NameDialogue
最後の戦い序章
クレスここは…
ソフィ今までと雰囲気が違う…
ミラそうだな
ユーリどうやらここが終点らしいな
ルークやっと着いたのかよ、ったりー
ロイドよし。さっさとやる事済ませて、全員そろって戻ろうぜ
クレスとにかく、まずは周囲の様子を調べてみよう
ミラ皆、くれぐれも油断はするなよ
ソフィうん、わかった
ロイドもう少しだ…もう少しで全ての決着が…
ソフィ……っ!
ロイドまぶしすぎる…!これじゃ目を開けてられないぞ!
ユーリちっ、なんだ一体!?
ルークお、収まったのか…?
クレスあ、あれは…!?
???
クレスくっ…!みんな、大丈夫か!?
ロイドああ、何とかな
ソフィ危なかった…。だけど、今なら大丈夫
ルークへっ、あれぐらい今さらどうって事ねーっての
ミラどうやら戦うしかなさそうだな
ユーリらしいな。さっさとケリつけるとすっか
ソフィうん…!
ロイドよーし、やってやる!これで全てを終わりにしてやる!
クレス僕の持つ力全てを、出し切ってみせる!
ユーリ力合わせりゃ何とかなんだろ。けど、油断はすんなよ
ミラああ。私達はもう、ただ旅をともにしただけの間柄ではない
ソフィ一緒に戦う仲間だから
ロイドみんな、準備はいいか?
ルーク任しとけっつーの
クレスよし、やるぞ!
はあああああっ!
夢かうつつか序章
ソフィはあ…はあ…
ミラ終わったのか…?
ユーリあんだけやったんだ。そう願いたいもんだな
ロイドよーし!終わったぞ!
ソフィ…!
ソフィダメ!まだ動いてる!
クレスなにっ!?
ユーリおいおい、まだやる気かよ?
ミラこれは…!?あいにくだが…どうやら相手は無傷のようだ
ルークじょ、冗談じゃねーぞ! あれだけぶち込んで、どうして何ともねーんだよ!?
ロイド文句を言ってる場合じゃない! だったらもう一度やるまでだ!
ユーリん…?ちょっと待て。何か聞こえないか?
ソフィ……
ソフィ聞こえる…誰かの声が…
ルークな、なんだ。薄気味悪ぃ。誰だよ、誰の声なんだよ
ロイドおい!俺達に話しかけてるのは、お前なのか?
???
ミラ…待っているぞ…?
ユーリどういう意味だ、今のは?
ソフィ何を待つの?
クレスこれはどういう事なんだ。教えてくれ
???
クレス!?
クレス待ってくれ!話はまだ…!
クレスおい!
クレス――!
クレスここは…?
クレス僕は…夢を見ていたのか?
クレス夢にしては、やけに真に迫っていたような…
クレスそれと…僕と一緒に戦っていた彼ら…彼らは一体、誰だったんだ…?

NameDialogue
scene1はじまりの音
クレスおはよう、チェスター
チェスターおはよう、クレス。遅かったな
クレスごめん。ペンダントを持ったまま家を出たのに気付いて、いったん置きに帰ったからさ
チェスターペンダントって、お前の15歳の誕生日の時に、親父さんからもらったやつか
クレスうん。外でなくしたり、落としたりしたら困るからね
チェスターお前はいい奴だな。親父さんにもらった物を、そんなに大事にするなんて
チェスターアミィがお前を気に入るのも、しょうがないか
クレスん?何か言ったか、チェスター。アミィちゃんが何だって?
チェスター何でもない。独り言だよ今日も妹は留守番だなって
チェスターそんな事より、さっさと森に狩りに行こうぜ
クレスあ、うん。そうだね
チェスター今日は負けねえぞ。アミィにも、たくさん獲物をとって帰るって約束したしな
クレス僕だって、やるからには負けるつもりはないさ
チェスターよし。出発だ
クレスああ!
scene2はじまりの音
チェスタークレス、そっちの首尾はどうだ?
クレスピヨピヨを4羽獲ったよ。チェスターは?
チェスターオレはピヨピヨ3羽…
クレスじゃあ、僕の勝ち…
チェスター…と、ボア1匹だ!見ろよこの大物を!
クレスすごいな!よく一人で仕留めたね
チェスター今日の勝負はオレの勝ちだな、クレス
クレスそうだね。ここまではっきりした差をつけられたら、文句のつけようがない
クレス父さんがいつも言ってるけど、チェスターの弓の腕は、やっぱり大したものだね
クレス王都へ出て、騎士団に入ればいいのに。チェスターならきっと色んな人の役に立てるよ
チェスターああいう堅苦しいとこがオレに合うわけねえだろ
チェスターお前のほうが向いてると思うぜ
チェスター…さて、そろそろ帰るか。アミィの喜ぶ顔を見るのが楽しみだぜ
カン! カン! カン!カン! カン! カン!
クレスあれは…村の半鐘の音!?
チェスター何かあったのか?急いで戻ろうぜ!
クレスああ!
ガルルルル…!
チェスター魔物!?
クレス急いでいるんだ!そこをどいてくれ!
scene1復讐の炎
カン! カン! カン!カン! カン! カン!
クレス村が燃えてる…!火事か?
チェスター違う!村は襲われてるんだよ!あれを見ろ!
村の男た、助けてくれ…!誰か…!
謎の騎士
ドシュッ!
村の男うわあああ…!
クレスひどい…!
チェスターお前…っ!くそっ、これでも喰らえ!
チェスター…なんとか追い払ったか
クレスあれは…騎士…?村を襲ったのは騎士団なのか!?
クレスまさかア・ジュールの軍勢…?国境からは随分離れているのに
チェスターそんなのどうでもいい!アミィを助けないと!
チェスターアミィ! 今行くからな!
クレス待て、チェスター!まだ敵がいるかもしれない。無闇に突っ込むのは危険だ!
scene2復讐の炎
クレス…!!
クレスおばさん!大丈夫ですか!?これは一体…!?
村の女クレス…無事だったのかい。早く逃げな…
村の女あいつら…あんたのペンダントを奪いに…
クレス僕のペンダント…?
クレスうん…?
クレス何か落ちている…
クレスこれは…勲章?
チェスター
クレスチェスター…アミィちゃんは?
チェスターひと足、遅かった…。ちくしょう、アミィが何をしたってんだ…!
クレスそんな…
チェスター…他の人は…お前の家族は…
クレス…僕の父さんと母さんも、僕が駆け付けたときには、もう…
クレス父さん…母さん…
クレス僕がもう少し早く村に戻っていれば、こんな事には…!
チェスター…ちくしょう…
チェスター…どこの騎士だよ。村を襲って、人を殺して…!
チェスターあいつが何をしたってんだ!?
チェスターあいつは俺の、たった一人の家族だったんだぞ!
チェスター許さねえ…!絶対に許さねえ!アミィの敵は絶対に取ってやる!
チェスタークレス、あの騎士、どこの国のヤツだったかわかるか?
クレス…わからない
クレス倒した騎士が本当に騎士団の人間なら組織立った行動という事になる
チェスターやっぱりア・ジュールの連中か?
チェスターいくら国同士が対立してるからってこんなのあんまりだろ…っ
チェスターあいつらの仕業だとしたら、オレは今すぐにでも騎士に志願して、戦場に行ってやる
クレスその事なんだけど…さっき気になる事を聞いたんだ。もしかしたら村が襲われた原因は…
チェスター待て、何か来たぞ!…あれは魔物!
グオオオオ!
クレス血の匂いを嗅ぎつけて、村に来たのか!?
チェスターちっ、ふざけんな!
scene1敵の影を追って
チェスター生き残ったのはごくわずかか…
チェスターくそっ…おかしいだろ!俺たちが一体何をしたっつーんだ…!
クレスチェスター、さっきの話なんだけど敵の狙いは僕のペンダントかもしれないんだ…
チェスターどういう事だ?
クレスさっきおばさんを助けた時に聞いたんだ。敵は僕のペンダントを探していたって
クレス実際、家に置いておいたはずのペンダントがなくなっていたし…たぶん奴らが持って行ったんだろう
チェスター何でお前のペンダントが…?
クレス…それはわからない
チェスター馬鹿言うな!たかがペンダント一つのために、村を襲っただと!?
チェスターそのためにアミィを…みんなを殺したっていうのかよ!そんな事、許されると思うのか!?
クレスでも…
チェスター…オレは許さねえ
チェスタークレス、オレ達が見た騎士の手がかりはないか?
クレス手がかりになるかわからないけど、こんな物を拾ったよ
チェスター勲章か…これは重要な証拠になりそうだな。持っている奴は限られているだろうし
クレスチェスター、僕はバロニアへ行く
チェスター王都バロニア…?
チェスターオレ達が敵討ちに行くとしたら王都じゃねえ、ア・ジュールだろ!
クレス敵の正体はア・ジュールの可能性が高いとは思うけど、確証があるわけじゃない
クレスだから、まずはバロニアに行って村の事を報告して、こっちも情報を集めるんだ
クレスチェスター。もし何も確かめずに僕達がア・ジュールに行ったとして…僕達だけで何ができる?
チェスター…ちっ!そんな事しかできねえのかよ…!
チェスター…わかった。クレス、オレも行く
クレスいや、チェスターはここに残ってくれ
チェスター何でだよ!?オレを除け者にしてお前だけおじさんやおばさんの敵を取るつもりか!?
クレスチェスター!僕がチェスターを除け者にするといつ言ったんだ?
チェスター…そうだよな。すまねえ。頭に血が昇っちまって…
クレス僕も同じだ。だからこそ、僕達にできる事をしよう
クレス…チェスター、頼みがある
クレスチェスターはここに残って、生き残った人を守ってくれないか。また攻められたら、誰も生き残れない
クレスバロニア行きと…アミィちゃんの敵を僕に任せて欲しい。これはチェスターにしか頼めないんだ
チェスター…オレがこの手でアミィを殺した奴を殺してやりたかった
チェスターでも…これ以上誰かが死ぬのは…もっと嫌だ
チェスター…わかった
チェスター任せたぜ、クレス。お前はオレの親友だからな。信じるぜ
クレスチェスター…。ありがとう。必ず僕が、アミィちゃんの敵を見つけ出してみせる
クレス(父さん…母さん… アミィちゃん…それに 死んでしまった村のみんな…)
クレス(何としても敵の正体を突き止めて、 敵を取ってみせる…必ず!)
scene2敵の影を追って
クレスペンダントで村一つ、か。…やはり、ペンダントの事は気になるな
クレス特別な価値があるような物には見えなかったけど…
クレスそういえば父さんが、ペンダントについて話したい事があるって、前言ってたな…
???
???ワンっ!
クレス…魔物か!?
???
クレス何だ、大きな犬か…。考え事をしていたから、気付かなかったよ
クレス鎖がついてるから、野良犬じゃないな。飼い主の姿は見えないけど
クレスお前の飼い主はどこにいるんだい?
???
クレス迷子か?逃げ出して来たのか?それとも…単独行動、とか?
???ワンっ!
クレスははは。まるで人間の言葉がわかっているみたいな反応をするね
クレスこの辺は危険な魔物も多い。早く家に帰ったほうがいいよ
クレスそれじゃ
???
クレスおいおい…。僕についてきても、あげられる餌はないぞ
???ガルルルル…!
クレス何だろう…。馬鹿にするなって、怒られたような気がする…
クレス餌が欲しいんじゃないなら、なぜ僕についてくるんだ?
クレス僕を心配してくれてるとか?まさかね…
???グルルルルル……ガウっ!!
クレス魔物!?危ないぞ、下がってるんだ!
???ガウッガウッ、ワォーン!
クレスもしかして、一緒に戦うって言ってるのかな?
クレスまさかね。でも、その気持ちは嬉しいよ。…よし、いくぞ!
scene1導かれるままに
クレスここが王都バロニアか…
???ワンっ!
クレス初めて来たけど、大きな街だな。トーティス村とはまるで違う
ザッザッザッ…
クレスそれにしても、兵士の数が多いな
クレス戦争が始まったそうだから、当然といえば当然だけど…
クレスあの人たちにこの勲章を見せたら、何かわかるだろうか…?
クレスよし、物は試しだ。聞いてみよう
クレスすみません!
ウィンドル兵ええい、どけ!邪魔だ!
クレスうっ…!
???ワンっ!
クレス駄目か…。とても話を聞いてもらえそうな雰囲気じゃない
???クーン
クレスうん?この勲章が気になるのかい?
???
???ワンっ!
クレスあ…!勲章を取られてしまったな。なあ、それを返してくれないか?大事な手がかりなんだ
クレス…ついて来いって言ってるみたいだ
クレス犬は嗅覚が鋭いっていうし、もしかしたら…
クレスよし、他にアテもないし今は君に賭けてみよう
クレス案内を頼むよ
???ワンっ!
scene2導かれるままに
クレス…勲章は返してもらったけど、一体どこまで行くつもりなんだい?
???ワンっ!
クレス何か手がかりがあって向かってるならいいんだけど…
???…!
クレス急に立ち止まってどうしたんだ?何か見つけたのかい?
???はあ…はあ…
クレスあれは…
???ワゥ!
???まあ、ラピード!
???どうしたんです?こんなところで
???かわされた…
???相変わらず冷たいです…
クレスラピード?ああ、この犬の名前はラピードっていうんだね
ラピード
クレスもしかして君がラピードのご主人なのかい?
???そうだったらどんなにいいか…
???違います、わたしはただのお友達です
???ところで…あなたはどなたです?
クレス僕はクレス・アルベイン。君は?
???私はエステリ…
???
クレス
エステルいえ、エステルといいます
クレスエステルか。よろしく
クレスところでエステル、随分あわてていたみたいだけど、どうかしたのかい?
エステルそれは護衛を振り切って…
エステル
エステルあ、いえ、何でもありません
クレス…?
ラピードグルルルル…!
クレス何か見つけたのか、ラピード?
ラピードガウっ!
エステルきゃっ…魔物…!?どうして王都内に!?
scene1勲章の持ち主
エステルいきなり魔物だなんて…。以前はこんな街中に現れるなんて事はなかったのに…
クレスじゃあ、最近になって…?
エステルはい。国王陛下が星のカケラを集めようとし始めた頃から何かがおかしいです…
エステル…一体、この世界はどうなってしまったんでしょう
クレス星のカケラと…国王陛下…?
エステルあ、気にしないで下さい…!
エステルとにかく、魔物を倒す事ができてよかったです
エステル…ほら、ラピード。こちらへ――…
ラピード
エステルあ、ちょっと、ラピード?
エステル行ってしまいました…
エステルわたし、ラピードにはどうも仲良くしてもらえなくて
クレス参ったな。ラピードをあてにしていたのに…
エステルそう言えば、クレスはラピードと何をしていたんです?
クレス調べたい事があって。ラピードに心当たりがあるみたいだったから、案内してもらっていたんだ
クレス(まあ、単なる僕の思い込みに過ぎ なかったのかもしれないけど…)
エステルそうだったんですか。ラピード、クレスをどこへ連れて行くつもりだったんでしょう
クレスどこだろう。本当に案内してくれていたのかはわからないけど、この勲章を見せたら急に走りだしたんだ
エステルあれ?これは…
クレスもしかして、エステルもこれに心当たりが?
エステルはい。これは王家直属の騎士団員のうち、大きな功があった者のみに与えられる、特別な勲章です
クレス王家直属の騎士団…?
クレスまさか…じゃあ、村を襲ったのは…
エステル…?どうかしましたか?
クレス実は…
エステルそんな…どうして騎士団が…
エステルあの、それが本当なら、わたし、なんと言っていいか…
クレス別に、エステルが謝る必要はないと思うけど
エステルそ、それはそうかもしれませんけど…
エステルじゃなくて…ええと…分かりました。わたしが騎士団の元に案内します!
クレスそんな事ができるの?
エステルえ、ええ。任せてください。こっちです
scene2勲章の持ち主
エステル
ザッザッザッ…
クレスまた兵士とすれ違った。本当に多いな
クレスあれ?エステルがいない。エステル?
クレスあ、いた
クレスどこへ行っていたんだ?
エステルす、すみません、そこのお店に置いてある物が気になって
クレスそうか。でも、突然いなくなったら驚くじゃないか
クレスてっきり誰かから逃げていて、あわてて隠れでもしたのかと思ったよ
エステル…!!
エステルそ、そんな事、あるわけないじゃないですか
クレスそうだよね。そんな事、あるわけないか
エステルそ、そうですよ。ほら、早く行きましょう
エステルあ、もうすぐ目的の場所に着きますよ
騎士団員ここは騎士団の詰所だ。関係ない者は近付くな。帰れ
クレス聞きたい事があるんだ
クレスこの勲章…
騎士団員ええい、帰れというのに!
エステルそんな言い方をしてはいけません!
クレスエステル…?
騎士団員あ、あなたはエステリーゼ様…?失礼いたしました!
クレス(兵士がいきなり態度を変えたぞ。 一体どうなってるんだ?)
エステルクレス、例の勲章を出してください
クレスあ、うん
エステルこの勲章が誰の物か、調べているんです。わかりませんか?
騎士団員これは独立騎士団の、サレ団長に授与された物ではないでしょうか。以前拝見した事があります
エステル独立騎士団のサレですか…
クレスそのサレという人は今どこに?
騎士団員独立騎士団は、現在任務遂行中です。軍事機密ゆえ、詳しい事は、申し上げられません
エステルそうですか…わかりました
エステルすみません、クレス。肝心の独立騎士団の居場所を、突き止める事ができなくて
クレスいや、それはいいんだけど…そんな事よりエステル、君は一体…
ガルルルル!
クレスくっ…こんなところにまで魔物が!
scene1エステルの正体
クレス魔物が襲ってきたせいで、話が途中になってしまったけど…
クレスエステル、君は一体何者なんだい?
クレスさっきの騎士団の人、君を見るなり態度を変えたよね。それにエステリーゼ様って…
エステルそれは…
クレスまあ、うすうす察しはついているけどね
エステル…そうですよね。いつまでも隠しておけるわけがないですよね…
クレス正体を当ててみせようか。実はエステルは…
エステル
クレス騎士団の特別団員なんじゃない?
エステル…え?
エステルあの…何ですそれ?
クレス何です、って言葉の通りなんだけど…もしかして違った?
エステルええ。残念ながら
クレスおかしいな…騎士団の人がやけに礼儀正しかったし、色々詳しそうだからてっきり…
エステルクレスは面白い人ですね
クレスそ、そう?
エステルそうですね…あなたには、本当の事をお話しします
エステル実はわたし…
???エステリーゼ様!ここにいたんですね!
エステルアスベル!?
アスベルやっと見つけましたよ
アスベルさあ、城にお戻りください
クレスエステル、この人は?
エステル逃げましょう、クレス
エステル急いで!
クレスうわっ!?え、エステル!マントを引っ張らないでくれ!
アスベルエステリーゼ様、お待ちください!
scene2エステルの正体
エステルふう…ここまで来れば、大丈夫でしょうか…
クレスエステル、さっきの人は誰だい?彼も君の事をエステリーゼと呼んでいたようだけど
アスベル遅かったですね、エステリーゼ様
エステルアスベル!?
アスベルきっとここへ来ると思って、先回りして待っていたんですよ
アスベル裏道は俺のほうが詳しいですしね
アスベルさあ、城へ戻りましょう。あなたがいなくなったとわかったら、リチャ…陛下も心配されます
クレス城?陛下?一体何の話だ?
アスベル君は何も知らないのか?
アスベルこの方は、エステリーゼ・シデス・ヒュラッセイン様
アスベルウィンドル王国現国王、リチャード陛下の親戚にあたるお方だぞ
クレス国王の親戚…?じゃあ、エステルはお姫様って事か…!?
エステルすみません、クレス。もっと早く本当の事をお話ししようと思ったんですけど…
エステルあのアスベル。わたし、どうしても、お城へ戻らないといけませんか?
アスベルどういう事ですか?
エステル……
アスベルエステリーゼ様?
エステル…わたしは今の陛下のやり方に、疑問を感じています
エステル星のカケラ欲しさに、他国に戦争をしかける行為に、正義があるとは思えません
アスベルエステリーゼ様、それは…!
エステルただ、私は世間知らずです
エステル本当はやむにやまれぬ事情が、陛下にもあるのかもしれません
エステルそれを判断するために、わたしも外に出て、世界の姿をこの目で直接見てみたいんです
エステルお願いです。これは陛下と王国のためでもあるんです。行かせてください
アスベルしかし…
エステル必ず無事に戻ると約束します。どうか、お願いします
アスベル
アスベル…彼は護衛役として、役に立ちますか?
エステルクレスの事ですか?それはよく分かりませんけど…あ、でも
エステルいい人ですよ。強いですし
アスベル
アスベル…わかりました。エステリーゼ様のお言葉を信じます
エステルアスベル…!ありがとうございます
アスベル実は、陛下の最近のなさりようには俺も心を痛めていました
アスベルエステリーゼ様のご心配は、理解できます。行ってください。後は俺のほうで何とかします
アスベルクレスと言ったか。エステリーゼ様をよろしく頼む
クレスは、はい!
アスベルでは、俺は詰所へ戻ります。くれぐれもお気をつけて
エステルすみません、クレス。面倒事に巻き込んだみたいで
クレスいや…じゃなかった。いいえ、面倒だなんてそんな…それにエステルがお姫様なのに僕は…
グオオオオ!
エステルまた魔物が…!
scene1ルーティ・カトレット
クレスさてと…これからどうしよう。アスベルという騎士にもエステリーゼ様を任されてしまったし
エステルあの、よければわたしの事はエステルって呼んでください。親しい人はみんなそう呼ぶんです
エステルそれと敬語もやめてください。クレスは、わたしの従者ではないんですから。いいですね?
クレスは、はい…!じゃなかった
クレスああ、わかった
エステル…勝手に巻き込んでしまってごめんなさい。わたし、どうしても放っておけなくて
クレスとんでもない。助かるのは僕の方だ。僕一人では、騎士団の人に話すら聞いてもらえなかっただろうから
エステルクレスはトーティス村を襲った犯人の正体を突き止めることに、全力を挙げてください
エステル私もお手伝いします
エステル村で何が起きたのか、本当の事を知りたいんです
クレスありがとう。エステルにそう言ってもらえると心強いよ
怪しい男オラ!よそ見して、歩いてんじゃねえよ
クレスおっと…ごめん
クレス…!
クレス懐にしまっていた勲章がない!
エステルえっ…?
クレスまさか今ぶつかった時に…おい君!ちょっと待ってくれ!
怪しい男へっ!誰が待つかよバーカ!
???はい、隙だらけ
怪しい男うおっ!何しやがる!それは俺のだぞ!
???盗んだ物を手に持ったまま歩くなんて甘すぎね
???で、盗んどいて、俺のって言った?ふうん、ちょっと騎士サマとでも話する?
怪しい男この…!覚えてやがれ!
???ほら、返すわ。こんな簡単にスリに遭うなんて、よほどの田舎者か世間知らずね
クレスありがとう。お蔭で助かったよ
???どういたしまして。謝礼は30000ガルドでいいわよ
クレスお金を取るのかい?
クレス30000ガルドなんて、高すぎて払えないよ…
エステルあの、だったらわたしが払います。ちょうど持ち合わせがありますから
クレスこれは僕の問題だ。エステルにそんな事をしてもらうつもりはないよ
エステルいいんです。クレスには色々助けてもらってますから。これくらいの事はさせてください
???(この子、随分羽振りがいいのね。 それに何だか世間知らずっぽいし…)
???(そうだ!)
???ねえあんた達、もしかして、この街に来たばかりなんじゃない?
クレスあ、うん。僕は…そうだけど
???やっぱり
???じゃああたしが、色々案内してあげるわ
エステルえ?あの…
ルーティあたし、ルーティ・カトレット。よろしくね!
クレスあはは…。よろしく。あ、あんまりいい予感がしないな…
scene2ルーティ・カトレット
エステルルーティはバロニアの人なんです?
ルーティ出身は違うけど、ここへはちょくちょく来てるから、まあ第二の故郷みたいなものかな
ルーティだから大抵のところへは案内できるわよ。どこへ行きたい?
クレス実は僕達、独立騎士団のサレって人を捜しているんだけど、心当たりはあるかな?
ルーティ独立騎士団…?
ルーティ初めて来た人なら、街中の案内とかそういう事言いそうなもんなのに…随分変わったリクエストをするのね
クレスまあ、色々事情があってね
クレスどうかな?
ルーティそうね…
ルーティ独立騎士団についてはあたしも名前くらいしか知らない
ルーティでも、そういうのに詳しい情報屋だったら知ってるわ
ルーティ行ってみる?
エステルはい!ぜひお願いします
ルーティオッケー。じゃあ案内料追加ね♪1000ガルドにまけとくから
クレスや、やっぱりお金を取るのか
クレスルーティ、悪いが僕は…
エステルクレス、他に当てもないですし、わたしはお金を払ってでも連れて行ってもらった方がいいと思います
ルーティま、賢明な判断ね。それじゃ行きましょ
情報屋の男すまねぇ、独立騎士団の動向は俺にもわからん。あれに関しては、全てが謎に包まれているもんでな
ルーティふーん。あんたがわからないって、相当なものね
情報屋の男団長のサレに関しては、時々噂が聞こえてくるけどな。よくない噂ばかりだが
情報屋の男訓練中に気に入らない部下を、事故に見せかけて殺しただの、捕虜を拷問して殺しただのってな
クレスそんなひどい事をする人に、勲章が与えられたのかい?
情報屋の男実力、実績は申し分ないからな。騎士団なんてそんなものさ
ルーティ団長の事はわかっても、肝心の騎士団の居所についてはわからなかったわね
クレス他に誰か、情報を知っていそうな人に心当たりはない?
ルーティまあ、あと何人かはいるけど…
ルーティでもどうしてあんたは独立騎士団にそんなにこだわるの?
クレスそれは…
クレスまあ色々あってね
ルーティふーん…
ルーティ(…どうやらよほどの事情が あるみたいね)
ルーティまあそんなに行きたいっていうなら、連れて行ってあげてもいいけどね
ルーティ事情のあるところ、お金ありってね。案内料はもらうけど、ま、とにかくこのあたしに任せておきなさいって
エステルありがとうございます。ではさっそく…
クレスうん…?
クレス二人ともちょっと待ってくれ!向こうから何か来る!
ギャオオッ!
ルーティまた魔物…!最近多いわね…
クレスくるぞ…!
scene1もしも願いがかなうなら
ルーティそれじゃ、別の情報屋のところへ案内するわね…って、ん?
ルーティあれは…!
ルーティ二人ともちょっと待って!
クレスどうした? もしかしてまた魔物が!?
ルーティ見つけた!1ガルド!
クレスお金か。…ルーティ、驚かさないでくれ
エステルよく見つけられましたね。わたし、気付きませんでした
ルーティふふん、でっしょ~?今日はついてるわ♪
クレスルーティは、お金が本当に好きなんだね…
ルーティ…もっとはっきり「がめつい」って言えば?もう言われ慣れてるし
エステルそんなにお金が必要だなんて、何か欲しい物でもあるんです?
ルーティ欲しいっていうか…
ルーティ守りたいものがあるっていうか…
ルーティ別に、あんた達に関係ないでしょ
エステルそうですか…もしよかったら相談してください。何か力になれるかもしれませんから
ルーティ…ありがと。とりあえず、気持ちだけ受け取っておくわ
ルーティそんな事より、早く次の情報屋のところへ行きましょ
クレスあ、うん。そうしよう
scene2もしも願いがかなうなら
情報屋の女独立騎士団に関する情報は、うちにはまったく入ってないねぇ
ルーティそう。あんたのところでも駄目なんて計算外だったわ
クレス二人目も空振りか…
ルーティこれだけ徹底的に情報が隠されてるってのは、よほどの事ね
エステル任務遂行中と聞きましたけど、一体何をしているんでしょう?
ルーティもしかしたら、星のカケラに関係してる事なのかも
クレス星のカケラ…?
ルーティあんた、知らないの?今、噂で持ち切りだってのに
ルーティ世界中に飛び散ったっていうそのカケラ欲しさに、王様はア・ジュールと戦争を始めたのよ?
エステル
ルーティ全部の星のカケラを集めると、何でも願いがかなうんだって。ウソくさいけど、うらやましい話よね
エステル正確には、「全てのカケラが揃った時…」
エステル「…我は姿を現し、願いをかなえん」です
クレスその「我」って、誰の事なんだろう?
エステル言い伝えでは光の使いという事になっていますけど、詳しい事は…
ルーティ細かい事はいいじゃない。願いをかなえてくれるんなら誰だっていいわよ、そんなの
クレス何でも願いがかなう、か…
クレスもしそれが本当なら、死んだ人を生き返らせる事もできるのかな…
エステルクレス…
クレスごめん。こんな事、言うべきじゃなかったね
クレスルーティ、情報屋というのは、まだ他にもいるんだろう?そこへも連れて行ってくれないか
子どもだ、誰か! 助けてー!
ルーティあれは…!
エステル子どもが魔物に襲われています!
クレスそこを離れるんだ!行くぞっ!
scene1明かされた事実
クレスケガはないかい?
子ども
ルーティちょっと、クレス。あんたがそんな怖い顔してたら、その子がますます怯えるでしょうが
ルーティよしよし、もう大丈夫よ。悪い魔物はやっつけたからね
エステルルーティ、子どもに優しいんですね
クレスうん。もしかしたらあれが、ルーティの素顔なのかもしれないね
子どもお兄ちゃん、お姉ちゃん、助けてくれてありがとう!
ルーティん。気をつけて帰るのよ
ルーティねえ。今、あたしの悪口言ってた?
クレス言ってない、言ってない
ルーティ…ふうん。ま、いいわ。さて、三人目の情報屋のところに案内するわね
ルーティ今まで空振りだったし、今度もあまり期待はできないけど…
ルーティまあ駄目元って事で、とにかく、行くだけ行ってみましょ!
エステルルーティ、はりきってますね
ルーティそう?ま、実を言うとこのままあんた達と一緒に行けば儲かりそうな予感がしたって言うか
エステルそ、そうですか…
クレスま、まあこれも、ルーティの素顔…なのかもね
情報屋の男独立騎士団か。それだったら、ついさっき入って来たばかりの新鮮な情報があるぜ
ルーティあら。聞いてみるものね
クレスぜひその情報を教えてくれないか?
情報屋の男何でも、独立騎士団の団員だったって奴が、脱走兵になったらしい
情報屋の男そいつは東地区の宿屋に、ずっと泊まっているそうだ
ルーティ東地区ね…貴重な情報助かったわ。情報料はいつもの手筈でやっとくから
情報屋の男ああ、たんまり頼むぜじゃあな
ルーティ…さて、と。東地区に行ってみる?あの辺はバロニアでも物騒な場所だから、あまりお勧めはしないけど
クレス構わない。連れて行ってくれ
エステルお願いします
ルーティん。それじゃ案内するわ。前言った案内料に、追加で危険手当の検討、よろしく!
クレスははは…本当にルーティは抜け目ないな…
scene2明かされた事実
エステルここが東地区なんです?
ルーティうん、そう。さて、宿屋は…あった、あそこね
クレスよし、さっそく…
ルーティ待って。相手の素性もよくわからないのに、いきなり踏み込むのは得策じゃないわ
ルーティあたしが様子を見てくる。あんた達はここで待ってなさい
エステルルーティ、大丈夫でしょうか…
ルーティお待たせ。あんた達の会いたがってた相手、連れて来たわよ
脱走兵お、お前達…誰だ?
クレス僕はクレス・アルベイン。トーティス村の件で、聞きたい事がある
脱走兵ト、トーティス村だと!?知らない、俺は何も…!
ルーティどう見ても、知らないって態度じゃないわね
エステルお願いします。あなたの知っている事を、教えてください
脱走兵エ、エステリーゼ様…!?
ルーティ(エステリーゼ…様?)
エステルわたし…この国で、今なにが起きているのか、どうしても知りたいんです
エステルどうかお願いします
脱走兵…わかりました。正直にお話しいたします
脱走兵元々私のいた独立騎士団は、リチャード陛下の命を受けて、星のカケラを探しておりました
脱走兵そんなある日、私はサレ団長の指示で、団長や一部の隊員と共にトーティス村へ向かったのです
脱走兵村に着くなり、団長は私達に村の人間を全員殺すよう命じました
クレス…!
脱走兵私は驚き、必死に団長を止めようとしましたが聞いてはもらえませんでした…
エステルそれでサレに命じられるまま、何の罪もない村の人達を、手にかけたのですか
脱走兵…はい。私が独立騎士団を脱走したのもそれが理由です。罪の重さに耐えられなくなり…
クレス
エステルクレス…
クレス…もう一つ聞かせてほしい。ペンダントの事を、何か知らないか?
脱走兵そういえばサレ団長が、そんな物を探していたような…詳しい事は聞きませんでしたが
ルーティそれで、結局あんた達の探してた星のカケラはみつかったわけ?
脱走兵…いいえ
クレス
エステルクレス…
クレス僕は…
クレス多くの死んだ村の人の敵として、僕はあなたを殺してしまいたい。…親友とそう、約束したからだ
クレスでもあなたはサレを止めようとした。僕達に情報をくれた。…だから、この罪は正しい方法で償って欲しい
クレスエステル、この人の事は、君に任せていいかな
エステル…サレの命令が常識を逸脱している事はわかります。そのあと、あなたが罪の意識に苛まれた事も…
エステルでも、だからといって、罪もない人々を手にかけた事が許されるとは思いません
脱走兵…仰るとおりです
エステルですから、犯した罪がちゃんと裁かれるよう、そしてちゃんと償えるよう掛け合ってみます
エステル犠牲になった人々のためにも。それでいいですか?
脱走兵…はい
ルーティで、そのサレってのは今、どこにいるの?
脱走兵確か地下墓地がどうのと、言っていた気がしますが…
クレス地下墓地…
エステルバロニアの北には、古代の広大な墓地があります。おそらくそこの事じゃないかと…
エステルもちろん今は使われていなくて、崩落の危険もあるので、立ち入りは制限されていると聞きましたが…
クレス…ルーティは地下墓地には詳しいのかい?
ルーティそんなに詳しいわけじゃないけど、案内くらいだったらできるわよ
クレスよかった。じゃあ、お願いできるかな?
ルーティもちろん。あんな話を聞いて、放っておけるわけないじゃない。エステルも行くの?
エステルあ、はい。わたしも行ってみたいです
ルーティわかった。じゃあ早速向かいましょ。確か、街の地下通路から地下墓地に繋がってたはず…
エステルバロニアにそんな通路が…ルーティ、さすがです!
ルーティまあ黙ってついてきなさ…
クレス…!!ルーティ、危ない!後ろだ!
ルーティ…ここも、ずいぶんと物騒になったわね
ガルルルル!
クレス二人とも、気を付けろ!魔物だ‥!
scene1地下墓地へ
ルーティ見えた。あそこが地下墓地へつながる地下通路の入口よ
エステルルーティは本当に色々な事を知っているんですね
ルーティまあ大体お金になりそうなところは把握してるからね!でも、実際入るのは初めてよ
クレスさ、さすがだね…
警備兵誰だ、お前達は
ルーティあたし達、地下墓地に行きたいの。古いお墓とかに興味があって、それで…
警備兵この地下通路は立ち入り禁止だ。誰も入れるわけにはいかん。帰れ
ルーティどうしてもダメ?
警備兵駄目だ
ルーティそ。じゃあ仕方ないわね。二人とも行くわよ
エステルあっさり引き下がってしまってよかったんです?
ルーティあの場で押し問答を繰り返して騒ぎが大きくなったら面倒じゃない
エステルでも、このままあきらめるのは…
ルーティ誰があきらめるなんて言った?
ルーティ実は他にも、地下墓地の入り口がある場所に心当たりがあるの。そっちに行ってみましょ
エステルさすがです!やっぱりルーティは凄いんですね!
ルーティまあね。相手を出し抜くのは、この職業じゃ当たり前の事だから。それじゃ、行きましょ
scene2地下墓地へ
エステル
エステルここは…何だか薄暗くて少し気味が悪いですね…
クレスそうだね、まるで暗い樹海にでも入り込んでしまったみたいだ…
ルーティあたしが前に聞いた話だと、この森の奥に地下墓地へ通じる入り口があるらしいんだけど…
ルーティまあとりあえず進んでけばそのうち見つかるでしょ
クレス入り口を見つけるところまで、手伝ってくれるのかい?
ルーティ当たり前でしょ?こうなったら行くところまで一緒に行くわよ!
エステル結構奥まできたと思うんですけどなかなか見つかりませんね…
クレスそうだね
ルーティねえクレス。さっき脱走兵と話してたトーティス村の事なんだけど…ひょっとしてさ…
クレスん…?
クレスああ…僕の村の話だよ。ルーティにはちゃんと話していなかったね
クレス殺されたんだよ…父さんも、母さんも…村の人達も。ほとんど生き残りがいないくらいにね
ルーティそんな…なんで…!
クレスわからない。誰が、何のためにそんな酷い事をしたのか…
クレス僕は、それを追っていたんだ。村に落ちていた勲章を手がかりに辿り着いたのが、サレ…
エステル
ルーティそんな事があったのね…
クレスうん…僕はサレを倒さなくてはならない。村のみんなのためにも…
ルーティ…でも、これまでに聞いた話が全部本当だとしたら、そのサレってのは相当危険な奴よ
クレスそうだね、わかってるよ。でも、僕はみんなの敵を取るために、村を後にしてきたんだ
クレスたとえ相手がどれほど危険でも、その気持ちに変わりはないよ
エステルわたしも一緒に行きます。この国で何が起きているのか、真相を見極めないと
ルーティあら…?
クレスどうしたんだい?
ルーティねえ、あれ見て。何か鉄柵みたいなのがあるわ
クレスこんな暗い森の奥地に…
ルーティまあ、見る限りここくらいしかそれらしいものはなそうね
エステルあ、鉄柵の奥…あれって階段じゃないです?
ルーティ…!本当だわ…きっとあの階段が地下墓地へと繋がってるのね
クレスそうと分かったら、早速行こう!
ギギギギ…
エステルこの階段の奥が地下墓地…
クレスちょっと待って。何か出て来る!
ギャオオオオッ!
エステル魔物です!気を付けて!
ルーティそんなやすやすと、いかせてくれるわけがないわよね。さっさと片付けましょ!
scene1仲間
エステルいきなり魔物なんて…想像していた以上に危険な場所ですね
ルーティ言い忘れてたけど、地下墓地は魔物の巣窟って話よ。きっとあんなのがゴロゴロしてるわ
クレスルーティ、ここまで案内してくれてありがとう。後は僕達だけで、何とかするよ
ルーティあら。本当にいいの?
クレスこの先が危険な場所なら、無理はさせられないからね
クレス本当はエステルも、来ないほうがいいと思うんだけど…
エステルいいえ。わたしも一緒に行きます。ここまで来て、帰るなんてできません
ルーティああもう、決めた!あたしも、あんた達に付き合うわ
クレスいいのかい?でも…
ルーティなんかさ…許せないのよ、そのサレってやつ!あんたの家族、殺されたんでしょ?
ルーティそれに、もしエステルになにかあったら、報酬が貰えなくなるじゃない?
クレスルーティ…
エステルクレス、ルーティもこう言ってます。ここは三人で行きませんか?
クレス
クレス…わかった。その代わり一つ、約束して欲しい。何があっても、自分の身の安全を第一に考えると
クレスもちろん僕も、できる限り、二人に目を配るようにするけど…危なくなったら逃げてくれ
ルーティ大丈夫よ。言われなくても逃げるから
クレスはは…確かにルーティは、心配いらなさそうだね。…でも、これは本当に約束してくれ
エステル分かりました、約束します。さあ、地下墓地に入りましょう
scene2仲間
クレスせいっ!
ギャオオオッ!
クレス…ふう。これで何匹の魔物を倒したかな?かなりの数になるけど
ルーティだからゴロゴロいるって言ったでしょ
エステルサレは本当に、ここにいるんでしょうか?
ルーティさあね…いるかもしれないし、いないかもしれない
ルーティけど、サレが本当にここにいるんだとしたら、目的は星のカケラって事になるのかしらね
ルーティあれって、大昔に箒星が落ちてきて、その残骸が世界中に散った物だって言われてるみたいだけど…
エステルここに星のカケラがあるなら、大昔に誰かが拾って、埋葬したという事でしょうか?
クレス(あの脱走兵は、サレがペンダントを 探していたと言っていたが…)
クレス(ペンダントの石が、 実は星のカケラだったとか…? 僕の考えすぎだろうか)
ルーティそもそも王様は、カケラを手に入れて何をしようってのかしらね
エステルそれは…わかりません
エステル「自分は選ばれし者だから、全ての カケラを手にする権利がある」としか言ってくれないものですから…
ルーティまるで王様と直接話した事があるみたいな口ぶりね
エステルいえ、これは…その…
クレスエステル。ここまで来たら、ルーティにも本当の事を話してもいいんじゃないかな?
エステルそうですね…あの、ルーティ、実はわたし…
グオオオオッ!
ルーティちょっと待って。話は後よ!その瓦礫の陰に何かいるわ!
クレスくっ…!また出たか!
scene1非道に満ちた瞳
ルーティエステルがお姫様だったとはね…そういえばあの脱走兵、エステリーゼ様って呼んでたっけ
エステルずっと黙っていて、ごめんなさい…
ルーティますます大事になってきたわね。初めにあんた達に会った時は、こんな展開、予想してなかったわ
クレスもし気が変わったなら、無理について来なくてもいいんだよ
ルーティここまで首を突っ込んでおいて?お断り。ましてや王族でしょ?がっつりたかれるじゃない
ルーティそれに、この国で起きてる事は、あたしにとっても無関係じゃないし。こうなったら、とことん付き合うわよ
エステルはい、ルーティが一緒にいてくれると、心強いです
クレスそれは僕も同じさ。これからもよろしく頼むよ
クレスところで…僕のペンダントの事をどう思う?
クレスペンダントは本当は星のカケラで、そのせいでサレに奪われたんじゃないかなって思ってるんだけど…
ルーティ実物を見てないし、そもそもあたしはカケラに詳しくないから、その辺は何とも言えないわね
クレスそうか…
ルーティサレをとっ捕まえて締め上げれば、その辺の事もわかるでしょ
ルーティそうするためにも、さっさとあいつらの尻尾を掴まないとね
クレスうん、そうだね
ドド---ン!
ルーティ何の音!?
