
| エミル | マルタは絶対に生きている。あの亀裂の奥底で、僕が来るのを待ってるんだ。だから… |
| ファラ | 助けに行くんだね!きっと無事だよ。わたしも信じる! |
| ファラ | ねえエミル、よかったら、わたし達にもマルタを助けるのを手伝わせてくれない? |
| リッド | わたし達って…おいファラ、オレもかよ!? |
| ファラ | だって、わたし達の目の前でマルタが落ちちゃったのに助けられなかったんだよ? |
| ファラ | ねえエミル、お願い。わたし達にも手伝わせて |
| エミル | 協力してもらえるなら、僕は助かりますけど…本当にいいんですか? |
| ファラ | もちろん!ねえ、リッド |
| リッド | やっぱりこうなるワケか。まあ、ファラがいりゃあこうなるよな |
| リッド | で、具体的にはどうするんだ?マルタを助ける方法に心当たりでもあんのかよ? |
| ファラ | 王都メルトキオに行ってみない? |
| ファラ | あそこなら人も大勢いるから、あの亀裂の力について何かわかるかも |
| リッド | …ファラ。街はどうすんだよ。魔物が入って来た時に誰が相手すんだ? |
| ファラ | う~ん。確かにそうだけど…。街に残ったって、根本の解決にはならないじゃない |
| ファラ | だったらメルトキオへ行って、情報を集めた方がいいって |
| ファラ | エミルもそう思わない? |
| エミル | あ、はい。僕もそれがいいと思います |
| エミル | 場所については、お任せします |
| エミル | シルヴァラントの事はよくわからないし |
| ファラ | よ~し、決まり!街の事はちゃんと他の人にお願いしてメルトキオへ向かおう |
| ファラ | というわけで、改めてよろしくね、エミル! |
| エミル | あ、はい。よろしくお願いします |
| リッド | やれやれ…勝手に決めやがって |
| scene2 | 亀裂の謎を追って |
| ファラ | そっか…エミルはキムラスカの騎士なんだ |
| リッド | 今起きている異変が、この辺りだけって事はねぇだろうからキムラスカもきっと大変なんだろうな |
| エミル | はい。本当はすぐにでも国へ帰るべきなんだろうけど… |
| ファラ | そうかも知れないけど、とにかく今はマルタを助ける事だけ考えよう?ね? |
| エミル | …そうですね。ありがとうございます |
| | ゴゴゴ… |
| リッド | おっと、また揺れ始めたな |
| エミル | …!どうかこれで亀裂が発生してくれるといいんだけど |
| | ズザッ! |
| | |
| リッド | おい、あそこだ!亀裂ができたぞ! |
| エミル | よし、今度こそ! |
| | バシッ! |
| エミル | うっ…! |
| ファラ | エミル、大丈夫!? |
| ファラ | …本当に弾かれちゃったね…。どうしたらいいんだろう |
| エミル | 亀裂の中には謎の力がはびこっているみたいで…飛び込んでも、こんな風に虹色のバリアに弾かれるんです |
| エミル | やっぱり、故意的に入るのは難しいのかな |
| ファラ | 諦めるのはまだ早いよ! |
| ファラ | 次に見つけたら、すぐに、三人で飛び込もう |
| リッド | オレもかよ!? |
| ファラ | 当然でしょ。マルタを助けないといけないんだから |
| リッド | 考えなしに飛び込むのはやめた方がいいんじゃねえか? |
| リッド | 先がどうなってるかわからねえ |
| リッド | それに、そもそも違う亀裂から中に入って、マルタのいるところに繋がってるのかもわからねえだろ |
| エミル | 亀裂に飛び込むのは僕だけでいいです。リッドさんやファラさんにそこまでさせるわけには… |
| ファラ | 大丈夫! |
| ファラ | わたし達、マルタが見つかるまで、とことん協力するつもりだから |
| リッド | とことんって… |
| リッド | おいおい、だからファラ、勝手に―― |
| ??? | バイバ! |
| エミル | ばいば? |
| リッド | この声、まさか… |
| ??? | ワイール!リッド!ファラ! |
| ファラ | メルディ!?メルディじゃない!元気だった? |
| メルディ | はいな!ゲンキだったよぅ |
| メルディ | メルディ、またリッドがファラ、二人と会えて嬉しいよー! |
| エミル | えっと…お友達? |
| ファラ | うん!紹介するね |
| ファラ | この子はメルディ。昔、一緒に旅をした事があるんだ |
| メルディ | 「はじめがまして」!メルディだよぅ。よろしくー! |
| リッド | それを言うなら「はじめまして」な |
| リッド | …ところでメルディ、お前こんなところで何してんだ? |
| メルディ | うんとなー、実は今、困った事がなってて… |
| ファラ | 困った事…? |
| | ガルルルル! |
| | |
| エミル | あ、あれは…みんな、魔物だ! |
