Name | Dialogue |
「星のカケラ」編 | |
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オリエ | 早速ですが、星のカケラに選ばれたみなさんにお話を伺いたいと思います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「星のカケラ」編という題でまとめさせていただきます! |
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ミラ | ああ。何でも聞いてくれ |
ルーク | 俺達の活躍、カッコよく書いてくれよな! |
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オリエ | はい、お任せください♪ |
オリエ | えっと、では時系列順にお話を伺っていきますね |
オリエ | 私の調査によると、大きく事件が動き出したのはトーティス村の襲撃からのようです |
クレス | そうだったのか。…あの時の事は今でも忘れられないよ |
クレス | 僕とチェスターが狩りに出ている間に村が何者かに襲われて、僕のペンダントを奪われてしまったんだ… |
クレス | 調べていく内に犯人はウィンドルの騎士サレだとわかったんだ |
クレス | 僕はエステルやルーティの力を借りてサレを捜して、やっと追い詰めたんだけど… |
クレス | サレが奪ったペンダントの力で、封印されていたダオスが復活したんだ |
オリエ | サレさんはダオスさんの封印を解くために村を襲った…という事ですか? |
クレス | いや、サレはダオスに操られていたと言っていたよ |
クレス | でも、村の人達に酷い事をしたのはサレの意思だとも言ってたな… |
オリエ | そんな… |
クレス | ごめん、嫌な雰囲気になってしまったね |
クレス | それで、エステルやルーティと一緒にサレやダオスと戦って、勝ったんだけど |
クレス | そうしたら突然、ペンダントが光り始めて…星のカケラだった事がわかったんだ |
オリエ | クレスさんが星のカケラに認められた瞬間という事ですね |
クレス | ああ。僕の話は、こんなところかな |
ユーリ | エステルはクレスと一緒に行動してたのか… |
ユーリ | 戦争中に姫さんがいなくなったとなりゃ、騎士団の連中は気が気じゃなかっただろうな |
オリエ | それは…仰る通りですね |
オリエ | そういえばユーリさんは、この頃はまだ騎士団にいらっしゃったんですよね |
ユーリ | ああ。でもちょうど、星のカケラ絡みの話で辞めたけどな |
オリエ | その話、詳しく教えていただけますか? |
ユーリ | 構わねぇが、そんな大した話じゃないぜ |
ユーリ | いつも通りフレンと見回りしてたら森で魔物に襲われてるエルと会ってな |
ユーリ | イニル街が病気で大変だって言うからフレンは騎士団に報告に戻って、オレは様子を見に行く事にしたんだ |
ユーリ | それで、イニル街の病気を調べたら国王が設置した魔導器が原因でな |
ユーリ | 途中で会ったミラと一緒に魔導器をぶっ壊して、それを国王に報告しに行ったんだよ |
ソフィ | 国王…リチャードの事だよね。その時はまだ…闇に取り込まれてた? |
ユーリ | ああ。全部わかった上で魔導器を設置したって言っていたからな |
ユーリ | で、まぁ、国王が設置した兵器をぶっ壊した上に、文句まで言ったんだ騎士なんざ続けられるわけねぇだろ? |
ユーリ | だからその場で辞めたんだ。お蔭で、お尋ね者にされちまって今度は騎士団から追われる側だ |
ユーリ | そしたら、フレンの奴がしつこく追ってきやがってなぁ |
オリエ | それは…逃げきるのに骨が折れそうですね |
ユーリ | ああ。案の上、すぐ追いつかれて結局戦うハメになっちまった |
ユーリ | ま、でもあいつと戦った事でオレは騎士団と決別出来たのかもな |
ユーリ | オレには騎士団は向いてねぇ。後はフレンに任せときゃいいって思えたからな |
オリエ | フレンさんをとても信頼されているのですね |
ユーリ | 向き不向きがあるって気付いただけだよ |
ユーリ | 話を戻すぞ。フレンと戦ってる時、魔導器から抜き取った魔核が急に光り出したんだよ |
ユーリ | 今思えば、国王はあれだけ探していた星のカケラを、それと気付かず魔導器に組み込んでたんだな |
ミラ | 私や四大がその魔核を見ても何もわからなかったのだ。気付かないのも無理はないだろう |
オリエ | そういえば、ミラさんはその時は一緒ではなかったのですか? |
ミラ | ああ。私は魔導器を破壊した後、ユーリと別れて、ア・ジュールへ向かったんだ |
ミラ | 旅の途中でア・ジュールはさらに大規模な魔導兵器を作っていると聞いてな |
ミラ | だが兵器工場に行っても兵器はない。そこで王であるガイアスに直接話を聞きに行ったのだ |
ミラ | そうしたら、魔導兵器はまだ工場にあり、使う予定はないと説明を受けた |
オリエ | えっと…つまりガイアスさんの知らないところで、誰かが兵器を動かしていたと…? |
ミラ | ああ。…結論から言うとその誰かは、兵器開発の提唱者であるミュゼだった |
ミラ | ウィンドルと戦っている最前線に魔導兵器を配備し、使用準備を進めていたのだ |
ミラ | ガイアスに必要とされるためにな |
オリエ | ですが…先程のお話だとガイアスさんはそれを望んでいなかったようですが… |
ミラ | ああ、その通りだ。ミュゼが思い詰めた末に独断でやっていた事だった |
ミラ | もっとも…彼女が思い詰めた原因は私にもあったんだがな… |
ミラ | そして、私は使命を果たし、ガイアスがミュゼを説得する事で、その場は丸く収まった |
オリエ | 使命…魔導兵器の破壊、ですね |
ミラ | ああ。全ての魔導兵器を破壊する。…その決意を改めた時、魔導兵器から取り出したクリスタルが光り始めてな |
ミラ | 星のカケラが魔導兵器の核として使われているのなら他のカケラも集めるべきだと考えた |
ミラ | それで星のカケラの情報を得るために光の神殿へ向かう事にしたのだ |
オリエ | そうだったんですね |
オリエ | 同じイニル街の奇病を解決した二人が全く違う経緯で星のカケラに選ばれるなんて、すごい偶然ですね |
ロイド | 実は、イニル街の話が関わってるのはユーリとミラだけじゃないんだぜ |
オリエ | えっ、そうなんですか? |
ロイド | ああ。実はゼロスの妹がイニル街で奇病にかかっちまってな |
ロイド | 治療するためには、星のカケラを持って来いって国王に言われて一人で探してたらしいんだ |
ロイド | 俺は俺で、コレットやリタと一緒に遺跡巡りをして星のカケラを探してたんだけど… |
ロイド | ゼロスが遺跡の封印を解かせるためにコレットを連れ去っちまったんだ |
ロイド | 二人を見つけて、話し合いで何とかしようとしたんだけど、話を聞いてくれるような状況じゃなくてさ |
ロイド | ゼロスの目を覚まさせるために、俺はゼロスと本気で戦ったんだ。勿論、俺が勝ったけどな |
ロイド | その後、理由を聞いたら妹のためを想ってやった事だって判明したわけだ |
ロイド | それで、星のカケラを譲ろうと思ったら今度は星のカケラが光り出したもんだから、びっくりしたぜ |
ユーリ | おいおい。さらっと言ってるが、波乱万丈だな |
ロイド | そうか?遺跡を冒険してたら、困ってる友達を助けられたってだけだぞ |
ソフィ | …みんな、ごめんね |
ロイド | ど、どうしたんだ、ソフィ?何で謝ってるんだ? |
ソフィ | ゼロスに星のカケラを持ってくるように言ったのはリチャード… |
ソフィ | イニル街の魔導器も…サレのいた独立騎士団も…リチャードが命令したから |
ソフィ | わたしの使命はリチャードを止める事だったのに… |
ユーリ | ソフィの使命が何であれもう気に病む事はねぇよ |
ミラ | うむ。最終的には使命を果たしたではないか |
ミラ | 今やリチャードは世界を代表する賢王になった。それはソフィがいたからこそだ |
ソフィ | そうかな…でも、私が記憶をなくしてなければもっと早くリチャードを止められた… |
オリエ | 確か、未来から来た時の事故で記憶をなくしていたんでしたっけ? |
ソフィ | うん。でも、パスカルが記憶を取り戻せるように手伝ってくれたの |
ソフィ | お蔭で、リチャードのところまで行けてカイル達とも再会出来たの |
ソフィ | 他にもパスカルが調べてリチャードは星のカケラの邪念に憑りつかれてるって教えてくれたんだ |
ソフィ | リチャードとは戦う事になっちゃったけど… |
ソフィ | 星のカケラを渡してもらって正気に戻ったの |
オリエ | そして、その星のカケラにソフィさんが選ばれたというわけですね |
ソフィ | うん |
ミラ | ア・ジュールとウィンドルが戦っている前線…私とミュゼが戦った場所もそうだった |
ミラ | もしかするとその時、私達は同じ場所にいたのかもしれないな |
ソフィ | そうかな?だったら、すごい偶然だね |
オリエ | 何だか、みなさんの話を聞いていると点と点が繋がっていくような感覚になりますね |
ルーク | 感動するのはまだ早いぜ。点と点を繋ぐといえば、俺だ! |
ルーク | 何たって俺は、親善大使として国と国を繋いでまわってたんだ |
ルーク | …まぁ、最初は俺が勝手に非公式で始めた事だったけどな |
ユーリ | 非公式って…下手すりゃ余計にややこしい事になるじゃねぇか |
ルーク | 今思えば、無茶だったと思うけどよ、まぁ結果よければってやつだろ |
ルーク | とりあえず隣のシルヴァラントに話付けようと思って、メルトキオまで行ったんだけど… |
ルーク | 王様は病気で伏せてるって言うし、同じぐらい偉い神子は留守だしでいきなり困っちまったんだよな |
ロイド | そっか。神子のコレットもゼロスも俺と一緒にいたもんな |
ルーク | で、何とか話せる司祭のフィリアと話して、和平の約束を取り付けたんだ |
クレス | 非公式って言ってたけどちゃんと和平の約束まで出来たんだね |
ルーク | まあな!俺の人望も、大したもんだろ!? |
ルーク | それで次はア・ジュールだ |
ルーク | 運よくガイアスに会えたんだけどよ、やっぱ非公式だったから話聞いてもらえなくてさ |
ルーク | 今なら仕方ねぇってわかるけどその時は俺、頭に血昇っちまってさ |
ルーク | 絶対ガイアスに話つけてやる!って追いかけたんだ |
ルーク | そしたらその途中、メルディの住んでるリンネル村がハスタの軍隊に襲撃されててよ |
オリエ | …!ハスタさんが!? |
ユーリ | ハスタか…俺が騎士団にいた頃も、いい噂を聞かなかったな |
ルーク | 俺がハスタ達を追っ払ったらそれを見てたア・ジュール軍の大佐ってやつが出て来て |
ルーク | ガイアスに会わせてくれたんだけど…あの眼鏡野郎、俺が持ってた星のカケラを狙ってやがったんだ |
オリエ | 眼鏡のア・ジュール軍の大佐…もしかしてジェイドさんですか? |
ルーク | そうだけど、あいつの名前なんて本に書かなくていいからな |
オリエ | そうは行きませんよ。ガイアスさんと会わせてくれたなら和平交渉の立役者じゃないですか |
オリエ | …ところで、今、さりげなく最初から星のカケラを持っていたと仰いませんでした? |
ルーク | ああ。俺の家に古くからあった勲章が実は星のカケラだったんだ |
ルーク | まあ、ジェイドのやつが取る前に俺が星のカケラに選ばれたんだけどな! |
オリエ | ふむふむ…。こうしてみなさんが光の神殿に集まりました…と |