クレスこの先から聞こえたぞ!
エステル行ってみましょう!
scene2非道に満ちた瞳
エステルあそこに誰かいます!
???うん…?
クレスお前がサレか?
サレ
クレスどうなんだ。答えろ!
サレこれは驚いた。この辺のドブネズミは、人語を喋れるらしい
クレス僕はトーティス村のクレスだ。お前が独立騎士団を率いて、村を襲った事はわかっているぞ!
ルーティ今更言い逃れしようったって、そうはいかないわよ
サレ…ふうん。それで?
サレキミ達が僕の事を知っているなら、それを言われたところで僕が詫びるはずもないと、わかるだろう?
ルーティあんたねえ…!
エステルサレ、あなたは仮にも騎士団の一員のはずです。なのにどうして、あんなひどい事を!?
サレこれはエステリーゼ様。お目にかかるのは初めてですが、存じ上げていますよ。ご機嫌麗しく…
クレス僕のペンダントを奪ったのも、お前だな?
サレへぇ。これはキミの物だったのか。それでわざわざ取り戻しに?
クレスやはり…!
エステルそのペンダントは、独立騎士団の探していた星のカケラと何か関係があるのですか?
サレ関係なんてないな…。星のカケラはただの隠れ蓑。僕の目当てはこのペンダントだけ
ルーティどうしてそのペンダントに、そんなに執着するの?
サレ執着?執着か…。フフフ…
サレ
クレスサレ!答えろ!
???…決まっているだろう。長きにわたるくびきから、我が身を解き放つためだ!
エステル長きにわたるくびき…?我が身を解き放つ…?ど、どういう意味です?
???ククク…もう少しだ。もう少しで私の目的が、ようやく達せられる…!
クレス待て!逃げるな!
ガルルルル!
ルーティ横から魔物が!
クレスどいてくれ!邪魔をするな!
scene1親友の想いをのせて
クレスサレを見失った…急いで後を追わないと!
ルーティあいつが向かったのは、きっとこの奥よ
エステル急ぎましょう!
ルーティ何かこんがらがって来たんだけどサレの目的は星のカケラじゃなくてクレスのペンダントだったって事?
クレスああ。でも独立騎士団の部下には星のカケラを探すためと言って、それで僕の村を襲ったんだろう
エステルそしてペンダントを奪い…罪もない村の人々を手にかけたんですね
ルーティ口封じをしようとしたのね…!最低だわ
クレスあのペンダントは、僕の15歳の誕生日に、父さんからもらった物なんだ
クレスどうしてこんな事に…たかがペンダント一つを奪うために村のみんなを殺すなんて…!
クレス僕の命に代えても、サレだけは絶対に許さない…!
エステルクレス。憤る気持ちはわかりますが、落ち着いてください
ルーティそうそう。頭に血が昇り過ぎると、ロクな事にならないわよ。ほら、深呼吸でもしなさい
クレスあ、うん…。わかった。そうするよ
クレスすう…はあ…すう…はあ…
クレスよし、もう大丈夫
ルーティサレがペンダントを使って何かをしようとしているのは、間違いないわね
エステルそうですね。何だか悪い予感がします。早く彼に追いつかないと
クレスうん、行こう!
scene2親友の想いをのせて
クレス見つけた、サレだ!
ルーティあいつ、こんなところで何やってんの?
エステル何かの儀式みたいですけど…
サレようやくこの時が来たぞ…!長年に及んだ忌々しきくびきから、今こそ私は解き放たれるのだ!
サレ目覚めよ、我が真なる器!
???
クレス誰か現れたぞ!?あれは一体誰だ…?
ダオス我が名はダオス。大いなる実りを求め、デリス・カーラーンより来たりし存在
クレスデリス・カーラーン…?そんな地名は聞いた事がない!
サレダオスはこの世界の人間じゃない。大昔に別の星からやって来た、侵略者さ
サレふう…ようやく出て行ったか。すっきりしたよ
エステルサレ…!?
ルーティ侵略者ですって?どういう事なのよ!
サレダオスはかつて人間相手の大戦争を引き起こした。でも、敗れてこの地下墓地に封印されたのさ
サレだが死ぬ事はなく、長い間ここで、復活の時を待っていたというわけ
クレスお前とダオスはどういう関係だ?
サレちょっと前の話だよ。僕は国王陛下の命令で、星のカケラを探すためにこの地を訪れた
サレその時に、ダオスの呼びかける声を耳にしてね。心の中で応じた途端、身体の中に奴の意識が入って来たのさ
ダオス呼びかけに反応したこの者の肉体を、私が乗っ取った。封印を解くためにな
サレふふ、違うね。キミとは共闘関係だ。確かに身体の主導権は渡していたけど僕は意識全てを手放した覚えはないよ
サレだがその状態も、たった今終わった。お前の意識は肉体へ戻り、この身体は再び僕だけの物だ
クレス僕の村を襲って、村の人を殺し、僕のペンダントを奪ったのは…サレでなくダオスの意志なのか?
サレまさか。あれは僕の意志だよ。ダオスはペンダントを探していたけどそんな事は僕には関係ない
サレ操られたフリをしたまま無抵抗の人間を切り刻むのは、実に楽しかったよ。ははは…!
クレス…!
エステルひどい…何て事を!
ルーティあんた、正真正銘のクズね!
クレスサレ…!お前は何があっても、絶対に許さない!
ダオス…つまらぬな。いつの人の世も、こんなものか…私には、やらねばならぬ事がある
サレおっと、ダオス。行かせないよ。僕はキミも殺さなきゃいけないんだ。…その前に、キミ達を始末してあげる
サレ僕は操られていた事にして、もっと『楽しく』やりたいんだよね。だからキミ達にも死んでもらわなきゃ
サレキミ達が嘆き、絶望する顔をじっくり見せてよ…。あのチンケな村じゃ物足りないんだ…
ルーティ誰があんたなんかにやられるものですか!
エステルサレ、あなたのような人に騎士を名乗る資格はありません!
クレス父さん、母さん、アミィちゃん…村のみんな…。みんなの敵は僕が討つ…!
クレスチェスター…、君の想いもすべてこの剣にのせるっ!
クレスいくぞ、サレ!覚悟しろ!!
scene3親友の想いをのせて
サレう…うああああ…!
サレう、嘘だろう…?僕が、こんな奴らに…!
サレははははは、ウソだろう?
クレスまだ戦う気か?
サレこの僕が…お前らなんかに…やられて…
サレやられてたまるかよ!こんちくしょうがああああッ!!
サレぐふっ…!
ドサッ
クレス
エステルこれで…終わりです…?
クレスああ…そうみたいだ
クレスこれで…死んでいった村の人達も、少しは浮かばれるだろうか…
クレス…いや、まだだ。サレの身体を操っていたダオスが、まだ残っている
クレス…ダオスを放ってはおけない。すべての根源はあいつだ…
クレス自分の復活のために僕のペンダントを…そしてみんなを…
クレスあいつがいる限り、また他の人が犠牲になるかも知れない
エステルそういえば、サレを置いてどこかに行ってしまいましたね。どこへ行ったんでしょう?
ルーティまだ遠くへは行ってないはずよ。捜しましょ!
クレスああ!
scene1僕たちのやるべきこと
クレスダオス!見つけたぞ!
ダオス
クレスダオス、僕はお前を許さない!お前は、自分の欲のためにどれだけの人間を犠牲にしたんだ!!
クレスそんな事…絶対にあってはならない事だ!
ダオス…くだらぬ。卑小な人間ごときが何人殺されようと、些末な事だ
クレス…何だと!
ダオスどうせお前達人間は、遅かれ早かれ滅ぶ運命にある。この私の手によってな
エステルでは、サレが言っていた事は本当なんですね。あなたが侵略者だというのは…
ダオスお前達から見ればそうなる
ダオス今から遥か昔…私は滅びに瀕した我が故郷を救うため、この世界にやって来た
ダオスこの世界に満ちる生命エネルギーが、故郷を復活させるのに必要だったからだ
ダオスその頃のこの世界は、人間どもが我欲を募らせ、相争い、乱れ切っていた
ダオス人間どもの争いは、この世界そのものを疲弊させ、私が必要とするエネルギーを激減させていた
ダオス人間どもを滅ぼさなければ、この世界に未来はなく、私は故郷を救う事もできぬ
ダオスだからこそ私は、人間どもに戦いを挑んだのだ
ルーティでも戦いに負けて、今まで封印されてたって訳ね。ざまあないわ
ダオス
ダオス長きにわたり屈辱を強いられたが、今度こそ、私はエネルギーを浪費する人間どもを根絶やしにして見せる
クレスそんな事をさせるかっ!お前の故郷のために、この世界の人間を殺させるわけにはいかない!
ダオスフッ…
エステル待って!どこに行くんです!?
ルーティちょっと!待ちなさいよ!
scene2僕たちのやるべきこと
クレス待て、ダオス!
ダオスふっ。卑小な人間風情が、たった三人で私を止めようというのか
ルーティどうなるかは、やってみなくちゃわからないんじゃない?あんた、寝起きでしょ?
エステルこのまま黙って、世界を滅ぼされるわけにはいきません
ダオス
ダオスお前達は、人間を守る価値がある存在だと、本気で思っているのか?
クレス何…?
ダオスあのサレと精神を同調させ、久しぶりにこの世界の様子を垣間見て、私は確信した
ダオス人間は昔と何も変わっていない…。誰もが己の都合を振り回し、不毛な争いを繰り返してばかりいる
ダオスその争いがこの世界に、どれほどの悪影響を与えるか…微塵も考える事なくな
ダオスこのままではこの世界に未来はない。この世界を存続させるために最も害ある人間を滅ぼして、何が悪い
エステルそれは…
ルーティ人間が争ってばかりいるってのはあんたの言う通りだけど…
クレス
クレス…確かに僕達は、この世界に対して取り返しのつかない事をしているのかもしれない
クレスこの世界は人間だけのものじゃない。動物や植物…多くの生命が共存する場だ
クレスそれを人間の都合だけで、好き勝手にしていいわけがない…。ダオス、お前の言っている事は正しい
ダオス
ルーティクレス、あんたこのダオスって奴の言ってる事、認めるワケ!?あんたまであたし達に死ねっての!?
クレスいや、そうじゃないよ。だからってダオスがやってきた事を肯定するわけでもない
クレス人によって僕の村の人は殺されたし人が起こした戦争でも人が死ぬ。…だからこそ、僕は思うんだ
クレス世界をこんな風にしたのが僕達人間なら、それを元に戻すのも僕達人間に課せられた義務だって
クレス父さんや母さん、みんなの事は残念で悔しくて仕方ないけど…
クレスダオスから真実を聞いて初めて知る事ができたんだ。僕達人間の愚かさを…
エステルクレス…
クレスこの世界は僕達人間がこれまでの態度を改め、僕達自身の手で守っていくべきだ
クレス…違うかい?
エステル…クレスの言う通りだと思います
ルーティそうね。あたしも賛成。クレス、あんたいい事言うじゃない
クレスダオス。これだけはわかってくれ。決して全ての人間が、争いを望んでいるわけじゃない
クレス争いが続く今の状況を憂い、何とかしたいと考えている人間は、決して少なくはないはずだ
クレスきっとこの状況を変えてみせる。だからこの世界の事は、僕達に任せてくれないか?
ダオス…それはできぬ。忘れたか?私はこの世界に満ちるエネルギーを我が故郷に持ち帰らねばならんのだ
ダオス人の言葉など端から信用しておらぬ。…お前達が私の目的を阻むのならばそれを排除するのみ
クレスならば…僕達は今ここで、お前を倒す!お前がこの世界を滅ぼすと言うのならば!
ダオス身の程を知らぬ愚か者どもよ。絶望に焦がれながら死ぬがよい!
エステル…来ます!
scene3僕たちのやるべきこと
ダオスぐふっ…!
クレスどうだ、ダオス!これが僕達の力だ!
ルーティ卑小な存在に負けた気分はどう?
ダオス負けられぬ…!私は決してやられはせぬぞ!
エステルもう抵抗はやめてください。これ以上やっても無意味です
ダオス黙れ!私は倒れるわけにはいかないのだ。私の帰りを待つ、民のためにも…!
クレスまだ立ち上がるのか!?
ルーティ何度だって戦ってやるわよ!覚悟しなさい!
ダオス寄るな!時空転移に巻き込まれたくなければな
エステル一体何が起きてるんです?
ダオス私はどんな手段を用いてもこの世界のエネルギーを手に入れる。…またまみえようぞ、愚かな人間ども
クレス消えた…
エステルもう大丈夫なんでしょうか?
ルーティ時空がどうとか言ってたから、もうこの世界にはいない…とか?理屈はよくわからないけど…
クレス…ペンダントが落ちてる。ダオスが残していったのか
エステルこのペンダントが、ダオスを封印していたんですね
クレスそういう事だろうね。そんな特別な力があるようには思わなかったけど…
クレス父さん…
クレス…!?ペンダントが光りだした…何だこれは…!?
エステルな、なにが起こってるんです?
ルーティこの光…。ねえ、クレスの言う通りこのペンダントが星のカケラだったんじゃないの?なんてね
クレス星のカケラ…これが…
エステルますます光が強くなっています…まるで、クレスが選ばれし者だって事を教えてるみたいです…
クレス僕が…選ばれし者…?
ルーティ光が…共鳴してる…?
ルーティ嘘、冗談のつもりだったのに…。それ、本当の本当に星のカケラなの?
クレスどうなんだろう。でももし仮に、僕が真の選ばれし者なんだとしたら…願いが一つ、かなうんだったよね
エステル…何を願うんです?
クレスいわゆる普通の願いとは、少し違うかもしれないけど…僕はこの世界を、何とかしたい
クレスダオスに言った事を、口先だけで終わらせたら駄目だ。何としても戦争を終わらせないと
エステルそうですね。わたしもそう思います
クレスもしこのペンダントが星のカケラで何でも願いがかなうのだとしたら…
クレス世界中で起こっている争いの全てをやめさせるためにその力を使いたい。人が殺し合わないように
クレスたくさんの人が死んで、たくさんの人が涙を流す…。戦争は、悲しみしか生まない
エステル…クレス
クレスもちろん、この願いをかなえるには、星のカケラへ願うだけじゃなく、僕含めみんなの力が必要になるけどね
ルーティペンダントがクレスの言葉に反応している…?
クレス僕をどこかへ連れて行く…みたいだ
クレス光の神殿…?
クレスうん、わかった。行くよ
エステルもしかして、星のカケラと対話しているんです?
ルーティ光の神殿!?あたしも行く!
ルーティうっ、弾かれた…!どういう事?
エステルそういえば、選ばれし者以外は、神殿へは入れないって、言い伝えにあった気がします…
ルーティえー!いかにも金目のモノがありそうな名前なのに…
クレスエステル、ルーティ、ここまでありがとう。僕は神殿へ行くよ
エステルわかりました。気をつけて行ってきてくださいね
ルーティま、駄目な物は仕方ないか…
ルーティあたしの代わりに、珍しいお宝をたくさん持って帰って来るのよ!
クレス二人とも、今まで本当にありがとう。…それじゃ
ルーティ行っちゃった…こんな事なら、ペンダント、もらっとけばよかったわ
ルーティそうすれば、クレスじゃなくって、あたしがカケラに選ばれたかもしれないのに
エステルそれはどうでしょう…わたしはルーティが何をしようと、選ばれたのはクレスだと思いますよ
エステルあの人は選ばれるべくして、選ばれた気がします。あのまっすぐな気性で
ルーティま、そうかもね…
ルーティところでエステルは、これからどうすんの?
エステルそうですね…わたしは世界の姿をこの目で見るため、ここまでクレスに同行してきました
エステルクレスやルーティに色々な話を聞き、サレやダオスと戦い…お蔭で色々な事を知る事ができました
エステルクレスだけに全てを任せるつもりはありません。戦争をやめさせるためにできる事をしたいと思います
ルーティあーあー、お姫様は真面目ですこと
ルーティ…しょーがないわねー。あたしも手伝ってあげるわよ
エステルルーティ……いいんですか…?
ルーティここまできたら、当たり前でしょ?何?あたしは信用ならないっての?
ルーティあ、あんたには謝礼もらわないとね♪
エステル…ありがとうございます!ルーティがいてくれたら心強いです!
エステル(クレス、わたし達も頑張ります。 どうか無事に 帰ってきてくださいね)

NameDialogue
scene1三人の遺跡ハンター
ロイドへー。ここがシザー遺跡かここに、星のカケラがあるんだよな?
リタ断定はできないけどね。可能性はあるはずよ
ロイド昔の人も律儀だよな。降ってきた星のカケラを奉るためにわざわざこんな遺跡を作るなんて
コレット星のカケラって、今まで誰にも見つけられなかったんでしょ?リタはよくわかったね?
リタ別に大した事じゃないわ。昔の文献を漁って記述を見つけ出して…後は推論よ
リタそれに遺跡は全部で4つ。星のカケラがあるとしてもここという保証はないの
ロイドそれを確認するために、わざわざここまで来たんだろ?早く入ろうぜ!
リタ落ち着きなさいよ。あんた、コレットの護衛なんでしょ?一人で先に行ってどうすんのよ
ロイド悪い悪い。つい…
コレットねえ、リタ。遺跡の封印を解くのに神子の力が必要だって言ってたけど、封印ってどこにあるの?
リタさあ。でも、たいていこういうのは一番奥って相場が決まっているわ
コレットそっか。じゃあ、そこまで一緒に頑張ろうね
リタ当然よ。そのために、あんたに声をかけたんだから
ロイドそろそろ、行こうぜ。中は危険だって話だし、離れないようにな
scene2三人の遺跡ハンター
コレットわあ~、遺跡の中って、結構広いんだね~
ロイド結構、暗いな…。二人とも、足元が悪いから気を付けろ
ドテッ!カチッ!ヒュンッ!!
ロイドな、なんだ!?矢が飛んで…
ロイドいや、それより、コレット、大丈夫か?
コレットうん。転んじゃった…。えへへ。ドジだね、私
リタいきなり罠とはやってくれるじゃない
リタやっぱり一筋縄じゃいかなさそうね。その分、期待できそうだけど
ロイドコレットも無事だし、気を取り直して行こう
リタ…そういえば、あんた達、星のカケラについてどれくらい知ってんの?
ロイド確か全部で6個あるんだろ?それを全部集めると願いがかなうとか何とか…
リタ微妙に違うわ。正確には「カケラを手にし、己に打ち勝った真 の選ばれし者だけが神殿に入れる」
リタ「星のカケラが全て揃った時、 我は姿を現し、願いをかなえん」よ
ロイド誰が姿を現すんだ?
リタ言い伝えじゃ、光の使いって事になってる。それがなんなのかは知らないけど
コレットリタはかなえたい願いがあって、星のカケラを探してるの?
リタまさか。あたしは星のカケラが実在するなら、この手で調べてみたいだけ
リタ願い事なんて興味ないわ
リタ普段は勝手に入れない遺跡だし、ちょうど研究所に調査依頼が入ってくれて助かったわよ
リタ北のウィンドルの王様が、カケラ集めに乗り出してるって噂もあるしね
ロイド俺も願い事とかは特にないけど、星のカケラは見つけたいな。宝さがしみたいで面白いもんな
コレット私は、ロイドと一緒に旅ができるだけで嬉しいよ
リタあーはいはい。そういうのは街に戻ってからやって
ロイドあれ…?なぁ、行く手が扉で塞がれてるぞ?行き止まりか?
リタここがこの遺跡の最深部よ。カケラがあるとしたら、あの扉の先のはず
リタコレット、開けられる?
コレットあ、うん。試してみるね
ズズズ…
ロイド扉が開いた!
リタ浮かれないの。まだ当たりかどうか分かんないんだから
ギャオオオオ!
ロイドくそっ、外れか!
scene1偶然の遭遇?
リタさあ、着いたわ。ここが2つ目の遺跡シャイコス遺跡よ
コレット今度こそ、星のカケラがあるといいね~
ロイドそうだな。前の遺跡じゃ、カケラの代わりに魔物が出て来て驚いたもんな
リタ仕方ないでしょ、うっさいわね。文句があるならはっきり書かなかった昔の文献の著者に言いなさいよ
???いよう、ロイドくんにコレットちゃん!
ロイドゼロス!?
リタ誰、こいつ?
ゼロスおっと、自己紹介が遅れたな。俺さまはゼロス・ワイルダー
ゼロスゼロスくんって呼んでね♪
リタふーん…
ゼロスおや~、冷たい反応
ゼロスひょっとしてリタちゃん、俺さまの事、警戒してる?
リタリタちゃんとか言うな!
リタ大体、何であんたがあたしの名前知ってんのよ!
ゼロスそりゃ、リタちゃん有名だからねぇ。シルヴァラントが誇る、天才美少女魔導士として
リタ…あっそ。悪いけど、あたし達急いでるから
リタロイド、コレット、さっさと遺跡に入りましょ
ゼロスじゃあ、またな
ロイドなんだ、行っちゃうのかよ
コレットまたね~
ロイドよし、俺達も行こう!
ゼロス…行ったみたいだな
ゼロスそれじゃ、こちらも行きますかね
scene2偶然の遭遇?
リタ…ねぇ、あのゼロスって奴といつから知り合いなワケ?
ロイドんー…結構前からだぞ
ロイドあいつが妹のセレスと旅に出てたから会うのは久しぶりだな
コレットセレスさんにもまた会いたいね。元気にしてるかなあ~?
リタ…あいつ、あたしらの後をつけてきたんじゃないの?
リタ王都の中とかならともかく、こんな遺跡でバッタリなんて怪しすぎるわ
ロイドたまたまだろ。そういう事もあるって
コレットそうだね!
リタ…あんた達、もう少し他人を疑う事覚えた方がいいわよ。どんな事企んでるかも分からないんだから
ロイド企む…?
リタ例えば、あいつも星のカケラを狙ってる、とかよ
ロイド俺達から盗むって事か?
ロイドあいつがそんな事するわけないだろ!
リタだったらいいんだけどね。今じゃ、誰も彼もがカケラを探してるっていうじゃない
リタ知り合いだからって、そうじゃないって理由にはならないでしょ
ロイドまあ、そう言われればそうだけど
ロイド…でも、ここであったのはただの偶然だ!
ロイド変な目的で俺達に近づくなんて、あいつに限ってそれはないって!
コレットそうだよね。お友達だもんね
リタあんた達ねえ…
リタまあいいわ。とにかく油断は禁物って事。ほら、行くわよ
ゼロス…実はまだ、すぐ近くにいたりしてな
ゼロスそれにしてもリタちゃん、結構鋭いのな。これは不用意に姿を見せないほうがいいか…
リタここが最深部ね
ロイドまた扉があるな
コレットじゃあ、また私が開けられるか試してみるね
ズズズ…
ロイド開いた!
リタ今度こそ…!
ギャオオ!
ロイドまた外れかよ!?
scene1気高き剣士
リタああもう、また外れだなんて!
リタコレット、悪いわね
コレットううん、私、楽しかったよ
コレットああやって、魔物と戦ったりするのって、いかにも冒険してる感じだったしね
ロイドああ。危ない時もあったけど、本当に楽しかったぜ
ロイドそれに遺跡はまだ半分しかまわってないし、これからだ
ロイドそうだろ?
リタあたしは別に冒険がしたい訳じゃないんだけど…
リタでもそうね。これしきで、めげてらんないわ
ロイドところで、次はどこへ行くんだ?
リタ次に目指すサザ遺跡は、ここから南へ少し行ったところにあるはずよ
ロイドもうすぐ日も暮れるし、今日はこの近くのルイニス街に泊まろうぜ
コレットあれ…?
ガアアアアッ!
ロイド魔物!?
ザシュッ!
ロイド
???この辺りに生息する魔物の中には強敵も多い
???油断していると命を落とすぞ
ロイドお前、凄いな!あんな魔物を一撃で倒すなんて
ロイド今の技、どうやったんだ!?
???…僕が初対面の人間に軽々しく技を教えると思うか?
ロイド行っちまったか…ちぇっ。教えてくれてもいいのに
リタ当然の反応だとあたしは思うけど
コレットあの人も同じ方向に向かったみたい。また会えた時に頼んでみたら?
ロイドそれもそうだな。ありがとな、コレット!
コレットえへへ…
リタ…とにかく、ルイニス街へ向かうわよ
scene2気高き剣士
コレットここがルイニス街?落ち着いた感じのところだね
ロイドまずは宿を探すか。飯がうまいところにしようぜ!
???お前達…
ロイドおっ、また会ったな
???あの街道を無事に通って来れたのだとすると、それなりに腕は立つという事か
ロイドへへ、まぁな!
ロイド…あ!そうだ、あの時の技…
街の男リオン、街の北に魔物が出た!手を貸してくれ!
リオン…またか。自分達で何とかしたらどうだ?
リオン何度も言うが、僕はこの街の警備兵になった覚えはない
街の男そう言わないで、頼む!リオンだけが頼りなんだ!
リオン…仕方ない
リオンお前は街の人間を避難させておけ。ケガをしたくなければな
コレットあの人、街の人達からすごく頼りにされてるんだね
リタそりゃあんだけ腕が立てば、頼りにもされるでしょ
リタ本人は迷惑そうだったけど
リタまだ技を教えてもらうの諦めてないみたいだけど、忙しそうだし無理なんじゃないの?
ロイドそうだな…それは仕方ないからいいんだけど…うーん…
コレットどしたの?
ロイドあ、いや、何でもない。…そうだよな、忙しいんじゃ仕方ないよな
ガアアアアッ!
リタこっちにも魔物が!
ロイドくっ…!こっちは俺達で片付けるぞ!
scene1ロイドの考え事
リタさあ、いよいよサザ遺跡に挑むわよ!
コレットわ~、楽しみだね~!
ロイド
リタ遺跡も3つ目だし、いい加減にそろそろ見つかって欲しいもんだわ
コレット星のカケラがみつかるといいね~
ロイド
リタちょっと、ロイド
ロイドん?
リタいつもうるさいあんたにそうやって黙ってられると、それはそれで不気味なんだけど
ロイドあ、そうか。悪いな
コレットロイド、昨日から変だよ?お腹でも痛いの?
リタどうせどっかで変なものでも食べたんでしょ。あんた食い意地張ってそうだもんね
ロイド別にそういうんじゃねーけど…うまく説明できないや
ロイドまあ俺の事はいいだろ。早く遺跡の中に入ろうぜ
コレットあ、うん。そだね
scene2ロイドの考え事
コレットあ、扉があるね。ここが遺跡の最深部かな?
リタみたいね
ロイド
コレットロイド…まだ考え事してるの?
コレット私じゃ頼りにならないかもだけど、よかったら相談に乗るよ?
ロイドごめんな、心配かけて。大した事じゃないんだけどさ
ロイドルイニス街で会ったリオンの事をずっと考えていたんだ。あいつ、立派だったよなって
コレットそだね。口調はそっけなかったけど、街の人のために一生懸命働いてたもんね
リタなによ、立派なあいつと自分を比べて、落ち込んでたってワケ?
ロイドよくわかったな?
リタ馬鹿っぽい…悩んでる暇があるなら、あんたのやりたいようにすればいいじゃない。なんかあるんでしょ
ロイドうーん…
リタ何よ、ないのに悩んでんの?
ロイドないってわけじゃねーけど、何ていうか、その…
リタ…付き合ってらんない。コレット、扉よろしく
コレットあ、うん。
ズズズ…
コレット今度はどうかな…?
ギャオオ!
リタまた!?
scene1束の間の休息
コレット…遺跡の中にいる間に、すっかり日が暮れちゃったね
リタまた外れた…今度こそって思ってたのに
コレット元気出して、リタ。残る遺跡はあと1つなんでしょ?
リタまあね…
コレットきっと、次の遺跡では見つかるよね?
リタ遺跡は4つだけだから、それはそうであってくれないと困るんだけど、できればあそこはね…
コレット…?
ロイドコレット、リタ。すぐそこに空き小屋を見つけたんだ
ロイドこの辺の魔物は強いし、夜道を歩くのは危険だ。今日はそこで休もうぜ
コレットうん、そだね
リタところであんたの悩みはもう解決したの、ロイド?
ロイドしてねーけど…ただ悩んでても仕方ないかと思ってさ。あまり気にしない事にした
リタなによそれ
リタでもそれでいいんじゃない。どうせあんたの頭は難しい事考えるのに向いてなさそうだし
ロイドまあな!
リタ…なんでそこで嬉しそうな顔すんのよ
リタまあいいわ。それじゃその小屋に案内して
コレットなんだかワクワクするね~
ロイド本当だな!よし、じゃあ行くか
リタはあ…いいわね。お気楽で
ゼロスなるほど…
ゼロスあと1つか…
scene2束の間の休息
ロイドふう。飯も食ったし、あとは寝るだけだな
リタあたしは持ってきた文献を調べたいから、もう少し起きてる
リタ邪魔すんじゃないわよ
ロイドコレットはまだ寝ないのか?疲れが取れなくなるから、あまり夜更かししちゃ駄目だぞ
コレットあ、うん。それはわかってるけど…もう少しロイドとお話ししたくって
ロイドそれなら、少し外に出ようか
コレットうん!
コレットえへへ。嬉しいな
コレット明日、最後の遺跡に行ってこの旅も終わりになるのかな?
ロイドそうだなあ…星のカケラが見つかれば、明日で終わりだな
ロイドそしたらすぐに王都メルトキオに戻らないといけないんだろうな
ロイドコレットは元々カケラが見つかるまで、って約束だったし
コレット私、こうやってロイドと一緒に旅ができて、嬉しかったよ
コレットリタには悪いけど、星のカケラがすぐに見つからなくて、よかったって思う
ロイド王都にいる時のコレットは、いつも大変そうだもんな
ロイド神子だから仕方ないんだろうけど
コレットみんなが私を神子だって特別扱いするけど…ロイドだけは昔からずっと一緒だよね
ロイドコレットはコレットだろ。神子だろうとなんだろうと、俺の幼なじみなのは変わらないしな
コレットありがとう、ロイド
コレットあ、あのね。私…ロイドにずっと言いたい事が…
ロイドコレット…
ガサッ
ロイド…うん?
ギャオオオオ!
コレット魔物!?
リタ邪魔すんなって言ったでしょ!ぶっ飛ばす!
scene1消えた神子
ロイドおーい、コレット、リタ、朝だぞー!おーい!
リタうっさい…大声出さないでよ…
ロイドおはよう、リタ!コレットはまだ寝てるのか?
リタそうなんじゃないの?多分…
ロイド起こして来てくれよ。朝飯ができたからさ
リタはいはい…
リタえ、嘘?どういう事!?コレット?コレット!!
ロイドどうした!?
リタコレットがいないの。あんた見てないの?
ロイド何だって!?
リタ布団が冷たい…もう起きてから時間が経ってるみたい。一体どこに行っちゃったの…?
ロイド手分けしてその辺りを捜そう。俺はそっち、リタはあっちを頼む!
リタわかった
ロイドいたか!?
リタいない…どこにも…
ロイドああ、くそ!どこ行ったんだよコレット!
リタ他に行けそうな場所…もしかしたら一人でルイニス街に戻ったとか…?
ロイド何でだよ!?
リタ分からないわよ!あたしに聞かれたって!
ロイド…悪い
ロイド他にアテもないし…とにかく、ルイニス街に行ってみよう!
scene2消えた神子
ロイドはあ…はあ…リタ、大丈夫か?
リタあたしは平気…それより早くコレットを見つけないと…
ロイドくそ…コレットの奴、どうして一人で行っちまうんだよ…
リタ…ねえ、コレットは本当に一人で行ったんだと思う?
ロイドどういう意味だ?
リタだっておかしいと思わない?あたし達に何も言わずに一人でどこかに行くなんて
ロイド…確かに
リタもしかしたら、誰かにさらわれたとか…
ロイドま、まさか!
リタもしそうなら、あたしのせいだ。一緒の部屋にいたんだから…
リタいや、そもそもあたしが、遺跡探索をするからって、コレットを連れ出したりなんかしなければ…
ロイドリタが悪いんじゃない。もしコレットが誰かにさらわれたなら責任は全て俺にある
ロイド俺はコレットの護衛役なんだから。俺がコレットを守らないといけなかったんだから
リタロイド…
ロイドとにかく、急いでルイニス街へ戻ろう。何かわかるかもしれない
リタうん…
ガササッ!
ロイドむ…?
ギャオオッ!
リタ魔物!こんな時に!
ロイド邪魔をするな!
scene1大切な存在
ロイドやっと着いたな。手分けして街の人達に話を聞こう
リタええ
ロイドすいません、そこの人!ちょっとおっとりした金髪の女の子を見ませんでしたか?
街の女…知らないねえ
ロイドあ、すいません、そこの人!
ロイド駄目だ…誰もコレットを見ていない。ルイニス街へ戻って来たのは、見当違いだったのか…?
リオンむ…?
ロイドあ…リオンじゃないか!
リオン…またお前か。相変わらず騒々しいな。何かあったのか?
ロイドそれが、聞いてくれよ!
ロイド実は…
リオンそんな事になっていたとは…。そういえば街に住む狩人から、気になる話を聞いたな
リオンその狩人が今朝、南にあるシーブル村へ向かう街道で、妙な旅人に会ったらしい
リオン旅人は袋に入った大きな荷物を背負っていたが、道中、その荷物に話しかけていたそうだ
リオン生け捕りにした動物に話しかけている奇妙な奴、という話だったが、それがもし人だったとすれば…
ロイドまさか…コレット!
リオン今からすぐに向かえば追いつけるかもしれない。行くなら急ぐんだな
ロイドああ、そうする。貴重な情報をありがとう、リオン!
リオン…行くからには、必ず助けてやるんだな
ロイドもちろんさ!
リオン
リオン…僕は…守れているだろうか…
リタあっ、ロイド!どうだった!?
ロイドリタ、いいところに!重要な情報を手に入れたぞ。すぐシーブル村に向かおう!
scene2大切な存在
ロイド結構歩いたよな。なのに、行けども行けども森だ…
リタそうね。人通りもほとんどないし…いかにも魔物がたくさんいそう
ロイドコレットをさらった犯人がこっちに逃げたんだとしたら、目撃者がほとんどいなかったのも頷けるな
ロイドそれにしても…くそ!一体どこのどいつなんだよ!
リタあのゼロスって可能性はない?
ロイドゼロスが?それはない、あいつは仲間だ
リタ本当に言い切れる?ずっとあたしらに隠れて、こっそり後をついて来てたのかもしれない
リタ星のカケラじゃなく、コレットを攫うために…
ロイド何のために?ゼロスがコレットをさらわなくちゃいけない理由なんてないだろ
リタ誰かの命令で動いてるって可能性は?コレットが神子である事を、快く思わない連中がいるんじゃない?
ロイドうーん…それもどうかなあ…
リタ…とにかく誰だろうと許せない。見つけたら黒焦げにしてやるわ
ロイドとにかく今は、コレットを無事に取り戻す事が先決だ。ほかの事は、あとだ
リタええ、分かってる
ガササッ!
リタ何かいる!
ロイド出やがったか!
scene1海沿いの村、シーブル
ロイドここがシーブル村か。コレットが見つかるといいけど…
???あれ?また旅人?
???この村に、立て続けに来るなんて珍しいなあ
リタまた…?
ロイド俺達の前にも誰か来たのか?
ロイドどういう奴だった?
???赤い髪の男と、金髪の女の子だったよ
ロイドコレットだ!
リタ赤い髪の男って、ゼロスでしょ!?やっぱりあいつの仕業じゃない!
ロイドそんな…
リタで、二人はまだ、この村にいるの?
???いや、もういないよ。ここから東にあるスールズ村に向かったと思う。道を聞かれたから
ロイド東だな?よし、俺達もすぐに向かおう!
リタちょっと待って
リタその二人について、他に何か気付いた事はない?
???…ひょっとしたらあの人、星のカケラを探してたのかも
ロイド星のカケラだって?
???オレの聞き間違いかもしれないけど男のほうが、星のカケラがどうとか言ってたよ
???星のカケラを持っていれば、光の使い・ティルグが願いをかなえてくれるって話だし
リタ伝説の内容が微妙に違うわね…
リタまあ、いいわ。それより、そのティルグって何?
???オレのジィちゃんが言うには、光の使いは「ティルグ」って名前らしいんだ
リタ光の使い、ティルグ…
ロイドリタ!行くぞ!
リタえ、あ、そうね
リタあ、そうだ、あんた、名前は?
シングオレはシング。シング・メテオライト
リタシングね、覚えとく
リタ情報ありがと、恩に着るわ!
シングあわただしい人達だなあ…
scene2海沿いの村、シーブル
ロイドリタはスールズ村の事は何か知ってるのか?
リタ名前くらいね。次に行く遺跡のすぐ近くにあるから、そのうち行くかもとは思ってたけど
ロイド次に行く遺跡…じゃあゼロスの目的は…
リタあいつが本当に行きたいのは、村じゃなくて遺跡のほうでしょ。これだけ証拠がそろえば間違いない
リタコレットを遺跡に連れて行って、星のカケラを手に入れるつもりなのよ、あいつ
ロイド
リタやっぱりあたし達の後を、ずっとつけてたのね…油断した。その可能性もあるってわかってたのに
ロイドもし本当にゼロスの仕業なら…あいつはどうしてそこまでして、星のカケラを欲しがるんだろうな
リタどうでもいいわよ、あいつの事情なんか
ロイドよくない。何の理由もなく、あいつがこんな事をするもんか。きっと、よほどの事情があるはずだ
リタ何でそんなにあいつの肩を持つのよ。いい?あいつは、コレットをさらったのよ?
リタあんた、あいつが旅に出てたって言ってたわよね。これは推測だけど、それってウィンドル王国じゃない?
ロイドどこかは聞いてねーけど…どうしてそう思うんだ?
リタ前も言ったでしょ?あの国の王様も、星のカケラを集めてるって
ロイドゼロスはウィンドル国王の命令で動いてるって事か?
リタかもしれないって事よ
ロイドうーん…どうなんだろうなあ…
ガサッ!
ロイド何かいるぞ!
ギャオオオオ!
リタまた魔物!?
scene1村の外れの協力者
リタやっと着いた。ここがスールズ村か。ずいぶん静かなとこね
ロイドゼロスとコレットは、もうここにはいないかもしれねーけど、一応、村の人に話を聞いてみよう
ロイドもしかしたら新しい情報が手に入るかもしれないしな
リタそうね
ロイドリタ、そっちはどうだった?
リタやっぱり少し前に、それらしい二人組が村を訪れて、そのまま遺跡に向かったみたい
ロイド俺が聞いた話と同じだ。決まりだな。それじゃ俺達もすぐに行こう!
リタ待って。そう簡単にはいかないわ
ロイド何でだよ?
リタどうしてあたしが、この遺跡を最後まで残してたと思う?あそこが一番厄介だからよ
ロイドどういう事だ?
リタあそこの遺跡は、これまでのどの遺跡よりも侵入者撃退のための仕掛けがたくさんあるみたいなの
リタこれは噂だけど、今までに挑んで戻った人は誰もいないらしいわ
ロイドだからって、行かないわけにはいかねーだろ?今更怖気づいたのか?
リタあんたこそ落ち着きなさいよ!闇雲に行くのは危険だって言ってんのもっと情報が必要だわ
リタ村外れの小屋に住んでるヴェイグって人が詳しいらしいの
ロイドじゃあまず、そのヴェイグって奴に話を聞けばいいんだな?よし、行ってみよう!
scene2村の外れの協力者
リタあの小屋がそうらしいわね
ロイド声をかけてみよう。おーい!
???誰だ、お前達…?
ロイドあんたがヴェイグか?
ヴェイグそうだが…なぜオレの名前を知っている
ロイドあんたがこの近くにある遺跡の事をよく知ってるって、村の人に教えてもらったんだけど
ヴェイグヴィズリー遺跡の事か…遺跡目当ての人間に話す事など何もない
ロイド頼む!俺の大切な幼なじみが、遺跡に連れていかれたんだ!どうしても助けないと!
ヴェイグ幼なじみだと…?
ロイドああ
ヴェイグ…。詳しい話を聞かせてもらおうか
リタなによ、幼なじみって言った途端、急に態度が変わったわね…
ヴェイグなるほど…そういう事か…
ロイド遺跡の中にある仕掛けについて、教えてくれないか?
ヴェイグああ、いいだろう…。だが、オレが仕掛けを突破したわけじゃない
ヴェイグ…オレがこれまで調べたところでは、あの遺跡で特に難所とされる仕掛けは三つある
ヴェイグ一つ目は「登れずの壁」、二つ目は「抜けれずの回廊」、三つ目が「通れずの扉」だ
ロイド「登れずの壁」に「抜けれずの回廊」「通れずの扉」か…
ヴェイグ神子の力なしで、これらの仕掛けを突破するのは至難の業だろう
ロイドそれでも、行くしかない。色々聞かせてくれてサンキュー
ヴェイグ…幸運を祈る
ロイド話が聞けてよかったな
リタそうね。後は早く遺跡に向かいましょ
ギャオオッ!
ロイドまた魔物か!そこを通らせてもらうぜ!
scene1最後の遺跡へ
リタスールズ村で聞いた話が本当ならコレット達は、このヴィズリー遺跡にいるはずだけど…
ロイドここが…。これまで行った、どの遺跡よりも、でかそうだな
リタ規模だけじゃなくて危険度もよ。忘れないで
ロイドでも、コレットがここにいるなら俺は行く
リタヴェイグから聞いた話以外にも、ここには何があるかわからない。油断しないでよ
ロイドああ、わかってるさ
ロイドそれじゃ、さっそく…
ロイドうん?あれは…
リタ遺跡の中から誰か出て来た…?
冒険者あんた達、この遺跡に入る気か?魔物と仕掛けだらけで、命がいくつあっても足らんぞ。やめとけ
ロイドなあ、あんた。赤い髪の男と、金髪の女の子を見なかったか?
冒険者なんだ、あいつらの知り合いか?それならさっき来て入って行ったよ。散々やめろって言ったのに
ロイドやっぱりここか。よし、俺達も急ごう!
リタそうね
ロイドコレット、今行く!もう少しの辛抱だからな。待っててくれ!
冒険者どうなっても知らねえぞ!
scene2最後の遺跡へ
グオオオッ!
ロイドはああっ!
リタ吹っ飛べ!
ギャウウーーーン!
ロイドまったく…次から次へと魔物が襲ってくるな
リタロイド!足もと!
ロイドうおっ!?
ジャキン!