| リッド | 話くらいさせろっての…。仕方ねえ、先にあいつを片づけるぞ! |
| scene1 | メルトキオの夜 |
| リッド | ふう、何とか片付いたか |
| メルディ | いきなり魔物が襲ってきて、ビックリだなー |
| ファラ | 話が途中になっちゃったけど… |
| ファラ | メルディ、困った事って何?わたし達でよければ力になるよ |
| メルディ | ほんとか!? |
| メルディ | あのな、メルディな、同じ村に住んでる友達のレイアが事、捜してるよ |
| リッド | メルディが住んでるところって、確かア・ジュールの、リンネル村だったよな |
| メルディ | はいな!そのリンネル村、前にウィンドルが兵士達に襲われてしまったよ… |
| メルディ | 村を建て直すがために、メルディとレイア、それに村の人達、みんなで頑張ってたけど… |
| メルディ | ある日、レイアが買い出しに行った。でも、そのまま帰って来なかったよ |
| メルディ | メルディ、レイアが事心配…。それで捜しに来たんだよぅ |
| ファラ | そうだったの… |
| リッド | そのレイアってのは、どこまで買い出しに行ったんだ? |
| メルディ | えとな… |
| メルディ | 確かシルヴァラントのメルトキオってトコロ |
| ファラ | 何だ、わたし達の行くところと一緒じゃない! |
| メルディ | バイバ!本当か? |
| ファラ | 本当、本当 |
| ファラ | だったらこのまま一緒に行こうよ。せっかく会えたんだし |
| メルディ | ワイール!ファラが一緒、メルディ嬉しいよ!ありがとな! |
| ファラ | えっと、そうそう |
| ファラ | この人はエミル。メルディと同じで友達を捜してるんだ |
| エミル | よ、よろしくお願いします。メルディさん |
| メルディ | エミルも友達捜してるかー |
| メルディ | 早く見つかるといいな!…エミルが友達は、マイゴなのか? |
| エミル | 迷子っていうか…うん、まあそんなところですね |
| メルディ | そっかー |
| メルディ | メルディ、力になれる事あったら協力するよぅ! |
| エミル | ありがとう |
| ファラ | じゃあ、改めて…メルトキオへ向け出発! |
| scene2 | メルトキオの夜 |
| エミル | ここがメルトキオか…大きな街ですね |
| エミル | バチカルと同じくらいかな |
| リッド | まあ、王様が住んでるところだしな |
| メルディ | 思い出した |
| メルディ | そういえばメルディ、前もここ来た事あったよ |
| メルディ | あの時はルークと、ミュウと、プレセアも一緒だったなー |
| エミル | ルーク?それって、ルーク・フォン・ファブレの事? |
| メルディ | はいな |
| メルディ | エミル、ルークが事知ってるのか? |
| エミル | 同じキムラスカの人間だから |
| エミル | そっか、メルディさんはルークとも知り合いなんですね |
| ファラ | へえ、偶然だね |
| リッド | 世界ってのは思ったより狭いんだな |
| リッド | さて、情報を集めるとするか |
| ファラ | 亀裂の力に関する情報と、メルディの友達のレイアの情報だよね |
| ファラ | 早く見つかるといいけど… |
| | ゴゴゴ…! |
| リッド | 地震だ! |
| エミル | どこかに亀裂は――… |
| エミル | いや、今度のは揺れが小さい、駄目だ… |
| ファラ | ここ!って時は出ないんだね。悔しいなあ |
| リッド | そう都合よくできるはず―― |
| リッド | …つかオレ達、地震が起こるのを待ってるみたいで、何か妙な気分になるな… |
| メルディ | …? |
| ファラ | どうしたの、メルディ? |
| メルディ | あそこにいるの… |
| メルディ | レイア! |
| エミル | ガイさん! |
| ガイ | エミルじゃないか。こんなところでどうしたんだ? |
| レイア | メルディ?どうしてここに? |
| メルディ | レイア、無事でよかったー! |
| メルディ | メルディ、レイアが事心配で、捜してたんだよぅ! |
| エミル | 僕はマルタを助けるために…ガイさんこそどうしてメルトキオに? |
| ガイ | 実はルークが行方不明になってな。それで捜して回っているとこなんだ |
| エミル | え!?ルークがいなくなったって…まさかルークも亀裂に? |
| ファラ | …それにしてもエミルの友達と、メルディの友達が、一緒にいるなんて… |
| リッド | 偶然もここまで重なると、恐ろしいぜ。ホント、世界ってのは狭いんだなぁ… |
| ガイ | マルタが…そうか。そっちも大変だったんだな |
| エミル | ルークがいなくなったのも、もしかしたら…マルタと一緒で、亀裂に飲み込まれたのかも… |
| ガイ | その可能性は考えた事がなかったがあり得ない話じゃなさそうだな |