ルーク | ああ。それから先は、みんなと一緒だ |
ユーリ | このみんなで光の神殿に入っていったんだよな |
ミラ | ああ。道中、意見の食い違いもあったが助け合う内に結束力が芽生えたな |
クレス | みんな、世界を平和にしたいっていう気持ちは一緒だったからね |
ソフィ | 魔物とか、罠とかあったけど力を合わせて、頑張ったよ |
ロイド | 最後には何となく、みんなの願い事がまとまってたりもしたよな |
オリエ | 試練の果てに生まれた掛け替えのない絆…!素敵です! |
オリエ | そして力を合わせて、闇に取り込まれたティルグさんと戦ったわけですね |
ユーリ | ああ。力を合わせても、かなり強敵だったけどな |
ロイド | すげぇ力で殴ってくるし、みんなを毒にしてくるし、戦い辛くてさ |
ルーク | ま、俺は余裕だったけどな |
ミラ | そうか?大慌てでパナシーアボトルを使っていたと記憶しているが |
ルーク | う、うるせぇ!手早い回復は重要だろ! |
ソフィ | ルークは、アップルグミをわたしに使ってくれた |
クレス | そうだね。あれがなければ、勝ててなかったかも知れないな |
ルーク | へへ。そうだろ?俺もソフィがいねぇとヤバいって思ってたんだよ |
オリエ | みなさんのうち、誰が欠けても勝てなかった…そのぐらいの戦いだったんですね |
ミラ | ああ。それは間違いないな |
クレス | 僕もそう思うよ |
ソフィ | わたしも |
ロイド | 6人いてこそだったよな |
ユーリ | まぁな |
ルーク | ああ。俺も異論はねぇよ |
オリエ | ありがとうございます。これで「星のカケラ」編を書く事が出来そうです |
ミラ | もういいのか?この後、願いを叶えてからまた事件が起こるのだが… |
オリエ | はい。その件については、別の章に分けて書く予定です |
オリエ | そちらのお話も改めてお伺いしますのでご協力、よろしくお願いします! |
ミラ | ああ、わかった |
Name | Dialogue |
「光と闇の救世主」編 | |
オリエ | それでは、大精霊の暴走を鎮め、零の塔で戦ったみなさんにお話を伺いたいと思います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「光と闇の救世主」編という題でまとめさせていただきます! |
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カノンノ | 取材かぁ。何だか緊張するね…! |
リッド | そんな緊張するなって。みんな知った顔なんだし、思い出話をするだけだろ |
アスベル | そうだな。ただ、この話は本になるんだろ? |
ミラ | うむ。本として残る以上、正しい内容を伝えねばな |
ルーク | 伝説の勇者!って感じに書いてほしいぜ |
リタ | 何かバカっぽい |
リオン | 本といっても読むのはティルグだけだろう。時間もあまりない、始めてくれ |
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オリエ | はい。よろしくお願いします |
オリエ | 事件の始まりはア・ジュールとウィンドルの戦争の激化でしたね |
ミラ | ああ。双方がついに魔導兵器を使った戦いを始めてしまったために世界に異変が起きたのだ |
ルーク | せっかく俺達がティルグに願って戦争を止めたってのに、また始めるんだもんな |
ミラ | 前線で謎の爆発が起き、大きな被害が出た。そして、双方がこれを相手の攻撃と捉えた |
ミラ | 戦争が激化するよう仕組まれていて、我々の願いで負の感情を消し去っただけでは、止められなかったのだ |
アスベル | リチャードも心を痛めていたよ。戦争は勿論だけど、異変による被害も大きかったから… |
リッド | 地割れが起きるほどの地震がずっと続いてたもんな |
アスベル | ああ。そのために軍も前線から一時撤退する事になった |
アスベル | 俺は撤退の途中で、カノンノと出会ったんだ |
カノンノ | そうだったね。目が覚めたらアスベルに抱えられててびっくりしたよ |
アスベル | あそこは危険だったし、俺はてっきり何かの被害にあって倒れてると思ったから… |
カノンノ | それもそっか。誰も、あそこにいきなり現れて眠ってるなんて思わないよね |
カノンノ | アスベルは最初、私が質問に応えられない様子を見て記憶喪失だと思ったんだよね |
アスベル | ああ。名前以外、何もわからないって言うからそうだと思ったんだ |
オリエ | えっと…整理させてください。カノンノさんは記憶喪失ではなくて、突然現れた存在だったと…? |
カノンノ | うん。後でわかった事なんだけど世界の意思によって生み出されたディセンダーって存在なんだって |
カノンノ | もしかするとアスベルと出会ったのも世界の意思の導きだったのかもね |
アスベル | それはわからないけど…確かに、偶然ではないような気はする |
アスベル | 一緒にバロニアに戻る途中でカノンノのネックレスに反応する祭壇を見つけたりもしたな |
アスベル | そこでリヒターと会ったし、バロニアではユーリに会って天変地異はマナの影響だと聞いたんだ |
カノンノ | 何とかしないとってなって、そこから世界を守る旅に出たんだよね |
アスベル | 今考えると、よく出来た偶然だよ。やっぱり世界の意思が導いてくれてたのかもな |
リタ | じゃあ、そこにあたしが出くわしたのも、世界の意思の導きってわけ? |
アスベル | そうかも…だけど、どっちかというとリタとの出会いはカーティス大佐の導きって感じが… |
リタ | …それと、おっさんね |
リタ | アーチェやエステルはともかく、あの二人の事を導きって言たくないわ |
オリエ | おっさん…というのは、もしかしてレイヴンさんの事ですか? |
リタ | そうよ。爆発の起きたあたりを調べに出かけるのに、ずっとついて来てたのよ |
ミラ | 私も行ったが、あの辺りは戦争の最前線で、とても危険な場所だった |
ミラ | 心配してついてきたのだろう |
リタ | まぁそうなんだけど…お蔭で助かった事もあるし |
オリエ | それで、レイヴンさんと出発した調査の旅は、上手くいったのでしょうか? |
リタ | まぁね。けど、順風満帆とは行かなかったわ |
リタ | 調査のために行ったア・ジュールでジェイドにエステルがウィンドルの姫だってバレちゃってね |
リタ | それでエステルとジェイドで話して戦争のきっかけになった攻撃はどちらの国でもないってわかったの |
リタ | じゃあ話し合いをしましょうって事でエステルとジェイドがお互い相手国の捕虜になったのよ |
リタ | つまりエステルはア・ジュールで捕虜になってジェイドの身の安全を保障する |
リタ | ジェイドはあたし達の捕虜としてウィンドルに来て話をつける |
アスベル | それでリタ達がウィンドルに着いた時俺達と会ったんだな |
リタ | そういう事 |
ルーク | もしかして、俺達と会ったのもその時か? |
リタ | そうよ |
オリエ | 何やら不思議なご縁を感じますね。ルークさんはどうしてバロニアにいらっしゃったんですか? |
ルーク | 俺は…あー、どこから話せばいいんだ? |
ルーク | 地震で亀裂に巻き込まれちまって、気が付いたら時空の歪みにいたんだよ |
ルーク | それで、出口を探してる時に、暴走してるクロノスと会ってな |
オリエ | …!いきなり大物と対峙したんですね! |
ルーク | まぁ、俺が大物だから相手も大物じゃねぇとな! |
ミラ | ふむ…だがその時点ではクロノスの暴走は鎮められていなかったはずだが |
ルーク | ああ。戦ってる最中に分史世界に飛ばされちまったからな |
ルーク | その時は分史世界の事なんて知らなかったからびっくりしたぜ |
ルーク | けど、いい事もあったんだ。俺と同じように分史に迷い込んだファラを見つけられたからな |
リッド | …!そこでファラと会ったのか! |
ルーク | ああ。ファラと一緒にいるところをルドガーが見つけてくれてな |
ルーク | 骸殻能力でみんなと一緒に正史世界に戻してくれたんだ |
リッド | なるほどな… |
リッド | オレ達はファラが亀裂に飲み込まれてから、助ける方法をずっと探してたんだ |
リッド | ユリウスに会えて時空の歪みへ助けに入ろうとしたらルーク達が出て来たんだ |
ルーク | へへ。俺のお蔭で手間が省けただろ? |
リッド | ファラのお蔭で手間かけさせられたって方が正しい気もするけどな |
オリエ | では、ルークさんとリッドさんはそこで合流されたんですね |
ルーク | ああ。その後、時空の歪みの事をウィンドルの国王に知らせといた方がいいと思ってバロニアに向かったんだ |
ルーク | 伯父上にはティア達が報告してくれる事になってたしな |
オリエ | これは本当に何かの導きかも知れませんね…! |
ミラ | そういう意味では私達は明確に導かれてバロニアに向かったな |
ミラ | 私は精霊界から姿を消した四大達を捜していたんだ |
ミラ | まずはウンディーネの気配を頼りに捜し出したはいいが、自我を失い暴走してしまっていてな… |
ミラ | 他の大精霊も、捜し出して暴走していたら鎮める事にした。リオン達と出会ったのはその時だ |
リオン | ルイニス街が、氷漬けになっていたからな。火の大精霊の力が必要だった |
リオン | …それに、僕はリドウから、大精霊を集めれば街の氷を溶かすと言われていた |
リオン | いずれにせよ大精霊のところに行く必要があったんだ |
ミラ | 理由はどうあれ、目的は同じ。リオン達と共に大精霊の暴走を鎮めるための旅を続けた |
ミラ | だが、大精霊アスカは四大のように私がマナを分け与えるだけでは鎮める事が出来なかったのだ |
ミラ | どうしたものかと考えていた時、私と四大は、バロニアの方角から不思議な力を感じてな |
ミラ | その力を辿ったところ…カノンノと出会ったのだ |
カノンノ | 私のペンダントの力を感じ取ったのかな? |
オリエ | 世界の意志による導き…そうして、みなさんがバロニアで出会ったというわけですね |
ミラ | ああ。その後は、皆で大精霊を鎮めて回ったわけだが… |
ルーク | クロノスとも改めて決着つけてやったぜ |
カノンノ | 暴走に抵抗していたオリジンとも戦う事になったのは驚いたけどね |
ミラ | そうして集めた大精霊をリドウが狙って来たのだったな |
リオン | …ああ。零の塔を復活させるために大精霊の力が必要だと言っていた |
リオン | リドウは僕が返り討ちにしたが… |
アスベル | ユグドラシルが来て、大精霊達の入ったネックレスを奪ったんだったな |
リッド | あの時は参ったぜ。まるで歯が立たなくて逃げられちまったもんな |
ミラ | 結局、大精霊のマナを利用され、零の塔は復活してしまった |
リッド | ユグドラシルを止めるため、みんなで塔に乗り込んで… |
リッド | そうだ、塔ではデュークも手伝ってくれたんだぜ |
オリエ | デュークさんが? |
リッド | ああ。カノンノを救ってくれたんだ |
ミラ | デュークは、かつてユグドラシルが滅ぼしたマテスという世界から来たと言っていた |
ミラ | その悲劇を繰り返さないためにユグドラシルを止めようとしていたんだ |
アスベル | それにカノンノもディセンダーとして覚醒し始めていた |
アスベル | みんなで力を合わせて、やっとの事でユグドラシルを倒したんだ |
アスベル | だけど… |
ミラ | …ユグドラシルがカノンノに植え付けた種が発芽した |