ロイド床からいきなり槍が飛び出してきた…危うく串刺しになるところだった
ロイドリタのおかげで助かった。サンキュー
リタ魔物も多いし、仕掛けも多い…聞きしに勝る厳しさね
ロイドゼロスとコレットもここを通ってるんだよな。無事でいてくれよ…
リタヴェイグも話していたように、向こうは神子の力がある分、あたし達より通りやすいのかも
ロイドそうだな…あっちは神子が二人だしな
リタ神子が二人?
ロイドああ、言ってなかったっけ?ゼロスもコレットと同じ神子なんだよ
リタあいつが神子…って、早く言いなさいよ、そういう事は!
リタでも待って…だとしたらゼロスがコレットをさらった理由ってなに?
リタあいつも神子だっていうなら、遺跡の封印はコレットがいなくても自分で解く事ができるはずじゃない
リタ……
リタ足止め…?あたし達はコレットが居なければ封印を解く事ができない
リタそれを見越してあいつはコレットをさらったのかも。あたし達がカケラの元へ辿り着けないように…
ロイドうーん…
ロイド
ロイドもし…もし仮にリタの推測通りだったとしても、きっと何か理由があっての事だ
ロイドあいつは、そんな簡単に仲間を裏切るようなヤツじゃない。俺はやっぱりそう思うんだ…
リタまだそんな事言ってんの?あんたいい加減に…
ギャオオオオ!
ロイドまた出たか!
scene1登れずの壁
リタ…ねえ、あんたとコレットって、昔からずっと一緒なんだっけ?
ロイドああ、幼なじみだからな
ロイドコレットに神託が下って、神子候補になる事がなければ、今も故郷にいただろうな
リタコレットが神子候補になった時点で、よく疎遠にならなかったわね。住むところも変わったんでしょ?
ロイドコレットが王都に行く事になって、一人じゃ心細いって言うから、俺も護衛役でついて行ったのさ
リタふーん。それで今も一緒ってわけ
リタなるほど。だからあんたはそこまで必死なワケね
ロイドそうさ。だから何としても、俺があいつを守ってやらないと
ロイドそういえば…ヴェイグの言ってた三つの難所って、もう越えたのかな?
リタそんな都合よくはないでしょ。きっとこれからよ
ドドド…
ロイド何の音だ?
リタ分からない。何だか地響きみたいだけど…
ドドドドド…
ロイド
ロイド奥に進むにつれて、どんどん音が大きくなっていくみたいだな…
リタこの先に一体何があるっていうの…?
scene2登れずの壁
ドドドドドドドド…!
ロイドこれは…滝じゃないか!音と地響きの正体はこいつか!
リタ遺跡の中にこんな大きな滝があるなんて…
ロイド滝の流れ出しているところに先へ進めそうな通路があるけど、あそこまでどうやって行くんだ?
リタなるほど、これが一つ目の試練ってワケね。確かにこれは登れない壁だわ
ロイド何かいい案はないか?
リタそうね…これだけ水の勢いが強いと、無理矢理登るわけにもいかないし
ロイドこういう滝って、割と裏側に抜け道があったりするものだけど、ここはどうなんだろうな?
リタそんなありがちで都合のいい話が、簡単にあるわけ…
ロイド…あった
リタえ?嘘!?
ロイドほら、目を凝らしてよく見てみろよ。滝の向こう側に洞穴みたいなのが見えるだろ?
リタ…本当。なによこれ。考え過ぎて損したじゃない
ロイドな?上の通路は見せかけで、滝の裏側が本当の道なんだよ
ロイドそうと決まれば話は簡単だ。さっさと先へ進もうぜ
リタ…ちょっと待って。洞窟から何か出て来る!
ロイド何っ!?
ギャオオオオッ!
ロイドこいつは!
scene1抜けれずの回廊
ロイドやっと魔物を倒して、滝の裏側に進めたな
リタ一つ目の難所の正体は滝そのものじゃなくって、むしろあそこにいた魔物だったみたいね
ロイドそうみたいだな。まあとにかく、無事に越えられてよかったよ
ロイド次は「抜けれずの回廊」だっけ?そこもさっさと突破しようぜ
リタ抜けれずの回廊か…言葉通りなら、道が複雑で、迷いやすくなってる、とかよね
ロイドそういう時は右手を壁に当てて、離れないようにしながら進むといいって親父に聞いたな
リタ確かに、ただの迷路だったら、そのやり方でいつか出口までたどり着けるけどね
リタわざわざ二つ目の難所っていうからには、そんな簡単じゃないでしょ
ロイドおいおい、脅かすなよ
リタ…?
ロイドどうした? 急に立ち止まったりして
リタここ、さっきも通らなかった?
ロイドまさか。俺達ずっと前に進んで来て、一歩も引き返したりしてないだろ
リタ…間違いない。ここの壁の割れ目に見覚えがある。あたし達、前もここを通ってる!
ロイドそんな…一体どうなってんだ?
リタそしてあたしの記憶が確かなら、次の角を曲がってすぐの床に、大きな石が転がってるはず…
ロイド…確かめてみよう
リタ見て!
ロイド本当に石が転がってた…あれなら俺も見覚えがあるぞこれってつまり…
リタ…あたし達はもう、「抜けれずの回廊」にいるって事ね
scene2抜けれずの回廊
ロイドまただ…また同じところに戻っちまった
リタ後ろに引き返す事はできても、先へは決して進めない…まさに「抜けれずの回廊」ね
ロイドくそ。何とかならないのか?さっきみたいに、抜け道みたいなものも見当たらないし…
リタたぶんこの回廊のどこかに、仕掛けを解除するスイッチのような物があるんだと思う
リタそれでさっきから、あちこち注意して見てるんだけど、こうも見た目が似てると…
ロイドスイッチか…せめて何か目印でもあればな…よっと
ロイドこうやって目線を下げたら、何か見えてくるといいんだけど…
ロイドん…?
リタどうしたの?滝の時みたいに、また何か見つけた?
ロイドあそこの壁の下のところから、鎖みたいな物が出てる…
ロイドこれは…コレットの首飾りの鎖だ!
リタ本当に!?
ロイド俺があげた物なんだから間違いない。でもどうして、これが壁の下から出てるんだ?
リタもしかしたらこの壁の向こうに抜け道があるのかも。近くを探してみて!
ロイドわかった。ええと…スイッチ…スイッチ…
ロイドあったぞ!ここにはまってる石だけ、奥に押し込めるようになってる!
リタ押してみるわよ!
ガコン!
ズズズズズ…
ロイド壁が開いて…向こうに別の通路が!
リタやっと見つけた…これで回廊を抜けられるはず!
ロイドやっぱりコレットの首飾りだ。きっと目印として、ここに置いといてくれたんだな
リタええ、きっとそうね
ロイド…サンキュー、コレット。すぐに追いつくからな
ガルルルル…!
リタ魔物…!
ロイドそれがどうした!
scene1通れずの扉
ロイドあの回廊を抜けてからは、順調だな
リタあれからかなり進んだし、もうだいぶ奥まで来てるはずだけど…
リタそういえば回廊で拾ったコレットの首飾り、ちゃんと持ってる?
ロイドもちろん。コレットに返さないといけないしな
リタならいいけど。ちゃんと大事に持ってなさいよ
ロイド残る難所は一つか。「通れずの扉」…どんな仕掛けなんだろう?
リタ普通に考えたら、開かない扉が道を塞いでて、開け方を探さないと行けないってパターンね
リタ時間を取られそうで、嫌な予感がするわ
ロイドカギが開かないっていうなら、ぶっ壊せばいいだけだろ。簡単な話さ
ロイドドワーフの誓い第16番、「成せばなる」だ!
リタ…呆れた。馬鹿なんだか、素直なんだか
リタけど、あんたのその単純さのお陰で先に進めた面があるのも確かね。次も一応、期待はしとくから
ロイドおう、任せとけ!
リタそれじゃ、行くわよ
scene2通れずの扉
ロイドこいつは!?
リタ魔物!
ロイドおや…?
ロイドこいつ、よく見たら寝てる。起こさないように進んだら、横をすり抜けられるんじゃねーか?
リタちょっと本気?そんなのうまくいくワケ…
ロイドとにかく試してみよう。そーっと、そーっと…
リタ
グオオオオ!
ロイドうわあっ!駄目か!
リタこの魔物…ロイドが離れたらまた寝た。どうなってるの?
ロイドもしかしてこいつが、三つ目の難所なんじゃねーか?
リタ確かに、通路を通せんぼするみたいに塞いでるけど…扉ってそういう事?
ロイドもう一度横を抜けられるか、試してみよう。そーっと…そーっと…
リタ
グオオオオ!
ロイドやっぱりそうだ。こっちが横を抜けようとすると起きて攻撃してきやがる
リタだったら、あたし達の取る手は…
ロイド決まりだな。「成せばなる」だ!
リタ当然!ここまで来て、引き返すなんて冗談じゃないわ
ロイドじゃあ今度は同時に行くぞ!
グオオオオ!
scene1信じる気持ち
ゼロス向こうにでかい扉が見えるな。どうやら一番奥まで来たらしい
コレット
ゼロス俺さまを罵っていいんだぜ、コレットちゃん。俺さまはそれだけの事をしたんだ
ゼロスそれでも…扉の封印は、解いてもらうけどな
コレット…?封印は神子の力で解けるってリタが言ってたよ
コレットゼロスも神子なんだから自分で解けるよね?
ゼロス
ゼロスさすがのリタちゃんでもこの情報は知らなかったか
ゼロスこの遺跡の扉はこれまでのとは違う…同じ神子でも俺さまじゃ開ける事はできない
ゼロスこの扉を開けれるのは、神子の中でも特別なチカラを持つコレットちゃん、ただ一人――…
ロイド見つけたぞ、ゼロス!
リタ今すぐコレットを返しなさい!
コレットロイド!リタ!
ゼロスあいつら…追いついて来やがったのか!
ゼロスけっ、ここまで来て、捕まってたまるかよ!
ロイドあ、こら、逃げた!
コレットロイドー!
ロイドコレット!今助ける!
scene2信じる気持ち
ロイドゼロス、ここまでだ!
ゼロスくっ…
コレットロイド…
ロイドコレット、遅くなってごめん。もう大丈夫だから
コレットうん!
リタさっさとコレットを返しなさい。おとなしく従うなら、少しは温情をかけてあげるから
ゼロス温情ね…さしずめ死刑が永久禁固になるくらいか?神子の誘拐は重罪だろうしな~
ロイドとにかく、まずはコレットを離せ。それから話し合おう
リタ話し合う?あんた、何言ってんの?
ゼロスリタちゃんの言う通りだぜ、ハニー。今更、俺達の間で何を話すんだよ?
ロイドゼロス、お前がこんな事をしたのにはわけがあるんだろ?
ロイドそのわけを知りたいんだ
ロイド困ってるなら相談に乗る。俺達、仲間だろ?
リタロイド、あんたねえ…
ゼロス
ゼロスくっ…、くくく…!
ゼロスハニー。お前は本当にいい奴だな。今の言葉を聞いて、俺さま…
ゼロス…すげえむかついたぜ
ゼロス相談に乗る?仲間だろ?嘘をつけ。本当は腹の中で、俺に腹を立ててるんだろ?
ゼロスだったらそれをぶつけてみろよ。この期に及んで善人ぶんな。ぶちのめしたけりゃぶちのめせ
ゼロスでないと…俺さまがぶちのめすぜ?
ゼロスてやっ!
リタきゃっ!?
ロイドゼロス…本気なんだな
ゼロス冗談でこんな事ができるかよ!
ロイドよし。わかった。俺も、本気でお前と戦おう
コレットロイド、それは…!
ロイドただし!俺が戦うのは、あくまでお前の目を覚ますためだ!
scene3信じる気持ち
ゼロスうぐ…
リタコレット、こっちへ!怪我はない?
コレットう、うん。だいじょぶ。二人とも、助けに来てくれて本当にありがとう
ロイドさあゼロス、わけを聞かせてもらうぜ
ゼロスどうしてそんなにしつこいんだよ…
ロイド何度も言ってるじゃないか。仲間が困ってるんだぞ。力になりたいと思うのは当然だろ?
ゼロスバカか…いつまでそんな寝言を…
ロイドバカはお前だ、ゼロス。お前だって今まで俺の事を、ずっと友達だって言ってただろ?
ロイド友達ってのは、そんなに軽いもんじゃないんだ。そう簡単にやめられるかよ
リタ…どこまで単純なのよ、あんた
コレットそうだね。でもこれが、ロイドなんだよ
ゼロス
ゼロス…セレスが重い病にかかっちまった
コレットセレスさんが!?
ゼロス俺達はこの間まで旅に出てたんだ。途中、ウィンドル王国内にあるイニル街ってとこに辿り着いた
ゼロスその街に居座ってしばらく経ったある日、急にセレスが原因不明の病にかかっちまってな
ロイド原因不明の病…
ゼロスもちろん、ありとあらゆる手を尽くして治そうとはした。でもどうやっても駄目で…
ゼロスそんな時、ウィンドルの国王から使いが来て、ある取引きを持ちかけられたのさ
リタ「シルヴァラントにある星のカケラを 持って来たら、妹を治療してやる」とでも言われたわけ?
ゼロス…まあな
コレットひどい…人の弱みにつけこむなんて
ロイド…話はわかった。じゃあ、ここにある星のカケラを持っていくといい
リタちょっと!
ロイド人の命が懸かってるんだぞ。カケラだって誰かの役に立てるほうが嬉しいさ。コレット、頼む
コレットうん、わかった
ズズズ…
ロイドよし、扉は開いた。今度はどうだ?
ロイドこれは…笛?
リタ星のカケラは…どこ?まさか…この笛についてる石が…!?
コレット光り出した…?
ロイドうっ、眩しい…!
ロイドこの光は…ど、どうなってんだ?
ゼロスこの光輝く石はまさか…
リタ…!これって……
リタもしかしてロイド、あんた、真の選ばれし者になったんじゃない?言い伝えの内容、覚えてる?
コレット「カケラを手にし、己に打ち勝った者 だけが、真の選ばれし者として神殿 に足を踏み入れる資格を得ん」…
コレットロイドが…真の選ばれし者に…?
ゼロスこれが、星のカケラ…
ロイドマジかよ!?何で俺が…一体、どうすりゃいーんだ?
リタそんなの決まってるでしょ。言い伝え通り、光の神殿に行くのよ。選ばれし者にしかできないんだから
ロイド行くったって、どうやって…
コレットカケラが光ってるよ。任せろ、って言ってるみたい
ロイドそうか…
ロイドどうして俺なのかわからねーけど…選ばれたからには、俺にしかできない事があるのかもな…
ロイドよし、じゃあ俺、光の神殿に行って来る
ロイドゼロス、悪いけど、カケラを渡すのはもう少し待ってくれ
ロイドその代わり…セレスの病気の事も、俺がきっと何とかするから
ゼロス……
ゼロスセレスの命がかかってるとはいえやっちゃいけない事をしたってのは自覚してるつもりだぜ
ロイド…ゼロス
ゼロス…俺さまの事は気にすんな。もし光の使いに会えたら、ついでに願ってくれればいいさ
ロイドコレット、ごめん。すぐに帰って来るから
コレット私の事なら、だいじょぶ。ロイドこそ、気をつけてね
リタ神殿に行ったら、中がどうなってるかちゃんと見て来るのよ!帰って来たら聞かせてもらうから!
ロイドああ、わかった。それじゃ!
ゼロス行っちまった…本当に大丈夫なのかよ
コレット平気だよ。ロイドは約束した事を、必ず守ってくれる
リタさてと、ここで待っててもしょうがないし、あたしらも外に出ましょ
リタ…あんたも来るんでしょ
ゼロスへいへい
リタさて、と。とりあえずスールズ村まで戻ってきたわね
リタひと休みしたら、コレットを王都まで送り届けるとして、ゼロス、あんたは…
???すいません!この村の人ですか?
リタえ?違うけど…
ゼロスレイアちゃーん!こんなところで会うなんて、偶然~!
レイアゼロス!?
コレットゼロスの知り合い?
ゼロスああ。ウィンドルの王都に行った時に会ったのさ
ゼロスレイアちゃん、元気してたかい?その様子じゃ、まだメルディちゃんを捜してるのかな?
レイア当たり。全然手がかりがなくって…あの子、一体どこへ行ったんだろ
レイアあ、ところでゼロス知ってる?イニル街の奇病が原因がわかったって
ゼロス何…?それは本当か!?
レイアうん。旅の途中で会った、ミラって人に聞いたんだけど
レイアしかも、その原因もすでに取り除いてくれたみたいだから、街の人も、もう大丈夫だと思うよ
ゼロスそれが本当なら…こうしちゃいられない!
ゼロスすぐに戻らないと…でも…
コレットいいよ、ゼロス。セレスさんのところへ行ってあげて
ゼロスすまない、コレットちゃん!恩に着るぜ。この借りは必ず返すから!
レイアちょっと、ゼロス!?
リタいいの、コレット?あんただってあいつにひどい目に遭わされたのに
コレットこれでいいんだよ。ロイドがいたら、きっと同じようにしたと思う
コレットロイド…無事に戻って来るのを、待ってるからね

NameDialogue
scene1旅立ちの日
インゴベルト六世…………
ルークどうしたんですか、伯父上。深刻な顔をして
インゴベルト六世おお、ルークか。うむ、我がキムラスカが置かれている状況はお前も知っていよう
ルーク状況?なんか起きてるんですか?
インゴベルト六世…ア・ジュールとウィンドル、さらにはシルヴァラントに不穏な気配があるのだ
インゴベルト六世もしこのまま戦争にでもなれば国境を接する我が国もただでは済むまい
インゴベルト六世キムラスカには野心などない。だが他国はそう思わぬかも知れん。それで悩んでいるのだよ
ルーク戦争…マジかよ
インゴベルト六世すまんが、一人にしてくれ。この問題についてもっとよく考えてみなければならんのだ
ルーク伯父上の心配は戦争か。国王ってのはめんどくせーもんだな
ルーク他の国がキムラスカも敵だって思うかもしれねえなんて…冗談じゃねえ、ふざけやがって
ルーク…ん?けど待てよ…
ルーク…だったら誰かがそいつらのとこに行って、俺達が敵じゃないって教えてやればいいんじゃねえのか?
ルークもし、それを俺がやってのけたら…それって英雄だよな
ルーク王族の俺が親善大使として行けばそいつらだって文句ないだろ
ルークへへ…よし、やってみるか!
scene2旅立ちの日
ルーク…で、出てきたのはいいけどよ
ルークなんで、お前がいるんだ、このブタザル!
ミュウご主人様がお出かけするなら、もちろんボクもついていきますの!
ルークだーっ!邪魔だ、邪魔。お前なんかいたって仕方ねえっつーの!
ルークとっとと帰れ!いいな!
ミュウみゅうぅぅ…分かったですの。さよならですの…
ルーク……
ルークたく…今さら引き帰して伯父上にでも見つかったら面倒だし…
ルークあーもー分かった!ついてきていい!その代わり、絶対邪魔になるなよ!
ミュウはい、ですの!
ミュウご主人様と旅ができてボクはうれしいですの!
ルーク…やっぱむかつく。だいたい親善大使なのにこんなのしかお供がいないとかありえねー
ルークこうなったら誰かよさそうなやつ見つけて、お供に加えてやるか。そうすりゃもう少し格好つくだろ
ルークで、ア・ジュールとウィンドル、シルヴァラントか。どっから行くかな…
ミュウ!ご主人様、危ないですの!
ルークあ?どうした、ブタザル?
ルークな、ま、魔物?何でこんなところに!
scene1スカウト開始!
ティアお呼びでしょうか、陛下
インゴベルト六世うむ、現在、隣国間で緊張が高まっているのは知っているな
ティアはい。いつ戦争が始まってもおかしくはない状態だと
インゴベルト六世それだけでも十分問題なのだが、新たな問題が生じてな。それでお前を呼んだのだ
ティア私を?私は外交官ではありませんが…
インゴベルト六世分かっている。実はルークが一人で勝手に我が国の使者として隣国に向かったようなのだ
ティアルークが!?無茶です!それこそ外交経験もないのに、そんな…
インゴベルト六世だから教育係のお前を呼んだのだ。何かおかしな事をしでかす前にルークを見つけて連れ戻して欲しい
ティアすぐに後を追います。…ルーク、なんて事を…
ルークさてと。王都を出る前に、お供をスカウトしねーとな
ミュウ誰かあてはあるんですの?
ルークそんなのねーけど、俺が誘えば誰も断らねーだろ。親善大使のお供は光栄な役目だしな
???はあ…はあ…
ルークお、エミルじゃねーか
エミルやあ、ルーク
ミュウ知り合いの方ですの?
ルークああ。エミル・キャスタニエつってな。うちの騎士やってんだ
ルークそうだ、エミル
ルークお前俺のお供にしてやる。うれしいだろ?
エミルあ、ごめん。僕、今ちょっと忙しいんだ。話は後にしてもらえる?
ルークあ、おい、エミル、待てよ!
ミュウ行っちゃったですの…
ルークな…
ルークなんだ、あいつ!せっかくこの俺が誘ってやったのに、話もろくに聞かねーなんて
ミュウあの人、忙しいって言ってたですの。それなら仕方ないですの
ルークうるせー!あいつの肩を持つんじゃねーよ!
ミュウみゅう…
ルークこのままじゃ収まらねえ。追いかけるぞ、ブタザル!
ミュウみゅうぅぅ、ご主人様、待ってくださいですの~
scene2スカウト開始!
エミルふう…これで一段落かな
ルークおい、エミル!人の話を勝手に打ち切って、いなくなるんじゃねえっつーの!
エミルごめんね。街に魔物が出て、それを退治するよう命令を受けてたからさ
ルーク…しょうがねえな。まあいい
ルーク今からア・ジュールとウィンドルとシルヴァラントに行くからお前も来い
エミルア・ジュールとウィンドルとシルヴァラント…?それって世界中って事じゃない!?
エミルいきなり言われても困るよ…。騎士の仕事もあるし、それにこれから約束が…
ルーク約束?そんなもんほっときゃいいだろ。この俺が頼んでるんだ。嫌とは…
???エーミル♪
エミルマルタ?どうしてここに?待ち合わせをしたのはここじゃないよね?
マルタキミが走ってくのが見えたから後を追いかけて来ちゃった。魔物を退治するとこも見てたよ
マルタすっごくかっこよくて、うっとりしちゃった…やっぱりエミルって最高だよね
ルークおい、俺を無視すんな!エミル、お前の言ってた約束ってまさかこいつかよ
エミルあ、うん。マルタの買い物に付き合う事になってたんだけど
マルタデートだよ、デート。私、今日をすっごくすっごく楽しみにしてたんだから
マルタ最初にお買い物をして、その後はお茶するでしょ。それから~…
ルークおい、人の話聞けよ!
マルタねね、早く行こ、エミル!
エミルあ、ちょっとマルタ、腕を引っ張らないでよ!
ルークあ、おい!
ミュウ行っちゃいましたですの…
ルーク…な、なにがデートだ、ベタベタしやがって、あんなやつらこっちから願い下げだっつーの
ルークこうなったらもう供なんかいらねえ。俺一人でなんとかしてみせるぜ。行くぞ、ブタザル!
ミュウ
ミュウご主人様、残念そうですの…
ルークうるせーぞブタザル!
グルルルル…!
ミュウまた魔物ですの!
ルークこんな時にうぜーんだよ!
scene1異国の少女
ルークんじゃ、行くか。まずはそうだな…手近なとこでシルヴァラントにするか
ミュウはいですの!
ルークったく結局お供はブタザルだけかよ
ルークまさかホントに誰もつかまらねーとは思わなかったぜ
ルークあーあ、どっかに気の利いたお供はいねーのかよ
???アンルリ!トゥヤ ムエトゥン ウスメルディ!
ルークな、何だこいつ?
???ウ グイティ ルイスティバアンディン エトゥ ウ?ア・ジュール?
ルークはあ?何言ってっかわかんねーよ。普通の言葉でしゃべれっつーの!
???バイバ!ついうっかり…ごめんな
メルディはじめまして、メルディだよ!今聞いたが事は「ここはア・ジュールですか?」だよぅ
ルークア・ジュール?んなわけねーだろ。ここはキムラスカだっつーの!
メルディキムラスカ…?また間違えたよ…メルディ、いつになったらリンネル村が帰れるか…
ミュウもしかして、迷子ですの?
メルディはいな。メルディ、ア・ジュールのリンネル村に帰りたいよ
メルディでもどうしてもたどり着けなくて…ずっとあっちへ行ったり、こっちへ行ったりしてるよ
ミュウみゅううぅう…おうちに帰れないのはかわいそうですの…
ミュウご主人様もア・ジュールに行くって言ってたですの。だから一緒に行くといいですの!
ルークな、おめーブタザル!勝手に言ってんじゃねーよ!
メルディバイバ!二人はア・ジュールへ行くのか?
メルディだったらメルディが事も、連れて行ってほしいよ!
ルーク冗談じゃねーぞ。なんで俺が…
メルディメルディ、頼めるが人、他にいないよ…
ミュウご主人様…
ルークだー、もう、うぜー!連れてきゃいいんだろ、連れてけば!
ルークその代わり他を回った後だからな!
メルディワイール!ありがとな!
ミュウよろしくですの!こちらは、ご主人様のルーク様。ボクはミュウですの!
メルディルークにミュウ…はいな!よろしくな!
scene2異国の少女
ルークったくなんでこう変な奴ばっかついてくんだ、うぜー…
メルディメルディ、ヘンじゃないよぅ。メルディはメルディ。ルークとミュウが頼り!
メルディシルヴァラントの後でいいから、メルディが事、ア・ジュールに連れて行って欲しいよー
ルークしょーがねーな…じゃあ特別に、俺のお供に加えてやる
ルーク親善大使のお供だぞ。光栄に思えよ
メルディはいな!
ルーク本当にわかってんのかよ…
ミュウお供が増えてよかったですの~
メルディところでルーク、胸のところが何かついてるよ。それ、何か?
ルークこいつか?見りゃわかんだろ。勲章だよ
ルーク俺は親善大使なんだから、見た目もそれらしくしねーとと思ってよ。家にあったのを持って来たんだ
ルークなんの勲章かは知らねーけど、父上のじゃなさそうだったし、別にいいだろ
ミュウとってもきれいですの~。ご主人様、よくお似合いですの
メルディ家があったクンショウかー。あんまりキレイだから、メルディ、星のカケラかと思ったよー
ルーク星のカケラ?なんだそりゃ
ミュウミュウも聞いた事あるですの。どこかに現れた光の神殿に入るのに必要だってみんな話してるですの
ルークそういや、父上と母上もそんな話言ってた気がすんな。神殿に行くと願いがかなう、とか
メルディ「星のカケラが全て揃った時、 光の使いが現れ、願いをかなえん」
メルディメルディが聞いたのは、そんな話だったよ
ルークふーん、どうでもいいや。別に欲しいものなんてねえし
ルークだいたい、頭下げて頼むなんて俺はごめんだっつーの
メルディルークは頼むが嫌いか。すごいなー
ミュウきっぱりしてるですの
ガルルルル!
メルディバイバ!魔物だよぅ!
scene1ルイニス街の用心棒
ルーク…いつのまにかシルヴァラントに入ってたのか
ルークずっと歩き通しで疲れたな。この街で一休みしようぜ
メルディメルディ、お腹すいた~
ミュウ向こうに果物を売ってるお店があるですの
ルークそういや、俺も喉が渇いたな。ちょっと覗いてみるか
店主へい、らっしゃい。リンゴはどうだい?甘くてうまいよ
ルークリンゴか。どれ…
ガリッ
ルークうん、なかなかだ。一つもらっていくぜ。じゃあな
店主ちょっとお客さん!お金!
ルーク何で俺が払うんだ?そういうのは屋敷からまとめて支払いが…
ルーク…そっか、ここはもうキムラスカじゃないんだった
ルーク面倒くせーな
店主あんた達、まさか代金を踏み倒す気じゃねえだろうな?
ルークな…!人聞きの悪い事言うんじゃねーよ!
街の男魔物が出たぞ!みんな逃げろ!
店主またか!最近は一体全体、どうなってやがんだ!
店主あんた達、さっさとどこかへ行ってくれ!店じまいするんだからさあさあ!
メルディこの辺、魔物がよく出るのか?みんな大変そうだなー
ルーク
ミュウご主人様、どうしたですの?
ルークくそ、さっきの店の奴、人を泥棒扱いしやがって…!
ルークこんな街、とっととおさらばしてやる。行くぞ!
メルディ街のみんなが困ってるよぅ!みんなが事は助けなくていいか?
ルークけっ、誰がそんな事するかよ!
scene2ルイニス街の用心棒
???
ガルルルル…
ルークあんなとこで魔物と戦ってる奴がいるな
メルディバイバ!あの人、一人で戦おうとしてるよ
ミュウご主人様、助けてあげないんですの?
ルークへっ、なんで頼まれてもいねーのにそんな事しなきゃなんねーんだよ
ギャウウ!
ミュウ一撃でやっつけたですの!
ルークす、すげえ…
メルディバイバ!すごいチカラ!ルーク、もしかしてあのヒトがチカラの事、わかってたか?
ルークま、まーな
メルディルーク、声がヘン。どしたか?
???お前達、旅人か?
???二日連続で旅の者が街を訪れるとは、珍しい事もあるものだな
???(確か昨日来たのは 二刀流の剣士と魔導士、 それにあともう一人だったか…)
???…お前達は何の用でここへ来た?
街の男ありがとう、リオン。魔物をやっつけてくれて助かったよ
リオン毎日毎日…いい加減にしろ。僕は街の警備兵になった覚えはないと何度言えばわかるんだ
街の男いや、本当に恩に着るよ。リオンがいなかったら、この街はとっくに滅びてる
リオン何度も言うが好きでやっているわけじゃない。勘違いするなよ
リオンああ、お前達。この辺の魔物は強いやつも多いから気を付けろ。別の旅人にも言った事だが
メルディあの人、この街のヨージンボーか何かか?
ルークああ?俺が知るかよ
ルークくそ、なんか面白くねーぞ…さっさとこの街を出ようぜ
街の女また魔物だわ!
ルークマジかよ、こっちに来やがった!
scene1森に住む少女
ルークったく、前の街じゃ魔物の相手する羽目になって散々だったぜ
ルークシルヴァラントの王都、メルトキオっつったか?まだ着かねーのかよ…
ミュウご主人様、地図を見てるといいと思うですの!
ルークっせーぞ、ブタザル!俺に指図すんじゃねーよ!
ルークだいたいこの地図がいけねえんだ。ごちゃごちゃ分かりづれーっての
メルディルーク、ミュウ、こういうのがよくある事。心配しなくても何とかなるよぅ!
ルークずっと迷子だったお前が言うなっつーの
ミュウご主人様、あそこに小屋がありますの!
ルークちょうどいいや。誰か道知ってる奴がいねーか訪ねてみるとすっか
???誰ですか…?
ルークお、いやがった。お前、ここに住んでんのか?
???…はい…
ルーク何だよ、無愛想な奴だな。まあいいや。王都メルトキオはこの辺じゃないのか?
???…違います
ルーク
???
ルーク
ルークだーっ、それだけかよ!違うなら違うで、正しい行き方を教えろっつーの!
???王都へ行くには…ここをまっすぐ…次に右へ…それから…
メルディルーク、覚えたか?
ルークお、俺に聞くなよ…
ルークそうだお前、王都まで案内しろ
ルーク俺はキムラスカの親善大使だ。光栄に思えよ
メルディルーク、この人ここ住んでるよ。一緒が行くの、きっとむずかしいよ
???…わかりました
メルディワイール!ほんとうか!?
???はい…では、行きましょう
scene2森に住む少女
ルークそういや、お前、名前なんていうんだ?
プレセア名前は…プレセア・コンバティールです
プレセア…あの、みなさんは?
ルーク俺はルーク・フォン・ファブレ。キムラスカの公爵家の跡取りで、親善大使だ
ルーク驚いたか?
プレセアそうですか…
ルーク何だよ…張り合いねーな
メルディメルディだよ。ヨシロク…じゃなくてヨロシクな!
ミュウチーグル族のミュウですの。よろしくお願いしますの
ルークプレセアは、何であんな小屋で暮らしてんだ?
プレセア私は木こりです。神子の神殿に、神木を収める仕事をしているので…
ミュウ一人で住んでいるですの?
プレセア…はい
メルディ一人かー。誰もいないは、さびしくないか?
プレセアさびしい…?そういうのは、よくわかりません
ルークお前、変わってんな…
ガサッ
ルークん…?
プレセア魔物…。危険です
ギャオオッ!
ミュウ本当に出たですの!
プレセア…殲滅します
scene1シルヴァラントの司祭
ルークここがシルヴァラントの王都メルトキオか
プレセア…はい
メルディワイール!大きくて、賑やかが街だなー!
ルークけっ、これくらい、キムラスカの王都バチカルに比べたら大した事ねーよ
ルークプレセア、お前はもういいぞ。ここまで案内ご苦労だったな
メルディせっかくここまで一緒だったのに、お別れするは寂しいよぅ。お城まで一緒がいいよ
プレセアいえ…私は他に用があるので…
ミュウお別れですの、残念ですの…
プレセアさようなら…
ルークんじゃ、城に乗り込むとすっか
騎士国王陛下は現在ご病気のため、全ての政務から離れております
騎士わが国には神子もおりますが、こちらも現在は巡検に出ており、不在でして…
ルークマジかよ。はるばる来たってのに冗談じゃねーぞ
騎士国王陛下がご快復されるまでの間政務を代行されている司祭様なら、神殿にいらっしゃいますが…
ルークなんだよ、代わりがいるのか。じゃあその司祭って奴と話しゃいいんだな
ルークおっ、プレセアじゃねーか。また会ったな
ミュウプレセアさんは、何をしているですの?
プレセア私は…神殿へ行くところです
メルディ神殿?メルディ達と一緒だな!
ルークちょうどいいや。俺達もそこへ行く用があるから、連れて行ってくれよ
プレセア…わかりました
scene2シルヴァラントの司祭
ルークふーん、ここが神殿か。城と同じくらい立派なんだな
メルディんと、シルヴァラントが国はオーサマと同じくらい、ミコがエライって聞いた事あるよ
ルークなるほどな。だから神子のいる神殿も、こんなでけーって訳か
ルークえーと、司祭は…おい、そこの女!
???はい。どちら様でしょうか?
プレセア
ルーク俺はキムラスカからやって来た親善大使だ。司祭ってのはどこにいるんだ?
???まあ、親善大使様ですか。遠路はるばるお疲れ様でした
???あの…どういったご用件でしょう?
ルークあ?なんでお前に教えなきゃなんねーんだよ
???他の者に取り次ぎが必要でしたら私がご案内致しますので
ルーク仕方ねーな…特別だぞ
ルーク今、ウィンドルとア・ジュールが戦争を始めそうになってんだろ?
ルークけど、俺達キムラスカはどっちともやりあうつもりはねえ。もちろんシルヴァラントともだ
???中立を宣言なさるのですね。インゴベルト六世陛下のご英断を、私も支持いたしますわ
ルーク…なんか偉そうだな。なんなんだ、お前
フィリアはい。当神殿の司祭を務めます、フィリア・フィリスと申します
ルークなっ!
ミュウこの人が司祭様ですの?
ルークプレセア、知ってたか?
プレセア…はい
ルーク知ってたなら早く言えよ!
プレセア聞かれなかったので…
警備兵司祭様、魔物が!
グオオオオ!
ルークなんでこんなとこにまで!
scene1北へ
ルークったくあのフィリアって女、性格悪いったらねえぜ。お蔭で恥かいちまったじゃねーか!
ミュウでもキムラスカとは戦わないって約束してくれたですの。よかったですの
ルーク何か釈然としねえ…
メルディうーんと、フィリアと話は終わったから次がア・ジュールか?
ルークん?ああ、ここからだと、ウィンドルよりは近いみたいだしな
メルディワイール!メルディ、これでようやく村に帰れるよー
ルークお気楽な奴はいいよな。まあいいや。さっさと次に行くぜ
ルークおいプレセア、ア・ジュールへはここからどう行ったらいいんだ?
プレセア港から船が出ています…
ルーク…その港はどうやって行けばいいんだ?
プレセア今いる街道を北へ…それから北東…次に…
ルークだー、分かんねーっつの!説明はいいから、案内してくれ
プレセア…わかりました
メルディありがとな!プレセアと一緒で嬉しいよぅ
プレセアでは…行きましょう…
scene2北へ
ルークここが港か。ここから船に乗ればいいんだな
プレセア…はい
ルークご苦労だったな、プレセア。ここまで来れば大丈夫だ。もう帰ってもいいぞ
メルディたくさん世話なったのに、もうプレセア帰すのか?
メルディルーク、こういう時は、何かオレイが必要よ
ルークお礼?なんでそんなもん…
ルーク…わーったよ、うぜーなあ。おいプレセア、何か欲しい物あるか?
プレセア…ありません
ルークあのなあ、人がせっかく…普通は何かあんだろ。正直に言ってみろっつーの
メルディじゃあメルディ、もう少しプレセアと一緒に旅がしたいよ
ルーク何でお前が答えるんだよ!
プレセア……。メルディがそう言ってくれるならそれにします
ルークマジかよ!?
ルーク…まあ、それでいいってんならいいけどよ。後から他のにってのはナシだからな
ルークけど遊びじゃねーんだ。一緒に来るなら、お前は俺のお供って事になるんだぞ、いいな?
プレセア…はい
メルディワイール!メルディ、プレセアが一緒、嬉しいよ!
ミュウボクも嬉しいですの!
ルークったく、いちいちこんな事ぐれーで大騒ぎすんなっつーの。うぜぇ…
ルークそれより、船はまだ出ねーのかよ。待ちくたびれたぜ
船乗りの男ま、魔物に港を塞がれた!このままじゃ船が出せないぞ!
ギャオオオオ!
プレセア…どうするんですか?
ルークあー!めんどくせー!
scene1南大陸の伝説
ルークやっと、ア・ジュールに着いたぜ
ルークメルディもさすがにここからなら、自分の村への帰り方わかるよな?
メルディはいな…たぶん
ルーク俺達は首都の…えーと、カン・バルクか
ルークじゃあな、もう迷うんじゃねーぞ
メルディメルディ一人か~。また迷子が心配だよぅ
ミュウご主人様…メルディさん大丈夫か心配ですの…
ルークなにが心配なんだよ。ここはあいつの国だろ
ミュウまた迷子になったら大変ですの
プレセア…同感です
ルーク何結託してんだよお前ら。俺に指図すんじゃねっつーの!
ルーク俺は親善大使だぞ。何をするかは俺が決め…
ミュウ
プレセア
ルーク
ルークだーっ、わかったよ!連れて行きゃいいんだろ連れてきゃ!
メルディバイバ!ルーク、本当にメルディが事、村まで送ってくれるのか?
ルークただし、先にカン・バルクへ行って、ここの偉い奴と話をしてからだ。分かったか!?
メルディワイール!ありがとな!ルークは優しいよ!
ミュウ優しいですの!
プレセアよかったですね、メルディさん
ルークなんでこうなるんだよ、うぜぇ…
scene2南大陸の伝説
ザッザッザッ…
ミュウまた兵隊さんですの。雰囲気が怖いですの
ルークくそ…あいつら本当に戦争始める気かよ…
メルディメルディ、リンネル村が心配よ…
メルディ戦争が原因は星のカケラ。メルディ、そう聞いたよ。みんな、そんなにカケラが欲しいか?
ルークへっ、くだらねー。そんなもん欲しがるなんてどーせロクでもねー奴に決まってら
ルークそういや、全ての星のカケラが揃った時に現れるっていう、光の使いって何なんだ?
プレセア…わかりません
???(こいつら、 星のカケラを探しているのか…?)
???横一列で歩かれると通行の邪魔だ。よけてもらっていいか
ルークあ?おっと…
ルーク…何だあの野郎。偉そうに
メルディあ…
ア・ジュール兵貴様、怪しい身なりをしているな。どこの何者だ!?
セネルシルヴァラントから来たセネル・クーリッジだ
ミュウさっきの人、兵隊さんともめてるみたいですの
ルークけっ、いい気味だぜ
ア・ジュール兵シルヴァラントだと?よその国の人間が何をしている。ちょっと話を聞かせてもらおうか!
ア・ジュール兵うわあーっ!?
ルークなっ!?あいつ、全員をあっという間に倒しやがった!
セネル俺は買い物で来ただけなのに…
セネルすまない、俺のほうが通行を邪魔したようだな
ルーク
セネルおわびに光の使いについて、俺の知っている事を教える。さっき話していただろう
セネル光の使いは、ティルグというらしい。俺のいる村では、そう伝わっている
メルディティルグ?
セネルそれ以上の事は俺も知らないがな。それじゃ
ルークなんだったんだ、あいつは…
ミュウまた、魔物ですの!
ルークったく、次から次へと、うぜーんだよ!
scene1王との謁見
ミュウここがア・ジュールのお城ですの?大勢人がいますの
警備兵ガイアス陛下への謁見を希望する者は、こちらに並べ
ルークけっ、こんなとこ、いちいち並んでられっかよ。面倒くせー
ルークおい、お前。俺はキムラスカから来た親善大使だ。今すぐ国王に会わせろ
警備兵駄目だ
ルーク何でだよ?俺は親善大使なんだぞ!その俺に、ここに並べっていうのか?いいから早く案内しろ!
警備兵何と言われようと、駄目なものは駄目だ
ルークなんだよ、この野郎…
メルディルーク、誰か来たよ。あっち!
???何事だ、騒々しい
警備兵陛下!
ルークお前が国王のガイアスか、ちょうどいい。俺はキムラスカの親善大使、ルーク・フォン・ファブレだ
ガイアス…親善大使だと?
ルークお前ら、ウィンドルと戦争するんだろ?やるのは勝手だけど、俺達キムラスカを巻き込むんじゃねえ
ガイアス…用件はそれだけか。なら、もう用はないだろう。帰るがいい
ルークまだ返事聞いてねーだろ。俺達に手を出さないって約束しろ
ガイアス貴様がキムラスカからの親善大使という証拠はあるのか?
ルークなに!?
ガイアス俺はキムラスカから親善大使が来るという連絡は受けていない
ガイアスまして、己の都合のみを押し付ける者の言葉を俺は聞くつもりはない
ガイアスお前が本当にキムラスカの親善大使であるならば、国へ戻り、別の者をよこすよう、王に伝えるのだな
ルークおい、待てよ!