| ガイ | 亀裂の情報も集めた方がよさそうだ |
| ガイ | エミル、しばらく俺も君達に同行させてくれないか |
| エミル | はい、僕も助かります |
| エミル | えっと、レイアさんはどうされるんですか? |
| ファラ | えっと…ねえ、待って |
| ファラ | 聞いてもいい?レイアとガイは、元々知り合いだったの? |
| ガイ | いや、会ったのは最近だ |
| ガイ | 故郷へ帰れなくて困ってたから、相談に乗っていたのさ |
| メルディ | レイア、どうしてリンネル村に帰れなかったか? |
| レイア | この大地震で出来た地割れのせいであちこちの道が崩れちゃったんだ |
| レイア | 船もみんな欠航になっちゃって、どうしよう!って困ってた時にガイと会ったんだよ |
| レイア | でも、そんな状態なのに、メルディはよくこっちに来られたね |
| メルディ | メルディがこっちに来た時はまだ船が動いてたよ!でも、港が着いた時にドーンってなってな、大変だったよ |
| レイア | そっか。船に乗ってる時じゃなくてよかったよ |
| レイア | 海上も結構大変な事になってるって話だし… |
| ファラ | いろいろあったみたいだけど…メルディ、無事レイアに会えてよかったね |
| メルディ | はいな!ファラ達がおかげ!ありがとな! |
| リッド | これからメルディ達はどうするんだ? |
| リッド | レイアと一緒に、村に帰る方法を探すのか? |
| メルディ | うーん…そだなー |
| レイア | その事なんだけど… |
| 街の女 | きゃあああ! |
| | |
| ガイ | !何だ!? |
| | ガルルルル! |
| レイア | 魔物!?こんな人の多い街で…! |
| リッド | ったく、次から次へと…。行くぞ! |
| scene3 | メルトキオの夜 |
| ガイ | 何とか倒したか |
| ファラ | 王都なら治安もいいかと思ったけど、そうでもないんだね |
| リッド | 大地震の影響もあるし、今はどこもかしこもこんな感じなんだろ |
| リッド | コルテア街もどうなっている事やら… |
| レイア | ねえメルディ、リンネル村に帰るのは、もう少し後にしない? |
| レイア | ガイには色々助けてもらったし、ルークっていう人を一緒に捜してあげたいと思うんだけど |
| メルディ | メルディも同じ事考えてたよぅ! |
| メルディ | ルークはメルディが友達、心配よ |
| メルディ | それに、エミルとも約束したよ |
| メルディ | エミルが友達捜すの、メルディも協力するって |
| エミル | お二人とも、ありがとうございます |
| ガイ | 申し出はありがたいが、本当にいいのか? |
| レイア | いいって!村へ帰るにも、どのみち方法は探さなきゃいけないし |
| レイア | …というわけで、今後ともよろしく! |
| ファラ | わあ、仲間が増えたね!楽しくなりそう! |
| リッド | すっかり大所帯になったなあ… |
| ガイ | そろそろ日も暮れる事だ |
| ガイ | 今日は宿に泊まって、明日からまた行動再開としないか? |
| リッド | そうしようぜ |
| リッド | いい加減疲れたし、腹も減ったしな |
| ファラ | じゃあ、宿を探そうか |
| | |
| リッド | 何だファラ、まだ起きてんのか |
| ファラ | うん。ちょっとね。…昔の事、思い出しちゃって |
| ファラ | …人がこうやっていなくなると、どうしても、思い出しちゃうんだ |
| ファラ | 子どもの頃にあった、街の大火事の事 |
| リッド | …昔の事じゃねえか。あの時、オレ達ガキに何ができた?あれは誰かの火の不始末。それだけだろ |
| ファラ | それでも!それでも… |
| ファラ | 人は死んじゃったし、街もひどい有様だった |
| ファラ | わたしにも本当は何か出来たんじゃないかって今だって夢に見るくらい… |
| リッド | お前がやたらと人にお節介をやくようになったのはその頃からだ |
| リッド | …あと、自分が無理してまで他人を庇うようになったのもな |
| ファラ | …そう、だったっけ |
| リッド | そうだよ。今回の事だってそうだろ? |
| リッド | 困った人は放っておけない。それだけで動いてる。違うか? |
| ファラ | わかんない。自覚…ないかも |
| リッド | …そっか |
| リッド | …いいんじゃねえか?ファラらしくて |
| ファラ | ひっどーい。バカにしてる? |
| リッド | してねえよ |
| ファラ | …ねえ、リッド。わたし、マルタを助けたい |
| ファラ | エミルが苦しまないように |
| ファラ | それからルークも。顔も見た事ない人だけど、それでガイが喜ぶなら |
| リッド | …ああ。そうだな |
| ファラ | リッド。わたし、リッドが幼なじみでよかった |