オリエ | 種…ですか? |
リタ | ディセンダーとしての力を反転させるって言ってたわね |
リタ | つまり再生の力を反転させてカノンノに世界を破滅させようとしてたのよ |
カノンノ | …私、あの時、頭が痛くなって…意識がぼんやりして、私が私じゃないみたいだった |
カノンノ | 心の中で、そんなの嫌だってずっと叫んでたのに… |
ミラ | …デュークは、そんなカノンノを殺そうとしていた |
ミラ | だが私達も黙って見てはいなかった |
アスベル | ああ。デュークと戦う事になったけどカノンノの事を俺達の手で何とかする機会をもらったんだ |
アスベル | だけど…俺達の声はカノンノに届かなくて… |
カノンノ | ううん、届いてたよ!私の心には、みんなの声がずっと響いてた |
カノンノ | 私を助けようとしてくれる温かな声… |
カノンノ | だから私…頑張れたんだよ。デュークが施してくれた種の浄化を… |
オリエ | みなさんの想いがあったからカノンノさんを助ける事が出来たんですね |
カノンノ | うん。それから目を覚まして、無事に世界の再生に成功したんだよ |
カノンノ | といっても、世界の再生は私だけじゃなくて、大精霊のみんなが協力してくれたからだけど |
オリエ | …そうして全ての異変は解決し、世界は元通りという事ですね!ありがとうございます! |
オリエ | 出来る事なら、その大精霊のみなさんにもお話を伺ってみたかったですが… |
ミラ | ふむ…。試してみるか?私を通しての伝言になるだろうが |
オリエ | えっ、そのような事が可能なのですか…!?…是非、お願いします! |
ミラ | わかった。少し待ってくれ |
ミラ | …… |
ミラ | 来たぞ。まずはセルシウスからだ |
ミラ | リッド。肩は大丈夫かと聞いているぞ |
リッド | 肩?ああ、あの時、氷の刺さったとこか。別にもう何ともねぇよ |
ミラ | そうか。安心したそうだ |
リッド | 大精霊様がこんな時にくれるありがたいお言葉が、それでいいのかよ |
ミラ | そう言うな。暴走していたとはいえ、人々を傷つけた事を気にしているんだ |
ミラ | 次はアスカから来た…ふむ… |
ミラ | 上空から我々の様子を見守っているそうだ |
ミラ | 四大国協定等の動きも知っていてこの人間の進歩はカノンノ達の活躍があってのものだと言っているぞ |
カノンノ | ありがとう!でも、みんなが頑張ったからだよ |
ミラ | 次は…む、珍しいな。クロノスも呼びかけに答えたぞ |
ミラ | …ふふ。わかった。伝えよう |
ルーク | 何だって? |
ミラ | ルーク、お前に伝言だ。さっきの話を聞いていたがお前に負けたわけではない。と |
ルーク | 何ぃ!?負け惜しみ言ってんじゃねぇぞ。つか、盗み聞きしてんじゃねぇ! |
ミラ | …ふむ、なるほど。ティルグの目覚めを知り、様子を伺っていたそうだ |
ミラ | さて、次はヴォルトからだ |
ミラ | リオン、どうやらお前に攻撃を見切られた事が悔しいらしい。暴走していない今、再戦したいようだ |
リオン | …ふん。何度だって勝って見せるさ |
ミラ | ん、次はルナか。…ふむ |
ミラ | リタ。今度、アスカとお茶をするからエステルを連れて一緒にどうだと言っているぞ |
リタ | いいけど…。さっきから、私信みたいな内容ばっかりじゃない |
リタ | 大精霊がわざわざ届ける言葉が「今度お茶しましょう」でいいわけ? |
ミラ | それだけお前達を認めているのだと私は思うが…確かに本には書けないか |
ミラ | では、残るシャドウとオリジンには本に記すに値する言葉を頼むとしよう |
ミラ | 早速、シャドウから…「…我…皆の力を認める。 故に…光の宴席へ供物を捧げん」 |
アスベル | 本に記せそうな荘厳な言葉だけど…どういう意味だろう |
ミラ | ルナとアスカのお茶会に、茶菓子を差し入れる…と言いたいようだ |
リッド | 結局、私信じゃねぇか。オリエ、こんな内容でも本になるのか? |
オリエ | はい。大精霊と切磋琢磨したりお茶会の約束をしたり出来るぐらい認められるのはすごい事ですから |
リッド | そういう考え方もあるのか。それなら、いいけどよ |
ミラ | そして最後にオリジンからだ |
ミラ | 「世界の再生。 それは根源の力を持っても 容易には果たせぬ所業」 |
ミラ | 「その完遂のみならず、 さらに安定した世界を生み出した 人間に敬意を示す」 |
ミラ | …うむ。さすがオリジン。威厳のある締めくくりだな |
オリエ | ありがとうございます!大精霊のみなさんからの言葉も入れて大長編の予感、待ったなしです |
カノンノ | 完成が楽しみだよ!ティルグさんにも、よろしく伝えてね |
オリエ | はい! |
Name | Dialogue |
「結晶の大地と導きの光」編 | |
オリエ | 次は、晶化現象の原因を突き止め戦い抜いたみなさんにお話を伺いたいと思います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「結晶の大地と導きの光」編という題でまとめさせていただきます! |
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スレイ | オレ達、本に載るんだね。すごく楽しみだよ! |
ルドガー | ああ。といっても、ティルグ用に一冊まとめるだけなんだよな? |
ヴェイグ | 俺もそう聞いている。大勢の目に触れる本として書かれるわけではないんだろう |
ゼロス | いやいや。神子である俺さまも関わってるからなぁ |
ゼロス | シルヴァラントでは既に執筆が始まってるかも知れねぇぞ |
エリーゼ | 本当ですか!? |
ティポ | どうしよー!エリー、有名人になっちゃうー! |
ティア | ふふ、きっと冗談よ。もし本当なら、同じように取材があるでしょうし |
エリーゼ | あっ…なるほど、そうですね |
スタン | なんだ、ゼロスの冗談か。俺も楽しみだったのに |
ゼロス | 何だよ。確かに冗談だけど、現実になる可能性もあるんだからな |
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オリエ | ふふ。興味があるのでしたら私がインタビューで作ったメモをみなさんに共有しますよ |
スレイ | それがあったら流通する本になる可能性もあるかもしれないな。よし、早く始めようよ! |
オリエ | はい!それでは、まず、みなさんの旅立ちについてお聞かせください |
スレイ | オレは、晶化現象の事をもっと知りたいって思ったのがきっかけだったな |
ルドガー | 俺もだ。世界中に突然広がった結晶…何かせずにはいられなくって |
エリーゼ | わたしも、同じです。ジュードと一緒に晶化を調べてました |
スタン | みんなもか。俺は晶化現象を見て、街が氷漬けになったのを思い出したんだ |
スタン | あんな事を繰り返したくなくて、原因を調べ始めたんだ |
ゼロス | 俺さまは天啓を読めって横暴な連中から逃げ回ってたな。あん時は、大変だったぜ |
ティア | 私は、いなくなったルークを捜しに出たのがきっかけね |
ヴェイグ | 俺は…クレアが晶化現象に巻き込まれてどうにかしたかったんだ |
オリエ | なるほど…みなさん事情は様々ですが異変の調査で動き出した方が多いんですね |
オリエ | では、スレイさんから順に詳しく教えていただけますか? |
スレイ | うん、わかった |
スレイ | オレはミクリオと一緒に晶化現象の情報を探すため、メルトキオの図書館に向かったんだ |
スレイ | そこでパスカルに会ったんだけど、まさか、ミクリオを誰からでも見えるようにしてもらえるなんて、驚いたよ |
オリエ | 見えないはずの存在を、可視化する…パスカルさんの技術はすごいですね! |
スレイ | うん。お蔭でミクリオをみんなに紹介しやすかったし、パスカルの技術には助けられたよ |
スレイ | それから三人で晶化現象について図書館で調べてたら湖の乙女と聖剣の伝説を見つけてさ |
スレイ | 聖剣を抜けば知りたい事がわかるって書いてあったから、試してみる事にしたんだ |
ゼロス | とかなんとか言っちゃって~。本当は聖剣が眠る遺跡を探検したかったんだろ? |
スレイ | はは、それも少しはあったかな |
スレイ | とにかくオレは湖の乙女…ライラに認めてもらって、聖剣を抜いて、導師になったんだ |
スレイ | だけどその時、導師になった反動で気を失っちゃって… |
オリエ | 気を失うほど…。導師になるというのは、それほど大変な事なのですね |
スレイ | うん。あの時は、ミクリオ達にも心配かけちゃったな |
スレイ | それで、バロニアで休んでた時にルドガーと会ったんだ |
ルドガー | ああ。街で偶然ミクリオとパスカルに会って晶化現象を調べてるって聞いて |
ルドガー | 宿で休んでるスレイとも会って、一緒に行動するようになったんだ |
スレイ | その後、エステルから赤の騎士団が何かしでかすかもしれないって聞いてメルトキオに戻ったんだ |
オリエ | 赤の騎士団…確かウィンドルで急遽結成された特別騎士団でしたよね |
ルドガー | ああ。国王であるリチャードが晶化してしまって… |
ルドガー | 代わりに実権を握ったセルディクが結成した騎士団だ |
ルドガー | でもそれは、セルディクが自分の野心を満たすために用意したものだったらしい |
オリエ | それがメルトキオに…確かに悪い予感がしますね。スレイさん達は間に合ったんですか? |
スレイ | それが、オレ達が着いた時にはフィリアさんとヴェイグ達でもう解決した後だったんだ |
ヴェイグ | あの時か。…クレアが晶化してしまって…そこにスレイ達が来たんだったな |
ヴェイグ | その後、ルーティ達も来て、大精霊の事を調べるためにクラースを捜しに行く事になったんだ |
スタン | 俺とルーティとで手分けして晶化現象と大精霊の関連を調べてた時の事だな |
スタン | ルーティとリオンはクラースさん、俺とリリスはキールを訪ねて情報を集めようとしてたんだ |
スタン | 合流と言えば、キールと会った後、船の中で偶然エリーゼ達と合流したんだよな |
エリーゼ | はい。わたしとジュードは、晶化現象の原因を調査していてミラと会って… |
エリーゼ | もっと調査するための移動中にスタンと会ったんです |
ティポ | すごいぐーぜんだよねー |
スレイ | それで、そのまま俺達と合流したわけだな |
ティポ | そうそう。キール君は途中で別れちゃったけどねー |
エリーゼ | ミラが、晶化してるのはマナだと突き止めたので、キールはいろいろ調べるために街に戻ったんです |
オリエ | ふむふむ、なるほど…。スレイさん達は、クラースさんとお会い出来たのですか? |
ヴェイグ | …いや、クラースは晶化してしまっていた… |
オリエ | そんな… |
スタン | それから、みんなで情報を整理して、晶化現象と天啓には何か関係があるんじゃないかって考えたんだ |
スタン | 天啓の内容が、リチャードの晶化を暗示した未来予知だって話もあったからな |
ルドガー | そうだったな。それで、天啓を読み解く事が出来る神子に会おうという事になって… |
ルドガー | シルヴァラントに向かったら、神子を匿う隠れ家が赤の騎士団に襲撃されたと聞かされたんだ |
ゼロス | 俺さまがクロエちゃんと一緒に逃げ回ってた時だな |
ゼロス | 俺さまは無事だったんだけどコレットちゃんがルークに連れ去られちまってな… |
オリエ | ルークさんが、コレットさんを…? |