プレセア…行ってしまいました
ルークなんだよあいつ!
???キムラスカの親善大使ですか
???ふむ…
scene2王との謁見
ルークくそ。ガイアスの奴、どこいきやがった
ミュウご主人様、どうするですの?
ルークこのまま引き下がれるかよ!見つけ出して、ぜってー約束させてやる!
警備兵国王陛下は国内の巡検にお出かけになられた。お戻りになるのは3日後だ
ルークなっ…さっきまでいたくせに3日だと!?馬鹿にしやがって…!
プレセア…これからどうするんですか?
ルーク…ガイアスの奴がどこ行ったかも分かんねーし、ここでじっとしてても仕方ねー
ルークしゃーねーな。先にさっさとメルディを村まで送っちまうか
ミュウご主人様、さすがですの!優しいですの!
プレセア私も…そう思います
メルディごめんな。メルディがみんなの迷惑になってる
メルディでも本当に嬉しいよ。みんな、ありがとな
警備兵うわあああ!?
警備兵魔物が出たぞ!
ルークここもかよ。最近はどこでもお構いなしなんだな
プレセア…戦います
ルーク冗談じゃねえっつーの。ここには兵隊がごまんといるんだ。そいつらがちゃんと面倒みるだろ
ガルルルル!
メルディ魔物がこっち来たよー!
ルークマジかよ、くそっ!
scene1狂人ハスタ
???さあさあお待ちかねー。ハッスルタイム到来!全て燃やして殺してポン!
???ハスタ隊長!私はこんなやり方には賛成できません。この村にいるのは普通の人々だけです!
ハスタアスベル先生、かっけーっ!でもア・ジュールは敵だから。容赦なんていらないんデスよ!
アスベルしかし…!
ハスタこれ以上、文句言うと軍規違反だよ?これは陛下のご命令なんだからサ。ドゥ―・ユー・アンダスタン?
アスベルリチャ…陛下の…
メルディワイール!この辺の景色がよく覚えてる。やっとリンネル村に戻って来たよ!
プレセア…よかったですね
ルークったく、とんだ骨折りだぜ。ちゃんと礼くらい寄こせよな
メルディもちろんだよぅ!お礼がするし、友達も紹介するよ!
メルディメルディが一番の友達は、レイア。すごく優しいよ。きっとルーク達とも…
プレセア…向こうで何か燃えてます
ルーク本当だ。火事か?
メルディ…!燃えてるが場所、リンネル村があるところよ!
ルークな…!?
メルディ村が…燃えてる…
プレセアひどい…
ミュウご主人様、兵隊がたくさんいるですの
プレセアあれは…ウィンドル兵では
ルーク…ウィンドルの奴らが攻めてきたってのかよ?まさか戦争が始まっちまったのか!?
メルディレイア!みんな!
ルークあ、おい、メルディ!勝手に一人で行くんじゃねえ!
ミュウご主人様…
ルークったく、なにがどーなってんだよ!メルディ!
scene2狂人ハスタ
アスベル
ハスタアスベルゥ…何で戦おうとしないのかな?ん~?温厚なボクちんもさすがに怒るよ?
アスベル俺は…
アスベル俺はこんなやり方には従えない!こんなのは、栄光ある騎士団の戦い方じゃない!
ハスタ栄光ある騎士団いただきました!いただいちゃいました!君、そんなに陛下に逆らいたいワケ?
アスベル昔のリチャードはこうじゃなかった!もっと優しくて、思いやりがあって…
アスベル俺、直接話をしてきます!
ミュウひどいですの…家がどんどん燃やされてますの
メルディみんないない…レイアも誰もいないよ…みんな死んでしまったか…?
ハスタおーっと、そこに見えるは村の住人!ようやく見つけたヨーウェルカム!
ルーク誰がこんな村の住人かっつーの。俺はキムラスカの人間だ!
ハスタないない、そりゃないって。嘘をつくならもっとマシな嘘をつこうぜ、ユー?
ルーク嘘じゃねえ!
メルディなぜこんなひどい事するか?メルディ達、何もしてないよ!
ハスタえ~、さてさてここで問題です。このハスタさまは、何でこんなひどい事をするんでしょ~か?
ハスタ1ば~ん 月がとってもキレイだから2ば~ん 空がとっても青いから3ば~ん 太陽がまぶしいから
ハスタぶっぶ~、正解は4番!
プレセアまだ…何も言っていません
ハスタ我らが国王、リチャード陛下の仰せにより、ア・ジュールの全てを灰にしに来ちゃいました!
ルークは、灰にって…何言ってんだ。お前らそれでも人間かよ!
ハスタはい、「それでも人間か」いただきました!じゃあ場も温まってまいりましたところで…
ハスタハスタ、いきまーす!
ルークくっ、お前らなんかの好きにさせるかよ!
プレセア…殲滅します
scene3狂人ハスタ
ハスタクソ…女ばかり引き連れたチャラ男かと思ったら、思った以上に強いじゃねぇか
ルーク誰がチャラ男だ!だいたいミュウはオスだっつーの
ハスタはい、ハスタくん、残念!でもハスタくんのいいところは、引き際のよさと、切り替えの早さ!
ハスタお前、キムラスカから来たって言ってたよなぁ。だったら、いい事を教えてやる
ルークいい事?
ハスタ我らが国王、リチャード陛下は、キムラスカにも攻め込むつもりだぜ。それも早い時期にな
ルーク何だと!?
ハスタよし決めた!陛下に直訴して、ボクちん、キムラスカ侵攻軍の指揮を執らせてもらお~っと!
ハスタやられた恨みは倍返し!キムラスカの奴らは皆殺し!ヒーハー!
ハスタまた会おうぜ、チャラ男!アスタ・ラ・ビスタ・ベイベー!
ルークおい、待てこら!
プレセアウィンドル兵が…後退していきます
scene1ア・ジュールの軍人
ルークウィンドルの奴らを追い払ったのはいいけどよ…
ミュウ村の人達は無事ですの?
プレセア一人も…見当たりません…
ルークまさか、全員、死んじまったっていうのかよ…
メルディ
ルークくそ、何でこんな事になってんだ!何でこんな事しなきゃなんねーんだよ!
ルークだいたいウィンドルとア・ジュールは何で戦争なんかしようとしてるんだ!
プレセア…ウィンドル国王が、世界中の星のカケラを集めるために、他国を攻めようとしているとか…
ルークそれでア・ジュールだけじゃなく、キムラスカまで攻めようってのか。冗談じゃねーぞ…!
ルーク星のカケラだかなんだか知らねーけどこんなのおかしすぎるだろ。どうすりゃいいんだよ…
村人メルディ…?
メルディおばさん!?
村人ああ、よかった!メルディ、よく無事に戻ったね!
メルディおばさんこそ、大丈夫か?村のみんなは!?
村人みんな元気だとも。ウィンドルが攻めてくる前に、全員で裏山に逃げたからね
ミュウメルディさん、よかったですの!
メルディよかった…よかったよぅ。レイアも一緒か?
村人レイア?あの子なら、あんたを捜すって言って、だいぶ前に村を出たきりだよ
メルディそうだったか…メルディ知らなかったよ。レイアはメルディが捜してたか…
村人こんな物騒な状況だし、危ないからやめるように言ったんだけど、聞かなくってねえ…
村人無事帰ってきてくれるといいんだけど…
メルディレイア…
メルディみんな、今までありがとな。メルディはこれから村のみんなと、後片付けするよ
ルークまたウィンドルが攻めて来たら、すぐ逃げろよ
メルディルーク、お願いがあるよ。もしレイアが会ったら、メルディが村にいるって言って欲しいよ
ルーク伝言…めんどくせーな。もし会ったら、だからな。捜したりはしねーぞ
メルディよろしくな。メルディ、片付けが終わったら、またみんなと一緒に旅がしたいよ
プレセア私も…です
ミュウメルディさんと一緒に旅ができて、楽しかったですの。また会いたいですの
ルーク俺達はそろそろ行くぜ。じゃあな、メルディ
メルディうん、またな!
scene2ア・ジュールの軍人
プレセア誰か…来ます
???やあこんにちは、皆さん。ちょっとよろしいですか?
ルークなんだよ、あんた
ジェイド申し遅れました。私はア・ジュール軍大佐、ジェイド・カーティスです
ジェイドリンネル村を襲った敵軍を撃退してくれたそうで、ありがとうございました
ルークなんだ、この国の軍人かよ。お前らがしっかりしねえからこっちはとんだ迷惑だっつーの
ジェイドはっはっは、面目ありません。それはともかく皆さんはこの国の者ではありませんね。何の用で我が国へ?
ルーク国王のガイアスと話しに来たんだよ。キムラスカに手を出すなってな。リンネル村へ寄ったのはついでだ
ルークガイアスの奴に逃げられちまったんでまた会いに行くところだ
ジェイドなるほど。それでしたら私が、便宜を図って差し上げましょうか。村を守っていただいたお礼に
ルークどういう事だ?
ジェイド私が陛下にお話をして、皆さんがすぐに謁見できるように段取りをつけてもよいという事です
ジェイド謁見を希望する人は多いですから、馬鹿正直に待っていてもいつになるかわかりませんよ
ルーク確かに、前に行った時もすげー行列だったな。よしそれならよろしく頼むぜ
プレセア
ルークどうした、プレセア
プレセア…話がうますぎる気がします
ルークそうか?この国の軍人が、村を守ったお礼に面倒見てくれんのは当然だろ
ルークもしあいつが俺達をだましてるんならぶっとばしゃいいだけだって
ジェイドおやおや、頼もしいですねえ。ですがまずあの魔物をお願いします。凄い勢いでこっちに来てますので
ルーク何っ!?
ガルルルル!
scene1湧き上がる想い
ルークやっとカン・バルクかよ、たりぃ…。…それより、おい、ジェイド!
ジェイドはい、なんでしょう?
ルークなんだじゃねえ!さっき、俺達だけに戦わせて自分はぼーっと見てただろ!!
ジェイドああ、すみません。生まれつき体が弱いもので…ゴホッゴホッ…
ルーク
ミュウジェイドさん、大丈夫ですの?
ルーク軍人のくせに、んなわけねーだろ!
ジェイドおや、信じていただけませんか。これは残念ですね
ティアルーク!
ルークげっ、ティアじゃねーか。なんで、お前こんなとこに?
ティアそれはこっちのセリフよ。どれだけ捜したと思ってるのさあ、キムラスカに帰りましょう
ルークいやだ。帰らねえ
ティア何言ってるの?国同士の交渉に素人が関わらないで。陛下も心配なさっているわ
ルークいやだと言ったらいやだ!俺はぜってー帰らねえからな
ティアルーク!
ミュウあ、あのティアさん、ご主人様の話も聞いてあげて欲しいですの!
ティアミュウ!?あなたまで来てたの?…話って…
ティア…信じられない。ルークがシルヴァラントと交渉を成功させたなんて…
ルーク嘘じゃねーって。だよな、ブタザル
ミュウはいですの!ご主人様はちゃんとやり遂げたですの!
ティアそれで今度は、ジェイド大佐の便宜でア・ジュールのガイアス王に会いに行くというのね
ティア一体どうなってるのかしら…
ジェイド事情説明も終わったようですので、そろそろよろしいですか?
ティアし、失礼しました。大佐。私はキムラスカ王家に仕えるルークの教育係、ティア・グランツです
ジェイドなるほど、ルーク殿のお守り役でしたか
ルークどーゆー意味だ、お守りって
ティア(この人…?)
ルークお前も黙るなよ!
ティアえ、ああ…そうね。教育係とお守りは違う…と思います
ルークったく…で、どーすんだ、お前。帰って伯父上に報告すんのかよ?
ティア…いいえ、どうせやめろって言っても聞かないんだろうし、私も一緒に行くわ
ルークマジかよ、せっかく羽伸ばせてたのに、うぜぇなあ…
ミュウティアさん、一緒に旅ができてボクうれしいですの!
プレセアプレセアです…よろしくお願いします
ジェイド話がまとまったところで、行きましょうか。うちの陛下のもとへ
scene2湧き上がる想い
ルークうーん…
ティアどうしたの、ルーク?
ルーク…これからガイアスに会うだろ。けど、その後、もうウィンドルには行かなくていいんじゃねーかって
ティアどうして?あなたは手柄を立てたかったんでしょう?もう飽きてしまったの?
ルークそうじゃねーって。リンネルって村でウィンドルの奴らを見た話しただろ
ルークあいつら、無抵抗の村でやりたい放題してやがった。それにキムラスカにも攻め込むとも言ってた
ティアウィンドルが…そう、もう状況はそこまで切迫しているのね
ルークそんな奴らと今更話し合ったってしょうがねーんじゃねえのかな。それよりもっとなにか別の…
ティアそうね…確かにそこまで行動を起こしている国相手には遅すぎるのかもしれない
ティア陛下もア・ジュールよりウィンドルの動きを警戒なさっていたわ
ティアでも驚いたわ。旅に出る前のあなたなら、きっとそんな風に考えたりしなかったもの
ルークま、まーな、それほどでもねーよ
ミュウご主人様、すごいですの!
ティア喜ぶのは早いわ
ティアウィンドルが脅威というなら、ア・ジュールとの交渉は、絶対に成功させなければならないわ
ティア私達キムラスカにとっては、明暗を分けるほど重要な交渉…。本当に重大な役目よ、ルーク
ルークわ、分かってるっての
ルークそうだ、ジェイド、ガイアスの事、もう少し教えといてくれよ
ジェイドうちの陛下ですか?そうですね…統率力と判断力に優れていて、たぐいまれなカリスマ性の持ち主
ジェイドまさに、王とはこういうものだと体現するために生まれてきたような方といったところでしょうか
ルーク…自分のとこの王様をよくそこまでベタほめできるな
プレセア私は…怖い人だと思いました
ジェイドまあ、上があまり優秀だと下が苦労するので、私としては多少出来が悪い方がありがたいんですがね
プレセア…!
ミュウプレセアさん、どうしたんですの?
プレセア…何か来ます
ギャオオオオ!
ティア魔物!?どうして…
ルークくそっ、行く先々で現れやがって!うぜーんだよ!
scene1王の提案
ガイアスジェイドから報告は受けている。まさか、お前が本当にキムラスカの親善大使だったとはな
ルーク…こ、この前は悪かった。今日はちゃんとその、話が…したい
ガイアス確かお前が求めていたのは、我が国がキムラスカを攻めない、という約束だったな
ルークああ。俺達は戦争なんかする気はねーからな。けどウィンドルの奴らがもう始めちまいやがっただろ
ガイアス…何が言いたい?
ルークだから、その…俺達と、キムラスカと手を組んで、欲しい
ガイアス…ほう
ルーク俺…難しい事はよく分かんねえ。けど、ウィンドルの奴らがリンネルでやってた事を見てたら…
ルークうまく言えねえけど、こんな事繰り返させちゃいけねえって思ったんだ
ルークだから頼む、同盟を結んでくれ!
ガイアス
ティア彼の教育係のティア・グランツです。ガイアス陛下、ルークのしたご無礼はお詫び申し上げます
ティアですが現実に戦端が開かれた以上、敵は少しでも少ない方が両国にとって有益なはずです。どうかご高慮を
ルークティア…
ジェイド信用していいと思いますよ、陛下。なりゆきとはいえ、リンネルをウィンドルから救ってくれましたし
ガイアスその事に関しては、礼を言おう。俺の民をよく助けてくれた
ルークだったら…
ガイアスだがその事と、同盟の話はまた別だ
ルークな…
ルークなんでだよ!戦争だぞ!人が死ぬんだぞ!
ガイアスはっきり言おう。キムラスカと同盟を組む事で、我が国にどのような益がある?
ルーク…!
ガイアスウィンドルがキムラスカにも侵攻を企てている事は、俺も知っている
ガイアスキムラスカは単独でウィンドルと戦う力を持っていない。それゆえ、我が国を頼ろうというのだろう
ガイアスだが同盟というからには、双方に利がなければ締結する意味がない
ガイアスお前の国は俺に何を提供できる?
ルークそれは…
ジェイドやれやれ、陛下も意地が悪いですね。理想に燃える若者を、そう理詰めで追い詰める事もないでしょう
ジェイド確かに、国力においてキムラスカから我が国が得るものは少ないでしょうし
ジェイドですがここにいる皆さんはなかなかの実力の持ち主です。量はともかく質の面でなら十分戦力になると思いますよ
ガイアスお前が言うからには確かなのだろう
ガイアスだが、事は国の存亡に関わる事だ。言葉だけで容易に、判断するわけにはいかない
ジェイドそう仰るだろうと思って、少しばかり用意しておきました。よろしいですか?
ルークよろしいですかって…なにをだよ
ジェイド嫌ですねえ、皆さんの実力を陛下にお見せする話に決まっているじゃないですか
ティア大佐、まさか…
ジェイド恨むなら陛下を恨んでください。ほら、来ますよ
ルークくっ…!
scene2王の提案
ルークはあ…はあ…
ルークこれで、終わりか…?
ガイアス確かに、ジェイドが評価するだけの事はあるようだな
ジェイドありがとうございます。私としても、色々取り持ったり準備したりした甲斐がありました
ルークくそ…だからって…いきなり城の中で魔物と戦わせるかよ、ふつー…
ジェイドそれでどうしますか、陛下?
ガイアスお前の言う通り、この者達の実力は口先だけではないようだ
ルークじゃあ…
ガイアスだが、いま見せてもらった実力では、我が国に十分な益があるとはまだ判断しかねる
ガイアスキムラスカとの同盟がウィンドルとの戦いの枷になる事もあるのだからな
ガイアスジェイド。お前が試せ
ルーク…なんだって?
ジェイドやれやれ、やはりそう来ましたか。仕方ありませんね、お手柔らかに頼みますよ
ルークあんたが俺達と戦うってのか?
ジェイドそういう事です。連戦で気の毒ですが生憎、陛下は言い出したら聞かない方なので、諦めてください
ティア…ルーク、気をつけて。この人、態度とは裏腹にただ者じゃないわ
プレセア虚弱体質と言っていたのは…嘘だったんですね
ジェイド死なずに勝てば、陛下も考えが決まるかもしれません。それでは行きますよ
ルーク来るぞ!
scene1勝利を賭けて
ミュウすごいですの!ご主人様の勝ちですの!
ジェイドいやあ、さすがですね皆さん。見事にしてやられました
プレセア
ティア
ルーク…これで認めてくれんのかよ?
ガイアスルークと言ったな。お前達の実力、かなりのものだと言っておこう
ジェイドおや、陛下のお眼鏡にも適ったようですよ。おめでとうございます
ルークじゃあ…
ガイアスまだだ。ジェイド、どういうつもりだ?
ルークえ?
ガイアス俺の目をごまかせるとでも思っているのか
ジェイド…やれやれ敵いませんね、陛下には。仮にも他国の使節ですし、万一間違いがあったらどうするんですか
ガイアスこいつらの実力を見極めろと言ったのはお前だぞ。もう一度だ。今度は真面目にやれ
ティアやっぱり…あの人、本気を出してはいなかったんだわ
プレセアあの人…嫌いです
ルークマジかよ…どんだけ強えーんだ、あいつ
scene2勝利を賭けて
ルークガイアス!次勝ったら、今度こそ同盟の事受け入れてくれるんだろうな!?
ガイアス…いいだろう
ジェイドでは皆さん、申し訳ありませんが、もう一戦、お付き合いください
ジェイド…死なないでくださいね
ティア来るわ!
scene3勝利を賭けて
ガイアスそこまで!
ルーク…!
ジェイド…!
ガイアスルーク、お前の本気、確かに見せてもらったぞ
ルークじゃあ…
ガイアスキムラスカは、ア・ジュールとともに戦うに値する力があるようだな
ガイアス我がア・ジュールは、キムラスカと同盟を締結しよう
ルーク本当か!?嘘じゃないんだな!?
ルークやったぜ!!
ティアありがとうございます、陛下
ティア…おめでとう、ルーク
ルークおう、けどお前もガイアスに言ってくれたもんな。ありがとうな!
ティアわ、私は別に…
ミュウご主人様、やったですの!おめでとうですの!
プレセア…お疲れ様でした
ジェイドいえいえ、どういたしまして
プレセア…あなたに言ったんじゃありません
scene1親切の裏に
ミュウ無事に同盟が結べてよかったですの
プレセアはい、よかったです
ルークまったくだ。一時はどうなるかと思ったぜ
ティアでも本当にすごい事だわ。シルヴァラントにア・ジュール。この両国と関係を強化できたなんて
ティアきっとインゴベルト陛下もお喜びになるわ。あなたはキムラスカの英雄ね
ルーク英雄…か…そういやそうだったっけ
ティアどうしたの?なりたかったんでしょう?
ルークそうなんだけどよ…けど、なんつーか…
ティアルーク?
ルークいいや。なんかよく分かんねーや
ルークさあ、帰ろうぜ。もうウィンドルに行く必要もねーし
ミュウ誰か来るですの
ジェイドやあ皆さん。お帰りですか
プレセア…気配に気付きませんでした
ルークあんたにも世話になったよな。…まだなんかあんのか?
ジェイドいえ別に。せっかくですし、途中までお見送りしようかと思いましてね
ティア…今度は何を企んでいるんです?
ジェイドおや、これは心外ですね。現在、我が国は戦時体制下にあります。私がいた方が国境まで楽ですよ?
ルークそれもそうか。じゃあよろしく頼むぜ
プレセア私もシルヴァラントまでご一緒します
ジェイドでは行きましょうか
scene2親切の裏に
ジェイドところで、あなたの胸の勲章、なかなか見事なものですね。どうしたのですか
ルークああ、これか。そういやすっかり忘れてたな。うちの家にあったんだ
ルークどういうものなのかは知らねえ
ジェイドなるほど。そんな風に輝くものはあまり他に見た事がありません
ジェイド…まるで星のカケラのようです
ルーク星のカケラ…そういやメルディの奴も、そんな事言ってたな
ジェイド全てのカケラを集め、光の神殿に行けば願いがかなう…誰もが知っている伝説ですね
プレセア星のカケラを全て集めるとティルグという光の使いが現れる、とも聞いた気がします
ミュウセネルさんが言ってたお話ですの
ジェイドティルグの事は、私も聞いた事があります。確かシルヴァラントの言い伝えですね
ティアティルグ…
ジェイドティルグはさておき、あなたは星のカケラというものをどうとらえていますか、ルーク?
ルークどうって、別に俺はどうでも…
ルークって、おいまさかア・ジュールもウィンドルみたいに集めてるのか?
ジェイドいえ、ウィンドルの王と違って、ガイアス陛下はそういうものに興味はないそうです
ルークふーん。そういや、伯父上も興味なさそうだったし、王様にも色々あるんだな
ジェイドもしカケラの力で一つだけ何でも願いがかなうとしたら、ルーク、あなたなら何を願いますか?
ルーク俺が?そうだな…欲しいもんはたいてい何でも持ってるし…
ティアそういう事、あまりさらっと言うものじゃないと思うけど…
ルーク前は英雄とか…けど、なんか今はどうでもよくなっちまった気がする。変だな
ジェイドふむ、なるほど
ティア…大佐?
ジェイドいえ、少し話がすぎたようです。行きましょうか
ジェイド…と、言った傍から魔物のようです。お家に帰るために頑張ってくださいね、皆さん
ガルルルル!
ルークそこをどけ、この魔物!
scene1芽生えた感情の答え
ティアみんな大丈夫?
ルークだー、なんだってこんなとこにまで魔物が入り込んでんだよ
ミュウ大変ですの。安心して暮らせないですの
ジェイドふむ、これは面目ありません。戦時体制で部隊を再編したあおりで警備が手薄になっているようです
プレセアなんだか、ここで魔物に遭遇すると分かっていたようですが
ジェイド信用いただけないのは残念ですね。さあ、行きましょうか
scene2芽生えた感情の答え
ジェイドさて、では港へ向かうとしましょうか
ルーク…なあ、ティア
ティアなに?
ルーク世の中って色んな事があるんだな。くやしいけど、俺、なんにも知らなかった
ティアルーク…
ティアそうね…あなたが出かけたと聞いて、どうなるかと思ったけど、結果的にこの旅はとても意味があったと思うわ
ルーク悪い奴、弱え奴、国とか戦争とか…正直、まだ分かんねー事だらけだ
ルークけど俺、もっと知りたいと思う
ルークもっと知って、リンネルの村の時みてーな事をなくしてえ。どうすりゃいいか、全然だけど
ルーク…無理だと思うか?
ティア…簡単な事じゃないわ
ティアでも、信じていればいつかきっとできると思う。がんばって
プレセア私も…応援します
ミュウご主人様、がんばるですの!
ルークへへ…
ルークん!?
ルーク何だこれ!?勲章が突然光り出しやがった!?
ジェイド…やはりそうでしたか
ルークやはり?どういう意味だ、ジェイド!?
ジェイドその勲章が、星のカケラだという事ですよ
ティア星のカケラ!?大佐、一体どういう事ですか?
ルークこれがカケラ…嘘だろ?
ルークだってこいつは、俺の家にあった勲章だぞ
ジェイドあなたのご先祖がカケラを手に入れ、それを勲章に加工したんでしょう。恐らく、星のカケラとは知らずに
ジェイド初めて見た時、文献に記された特徴に通じるものがあったのでもしやと思っていたんですよ
ティアまさか、それでずっとついてきていたんですか?
ジェイド確証が欲しかったんですよ。それが本当に星のカケラなのかどうかのね
ジェイド「カケラを手にし、己に打ち勝った 者だけが、真の選ばれし者として 神殿に足を踏み入れる資格を得ん」
ジェイドカケラを得るのが「真の選ばれし者」なら、持ち主の成長があるいはその発現を促すのではないか
ジェイドそして今、カケラは発現しました。ルークをふさわしい者と認めた、という事でしょう
プレセアガイアス王の前で戦ったり、行く先々で魔物に遭遇したのは…
ジェイドそういう事です。人間、死にそうなくらいの危機が一番、成長するといいますからね
ルークそれじゃ、やっぱりお前らもカケラを集めていたのか!
ジェイドア・ジュールはカケラを求めません。ですが他国の手に落ちれば、我が国への脅威となりうる。それだけです
ジェイドカケラはこちらで厳重に保管します。大人しく渡してくれれば、身の安全は保証しますが?
プレセア…信用できません
ティア私も同感です。失礼ですが、大佐はすでに私達をだましました。今度も違うという保証はありません
ジェイド別に構いませんよ。それならそれで力づくでいただくだけですから
ジェイドお詫びといってはなんですが、今度は、私も本当に本気でいかせていただきます
ルーク来るぞ!
scene3芽生えた感情の答え
ルークどうだジェイド、まだやるのか!
ジェイド…これは…予想外でしたね。正直、負けるとは思っていませんでした
ティア大佐、退いてください
プレセア勝負はつきました。これ以上の戦いは無意味です
ジェイド…そう簡単にはいかないんですよ。宮仕えの悲しさでね
ルークお前…!
ティア…なら、ここで死んでいただくしかありません
ルークお、おい、ティア!
ルークジェイドはもう動けねえんだぞ!
ティア仕方ないわ。見逃せば、また追ってくるかもしれないのだから
ジェイド…妥当な判断ですね
ルーク駄目だ!させねえ!
ティアルーク?
ルークそんな事したら、あのウィンドルの奴らと同じじゃねえか!
ルークそんなの間違ってる!
ジェイド…ずいぶん甘いですね
ジェイドティアの言う通り、またあなたを襲うかもしれないんですよ?
ルークうるせえ!俺は戦争は嫌だ!人が死ぬのも嫌だ!
ルーク嫌なもんは嫌なんだよ!
ジェイドあなたという人は…
ルーク!?カケラの光が強くなった!?
ティアルーク、一体…つっ!
ミュウティアさん、大丈夫ですの!?
ティアこれは…?
ティアカケラに触ろうとしたら、弾かれたわ
プレセア見えない壁があるようでした
ジェイドなるほど…どうやら星のカケラは正真正銘、ルークを選んだようですね
ジェイド「真に選ばれし者」以外にカケラは、もう触れる事もできない
ジェイドさすがに、これでは諦めるよりなさそうですね。大人しく白旗を揚げますよ
ルークそれはいいんだけど、どうすりゃいいんだ、これ
ジェイド決まってるじゃないですか。「真に選ばれし者」らしく、光の神殿に行くんでしょう
ルーク光の神殿?
ルークマジかよ、いきなりそんな事言われたって…
ルーク…な、なんだ!?声みたいなのが…
ルーク…このまま神殿に行くだと!?
ミュウご主人様、誰とお話してるんですの?
ジェイド星のカケラのようですね。どうやら意志のようなものがあるらしい。これは興味深い
ルーク他人事みたいに言ってんじゃねーっつーの!
ジェイド他人事ですよ。私達には触れる事もできないんですから
ジェイドルーク、カケラはあなたを選んだ
ジェイドそこには意味があるはずです。それを忘れないでください
ティア大佐…
ルーク行くしかねーってか…
ルーク…分かったよ。どうなるか分かんねーけど行ってくる
ルークティア、伯父上には…
ミュウご主人様、行ってしまったですの…
ジェイド光の神殿ですか。まさか、本当に行く事になるとは、少しばかり彼がうらやましいですよ
ティアルーク…
ガイアスジェイド、ここにいたか
ジェイド陛下?どうかされたのですか
ガイアスウィンドル軍が攻勢をかけてきた
ガイアス俺もこれから前線に出る。お前も来い
ジェイドやれやれ、休む暇もありませんか
ジェイドでは皆さん、そういう事ですので、これで失礼しますよ
???ガイアス!どこにいるの?
???ねえ。あなた達ガイアスを見なかった?
ミュウガイアスさんならたった今、ジェイドさんを連れて行ったですの
ティア前線に出るとか言っていたけど…
???何ですって…
???私も急がないと!
プレセア今の人…誰だったんでしょう?
ティアさあ…知り合いみたいだったけど
ミュウティアさん、ボク達はこれからどうすればいいんですの?
ティアそうね…ルークを待ちたいところだけど、いつどこに戻ってくるのかも分からないし…
ティアインゴベルト陛下に各国の動きを報告する必要もあるし、ひとまず、キムラスカに戻りましょう
ミュウご主人様心配ですの…
ティア私もよ、ミュウ
ティアでも、今のルークは以前とは違うわ。信じて待ちましょう

NameDialogue
scene1対照的な二人
フレンユーリ、そろそろ見回りの時間だ。出動しよう
ユーリやれやれ、もうそんな時間かよ。毎日毎日、面倒なこった
ユーリたまにはのんびりさせてもらいたいもんだぜ、ったく
フレンそんな事を言うものじゃない。たとえ何もなかったとしても、行かないと
フレン僕達が見回りしているところを街の人々に見せる事にも意味があるんだから
ユーリほんっと真面目だよな、お前は
フレン騎士の務めだ。当然だろう
フレンユーリこそ、もっと任務に身を入れたらどうなんだ
フレンそれだけの能力はあるはずだ
ユーリ堅苦しいのは苦手なんだよ
ユーリせっかく入った騎士団だが、どうも性に合わねえ。そろそろ潮時かもな
フレンまたそんな。君はいつもそうやって…
???っと、すまない…!急いでいたもので…
フレンいや、こちらこそすまない
フレン君は…アスベルじゃないか
アスベルフレン…?
アスベルああ、そうか。これから見回りだったな。がんばれよ
フレンありがとう。
フレン君も陛下への目通りの許可が出てよかったな
アスベルあ、ああ。それじゃ!
アスベル(…エステリーゼ様、一体、 どこへ行ってしまわれたんだ)
フレンユーリ、どこへ行くんだ?まだ、話は終わってないだろう
ユーリ分かった分かった。
ユーリ歩きながらでもいいだろ?のんびりしてっと見回りに遅れちまう
ユーリ今日は北地区からだったか?
scene2対照的な二人
フレンこのところ魔物の出現頻度が高まる一方だな
ユーリこの辺だけじゃないぜ。今はどこへ行ってもこんな調子だろ
フレン確かに…一体何が起きているんだろう
ユーリなぜこうなったかの理由なら、考えるまでもねえよ
ユーリやれ戦争だの、カケラ集めだので、今は王国中が殺気立ってる。その気配が魔物にも伝染してんだろ
ユーリつまり、すべき事は一つだ
フレンユーリ…?
ユーリ敬愛すべき我らが国王陛下に、言ってやりゃいいんだよ
ユーリ星のカケラ欲しさに他国に攻め込むなんてやめてください
ユーリ選ばれし者だかなんだか知らないが、光の神殿なんぞに現を抜かしてないで…
フレンよせ、ユーリ。陛下の事をそんな風に言うなんて
ユーリおいおい、お前だって今の国王のやり方が正しいなんて思っちゃいないだろ
フレン…確かに思うところがないわけじゃないが
フレン…だからといって軽々しく言うべきじゃない
フレン僕達騎士団は民衆を守るためにいる。その騎士団を率いる方こそ、国王陛下なのだから
ユーリ民衆を守るため、ね
ユーリそれが本当である事を祈るよ、オレは
ユーリお前はお前の信じるようにやれよ。オレはオレで好きにするさ
フレンユーリ、君は昔からそうだ…
フレン君は自分の行動や発言が、どれほど周りに影響を与えているのかわかっているのか?
ユーリそれを言ったらお前も、だろ?
フレン(ユーリの気持ちも分かる。 だけど平和には秩序が欠かせない。 もし君がそれを乱すなら僕は…)
…!
ユーリ話は後だ。大物が出て来やがった
フレンああ、油断するな
ユーリ来るぞ!
scene1森の迷子
ユーリさてと、後はこの森を見回れば終わりだな
フレンああ。この一帯は魔物の目撃情報が特に多いところだ。念入りに見て行こう
ユーリオレに言わせりゃ、魔物より人間の方がよっぽどたちが悪いけどな
ユーリ…ん?
ガサガサ…
フレンそこの茂みに何かいるぞ!
ユーリ魔物か?
???あっ…!
ユーリなんだ、子どもじゃねえか
フレンどうしてこんなところに…
ユーリおい、お前一人か?親は一緒じゃないのか?
???
フレンもしかして、迷子になったのかい?
???
!!
フレンあ、ちょっと君!待ってくれ!
ユーリおいおい、走って逃げちまったぞ
フレン追いかけよう。あんな小さな子を一人で放っておく訳にはいかない
ユーリったく、世話の焼ける…
scene2森の迷子
???はあ…はあ…
???どうしよう…いきなり逃げて来ちゃったけど…
ガルル…
???な、何の声?
???…!
???た、助けて…
フレンいない…どこへ行ったんだ?
ユーリやれやれ、大した足の速さだ
フレンそんなに遠くへは行っていないと思うんだが…
???きゃああ!
ユーリ向こうだ!
フレン急ごう!
???こ、来ないで!
フレンいけない、魔物に襲われてる!
ユーリ今助ける!
scene1少女の願い
ユーリさてと、おい大丈夫か?怪我とかしてねえか?
???あ、ありがとう
???あなた達、悪い人じゃないみたいだね
ユーリまあな。これでも一応は正義の味方の騎士団、だからな
フレン君、名前は?お父さんかお母さんは一緒じゃないのかい?
エルエルはエル。エル・メル・マータ
エルママは前からいないしパパは…
フレンそうか…辛い事を聞いてしまって、すまない
ユーリおいおい、それじゃまさか一人でここへ来たのか?
エルうん。イニル街から歩いてきたんだよ
フレンイニル街?随分遠いな
フレンどうしてそんなところから?
エルいま、街でへんなビョーキがはやってて…みんなすごいつらそうなの!
エルだからエル、王様にわけを話して、助けてもらおうと思って来たんだよ!
ユーリで、身ひとつでやってきたって訳か。見上げた覚悟だが、ちょいとばかし無茶がすぎたな
フレンイニル街の奇病…噂には聞いた事があるが、まさか本当だとは…
ユーリわざわざこんなとこまで来て嘘付くやつはいないだろ。問題は国王が話聞いてくれるか、だな
エル王様、はなし聞いてくれないの?
エルここまできたのに…
ユーリ
ユーリとりあえず、街の様子を見に行くか。んで、オレから国王に報告する
ユーリそれでどうだ?
エルホント?ありがとう!
ユーリそういう訳だから、騎士団への報告は頼むぜ、フレン
フレン…仕方ないな。分かった、引き受けるよ
エルええと…あなた達の名前は?
ユーリオレはユーリ。こっちはフレン
ユーリそんじゃ行くとするか、エル
エルうん!
scene2少女の願い
ユーリ歩きづめだが、大丈夫か?
エル大丈夫。エル、歩くの好きだもん
ユーリそうか。疲れたら言えよ
エルユーリ、さっき、セーギの味方の騎士団って言ってたよね?
エル騎士団って、何をする人?
ユーリ何をする人、か。そうだな…
ユーリ平たく言や、悪いやつをとっちめる仕事ってとこだ
ユーリ普段はお偉いさんの警護をしたり、魔物から街を守ったり、泥棒を追いかけたり…そんなとこだ
エルエライ人の警護!じゃ、ユーリ達は王様にいつでも会えるの?
ユーリいつでもって訳にはいかねえよ。あっちにはあっちの都合ってもんが
エルそうなんだ…残念
ユーリ心配すんなって。ちゃんとイニル街の病気の事は、オレが報告しておいてやるから
エルうん、よろしくね
ユーリそういや、その病気ってのはいつ頃から流行りだしたんだ?
エルえーと…ビョーキがはやりはじめたのはひと月くらい前だと思う
ユーリひと月!?
ユーリおいおい、そんな長い間、放っておかれてたのかよ
ユーリひと月前といや、国王が軍の増強を始めた時期だが…偶然か…?
エルどうかしたの?
ユーリん?いや、何でもねえよ
エルあっ、魔物!
ユーリちっ、下がってろ!
scene1腕利きの女戦士
ユーリふう…ちっとばかし焦ったぜ
エルやったね、ユーリ!
ガルル…!
エルあっ!
ユーリまだ生きてやがったのか!
???危ない!
???…何とか間に合ったかケガはないか?
エルう、うん…助けてくれてありがと…
???魔物相手に油断は禁物だ。それと、そこの長髪の男。父親ならちゃんと娘を守るべきだろう
ユーリ父親…って、オレがそんな歳に見えんのかよ
エルあ、違うよ。ユーリはエルのパパじゃなくって、セーギの味方の騎士団だよ!
???そうか…
???だが騎士ならば、なおさらだろう
ユーリそう言われりゃごもっともだ。返す言葉もねえな
エルあなたは?エルはエル。このひとはユーリ
ミラ私の名はミラ。ミラ=マクスウェルだ
エルミラはここでなにしてたの?
ミライニル街というところへ行く途中だ。奇妙な噂を耳にしたのでな
ユーリその噂ってのは、あそこで流行っているっていう奇病の事か
ミラ知っているのか
ユーリオレもそれを調べるためにあの街へ向かっているとこなんだよ。エルを送りがてらな
ミラなるほど。目的地は同じか
エルせっかくだから、ミラもエル達と行こうよ
ミラ…そうだな。私はこの辺の地理に疎いから、同行させてもらえると助かる
ユーリ構わねえよ。こっちも腕の立つ道連れは歓迎だ。よろしく頼むぜ
scene2腕利きの女戦士
ぐう…
ユーリうん?エル、腹が減ったのか?
エルエルじゃないよ!エルそんなこどもじゃないし!
ユーリ違うのか? じゃあ…
ミラ…すまない。私だ
ユーリミラの方かよ。こりゃ意外だったな
エルユーリ、ちょー失礼!エルだってレディーなんだからね
ユーリ悪い悪い。昼飯分けてやっからそれで勘弁しろって
エルえっ、食べるものあるの?
ユーリ騎士団で支給された弁当だけどな。
ユーリ少々分け前が少なくなるが、三人で食べようぜ
エルサンドイッチ!
ミラいいのか。すまないな
ユーリこれも何かの縁だ、気にすんな
エルあ…
ミラどうした、エル?
エル…このサンドイッチ、トマト入ってる
エルエル、トマト苦手!
ユーリ好き嫌いしてっと大きくなれねえぞ?
エルスキキライじゃなくて、シュチョーですー。シュチョーはケンリなんですー
ミラわかった。では私のと取り換えてやろう
ミラこっちはトマトがないからな
エル本当?ありがとう、ミラ!
ミラむ…
エルもぐもぐ…うん、おいしい
エルあれ? ユーリもミラも食べないの?
ミラどうやら邪魔が入ったようだ
ユーリったく、飯くらい、のんびり食わせて欲しいもんだぜ
scene1暗然たる街
ユーリ街が見えてきたな
ミラエル、あれがイニル街か?
エルうん、そうだよ
ユーリ遠目にはおかしなところは見えないな
エル街のみんな、大丈夫かな。ビョーキよくなってればいいけど…
ユーリん…?ちょっと待て
ユーリなにかおかしい。なんだ、この感じは…?
エルなんかヘンな気する…。街にいるときは感じなかったのに…
ミラお前達も気付いたか。これはマナの消費が激しいせいだ。…やはりあの街には何かあるようだな
エルマナ?
ミラこの世界を司るエネルギーとでも言えばいいだろうか。目には見えないがな
ユーリへえ、物知りなんだな
ミラこのところ、世界中のマナが著しく減少している
ミラ私はその原因を調べているうちに、この街の存在を知り、それで調査に来たのだ
ミラところでユーリとエルは、星のカケラの伝説を知っているか?
エルエル聞いたときある!
エルカケラを手にし、己に打ち勝った者だけが、光の神殿に入れる…
エルでしょ!
ユーリただのおとぎ話のはずが、本当に光の神殿が現れたってんで、世界中大騒ぎになっているな
ユーリお蔭でうちの王様も、全てのカケラを集めようと躍起ときてる
ユーリ…それがどうかしたのか?
ミラいや…マナの減少と奇病の流行、それに星のカケラや神殿出現の時期が微妙に重なっているのが気になってな
ユーリ何か関係があると思うのか?
ミラ…まあいい。とにかく、街の様子を調べよう
ユーリ…だな
scene2暗然たる街
ユーリなんてこった。そこら中に人が倒れてんじゃねえか!
ミラ動いている者も総じて元気がないな。皆、明らかに顔色が悪い
ユーリ病気が流行り出したのは、確かひと月前だと言ったよな。こんな状態がずっと続いていたのか?
エルエルが出かけるまではこんなじゃなかったよ!