| リッド | …は?いきなり何言い出すんだよ |
| ファラ | リッドって、面倒くさいとか、やれやれ、とか言うけど何だかんだ言って、助けてくれるから |
| ファラ | …いつも、ありがとう |
| リッド | バーカ。何言ってんだよ |
| リッド | ファラがしおらしいなんて、珍しすぎて大雨が降っちまう |
| ファラ | …ふふ。明日は大きな傘が必要だね |
| ファラ | 何か、話したらすっきりしたかも |
| ファラ | 眠れないからどうしようかって思ってた |
| リッド | …そっか。よかったな。寝れんなら、早く寝とけよ |
| ファラ | …うん。ありがとう |
| ファラ | リッドは? |
| リッド | オレも寝るよ |
| リッド | じゃ、おやすみ |
| ファラ | …おやすみ、リッド |
| scene1 | 突然の別れ |
| リッド | ふああ… |
| ガイ | おはよう、リッド。夕べはよく眠れたか? |
| リッド | まあな。さて、これからどうすんだ? |
| ガイ | とにかく、まずは情報集めだな。有益な手がかりが、掴めるといいんだが |
| ファラ | 王様のところへ、話を聞きに行くのはどうかな? |
| レイア | それってお城を訪ねるって事だよね。いきなり行って、入れてくれるようなものなのかな? |
| メルディ | メルディが前にルークと来た時は、すぐに入れたよぅ!王様はビョーキで会えなかったけどな |
| ガイ | それは、ルークが一緒にいたからじゃないか。ああ見えて、あいつはキムラスカ国王陛下の甥だし |
| レイア | へえ、そのルークって、そんなに偉い立場の人だったんだ |
| ガイ | 偉いというか、まあそんなところさ |
| ガイ | とにかく、まずは街の人達に話を聞くとしよう |
| ファラ | うん!王様に会えるツテも見つかるかもしれないしね |
| レイア | じゃあ、みんなで手分けして情報収集…しばらくしたら、ここでまた集合って事でいいかな? |
| ガイ | ああ、わかった。それじゃ、早速行こうか |
| エミル | 亀裂の力に関する手がかりが見つかりますように… |
| メルディ | エミル!メルディ頑張るよ!キレツが情報、集めるからな! |
| ファラ | リッド、さぼらないで、ちゃんとやらないと駄目だよ? |
| リッド | へいへい |
| リッド | うーん、いろんな話は聞けたもののイマイチぱっとしねえな |
| ファラ | そうだね…。でも、わたし達は駄目でも他のみんながいい情報を見つけてきてくれるかもだし |
| リッド | お、エミルとレイアが戻って来たぞ |
| ファラ | あ、向こうからメルディも戻ってきた!おーい! |
| レイア | リッド、ファラ、何かわかった? |
| リッド | いいや。そっちは? |
| レイア | 駄目。わたしの方も収穫なし |
| エミル | 今回の異変の影響で、みんなが困っているって事はよくわかったけど肝心な情報は全然… |
| メルディ | メルディもダメだったよ…。役に立てなくてごめんな |
| ファラ | そっか…。あとはガイを待つしかないね |
| ガイ | やあ、みんなそろってるな |
| エミル | どうでした? |
| ガイ | いや駄目だったよ。ルークに関してはろくに情報が得られなかった |
| ガイ | ここまで足取りが掴めないとなると、例の亀裂に飲み込まれたって可能性もいよいよ無視できないな |
| メルディ | ルーク… |
| レイア | 亀裂の方は、何かわかった? |
| ガイ | ああ、手がかりと呼べるかどうかまだわからないが、そっちは少し気になる話を聞けた |
| ガイ | この国の司祭様が中心になって、今回の異変に関する情報を集めているそうなんだ |
| ガイ | その司祭様に会えば、何かわかるかもしれない |
| ファラ | 司祭様だったら王様よりは会うのは難しくない…のかな? |
| ガイ | そこは断言できないな。何でも国王に代わって政務を執り行うほどの立場らしいからな |
| メルディ | そのシサイサマは、フィリアが事か?フィリアなら前に神殿で会ったよー |
| ガイ | 本当かい?だったら多少は望みがあるかもしれないな |
| レイア | メルディ、いつの間に司祭様と…。でも、知り合いがいるなら司祭様もきっと会ってくれるよね |
| ガイ | …ただ、司祭様は今神殿にはいない。南のスールズ村にいるらしいんだ。ここで帰りを待つか、それとも… |
| ファラ | 待ってなんていられないよ!わたし達も今すぐ、スールズ村に向かおう |
| ガイ | そう言うだろうと思ったよ。それじゃ、このままみんなでスールズ村へ行くって事でいいか? |
| エミル | はい、急ぎましょう! |
| レイア | そうそう、早く行かなきゃ入れ違いになっちゃうかもしれないし |
| メルディ | はいな! |
| ファラ | リッドもそれでいいよね? |