ティア | …ええ。私がもう少し早く、ルークの動向に気付いていれば止められたのに… |
エリーゼ | ルークは悪くないです。勿論、ティアも… |
ティポ | ルーク君は騙されてただけだもんねー |
ティア | ありがとう、エリーゼ、ティポ。…全ては私の兄──ヴァンが仕組んだ事だったわ |
ティア | ルークは兄さんの事を師匠として慕っていたから、言われた通りに行動してしまったの |
ティア | 正しい事だって言われて信じてしまったのね… |
スレイ | ティアがオレ達と会ったのはルークを捜してる時だったっけ? |
ティア | ええ。ルークが見当たらないからずっと捜していて… |
ティア | でもスレイ達からルークの話を聞かされて…すぐ兄さんの事に思い至ったの |
ティア | ルークも兄さんも止めなければならない…。それで私も同行する事にしたのよ |
オリエ | …これで、いよいよみなさんが揃われたわけですね! |
スレイ | そうだね |
ゼロス | その後は…ア・ジュール主導での天啓の儀式が行われたんだよな |
ゼロス | 天啓の内容をシルヴァラントが独占してるなんて噂があって、疑念を晴らすために必要だったんだ |
ティア | ええ。兄さんとルークはそのためにコレットを連れ去ったと言っていたけど… |
ティア | 本当は、天啓の儀式をきっかけに世界中を混乱に陥れ、戦争が激化する事を望んでいたの |
ゼロス | 天啓の内容は予言で、全ての命が晶化するなんて内容だったんだよな |
ヴェイグ | …身近な者が晶化してしまう…。その事に対する恐怖はよくわかる |
ヴェイグ | 世界中が不安になり、その感情が疑心暗鬼を産み、戦争に繋がると考えたんだろう |
スレイ | それでさらに負の感情が広がって晶化を促す…すべてヴァンの思惑通りだったんだ |
スレイ | 世界の晶化を進めていたのは人間の負の感情を力とする天帝──ラザリス |
スレイ | ヴァンはラザリスの意識と繋がって、ラザリスの作る新世界を理想として力を貸していたんだ |
ゼロス | 天啓の内容だって、ラザリスが作り出したものだったんだよな |
エリーゼ | でも、その事がわかったのはずっと後でしたよね |
ルドガー | ああ。天啓の儀式の後、俺達はヴァンを追いながら晶化現象の事を調べ続けたけど… |
ルドガー | セルディク率いる赤の騎士団の暴挙もあって、各国間の争いはどんどん加速していった |
ルドガー | 俺達がヴァンを問い詰めて、その事を知るまでに世界の晶化はかなり進んでた… |
ゼロス | カーツのやつが、赤の騎士団を利用して戦争をどんどん進めやがったんだよな |
ゼロス | まあ…赤の騎士団はウィンドルごと晶化して戦争は一時的に止まったけどよ… |
エリーゼ | 無茶な進軍で負の感情が広がって、晶化がすごい速さで進みました。ミラも、晶化してしまって… |
ティア | 兄さんと決別したルークも、戦いの中で負傷してしまったわ |
オリエ | ミラさんとルークさんまで…。心強い仲間が次々に戦線離脱してしまったんですね… |
ティア | ええ。だけど、兄さんに傷を負わせる事は出来た… |
スレイ | 確か、オレとミクリオが神依出来たのもこの戦いの時だったな |
スレイ | オレ達も後がなかったけどヴァンの事も着実に追い詰めていたはずなんだ |
スレイ | だけど…空に、あれが現れた |
ゼロス | 天帝の御座…って言ってたか。後から考えると、あれってそのままラザリスの居城だったんだよな |
スタン | ラザリスの作る新世界の中心部だったって事だな |
ルドガー | 俺達はア・ジュールの飛行船で天帝の御座に乗り込んだけど…空から世界を見て、驚いたよ |
ルドガー | もう世界の殆どが、結晶に覆われてしまっていたんだ |
スレイ | オレ達はラザリスの誕生を阻止するためにヴァンと戦ったんだ。でも…間に合わなかった |
スレイ | みんなも、ヴァン自身も、オレ達も、晶化しちゃって… |
スレイ | 最後に神依の力で晶化したヴァンを攻撃したんだけど、結晶にひびが入った程度だったよ… |
ゼロス | でもよ、その一撃は無駄な事じゃなかたって俺は思うぜ |
ゼロス | ラザリスの世界は完璧じゃなかった。特異点なんていう綻びがあったのはその一撃があったからこそだってな |
スレイ | そう、なのかな… |
スレイ | だけど、オレ達も世界も、結晶に包まれて世界が終わってしまったんだ |
オリエ | 世界が…!大変じゃないですか…! |
オリエ | あっ、という事は、「結晶の大地と導きの光」編としてはここで終わり…でしょうか |
スレイ | うん。そうなるかな |
スレイ | その代わりに、世界の歴史とみんなの記憶が書き換えられたラザリスの新世界が生まれたんだ |
エリーゼ | そして新世界エンテレスティアで、わたし達、この世界を取り戻すためにまた戦ったんです! |
ティポ | 次章、こうご期待ー! |
オリエ | はい。新世界での冒険は、次章──「追憶の楽園(エデン)」編という題で引き続きお話を伺ってまいります |
オリエ | 「結晶の大地と導きの光」編はここで締めとさせていただきます。ありがとうございました |
Name | Dialogue |
「追憶の楽園」編 | |
オリエ | 次は、ラザリスさんによって作られた新世界エンテレスティアで活躍したみなさんにお話を伺いたいと思います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「追憶の楽園(エデン)」編という題でまとめさせていただきます |
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ミクリオ | ベルベットは僕達の中では一番早くから記憶を持っていたから苦労も多かったんじゃないか? |
カイル | そういえば生誕祭の時にはもう記憶が戻ってたんだよね |
コレット | 生誕祭か~。そんなに早かったんだね |
ジュード | あの時は記憶が書き換えられたまま偶然、コレットやカイル達と会って一緒に参加したんだったね |
カイル | オレは記憶は書き換えられてなかったけど、未来から来たばかりで何もわからなかったし… |
ベルベット | なら、その生誕祭の事から話すわ。実際、事が動き出したのはあれからだったと思うし |
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オリエ | 生誕祭…ラザリスさんの誕生を世界中でお祝いする行事でしたよね |
ベルベット | ええ。世界中が盛り上がっていたけどあたしには不気味でしかなかったわ |
ベルベット | 急に、ラザリスなんていう聞いた事もない存在のために祈り始めたんですもの |
ベルベット | 地名も地理も、知らない事だらけ…まるで悪夢よ |
ベルベット | でもそれは現実だった…。世界の歴史も人の記憶も書き換えて新しい世界を作るなんて無茶苦茶よ |
オリエ | それがラザリスさんによる新世界エンテレスティア…だったわけですね |
ベルベット | ええ。その世界では憎しみという感情と概念が人々から奪われてたわ |
ベルベット | けど、あたしは復讐を果たすまでこの憎しみを忘れないし、誰にも邪魔はさせない |
ベルベット | あたしは、復讐を遂げるため元の世界に戻る必要があった |
ベルベット | だから、世界の中心とされているラザリスを倒す事にしたのよ |
ベルベット | あいつが確実に姿を現す生誕祭を狙ってね |
レイヴン | 狙いはよかったわよ。だけどベルベットちゃん、思いっきり正面突破してたわよね |
レイヴン | ヴァンが意図的に警備を手薄にしてなかったら大変な事になってたところよ |
ベルベット | …ヴァンが?何の話よ |
レイヴン | ラザリスを殺すつもりだったヴァンにとって、ベルベットちゃんは都合のいい襲撃者だったって事 |
レイヴン | ラザリスはそれに気付いて汚れ仕事を専門で引き受けてるおっさんに指令を出してきたわけよ |
レイヴン | ヴァンへの意趣返しに、生誕祭で捕えた咎人を逃がしてやれ…ってね |
ベルベット | …あんたがあたしを脱獄させたのはそういう理由だったのね |
レイヴン | 記憶はまだ戻ってなかったけど、おっさん、いい活躍だったでしょ |
レイヴン | んで、その後はラザリスの行方を知るために、ティアちゃんを追って行ったのよね |
ベルベット | ええ。お蔭でラザリスの居場所を知る事が出来たわ |
ベルベット | ただ、王都から出る際追手に捕まりそうになって、逃れるために崖から飛ぶ事になったわ |
レイヴン | 崖からって…また無茶な事を |
ジュード | よく無事だったね |
ベルベット | 無傷とはいかなかったわ。数日、気を失ってたそうよ |
ベルベット | その間、追手に見つからないようティアが洞窟に匿って応急手当をしてくれてたわ |
ベルベット | 動けるようになった後、旅を再開したところでジュードと出会ったのよ |
ジュード | 僕がルドガーの記憶を取り戻すための旅をしてた時だね |
ベルベット | ええ。後はジュードの方が詳しいわ。あたしから話せるのは、ここまでよ |
オリエ | ありがとうございます |
オリエ | では、ジュードさん。まずは、ベルベットさんと合流するまでの経緯からお聞かせいただけますか? |
ジュード | わかった。僕は、記憶を取り戻す前からルドガーと会っていたんだ |
ジュード | ルドガーは街で評判の料理人、僕は街の牛乳配達員として暮らしてた |
ジュード | ルドガーが野良猫の世話をしてるところに、偶然僕が居合わせて… |
ジュード | 猫の飼い主を一緒に捜す事になったんだ。帝都なら人も多いしって事になって… |
ジュード | 猫を連れて向かってたんだけど、道中、つい立ち入り禁止区域に近づいてしまったんだ |
レイヴン | あー…あれねぇ…白き獅子の連中が追っかけてきたでしょ |
オリエ | 白き獅子…ラザリスさん直属の精鋭を集めた騎士団ですよね |
レイヴン | そそ。立ち入り禁止区域ってのはラザリスに都合の悪い世界の綻び…特異点を隠してる場所だからね |
ジュード | 僕とルドガーは怪しまれない内に帰ろうとしたんだけど… |
ジュード | 立ち入り禁止区域に入り込んで追われてたマギルゥに巻き込まれちゃってね… |
ジュード | それで白き獅子に協力していた近くの村の自警団──レイア率いるロランドファミリーに捕まったんだ |
ジュード | レイアは僕達の話を聞いてくれて疑いはすぐに晴れたんだけど、魔物の襲撃とかいろいろあって… |
ジュード | 僕もレイアみたいに自分に出来る事をしたいと思って、自警団に入れてもらう事にしたんだ |
ジュード | そうしたら、何かの拍子でレイアだけ先に記憶を取り戻して… |
ジュード | 咎人になったレイアは、自警団のみんなに迷惑かけないよう手紙を残して一人で出て行ったんだ |
ジュード | 僕は心に強い引っ掛かりを覚えてレイアを追ったんだ。…ちゃんと話をしたかったから |
ジュード | けど、見つけた時にはすでに白き獅子に捕まっていて… |
ジュード | 天帝が咎人を救うという話を信じて、このまま黙って見送るべきか…救い出して話をするべきか… |
ジュード | それで悩んでいたら、ルドガーが背中を押してくれたんだ。後悔だけはしないようにって |
ジュード | だから、レイアを連れて逃げたんだ。その時のレイアとのやり取りの中で、僕も記憶を取り戻す事が出来た |
ジュード | それからルドガーにも記憶を取り戻してもらうためにエルに会いに行く事にしたんだ |
ジュード | その途中で、ベルベット達に出会った。…こんな感じかな |
ベルベット | …マギルゥに巻き込まれるなんて災難だったわね |