エルでもみんなビョーキでつらそうだし…
エルエルは元気だから、エルがなんとかしないとって思って、王様に会いに行ったの…
ミラ確かにこの状態は、ただ事ではないな
ユーリああ、こりゃもう騎士団総出で取り組まないとどうにもならない規模だ
ユーリ問題は、国王がその気になるかどうかだがな
ユーリとにかくもう少し調べてみるか。エル。街の中で、特にひどい状況の場所は分かるか?
エルどこもみんなつらそうだけど…一番はあっちかな
ユーリ東側か。分かった、ちょっと見てくる
エルうん。でも気をつけてね
エルあっちはビョーキも怖いけど、すごい悪い人がいるって聞いたときあるよ
ユーリ何かあったらすぐに退散するさ。それよりお前らはここを動くなよ
ミラちょっと待て、二人とも。向こうから何か来るぞ!
ユーリ何っ!?
scene1奇病の原因を探して
ミラふう…
エル急に魔物が襲ってきてびっくりしたね
ユーリったく、出鼻をくじかれたな。そんじゃ調査再開といくか
エル街の東側へ行くんだよね
ユーリああ
ミラすまないが、私は別行動を取らせてもらう
ミラ調べたいことがあってな
エルえ?ミラ…ここでお別れなの?
ミラそんな悲しそうな顔をするな、エル
ミラ用が済んだらまた合流する
ミラしばらくしたら、街の入り口で落ち合おう。それでどうだ?
エルわかった。それならまた会えるね
ユーリ行くのはいいが、一人で大丈夫か?
ミラ心配はいらない
ミラでは、また後でな
エル行っちゃった…
ユーリま、あいつの腕なら大丈夫だろ
ユーリさて、ミラが行っちまったんじゃ、置いていく訳にもいかねえな。この際だ、エル、案内してくれ
エルうん。こっちだよ
scene2奇病の原因を探して
エルこのあたりだよ。エルもこっちにはあまり来たことがないんだけど…
ユーリ倒れている人間の数が、さっきより多い…確かにひどい有様だな
ユーリそれに空気がますます重苦しくなってきてやがる。もしかしたら奇病の源もこの辺りにあるのかもな
エルエル、何だかくらくらしてきた…
ユーリ無理すんな。オレ達までやられる訳にはいかないんだからな
エルううん、もう少しがんばる
エルみんながなんでビョーキになったのかわかるかもだし
エルユーリもビョーキの理由、知りたいたいでしょ?
ユーリそりゃそうだけどよ
エル大丈夫だから
ユーリわかった。じゃあ後少しだけな
エルうん
ユーリこれだけ流行る病気のもと…
ユーリ普段から大勢が触れるようなもの、か…?
ユーリたとえば、水とか…
ユーリエル。この街の飲み水は、どこから調達している?
エルえ?井戸からだよ
ユーリんじゃ、まずその井戸を当たってみるか
エルまた魔物!
ユーリこんな時にまでかよ!
scene1不思議な出会い
ユーリとんだ邪魔が入ったな。さて、井戸を調べに行くか
エルうん
???ねえ、君達!
???ちょっとお聞きしたいんですけど…
ユーリん?
???あのさ、この辺で仮面をかぶった人を見なかった?
エルかめん…?
ユーリなんだそりゃ…
ユーリエル、心当たりあるか?
エルううん
ユーリだとさ。オレもそんな変な奴は見ていない。悪いな
???そうかあ…どこか別のところに行っちゃったのかな
???とにかく、捜しましょう。バラバラになったら大変だわ
???うん、そうだね
???君達、変な事を聞いてゴメン!それじゃ!
ユーリ
エル
ユーリ行っちまった。慌しい奴らだな
エルかめんの人、まいごになっちゃったのかな?
ユーリさあな
ユーリさあ、オレ達は井戸へ向かおうぜ
scene2不思議な出会い
ユーリこれがその井戸か
エルへんなにおいする…鼻がつんとするよ
ユーリなるほど、いかにもって感じだな。こりゃ水が汚染されてんのかもしれねえな
エルユーリ、あれ見て!へんな人いる!
ユーリあいつは…
???
エルねえ、さっきの人達が捜してた、かめんの人って…
ユーリああ、どうやらそうみたいだな
???何だ、お前達は
???人の顔を見ながら何を話している?僕に用があるなら早く言え
???もし用もないのに僕の足を止めたのだとしたらこの剣で…斬る
ユーリおいおい、いきなり喧嘩腰かよ。血の気の多い奴だな
???
エルエル達、別にあなたの事悪く言ったりしてないよ
エルさっき会った人達がかめんの人をさがしてたから、この人なのかなって話してただけだよ
???それは…金髪の男と、茶色の髪の女か?
エルうん
ユーリその様子だと、どうやらあいつらと知り合いらしいな
???二人とどこで会った?
エルえと、むこうの…
ユーリ待てエル、なんか来るぞ!
???…!
scene1再会、そして
ユーリ終わったか…
ユーリお前、なかなかやるもんだな
???ふっ、お前もな
???…おい、先程話した二人の事をもっと…
エルあっ、見て!さっきの人達!
???あっ、見つけた!おーい、ジューダス!
ジューダスカイル、リアラ。二人とも無事だったか
リアラソフィの反応を見つけたわ。南にある大陸にいるみたい
カイル君達、また会ったね!
カイルあ!ひょっとしてジューダスを探してくれてたとか?
ユーリ偶然さっき出くわしたところだよ
リアラ二人とも、早く行きましょう
ジューダスわかっている。そう急かすな
ジューダス…そういえばお前達、この街の井戸を調べていたようだが
エルうん。ユーリがしらべたいって
ジューダス…一つ教えてやろう
ジューダス街の南に作られた施設が井戸の汚染の原因だ。興味があるなら調べてみろ
リアラジューダス。こっちの世界の人に、あまり干渉しない方が…
ジューダスこれくらいは構わないだろう
リアラもう。ジューダスったら
ユーリ南の施設ね
ユーリいいことを聞いた。礼を言うぜ
カイルじゃ、さよなら!
リアラさようなら
エルじゃあねー
エルねぇユーリ、こっちの世界ってどういう意味?
ユーリさあな。とりあえず、オレ達にとっちゃどうでもいいだろ
ユーリそれよりエル、今聞いた施設に心当たりはあるか?
エルそういえば、みんながビョーキになる少し前に、あっちのほうに新しい建物ができてたよ
ユーリよし。なら次はそいつを調べてみるとするか
エルねぇ、入り口にもどらないの?ミラが待ってるかもしれないよ
ユーリそれもそうだな
ユーリんじゃ、入り口に戻ろうぜ
scene2再会、そして
エルあっ、ミラがいるよ
ユーリオレ達より先に戻ってたか
ミラ二人とも無事なようだな
ユーリそっちは何か収穫はあったか?
ミラああ。街で流行っている奇病の原因を特定した
ユーリ…南にある施設か?
ミラそうか。お前達も同じ答えにたどり着いたようだな
ユーリオレ達のほうは、たまたまみたいなもんだけどな
ミラそれは私も同じだ。重要な情報を教えてくれた者がいてな。妙な連中だったが
ユーリそれって、おかしな仮面被った…
ユーリ…いや、なんでもねえ。忘れてくれ
ミラどうもその施設というのは、この国の王が技術者を派遣して、数ヶ月前に設置したものらしい
ユーリ国王が?
エルエル、思い出した!
エル施設ができる時、これで暮らしが楽になるってみんな言ってた
エル魔導器(ブラスティア)があればショーライアンタイだって
ミラ私が聞いた話では、その施設の中に魔導器があるそうだ
ユーリこりゃいよいよその施設とやらに行ってみなきゃならねえな
ミラそうだな…
ミラむ?
エル何か来るよ!
scene1魔導器
ユーリ施設が見えてきたな
エルあの中に魔導器があるんだよね?
ユーリそいつが井戸を汚染して、奇病を流行らせてる元凶ってわけか
ミラああ。しかもその魔導器は、私が調査しているマナ減少の原因にもなっている可能性が高い
ユーリとなると、見て終わりって訳にはいかなさそうだな
ユーリとっととぶっ壊しちまうか
ミラ私もそのつもりだ。気が合うな
エルエルも手伝う!
ユーリ頼もしいな
ユーリそれじゃ、乗り込むとするか
ミラ正面は鍵がかかっているようだな。裏に回ってみよう
ミラふむ。この排水溝から中に潜入できそうだな
エルここなんかくさいよ…
ユーリ大丈夫か?無理に一緒に来なくたっていいんだぜ?
エル大丈夫!
エルビョーキになった人達を助けるためだもん
ミラ中に入るぞ
scene2魔導器
エルこれって…
ユーリこいつが例の魔導器か?いかにも怪しい形してやがんな
ミラ周囲のマナが減り続けている。やはり、こいつが元凶のようだ
ユーリん…?
ザザー…
ユーリ廃液みたいなのが流れ出してやがる。あれが井戸の水に染み込んでんのか?
エルそれでみんなビョーキになっちゃったの?
ユーリどうやらその可能性大だな
ミラこんな物を自国の領内に置くとは…
ミラ王の意図は不明だが、こんな物が人間界にあってはならない
ユーリなら、誰かが来てやっかいな事になる前にさっさとやっちまうか
エルうん!
ミラよし、やるぞ!
scene1取り戻した笑顔
ユーリよし、追手もいないようだし、どうやら無事に脱出できたようだな
エル魔導器を壊せてよかったね!
ユーリああ。土産も手に入ったしな
エル何これ?
ユーリあの魔導器の魔核(コア)じゃねえかと思う。こいつを外した途端、動きが完全に止まったからな
ユーリこの魔核を押さえときゃ、魔導器修理してまた動かそうったってそう簡単にはいかねえだろ
ミラフッ。抜け目のない奴だ
ユーリ褒め言葉と受け取っとくぜ
エル何だか、空気がキレイになったみたい
ユーリだな。てことはやっぱりあの魔導器が奇病の原因だったんだろ。少なくともこれで病の拡大は止まるんじゃねえか
エルじゃあもう、心配いらないんだね
エルありがとう、ユーリ!ミラ!
ミラエルもよく頑張ったな
ミラさてと…
ユーリもう行くのか
ミラああ。次はア・ジュールへ向おうと思う。あの国に関しても、色々不穏な噂を耳にしているのでな
ユーリそうか。じゃオレは王都へ戻って、今回の事を報告するとすっか
エル王様に言っといてくれる?
エルもうこの街に、へんなものを置かないでって
ユーリああ、任せとけ
ミラではさらばだ、二人とも
ミラ縁があればまた会おう
ユーリオレも行くか
ユーリエル、元気でな。もう無茶はすんなよ
エルうん、またね。二人とも!
scene2取り戻した笑顔
ユーリさてと、ああ言ったはいいが、実際のところ、どうしたもんかな
ユーリエルが言ったみたいに、「ヘンなものを置かないで」と言って済めば簡単なんだが
ユーリ仮に国王に話ができたとして、オレの頼みが聞き入れられるとはとても思えないしな
ユーリ第一、その国王が設置した魔導器をぶっ壊したなんてバレた日にゃただじゃ済まねえだろうな
ユーリ…まあ仕方ない。やるだけやってみるか
ユーリエルと約束しちまったしな
ユーリそれにしても…国王のやつ、本気で星のカケラとやらを集めるつもりなのか?
ユーリ神殿だのカケラだの、そんなもんのために戦争だなんて馬鹿げてるぜ
ユーリ誰か言ってやるやつはいないのか?
ユーリ誰か、か…
ガルル…
ユーリこの唸り声…魔物か?
ユーリやっぱりかよ。ったく、おちおち考え事もできやしねえ
ユーリさっさとケリつけてやる。来な!
scene1素敵な相棒
ユーリさて、王都へ戻って来た訳だが…
ユーリ騎士団への報告はフレンに任せたからいいとして、まずどうすっかな
ユーリ…考えても仕方ねえ。とっとと国王のとこに直談判に行くとするか
ユーリどうせフレンのやつに相談したって、反対されるに決まってるしな。あいつを巻き込むのはやめとくか
警備兵陛下はご多忙であらせられる。一介の騎士団員が、いきなり御目通りがかなうはずがなかろう
ユーリ重要な報告があんだけど、それでも駄目なのか?
警備兵無理なものは無理だ。どうしてもというなら、騎士団を通して正式に申し込め
警備兵もっとも、そうしたところで、いつ御目通りが実現するかはわからないがな
ユーリへいへい、分かりましたよ
ユーリま、やっぱこんなもんだよな。さて、ここからが本番っと…
???ワンッ!
ユーリラピードじゃねえか。よくここにいるって分かったな
ユーリん、まてよ…そういやお前、前にどこからともなく城の中に現れた事あったよな
ラピードワフゥ?
ユーリ抜け道でもあんのか知らねえけど、あん時、お前が通った場所、オレにも教えてくれねえか
ラピードウルル…ワウッ!
ユーリ…行っちまった。ちゃんと通じてるといいんだがな
ユーリま、他に当てもねえし、見失わないうちについていくか。頼むぜ、ラピード
scene2素敵な相棒
ユーリ…王都の地下にこんなだだっぴろい洞窟があったとはな
ユーリこのどっかが城まで通じてる訳か。うまい話ってのはあるもんだな
ユーリにしても、ラピード、よくこんなとこ知ってんな。マジで助かったぜ
ラピードワフッ
ユーリ案外、この洞窟は城が攻め落とされそうになった時に、お偉いさん達が逃げるためのもんだったりしてな
ラピードグルル…
ユーリどうした?何か見つけたのか?
ラピードワンっ!
ユーリこいつは…魔物の死体?この傷は同じ魔物の仕業じゃないな
ユーリしかも、まだそんなに時間が経ってない。つい最近、誰かがここを通ったって事になるな
ラピードガウっ!
ユーリ今度はどうした?
グルル…!
ユーリこいつは…この死んでるやつの仲間か?
ユーリ仲間をやったのはオレ達じゃないと言っても、聞いちゃくれそうにねえな
ユーリ仕方ねえ。相手になるぜ!
scene1決断
アスベルリチャード、お願いだ。ア・ジュールから兵を退いてくれ。この戦いには何の得もないじゃないか
リチャード君は王に指図するというのかい?アスベル
アスベル指図だなんて…俺はそんなつもりでは…っだが!
リチャード僕が目をかけているからといっていささか調子に乗っていないか
リチャード僕だって君を処罰したくはないんだ
アスベル…リチャード…どうして…
リチャードこの件については、追って沙汰を下す。今は出て行ってくれないかい?
アスベルはっ…(あの優しかったリチャードが…)
ユーリここは…もう城の中か。あっさり入り込めたな
ユーリこの辺は何度か通った事あるが、隠し通路の入り口があるなんて、気付かなかったぜ
ユーリ助かったぜ、ラピード
ラピードワンっ!
ユーリここからだったら謁見の間はすぐだ。ひとつ国王にお目通り願うとするか
アスベルん…?
ユーリっと、誰か来やがった。隠れろ、ラピード
ユーリえー、お役目お疲れ様です
アスベルあ、ああ…お疲れ様
ユーリ
ユーリあいつは確かフレンと話をしていた…いや、それより、気付かれずに済んでよかったぜ
ユーリそんじゃ、気を取り直して行くか
scene2決断
リチャード…何者だ?
ユーリ国王陛下の忠実なる僕、騎士団のもんだよ
リチャードお前の顔には見覚えがある。確か名前は…ユーリ・ローウェル
リチャード一体ここへ何しに来た?目通りを許した覚えはないぞ
ユーリ国王に覚えてもらえてたとは光栄だな。…イニル街の訳を教えて欲しい
リチャードイニル街?何の事だ。おかしな事があったという報告は特に受けていないが
ユーリそうか?
ユーリあんたのこれが随分と悪さをしてたんだがな
リチャードその魔核は…!なぜお前がそれを持っている
ユーリなんでもいいさ。それより何のためにあの魔導器を作った?
ユーリあの魔導器のせいでイニル街じゃ奇病が流行って大変な事になっていたんだぜ?
リチャード魔導器の事も知っているのか。…当然だ。全て承知の上で、あそこに魔導器を設置したんだ
ユーリ…全部知ってて…
リチャード我が国はこれから、世界中を相手にした大戦争を繰り広げる
リチャード目的は各地に散らばった星のカケラを全て我が手中に収める事だそのためには力が必要となる
リチャード君の持つ魔核を魔導器に組み込めば力となって動いてくれるイニル街に設置したのはその試作機だ
ユーリ…そんなくだらねえ事のために、街ひとつ、奇病が流行るにまかせたってのか
リチャードたかがその程度、どうという事もあるまい
ユーリてめえ…
リチャードそう、たかがだ。お前のような虫けらにも等しい輩に、僕の崇高な理想は理解できまい
ユーリ理解したくねえし、する気もねえ。そんな王を戴くつもりもねえ
ユーリ騎士が王に楯突いちゃいけねえってんなら上等、この場で辞めてやるよ。…落とし前つけさせてもらうぜ
リチャード魔核を持ったままここを無事に出られると思っているのか。警備兵!
ユーリ…っ!
ラピードガウっ!
ユーリちっ!
scene1偶然か、必然か
ユーリ何とか城からは抜け出せたか。やれやれ、これでオレはお尋ね者かよ
警備兵まだ遠くへは行っていないはずだ!何としても捜し出せ!
ユーリったくしつこい連中だな。しょうがねえ、このまま王都を出るぞ、ラピード
ラピードワウッ!
ユーリ捕まって魔核を取り返された日にゃ、また魔導器を使われかねないからな。エルに顔向けできなくなっちまう
ユーリとは言うものの、どこに逃げたもんかな。ウィンドルの国内はどこも厳しいか…
ユーリならいっそ、他の国に行くか。それなら追手も大手を振っては追ってこれねえだろうしな
ラピードガルルルル…!
警備兵いたぞ、向こうだ!
ユーリおっと、いけねえ。行くぜ、ラピード!
フレンフレン・シーフォ。参上しました
リチャード来たか、フレン。君は精鋭ぞろいの我が騎士団の中でも、指折りの実力者と聞いている
フレン身に余る評価です
リチャードそんな君に、重要な任務を任せたい。反逆者の逮捕だ
フレン反逆者…ですか?
リチャードその者は僕に暴言を浴びせたばかりか重要な国家機密の品を奪い逃走中だ
リチャードその反逆者を捕らえ、僕の前に連れて来て欲しい無論、生かしたままで
リチャード既に別の部隊を出動させているが、君も一隊を率いて後を追ってくれ
フレン畏まりました。その反逆者の名前は?
リチャードユーリ・ローウェル
フレンな…!
scene2偶然か、必然か
フレン
騎士団員目撃証言を得られました。どうやらユーリ・ローウェルはア・ジュール方面へ向かったようです
フレンア・ジュールか…
騎士団員我々もすぐに追いかけますか?
フレン…いや、待つんだ。そんなあからさまに目に付く道を選ぶとは思えない
フレン守りの手薄なのは…シルヴァラント方面か。恐らく、ア・ジュールは見せかけだ
騎士団員おお、なるほど
フレン…号令を。出発する
ユーリこの辺りの山…確かテムザ山といったか
ユーリここを越えれば、シルヴァラントの勢力圏内だ。そこまで行けば一息つけるだろ
ラピードワフゥ…
ユーリ追手がうまい事ア・ジュールの方に向かってくれてるといいんだがな
ユーリま、いつまでも騙されてくれるとも限らないし、今のうちに少しでも距離を稼いでおこうぜ、ラピード
ラピードガルルルル…!
ユーリおっと、魔物か?
scene1揺れ動く気持ち
ユーリよっと…ふう、だいぶ登って来たな。そろそろ山の中腹ってとこか
ラピードワンッ
ユーリさすがに見晴らしがいいな
ユーリせっかく来たんだ。ここで風景でも眺めながら一服するか
ラピードガウッ!
ユーリわかってるって。ちょっと言ってみただけだよ
ユーリさて、もうひとふん張りといくか。さっさと峠を越えちまわないとな
部隊長反逆者ユーリ・ローウェルはこの山に逃げ込んだようだ
部隊長反逆者と親交があったという、別部隊の隊長の情報だから間違いあるまい
部隊長その部隊が来るより先に反逆者を捕らえて、手柄は我々の物にしてしまおう
アスベル
部隊長どうした、アスベル・ラント。浮かぬ顔をしているな。何か心配事でもあるのか
アスベルい、いえ。そんな事はありません
部隊長ぼさっとしているんじゃないぞ
部隊長見事反逆者を捕らえた暁には、特別報奨も期待できるだろう。皆、張り切っていけ!
アスベル
scene2揺れ動く気持ち
ユーリやれやれ…まさか行き止まりにぶつかって、引き返す羽目になるとはな
ラピードクーン
ユーリだいぶ時間を無駄にしちまった。こっちに追手が来てるとしたら、だいぶ距離を詰められたかもな
部隊長いたぞ!あそこだ!
ラピードウルル!
ユーリちっ。言ってる傍から来やがったか。この分じゃ、あんまり引っかかっちゃくれなかったみたいだな
部隊長反逆者ユーリ・ローウェル!貴様を逮捕する。抵抗しても無駄だぞ!
ユーリそう言われて、はいそうですかとおとなしく捕まる奴はいねえよ
ラピードガルルルル…!
部隊長あくまで抵抗する気のようだな。ならばこちらも容赦はせん。全員、かかれ!
アスベル…何かがおかしかった…リチャード…
ユーリあん?あいつ…確かアスベルだったか
ユーリなんか様子が変だな
部隊長何をしているアスベル!ぼさっと突っ立っているな!早く行け!
ラピードガウッ!
ユーリどうした、ラピード、新手か!?
グオオオオ!
アスベルはっ!魔物!?
ユーリったく、取り込み中って時に!
scene1友への想い
ユーリ魔物を始末しても、それでお終い、といかねえのが残念なところだな
ラピードガルルルル…
部隊長ええい、何をしている!さっさと反逆者を捕えろ!
アスベル…よし!
アスベル俺は君を信じる。君と行動を共にしよう
ユーリ…あん?おいおい、どういう風の吹き回しだよ
アスベル実は君とリチャードが話しているのを、こっそり聞いていたんだ
アスベルリチャードの言動は昔と変わってしまっていて、疑問を抱いていたんだ
アスベル戦争をやめるよう進言したが却下され…それ以上は何もできず、ただ悶々とするばかりで…
アスベルそんな時、君がリチャードに向かって騎士団をやめると言ったのを聞いて、目が覚める思いだった
アスベルリチャードが今やっている事は国民を幸せにするためじゃない。それをあいつに分からせないと
ユーリお互い国王に思うところあり、か
ユーリいいぜ、だったら好きにしな。その代わり自分の面倒は自分で見ろよ
ラピードワンっ!
アスベルああ!ありがとう
部隊長アスベルまで反逆者になるとは…!この騎士団の恥さらしどもめ!
ユーリこいつらに付き合う気はねえ。さっさと振り切るぞ!
アスベルああ!
フレン…この山か。ここにユーリが…
scene2友への想い
ユーリどうやら、まいたか?
ラピードワウッ!
アスベルああ、大丈夫そうだが、油断は禁物だ。後続が来ている可能性もある
ユーリ人気者はつらいな
ユーリところで一つ聞いてもいいか?
アスベル何だ?
ユーリ国王の事、名前で呼んでたろ。随分親しげだが、どういう関係なんだ?
アスベル…元々国王…リチャードと俺は、子どもの時からの親友なんだ
アスベル昔はあんなじゃなかった。彼は常にこの国の将来を真剣に考え、よき王になろうと努力していた
アスベルそれなのに…あの出来事があってからというもの、すっかり変わってしまった
ユーリ…光の神殿の出現か
アスベルああ。あの神殿こそ、全ての元凶と言っていいだろう
アスベル自分を選ばれし者と公言し、星のカケラを集めるために他国を攻めるなんて…考えられない
ユーリま、人間、何が原因で変わるかなんて分かりゃしねえが、確かにいきなりそこまでってのはちと解せねえな
アスベル俺もそう思っていた。リチャードがああなってしまったのは何か原因があるのかもしれない
アスベルもし本当にそうなら、俺は何としてもその原因を取り除いてあいつを元通りにしてやりたい…
ユーリ友達思いなんだな
アスベル親友とはそういうものさ。ユーリには、そういえる間柄の人はいないのか?
ユーリ親友かどうかはわからねえが…腐れ縁なら心当たりはあるな
ユーリけど心配した事はねえよ。オレよりよっぽどまともだからな。大概の事はオレよりうまくやるだろ
ユーリ真っ直ぐすぎて、融通が利かないのが玉に瑕だが、ああいう奴が真っ当に暮らせる世の中が正しいと思うぜ
アスベル随分楽しそうに話すんだな。ユーリがその人をいかに大事に想っているかが、よくわかったよ
ユーリ言ったろ。ただの腐れ縁だって
ラピードガルルルル…!
アスベル魔物か!
ユーリやれやれ。またかよ
scene3友への想い
アスベルふう、片付いたか
ユーリもうすぐ日が暮れる。その前に峠を越えちまおう
ユーリこいつは…
アスベル行き止まりか…?
ユーリやれやれ、またか。この辺はどれだけ道が入り組んでんだろうな
アスベル仕方ない。別の道を…
ラピードガルルルル…!
ユーリどうした、ラピード
アスベル誰だ…?
フレンユーリ…
ユーリ…フレン!
scene1それぞれの正義のかたち
フレン
ユーリやれやれ…まさかお前が送られるとは、あの国王もやってくれるぜ
ユーリ道理で追手が気付くのが妙に早い訳だ
アスベルもしかしてフレンが、ユーリの話していた人なのか…?
フレンユーリ。国王陛下に剣を向け、機密を奪ったというのは本当なのか
ユーリ機密…?
ユーリああ、魔導器の魔核の事を言ってんなら、そういう事になるだろうな
フレンなぜだ、ユーリ。なぜそんな事を!
ユーリ…イニル街の奇病の話、覚えてるか?
ユーリあれは街に作られた魔導器が原因だった。作らせたのは国王だ
ユーリしかも奴は奇病の事も承知の上だった。神殿だのカケラだののために街ひとつ丸々犠牲にしてやがったのさ
アスベル
ユーリ国民を犠牲にしてなんとも思わない。そんな王なんざ願い下げだ。まして騎士として仕えるなんてな
フレン…だから騎士団を辞めたのか
フレンどうしてひと言相談してくれなかったんだ
ユーリ…言えばお前は反対するだろ
フレンユーリ…
フレン騎士団を辞めて…それでどうするつもりなんだ
ユーリそうだな…まず魔核をなんとかして、それからどうにかして馬鹿げた戦争をやめさせる方法を考える、ってとこか
ユーリさもないといくら魔導器をぶっ壊したところで、また次のを作られないとも限らねえからな
ユーリ…とにかく、これが真相だ。知った上でお前はどうするんだ?
フレン…確かに最近の陛下のなさりようには僕も賛同しかねるところはある
フレンだからといって!陛下に剣を向けたり、機密を盗んでいい事にはならないはずだ!
フレン陛下に間違いがあるなら、それを忠言によって正すのが騎士たる者の務めじゃないのか!
ユーリそれで耳を貸すようなら苦労しねえ。イニル街じゃ現にみんな奇病にやられてんだぞ
ユーリ国王が改心するまで、あいつらに死なずに耐えろって言えるのかよ!そのくらい分かってるはずだろ!
フレン分かっているさ!
フレンだけど…だからといって法と秩序は…!
ユーリむ…?ちょっと待った!
scene2それぞれの正義のかたち
ユーリはあ…はあ…
フレンはあ…はあ…
フレン…ユーリ、どうしても…
フレンどうしても戻る気はないのか。あくまで魔核を持って他の国に行くつもりなのか
ユーリああ、もう決めた事だ
ユーリ事実を知っちまった以上、知らない振りはできねえ
ユーリオレなりのけじめってやつだ
フレンそうか…
フレンこんな事はしたくない。だけど僕は秩序を守ると誓って騎士になった。それに背く事はできない
フレン僕も知った以上、陛下を断じてこのままにはしない。だからといって君を見逃す訳にはいかない
アスベル来るか!?
ラピードガウっ!
フレンユーリ・ローウェル!
フレン騎士団の名において、君を捕らえる!
ユーリへっ、それでこそお前だよ
ユーリやるからには本気だぜ!
フレン行くぞ!
scene3それぞれの正義のかたち
フレン腕を上げたな、ユーリ
ユーリお前もな
フレンユーリ。君はあくまで自分の道を行くというのか
ユーリこれがオレの選択だからな
アスベル何だ…?
ユーリどうなってんだ?魔核が突然光り出しやがった
アスベルなんて神々しい光なんだ…
ラピードワンっ!
ユーリおいおい、まさかこの魔核が噂の星のカケラだったとか言わねえだろうな
アスベル光がますます強くなったぞ。まるでユーリの言っている事がわかって、同意したみたいだ
フレン…確か言い伝えによれば、「カケラを手にし、 己に打ち勝った者だけが…」
アスベル「…真の選ばれし者として、 神殿に足を踏み入れる資格を得ん」
ユーリよせよ、二人とも
ユーリ選ばれただの、打ち勝っただの、何の冗談だっての
アスベルいや。俺はユーリがカケラを手に入れたのは必然だと思う
アスベル一緒にいた時間は短かったが、それでもわかる。君の考え方や行動は選ばれし者にふさわしい
ユーリぞっとしねえ話だな。そうだとして、一体、このカケラはオレに何をさせようってんだ?
フレン言い伝えの通りなら、星のカケラは全部で6つ。それをそろえればどんな願いでもかなうというが…
ユーリ6つ…そういやそんな話だったな
ユーリ…そうか、なるほどな。いい事聞いたぜ、フレン
ユーリ決めたぜ。オレはこの手で、全ての星のカケラを集めてやる
フレンユーリ!?一体…
ユーリおっと、早まんなよ。こいつは戦争をなくすためだ
ユーリこんなもんがあるから世界中がおかしな事になってる、だろ?
ユーリだったらオレが全部集めてどっかにやっちまえば、どこの国もケンカする理由はなくなるだろ
ユーリどうやらこのカケラも、文句なさそうだぜ
フレンあくまで正しいと思う事を曲げなかったユーリの意志に反応しているんだな…それなのに僕は…
ユーリよせよ。お前とオレ、それぞれの正義の形があった。それだけだろ。けど、分かってくれてうれしいぜ
ユーリさてと、そんじゃ他のカケラの手がかりでも探しに、まずは例の光の神殿とやらに行ってみるとすっか
アスベルユーリ。君の考えはよくわかった
アスベル及ばずながら、俺も力を貸すよ。神殿にも同行させてもらおう
ラピードワンっ!
アスベルくっ、まぶしい…!この光は…
アスベル星のカケラに…弾かれた…?
ラピードワオーン!
フレン光の神殿に入る事ができるのはカケラに選ばれた者のみ。そういう事なのか…?
アスベルそんな…
ユーリどうやらカケラが運んでくれるらしい。ちょっくら行ってくるから寂しくて泣いたりすんなよ
フレン何があるか分からないんだ。油断はしないでくれ
アスベル君の無事を祈っている。心置きなく行ってくれ
ラピードワンっ!
ユーリああ、行ってくる
フレン行ってしまった…無事に光の神殿にたどり着けるといいんだが
アスベルここまで来たら、ユーリを信じるしかないな
ラピードワンっ!
フレンそうだ…今度こそユーリを信じて待つんだ
フレン僕達の、そしてこの国の未来のために

NameDialogue
scene1決意を胸に
???君は…誰なんだい?
ソフィわたしはソフィ…。あなたは…?
リチャード僕は…リチャードだ
ソフィリチャードはここで何をしているの?
リチャード友人の事を考えていたんだ
リチャードその人は僕にとってたった一人の親友でね…ここはそんな彼と、永遠の友情を誓った場所なんだよ
ソフィそのお友達は今どうしているの?
リチャード…死んだ。僕のせいで…
リチャードこんなつもりじゃなかった。僕が望んだのは、こんな世界じゃなかった。それなのに…
ソフィ…リチャード、かわいそう
ソフィじゃあわたしが、その人の代わりに、リチャードの友達になるよ
リチャードソフィ…ありがとう…
???ソフィ…
???ソフィ…?
???おい、ソフィ!
ソフィあ…
ソフィカイル…リアラ…ジューダス…
カイルソフィ、ぼーっとしてちゃダメだよ。これからが、正念場なんだから
リアラ念のため、これからの手順を、もう一度確認するわよ
リアラ今からわたし達は、王都バロニアの地下神殿に向かい、そこから過去の世界へ飛ぶ
リアラそしてウィンドル国王のリチャードが、星のカケラを集めるのを阻止するの
ジューダスあの男が世界をこんな風に、暗黒に包んでしまう前にな
カイルオレ達は二度と、元の世界には戻れないかもしれない。それでも、やるしかないんだ
ソフィ…うん。わかってる
ジューダスおしゃべりはそこまでだ。早く行くぞ
scene2決意を胸に
ジューダス地下神殿へは、あともう少しで到着するはずだ
ソフィ
カイルあれ?ソフィ、剣を持って来たのか?戦う時、ソフィは剣を使わないのに
ソフィあ、うん。これは…
リアラリチャードからもらった物なのよね
ソフィううん…もらったんじゃない。預かっただけ
リチャードう、うう…う…
ソフィリチャード!しっかりして、リチャード!
リチャードソフィ…近付くな…僕に近付いては駄目だ…さもないと僕は君を…
リチャードソフィ…こんな僕を友と呼んでくれた君には本当に感謝している…だからどうか…この剣を…
リチャードうわあああああ!
ソフィリチャード!リチャード!!
カイルソフィ?またぼーっとしてるよ
ソフィごめんなさい…
ジューダス…こんな調子では役に立たない。ソフィは置いていくべきだ
カイル今更、何を言ってるんだよ、ジューダス
ジューダス彼女はリチャードに対する思い入れが強すぎる。そんな事では、いざという時に決断が鈍る恐れがある
リアラソフィ…どうなの?あなたの正直な気持ちを聞かせて
ソフィわたしは…
ソフィ今のリチャードでも、過去のリチャードでもいいから、もう一度ちゃんと話がしたい
ソフィこんな風に世界を闇に包むのはもうやめてって
ソフィリチャードがもし話を聞いてくれなかったら…その時は…
ソフィもう迷わない
ジューダス覚悟はできているのだな?…どんな結末になるとしても
ソフィ…うん
ジューダス…いいだろう。その言葉、忘れるなよ
ギャオオオオ!
カイル魔物だ!
ジューダス魔物に用は無い!蹴散らすぞ!
scene3決意を胸に
カイルここが地下神殿か…
リアラ思った通りだわ。この辺りはまだ、マナの残留濃度が高い
リアラこれだけマナがあれば、わたしの力で、皆を過去に転移させる事ができるはずよ
カイルへえ、すごいな!さっすがリアラ!
リアラそうでもないわ。本当に凄かったら、わざわざここまで来なくても、転移はできたはずだから…
ジューダスマナとは生命が持つエネルギー…昔はそれこそ、世界中に、マナが満ちていたそうだからな
カイル世界中で、そのマナが減っちゃったのも、リチャードのせいなんだろ?とんでもない話だよな…
ソフィ
ジューダスではリアラ、転移の準備を始めてくれ
リチャード反逆者はここにいるはずだ。何としても見つけ出し、捕らえよ!
ソフィリチャードの声!
カイルオレ達を追ってきたのか!
ジューダスくっ…!奴らは僕達が食い止める。リアラは早く転移を!
リアラわかったわ!
ウィンドル兵いたぞ!反逆者だ!
ソフィ…!
ウィンドル兵反逆者は全部で4名だ。挟み撃ちにして捕えろ!殺しても構わん!
カイルくそっ、やられてたまるか!何としてもオレ達は、過去へ行くんだ!
ジューダスリアラ、まだか!?
リアラ準備ができたわ!みんな、わたしの近くへ!
キイイイイイン!
ウィンドル兵な、何だこいつら!?いきなり光り出して…あ、陛下!
リチャード逃げようとしても無駄だ、お前達!これでも食らえ!
ドゴオオオオオッ!
ソフィきゃああああっ!
カイルソフィ、大丈夫!?
リアラ大変…!ソフィとの距離が遠すぎてこのままだとソフィをうまく転移させる事ができないわ…!
ジューダス何だと?
リアラソフィ!早くこっちへ…!
フイイイイイイイイイン!
ソフィあ……あああああっ!
カイルソフィ!
リアラソフィーッ!
scene1過去へ
ザザ…ザザ…
ザザザ…
ソフィう…うう…
ソフィ
ソフィここは…どこ…?
ソフィ
ソフィわたしは…誰…?
???ねえねえ!
ソフィ…!
ドゴオッ!
???ぐぼはあ!
ソフィあ…
???いや~、ナイスパンチ!身体小さいのに、強いんだね!
???あたしの事なら心配いらないよ。こう見えても頑丈だから
???それより、さっき何したの?
???何もないとこから、突然ば~っと光って出て来たよね?
ソフィえ…?
???もしかして転送装置の一種?でもちょっち違うような…ここにはそもそも装置なんてないし
ソフィえ…あ…
???どういう仕組みなのかな?
???もったいぶらないで教えて!お願い!
グオオオオッ!
ソフィあれは…
???げっ、さっきの魔物!まいたと思ったのに!
ガアアアアッ!
???ひいい、まだ怒ってる!
???だからさっきのは、わざとじゃないんだってば~!
ソフィ
ソフィ…行っちゃった
ソフィわたし…これからどうすればいいんだろう…
scene2過去へ
ソフィ
???あれ、さっきの子だ。お~い!
???いや~、まいったよ。さっきあの魔物が昼寝してる時に、うっかり足を踏んづけちゃってさ
???そしたら怒ったのなんの。ず~っと追っかけてくるんだもん
???まあそれはいいとして
???さっきの仕組み、教えて?
ソフィわからない…
???わからない…?
???ちなみにどこから来たの?見慣れない顔だけど
ソフィそれも…わからない
???あらら。んじゃ、名前は?
ソフィ名前…わたしの名前は…
ソフィ…そう、ソフィ。確かソフィだったはず…
???ソフィか~。かわいい名前だね
パスカルあたしはパスカル!よろしくね、ソフィ
ソフィう…
パスカルど、どうしたの?
ソフィ何かを思い出そうとすると…頭が割れるように痛くなって…
パスカルソフィ、もしかして…
パスカルとにかく、休んだほうがよさそうだね。顔色も悪いし
パスカルこの近くに、あたしが世話になってるシーブル村があるから、ひとまずそこへ行こう?
ソフィうん…
パスカルよっしゃ。それじゃ…
グオオオオッ!
ソフィあの魔物…
パスカルうわ、また来た!?いい加減しつこ過ぎるって!
scene1記憶の欠片を探して
村の女うーん…話を聞いた感じだと、やっぱりこの子は記憶喪失になったんじゃないかなあ
パスカルやっぱりか~。あたしもそう思ったんだよね
ソフィわたしが…記憶喪失…
村の女どんなささいな事でもいいから、記憶を取り戻すきっかけがあるといいんだけどね
村の女名前以外に、何か思い出せる事はない?
ソフィうーん…
パスカルあ、無理しなくていいよ。また頭が痛くなっちゃうといけないし
ソフィリチャード…
パスカルリチャード?それって…ウィンドル王国の王様の事?
ソフィウィンドル王国…
ソフィうん、そう…わたし、そのリチャードのところに行こうとしていた…ような気がする
村の女王様のところに行くって…一体どういう関係なのかしら?
ソフィたぶん…友達…だと思う…
パスカルふむふむ
パスカルわかった。じゃあ、あたしがソフィをリチャードのとこまで連れてってあげよう!
ソフィパスカルが?
パスカル村での調査もひと区切りついたから、そろそろ里に帰ろうと思ってたしね。ついでにソフィを送るって事で
村の女今ウィンドルへ渡るのは大変よ。戦争が始まったって言うし
パスカル大丈夫、大丈夫。あたし、裏道知ってるから
ソフィ本当にいいの?迷惑じゃない?
パスカルぜーんぜん平気だって。気にしなくていいから!
パスカルそれに、無事に記憶が戻ったら、ソフィが現れた時の仕組みについても何かわかりそうだしね
パスカルおばさん、村のみんなによろしくって伝えといて。シングとコハクにも、また会おうねって
村の女ああ、わかったよ
パスカルそれじゃ、ウィンドル目指して、しゅっぱーつ!
scene2記憶の欠片を探して
ソフィパスカルは、シーブル村の人じゃないの?
パスカル違うよん。あたしの故郷は、アンマルチアの里ってとこ
パスカルシーブル村には星のカケラの言い伝えを調査しに行ってたんだ
ソフィ星の…カケラ…?
パスカル星のカケラってのは、大昔に落っこちてきた箒星の破片なんだ
パスカル世界中に散らばってて、それを手に入れると、光の神殿に入れるって言われてるんだよ~
パスカル今までは誰も信じていなかったけど、最近になって本当に光の神殿が現れたもんだから大騒ぎになってね
パスカル全ての星のカケラを集めると願いがかなうとも言われてて、欲しがる人がたくさん出てきたんだ
パスカルウィンドル王国のリチャードもその一人だね。星のカケラ欲しさのあまり、戦争まで始めたって話だけど
ソフィ戦争…なんだろう。何かが引っかかる…気がする
ソフィう…また頭が…
パスカルごめんごめん、一度に色々喋りすぎちゃったね
ソフィたぶん…パスカルの話してた事ってわたしにとっても大事なんだと思う…でも…
パスカルうんうん。あわてなくていいよ。ゆっくり思い出せばいいから
パスカルリチャードに会えれば、それがうまい事刺激になって、記憶を取り戻せるかもしれないね
ソフィうん…
ガサガサッ!
ソフィ…そこの茂みに何かいる
ギャオオオオ!
パスカルわあ、魔物!?
scene1パスカルの導き
ソフィウィンドルへ行くのは、本当にこっちの道でいいの?暗くて人気がないけど…
パスカル裏道だからね。仕方ないよ。今は、船に乗るのも大変だし
パスカル心配しなくても大丈夫。ちゃんとウィンドルに連れてくからさ
ソフィうん、ありがとう
ソフィねえ、裏道って…どんなの?