| リッド | …嫌だって言っても、ファラの事だからみんなを引っ張ってでも行くんだろ? |
| ファラ | えへへ…じゃあ、決まりだね!行こう、スールズ村へ! |
| scene2 | 突然の別れ |
| | ゴゴゴ…! |
| メルディ | あ、ジシン! |
| ガイ | 頻繁に地震が起きるものの、ここ最近は、揺れの小さいものばかりだな |
| エミル | … |
| ファラ | 大丈夫だよ、エミル。司祭様に会えばきっと何かわかる。きっといい方法が見つかるよ |
| ファラ | だから今は、スールズ村に行く事だけを考えよう?大丈夫だから。ね? |
| リッド | いい方法、ねぇ…。本当にあればいいけどな |
| ファラ | あるよ。あるって信じなくちゃ。大丈夫、イケる、イケる! |
| レイア | ファラはいつも前向きなんだね |
| ファラ | そうかな?うん、そうかも。でも、元気があってもなくても、とにかく、やってみなくちゃ! |
| リッド | … |
| | |
| | ゴゴゴゴゴ…! |
| エミル | また揺れ出した |
| ガイ | 気をつけろ!今度はでかそうだぞ! |
| | |
| | ズザッ! |
| メルディ | バイバ!? |
| ファラ | ウソ、メルディの足元に亀裂が…!危ない、メルディ!! |
| リッド | おい、ファラ!? |
| | ドンッ! |
| ファラ | きゃああああっ!! |
| リッド | ファラーーーーーーーーーっ!! |
| レイア | ファラが亀裂に…そんな… |
| メルディ | あ…あ… |
| リッド | くっ…ファラ!今行く! |
| | バシィッ! |
| リッド | ぐっ! |
| エミル | 駄目だ…間に合わない! |
| リッド | ファラ、ファラーーー!!…くそっ! |
| ガイ | リッド達を弾いた…今のが例の「亀裂にはびこる力」なのか… |
| レイア | そんな…どうして…! |
| メルディ | リッド…リッド、ごめんな…メルディがせいで、ファラが…メルディがもっと、しっかりしてたら… |
| リッド | …くそ…! |
| | ジリ… |
| エミル | …!魔物か!? |
| | ガルルルル! |
| レイア | こんな時に…! |
| リッド | … |
| scene1 | 仲間を信じて |
| リッド | … |
| エミル | ファラさんまで亀裂に落ちてしまうなんて… |
| レイア | リッド… |
| メルディ | リッド、ごめんな…。メルディがせいで、ファラが…ファラが… |
| リッド | ファラがお前を助けたくてやったんだ。お前が謝る事じゃねえよ |
| メルディ | でも… |
| リッド | … |
| エミル | リッドさん、あの… |
| リッド | …なあ、エミル |
| リッド | 亀裂に飲み込まれた連中は…生きてるんだよな |
| エミル | …あ、はい。僕は絶対そうだって信じてます |
| リッド | 信じる…か。まあ、そうでもねえと自分がやってる事、ワケわからなくなっちまうもんな |
| ガイ | ああ、俺もそう思う。だから俺達もやれる事をしよう |
| レイア | …うん。まずは一刻も早くスールズ村に行こう。それでフィリア司祭に会わなきゃ |
| リッド | …そうだな |
| リッド | …ま、ファラの事だ。あいつなら大丈夫だろ |
| リッド | むしろ、先に落ちたヤツらの事を助けてるんじゃないか? |
| リッド | そうでもなってたら、それこそファラに「来るのが遅い」って怒られちまう |
| リッド | ほら、とっとと方法を探そうぜ |
| エミル | リッドさん…うん、そうですね! |
| ガイ | よし、それじゃスールズ村に急ごう。みんな、いいな? |
| レイア | うん! |
| リッド | … |
| メルディ | リッド… |
| メルディ | ファラ、マルタ…みんな…待っててな、メルディ達が助けるよ。絶対に… |
| scene2 | 仲間を信じて |
| リッド | …ん? |
| レイア | 向こうから誰か来るよ |
| ??? | あん? |
| エミル | この人…ただ者じゃない。すごい迫力だ… |
| | |
| ??? | ワレら!通行の邪魔じゃ。もっと端っこ歩かんかい |
| レイア | …!ごめんなさい。今すぐ… |
| リッド | どく必要はねえよ、レイア |
| リッド | こっちは普通に歩いてるだけだろ。文句を言われる筋合いはねえ |
| ??? | ホウ。ワイにそがあな口きいて、ただで済むと思うちょるんか |
| ガイ | リッド、よせ |
| リッド | …別に何もしてねえよ |
| ??? | スカした兄ちゃんじゃのォ。普段のワイなら見逃しちゃるところじゃが… |
| ??? | 今のワイはすこぶる虫の居所が悪い。ちょっとツラ貸してもらおうかの |
| エミル | リッドさん…どうしましょう… |
| | |
| | ゴゴゴゴ…! |
| リッド | …! |
| ??? | …! |