ジュード | あはは…。でもお蔭で記憶を取り戻せたし結果的にはよかったのかも |
ジュード | それからはレイザベールに向かってエルに会って、ルドガーの記憶も無事に取り戻せたんだ |
オリエ | 上手く行ったんですね!よかったです! |
レイヴン | ほんと、よかったわよね。万が一、ルドガーの説得に失敗していたら終わりだったわよ |
ジュード | うん。だけどルドガーも、エルの話をした時に何か引っかかってた様子だったし… |
ジュード | レイヴンが言うような心配は最初からなかったんじゃないかって思うよ |
レイヴン | 記憶が戻る前の引っかかり…ねぇ。確かにおっさんにも覚えあるわ |
オリエ | そう言えば、レイヴンさんはどうされていたのですか? |
オリエ | ベルベットさんの脱獄を手伝ってからお話に出てきてない気がしますが… |
レイヴン | ああ。おっさんは途中でベルベットちゃんとは別れてね |
レイヴン | みんなと合流したのはずっと後よ。記憶を取り戻すまでこっちはこっちで大変だったんだから |
レイヴン | ノーマちゃんと一緒に何でも屋で人々のお悩み解決をしてたんだけど… |
レイヴン | 同時に「特別補佐官」なんて役職で極秘任務とかこなしちゃう裏の顔があったのよね |
レイヴン | 公には出来ない仕事を白き獅子が持ってきたりしてさ。特にクローは酷かったわ |
オリエ | クロー…と言うと、ユーリさん…でしたよね? |
レイヴン | そうそう。あの雨の日もそうだった。咎人の追跡依頼をしに来たのよ |
レイヴン | ふたを開けてみれば、それがエリーゼちゃんだったわけだけどね |
オリエ | …!エリーゼさんを捕えようとしていたのですか!? |
レイヴン | 咎人なら、ね。ただ、エリーゼちゃんを見てても咎人って確証がなくてね |
レイヴン | 様子を見るために、故郷に帰りたいっていうエリーゼちゃんに同行したんだけど… |
レイヴン | 話を聞いてみたら、咎人じゃなくて一安心…… |
レイヴン | と思ったところに何と咎人ヴェイグが登場! |
レイヴン | カッコいい言葉でエリーゼちゃんの記憶を取り戻させて二人共咎人になっちゃったのよね |
レイヴン | そしておっさんも、エリーゼちゃんの愛ある問いかけと… |
レイヴン | 奇遇にもそこにいたクローの声で、いろいろ思い出して記憶が戻っちゃってさ |
レイヴン | 後はエリーゼちゃんとヴェイグを連れて、スタコラサッサと逃げたってわけ |
レイヴン | その…逃げた先で、少年と会ったのよね |
カイル | はい。父さ──スタンさんと二人、リアラとソフィを捜すために咎人の少女の情報を追ってたんです |
カイル | それがエリーゼの事だったみたいでレイヴンさんのところに辿り着いたんです |
オリエ | その時すでに、スタンさんと合流されていたんですね |
カイル | はい。スタンさんと出会った時はまだ記憶を取り戻していなかったんですけど… |
カイル | 偶然、ハロルドと再会出来たので何か方法がないか相談しながらリアラとソフィを捜してました |
カイル | スタンさんは親切にずっと手伝ってくれていたんです |
カイル | その途中、既に記憶を取り戻していたリオンさんと会った事がきっかけでスタンさんにも記憶が戻りました |
レイヴン | なるほどねぇ。それでおっさんと合流した時は二人共記憶が戻った状態だったと |
カイル | はい。その後、リアラとソフィを見つけたけど、その時にはもう咎人として捕まってて… |
オリエ | そうだったんですね… |
コレット | 咎人として…じゃあ二人も私みたいに晶化させられちゃったのかな… |
オリエ | …!コレットさんは晶化していたんですか!? |
コレット | うん。ちょっとの間だけだけど |
コレット | 私、記憶を取り戻す前はラザリスの役に立ちたいって思って宮廷神子を目指していたの |
コレット | シェリアやマルタ、アリエッタ…みんなのお蔭で私は宮廷神子の試練に合格出来たんだけど… |
コレット | 宮殿に入ってすぐラザリスに呼ばれて…地下にある部屋に連れて行かれたの |
コレット | そこでラザリスは…私の中に世界の意思が隠れてるって言って、私を晶化させたんだ |
コレット | でも、気が付いたら私の中に不思議な力を感じて、結晶が消えていて… |
オリエ | 結晶が…それが世界の意志の力、という事でしょうか |
コレット | そうだと思う。それから、その地下室に晶化させられたゼロスもいて… |
コレット | 私の力で晶化を解く事が出来たから一緒に逃げたんだ |
ミクリオ | ゼロスと二人で…もしかして僕達と合流したのはそのすぐ後かな? |
コレット | うん。そうだよ。逃げた先のマール村にいたら何かの気配を感じて遺跡に行ったの |
コレット | そういえば、ミクリオはあの時、まだ記憶が戻ってなかったんだっけ? |
ミクリオ | ああ。スレイと一緒に訪れたその遺跡の中で記憶が戻ったんだ |
オリエ | 記憶は戻っていないのにスレイさんと遺跡へ…?そのお話、お聞かせいただけますか |
ミクリオ | わかった。時間を少し遡る事になるけど… |
ミクリオ | 僕は貴族として暮らしていて趣味で人工遺物の収拾と調査をしていたんだ |
ミクリオ | そんな僕に、人工遺物の考察についての手紙を送って来た人物がいたんだ |
ミクリオ | とても正確な考察だったから、興味を惹かれてね。手紙の主と直接会う事にしたんだ |
オリエ | その手紙の主というのは… |
ミクリオ | 手紙では名乗ってなかったけど、待ち合わせ場所に現れたのはスレイだった |
オリエ | スレイさん…!ですが、どうして手紙では名乗らなかったのでしょう? |
ミクリオ | 僕の興味を引き、信頼を得てから正体を明かしたかったらしい。スレイは咎人だったからね |
ミクリオ | 実際に会って話をする中でスレイが咎人だと知らされて大きく動揺したよ |
ミクリオ | 記憶は戻らなかったけど、僕の性格上、証拠もなくスレイの言葉を否定する事は出来ない |
ミクリオ | だからスレイの言う元の世界の話が嘘だって論破するために一緒に旅に出る事にしたんだ |
ミクリオ | コレット達と会った遺跡はその道中に見つけたんだよ |
オリエ | そうだったのですね |
ミクリオ | ああ。けど、コレットが遺跡で見つけた特異点でイズチの光景を見て… |
ミクリオ | さらにスレイと一緒に戦ったりしてる内に徐々に記憶を取り戻したんだ |
オリエ | ミクリオさんに限りませんが記憶改変の力をも打ち破る強い絆の力を感じるお話です |
オリエ | これで、みなさんの記憶が戻りましたね |
ジュード | うん。そして僕達全員が集まったのはシャングレイスだった |
ジュード | ラザリスが演説をするって聞いてそこでラザリスに近づければ道が拓けると思ったんだけど… |
ジュード | それはヴァン達の罠だったんだ |
レイヴン | ラザリスの命を狙うみんなを集めるだけ集めて一網打尽。中々の作戦よね |
レイヴン | その罠を抜けたと思ったら、次はベルベットちゃんの故郷の幻影を見せられたりもしたわね |
ベルベット | …悪趣味にもほどがあるわ |
コレット | でもベルベットは、ラザリスの幻影を打ち払ったんだよね |
ベルベット | 全て喰らってやったわ |
ベルベット | その後、のこのこ出て来たラザリスも喰らい尽くしてやるつもりだった。でも、あと一歩のとこで逃げられたわ |
ミクリオ | 追い詰められたラザリスは、天帝の御座に籠り、全ての特異点の消滅を目指した |
ミクリオ | 世界に出来た僅かな綻び…それさえなくなれば、世界は完全になる… |
ミクリオ | 記憶を取り戻した人であろうと、全ての記憶がもう一度書き換えられラザリスの理想の世界が完成する…と |
ベルベット | あいつは結界を張ってその時間稼ぎをしたわ |
ベルベット | 結界を解くために三カ所に設置されたクリスタルを破壊する必要があった |
ジュード | そしてその守護者…白き獅子のクロー、ファング、ロアーと戦う必要があったんだ |
オリエ | ユーリさん、ロイドさん、ミラさん…ですよね |
カイル | 手分けしてその三人と戦って、上手く記憶を取り戻してもらって結界も解けたんだけど… |
カイル | いよいよ帝都に乗り込むって時には世界中がオレ達の敵になってたんだよね… |
ベルベット | それでも、やるしかなかった |
コレット | うん。辛かったけど…私に流れ込んできたラザリスの寂しい感情も放っておけなかったし |
コレット | みんなのためにもラザリスのためにもあのままじゃダメって思ったから |
コレット | でも…ラザリスは… |
レイヴン | 結局、ヴァンに利用されてただけだったわけよね。背中から刺されちゃってさ |
ベルベット | ヴァンは倒したけど、後味は悪かったわね |
コレット | でも…その後、ラザリスが最後の力で世界を元に戻してくれたよね |
コレット | あの時だけでも、私達、友達になれたのかな?ラザリスは寂しくなかったのかな? |
レイヴン | さぁねぇ。天帝様は気分屋だから。ただのヴァンへの嫌がらせかもよ |
ベルベット | いずれにせよ、世界は元に戻って、めでたしめでたし… |
ベルベット | 以上が、エンテレスティアでの話よ |
オリエ | ありがとうございました。これで本にまとめる事が出来そうです! |
|
オリエ | …さて、今のお話では、みなさんと合流する前に記憶を取り戻していた方がいらっしゃいました |
オリエ | スレイさん、ゼロスさん、ヴェイグさんのお三方ですね |
オリエ | 続けてこちらの三名の方に、みなさんと合流するまでのお話を伺いたいと思います |
オリエ | よろしくお願いします |
スレイ | ああ、よろしく! |
ゼロス | オリエちゃんのためならいくらでも話すぜ♡ |
ヴェイグ | …よろしく頼む |
オリエ | では早速ですが…スレイさんはミクリオさんと会う前は何をされていたのですか? |
スレイ | えっと、オレは最初から記憶を持ってたから、すぐにミクリオを捜したんだ |
スレイ | ミクリオは有名な貴族だったから聞き込みをしたらすぐに見つかったんだけど… |
スレイ | 女性に大人気の貴族って聞いた時に驚きすぎちゃって、みんなから変な目で見られてさ |
スレイ | そこをゼロスに助けられて…怪しまれないようミクリオと再会する作戦を教えてもらったんだ |
スレイ | まずは手紙で信用を得てから直接会って話す…とかね |
オリエ | なるほど!あれはゼロスさんの作戦だったんですね! |
オリエ | ミクリオさんからお聞きしました。その手紙でスレイさんに興味を惹かれ再会に繋がったのだと |
ゼロス | でひゃひゃ、さすが俺さま!いい作戦立てるよな! |
オリエ | では続けて、その素敵な作戦の発案者ゼロスさんのお話をお聞かせいただけますでしょうか? |
ゼロス | いいぜ。俺さまは商人として、帝都に商品を卸してたりしてたな |
ゼロス | そんで、ある時、納品のために帝都に行く途中女の子が魔物に襲われてるのを見てな |
ゼロス | 飛び出して守ったはいいが、その相手が偶然にもセレスでな。記憶が戻るきっかけになったんだ |
オリエ | セレスさんと会っていたのですね。セレスさんの方は、記憶は… |
ゼロス | 戻ってない様子だったから、下手に刺激しないようにって気を付けるのが大変だったぜ |
ゼロス | あいつが咎人として追われるのは避けたかったからな |
ゼロス | そこからは咎人だってバレねぇように天帝の事を調べたり、仲間を捜したりしてたんだ |
ゼロス | そんでスレイに会ったってわけ |
オリエ | なるほど… |