パスカル実はこの世界のあちこちには、離れた場所と場所を結ぶ、転送装置ってのがあってね
ソフィ転送…装置…
パスカルほとんどの人は知らないんだけど、その転送装置をうまく使えば、目的地まで簡単に行けるんだよ
パスカルびゅーん!すこーん!はい到着ーって感じでね
パスカルで、確かウィンドル方面にも数個装置があったはずだから、そこまで一瞬で移動しちゃおうってわけ
パスカルちなみにその転送装置を作ったのは、大昔のアンマルチア族…あたしのご先祖様にあたるんだけど…
パスカルアンマルチアの里には転送装置の資料が今でも残ってて、それであたしも装置を使えるってわけ
ソフィびゅーん…すこーん…
パスカルうーん、口だとこれ以上、うまく説明できないや
パスカルまあやってみればわかるよ。あたしを信用して
ソフィ…うん、わかった
パスカルさてと…確かこの辺に、装置のある場所へ通じている入り口があるはず
パスカルソフィも一緒に探してくれない?洞窟の入り口みたいになってるから、見ればわかるよ
ソフィうん
scene2パスカルの導き
パスカル見つからないなあ…間違いなくこの辺のはずなんだけど
ソフィパスカル、ここは?
パスカルん?見つかった?
パスカルどれどれ?
パスカルああ、ここ、ここ!
パスカルすごいソフィ、よく見つけたね!
パスカルご褒美にぎゅーってしちゃう!
ひょいっ
びたーん!
パスカルうう…地面に顔をぶつけた…
パスカルなんでよけるの~
ソフィ…さわるの、だめ
パスカルそういう事言われると、ますます触りたくなっちゃう性分なんだよね~
ソフィ…だめ
パスカルガードが固いなあ
パスカルじゃあお楽しみは後回しにして、中に入りますか
ソフィ入り口が塞がってるみたいだけど、大丈夫なの?
パスカルこれはカモフラージュされてるだけだよ。悪用されないように、普段はこうなってるんだ
パスカルでも大丈夫
パスカルあたし、どうすればいいか知ってるから
パスカルまあ見てて~
パスカルここにスイッチが…
パスカルあった。これをピコ、ピコ、ポンっと
ズズズズズ…
ソフィ塞がってた入り口が…開いた
パスカルほらね。言った通りでしょ?
ソフィ…何か出て来る
パスカル…え?
ガアアアア!
パスカルぎゃあ!こんなのまで!
scene1アンマルチア族の転送装置
パスカルあれ?こっちで合ってたかな
ソフィ道に迷ったの?
パスカルどうだろ…もしかしたらそうかも
ソフィさっきの分かれ道まで、戻ってみる?
パスカルん~、もう少し!もう少しだけ進んでから、決めてもいい?
パスカルあ、見つけた!やっぱりこっちでよかったんだ!
パスカルじゃーん!これが転送装置だよ!これを使えば、ウィンドルへは、一瞬で行けちゃうからね!
パスカルさっそく起動させるね
パスカルピコ、パコ、ポコっと…
パスカル…あれ?
ソフィ動かない…
パスカルうーん…長い事使わなかったせいで、調子が悪いのかな
パスカルちょっと調べてみるね
ソフィパスカル、大丈夫?もうずっと、いじってるけど…
パスカルごめんごめん。何せ古い装置だし、あたしも何もかも知ってるわけじゃないから、手間取っちゃって
パスカルおかしいな。これで動くはずなんだけど…何が足りないのかな
パスカルあ、ここのボタンかな?ポチっとな!
カチッ
フイイーーン!
パスカル動いた!ソフィ、ほめてほめて~!
ソフィ
ひょいっ
びたーん!
パスカルうう…どさくさに紛れてぎゅーってしようとしたのに
ソフィ…さわるの、だめ
パスカルへいへーい
パスカルまあいいや。そんじゃ、さっそくこの転送装置でウィンドルまで飛んで行こっか
scene2アンマルチア族の転送装置
パスカルじゃーん!
パスカルここはもうウィンドルなんだよ凄いっしょ?
ソフィ
パスカルソフィ?
パスカルもしかして、また頭が痛くなったの?
ソフィうん…あの装置で移動した時から…
ソフィ前もああやって、一瞬で別の場所から別の場所へ移動した事があったような気がして…
ソフィでも思い出そうとしてたら、頭が…うう…
パスカルソフィ…
パスカル…それってやっぱり、あたしがソフィに初めて会った時の事なんだろうね
パスカルもしかしたらソフィが記憶喪失になったのも、あの出来事に原因があるのかも…
ソフィそうなのかな…
パスカルもしそうなら、無理させちゃってごめんね
パスカルあたし、悪い事したかな…
ソフィううん。そんな事ないよ。パスカルは親切で、わたしをここまで連れて来てくれたんだし
パスカル…ソフィ、ありがとね!
パスカルそれでも、やっぱり心配だから。ここで少し休んでいこう?
ソフィ大丈夫。いけるよ。心配してくれてありがとう
パスカルそう…?でも本当に、無理はしちゃ駄目だよ
ソフィうん
パスカルじゃあ、外に出ようか。出たところが、王都バロニアだったはずだよ
ソフィバロニア…
パスカルこれで魔物さえいなければ、スムーズに行けるんだけどね
パスカルきっと…
ギャオオオオッ!
パスカルうおっと!?言ってるそばから出たあ!
scene1重なった記憶
ソフィここは…!
ソフィわたし、ここ、見た事ある…前にも来た事がある…!
パスカルそっか。そうなるとやっぱりソフィは、ウィンドルの人なんだろうね
パスカルまあ、あのリチャードと、友達になってるくらいだし…
パスカルどう?懐かしい?
ソフィ懐かしいっていうか…怖い
ソフィここにいると胸が締め付けられる。わたし、どうしたんだろう…
ウィンドル兵お前達、ここで何をしている!?
パスカル兵士!?何でこんなところに!しかもたくさん!
ソフィあ…
ソフィ同じ…あの時と…
パスカルあの時って?
ソフィうう…頭が…!
パスカルソフィ、しっかりして!
ソフィリチャード…もしかしてここにいるの…?
パスカルえ…?ソフィ、なにを言って…
ウィンドル兵どうしてお前達が、その事を知っている!?陛下はお忍びでいらっしゃったのに!
ウィンドル兵怪しい奴らめ、こいつらを捕らえよ!
パスカルやば…!ソフィ、逃げるよ!
ソフィう、うん…!
scene2重なった記憶
パスカルソフィ、大丈夫?
ソフィうん…
パスカルまさかこんなところに、あんなに兵士がいるなんて思わなかったよ
パスカルそれにしてもソフィ、よくリチャードが来てるってわかったね
ソフィわかったって言うか…前もこういう事があったような気がしたから…
ソフィところで…わたし達、今どこにいるの?
パスカル神殿の建物の中だよ。構造が複雑だし、逃げるにはちょうどいいかなって
パスカルリチャードが本当に来てるなら、ソフィと会わせてあげたいけど、あの兵士の様子だとどうかな…?
ソフィ
???お前達…何者だ?
ソフィあ…!
ソフィわたし、知ってる…前に…会った事がある…!
パスカルって事は、もしかして…
ウィンドル兵ここにいたか!
ウィンドル兵陛下、離れてください。こやつらは陛下を害さんとする賊の可能性があります
パスカルやっぱり、この人がリチャード!
パスカルソフィ、思い出せる?この人がリチャードだよ!
ソフィリチャード…
ソフィう…痛い…頭が…割れそうに…
パスカルソフィ、しっかりして!
リチャード怪しい奴らめ…さてはア・ジュールのガイアスが送り込んだ刺客か
パスカル違うって!あたし達、そんなんじゃないよ!
パスカルソフィがリチャードの知り合いだって言うから、ここまで来たんだよ!
リチャードお前の事など知らん。かくなる上は、僕が直接、成敗してくれよう
パスカルちょっと!?
ソフィリチャード…やめて
リチャード死ねえ!
scene1危機一髪
リチャードう…
ソフィリチャード、大丈夫!?
リチャード僕に近づくな!
リチャードよくも僕の身体に傷を…許さん。断じて許さんぞ…!
ソフィ違う…わたし…そんなつもりじゃ…
パスカル先に攻撃してきたのはそっちじゃん!
パスカルソフィはリチャードに会いに来たってのに!
リチャードだからお前の事など、知らんと言っているだろう
ウィンドル兵陛下!遊撃隊のようです!どこからともなく…
ウィンドル兵…ぐっ…わあああっ!
リチャード…なっ!
カイルソフィ、無事か!?
リアラよかった…やっと会えたわ!
ソフィえ…?
パスカルん?もしかしてソフィの知り合い?
ジューダスそばにいるのはリチャードか?どうりで兵の数が多いわけだ
リチャード他にも仲間がいたのか
リチャードこいつらもまとめて始末しろ!
リアラみんな、ここは一度退きましょう。敵が多すぎるわ!
パスカルよし!だったらさっきあたし達が出て来た、転送装置のとこまで戻ろう!
カイルえーと…きみは?
パスカル詳しい説明はあと!ほら、ソフィ、逃げるよ!
ソフィあ、う、うん…
ジューダス誰なのかわからんがここはついていくしかなさそうだな
カイルそうだな、オレ達も行こう!
ウィンドル兵あいつらを逃がすな!
scene2危機一髪
カイルここは…
カイル行き止まりじゃないか!
ジューダスお前…僕達をだましたのか?
パスカル違うって!転送装置があるから、ここまで戻って来たんだよ
リアラこれは…!
リアラ確か、古代文明の遺物と言われている装置だわ
パスカルお、知ってんの?
パスカル今から転送先の設定を変えるから、ちょっちそこで足止めしてて!
カイル足止めって…
ウィンドル兵あそこにいたぞ!
ソフィ来た…!
ジューダスくっ、こうなったらやむを得ん!ここで戦うぞ!
ウィンドル兵奴らを討ち取れ!陛下のご命令だ!
カイルねえ、まだ!?これ以上は、こっちも支えきれないよ!
ソフィもう…限界…
パスカルよし、これで最後だね。ここをこうして…
パスカルペチペチ、ピコンっと
ヒュイイイイン…!
ソフィ…動いた
リアラすごい…!今まで誰も、この装置を動かせた人はいないって聞いてたのに…
パスカルさあ、飛ぶよ!ソフィ、また頭が痛くなったら、ごめんね!
ソフィううん、大丈夫!
ウィンドル兵や、奴らが消えた!?一体どこへ行ったのだ?
ジューダス何とか地上へ脱出できたようだな
パスカルふ~ん、なるほど。この辺だとここの草むらの中に、転送装置が隠れてたんだ
パスカルさっきの神殿からなるべく近い所に飛んだ方がいいと思って、設定をいじってたんだけど…うまくいったね
パスカルあ、そうだ!ソフィ、頭痛くなってない?
ソフィうん、今度は大丈夫
カイル助かった…
カイルさすがに今度ばかりは、もう駄目かと思ったよ
リアラあなたがあの古代文明の装置を起動させてくれたお陰よ。ありがとう。ええと…
パスカルあたし、パスカル。ソフィの友達だよ
パスカルそっちもそうなんでしょ?
カイルあ、うん
リアラソフィ、こっちの世界へ来てから今まで何をしていたのか、詳しい話を聞かせてくれる?
ソフィ…えっと、誰?
ジューダス…誰、だと?
ジューダスソフィ、とぼけるのも大概にしろ!
パスカルあ、これには事情があってね…
グオオオオ!
カイル兵士の次は魔物かよ!
scene1再会と別離
ジューダス記憶喪失だと…
カイルソフィ…本当にオレ達の事、覚えてないのか?
ソフィうん…ごめんね
リアラソフィだけ安定していない状態で、無理矢理、時空転移したのが原因ね
リアラ何も持たずにいきなり、荒海の中に叩き込んだようなものだから…ごめんなさい
ジューダス…過ぎた事は仕方あるまい。ソフィの記憶を戻す方法を探さなければ
ソフィ
カイルパスカル、ソフィを助けてくれて、ありがとう!ホントに助かったよ
パスカルううん、それはいいんだよ。それにしてもみんな、大変だね。未来の世界から来るなんて
パスカルリチャードがソフィの事を知らないって言ってた理由も、これでわかったよ
パスカル…それにしても、未来はリチャードのせいで、大変な事になってるんだね
パスカル全ての星のカケラを集めるために果てのない戦争を続け、しまいには世界をどん底の闇に包んでしまう…
パスカルう~ん…できればそうなるのだけは、勘弁してもらいたいなあ…
ジューダスだからそうさせないよう、僕達がこうしてやって来た
パスカルんで、これからどうするの?
カイルひとまずどこかの街で休まない?オレ、もうくたくただよ
リアラそうね…ソフィと合流するまで、わたし達のほうも色々あったし
パスカルだったら、この近くにある街に行ってみない?イニル街って名前なんだけど
ジューダスその街なら知っている。ソフィと合流する前にも寄っているからな
カイルそうか、それで何となく、この辺の景色に見覚えがあったんだな
リアラこの道は前も通ったはずだけど、こんなところに古代文明の装置があるなんて、気付かなかったわね
パスカルソフィも、みんなでイニル街に行くのに賛成って事でいいかな?
ソフィ…うん
パスカルそれじゃ、さっそく行こうか
scene2再会と別離
リアラソフィ、そういえばあの剣はどうしたの?リチャードから預かったっていう、例の…
ソフィわたし、そんなの持ってたの?全然覚えてない…
カイル転送する時は持ってたはずだよ。オレ、確かに見たもん
パスカル剣かあ…。あたしがソフィを見かけた時は、もう持ってなかったよ
ジューダス時空転移の際に、どこかに紛失してしまったのではないか?
ソフィリチャードの剣…
ソフィ…たぶんその剣は、わたしにとって凄く大事な物なんだと思う。それだけは、はっきりわかる…
ソフィなくしたってわかった途端、胸が締め付けられて、苦しくなったから…
リアラかわいそうに…
パスカルソフィはリチャードと、本当に仲がよかったんだね
パスカルみんなの話を聞いたり、実際に会った印象だと、難しそうな人って感じだけど…
リアラその点はわたし達も、不思議だったわね
ジューダスソフィはよく、「本当のリチャードは皆が知っているリチャードと違う」と言っていたな
ソフィわたしが…そんな事を…
プルルル…
ソフィ何の音?
パスカルあたしの持ってる通信機だ。誰からかかってきたんだろ。ちょっと出てみるね
パスカル…あ、お姉ちゃん?あたしが今どこにいるかって?ウィンドルだけど…
パスカルわかってるって。本当はあたしも、すぐ帰るつもりだったんだよ。でも大事な用事ができてさ…
パスカルわかった、わかりました!すぐ帰るから。ね?
ピッ
パスカルごめん…。みんなと一緒に、イニル街へ行けなくなっちゃった。すぐアンマルチアの里に戻らないと
ソフィ…わかった
ソフィ今までありがとう、パスカル
パスカルうう…このまま別れるのは、名残惜しいな。ソフィは心配だし、未来の話ももっと聞きたいし
パスカルそうだ!
パスカルこの通信機の端末をあげるよ
パスカルこれがあれば、離れていても話ができるからさ
パスカルあたし、里に帰ったら、星のカケラの事をもう一度詳しく調べてみるね
パスカル何かわかったら連絡するから
ソフィうん、ありがとう
パスカルそれじゃ、またね!カイルとリアラとジューダスも元気でね~
ジューダスあわただしい奴だな
リアラ少し変わった人だったけど…古代文明の装置に詳しいお蔭で、助かったわね
カイルうん。凄くいい人だね。ソフィがこっちで初めて会ったのが、パスカルでよかった
ソフィ…何か近付いて来る
ジューダス魔物だ!みんな、気をつけろ!
scene1光を取り戻した街
カイルそういえばイニル街には、魔導器(ブラスティア)があったな
ソフィ魔導…?
リアラ魔導器というのは、わたし達のいた元の世界で忌み嫌われている装置の事よ
リアラ周辺のマナを吸い上げて、エネルギーに変換してしまう…まさに悪魔の装置と言っていいわね
ジューダスリチャードが世界を闇で覆ってしまったのは、その魔導器を大量に製造したのも一因だ
ソフィその魔導器が、この世界にもあるの?
リアラええ。これから行く街にね
リアラ実物は確認していないけど、記録にはそう記されているわ
カイルいっその事オレ達の手で、こっちの世界の魔導器を壊すのはどう?
カイルここで魔導器をなくしておけば、未来が変わって、オレ達の世界も平和になったりしないかな?
リアライニル街の魔導器を壊しただけでは問題の根本的な解決にはならないわ。似たような装置は他にもあるし
ジューダスカイル、僕達の目的を忘れたのか?リチャードと、星のカケラを何とかする事だろう
カイルそうだね
カイルう~ん、いいアイディアだと思ったんだけどな
ソフィわたし…元いた世界の事、本当に何も覚えていないんだね…
リアラソフィ…
ジューダス…思い出せないほうが、かえっていいかもしれないぞ
ソフィどういう事?
ジューダス…いや、いい
ジューダス今言った事は忘れてくれ
ソフィ…?
scene2光を取り戻した街
ソフィここがイニル街?
カイルあ、うん。そうなんだけど…
カイル前に来た時と雰囲気が違うような…
リアラそうね
リアラ前は魔導器の影響で、街全体の空気がよどんでいたけど、それがなくなっているわ
ジューダス魔導器の運転を止めたのだろう
ソフィ…誰かこっちに来る
カイル誰か?
カイル…あ、本当だ
ジューダスあいつは…
???やっぱり!あのときの人達だ!
???えっと…ジューダスとカイルと…リアラだっけ?
リアラええ、そうよ
エルねえ聞いて!
エルエル、ユーリやミラと力を合わせて、魔導器を壊したんだよ!
エル空気がきれいになってきてるし、街の人のビョーキも少しずつよくなってるよ!
ジューダス…そうか
ジューダス魔導器を止めたところで早々環境は変わらんと思っていたが、そうでもなかったようだな
エルカイル達は何だかあわててたけど、もう平気なの?
カイルああ。あの時はこの紫の髪の女の子を捜していたんだけど、こうして無事に見つかったからね
エルそっか
エルはじめまして、エルはエル
エルええっと…
ソフィこんにちは。わたしは…ソフィ
エルソフィ達は、これからどうするの?
エルよかったら、エルのうちに来てよ!エル、ソフィとお話してみたいし
カイル本当?
カイルちょうど、一休みしようと思ってたところだし、寄らせてもらうよ
エルじゃあエル、先に戻って、お片付けしておくね!
ジューダス前に来た時、黒髪の男に魔導器の情報を与えたのだが…まさか魔導器を破壊して街を救うとはな
カイルああ。ビックリしたよ
カイルこっちの世界にも、オレ達みたいになんとかしようとする人がいたんだね
きゃあああーっ
リアラ今の悲鳴は何?
ソフィあそこ…!街の中に魔物が…!
グオオオオッ!
ジューダス放っておくわけにもいかない。追い払うぞ
scene1約束
エル魔物をやっつけてくれて、ありがと
カイルこちらこそ、家で休ませてくれてありがとう
リアラお蔭でゆっくりできたわ
ジューダス感謝する
ソフィありがとう、エル
カイルさて。それじゃオレ達は、もう一度、王都バロニアへ向かおう
ソフィエル、またね
エルソフィ。記憶がなくなっちゃうって、大変だと思うけど、元気出してね
ソフィ…うん
エルエル、ソフィの記憶が戻るように、ちゃんとお願いするからね
エルエルはソフィの友達だしね!
ソフィ友達…
ソフィうん。ありがとう、エル
エルエルは当然の事言ったまでだし!
リアラいいお友達ができて、よかったわね、ソフィ
ジューダスよし。それでは出発するぞ
エル気をつけてねー!
scene2約束
ジューダス王都バロニアへ着く前に、今後の方針を確認しておこう
カイルリチャードが星のカケラを集めるのを、どうやって阻止するか考えるんだよね?
リアラまだリチャードの手に落ちていないカケラがあるなら、先にそれを手に入れたいところだけど…
ジューダスそれは難しいだろう。僕達はこの世界に不慣れな上、カケラの所在に関する情報を持っていない
カイルだったらリチャードが今持ってるカケラを横取りしちゃうってのはどう?
ジューダスそれはそれで、リチャードがカケラをどこに隠しているのか、突き止める必要があるな
カイル本人を捕まえて、その辺の事を聞き出せばいいんじゃないかな?
カイルうーん。そう考えると、もったいない事したな~
カイル前に地下神殿でリチャードを見つけてたんだからそのまま捕まえておけば…
ソフィ…ごめんね。わたしのせいで
リアラ謝らなくていいのよ。ソフィは何も悪くないわ
ジューダス捕まえるかどうかはさておき、リチャードにもう一度、接触を図るべきだろう
ジューダスリチャードの状況を知る事ができれば僕達の対応も決まってくるはずだ
ジューダスまず知るべきなのは、リチャードが星のカケラを集めきっているのかどうか、だな
ジューダス集めきっていないのであればまだ間に合う。今すぐにでもリチャードと決着をつけるべきだ
リアラ決着…それってまさか、リチャードを…
ジューダス…そうだ。リチャードと戦い、倒す。元の世界がどうなるかはわからんが滅びの未来を避けられる可能性はある
ジューダスただ…その場合、ソフィが問題になってくるがな
ソフィわたし…?
ジューダスソフィ。お前は僕達と旅立つ前にリチャードと戦う事を約束した。記憶を失った、今のお前はどうだ?
ソフィわたしは…
ソフィ…リチャードの事をわたしがどう思っているのか、自分でもよくわからない。でも…
ソフィわたしの仲間は、カイルとリアラとジューダスだから。みんなが戦うならわたしも戦うよ
ジューダス…その言葉に嘘はないな?
ソフィうん…
リアラ記憶がないのにあなたにこんな約束をさせるなんて…ごめんなさい、ソフィ
ギャオオオオ!
ソフィ魔物!?
カイル今、大事な話をしてるんだ!どけっ!
scene1ソフィへの届け物
ソフィ…ここが王都バロニア?
カイルああ、そうだよ。十数年前は、まだこんなにきれいな街だったんだね
リアラ…そうね。でももうすぐでわたし達の時代のこの街も、元の姿を取り戻す。わたし達の手で、ね?
ソフィ
リアラそれじゃあ、さっそく情報を集めましょう
リアラ今わたし達が一番知りたいのは、リチャードの所在に関する情報ね。あと、星のカケラの事も…
ジューダス兵士の中には、僕達の顔を覚えている者もいるかもしれない。慎重に行動しよう
カイルうーん…リチャードはたぶん、城にいるんだろうけど…はっきりした事はわからないな
リアラ考えてみれば、街に暮らす一般人が、国王の動向を把握しているはずがないものね
ジューダスせめて城の中に潜入する算段がつけられればいいのだが…そう簡単にはいかないか
ソフィ…?
ジューダスどうした、ソフィ
ソフィ…向こうにいる人が、さっきから、こっちを見てる
カイルどれどれ…あ、本当だ。誰だ、あれ?
???
???ねえ、きみ! もしかして…
カイルなんだ?あいつ、誰に言ってるんだ?オレ達の事を知ってるのか?
リアラ待ってカイル!もしかしたら、リチャードに関係のある人かもしれないわ
ジューダス逃げるぞ
ジューダス増援を呼ばれたりしたら、厄介だ。僕達が用があるのはリチャードだけだからな
カイルわかった。みんな、走るぞ!
リアラソフィ、行くわよ!
ソフィう、うん
???あ、ち、ちょっと!待ってよ!
scene2ソフィへの届け物
ソフィはあ、はあ…
カイル…さっきの人、うまくまけたかな?
リアラ多分…あれから結構走ったし…
???な、なんで逃げるんだよ!ひどいじゃないか!
ソフィ…!
ジューダスお前…
???待って!オレは別に怪しい者じゃないって!あ、この国の兵でもないよ!
???えっと、間違ってたらごめん。きみ…ソフィって言うんじゃない?
ソフィどうしてわたしの事…
シングやっぱり!聞いてた特徴の通りだ。会えてよかった!
シングオレはシング・メテオライト。シーブル村から来たんだ
ソフィシーブル村…シング…?
カイルシーブル村って、ソフィがこっちの世界に来た時、最初に行った場所だよね?
ジューダスそのシーブル村の住人が、ソフィに何の用だ?
シングウィンドルに行くって聞いたからさ!コハクって女の子と一緒に――…
ソフィコハク…シングとコハク…!
シング?オレ達の事、知ってるの?
ソフィ確かパスカルが言ってた。村を出る時に、シングとコハクによろしくって
シングああ、パスカルか!そういえば、あれ?パスカルは…
リアラパスカルなら里へ帰ったわ
シングそっか…それは残念だなあ。また会えたら、コハクもきっと喜んでたと思うよ
ジューダス…で、何の用なんだ?
シングああ、そうだ!えっと、オレ達はソフィに届け物をしに来たんだ
ソフィわたしに届け物…?それって何なの?
シングコハク、ソフィに…って、あれ?
シングコハクがいない…。どこに行っちゃったんだろ?
シングおーい、コハク!どこにいるんだ!
???シング!
警備兵ア・ジュールの密偵め!待て!
ソフィ大変…あの人、追われてる
シングコハク!今助ける!
ソフィあ…待って!
カイル女の子を追い掛け回すなんて…
ソフィどうする?
リアラ決まってるわ、助けましょ!
scene1甦る記憶
シングしまった、行き止まりか!
コハクどうしよう…
警備兵もう逃がさんぞ
ソフィあの人達、逃げられなくなってる!
カイル助けよう!
カイルせいっ!
ジューダス食らえ!
ソフィやああっ!
警備兵ぐああああーっ!?
シングありがとう。助かったよ!
コハクシング、あの紫の髪の女の子、もしかして…!
シングうん。あの子がソフィだよ
コハクよかった!わたし達、これをあなたに届けにきたの
ソフィこの剣は…
シング村の海岸に落ちてたんだ。きっと、きみの落し物だろうって、村のみんなが話しててさ
コハク作りもいいし、きっとなくして困っているって思ったの
ソフィわたし…
ソフィ
リチャード(ソフィ…こんな僕を 友と呼んでくれた君には 本当に感謝している…)
ソフィ
リチャード(だからどうか…この剣を…)
ソフィ
ソフィそうだ…この剣…リチャードがくれたんだ…リチャードは…わたしの…友達…
カイル…記憶を取り戻したのか!?
リアラわたし達の事もわかる?
ソフィわかるよ…みんなの事も、自分がどこから来て、何をしようとしていたのかも…
ジューダス
ソフィシング。コハク。剣を届けてくれて、本当にありがとう
シングううん、どういたしまして!きみに渡す事が出来て、よかったよ
警備兵ア・ジュールの密偵がいたぞ!こっちだ!
コハク大変、見つかっちゃった!
シングあの人達、オレ達の話、全然、聞いてくれないんだよな…。密偵なんかじゃないのにさ
シングあの人達の事は、こっちでなんとかするよ。だからソフィ達は気付かれないように行って!
コハクシーブル村に遊びに来てね!歓迎するから!
シングみんな、元気でね!
ソフィ行っちゃった…
ジューダス僕達もここを離れよう。兵士に目をつけられると厄介だ
scene2甦る記憶
ジューダスさて…リチャードの所在と、城にいるなら中に潜入する方法を何とか突き止めなければな
カイルなら手分けして情報を集めよう。そのほうが早いと思うんだ
リアラそうね…
ソフィ
リアラソフィ、それでいいかしら?
ソフィあ、うん…
ジューダス
カイル落ち合う場所はここでいいかな。じゃあまた後で!
カイル駄目だ…リチャードがどこにいるのか、全然わからないや…
リアラわたしのほうも、めぼしい情報は得られなかったわ…ソフィは?
ソフィわたしもわからなかった。ごめんね
カイルあとはジューダスだね
ジューダスみんな、わかったぞ。リチャードは城にいない。軍を率いてア・ジュールに向かったようだ
カイルさすがジューダス!じゃあ、オレ達もさっそく…
ジューダスあわてるな。今、王都の正面から出るのは危険だ。警備が厳しくなっている
リアラだったら、どうすれば…
ジューダス警備の比較的手薄な裏道がある。そこを通って外に出るぞ。こっちだ
ソフィ王都の中にも、こんな人気のない場所があったんだね
ジューダスこの辺は魔物も出るそうだ。それで人が寄りつかないらしいが、今の僕達には好都合だな
ギャオオオオッ!
カイルさっそく出たな!
リアラみんな、気を付けて!
scene1新たなる決心
ソフィ何とか無事に、王都の外に出られたね。…次はどうするの?
ジューダスア・ジュールはここからだと北だ。だから僕達もそちらへ向かう
カイルそういえばウィンドルとア・ジュールが全面戦争を始めたのって、今頃だったっけ?
リアラええ。わたし達の時代の記録によれば、これから両国の間で、大規模な戦闘が行われるはずよ
リアラそれによる影響は二国間に留まらず、周辺国にも飛び火して、世界中が戦火に包まれてしまうの
ジューダスそれも全て、リチャードが、星のカケラを独占しようとした事が原因だ
ジューダスあの男の暴走により、世界は破壊し尽くされ、最終的に闇に包まれてしまう…
カイルそれがオレ達の知っている歴史だね
ソフィリチャードは…昔から戦争をしたがるような人だったの?
リアラそんな事はないわ。むしろ初めは善政を行なっていて、名君と呼ばれていたみたい
ソフィだったらどうして…
ジューダスあの男は自分の理想の世界を作ろうと願い、そのために星のカケラを求めたのだと言われている
カイルその結果生まれたのが、オレ達のいたあの闇に包まれた世界ってのが納得できないよ…
ソフィリチャードはわたしに、こんな世界は望んでいなかったって言ってたよ…
ジューダス口では何とでも言える。だが結果的にああいう世界を生み出したのは、他ならぬあの男だ
カイルだからオレ達は、何としてもリチャードが星のカケラを集めるのを阻止しないといけないんだ
リアラソフィがリチャードに同情するのもわかるけど…今のわたし達は、こうするしかないの
ソフィ…うん、そうだよね。わかってる…けど…
リチャード(僕は取り返しのつかない事を してしまった…いずれ必ず、 報いを受けるだろう…)
リチャード(こんな事を言っても、 信じてもらえないだろうが… 僕の中には…もう一人別の僕が…)
ソフィ(わたし…やっぱり信じたいよ)
ソフィ(本当のリチャードはみんなが 知っているリチャードとは 違うって…)
カイルソフィ、どうかしたの?
ソフィううん、何でもない。心配かけてごめんね
ジューダス…とにかく、北へ向かうぞ
scene2新たなる決心
ピピピ…
カイル何の音だ?
ソフィあ…パスカルにもらった通信機が鳴ってる
ピッ
ソフィパスカル、どうしたの?
パスカルあ、ソフィ!つながってよかった~♪
パスカル今、ちょっち話していい?
パスカル星のカケラに関して新しくわかった事があるから、それを伝えようと思ってさ
パスカル星のカケラを手に入れて、カケラに認められると、真の選ばれし者になるのは知ってる?
リアラ確かに言い伝えでは、そうなっているわね
ジューダスその真の選ばれし者だけが、光の神殿に足を踏み入れる資格を持つのだったな
パスカルでもね。星のカケラを手に入れた者が全員、必ずカケラに認められるとは、限らないみたいなんだよ
パスカルそんで、ここからが問題なんだけど…星のカケラに認められなかった者は、邪念に侵されちゃうんだって
カイル邪念に侵されると、どうなるの?
パスカルまるで何かにとりつかれたか、別人に入れ替わったかのように、性格が凶暴になっちゃうらしいんだ
パスカルこの事を知って、あたし、ソフィが前に言ってた言葉が、すごく気になってさ
パスカルほら、言ってたでしょ?
パスカル「本当のリチャードは、 みんなが知ってるリチャードとは 違う」とかなんとか…
ソフィあ…じゃあもしかして…
パスカルうん。ひょっとしたらリチャードは、星のカケラの邪念に、とりつかれてるのかもしれないよ
パスカル何かあの王様、最近になって急に人が変わったって言われてるしさ
パスカル怪しいと思わない?
ジューダスその邪念を、取り除く方法はあるのか?
パスカルたぶん…リチャードが持ってる星のカケラを、取り上げちゃえばいいんじゃない?
パスカルそうすれば邪念から解き放たれて、元に戻れると思うの
パスカル…どうかな?参考になった?
ソフィうん。すごく。ありがとう、パスカル
パスカルえへへ、どういたしまして。それじゃ、頑張ってね~
ピッ
ソフィみんな…
リアラいい話を聞いたわね、ソフィ
ジューダスこれでお前の迷いも、完全に晴れたのではないか?
ソフィわたしが悩んでた事、知ってたんだ…
ソフィうん。わたし、もう迷わないよ
ソフィリチャードに会って、星のカケラの邪念を取り除いてみせる
カイルよし!そうとわかれば、急いで戦場に向かおう!
ガアアアア!
ソフィ魔物…!
ジューダスこんなところで終わるわけにはいかない…
ジューダスいくぞ、みんな!
ソフィわたし達は、負けない!
scene1リチャードを追って
ジューダスこの辺りが、ウィンドルとア・ジュールの両軍が激突する戦場のはずだ
カイルそうみたいだね。いろんなところから兵士の叫び声とか、大軍の移動する音が聞こえてくる
リアラ両軍の戦闘に巻き込まれないよう、注意しないといけないわね
ソフィこれからどうすればいいの?
ジューダスウィンドル軍に参加しているふりをしながら、リチャードの居場所に関する情報を集めるのがいいだろう
カイルあそこに部隊がいるぞ。さっそく話を聞いてみよう
カイルおーい!
ウィンドル兵お前達は…
ソフィ…!
ウィンドル兵覚えているぞ!地下神殿で、陛下を害さんとした賊だな!性懲りもなくまた現れたか!
カイルしまった…!あそこにいた奴らだったのか!
ソフィ違う。わたし達は賊なんかじゃ…!
ジューダス話の通じる相手ではなさそうだ。ここは逃げるぞ
カイル急げ!
ウィンドル兵待て!待たんか!
リアラもう追ってこないわ…何とか逃げられたみたいね
ジューダスだがあの様子では、他の部隊にも遅かれ早かれ情報が伝わるだろうな
リアラここから先は、隠れて行動したほうがよさそうね
カイルごめん…オレのせいで…
ソフィううん、カイルは悪くない。あの場は仕方ないよ
カイルありがとう…ソフィは優しいなあ
リアラそれじゃ、行きましょう
scene2リチャードを追って
ソフィあれからだいぶ進んだけど…
カイルリチャードはきっと本陣だと思うんだけど…なかなかたどりつけないな
ジューダスこの辺は地形が複雑で、どこに軍が展開しているか把握しにくいからな
ジューダスおまけに僕達はウィンドル軍に追われる身で、身を潜めながら移動しなければいけないときている
リアラ時間がかかるのも仕方ないわね
ソフィ向こうから誰かが来るよ
リアラそこの草むらに隠れましょう。みんな、急いで!
ザッザッザッ…
カイルあれは…ウィンドルの兵士じゃないぞ
ジューダスああ。ア・ジュール軍だ
ア・ジュール兵兵器工場に潜入したウィンドルの工作員が、当戦場に紛れ込んだという情報が入った
ア・ジュール兵工作員は男女2人組。帽子を被った男と、金髪の女だ。見つけ次第捕らえよ!
ザッザッザッ…
カイルよかった…オレ達には気付かなかったみたいだ
ソフィ今の人が言ってたのって、わたし達の事じゃないよね?
リアラもちろん。わたし達は兵器工場なんて行ってないし、この中には帽子の男性も金髪の女性もいないもの
カイルそういえば最初にイニル街に行った時、金髪の女の人に会ったな。もしかしたら、その人の事かも
リアラまさか…そんな偶然…
ガサガサ…
ソフィそこに何かいる…
グオオオオ!
ジューダスくっ!ア・ジュール軍の後は魔物か!
scene1すべてを救うために
カイルふう…いくら何でも、いい加減見つかってもいいと思うんだけど…
ソフィ…!みんな、向こうを見て!
ジューダス向こう…?
リチャード全部隊、前へ!ア・ジュール兵どもを蹴散らせ!
リチャードこの戦いは僕の理想とする世界を実現させるための大きな一歩となる
リチャードひるまず進め!
カイルいたぞ、リチャードだ!
ソフィリチャード!
リチャード…?あいつらは…
親衛隊長ガイアスの放った刺客かもしれません。正体のわからぬ者は、敵と捉えておくのがよいかと…
親衛隊長ですがご安心ください。陛下には決して近付けさせません
リチャードうむ。ここは任せたぞ
リチャード崇高な戦いを、あのような下賤なネズミどもに汚されたくはない
親衛隊長はっ!
ソフィリチャード、待って!
リアラせっかくここまで来たのに…このままでは逃げられてしまうわ!
親衛隊長賊を討ち取れ!逃がすな!
カイルここで、引き下がれるか!オレ達の手で、未来を変えるんだ!
カイルみんな、行くぞ!
ソフィリチャード、今助けるからね…!
ジューダス蹴散らすぞ!
scene2すべてを救うために
ソフィリチャード!
リチャードお前達…!どこまでしつこく、僕に迫ってくる気だ
カイルお前が星のカケラを手放すまでだ!
ジューダスこれ以上、お前の好きにさせるわけにはいかない。未来の世界を守るためにな
リアラあなたの野望もここまでよ
リチャード薄汚いネズミどもめ。ならば僕の手で直接、引導を渡してやろう
ソフィリチャード、お願い。元のリチャードに戻って
ソフィリチャードは星のカケラの邪念にとりつかれているだけ!カケラを手放せば元に戻れるから
リチャードわけのわからない事を
リチャード大体お前は何者だ?元も何も、僕はお前を知らないぞ
ソフィわたしはリチャードの友達だよ。ほら、これを見て
リチャードその剣は、僕の…!
リチャード馬鹿な。なぜお前がそれを持っている!?
リアラリチャードも同じ物を…
ソフィわたし、未来のリチャードから、この剣を預かったの
ソフィわたし達、未来から来たんだよ
ソフィ未来のリチャードは、苦しんでた。永遠の友情を誓った友達が死んで、それを自分のせいだって言ってた
リチャード永遠の友情を誓った友達だと…なぜその事を知っている?誰にも話していないのに
リチャードだが、死んだとはどういう…
ソフィそれに、自分のせいで世界を闇に包んでしまった事を悔いてて望んだのはこんな世界じゃないって…
ソフィわたし、そんなリチャードを助けてあげたくて、それで、友達になったんだよ
リチャード友達…お前と僕が友達…
リチャード僕が星のカケラの邪念にとりつかれたというのは…本当なのか…?
ソフィうん。だから今すぐカケラを手放して
ソフィそうすれば、元に戻れるから
リチャードそう…だったのか…
カイルリチャードが話を聞いてくれた!?
リアラ正気に戻ったの?
ソフィリチャード。星のカケラをこっちに渡して。ね?
リチャードわかった…
ジューダスソフィ!近付くな!そいつは正気に戻ったふりをしているだけだ!
ソフィ…!
リチャード…消えろ
ソフィあうっ!
カイルソフィ!!
カイルリチャード、お前…!!
リアラソフィ、しっかりして!
ソフィリチャード…どうして…
リチャード貴様ごときの戯言に、僕が耳を傾けると思ったか!
ジューダスソフィ、こいつに何を言っても無駄だ!諦めろ!
ソフィリチャード!
リチャード死ねえ!
scene3すべてを救うために
リチャード馬鹿な…お前達ごときに、この僕が…!
ソフィリチャード、しっかりして!
リチャード近寄るな…!
リチャード星のカケラは誰にも渡さん。僕は…真の選ばれし者だ!
ジューダスリチャードの剣が、光り始めたぞ!?
リアラもしかしてあれが、星のカケラ?
ソフィリチャード!
パキィィィィン!
カイルあっ!リチャードの剣が砕けた!
リチャードう…うわあああああああ!
ソフィリチャード!
リチャード…ここは…どこだ…?
リチャード僕は…一体…何だか長い間、夢を見ていたようだ…
ソフィリチャード、元に戻ったんだね!
ソフィよかった…!
ジューダスやはりあの剣が、星のカケラだったようだな
ジューダスリチャードの剣が砕けた事で、リチャードにとりついていた邪念も消え去ったという事か
カイルやった…やったぞ!これで未来は変わる。オレ達の世界は救われるんだ!
リチャード…ソフィと言ったね。君の言う通り、僕は本当にカケラの邪念にとりつかれていたのかもしれない
ソフィリチャード…
リチャード僕は…ウィンドルを、もっと豊かな国にしたかった
リチャード全ての民が、餓える事も、魔物の脅威にさらされる事もなく、幸せに暮らせる国を作りたかった
リチャードそんな時にあの剣を手に入れ…それから僕は変わってしまったんだ
リチャードあの剣を手にしてからは、寝てもさめても、星のカケラの事ばかり考えるようになった
リチャード全てのカケラを手中に収めたい、そのためなら何をしてもいい…そんな風に思うようになった
リアラパスカルの言った通り、星のカケラの邪念に、とりつかれてしまったのね…
リチャード時々、我に返ったかのように、気持ちが鎮まる事もあったが、それもわずかな間に過ぎなかった
リチャードすぐに激しい衝動がぶり返し、怒りや憎しみの感情に覆われた…自分が自分でないかのように…
ジューダスソフィが僕達の世界でリチャードに出会った時は、たまたま正気に戻っていたのだろうな
カイルそのリチャードが、ソフィに剣を託したのは…助けて欲しかったからなのかもね
リチャードああ。僕は…一体なんという事を、してしまったのだろう…!
リチャードいくら正気に戻ったとは言え、もはや…
リチャードでも、僕は──…!
リチャード全軍に命ずる!我が国はこれより全軍撤退する!
リチャードア・ジュール軍への攻撃は一切禁止とし、戦線から離脱する事を最優先に動くのだ!
ジューダスウィンドル兵は混乱しているようだな
カイル仕方ないよ。急に今まで言ってた事と真逆の事を命令されるんだから、何で?ってなるのが普通だと思う
リアラでも、この戦争を止める事が出来るのはリチャード本人だけ…。大変だとは思うけど、ここが正念場ね
ソフィ…リチャード
親衛隊長陛下!ア・ジュール軍が、大攻勢をかけてきました!
リチャードなにっ!?我が軍は争う意志を捨て、撤退しているいうのに、なぜ…!
親衛隊長突然の撤退命令を受け、前線の部隊を始め、全兵が混乱…指揮が乱れているとの報告を受けています
親衛隊長ア・ジュールは、うろたえる我々に気付き、一斉攻撃を仕掛けてきたものかと思われます…
リチャード…!