| メルディ | みんな!あっちが地面にヒビ入ってるよぅ!間に合うか!? |
| リッド | 何だって!?行くぞ、エミル!! |
| ??? | ちょお、ワレ!待たんかい! |
| リッド | お前と話してるヒマなんてねえんだよ!オレ達はあの亀裂に入らなきゃなんねえ! |
| ??? | ワイもそこに用があるんじゃあ! |
| リッド | はあ!? |
| エミル | うわっぷ!?リッドさん、急に止まらないで! |
| メルディ | あ~…。間に合わなかったよぅ… |
| レイア | …この距離だったら、どちらにしろムリだったかもね… |
| | |
| ??? | …というワケじゃ。ワイは何としても子分達を助けんといけん |
| レイア | そっか。あなたの仲間も亀裂に落ちちゃったんだね… |
| ??? | 後から飛び込んでも弾かれるしのう。入る方法を知っちょるなら聞こうと思ったんじゃが、ジャマして悪かった |
| リッド | どっちにしろ間に合わない距離だったんだ。お互い様って事にしておこうぜ |
| モーゼス | ワイはモーゼス・シャンドル。ワレらの名前も、聞かせてもらえるか |
| リッド | オレはリッド・ハーシェル。一緒にいるのはエミル、ガイ、メルディ、レイアだ |
| リッド | モーゼス、あの亀裂の事で知っている事があったら、教えてくれないか |
| モーゼス | ワイも詳しい事は知らんが…あの亀裂に飲み込まれたもんは、相当な数に登っとるようじゃ |
| モーゼス | で、これは噂じゃが、あの亀裂から生きて帰ってきたっちゅう人間もおるらしいんじゃ |
| モーゼス | リスだかサルだかって名前の、亀裂に飲み込まれたもんを助けて回っとるヤツがおるとか… |
| エミル | それ本当ですか!?じゃ、その人達を見つければ亀裂に飲まれたマルタも… |
| モーゼス | あくまで噂じゃ。ワイは自力で何とかしよう思っちょる |
| モーゼス | ワイが知っとるのはそんなとこじゃ。他の子分が各地で情報集めちょるから何かわかったら教えちゃる |
| モーゼス | ワレらの仲間が無事に見つかるよう、祈っちょるからの |
| メルディ | モーゼスがコブンもな |
| モーゼス | オウ。またどこかで会えるといいの |
| ガイ | 一時はどうなるかと思ったが、貴重な情報も聞けたし、結果的によかったな |
| リッド | 亀裂に落ちた人を助けようとしてるヤツがオレ達の他にもいるんだな |
| レイア | そうだね。モーゼスも言ってたけど、それだけ多くの人が、あの亀裂に飲まれたって事だよね… |
| メルディ | みんな無事でいてほしいよ…。ファラもマルタも…他の人も… |
| リッド | … |
| ガイ | 亀裂に飲み込まれた人達を助けている連中がいるという話も気になるな |
| メルディ | それってフィリアが事か? |
| エミル | どうなんだろう… |
| エミル | …!また向こうから誰か来ます |
| ガイ | あれは…人じゃない、魔物だ! |
| | ガルルルル! |
| リッド | ったく、次から次へと! |
| scene1 | 司祭の行方 |
| ガイ | ここがスールズ村か。やっと着いたな |
| エミル | フィリア司祭はどこだろう。せっかくここまで来たんだから、会えるといいけど |
| リッド | メルディは前に会った事があるんだよな。顔、まだ覚えてるか? |
| メルディ | はいな、オボえてる!でも、この辺りにはいないみたいよ |
| レイア | うーん…入れ違いになったりしてなければいいんだけど |
| エミル | 向こうから誰か来る。あの人に聞いてみましょう |
| エミル | あの… |
| ??? | おい! |
| エミル | は、はい!何でしょう? |
| ??? | お前達、コハクを見なかったか? |
| リッド | コハク?コハクって何だ?何の話だ? |
| ??? | 長い黒髪、目はぱっちり、色白で、元気な俺の妹だ! |
| レイア | ああ、なるほど。コハクって、人の名前だったんだ |
| ガイ | いや、すまないが見ていないと思う。何か他に特徴はないのか? |
| ??? | …ええい、もういい! |
| メルディ | 行っちゃったよぅ。すごく怒ってた。コハクってヒトも、亀裂が落ちたか? |
| リッド | …わかんねえけど、そうなのかもな。今やどこでも誰かが誰かを捜してるって感じだな |
| エミル | はい… |
| レイア | 本当、一体どうなってるんだろう…。地震もずっと続いてるし、このままじゃもっと被害が… |
| リッド | … |
| ガイ | 気がかりなのも無理はないが、とにかく今は、最初の予定通り、フィリア司祭を捜さないか? |
| リッド | …ああ、そうだな |
| scene2 | 司祭の行方 |
| ??? | どこ行っちゃったんだろう… |
| レイア | あれ?あの子… |
| エミル | 長い黒髪、目はぱっちり…それにとっても色白だ |