オリエ | コレットさんのお話によるとゼロスさんは晶化されていたとお聞きしていますが… |
ゼロス | そりゃ、単純な話だ。天帝の事を嗅ぎまわってたら怪しまれもするって事よ |
ゼロス | 最初は口八丁で乗り切ってたけどいよいよ誤魔化しきれなくなってバレて連行されちまったってわけ |
オリエ | それだけ調査を進められていたという事ですね。流石です |
ゼロス | そこに気付くなんて流石オリエちゃんだぜ! |
オリエ | ヴェイグさんはどのようにお過ごしだったでしょうか? |
ヴェイグ | 俺は、神兵になろうと帝都に出て来たんだ |
ヴェイグ | そこでたまたま入った喫茶店にクレアがいた |
ヴェイグ | 当時記憶はなかったが、ピーチパイの味が懐かしくて気が付くと常連になっていたんだ |
ヴェイグ | そんなある日、クレアが喫茶店で使うハーブを山に採取しに行ったまま戻らないと聞かされたんだ |
ヴェイグ | 捜しに行くと、クレアは山の洞窟に入ったところで入り口が崩れ、出られなくなっていた |
ヴェイグ | 必死に助けようと岩を削っている時に…思い出したんだ |
ヴェイグ | 元の世界で晶化してしまったクレアの事を |
ヴェイグ | 洞窟からクレアを助け出し帝都に送り届ける間、俺は必死に咎人である事を隠した |
オリエ | それは…ゼロスさんがセレスさんを咎人にしたくなかったと仰っていたのと似たような理由でしょうか? |
ヴェイグ | ああ。勿論、それもある。だがそれと同時に、クレアから咎人として避けられたくなかった |
ヴェイグ | 幸い、神兵になるために咎人の定義を勉強していたから、疑われないように振舞えたと思う |
ヴェイグ | クレアと別れた後、身の振り方を考えていたところ…偶然、エリーゼを見かけたんだ |
ヴェイグ | 様子を見るために後をつけていって…その後の事はレイヴンから聞いたか? |
オリエ | はい!レイヴンさんのお話に繋がりました |
オリエ | これでみなさんの冒険を余す事なく本にまとめる事が出来そうです |
オリエ | みなさん、ありがとうございました! |
Name | Dialogue |
「アヴァロンに眠る輝石」編 | |
オリエ | 次は、突如現れたアヴァロン島で調査、冒険を繰り広げたみなさんにお話を伺いたいと思います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「アヴァロンに眠る輝石」編という題でまとめさせていただきます |
オリエ | 尚、今回は最終決戦に参加されたルカさん達の他、大活躍だったアスベルさん達もお呼びしています |
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ルカ | こうしてみんなで集まると、何だかアヴァロン島を思い出して楽しいね |
パスカル | うんうん。楽しかったよね~ |
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スパーダ | まぁ当時は大変な事もあったけど今となりゃいい思い出だよな |
ルーク | 砂漠で遭難した事とか、二度と御免だって思い出もたくさんあるけどな |
アスベル | はは。あれは、いい訓練になったな。今後の任務で砂漠に行く時はいろいろ対策出来ると思うよ |
エレノア | アヴァロン島では本当に多くの事を体験しましたね。騎士として成長出来た気がします |
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アリーシャ | ああ、そうだな。今日は思い出話を楽しむつもりで当時の事を話させてもらおう |
ロイド | 思い出話か。数え切れないほどあるよな! |
アイゼン | 本にするという話だったな。時系列順に話して行く…という事でいいのか? |
オリエ | はい!よろしくお願いします! |
オリエ | …と、その前に…アヴァロン島について確認させてください |
オリエ | 確か突然現れた島で、四大国が協力して調査・開拓を進める事になっていたんですよね |
オリエ | そして、島の中心にある入口の封じられたエルピスの塔── |
オリエ | その最上階にあるサフィアという宝石が、願いを叶えてくれると言われていたんですよね |
ルカ | うん。それで島を探索したり塔に入る方法を探すため、調査隊が結成されたんだ |
ルカ | けど…僕が島に来てすぐ、ロイドとパスカルと森で遭難しちゃって… |
パスカル | あー、あったねぇ。そんな事! |
ルカ | エルピスの塔の前で会うなり肩車させられるし、森に走って行っちゃったり… |
ルカ | 本当にびっくりしたよ |
ロイド | まぁお蔭で、一気に仲良くなれたって気もするけどな |
パスカル | そうだよね~!ロイド、いい事言う~! |
ルカ | 確かに、距離感はすごい勢いで縮まったかもね |
オリエ | その出会いからみなさんの大冒険が始まったんですね…! |
オリエ | ではまず、その森での出来事から順にお聞かせいただけますか? |
ルカ | わかったよ。…僕達三人は、森の中で迷ってたんだ。どうやっても森を出られなくて |
ルカ | 困っていたら、アイゼンとアリーシャとも出会って…みんなで森を調べて… |
パスカル | その途中であたしが大発見!森で拾った装置があったんだけど実はカタグラフィでした! |
オリエ | カタグラフィ…とはどういった物でしょう? |
パスカル | 昔の記録を映像としてバリバリビョーン!と見られるアンマルチア族の装置だよ |
アリーシャ | …今のでわかっただろうか |
オリエ | はい、おそらく… |
ルカ | それでカタグラフィの映像を頼りに見つけた地下の遺跡の奥で最初のマナリスを見つけたんだ |
オリエ | マナリス…確か願いをかなえてくれるサフィアの小型版のような物でしたっけ? |
パスカル | そうだよ。ちなみにマナリスは、エルピスの塔の封印を解く鍵でもあったんだ |
オリエ | なんと…!マナリスはとても重要な意味をもつ貴重な物だったのですね |
パスカル | そうそう!そんであたし達は、マナリス発見の成果が認められて、正式に調査隊になったんだよ |
アイゼン | 俺以外はな。その時点では俺はまだお前達と同行するつもりはなかった。だから姿を消したはずだ |
パスカル | あれ、そうだっけ? |
アリーシャ | ああ。アイゼンを除く四人での最初の任務は湖の遺跡の調査だった。そこで二つ目のマナリスを発見したんだ |
ルーク | あの海賊を捕えた時か。俺達も四大国連合調査隊として海賊退治させられたんだよな |
エレノア | ええ、私達とアリーシャ達で力を合わせて海賊を一網打尽にしましたね! |
アイゼン | …そんな事をしていたのか |
アスベル | その捕えた海賊を本部に護送した直後だったな。砂漠方面への任務は… |
ルーク | ああ…だだっ広い砂漠にマナリスを探しに行った時か。熱くて厳しかったよなぁ… |
スパーダ | 何たって砂の中に埋まってんだもんな。よく見つけられたぜ、オレ達 |
ルカ | 砂の中から見つけたの!?すごすぎる… |
エレノア | あれは殆ど偶然でした。砂漠を探索し続けても何の成果もなく諦めていた頃です… |
エレノア | 夜になったので野営出来る場所を探していると、砂の中で月明りを反射する何かが見えました |
エレノア | 一瞬の事だったので正確な位置はわからず、みんなで周囲を掘り続けて… |
エレノア | 朝日が昇る頃、やっと掘り当てる事が出来たんです |
ロイド | ちょっと光っただけでよくマナリスだってわかったな |
スパーダ | あん時は他に何の手がかりもなかったからなぁ |
ルーク | …それで、調査隊本部に発見の連絡をした後、オアシスを見つけてやっと休めると思ったら… |
ルーク | お前らも知ってる通り、亜空間に呑まれちまったんだ |
オリエ | 亜空間…ですか!? |
ルーク | ああ。どっちに行けばどこに行けるのかもわかんねぇ変な空間だったぜ |
ルカ | せっかく休めると思ったのに…大変だったね |
スパーダ | まあな。でもその間にルカ達はマナリスを二つも見つけてただろ |
スパーダ | レーダーがあったとは言え、立つ瀬ねぇぜ、まったく |
アスベル | そう言えば、その間に見つけた二つのマナリス… |
アスベル | 一つはさっき言ってた湖の遺跡で回収したと思うけど、もう一つはどこで手に入れたんだ? |
ルカ | 山の上の鍾乳洞だよ。アイゼンを追って行ったら見つけたんだ |
エレノア | 追って行ったら…とは? |
アイゼン | …俺はあの頃、他人と一緒に行動するという事を避けていた。同行すれば、災いが降りかかるからな |
アイゼン | だからこいつらから離れるため一人でマナリスを探しに向かった |
アイゼン | まさか追ってきた上に、危険な目に遭ってもまだ、俺を仲間にしたいと言い張るとは思わなかったが… |
ルカ | 関係ないよ。呪いがあるなら、その呪いごと、アイゼンを受け入れるって決めてたから |
アイゼン | …そういう事を平然と言う |
スパーダ | 仕方ねぇよ。ルカだからな |
スパーダ | そんな理由で離れられると思ったアイゼンが甘いぜ |
アイゼン | …ふっ。そうだな |
アイゼン | ともあれ、山でマナリスを見つけ、俺も腹を括って仲間に加わったんだ |
パスカル | その時に見つけたカタグラフィで天族ならマナリスの力を使えるってわかったんだよね |
アイゼン | ああ。その力で大怪我をしたルカを助ける事が出来た |
ルカ | うん。改めて、あの時はありがとう |
アイゼン | あの時も言ったはずだ。仲間になったのならいちいち礼はいらないと |
ルカ | あ、そうだったね |
ロイド | …確かその後だったよな。アスベル達が行方不明だって連絡が入ったのは |
アリーシャ | ああ。あの時は焦ったが亜空間の中に迷い込んだだけで無事でいてくれてよかったよ |
ロイド | で、その亜空間の中で俺はダモクレスの剣を手に入れたんだ! |
ロイド | その時はハリセンの形をしてて使い方もわかんねぇから調査隊本部に預けたけどな |
パスカル | その次の任務だっけ。アンマルチア族の集落跡を見つけたのって |
ルカ | うん。崖沿いの街だね |
パスカル | あそこ調べるのすごく楽しかったなぁ。いろんな参考資料がいっぱいで~ |
パスカル | …でも、そこで出会ったんだよね。エメロードに |
アスベル | エメロードか… |
アイゼン | …… |
オリエ | エメロードさんとはどのような方だったのですか? |
パスカル | エメロードはね、アヴァロン島に住んでいた古代アンマルチアの生き残りなんだよ |
アリーシャ | 彼女は最初、私達に協力してくれていたんだ |
アリーシャ | アヴァロン島に関する知識を提供し、マナリス集めも彼女のお蔭で捗った |
アイゼン | だが、それも全て俺達を利用するための芝居だった |
パスカル | …仲よくなれると思ったんだけどなぁ |
ルカ | 僕も…エメロードさんはアスラの事を知っていたから… |
ルカ | もっとアスラの事やその頃のアヴァロン島について教えてほしかったんだけど… |
オリエ | あの、すみません。アスラさんというのは…? |
ルカ | あ、えっとね…僕の夢の中に時々出てくる、すごく頼りになる剣士なんだ |
スパーダ | ルカにとっては憧れの存在だったんだよな |
ルカ | うん。あんな風になれたらっていつも思ってた |
ルカ | そのアスラが、過去、アヴァロン島にいた事がわかったんだ |
オリエ | それは何とも不思議なお話です…!エメロードさんとアスラさん、お二人は同じ時代にいたんですね |