親衛隊長陛下!交戦の指示を…!このままでは、すべてがア・ジュールの思うがままです…
リチャード…くっ、一体どうすれば…
ジューダスまずい状況だ。ア・ジュールはこの勢いでウィンドル領土まで侵攻してくるつもりだろう…
リアラリチャードが正気に戻ったのだから彼が世界を滅ぼす事はなくなったわ。でも…
カイルこのままア・ジュールに負けたら、未来に『ウィンドル』っていう国がなくなっちゃうかも知れない!
ソフィ…そんな…!
ジューダス…その可能性は高い。この状況…一体どうしたら…
リチャード
リチャード(これ以上戦争を拡大させるわけには いかない…だが、ここで撤退すれば ア・ジュールの侵略は免れない…)
リチャード(ウィンドルを危険にさらす事を 承知の上で撤退を貫くか…。 それとも──…)
親衛隊長陛下…!
リチャード
リチャード(…貧困の民を救い格差をなくし、 王国をより素晴らしい国にしたい)
リチャード(僕はいつだって、 国の事を考えてきた…)
リチャード(星のカケラを集めようと思ったのも すべては我がウィンドルのため…)
リチャード(…星のカケラは、 僕を試したのかもしれない)
リチャード(国をよくしたいという願いを、 自らの力ではなくカケラに求めた 時点で、僕は失格だったんだ)
リチャード(何も迷う事はない、答えは1つ…)
リチャード(すべての原因は僕だ。 例え死ぬ事になっても、 必ず国境は…)
リチャード(ウィンドルだけは守ってみせる!)
リチャードよし…全軍に命ずる!前言撤回、これより交戦を再開せよ!全軍前線へ向かい、国境を死守するんだ!
リチャード僕も後で向かう!それまでの指揮は、お前に任せる。…行け!
親衛隊長陛下…!ありがとうございます…!!
カイルリチャード…
カイルもう、戦いは避けられないのかよ…!
ジューダス…そういう事だな
リアラでも、このまま戦いが続けば、戦火は確実に世界中に拡大して、この時代のこの世界は…
ソフィそんな…そんなの嫌だよ
ソフィこの時代にはパスカルも、エルも、シング、コハクだって…みんな…
カイルソフィ…
ソフィわたし…この世界も救いたいよ。未来の世界だけじゃなくって、今わたし達のいるこの世界も
カイルソフィの剣が光り出したぞ!?
ジューダスそうか。リチャードの砕けた剣が星のカケラだったのなら、それと同じソフィの剣も、また…
カイル星のカケラだって事?それじゃ今度は、ソフィが邪念に…!
リチャードいや、僕の時とは反応が違う
リチャードこんな風に、優しくて、神々しい光は、見た事がない…
ソフィどういう事?
リアラもしかしたらソフィは、星のカケラに認められたんじゃないかしら
カイルそれって、真の選ばれし者になったって事?
ソフィうん…いいよ
カイル誰と話しているんだ?
ソフィよくわからないけど…光の神殿に来いって、言われた気がするの
カイルやっぱり…!間違いないよ。ソフィは真の選ばれし者なんだ!
ソフィ光の神殿に行けば、わたしの願いはかなうのかな
ソフィこの世界も、未来も、救えるのかな
ソフィもしそうなら…わたしはその可能性を信じたい
カイル待ってくれよ、ソフィ!オレ達も一緒に行く!
カイルうわっ、何だこれ?身体が弾かれたぞ!
リチャード光の神殿に入れるのは、真の選ばれし者となったソフィだけという事なのだろう
リアラそんな…
ソフィカイル、リアラ、ジューダス、心配しないで。目的を果たして、ちゃんと帰ってくるから
ジューダス僕達の事は心配いらない。安心して行ってこい
ソフィリチャード、友達を大切にしてあげてね。きっとまだ間に合うと思うから
ソフィそれと…わたしもリチャードの友達だよ。覚えておいてね
リチャードソフィ…!
ソフィそれじゃ、行って来るね
カイル行っちゃったね…。光の神殿って、どんなところなんだろうな。オレもついていきたかったよ
リチャード
ジューダスリチャード、行くのか…
リチャード彼女に任せきりにはできない。自分の後始末は自分でつける
リチャード僕は前線へ行く。ア・ジュールを食い止め、王国を守る事に死力を尽くすつもりだ
リチャード一時的に凌ぐ事ができたら、ア・ジュールのガイアス王へ和平交渉を持ち込みたいと考えている
ジューダス…和平交渉?
リチャードああ。この世界のために、僕なりに出来る事は何でもやるつもりだ
ジューダスリチャード…。よし、ならば僕達も手を貸そう
リチャード君達が…?
カイルああ。この世界を守る事は、未来のオレ達の世界を守る事にもつながるし
リアラソフィが安心して帰って来れるようにしなくちゃ
リチャードわかった。苦労をかけるが、よろしく頼む
カイル任せて!
リアラソフィ…あなたにこの世界と、わたし達の未来の世界の命運を託すわ。どうか無事で…

NameDialogue
scene1災いの予感
ミラ
ミラ…!
ミラ…また、マナが減った…
精霊イフリート
ミラああ、わかっている、イフリート。これは今に始まった事ではない
ミラ人間界でマナの減少が目立つようになったのは…ここ1年くらいか
ミラそうだな、シルフ?
精霊シルフ
ミラここまで続くと、さすがにもうただの自然現象とは考えにくい
ミラ人間界に、確実に何かが起きている
精霊ノーム
ミラふむ。ウンディーネとノームもそう思うか
精霊ウンディーネ
ミラん?原因に心当たりがあるか?
ミラそうだな…
ミラ人間界に出現したという光の神殿。それと、各地に飛散したという星のカケラ…
ミラまだはっきりした事はわからないが時期を考えると、それらがマナ減少に関係している可能性は高いだろう
ミラ
ミラやはり人間界に行く必要があるな。人間界でマナ減少の原因を突き止め、対処せねばなるまい
ミラ人間界を守る事、それが精霊の主、ミラ=マクスウェルの務めだ
四大精霊
ミラそうか。お前達もついて来るか。それでは…
ミラ行こう。人間界に
scene2災いの予感
ミラ四大。最近の人間界の動向を教えてくれ
精霊ウンディーネ
ミラふむ…ウィンドルの国王が、自らを選ばれし者と称し、星のカケラを全て集める事を宣言した、か
ミラ星のカケラの話は、耳に挟んだ事がある
ミラ確か、全部で6個という話だったな
精霊ノーム
ミラなるほど。ウィンドルはその星のカケラほしさに、隣国のア・ジュールに攻め込んだのか
ミラア・ジュールの側もウィンドルに対抗すべく、積極的な軍備増強を行なっている
ミラこの両大国の衝突は他国にも影響を与え、シルヴァラントやキムラスカにも動揺の兆しあり、か…
ミラ
ミラ…人間というのは、なぜこうも争いごとを好むのか
ミラマナの減少が人間間の争いを助長したのか、あるいはその逆か…判ずるのは難しいところだがな
精霊イフリート
ミラああ、わかっている
ミラこれは今となっては、もはや人間界だけの問題ではない
ミラ精霊界も以前と比べて荒れている。今まで姿を見なかった魔物が現れるようになったのはその一例だ
ミラ人間界と精霊界は裏表の関係。どちらかに変化が生じれば、もう一方にも必ず影響が生じる…
ミラむ…?
ミラ
ミラ魔物…?こんなところにまで入り込んでくるとは
ミラ撃退するぞ。四大も私に続け!
scene1人間界へ
ミラこうして人間界に来るのも、考えてみると久しぶりだな
精霊イフリート
ミラ以前と比べて、変わったところはあるかだと?
ミラそうだな…
ミラぱっと見は変わらないが、空気の感じは明らかに違っているな
ミラ前はもっとマナが豊かで、多くの生命に満ちあふれていたが、今はどこか荒んだ印象を受ける
精霊ノーム
ミラ当然だろう。マナはあらゆる生命の源でもある。そのマナが減れば、生命の活気も衰えるのは道理だ
ミラもし何者かが人為的にマナを減らしているのだとすれば、それは許されるものではない
精霊ウンディーネ
ミラさて、これからどうするかだが…
ミラこれだけマナが減少していると、人間の暮らしにも何か異変が起きているかもしれない
ミラまずはどこかの街へ行き、情報を集めるとしよう
ミラ四大。この辺で一番大きな街はどこになる?
精霊シルフ
ミラなるほど。ここから南に行くと、このあたりを治めるウィンドルの王都があるのか
ミラではまず最初に、その王都を目指すとしようか
scene2人間界へ
ミラここがウィンドルの王都かさすがに大した繁栄ぶりだが…
ミラマナが今の調子で減少を続ければ、果たしていつまでもつ事か
精霊シルフ
ミラ心が荒れている人間が多い?
ミラ今この国は戦争中だからな。そうなるのも仕方あるまい
ミラここへ来る間も、多くの兵が戦場に向かって移動していくのをお前達も見ただろう?
精霊イフリート
ミラ愚かな行為…そうだな。確かにその通りだ
ミラさて、お前達は、街でマナ減少の手がかりを探ってくれ
ミラ私もこの辺で情報を収集する。では、また後でな
騎士団員1聞いたか。例の奇病の噂
ミラ(奇病だと…?)
騎士団員2ああ。イニル街で流行ってるんだろ。王都に伝染しないといいんだけどな
騎士団員1あの街で病気が流行った理由は、やはりあの…
ミラおい、お前達。その話、詳しく聞かせてくれないか?
騎士団員2な、何だお前は。人の話を盗み聞きするんじゃない!
騎士団員1お前に話す事など何もない!
ミラ(行ってしまった… あの様子では、口を割らせるのは 難しそうだな)
四大精霊
ミラお前達、戻ったか
ミラ何か収穫はあったか?こちらは気になる話を聞いたぞ
精霊イフリート
ミラふむ。隣国ア・ジュールで、新技術を用いた兵器が開発されている噂がある、か…
ミラその新技術とやらがマナ減少と何か関係があるのではないかと、お前達は考えているのだな
精霊シルフ
ミラ両方とも調べる必要がありそうだが…どちらを先にするか
精霊ウンディーネ
ミラ…そうだな。イニル街から先に行くか。同じウィンドル国内だしな
ミラよし、そうと決まれば…
きゃああああ!
魔物だ!
ミラ魔物?こんな街中に?
scene1同じ場所を目指して
ミライニル街へ行くのはこの道でいいのか?
精霊ウンディーネ
ミラうむ…人間界の地理に疎いからな…案内がいればいいのだが、そんな都合のいい話があるわけも…
ミラむ?あれは…
???あっ!
ミラ危ない!
グオオオ…
ミラ…何とか間に合ったかケガはないか?
???う、うん…助けてくれてありがと…
ミラ(この二人…父娘か?)
ミラ魔物相手に油断は禁物だ。それと、そこの長髪の男。父親ならちゃんと娘を守るべきだろう
エルあ、違うよ。ユーリはエルのパパじゃなくって、セーギの味方の騎士団だよ!
ミラ(ふむ、読みが外れたか…だが、 騎士と子どもがこんなところで 一体なにをしているのだ…?)
エルあなたは?エルはエル。このひとはユーリ
ミラ私の名はミラ。ミラ=マクスウェルだ
エルミラはここでなにしてたの?
ミライニル街というところへ行く途中だ。奇妙な噂を耳にしたのでな
ユーリその噂ってのは、あそこで流行っているっていう奇病の事か
ミラ知っているのか
ユーリオレもそれを調べるためにあの街へ向かっているとこなんだよ。エルを送っていくついでにな
ミラなるほど。目的地は同じか
エルせっかくだから、ミラもエル達と行こうよ
ミラ(四大はどう思う?この二人、 敵意はなさそうだが…)
精霊シルフ
ミラ(確かにイニル街に行くのであれば、 ついて行くのが得策か…)
ミラ…そうだな。私はこの辺の地理に疎いから、同行させてもらえると助かる
ミラでは、行くとしようか
scene2同じ場所を目指して
ミラユーリはエルを家に送るためにイニル街へ向かっていると言ったな。それはつまり…
ユーリつまり、エルの家はイニル街にあるってこった
ユーリだろ、エル?
エルうん
ミラでは街の状況についても詳しいのだな。差し支えなければ、教えてもらえないか?
エルユーリにも話したんだけど、最近へんなビョーキがはやってて具合わるいひとがたくさんいるの
エルビョーキがうつるからって、街を出てくひともたくさんいて、助けてくれるひともいなくて…
エルだからエル、王様に頼んで、助けてもらおうって思ったの
ミラなるほど…
ミラ(想像していた以上に、 事態は深刻そうだな…)
ユーリで、こいつははるばるイニル街から王都のそばまでやってきた
ユーリオレの方は、騎士なんかやってたばっかりに、こうして付き合う破目になってるって訳だ
ミラほう、ユーリは騎士なのか
ミラ弱き者に手を差し伸べる、立派な騎士道精神だな
ユーリ立派かどうかは知らねえけどな
ユーリけど、こんな子ども一人で送り返して、夢見悪い事になんのも考え物でな
ミラその通りだな。それで、国王には話はできたのか?
ユーリいや、まだだ。さすがにいきなり国王が相手してくれるとも思えなかったんでな
ユーリだからオレが街の状況を確認して、エルの代わりに国王に報告しようと思ってる
エルよろしくね、ユーリ
ユーリま、やるだけやってみるさ
精霊ノーム
ミラ(何…?魔物がひそんでいる?)
ミラ二人とも、気を付けろ!
ユーリあんなところに!
ユーリなんでわかったんだ、ミラ?
ミラ理由を説明している暇はない。こいつを撃退するぞ!
scene1病に侵された街
ユーリそろそろか…?
ミラ(やはり予想した通りか。 この辺一帯はマナの消費が激しい)
ミラ(四大。先に街へ入り、 探りを入れてくれ。頼んだぞ)
四大精霊
ユーリ街が見えてきたな
エルなんかヘンな気する…。街にいるときは感じなかったのに…
ミラお前達も気付いたか。これはマナの消費が激しいせいだ。…やはりあの街には何かあるようだな
エルマナ?
ミラこの世界を司るエネルギーとでも言えばいいだろうか。目には見えないがな
ユーリへえ、物知りなんだな
ミラところでユーリとエルは、星のカケラの伝説を知っているか?
エルエル聞いたときある!
エルカケラを手にし己に打ち勝った者だけが、光の神殿に入れる…
エルでしょ!
ユーリただのおとぎ話のはずが、本当に光の神殿が現れたってんで、世界中大騒ぎになっているな
ミラその騒ぎとマナの減少、そして奇病の流行…。すべての時期が微妙に重なっているのが気になってな
ユーリ何か関係があると思うのか?
ミラ…まあいい。とにかく、街の様子を調べよう
ユーリだな
scene2病に侵された街
ミラこれは…
ユーリなんてこった。そこら中に人が倒れてんじゃねえか!
ミラ外から見た時に予感はしてはいたが、思っていた以上にひどい状況だな
ミラ(この有様…単にマナが減少した だけでは説明がつかない)
ミラ(他にも原因があるようだな)
ユーリ街で病気が流行り出したのは、確かひと月前だと言ったよな。こんな状態がずっと続いていたのか?
エルエルが出かけるまではこんなじゃなかったよ!
ミラ(1ヶ月前か…その頃この街に何が あったのか、調べなくてはな。 それにしても…)
ミラ街がこんな状態だと、治安の悪化も心配だな
エルチアン?
ユーリ悪さする奴が増えてないかって事だ
エル…悪いひと多くなってるよビョーキがはやる前はそんな事なかったのに。それに魔物も…
ユーリこれだけたくさん病人が出てりゃ警備の手だって足りなくなんだろ。魔物が入り込んでもおかしくないな
ミラあの王都でさえ魔物が出るのだ。こんな小さな街ならなおさらだろう
ユーリそりゃごもっともだ。ここには騎士団すらいないしな
ユーリエル。街の中で、特にひどい状況の場所は分かるか?
エルどこもみんなつらそうだけど…一番はあっちかな
ミラむ…?
ミラちょっと待て、二人とも。向こうから何か来るぞ!
ユーリちっ…!
scene1仮面の男
ミラふう…
エル急に魔物が襲ってきてびっくりしたね
四大精霊
ミラ戻って来たか、お前達。何かわかったか?
エルえ?戻って来たって何の事?
ミラなんでもない。ただの独り言だ
ミラ(街の南に妙な施設を見つけた?)
ミラ(ふむ…確かめてみるか)
ユーリったく、出鼻をくじかれたな。そんじゃ調査再開といくか
エル街の東側へ行くんだよね
ミラ(東か…私の行きたい方角とは 異なるな)
ミラすまないが、私は別行動を取らせてもらう
ミラ調べたい事があってな
エルえ?ミラ…ここでお別れなの?
ミラそんな悲しそうな顔をするな、エル
ミラ用が済んだらまた合流する
ミラしばらくしたら、街の入り口で落ち合おう。それでどうだ?
エルわかった。それならまた会えるね
ユーリ行くのはいいが、一人で大丈夫か?
ミラ心配はいらない
ミラでは、また後でな
ミラさて。その南にあるという施設に行ってみるか
ミラこれは…!
ミラマナがいきなり減っただと…一体何が起きた?
精霊ウンディーネ
ミラお前達の見つけた施設と関係があるかもしれないな。急ぐぞ!
scene2仮面の男
ミラこの道をまっすぐ行ったところに、お前達のいう施設があるのだな
精霊イフリート
ミラ確かにこの辺は、マナの量は街の他のところと比べても少ない…
ミラ自然にこうなるとは考えにくいな。やはり何かしら人為的な原因があるという事か?
ミラむ…?
???
ミラ(こいつ…何者だ? 物腰にまったく隙がない)
???そこのお前
ミラ私に何か用か?
???金髪の男と、茶色の髪の女を見なかったか?
ミラ金髪の男と茶色の髪の女…?
ミラいや、見ていないが
???そうか
???ならばいい
ミラ明らかにただ者ではなかったな。かなりの実力の持ち主のようだ
ミラくっ、まただ…!
ミラまたマナが、急激に減少したぞ
ミラ原因を作っているのは、やはりこの先にある施設か?
通りすがりの男う…
ミラおい、しっかりしろ。いきなり倒れてどうした?大丈夫か?
通りすがりの男
ミラ気を失ったか…
ミラこれ程急激にマナが減ったりすれば影響を受ける者が出るのも無理もない
精霊イフリート
ミラどうする、だと?
ミラ人目につく場所まで連れて行くしかあるまい
ミラこの男をここにこのまま放置すれば、確実に生死に関わるだろうしな
グオオオオ!
ミラ魔物だと?こんな時に!
scene1不思議な2人
ミラ具合はどうだ?ここまで来れば他の人間もいるから後は何とかなるだろう
通りすがりの男ご親切にありがとうございます。本当に助かりました
ミラさて。もう一度あの施設まで行ってみるか
ミラ…うん?
???いないなあ、ジューダス。どこに行ったんだろ
???魔導器(ブラスティア)を気にしていたから、きっとその近くだと思うんだけど…
ミラ(あれは…仮面の男が話していた、 金髪の男と茶色の髪の女か?)
ミラお前達。ちょっといいか?
ミラ先ほど仮面をかぶった男に会ったが、お前達の知り合いではないのか?
???仮面の…?それ、ジューダスよね、カイル!
カイルうん!
カイルねえ、その仮面をかぶった人と、どこで会ったの?
ミラ街の南にある施設の近くだ
カイルやっぱり魔導器のところだ。リアラ、もう一度行ってみよう!
ミラもう一つ聞いてもいいか?
ミラお前達、あの施設の事を何か知っているのか?
リアラ直に見たわけではないけど…あの施設の中にあるのは、魔導器と呼ばれる装置よ
カイルこの国の王様が数ヶ月前に、技術者を呼んで建てたんだって。でも、何で作ったのかわからないんだ
カイルオレには難しくてよくわからないけどその魔導器は生き物の命を吸い上げて動力源ってヤツにしてるらしいんだ
カイル魔導器を動かすと、人が飲むと危険な水をたくさん出すんだって。だから街の人が病気なんだと思う
カイルあ、そういえば…ア・ジュールって国にはもっとすごい魔導兵器があるんだって
ミラ魔導兵器…だと?
カイルうん、多分魔導器と同じ。それを兵器に…
リアラカイル。こっちの世界の人に、あまり干渉するのはよくないわ
カイルあ、うん。そうだったね
リアラそろそろ行きましょう。早くしないと、ジューダスと合流できなくなるかもしれない
リアラじゃあわたし達はこれで。さようなら
ミラ
ミラあいつら、一体何者だ…?やけに色々な事を知っていたな
ミラこっちの世界と言ったのも気になる…
ミラ…だが、ひとまずマナの減少の原因がわかったのは収穫だな
ミラ奇病の原因は、やはりあの施設か
ミラ魔導器…確かそう言っていたか
精霊ノーム
ミラそうか。ユーリとエルがそろそろ戻って来るかもしれないな
ミラまた合流すると約束した手前、行かないわけにもいくまい。先にふたりと合流しよう
scene2不思議な2人
ミラ街の入り口まで戻ったが…ユーリとエルはまだ来ていないか。このまま待つとしよう
精霊ノーム
ミラ魔導器…生命を吸い上げて動力源にする装置か…
ミラ生命がマナを指すのは確実だろう。この国の王が設置を命じたと言っていたが…
精霊ウンディーネ
ミラそうだな。誰が作ったのか、確認する必要があるだろう。そうせねば問題は解決しない
エルあっ、ミラがいるよ
ユーリオレ達より先に戻ってたか
ミラふたりとも無事なようだな
ユーリそっちは何か収穫はあったか?
ミラああ。街で流行っている奇病の原因を特定した
ユーリ…南にある施設か?
ミラそうか。お前達も同じ答えにたどり着いたようだな
ユーリオレ達のほうは、たまたまみたいなもんだけどな
ミラ(もしかしたらユーリ達も、 あの三人に会ったのかもしれんな)
ミラどうもその施設というのは、この国の王が技術者を派遣して、数ヶ月前に設置したものらしい
エルエル、思い出した!
エル施設ができる時、これで暮らしが楽になるってみんな言ってた
エル魔導器があればショーライアンタイだって
ユーリこりゃいよいよその施設とやらに行ってみなきゃならねえな
ミラそうだな…
ミラむ?
エル何か来るよ!
scene1その原因となるもの
ユーリこの先に例の施設があるんだな
ミラああ
ミラ(さっき、この辺で仮面の男と 会ったのだったな…あの三人組は、 無事に再会できただろうか)
ミラ施設が見えてきたな
エルあの中に魔導器があるんだよね?
ユーリ見て終わりって訳にはいかなさそうだな
ユーリとっととぶっ壊しちまうか
ミラ私もそのつもりだ。気が合うな
エルエルも手伝う!
ユーリ頼もしいな
ユーリそれじゃ、乗り込むとするか
精霊ウンディーネ
ミラ(この先に武装した兵が多数いる? …わかった)
ミラ正面は鍵がかかっているようだな。裏に回ってみよう
エル厳しいの?エルには何も見えないよ
ミラ先ほど近くまで行って確認した。間違いない
ミラ(四大に教えてもらったと言っても、 何の事か理解できないだろうしな)
ユーリ…ま、いいさ。ここはミラの忠告に従っておこうぜ、エル
ミラふむ。この排水溝から中に潜入できそうだな
エルここなんかくさいよ…
ユーリ大丈夫か?無理に一緒に来なくたっていいんだぜ?
エル大丈夫!
エルビョーキになった人達を助けるためだもん
ミラ中に入るぞ
scene2その原因となるもの
エルこれって…
ユーリこいつが例の魔導器か?
ミラ周囲のマナが減り続けている。やはり、こいつが元凶のようだ
ミラ(マナを動力源にしてエネルギーに 転換する装置か。 とんでもない代物だな)
ミラ(しかし…ほとんどの人間はそもそも マナの存在すら知らないというのに どうしてこんな物が作れたのか)
ミラ(今回の一件、 わからない事が多すぎる。)
ミラ(どうやらかなり根が深そうだな)
ザザー…
ユーリ廃液みたいなのが流れ出してやがる。あれが井戸の水に染み込んでんのか?
ミラなるほど。それも奇病が流行った一因か
ミラこんな物を自国の領内に置くとは…
ミラ王の意図は不明だが、こんな物が人間界にあってはならない
ミラ(そうだ…この魔導器は、 明らかに人間の手に余る。 どのような使用目的があっても)
ユーリなら、さっさとやっちまうか
エルうん!
ユーリ警備の連中が来る前に決めちまおうぜ
ミラよし、やるぞ!
scene1また会う日まで
ミラ警備の連中は追いかけて来ないな。無事に脱出できたようだ
エル魔導器を壊せてよかったね!
ユーリああ。土産も手に入ったしな
ミラこれは何だ?
ユーリあの魔導器の魔核(コア)じゃねえかと思う。こいつを外した途端、動きが完全に止まったからな
ミラちょっと見せてもらっていいか?
ミラ
ミラふむ…こうして見ただけでは、何なのかよくわからないが…
ユーリこの魔核を押さえときゃ、魔導器修理してまた動かそうったってそう簡単にはいかねえだろ
ミラフッ。抜け目のない奴だこれは返すぞ
エル何だか、空気がキレイになったみたい
ミラこの辺はもう大丈夫だろう。時間はかかるが、減少したマナも少しずつ元に戻るだろう
ミラそうすれば自然と、奇病も収まっていくはずだ
エルじゃあもう、心配いらないんだね
エルありがとう、ユーリ!ミラ!
ミラエルもよく頑張ったな
ミラさてと…
ユーリもう行くのか
ミラああ。次はア・ジュールへ向おうと思う。あの国に関しても、色々不穏な噂を耳にしているのでな
ユーリそうか。じゃオレは王都へ戻って、今回の事を報告するとすっか
エル王様に言っといてくれる?
エルもうこの街に、へんなものを置かないでって
ユーリああ、任せとけ
ミラではさらばだ、二人とも
ミラ縁があればまた会おう
ユーリオレも行くか
ユーリエル、元気でな。もう無茶はすんなよ
エルうん、またね。二人とも!
scene2また会う日まで
精霊シルフ
ミラ…うむ、わかった。ア・ジュールへ行くには、このまま北西へ進めばいいのだな
ミラこの辺はイニル街へ行く際も通ったが、その時と比べると、空気が少しはよくなったな
ミラ逆に言えば、あの魔導器がどれほど周囲の環境に悪影響を及ぼしていたかという事になるが…
精霊イフリート
ミラ何のためにあんな物が作られたのか、だと? この国の王の目的は、間違いなく兵器への転用だろうな
ミラあの金髪の少年…カイルと言ったか。彼の話では、ア・ジュールにある魔導兵器はさらに大がかりらしいが…
ミラア・ジュール王も、考えている事は同じのようだな。魔導器の力を用いて、相手国を攻め滅ぼそうとしている
ミラそんなことをしてマナを濫費し、戦争に勝っても、得られるのは荒廃しきった土地だけだというのにな
ミラ何とも愚かしい事だ…
精霊ノーム
ミラ…私を励ましてくれるのか、ノーム
ミラ心配はいらない。こんな事でへこたれたりはしない
ミラたとえ前途に何が待ち受けていようと私は己の使命を全うする
ミラ精霊の主として、な
精霊ウンディーネ
ミラほう。ウンディーネはあのユーリが持っていたコアが気になるか
ミラ私も気にはなっている。魔導器はあのコアによって動いていた
ミラあのコアはいったい何なのだ?ウィンドルもア・ジュールも一体どこで手に入れたのか…
ガルル…
ミラ…魔物か!?
scene1偶然の出会い
ミラア・ジュールへ向かうには、ここから船に乗らないといけないのか
ミラ随分混雑しているな。この分だと船に乗るまでに、だいぶ待たされそうだ
???メルディ、どこなの?もしいたら返事して!
???はあ…ここにもいないか。あの子一体、どこに行ったんだろう
ミラおっと…
???あっ、ごめんなさい!ぶつかっちゃった…
ミラ私は大丈夫だ。気にしなくていい
ミラところで、何かあったのか?思い悩んでいるような様子だったが…
???あ、はい。わたしの友達の事を考えてて…
???知りませんか?長い髪を頭の両脇でこう結んでて…
ミラそういう髪型で私が知っているのはイニル街のエルくらいだな…
???え、エル…?もしかして、エルの事知ってるの!?
ミラああ。さっきまで行動をともにしていた。
???よかったー!エル、無事なんだー!
???王都の近くまで一緒だったんだけど途中で別れなくちゃならなくて…
???ちゃんと王様に会えたのかな?
???エルの街、変な病気が流行っていて王様に助けてもらうって言ってたけど
ミラああ、王様には会えていないが、その病気ならもう大丈夫だ。原因を取り除いたからな
???ホント!?
???よかったー。これでエルも、前みたいに無事に暮らせるんだね
???あ、ごめんなさい!まだ名前名乗ってなかったね
レイアわたし、レイア・ロランド
レイアあなたの名前も教えてもらっていい?
ミラミラ=マクスウェルだ
レイアありがとう、ミラ!エルの事教えてくれて
レイアあ、わたしそろそろ行かないと
レイアエルも心配だったんだけど、別の友達を捜してるの
レイアじゃあね、ミラ。また、どこかで会ったらよろしくね!
ミラああ、またな
ミラエルの知り合いか。世間は狭いな
ミラさて、船に乗るなら、切符を入手しなくてはな
scene2偶然の出会い
ミラ船の切符は買えたが、これだけ待っている客が多いと、乗り込むまでに時間がかかるな
ミラウィンドルとア・ジュールは戦争をしているのに、人の行き来がこれだけ盛んというのも、不思議な話だが
ミラ仕方ない。順番が来るまで待つとしよう
精霊ウンディーネ
ミラそうだな。この間に、ア・ジュールに着いてからどうするか考えておいたほうがいいかもしれん
ミラ魔導兵器がどこにあるか、突き止めるのが何より先決だ。すぐにわかればいいのだが
精霊シルフ
ミラ魔導兵器を見つけたらどうするか?そんな事、考えるまでもない
ミラ魔導兵器は人間が手にすべき技術ではないとよくわかった。であれば、破壊するべきだろう
精霊イフリート
ミラ…根本的な原因を突き止めなければきりがない事も無論承知している。そちらの調査も進めないとな
???きゃああああ!
ミラ何だ?
ガアアアア!
ミラ魔物?こんなところに現れるとは!
scene1雪の国、ア・ジュール
ミラここがア・ジュール…
ミラウィンドルほどひどくはないが、この国もマナがだいぶ減っているな。やはり魔導兵器の影響か
ミラさて…その魔導兵器の情報を集めなくては
ミラ私はその辺りにいる者にそれとなく話を聞いてみる。お前達も色々と調べてみてくれ
精霊ウンディーネ
ミラ…よし、始めるか
ミラううむ…何人かに尋ねてみたが、誰も魔導兵器の事は知らないか
ミラウィンドルの時のように、上手い具合に情報を入手できるといいのだが…
精霊イフリート
ミラおお、お前達戻ったか。首尾はどうだ?
精霊ウンディーネ
ミラ兵士同士がそれらしい話をしているのを聞いた…?
ミラよくやった。それで?
精霊シルフ
ミラ…ほう。新兵器を開発している兵器工場があるのか
ミラ明らかに怪しいな。場所はどの辺りかわかるか?
精霊ノーム
ミラ首都カン・バルクの近郊…なるほどな
ミラよし、その工場へ行ってみるとしよう。魔導兵器はそこにある可能性が高い
scene2雪の国、ア・ジュール
ミラむ…?
ア・ジュール兵1そこの女、止まれ!
ミラ私に何か用か
ア・ジュール兵1今我が国は戦時中につき、検問を行なっている。お前は我が国の者か?
ミラいや、キムラスカだ。知り合いを訪ねて、カン・バルクに向かう途中だ
ア・ジュール兵1キムラスカか…
ア・ジュール兵2隊長殿。この女は特に怪しい物は所持しておりません
ア・ジュール兵1そうか。行っていいぞ
ミラすまんな
ミラ…ふう。咄嗟にごまかしたが、うまくいったようだな
精霊ノーム
ミラ嘘はよくないと言われてもな。あの場合、仕方ないだろう
ミラ精霊界から来たとは言えないし、ウィンドル出身だなどと思われたら警戒されるだろうしな
ア・ジュール兵1うわあああ!?
ミラあれは…魔物?さっきの兵達を襲っているのか
ミラええい、このまま見捨てては置けん!
scene1敵か味方か
ミラこの道を行った先に、兵器工場があるのだな
ミラ工場に近付くにつれて、マナが少なくなっている。やはり魔導兵器の影響か
精霊イフリート
ミラ(…ああ、私も気付いていた。 何者かが後をつけて来ているな)
ミラ(相手の目的がわかるまではと、 今まで気付かないふりをしてきたが… そうも言ってはいられないか)
ミラおい、そこのお前
ミラ私に用があるのなら、こそこそ隠れたりせず、堂々と出て来て話したらどうだ
???へえ、気付かれてたか。うまい事気配を隠したはずなんだけどなあ
ミラ何者だ?
???おっと待った。オレはお前の敵じゃない
スパーダオレはスパーダ・ベルフォルマ。お前、兵器工場へ行くんだろ?港で色々聞いて回ってたしな
ミラ
スパーダそう怖い顔するなって。…実はオレも目的地は同じなんだが、協力し合わないか?
ミラお前も兵器工場へ…?
スパーダオレの狙いも魔導兵器だ。こういえば、納得してもらえるか?
ミラ…どうやら色々と知っているようだな
スパーダまあな。オレはお前の敵じゃない。詳しい事は道中に話すさ
ミラ…わかった。ひとまずは行動をともにしよう
スパーダ話が早くて助かるぜ。それで、お前の名前は?
ミラミラ=マクスウェルだ
ミラスパーダ、予め言っておく。もし怪しい素振りを見せたら…その時はわかっているな?
スパーダわかってるって。本当に怖い女だな
ミラでは兵器工場へ向かおう
scene2敵か味方か
ミラスパーダ、お前は魔導兵器についてどれくらい知っている?
スパーダ理屈はよくわからねえけど、凄まじいエネルギーを生み出す装置だって聞いてるぜ
スパーダうちの王様はその魔導兵器をウィンドルとの戦争に使うつもりらしい
ミラ(やはり思った通りか…)
ミラそれで、お前は魔導兵器をどうするつもりだ?
スパーダどうするって…そうだなあ
スパーダ小さければ失敬するとこなんだが、大きいとそうもいかないだろうな。その時はぶっ壊すか。ヒャハハハハ!
ミラうちの王様、と言うからには、お前はア・ジュールの人間だろう。それなのになぜそんな事をする?
スパーダ自分の国の戦争の邪魔は、普通しねえよ。でもよ、どうも胡散臭いと思ってな
スパーダその魔導兵器ってのは、無限に使えるって触れ込みなんだが、そんなうまい話があるとは思えねえ
スパーダさすがにうちの王様がそんな胡散臭い物に惑わされるのはちょっとな。だから取り上げるのさ
精霊ウンディーネ
ミラ(嘘は言っていないと思う、か。 そうだな。私も同意見だ)
ミラなるほど。お前はお前なりの信念を持って、行動しているのだな
スパーダ少しはオレの事を信用したか?
ミラ少しはな
ミラお前はこの国の事情に詳しいようだな。ア・ジュールの魔導兵器は…
スパーダちょっと待った。話は後にしたほうがよさそうだ
ガアアアア!
ミラ魔物か!
scene1激闘
スパーダおっ、見えてきたぜ。あれが兵器工場だ
ミラやはりここも警備は厳しそうだな。また排水溝から潜入するか
スパーダまた?
ミラ私はここへ来る前に、ウィンドルの施設にも行っているからな
スパーダそれも魔導兵器に関係するのか?あっちでも研究してるって聞いてるぜ
ミラああ。だが向こうはもう心配ない。装置を破壊して、再建できないよう手も打った
スパーダ魔導兵器を壊すのは慣れてるってか。頼もしいな。こっちもその調子で頼むぜ
スパーダそれはそうと…さっき魔物に襲われる前に、何か言いかけてなかったか?
ミラああ、あれか
ミラア・ジュールの魔導兵器の建造を決めたのは王自身か?それとも、誰か他の人間の提案なのか?
ミラお前はその事について、何か知らないか?
ミラ(もし他の人間の提案だとすれば、 今回の一連の件のカギを 握っているかもしれん…)
スパーダなるほど。聞いた話じゃ、魔導兵器の建造は、ある女が持ち掛けたらしい
スパーダオレも会った事はねえけど何でもすげえ、イイ女だとか
ミラほう。女なのか
スパーダ名前も聞いたんだけど…何て言ったか…ミ…ミ…ミュウ?
ミラミュウ?イイ女というより、どちらかというと動物を連想させる名だな
スパーダあー…それっぽい名前なんだが…悪い。忘れちまった
ミラ…わかった。なら仕方あるまい。…見ろ。排水溝があったぞ
スパーダよし、中に入ろうぜ
scene2激闘
スパーダうまい事潜り込めたけどよ、なんか変な感じがするぜ…
ミラこの一帯のマナが減少しているからだ。魔導兵器が稼働しているとこうなるようだ
ミラ(ただ稼働しているだけでこれだ。 兵器として実用されれば、 多大な被害が出るだろう)
スパーダよくわかんねえけど、そうか。うん?あれは…!
ミラどうした?
スパーダここ、いかにも何かがあったように見えねーか?今は何もねえけど…
ミラ一足遅かったか…どうやら魔導兵器は、別のところに運び出されてしまったようだ
???ふふ、残念だったわね
ミラお前は…?
スパーダ誰だ?
???こんにちは、ミラ。それともはじめましてと言ったほうがいいのかしら
ミラ私を知っているのか?
ミュゼ私はミュゼ。あなたと同じ精霊よ
スパーダう、浮いてる…!?それに精霊って…。おい、どういう事だ?
ミラその説明は後だ。ミュゼ。お前が精霊だとしたら、なぜこんなところにいる
四大精霊
ミラ(四大も、奴の事は知らないか… いったい何者なのだ?)
スパーダ思い出したぜ、こいつだよ!うちの王様をそそのかして、魔導兵器を作らせた女ってのは
ミュゼそそのかしただなんて…私はマナの存在も知らない人間に、有効な活用方法を教えてあげただけよ
ミラなぜそんな事をする。それがどのような影響を及ぼすか、想像はつくだろう!
ミラ現にお前がもたらした魔導兵器のせいで人間界のマナは激減しているのだぞその事をどう思っているのだ
ミュゼそんなの、どうでもいいわ。私はあの人に喜んでほしくてやっているだけだもの
ミラミュゼ。精霊の主として命じる。人間界にある全ての魔導兵器を、即刻処分しろ
ミュゼ嫌だと言ったら?
ミラ力ずくでもそうさせる
ミュゼそちらの彼も、ミラの肩を持つのかしら?
スパーダおまえらの話はさっぱりだけどよ、結果的には、オレの目的もミラと同じだからな
ミュゼそう。だったらそれで構わないわ。…二人がかりでいらっしゃい!
scene3激闘
ミュゼうう…
ミラさあ、ミュゼ。答えてもらおうか。ここにあった魔導兵器をどこへ移した?
ミュゼ誰が言うものですか!
ミュゼひどい…よくも私にこんな事…許さないわ。絶対に許さない
ミュゼあなたの想い通りになんてさせないわ、ミラ。絶対に邪魔はさせない
ミュゼ元はと言えば、こうなったのは全部あなたのせいなのよ。その事を思い知らせてあげる!
ミラ私のせい…だと?それはどういう事だ
スパーダ飛んだ…!?
ミラ待て!
ミラ逃げられた…ミュゼの奴、一体どこへ魔導兵器を運んだのだ…
ミラ(私のせい… あの言葉の意味は一体…)
スパーダその事を知っていそうな人に、心当たりあるぜ。行ってみるか?
ミラ本当か?ぜひ連れて行ってくれ。一体どこの誰だ?
スパーダ…うちの王様さ
scene1国王・ガイアス
ミラア・ジュールの首都は初めて来たが、大した繁栄ぶりだな。ウィンドルの王都と比較しても遜色ない
スパーダア・ジュールの王は昔から何かと、ウィンドルに張り合っているからな。あっちに負けまいと必死なのさ
ミラそれは今の王も、という事だな
スパーダまあな。…さて、城門に到着だな。行くぞ
ミラ正面から堂々と行っていいのか?
スパーダいつも排水溝からじゃ芸がないだろ?ここはオレに任せとけって
警備兵止まれ、何者だ!
スパーダオレの名はスパーダ・ベルフォルマ。陛下のお召しを受け、参上した
警備兵ベルフォルマ家の方でしたか。失礼いたしました、どうぞ
スパーダ行くぞ、ミラ
ミラあ、ああ
スパーダどうだ、うまくいっただろ?
ミラお前は随分と顔が広いのだな
スパーダオレが、というより、オレの家が、だけどな
スパーダあんま言いたくねーけど、ベルフォルマ家ってのは、この国じゃそれなりの格なんだよ
スパーダまあ、たまにはこうやって家の名前を使うのもいいだろ。さっさと王様に会おうぜ
scene2国王・ガイアス
ガイアスむ…?
スパーダご無沙汰しております、陛下
ガイアスベルフォルマ家の七男か。確か、スパーダといったな。…一緒にいる女は誰だ?
ミラ私はミラ=マクスウェル。お前がこの国の王か?
ガイアスいかにも。俺がア・ジュール王、ガイアスだ。
スパーダミラ、ここはオレに任せとけ
ミラわかった。お前にまかせる
スパーダ陛下、私もベルフォルマ家の一員として、戦場に赴く事になりました
ガイアスそうか。で、用件はそれだけか
スパーダつきましてはご挨拶がてら、魔導兵器の事をお伺いしてくるよう父上に言われまして…
ガイアスあれはまだ工場で実験中だ。今すぐ実戦に投入する予定はない。戦況によほどの変化でもない限りな
スパーダあ、あれ…左様ですか…
ミラ(どういう事だ? 工場に兵器はなかった…。 奴は嘘をついているのか?)
部下陛下、前線より急報です!
ガイアス
ガイアス…………何だと!?
スパーダ何かあったのですか、陛下?
ガイアスウィンドルが大攻勢をかけてきた。国境付近に敷いた防衛線が突破されかかっていると報告があった
ガイアス俺も直ちに現地へ向かう。スパーダ、お前もすぐ向え
スパーダ御意
スパーダふう…とんでもない事になったな
ミラウィンドルがこのタイミングで攻勢をかけてくるとは…
通りすがりの男うわあああ!