| ガイ | さっきの男が捜していたのもそんな特徴の人じゃなかったか…? |
| レイア | きっとそうだよ!よかった、亀裂に飲み込まれてたってわけじゃなかったんだね! |
| ??? | あなた達、ちょっといいかな? |
| ??? | わたし、シングって男の子を捜してるんだけど、どこかで見なかった? |
| リッド | さっき会った男の事か?それだったら… |
| ??? | え、会ったの?どこで? |
| ??? | コハク!ここにいたのか! |
| ??? | あ、お兄ちゃん。シングは見つかった? |
| ??? | いや、いねえ…。つか、そっちは捜してねえ |
| ??? | もう!ちゃんと捜してって言ったじゃない |
| コハク | っと、ごめんね。わたしはコハク・ハーツ。こっちは兄のヒスイだよ |
| ヒスイ | 何だお前達か、また会ったな |
| リッド | おいおい、今気付いたのかよ… |
| ガイ | そのシングという人はどうしたんだ?ひょっとして姿を消したのか? |
| コハク | うん…。あちこち捜してるんだけどなかなか足取りを掴めなくって… |
| レイア | まさか、その人も地震の亀裂に飲み込まれてしまったんじゃ… |
| ヒスイ | その人、も…? |
| リッド | ああ。オレ達は仲間があの亀裂に飲み込まれちまって、助ける手段を探してるところだ |
| コハク | そうなんだ… |
| レイア | …それでわたし達、フィリア司祭に会いに来たんだ。この村にいるって聞いたんだけど |
| コハク | 司祭様なら、さっき出ていったよ。わたし達の故郷のシーブル村に向かったって聞いたけど |
| メルディ | 残念…イレチガイかー |
| レイア | 落ち込んでる場合じゃないよ。わたし達もすぐシーブル村に向かおう |
| ガイ | シーブル村はここからだと、西の方角だったか…そんなに遠くないはずだ |
| リッド | よし、行くか |
| コハク | あなた達の大切な仲間が、無事に見つかるよう、祈ってるからね |
| ヒスイ | お前らも、亀裂とやらに飲み込まれんなよ! |
| エミル | あなた達も! |
| scene1 | それぞれの想い |
| リッド | ここがシーブル村か |
| ガイ | 今度こそフィリア司祭に会えるといいんだがな |
| レイア | 見て。向こうに人だかりができてる |
| エミル | あれは… |
| 村の男 | 妻を助けていただき、ありがとうございます! |
| 村の女 | このご恩は、一生忘れません! |
| ??? | ユリウスさん、私からもお礼を申し上げます。本当にありがとうございます |
| ユリウス | いや… |
| メルディ | あ、いた!あのヒトがフィリア! |
| エミル | やっと会えた… |
| ガイ | 一緒にいる男は誰なんだろうな |
| リッド | 話をすればわかんだろ。行こうぜ |
| リッド | なあ、ちょっといいか。聞きたい事が―― |
| 村の女 | お願いします!どうか私の子も、あの亀裂から助け出してください! |
| 村の男 | 私の恋人も…ユリウスさん、あなただけが頼りなんです! |
| リッド | …ユリ…ウス?ひょっとして…モーゼスが言っていた「リスだかサルだか」の…? |
| リッド | ユリウス、とかいったか、亀裂に飲み込まれた人達を救い出してるのはあんたか? |
| ユリウス | ああ、そうだが…君達は? |
| エミル | モーゼスさんに聞いた話は本当だったみたいですね |
| ガイ | ああ、そうらしいな |
| リッド | …オレ達はあの亀裂に入る方法を探してる |
| リッド | どうやったら入る事ができんだ?その方法を教えてくれ |
| ユリウス | … |
| エミル | お願いします!あなたの邪魔はしません! |
| メルディ | メルディもお願いするよ!ファラを…みんなが事助けたいよ! |
| ユリウス | みんなを助けたい、か… |
| フィリア | まあ、メルディさん…! |
| フィリア | ユリウスさん、私からもお願いします。彼らの話を聞いてくださいませんか? |
| ユリウス | 司祭の君にそこまで言われては、断るわけにはいかない。それにそれなりの事情もあるようだしな |
| レイア | 「時空の歪み」…? |
| ユリウス | ああ。今大陸の各所に生じている亀裂の先にある空間を、俺達はそう呼んでいる |
| ユリウス | 何かの影響を受け、時空に歪みが生じたと考えられるが…詳しい事は俺にもわからない |
| ユリウス | 時空の歪みはただの空間じゃない。異世界に通じるトンネルのようなものだと考えた方がいい |
| ガイ | 異世界…? |
| ユリウス | …時空を隔てて存在するこことは全く別の世界さ |
| メルディ | ファラ達はそのイセカイに落ちてしまったか? |
| ユリウス | 亀裂に飲み込まれたのなら、その可能性が高いだろう |
| リッド | 落ちた後はどうなる?無事なのか? |