ルカ | うん。けど、詳しく話を聞く前にエメロードさんは姿を消しちゃったんだ |
ロイド | 次のマナリスを探しに坑道に行った後だったよな。エメロードが動き出したのは |
アスベル | …俺がエメロードの罠にかかってしまったんだ |
アスベル | 自作自演とは知らずエメロードが人質になったと思って襲撃者に手が出せなかった… |
エレノア | アスベル。自分を責めないでください。あの場には、私もいましたから |
アスベル | だけどその後、俺は…エメロードに操られて、全てのマナリスを盗み出したんだ |
アイゼン | …エドナも同様に捕まりマナリスを使用する天族として利用された |
アイゼン | 全てはエメロードの仕業だ。それともそれを悔いるお前は、エドナにも責任があると言うのか? |
アスベル | それは… |
アリーシャ | 要は、今更気にするなという事だ。それに、最初に言っただろう。今回は思い出話を楽しもうと |
アイゼン | ああ。お前も気にしすぎない事だな |
アスベル | そうだな。ありがとう、みんな |
アイゼン | …その後、エメロードを追い詰め同じく操られたエドナも救い出した |
アリーシャ | ノルミン族のフェニックスが力を貸してくれたのだったな |
アイゼン | ああ。今もあいつはエドナの側で守っていてくれているはずだ |
オリエ | それは心強いですね! |
オリエ | それにしても、エメロードさんはお二人を操ってまで何をしようとしていたのでしょうか? |
パスカル | …エメロードの狙いはサフィアを独占して、全てを意のままに支配する事だったんだ |
パスカル | サフィアの力を欲した人達は戦争を繰り返してたから… |
オリエ | 支配してしまえばそれも止まる…という事ですね |
パスカル | うん。ヘルダルフがサフィアを使って島を瘴気で覆ったのもそう考えた理由の一つみたい |
パスカル | そんな使い方されたら作った側としては嫌になる気持ちはわかるんだけどねー |
ルーク | ヘルダルフの瘴気っつーと…あの塔を開けた途端に出て来たやつだな |
ルカ | うん。まさかエルピスの塔にまだヘルダルフが封印されてたなんてね… |
スパーダ | マナリスが揃ったってんでお祭り気分になってたのに一気に台無しだったもんな |
アリーシャ | …思い出すだけでも気分が悪くなる濃い瘴気だった…。それが一気に島を包んだんだ |
ロイド | …でも、そこでダモクレスの剣が役に立ったってわけだ! |
ロイド | しかもハリセンだったのが俺に合わせて二本の剣になってくれた! |
ロイド | まあ、戦闘用じゃなくてサフィアやマナリス由来の力を吸収するための剣だけどな |
ルカ | でもそのお蔭で、ヘルダルフがサフィアを使って発生させた瘴気を消せたんだ |
ルカ | ダモクレスの剣はアスラが未来に繋いだヘルダルフに対抗する力だった… |
ルカ | アスラが封印するしかなかった不老不死のヘルダルフを…僕がどうにかするって、誓ったんだ |
スパーダ | お前、普段は気弱なくせにそういう時すげェよなぁ |
ルカ | もう、茶化さないでよ |
スパーダ | 実際、それをやり遂げただろ |
ルカ | でも…みんながいなかったら出来なかった事だよ |
ルカ | 特にスパーダ…。君は塔の中で… |
スパーダ | ああ、ハスタに後れを取っちまった時か |
オリエ | ハスタさん…!神出鬼没ですね… |
スパーダ | ああ。エメロードと一緒に塔に入って来やがってたんだ |
スパーダ | でもハスタとエメロードは仲間割れして、お互いに倒れちまった |
スパーダ | ただその時…ハスタがエメロードごと、ルカを刺そうとしやがってな |
ルカ | それをスパーダが庇ってくれて…ハスタの攻撃をまともに受けちゃったんだ |
ルカ | なのにスパーダは無理して心配ないって… |
スパーダ | おいおい、気にすんなって!実際、こうして生きてんだろ |
スパーダ | それより、ルカ。最上階での戦いの事はお前が話せよ |
ルカ | …そうだね。うん、わかった |
ルカ | ヘルダルフは強かった。どうやったって勝ち目はないのかもと思うぐらい… |
ルカ | でも、僕には…アスラから受け継いだ意志があったし |
ルカ | 僕達に想いを託してくれたみんなのためにも絶対に諦めるわけにいかなかったんだ |
ルカ | 僕達は振り絞った力を合わせて、どうにかヘルダルフを追い詰めて… |
ルカ | ヘルダルフの呪いを消して、彼を孤独と絶望から救う事が出来たんだ |
オリエ | 倒すのではなく、救う…それがヘルダルフとの決着だったという事でしょうか? |
ルカ | うん |
パスカル | 普通思いつかないよね~ |
ロイド | でも、最高の決着だと思うぜ |
アリーシャ | ルカだからこそ出来た事だ |
アイゼン | ああ。自分の流儀を貫き通したな。大した奴だ |
ルカ | ほ、褒めすぎだって |
オリエ | 私も素晴らしいと思います!ルカさん達の冒険譚に相応しい結末…素敵な物語としてまとめられそうです |
ルーク | …こんな話してたらまた、このみんなで冒険に出たくなってきたな |
エレノア | それはいいですね。何か目標はありますか? |
スパーダ | もう任務じゃねェんだしこのみんなで冒険できればいいんじゃね? |
アスベル | そうだな。たまには、そういうのもいいかもしれないな |
ルカ | うん。またみんなで、どこかを冒険しよう |
アリーシャ | ああ。是非 |
パスカル | その時までに発明品いっぱい作っておくね! |
アイゼン | 船旅なら任せろ |
ロイド | よーし、約束だ!冒険するぞー! |
全員 | おー! |
オリエ | ふふふ。いつかそのお話もまた聞かせてくださいね |
Name | Dialogue |
「双星の宿命」編 | |
オリエ | さて、最後に、全世界の運命を決する戦いに挑んだみなさんにお話を伺います |
オリエ | お聞きした内容は、本の中で「双星の宿命(さだめ)」編という題でまとめさせていただきます |
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ルドガー | よろしく頼むよ |
エル | エル、たくさん話すね! |
オリエ | はい、よろしくお願いします |
オリエ | それから、この度は各分史からもお越しいただき、ありがとうございます |
ミクリオ | こちらこそ、声をかけてもらえて光栄だよ |
メルディ | はいな。メルディいつでも来るよ! |
アッシュ | これも世界間交流の一環だ |
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オリエ | 尚、今回は正史世界での事情を知るみなさんにもお越しいただいています |
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スレイ | オレは殆ど眠ってたけど…ミクリオから話は聞いてるから、大体は話せると思うよ |
キール | ぼくは今回の事件を通して起こった現象の調査をしていた。それも踏まえて話が出来ると思う |
ルーク | 俺は一緒に分史に行っちまったから正史世界での事情はわかんねぇけど…ま、よろしくな |
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オリエ | はい。みなさん、よろしくお願いします |
オリエ | それではまず、事件の発端についてお聞かせいただけますか? |
ルドガー | 発端と言えるのかはわからないけど、最初に起こった異変はスレイが倒れた事件だったな |
スレイ | あの時は心配かけちゃったな |
エル | エル、すごいびっくりしたよ。スレイから黒いモヤモヤ出てたし |
エル | エルが触ったら、時計がピカーッてなってルドガーいなくなっちゃうし |
オリエ | 時計がピカーッ…ですか? |
ルドガー | ああ。エルが肌身離さず持っている懐中時計だよ |
ルドガー | 後でわかった事だけど、あれはヴィクトルが預けた骸殻能力者の時計だったんだ |
ルドガー | だから負の因子に反応して、時空の裂け目を出現させたんだ |
オリエ | その時計にはそんな秘密があったんですね…! |
ルドガー | 俺も驚いたよ。そして、その時空の裂け目を抜けた先は分史世界だった |
ルドガー | 正史よりずっと未来の世界…そこでは、人間と天族が争っていたんだ |
ミクリオ | …僕の世界だね |
ミクリオ | 僕とスレイは、人間と天族の争いを止めるために手を尽くしたけど、仲間達がどんどん傷付いていって… |
ミクリオ | その頃からスレイの様子が変わっていったんだ |
オリエ | スレイさんの様子が…? |
ミクリオ | 具体的には、黒いモヤを出し、攻撃的な性格になった |
ルドガー | 負の因子に憑りつかれていたんだな |
オリエ | 負の因子…。それは、どういったものなのですか? |
ルドガー | どの世界でも事件の元になったりしていたものだけど…どう説明すればいいかな… |
キール | ぼくが説明しよう。負の因子については随分調べたからな |
キール | 負の因子は、人に憑りついてその人の内面にある欲や負の感情を増幅、暴走させる物なんだ |
キール | 元はオリジンの審判に使う道標と呼ばれる物をヴィクトルが改造したと聞いている |
ミクリオ | 僕達の世界には負の因子に関連する伝説も文献もなく調べても原因がわからなかった… |
ミクリオ | だから、自我が残っている内にスレイを封印する事にしたんだ |
ミクリオ | 僕はそれから解決方法を探し続けた…けど数百年、方法は見つからないまま |
ミクリオ | そしてスレイの封印は解けてしまい…目覚めたスレイは人間と天族の争いに自ら参加するようになった |
ミクリオ | 僕はこのままスレイが罪を犯すのなら…殺すしかないとまで思っていた |
スレイ | …! |
ミクリオ | 辛い事だが…。それにスレイは世界を滅ぼそうとする者に利用されそうにもなっていた |
ミクリオ | それなら僕がこの手でケジメを付ける方がいいと思ったんだ |
ルドガー | スレイを利用する者…シュヴァルツの事だな |
ミクリオ | ああ |
オリエ | シュヴァルツさん…ですか。どういう方だったのでしょうか? |
ルドガー | 彼女は世界を無に帰そうとしていたんだ |
ミクリオ | ああ。だがこちらにも協力者…ルドガーやライフィセット、それにグリューネが現れた |
ミクリオ | みんなで力を合わせてシュヴァルツと戦い、追い詰めたが── |
ミクリオ | そこに…スレイが来て、弱ったシュヴァルツの力を全て取り込んだんだ |
ミクリオ | そしてスレイは、全ての人間を滅ぼす事でこの争いを終わらせると宣言した |
ミクリオ | それで僕も腹を括る事にしたんだ。もう命を奪ってでもスレイを止めるしかないって… |
スレイ | ……。分史のオレの事だとしても悩ませたし、つらい決断させたな… |
ミクリオ | 結果から言うと、僕はスレイを殺さずに済んだよ…。協力してくれたみんなのお蔭でね |
ルドガー | 負の因子の破壊に成功したし、分離したシュヴァルツも無事に封印出来たからな |
スレイ | みんなのお蔭でオレは目を覚ます事が出来たんだね |
ルドガー | ああ |
スレイ | オレ、ルドガーからその話を聞いて実は今、導師としての力をつけるため修行してるんだ |
スレイ | ライラに精神的な修行をしてもらって負の因子以外にも瘴気とか、そういう力に抗えるように備えてる |
ミクリオ | 頼もしいな |
スレイ | あんな辛い出来事、繰り返したくないからね |
オリエ | 他の世界の事件を教訓として対策する…これも新しい世界の形ですね |
オリエ | さて、スレイさんの異変は解決したと思いますが、その後、ルドガーさんはどうされたのですか? |
ルドガー | ああ。分史から戻った後、俺は負の因子が正史の異変と関係してる可能性を考えた |
ルドガー | それをリチャードに報告しようとバロニアに行ったらキール達と出会ったんだ |
キール | ぼく達もちょうど異変について調べていたところだったからな |
エル | 王様と話してる時、エルの時計を見せたらまた時空の裂け目が出たんだよね |
エル | それでエルと王様とファラが吸い込まれちゃって、ルドガーが追ってきてくれたんだよ! |
メルディ | メルディが世界に来た時の話だな |
ルドガー | ああ。あの世界での、ア・ジュールの王家はメルディの一族なんだよな |
メルディ | はいな。おカーサン女王でメルディが王女。それからキール、王室専属研究員よ |
メルディ | メルディ、ウィンドルが王様から政略結婚を迫られておカーサン反対してたな |
メルディ | それなら戦争言われたから、キール、戦争したくなくなるぐらい強い兵器造ろうしてたよ |
メルディ | メルディ、それが悲しくておカーサンやキールと何度も喧嘩したよ |
ルドガー | ウィンドルの王…メルディの世界ではセルディクだったな |
メルディ | はいな。だけど正史から来たリチャードがお蔭でセルディクの弱み握れたよ |
メルディ | おカーサン、それなら戦争いらない兵器開発やめる言ってくれたな! |
メルディ | けどキールが心配、政略結婚だけじゃなかったよ… |
ルドガー | メルディが時歪の因子だったから…俺達クルスニク一族に殺されると考えていたんだよな |
ルドガー | 負の因子の影響で攻撃的になっていた事もあって俺を殺そうとしてきたんだ |
メルディ | キール、メルディが事守るためって全部背負い込んでたな… |
メルディ | だから、辛い事、一緒に乗り越えようって…大好きだからって言ったよ |
メルディ | そしたら、負の因子壊れてくれたな |
キール | そ、そんな事を言ったのか…。それで、そっちのぼくは、何と? |
メルディ | 同じ気持ちって言ってくれたよ! |
キール | そ、そうか… |
ルドガー | あっちのキールは負の因子の事についてもいろいろと調べていたんだ |
ルドガー | その情報を持ち帰ってこっちのキールに渡した事で調査が進んだんだよな |
キール | ああ。あの資料はかなり役に立ったよ |
キール | お蔭でバロニアの研究施設でのぼくの評価も上がったしな |
メルディ | じゃあこっちのキールも国に認められた偉い研究者になったか? |
キール | …いや。確かに発言権は得たが、地位はもらっていない。それに、今は研究施設を出てるからな |
メルディ | バイバ!研究施設で何かあったか!? |
キール | そうじゃない。一人で自由気ままに研究するため組織に属するのをやめただけさ |
メルディ | そうだったか |
キール | それに…その方がリッド達や…メルディと会える機会も増えるしな |
メルディ | ワイール!こっちが世界のキールもメルディが事、大好きな! |
キール | ち、違っ…! |
キール | …こほん!それより、話の続きだ! |
キール | もらった資料のお蔭で異変の兆候を検知出来るようになったんだ |
ルーク | ルドガーがキムラスカに来て話してたやつか |
ルドガー | ああ。けどまさかルークに異変が起こってるとは思わなかった |
ルーク | あの時はびっくりしたぜ。いきなりみんなが俺の事を忘れてまるで見えてねぇみたいになって… |
ルドガー | 負の因子の影響だったな。それで一緒に時空の裂け目に飛び込んで、分史に向かったんだ |
アッシュ | …それが俺の分史というわけか |
ルドガー | ああ |
アッシュ | こっちではちょうど、ルークが俺を陥れるために偽の親善大使になった後だった |
アッシュ | 国の和平方針に反対する強硬派のアレクセイが、ルークをけしかけたんだ |
ルーク | そこに俺が現れたもんだから勘違いされてシルヴァラント兵に追いかけられたんだよな |
ルーク | その上、アッシュまで襲い掛かってくるしよ |
アッシュ | 俺はお前をルークの偽物だと考えたからな |
アッシュ | さすがに他の世界から来たルークがいるなど推測は出来ん |
ルーク | そりゃそうだろうけどよ… |
オリエ | それで、偽の親善大使の件はどうなったのですか? |
ルーク | 俺やルドガーも手伝って、アレクセイとあっちの俺をとっ捕まえたんだよ |
アッシュ | だが国の信頼関係を回復するために犯人であるルークを差し出す必要があった |
アッシュ | 負の因子を破壊したルークは素直にそれを受け入れたが… |
ルーク | 俺が天才的な作戦を思いついたんだ。俺が罪を背負って、あっちの俺を無罪にしたんだぜ! |
オリエ | そんな事をして、大丈夫だったんですか? |
ルーク | ああ。俺はシルヴァラントに引き渡される途中で崖から飛び降りて生死不明… |
ルドガー | …と見せかけて、崖の下に出した時空の裂け目に飛び込んで正史に戻って来たんだ |
オリエ | 飛び降り…!大胆な作戦ですね…! |
アッシュ | あの作戦は上手くいった。シルヴァラントとの信頼関係は以前より強まったぐらいだ |
アッシュ | 改めて礼を言う |
ルーク | いやいや!ははは! |
ルーク | まぁ俺も、お前らのお蔭でこっちのアッシュの事、受け入れられたし、感謝してるよ |
アッシュ | …正史にも俺がいるのか。俺の世界に来た時は、兄弟はいないような反応だったが… |
ルーク | あー、何か伯父上が事情あって隠してたらしいんだがこっちでも双子の兄弟だったんだ |
ルーク | ナタリアが密かに知ってたらしくて引き合わせてくれてよ |
ルーク | 突然の事だったし、分史でお前達と会ってなかったら向き合えなかったかも知れねぇ |
ルーク | だから感謝してるって言ったんだ |
アッシュ | そういう事か。…こっちの俺はどんな印象だった? |
ルーク | どうもこうもねえよ |
ルーク | あいさつ代わりに剣の腕比べしたら強ぇのなんのって。決着つかねぇでやんの |
ルーク | 次は勝つからなって約束して今は毎日鍛錬してるところだ |
アッシュ | …そうか |
オリエ | 言外の挨拶!剣の腕比べから始まる兄弟の絆…!素敵ですね! |
ルーク | そんなんじゃねぇよ。…まだ兄弟ってどういうもんかよくわかんねぇし |
ルーク | ルドガーも兄貴がいるよな?今度、話を聞かせてくれよ |
ルドガー | いいけど、そういうのは人によって違うから参考になるかどうか… |
エル | ルドガーはメガネのおじさんとずっと仲よしだもんね |
エル | だから、キムラスカから帰った後、ルドガーがメガネのおじさんの事思い出せなくなってて、怖かった |
ルドガー | ああ…俺も思い返すとぞっとするよ。エルに言われるまで忘れてる事にも気付けなかった… |
ルドガー | だから、異変かもしれないと思ってキールに相談したんだ |
キール | あの時か…ルドガーを調べたけど、最初は何が何だかわからなかったな |
キール | リタが調べて、負の因子の影響を魔導器で抑えてるって事まではわかったけど… |
キール | それが急に力を増して、時空の裂け目が開いたんだからな |
エル | それはね。ヴィクトルが魔導器で自分の負の因子を制御していたからだよ |
ルドガー | エル!? |
エル | あっ!おとなのエルだ! |
オリエ | エルさん!ようこそお越しくださいました |
オリエ | 改めてご紹介しますね。ヴィクトルさんの事情をよく知る特別ゲストの、エルさんです! |
エル | よろしく。私やヴィクトルがやってた事とか話していくね |
ルドガー | ありがとう。俺もよく知らない部分もあるから助かるよ |
エル | 早速、さっきの話…ルドガーの負の因子が突然力を増して時空の裂け目が開いた事だけど |
エル | 他の道標が揃ったからルドガーを私達の世界に呼ぶ頃合いって事でヴィクトルが力を解放したの |
キール | じゃあ、時空の裂け目が開いてそっちの世界に行く事まで全部想定済みだったという事か |
エル | そういう事だね |
ルドガー | そうとも知らず俺は分史の自分を見つけて異変を解決しようと調べていた |
エル | で、私に会ったんだよね |
ルドガー | ああ。まさか隙を見て俺達を襲撃するつもりとは思わなかったよ |
エル | 道標を手にしてもらうためにどうしてもヴィクトルとルドガーは戦う必要があった… |
エル | だけど私の分史では同じような流れで戦ってパパが死んだ… |
エル | その歴史を繰り返さないためにルドガーの戦力を少しでも削りたかったんだ |
エル | 結局…ヴィクトルの負の因子が暴走して全力で戦う事になったけど… |
ルドガー | …でもヴィクトルは生きている。二人のエルが、彼を守ったんだ |
エル | だそうよ、小さいエル |
エル | パパもルドガーも、どっちも大事だし!二人共、無事でよかった |
ルドガー | そうだな。俺も守ってもらったよ。…ありがとう |
ルドガー | …でも、それで終わりじゃなかったんだよな |
エル | ヴィクトルの計画は最初から、オリジンの審判の達成だったからね |
エル | 負の因子の影響がなくなってもヴィクトルの強い意志に代わりは無かった… |
エル | ルドガーが正史に戻ったのを見計らって、人造精霊クロノスの力で道標のみんなを正史に転移させたの |
エル | 正史に道標を揃え、世界の楔への道を拓くために |
ルドガー | ヴィクトルは、世界の楔を繋ぎ変え、自分の世界を決して破壊されない正史にしようと考えていた |
ルドガー | だけどそうすると正史世界は滅んでしまう… |
ルドガー | その事を嗅ぎつけたダオスがヴィクトルを阻止しようとしたんだ |
ルドガー | ダオスはオリジンの審判の願いを利用して全ての分史を破壊する事で正史を救おうとした |
ルドガー | でも俺は、どちらも犠牲にしたくなかったんだ。だから… |
オリエ | それが今の世界の状況…全ての分史が正史としてそのまま存在する世界ですね |
ルドガー | ああ。だけど世界をこの形にするという俺の提案は最初受け入れられなかった |
アッシュ | 一つとなった世界でみんなが助け合う…確かに理想的だが実現は容易ではない |
アッシュ | ダオスはより確実な方法として分史の破壊を強行しようとしやがった |
ルドガー | ダオスとも話し合いたかったんだけど結局戦う事になってしまって… |
エル | でもパパとルドガー、協力したから敵なしだった! |
ルドガー | ダオスはかなり強かったけどな |
オリエ | そしてオリジンの審判で全ての世界を繋げたんですね |
ルドガー | ああ |
アッシュ | だがこの世界が本当に何も犠牲にせず成り立つかはこれからの俺達にかかっている |
ルドガー | そうだな。新しい世界はまだ始まったばかり…これからが大切だ |
オリエ | はい。これはすごい偉業だってティルグさんも仰ってました |
オリエ | だから安心して、この世界を離れる事が出来るのだと |
ルドガー | 伝説の光の使者にそうやって認めてもらえるのは光栄だな |
|
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??? | …否。安心は出来ぬやもしれぬ |
ルドガー | …!今の声は…! |
ミクリオ | みんなにも聞こえているのか?頭の中に直接響くようだったが… |
ルーク | この声は、忘れねぇ── |
ルーク | ティルグだ! |