| ユリウス | それは何とも言えん。向こうにも魔物がいるからな |
| フィリア | ユリウスさんは、時空の歪みに飲み込まれた人々を何人も救っているそうです |
| フィリア | 私もこの亀裂について調べている時にユリウスさんと出会ったのです |
| リッド | ユリウス、頼む。オレ達もその時空の歪みに、連れて行ってくれないか? |
| エミル | 僕達にはどうしても助けたい人がいるんです。どうか…! |
| ガイ | 俺からも頼む。捜している奴がそこにいるかもしれないんだ |
| ユリウス | … |
| ユリウス | だが、俺も時空の歪みに巣食う魔物達を把握出来ているわけではない。中には凶暴なものもいるだろう |
| ユリウス | それに…例えば俺が死んだ場合など、時空の歪みから出られなくなる可能性がないわけでもない |
| ユリウス | そんな危険なところに、君達を連れて行くわけにはいかない。その仲間の事は俺に任せて―― |
| リッド | …確かに危険なところかも知れねえ。でも、このまま黙って待ってる事なんて出来ねえんだ |
| リッド | 頼む、連れて行ってくれ |
| エミル | うん…!どんな危険なところでも構わない…絶対にマルタを…みんなを助け出したいんだ! |
| ガイ | ああ。それに、仲間だけじゃない、他の人達を救い出すのにも、協力させてくれ |
| ユリウス | 君達… |
| フィリア | この方達なら、大丈夫だと思います |
| フィリア | 上手く説明はできませんが、彼らからは強い意志の力を感じます。きっと、あなたの助けになるでしょう |
| ユリウス | …わかった。君達を連れて行こう |
| レイア | やった! |
| ユリウス | その代わり、絶対に無理はしない事。何かあればすぐに脱出する、だから俺から離れない事を約束してくれ |
| リッド | ああ、わかった |
| ガイ | その点は任せてくれ |
| ユリウス | よし。ではさっそく出発だ |
| レイア | よかった…!これでみんなを救う事ができる |
| エミル | 司祭様、ありがとうございます |
| フィリア | 神のお導きと、ご加護があらん事を… |
| scene2 | それぞれの想い |
| ユリウス | 詳しい説明は省くが、俺と弟のルドガーには、特別な能力がある |
| ガイ | その能力を使って、時空の歪みとこの世界を行き来してるってわけか |
| レイア | ねえ、ユリウス。さっき話していた「時空の歪みを生じさせた影響」って… |
| ユリウス | 何が影響させたのか…その原因は不明だ。いろいろ調べてはいるんだが |
| ユリウス | だから、もし君達も向こうに着いて、何か気付いた事があれば、随時俺に教えてほしい |
| メルディ | はいな!メルディ、気づいた事あったらたくさん言うよ! |
| リッド | …「時空の歪み」の原因、か。ファラ達は助けるにしても |
| リッド | どうしてこんな事になったのか、その原因を突き止めてどうにかしねぇとな… |
| リッド | じゃねえと、いつまた誰かがそいつに飲まれちまうかわかったもんじゃねえし |
| エミル | リッドさんの言う通りです。僕達に何が出来るか、今はまだわからないけど… |
| レイア | それでも、わたし達の出来る事からやってくしかないよね |
| レイア | そのために、まずはみんなを救い出さなきゃ! |
| ガイ | ところで…一体どこまで行くんだ? |
| ユリウス | 亀裂にはびこる虹色のバリアのような力の存在は知っているか? |
| リッド | ああ、それは知ってる。そいつに弾かれたせいで、中に入る事ができなかったからな |
| ユリウス | そうか。今向かっている地点には、その力が比較的弱い亀裂がある。…そこから中へ進入する |
| ユリウス | これだけ大所帯での移動だ、歪みへ与えるリスクの可能性を考えると、ここを出発地点とするのがベストだ |
| リッド | なるほどな |
| ユリウス | さあ、この先だ。行こう |
| scene3 | それぞれの想い |
| エミル | あ… |
| リッド | こんなでかい亀裂が… |
| ユリウス | ここから時空の歪みに進入する |
| ユリウス | 俺が能力を発動すれば、そう簡単に引き返す事は出来ない。覚悟はいいな? |
| レイア | 勿論!絶対にみんなを助け出すんだから! |
| メルディ | ファラ、マルタ、待っててな!メルディ今から行くよ |
| ガイ | ルークの奴もうまい事そこにいてくれるといいんだが… |
| ユリウス | よし、ではみんな、少し下がっていてくれ… |
| リッド | 頼むぞ、ユリウス |
| ユリウス | … |
| | |
| ユリウス | …はああああっ! |
| | |
| エミル | 光り出した… |
| レイア | うっ…!どんどんまぶしく―― |
| ユリウス | む…? |
| リッド | お、おい!亀裂の奥から何か…あれは何だ!? |
| ユリウス | あれは…! |