警備兵魔物が出たぞ!
スパーダ魔物!?街の中だってのに…!おい、ミラ、行くぞ!
ガルルルル!
ミラああ!一気に片をつけるぞ!
scene1いざ、戦場へ
ミラさて。これからどうするかだが…
スパーダそうだな…ここは一度、情報を整理しようぜ
ミラ…スパーダ、お前はガイアスが話した事をどう思う?
スパーダあの口ぶりじゃ、魔導兵器が既に工場にないって事は、知らねえだろうな
ミラ嘘をついたわけではないと?
スパーダああ。あの人がそんな事をする必要はないだろ?
スパーダあのミュゼって女が、独断でやったのかもしれねーしよ
ミラいずれにせよ…魔導兵器のありかをはっきりさせる事はできなかったな
スパーダでも見当はついただろ。防衛線が破れかかってるってのは、よほどの変化だと思うぜ
ミラ魔導兵器が戦場に投入される可能性があるという事か
スパーダま、そう考えるのが妥当だろうな。下手すりゃミュゼのヤツが、とっくに設置を終えてるかもな
ミラだとしたら…次に向かうところは決まったな
スパーダああ、戦場だ
scene2いざ、戦場へ
ミラそういえば、スパーダ。お前は星のカケラの事は知っているか?
スパーダそんなには知らねーな。持っていれば例の、光の神殿に入れるって事くらいだぜ
ミラ私が聞いた話では、神殿に入れるのはカケラを手にし、己に打ち勝った真の選ばれし者だけが、だが
スパーダ光の神殿に入れれば、何でも願いがかなうんだっけ?
ミラそれは…
精霊ウンディーネ
ミラ願いがかなうのは星のカケラが6個そろった時、だそうだ。
スパーダだそうだ…?まるで誰かに言われたみたいに話すんだな
スパーダまあ、星のカケラに関しては、そんな感じで詳しくは知らない。別に欲しいとも思わないしな
ミラ皆がお前のようならいいのだがな。ウィンドルの国王など、カケラ欲しさに戦争を始めたと聞く
ミラガイアスはどうなのだ?何か耳にした事はあるか?
スパーダうちの王様は神頼みみたいな事には興味がないと思うぜ。あの人は自分を信じているからな
ミラその割に、魔導兵器にはすがろうとしているようだが
スパーダそこはオレも、気に入らねえけどな。ウィンドルに対抗するために、仕方なくってところもあるんだろ
ミラスパーダ。お前が当初言っていた、魔導兵器を破壊したいという気持ちは今も変わりはないか?
スパーダああ。そこは信用してくれていいぜ。もう、かっさらうわけにもいかねえだろうしな
ミラそれならいい
精霊シルフ
ミラむ…?
スパーダどうした?
ミラ魔物がいる!
グオオオオ!
スパーダちっ、トロトロしすぎちまったみてえだな
scene1魔導兵器を追って
スパーダこの辺りだな…既に両国の兵がやり合ってる
精霊ウンディーネ
ミラ(ああ、私も気が付いた。 あたり一帯のマナの流れが、 かなり乱れているな)
ミラ(今のところは魔導兵器ではなく、 多くの人間が放つ殺気が 原因になっているようだが…)
スパーダどうかしたか、ミラ?
ミラいや、何でもない
スパーダさてと、ここまで来たら、次は前線を目指さねーとな
スパーダこの辺は地形が複雑だから、ア・ジュールとウィンドル双方の部隊が入り乱れて動いているはずだ
スパーダ下手をすると敵の大部隊と遭遇して面倒な事になる可能性もある。気をつけろよ
ミラ敵か…危険なのは、ウィンドル軍だけではあるまい
ミラア・ジュール側が私達の事を、敵と間違える可能性もあるのではないか?
スパーダああ。こうやって勝手に動いているとそうなる危険性は、どうしても出てくるんだよ
スパーダだから、両軍から追われるハメにならないよう、できるだけ注意しながら進むしかねえ
ミラわかった。無益な戦闘は極力避けたいからな。お前の言う通り、注意して進もう
ミラ(魔動兵器…必ず見つけて 破壊する。そして…ミュゼ…。 奴はいったい何を企んでいる?)
scene2魔導兵器を追って
ア・ジュール兵誰だ!?
スパーダスパーダ・ベルフォルマ。国王陛下の勅命を受け、行動中だ。通してくれ
ア・ジュール兵ベルフォルマ家の…!失礼いたしました
スパーダところで聞きたいんだが、魔導兵器がどこに配備されているか知っているか?
ア・ジュール兵魔…?
スパーダ知らないみたいだな。それならいい
ミラ魔導兵器の情報を知っている者には、なかなか会えないな
スパーダ時間がないってのによ…
ア・ジュール兵何?軍の中に裏切り者がいる、だと?
ア・ジュール兵兵器工場に潜入…男女2人組…帽子を被った男に金髪の女…?まさか…
ミラ…!
スパーダヤバい!逃げろ!
スパーダどうやら、オレ達が兵器工場へ行った事が、広まり始めてるみたいだな…
スパーダ魔導兵器がなくなった事をオレ達のせいだと誤解されたら、たまったもんじゃないぜ
ミラ早く魔導兵器を見つけるぞ。このままでは身動きが取れなくなる
ザッザッザッ…
スパーダ…この足音の数、別の部隊か。ここは隠れてやり過ごすしかなさそうだな
ウィンドル兵ア・ジュールの工作員がこちらへ逃げたと報告があった。何としても見つけ出せ!
ウィンドル兵工作員は全部で4名!紫髪の少女と茶髪の少女、金髪の少年、仮面の男だ!
ザッザッザッ…
スパーダア・ジュールだけでなく、ウィンドルのほうも大変みたいだな
ミラ茶髪の少女と金髪の少年と仮面の男?紫髪の少女に心当たりはないが、まさかな…
ガサガサ…
スパーダまた別の部隊か?
グオオオオッ!
ミラ邪魔をするな!
scene1ゆるぎない意志
スパーダその話、本当か?
ア・ジュール兵はい。この先の山の山頂に、巨大な大砲のような見慣れない兵器が設置されていると聞きました
スパーダミラ、どう思う?
ミラそうだな…
精霊イフリート
ミラ(山頂の方角から、 マナの減少を感じる… おそらく魔導兵器の影響だろう)
ミラどうやらそれが魔導兵器の可能性が高いな
スパーダわかった。これでようやく場所を突き止めたな
スパーダよし、急ごうぜ!
スパーダあそこに見えるでかいのが、もしかして…
ミラああ、間違いない。魔導兵器だ
ミラ(すでに大量のマナがエネルギーに 転換されているようだな…)
ミラ(これでは いつ使われてもおかしくない)
ミラよし、急いで破壊するぞ
ミュゼそうはさせないわ!
ミラミュゼ!
ミュゼあなた達に私の邪魔はさせない。ここで黙って見ていなさい
スパーダ目の前で魔導兵器が使われるのを、はいそうですかと黙って見てられるかよ!
ミラミュゼ!お前はなぜそこまでして、人間同士の戦いに首を突っ込む?
ミュゼ私はガイアスを喜ばせたいだけ。他に理由はないわ
スパーダうちの王様…?
ミュゼ無駄話はもう終わりよ。ここで死ぬあなた達に、詳しい事を教えても仕方ないわ
ミラ何…
ミュゼさあ、覚悟しなさい!
scene2ゆるぎない意志
ミュゼあなた達、しつこいわね
ミラミュゼ、聞かせろ。お前がガイアスにそこまで肩入れするのはなぜだ?
ミュゼそんなの決まってるじゃない。彼が私の事を、必要だと言ってくれたからよ
スパーダ王様が?
ミュゼだから私は魔導兵器を作って、強大な戦力を生み出して、彼の望みをかなえてあげるの
ミラそんな私利私欲のために…
ミラ貴重なマナを浪費し、人間界のみならず精霊界をも危機に陥れるとは…!
ミュゼあなたにはわからないわ!
ミュゼそうよ。生まれた時から光の当たる場所にいて、精霊の主とみんなに持ち上げられてきたあなたに…
ミュゼずっと陰の存在であり続け、誰にも顧みられなかった私の気持ちがわかるはずがない!
ミラそんなお前を、ガイアスだけが受け入れたと?
ミュゼそう。だから私は魔導兵器を使って、彼の望みをかなえてあげると決めたの
ミュゼ世界を統べる王になりたい、世界を牽引する者になりたいという、彼の望みをね
スパーダうちの王様も、とんでもない女に見込まれたもんだな
ミラお前のねじまがった私欲のせいで、世界を危機にさらす事はできない。魔導兵器は全て破壊する
ミュゼミラ。あなたは私が殺してあげる。姉としてのせめてもの慈悲よ
ミラ姉だと…!?
ミュゼさあ、覚悟なさい!
scene3ゆるぎない意志
スパーダここまでだぜ!
ミュゼうう…どうして…どうしてこんな…
ミラミュゼ、聞かせてくれ。お前は本当に…私の姉なのか?
ミュゼそうよ。あなたは私を知らなかったけど、私は知っていた。陰からいつも見ていたんだから
ミュゼあなたは生まれながらに精霊の主で、常に光のあたる場所にいて、みんなに愛されてきた…
ミュゼ一方私は、ずっと日陰に置かれ、誰からも必要とされず、実の妹にさえ存在を知られずに過ごしていた…
ミュゼ姉妹なのにどうしてこうも違うの、とずっとずっと思ってきたわ…
ミラ…それでお前は、兵器工場で会った時、私のせいだと言ったのだな
スパーダなるほどな。だったら、これからお互いわかり合えるよう腹割って話し合えばいいじゃねえか
ミラミュゼ。お前を追い詰めたのは、私の責任でもあるのかもしれない
ミラ済まない…
ミラだが、それでも私は、魔導兵器を破壊しなければならない
ミラこれは人間界には余る物だ
ミュゼやめて!
ド---ン!
スパーダこれだけぶっ壊せば、もう直せねーだろ
ミュゼ終わった…全て終わってしまった…
ミュゼ魔導兵器を失ってしまった私は、もうガイアスの力になれない
ミュゼもう彼に必要とされない…
ガイアス余計な心配だな、ミュゼ
ミラガイアス!
ガイアスミュゼ。俺がお前を必要だと言ったのと、魔導兵器とは、何の関係もない
ガイアス俺がお前を必要だと言ったのは、お前自身の能力を評価したためだ
ガイアスそれ以上でもそれ以下でもない
ミュゼガイアス…
ガイアス俺は魔導兵器の助けなど借りずとも、祖国を守り、いつの日かこの世界を統一してみせよう
ガイアスミュゼ。お前は俺の命に従い、存分にその力を発揮すればいい。余計な気を回すな
ミュゼああ…ガイアス…ありがとう…!
スパーダ…これで一応、丸く収まったのか?
ミラそうだといいが…うん?
ミラお前達、魔導兵器の残骸の中から何か見つけてきたのか
精霊ノーム
ミラこれは…クリスタル魔導兵器の主動源か…?
ミュゼその通りよ。そのクリスタルがなければ、魔導兵器を動かす事はできないわ
ミラそうか。ではこのクリスタルは私が回収させてもらう
ガイアス魔導兵器の研究を行なっているのは、我が国だけではない
ガイアスこの1つを回収したところで、魔導兵器はまたどこか、別の国で使われる事になるだろう
ミラ
ミラなら全て回収するまでだ、人間界にはただの1つすら残さん
ミラそれが私の進むべき道だ
ミラ何だ…?クリスタルが光り出した…
ミュゼ何てきれいな光…
スパーダミラ。もしかしたらそれ、星のカケラなんじゃねえ?
ミラこのクリスタルがか?もし本当にそうだとしたら、なぜ急に光り出したのだ?
ガイアス…マクスウェル。もしそのクリスタルが、本当に星のカケラだとしたらどうする?
ガイアスもしそうだとしたら、お前はこの先、ウィンドルを敵に回す可能性もあるぞ
ガイアスあの国の王が、カケラを狙っている事はお前も知っていよう
ガイアスそれでもお前の意志は変わらないか?
ミラ無論だ。その程度の事で、私の意志は揺らいだりはしない
ガイアスなるほどな。伝説が本当なら…
ガイアスお前はもしかすると星のカケラに認められ、「真の選ばれし者」になったのかもしれん
スパーダじゃあ、これで光の神殿に入る資格が得られたって事か
ミラ(もし星のカケラとクリスタルが 同じ物なら、全てのカケラを集める 事で、私の目的は達成できるか…)
ミラ光の神殿へ行けば他のカケラについて、何かわかるかもしれない
ミラ…よし、行ってみるとしよう
ミラまるで私の言葉に答えるかのような光り方だな
ミラそうか。このまま連れて行ってくれるのか
スパーダミラ、オレも一緒に行くぜ
スパーダうっ、弾かれた…?
スパーダそれに、これ以上、ミラに近付けないって、どういう事だ?
スパーダもしかして、選ばれたのはミラだけ…?
スパーダクソ、もう一度!
スパーダやっぱりダメか…
スパーダなんでオレは、光の神殿へ連れて行ってもらえねーんだ?
ガイアススパーダ。お前には星のカケラをどうしたいかという、明確な意志はあるのか?
スパーダなるほど、そこがミラとの差か…
ミラスパーダ、色々と世話になった。ここからは私だけで行って来る
スパーダオレの方こそ、ありがとな。気をつけろよ
ミラガイアス。ミュゼの事を、よろしく頼む
ガイアスお前が心配するまでもない
ミュゼミラ…私の事を心配してくれるの?
ミラたった一人の姉だからな
ミラ…では、行ってくる
スパーダ行っちまったか…
ガイアス感傷に浸っている暇はないぞ。ウィンドルとの戦いがまだ継続中だという事を忘れるな
ガイアス今は敵の動きを食い止めねばならぬ。二人ともついて来い
ミュゼわかったわ、ガイアス!
スパーダやれやれ。これから忙しくなりそうだぜ…
スパーダ…ミラ。無事に戻って来いよ

NameDialogue
scene1光の神殿
クレスここは…?光の神殿に着いたのか?
クレス…いや、ここは…外か
クレスあれが…光の神殿なのか…?
クレスなんて大きいんだ…それに、この荘厳な雰囲気は…
クレス「カケラを手にし、己に打ち勝った者 だけが、真の選ばれし者として、 神殿に足を踏み入れる資格を得ん」
クレス確かそういう言い伝えだったな…
クレスあの神殿の中で、一体何が待ち受けているんだろう
カサッ
クレス…誰かいるのか!?
ソフィあ…
クレス君は…?
ソフィわたしは…ソフィ
ソフィあなたは?
クレス僕はクレスクレス・アルベイン
クレスここにいるという事は、もしかして君も星のカケラを?
ソフィあ、うんこれ…
クレスへえ、君が持っているカケラは剣なのか
クレス僕が持っているのとは違うんだね
ソフィペンダント…
クレスそういえば、星のカケラは、1つじゃないんだっけ
クレスだったら、僕以外にカケラを持つ人とここで会っても、不思議じゃないって事か…
ソフィ他にもまだいるのかな?
クレスその可能性は十分あると思うよ
クレスもしかしたら、先に神殿の中に入っているかもしれない
ソフィ神殿の中に…
クレスソフィと言ったね。よかったら、僕と一緒に行かないか?
クレス神殿の中は何があるかわからないしお互い協力できる事も、あると思うんだ
ソフィうん、いいよ
クレスありがとう。それじゃ、中に入るとしようか
scene2光の神殿
クレスせやっ!
ソフィはあっ!
ギャウウッ!
クレスふう…終わったか
ソフィここ、魔物が多いね
クレスああ。しかも柱が多くて、見通しが悪いのが厄介だ
ソフィうん…。これじゃあ柱の陰に魔物が隠れててもすぐには気付けない
クレス…神殿と言うから、もっと清らかで安全な場所かと思っていたけど、とんでもなかったね
クレスこれは思っていた以上に、先へ進むのは大変かもしれない
クレス心してかからないと
ソフィ二人一緒でよかったね
クレス僕もそう思うよ
クレス一人だったら、どんなに苦労した事か…
ガタッ!
ソフィクレス、危ない!
クレスまた魔物か!?
ルーク何だよ、魔物かと思ったら、人間かよ。脅かしやがって
クレス君は…もしかして…
ルークん?
ソフィあなたも星のカケラを持っているの?
ルーク何でそれを…って
ルークひょっとしてお前らも、なのか?
クレスああ。僕はクレス・アルベイン
クレスこっちはソフィだ
クレス君の名前も教えてくれないか?
ルーク…ルークだ。ルーク・フォン・ファブレ
ルークあーあ、神殿に連れて来られたのは俺だけかと思ってたのに、何だか拍子抜けだぜ
クレス僕もソフィと会った時は少し驚いたけどね
クレスでも、よく考えたら、星のカケラは6つあるって話だし、現に僕とソフィも1つずつ持っている
クレス…だとしたら、僕達と同じように星のカケラを持った人が他にいたって、不思議な事じゃないよ
ルークそりゃ…そう言われりゃそうだけどよ…
ソフィ二人とも、気をつけて!そこの柱の陰に何かいる!
グオオオオッ!
ルークったく、ここまで来ても魔物かよ。勘弁してくれよ…
クレス三人で協力して戦おう。いくよ!
ルークお、おう、わかってるっつーの。指図すんな!
scene1出会いと再会
ソフィ終わったかな…?
クレスああ。そうみたいだ
ルークったく、どうなってんだよ。魔物だらけじゃねーか
クレス僕達も気になっていたんだ
クレスここは本当に、言い伝えにある光の神殿なんだろうか?
ソフィ嫌な空気が満ちてる…
ミラ…話し声がすると思ったら、先客がいたようだな
ルーク何だ、また新顔かよ
ルークお前も星のカケラを持って、ここへ連れて来られたクチか?
ミラ…ミラ=マクスウェルだ。その物言いだと、お前達も星のカケラを持っている、という事か
ソフィうん。これで、選ばれし者は四人…
ミラ確か、星のカケラは全部で6つあるという話だったな
ミラ…なら、あと二人。カケラを持つ者が現れれば全てそろうという事になるのか
クレスうん、おそらくそう考えて間違いないと思う
ミラふむ…
ミラ物は相談だが…お前達が持っている星のカケラを私に譲ってくれないか?
クレス譲ってくれって…そんな事を、いきなり言われても困るよ
ミラ私のなすべき事は、全ての星のカケラを回収する事。そのためにここへ来たのだ
ルーク何わけのわかんねー事を!
ルーク俺達の星のカケラを使って、自分の願いだけをかなえようっつーのかよ
ミラそうではない
ミラただ、星のカケラ…このクリスタルは世界を危機に貶める種のようなもの…
ミラこれが存在し続ける限り、世界は常に、崩壊の危険と隣り合わせという事になる
ソフィこれが、ミラの星のカケラ…
ミラああ。このクリスタルこそ、魔導兵器の主動源…
ルークま、魔導兵器!?
ミラ…そうだこの種の装置は、動かすだけで世界中のマナを著しく消耗する
クレスマナ…?
ミラいわば、世界を司るエネルギーのようなものだ
ミラマナが枯渇すれば、生物は死滅し、世界はいずれ崩壊する
ルークなっ…!
ミラこれで私の目的はわかっただろう?
ミラもう一度言う。お前達の持つ星のカケラを、私に譲ってほしい
ソフィ
ルーク
クレス
クレスミラ、君の話はわかった。でも…これを見てほしいんだ
ミラこれは…
クレス僕の持っている、星のカケラだ
クレス君のとは形が違う。そうだろう?
クレス僕もここへ来て、みんなと会って気付いたんだけど、星のカケラはそれぞれ「物」が違うんだ
ルーク…そう言われてみりゃ、そうだな
ルーク俺のは、クリスタルでもペンダントでもねえ勲章だし
ソフィわたしのは、これ
ミラ
クレスミラ、君の目的や意志はわかったよ
クレスでも、君の探しているクリスタルとは異なる。もし僕達がカケラを渡しても…
ミラ…ああ。そういう事なら無論、私に渡す必要はない
クレスわかってくれてありがとう
クレス…ん?でも、ちょっと変だな…
ルークどうしたんだ?急に難しい顔なんかしやがって
クレス…今ここには、複数の「選ばれし者」がいる
クレスその選ばれし者達が、それぞれ別々の願いをかなえたい場合、どうなるんだろう?
ソフィあ…
ミラ以前、願いをかなえるにはカケラを6個そろえる必要がある、と聞いた事がある
ミラそれに、言い伝えにも「全員の願いがかなう」とは、記されてはいない
ミラそうなると、選ばれし者が複数いてもかなえられる願いは一つ、と考える方が自然かもしれないな
ルークここからさらに、ふるいにかけられるって事か?
ルークここまで来て冗談じゃねえぞ
クレスまだ、はっきりそうだと決まったわけじゃないけど…どうなのかなって思っただけで…
ソフィ一つ…だけ…
ミラ
ルーク…な、何だよ。お互い黙って見つめ合ったりして
ルークお前らまさか…
ドドーン!
ミラ何の音だ?
ソフィ奥の方から聞こえてきたよ。また魔物かな…
scene2出会いと再会
ミラここは…
クレス柱だらけの場所を抜けたと思ったら、今度は随分広いところに出たな
ソフィさっきの音は、こっちの方から聞こえてきたと思ったけど…
ルークこうだだっ広くて、薄暗いと、どこに何があるかわかんねえな
ドーン!
クレスみんな!向こうだ!
ユーリちいっ!
ロイドユーリ、大丈夫か!?
ユーリ問題ねえ、と言いたいところだが、こいつの相手をするのはちっとばかし骨が折れそうだな
ロイドくそっ、せめて味方がもっといれば…!
ソフィ誰かが魔物と戦ってる。もしかしてあの人達も…
ミラあれは…ユーリか?
クレス知っている人なのかい?とにかく、放ってはおけない
クレス僕達も行こう!
ルークお、おいマジかよ!
ルークったく、しょうがねえな
ルークおら!手伝ってやるからぼやぼやしてんじゃねえぞ!
ユーリん?何だ、お前ら、どっから湧いて出た…って
ユーリおいおい、ミラじゃねえか
ミラまた会ったな、ユーリ
ロイドユーリの知り合いなのか。ここにいるって事は、やっぱりみんな星のカケラを…?
クレス詳しい話は後だ。先にこいつを片付けよう
ソフィうん!
ルークさっさと終わらせてやるからな。お前ら、手抜くなよ!
scene1不和
ロイドよし、勝ったぞ!
ユーリ助太刀サンキュ。お蔭で助かったぜ
ミラ気にするな。あの魔物がここにいる限り、いずれ戦う事になっていただろうしな
ロイドところで…さっきも言いかけたけど、お前達も星のカケラを?
ルークああ。四人とも持ってるぜ
ロイドこれでカケラを持つ者が、六人揃ったって事か…
クレスここで、こうして出会ったのも何かの縁だと思うし、改めて、みんなで自己紹介しないか?
ソフィうん、そうだね
クレス僕は、クレス・アルベイン
クレスウィンドルにある、トーティス村の出身だよ
ルーク!!
ユーリユーリ・ローウェルだ
ユーリ前はウィンドルの騎士団にいた。もうやめちまったけどな
ルークウィンドル…こいつも…
ロイドお前、どうしてウィンドルって聞くたび、嫌そうな顔をするんだ?
ロイドあ…もしかして、お前…ア・ジュールの出身か?
ルーク違う!勝手に決め付けんじゃねえ!
ルーク俺は!ルーク・フォン・ファブレ、キムラスカの人間だ
ロイドキムラスカの奴が、何でウィンドルを目の敵にするんだ?
ユーリさあな。うちの王様が厄介事振りまいてんのは確かだが、キムラスカとはまだのはずだぜ
ルーク…るせーな。俺の事はいいから、次いけ、次!
ロイド俺はロイド・アーヴィング。シルヴァラントから来た。よろしくな
ミラミラ=マクスウェルだ
ミラ私は精霊界から来た。ゆえに、どこの国出身、というわけでもない
クレス精霊界…?
ミラ…うむ。ただ、その話は、話せば長くなりそうだ。また別の機に話すとしよう
ソフィ…わたしは、ソフィ
ソフィ信じてもらえるかわからないけど、わたし…未来から来たの
ロイド精霊界から来たミラと、未来から来たソフィ…
ロイド…何かよくわからないけど、二人ともすごいところから来たんだな
クレスうん…みんな世界中のあちこちから、この神殿に集まって来たんだね
クレス不思議な縁もあるんだな…
ユーリさて、自己紹介も終わったところで、これからどうするかだが…
ミラここはお互いの持つ情報を、交換すべきではないか?
ミラ誰が何を知っていて、何を知らないのか…整理するのがいいと思うが
ソフィじゃあ、みんなでお話ししながら、先へ進もう?
クレスそうだね。それじゃ、そうしようか
ルーク
scene2不和
ユーリ…へえ。こうして聞いてみると、オレ達の持っている情報は、どれも大体同じみたいだな
クレスそうだね。じゃあもう一度、確認のために振り返ってみよう
クレスまずは…
クレス「カケラを手にし、己に打ち勝った者 だけが、真の選ばれし者として、 神殿に足を踏み入れる資格を得ん」
クレス僕達はその言い伝えの通りに、カケラに選ばれ、神殿にやって来た。これが一つ目の共通の情報だね
ソフィ…星のカケラは全部で6個あって、今はわたし達一人一人が、1つずつ持ってる
ソフィこれが二つ目の情報…
ユーリああ。仲良く分け合ってるってわけだ
ルーク…けっ。何が仲良くだっつーの…
ミラウィンドルの国王が星のカケラを欲しそれがきっかけとなって、隣国ア・ジュールとの戦争が始まった
ミラこの事も、星のカケラを巡る全員の共通認識ととらえていいのではないか?
クレスうん。これが三つ目の情報だね
ロイド星のカケラの力が発現すると、選ばれし者以外は、カケラに触れられなくなる
ロイドこの神殿へ来る直前、俺達全員の身に起きたこの事が、四つ目の共通の情報だな
ユーリ後は…オレ達選ばれし者は、どういうわけか、星のカケラと、話ができるらしいってとこか
ソフィこれが五つ目の情報…。お話できるのはいつもじゃないけど
ルーク
ミラ全員が共通で認識しているのはこんなところか…他に何か、独自の情報を持つ者はいるか?
ロイド俺の国シルヴァラントには、星のカケラの一つを、どこかの遺跡に埋めたって言い伝えが残ってたな
ロイド俺の仲間のリタが古い文献を調べたらその事がわかって、カケラを見つけたんだけど…
ユーリ面白そうな話だが、カケラが全部手元にそろった今、あまり手がかりにはなりそうもねえな
ロイド…だったらこれはどうだ?言い伝えに出てくる「光の使い」は、ティルグって名前らしい
ソフィティルグ…
クレスその名前は初耳だ。確かな情報なのかい?
ルーク…俺もその話は聞いた
ルークシルヴァラントに、言い伝えが残ってるらしいぜ
ユーリおっ、ようやく喋ったな
ユーリ今までずっと黙ってたから、腹でも痛いのかと心配したぜ
ルーク…ふん
ミラ他に何か、ルークの知っている事はあるか?
ルークそういやジェイドってやつが、持ち主の成長が、星のカケラの発現に繋がるって言ってたな
ロイド成長ねえ…
ソフィ…わたしも一つ、知ってる事がある
ソフィ星のカケラを手に入れたとしても、真の選ばれし者としてカケラに認められなかった場合…
ソフィその人は、邪念に侵されてしまう…
ミラ邪念…だと?
ソフィリチャードが…突然変わってしまったのは、そのせい
ユーリうちの国王がか?
ユーリ…なるほどな、そういう事かよ
ルーク
ロイドじゃあ俺達も、真の選ばれし者として認められてなかったら、邪念に侵されて変になってたのか!?
ソフィうん
ルーク…何が邪念だ。ふざけやがって
ミラいきなりどうしたのだ?
ルーク国王がそうだからって、それで他の奴らは悪くねえとでも言うつもりかよ!
クレスそれは…僕とユーリの事かい?
クレス…ルーク、君はどうしてそんなにウィンドルを嫌うんだ?
ユーリなるほどな、大方、ウィンドルに何か恨みでもあるって口か?
ルークしらばっくれてんじゃねえ!
ルーク俺はお前らなんかと一緒に行くつもりはねえからな
ユーリ別にいいんじゃねえか?オレ達と行動するのが嫌なら、好きにすりゃいいさ
ユーリウィンドル出身ってだけでいちいち突っかかられるのも鬱陶しいしな
ルーク何だとこの野郎…!
ソフィケンカ、だめ!
ミラこんな時までいがみ合うとは…
ミラつくづく、争いが好きなのだな。人間というのは
ロイドなっ…人間がみんな、争いが好きみたいに言うな
ロイド本当は争いたくなくても、事情があって争うなんて事も、結構あるはずだしさ
ミラどうなんだ、ルーク。お前にも、「やむにやまれぬ事情」とやらが、あるのか?
ルーク事情なんか知るかよ!ウィンドルだってだけで十分じゃねーか
ロイドおいおい…
ミラまったく…
クレス先の状況がわからない以上、みんなで協力し合わなければいけないのに…どうしてこうなるんだ
グオオオオオ…
ソフィ何の音!?
ロイド見ろ、あそこに魔物が!
ソフィ…!こっちを狙ってる!
ギャオオオオッ!!
ミラええい、こんな時に!
scene3不和
ロイド想像以上に手こずったな…
ユーリこの分だとまだまだいそうだな。ったく、先は長そうだってのに
ソフィうん。神殿を進むにつれて、敵がどんどん強くなってる気がする…
クレス…ここはやはり、お互い協力し合って、進むべきだと思う
ミラ私は別に構わんが…それが嫌だと言う者もいるからな
ルークるせえ!俺は絶対に嫌だからな
ユーリさっきも言ったが、そんなに嫌なら好きにすりゃいい
ルークああ?
ユーリオレ達といたくねえんだろ?だったらどこへでも行きゃいいだろうが
ルークな、何で俺が行くんだよ!ふざけんなっつーの!
ユーリ一緒にいたくねえけど、一人になんのも嫌だってか?
ユーリったく、しょうがねえやつだな
ロイドおい、待てよユーリ。一人でどこへ行く気だ
ユーリオレが好きにさせてもらうのさ
ユーリどっちかが去るしかねえんなら、こうするしかねえだろ
クレスよすんだ、ユーリ。単独行動は危険だ
ユーリ一方的に毛嫌いされてる相手と、是が非でも一緒にいたいと思うほど、オレも物好きじゃねえしな
ルーク俺が悪いってのかよ!?元はと言えばお前らが…!
ミラはあ…
ソフィケンカはだめなのに…
ロイドみんな、ちょっと待て!
ロイドそこの装置みたいなものが急に動き出したぞ!
フイイーーーーン
ビーッ!ビーッ!ビーッ!
ミラ何が起きているというのだ…?
ブオンッ!
クレスくっ…!何だ、この光は!
ルークまぶしくて何も見えねえ…!
ユーリ…なあ、勘違いならいいんだが、オレ達の身体、浮いてねえか?
ソフィこの感覚…まさかどこかに飛ばされる…?
ロイドと、飛ばされるーっ!
scene1それぞれの傷跡
クレスここは…?
ミラいきなり別の場所へ飛ばされたようだが…
ミラここも光の神殿の中か?
ボウッ!
ルークあっちい!何だよここ!?そこら中から炎が噴き出してんじゃねーか!
ミラどこをどう見ても、のんびりできそうな所ではないな。さっさと抜けた方がよさそうだ
クレス待ってくれ。人数が足りない
ミラむ?たしかに…
ミラ今ここにいるのは、私とクレスとルークの三人だけか
クレスユーリ!ソフィ!ロイド!近くにいるのか?いたら返事をしてくれ!
クレス誰の返事も聞こえない…近くにはいないようだ
ミラ分断されてしまったというわけか
ミラせめて、いなくなった三人が、一緒にいるといいのだが
クレスとにかく、今はあの三人を見つけて、もう一度合流する事を最優先で考えよう
ルークちっ。どうせなら、ウィンドルの奴だけまとめていなくなればよかったのによ
クレスルーク…どうして君は、僕達ウィンドルの人間をそんなに目の敵にするんだ?
クレス理由があるなら教えて欲しい
クレスわけもわからず拒絶されても、どうすればいいのか…わからないんだ
ルーク…本当に知らねえのかよ
ルーク…だったら教えてやる。俺がお前らを信用できない理由を
クレスそうだったのか…ア・ジュールの村を、ウィンドル軍が襲って…
ルークひでぇ有様だったぜ
ルークしかも隊長のハスタは、いずれ、キムラスカも攻めるって言ってた
ルークそんな連中の仲間をおいそれと信用なんかできるかってんだ
クレスそんな事が…
クレスすまない、知らなかった事とはいえ、何て言えばいいのか…
ミラ邪念に侵されていたとはいえ、ウィンドルの国王がしてきた行いは簡単に許される事ではない
ミラあの国王は、他国ばかりでなく自分の国の民をも虐げてきたからな
ルークなっ…自分の国民まで…!?
ルーク…ちっ、何なんだよ一体…
クレス
ミラクレス…難しい顔をしてどうした?
クレス…悲劇が起きたのは、僕の故郷の村だけじゃないんだと思ってね
ルークな、何だ、どういう事だよ?
クレス…あまり思い出したくはないけど、君達には知っておいてもらいたい
クレス…歩きながら話そう
scene2それぞれの傷跡
ミラクレスの故郷の村が、そんな事になっていたとはな…
ルーク信じられねえ…リンネル村よりひどいじゃねーか
クレス僕の村を襲ったのは、国王陛下でなく、独立騎士団長サレの意志だったわけだけど…
ミラ国王にも責任はある
ミラサレやハスタのような者を指揮官の地位に就けたのだからな
ミラそれにイニル街で魔導器を製造したのは、国王の指示だ
ミラ今や邪念を解き放たれたといえど、現に、数え切れないほどの人間が命を落としている
ミラ…世界がこんな事になっているのだ、決して無実というわけではない
ルーク
クレス…ルーク
クレス君が僕達ウィンドルの人間に、不信感を抱く理由はよくわかった
クレスだけど、これだけは言わせてくれ。全員が全員、サレやハスタ、それに国王陛下のような人ばかりじゃない
クレスいきなり全面的に信じてくれとは言わないけど…せめて僕達の事を見た上で、判断してくれないか
ルーク
クレスこの事はミラにもわかって欲しいんだロイドも話していたけど、みんな好き好んで争っているわけじゃない
クレス現に僕は、世界中で起こっている争いを止めたいと、本気で思っている
クレスこの神殿へ来たのも、そのためだ
クレスもし星のカケラを全て集める事で、本当に願いがかなうのなら…
ミラ光の使いティルグに、戦争をなくして欲しい、とでも頼むのか?
クレスそれも一つの手かもしれないと、思っているよ。もちろん、それだけに頼るつもりはないけど
ルーク
ミラ
ミラ…そうだな。考えてみれば、私の知っている人間も、皆が争い好きというわけではなかった
ミラ一つの事例だけを取り上げて、人間全てを語るのは早計だったな
ミラすまなかった
クレスありがとう
クレス…ルークはどうだい?
ルークまだ…よくわかんねえ。もう少し考えさせてくれ
ルーク…けど、お前が悪い奴じゃなさそうだって事は…信じてやってもいい。多分、あの…ユーリって奴も
ルーク考えてる間、また全員で行動すんのはもう文句言わねえ
ルーク…また合流できたら、だけどな
クレスわかった。それで十分だよ
グルル…
ミラ今、何か聞こえなかったか?
ルーク俺も聞こえた。何か唸り声みたいな…
クレス二人とも、向こうを見ろ!
ルークちっ、出やがったな
グオオオオッ!
scene1ソフィの想い
ボウッ!
ロイドあちちっ!こっちは駄目だ。火の勢いが強すぎて進めない。そっちは?
ユーリこっちは無理をすれば、何とか先へ行けなくもない…ってところだな
ロイドじゃあ、別の道を進んでみるか
ソフィどうしよう…クレス達が見つからないよ
ソフィクレス!ミラ!ルーク!いないの!?
ユーリ…返事なし、か。どうやらあいつらとは、完全に分断されちまったようだな
ソフィ早く捜そう。このままじゃ…
ロイドあ、うん…
ソフィロイド…嫌なの?
ロイド嫌ってわけじゃないけど…顔を合わせたら、また、言い合いになるだろ?
ユーリまあな。会うなりまた痛くない腹探られんのは勘弁だしな
ソフィでも…
ユーリそんな顔すんなって。オレだって勝手の分からねえ場所で、戦力は多い方がいいさ
ユーリま、このままうるさい事言う奴がいないってのも、それはそれで静かでいいけどな
ソフィ
ロイドとにかく、今はこの場を、俺達三人で切り抜けよう。クレス達の事は、その後だ
ユーリだな
ロイドよし、それじゃ先に進もうぜ
ソフィ…うん
scene2ソフィの想い
ソフィ1、2の…やっ!
ソフィ今のタイミングで駆け抜ければ、炎を避けられるよ。二人ともやってみて
ユーリ了解だ
ユーリ1、2の…せいっと!
ロイド1、2の…よっ!
ユーリどうやら、何とか誰も黒焦げにならずここまで進んで来られたな
ロイドソフィが俺達に、タイミングを教えてくれたお蔭だな。サンキュー!
ソフィ
ユーリどうした、ソフィ。また難しい顔して。やっぱりいない奴らが心配か?
ソフィユーリもロイドも、そんなにみんなと一緒に行くのは嫌?
ソフィみんなで一緒にいた方が協力もできて、きっといいよ
ロイド俺は別に、全員で一緒に行くのが嫌なわけじゃないけどな
ユーリオレだって別に嫌だと言った覚えはねーぜ。ミラとは前にも一緒に行動した事もあるしな
ロイド拒んでいたのはあっちだし。問題はルークの方にあるってユーリは考えてるんじゃないか
ソフィじゃあルークが、一緒でもいいって言ったら?
ユーリオレは構わねえよ。一人でなきゃ嫌だってわけでもねえし
ソフィわかった
ソフィじゃあ次にルークに会ったら、言ってみる
ロイド逆に、どうしてソフィは、全員で一緒に行く事にそこまでこだわるんだ?
ソフィ…わたし、この世界を救いたくて、それでこの神殿へ来たの
ソフィこの神殿へ来れば、今世界中で起きている争いを止める方法が見つかるかもって思って
ソフィでも…
ロイドそうか、わかったぞ
ロイドソフィが言いたいのは、こういう事だろ?
ロイド「目の前の人間とも わかり合えなくて、 世界を救うなんてできるかよ!」
ソフィ…うん
ロイドまあ、確かにその通りだな…
ロイドそれを言われると何も言い返せないっていうか…
ロイドよし、俺もソフィの言う事に賛成だ。全員で一緒に行こう
ユーリ何だ、あっさりしてやがんのな
ユーリしょうがねえか
ソフィじゃあ、ルークと仲直りしてくれる?
ユーリま、あいつ次第ってとこだな
ユーリとにかくみんなともう一度合流する、そうしてから答えを出す、それでどうだ?
ソフィうん、わかった
ソフィありがとう、ユーリ
ガタッ…
ロイド二人とも、気をつけろ。そこの炎の陰に、何かいる!
グオオオオッ!
ユーリったく、邪魔なんだよ!
scene1かなえたい願い
ルークあの火のせいで髪の先が焦げちまったじゃねえか!どうしてくれんだよ、ったく…
ミラ焦げた部分だけ、切ってしまえばいいだろう
ルークき、切ってしまえばって…お前なあ!
クレスむ…?あれは…
ミラらせん階段だな。随分上の方まで続いているようだ
ソフィクレス!ミラ!ルーク!
クレスソフィ!それにユーリとロイドも
ミラ三人とも無事だったか
ユーリまあ、何とかな
ロイドこれでまた六人が集結したってわけか
ルーク
ソフィユーリ、さっきの話…
ユーリああ、ソフィから話したけりゃ、話してもいいぜ
クレスちょっといいかな?ユーリ達に報告があるんだ
クレス別行動をしている間にルークと話をして、全員で一緒に行く事を了解してもらえたよ
ロイドそうなのか?ルーク
ルークあ、ああ…まあな
ユーリどうやらソフィがわざわざ話すまでもなかったようだな
ソフィユーリもそれでいいんだよね?
ユーリ言ったろ。オレは別に構わないってな
ロイドミラも、俺達と一緒で、構わないんだな?
ミラ私は初めから、皆で一緒に行動する事に反対はしていなかったぞ
ロイドそ、そうか。うん…そうだったな
クレスじゃあ改めて、全員で一緒に行くとしよう
ソフィうん
クレス
クレスうーん…さすがに、いきなり仲良くってわけにはいかないか…
scene2かなえたい願い
ルークこのらせん階段、無茶苦茶長いな。かなり登ったはずなのに、まだ終わりが見えねーぞ
ミラ
ソフィどこまで続いてるのかな?
クレスどこまでだろう…ちょっとわからないな
ルーク
ユーリ
ロイド
ミラ
クレス
ソフィ
ルークだーっ!何だよこの重い空気は!もっと普通にしろ、普通に!
ユーリお前が言うなっての
ユーリだいたい、ひたすら階段登り続けて、みんな疲れてんのにどうしろってんだ?
ルークるせえ!…ったく、この際だから全員に聞くけどよ…
ルークこのまま神殿の奥に進んで、例のティルグって奴に会えたとして…その後はどうするつもりなんだ?
ルーク願いをかなえてもらうにしても、もしティルグに一つだけって言われたら、どうするんだよ?
ソフィそういえば、ユーリやロイドと合流する前にもその話をしてたね
ミラそうだったな。結局、結論が出ないまま、ここまで来てしまったが…
ルークその時になって、また言い合いになるのは、俺は嫌だからな!
ルークそうなるくらいなら、今ここで一番マシな願いを決めようじゃねえか
ルークどうせお前らだって、なんか考えてる願いがあるんだろ?
ユーリいいぜ、別に隠すようなもんじゃねえし。そんじゃオレから言わせてもらうか
ユーリ星のカケラを全部集める、願いっていうか、それがオレの目的だ
ルーク…なんだそりゃ。願いはねーのかよ?だったら何で星のカケラを集めるんだ?
ユーリ国同士で喧嘩しようって馬鹿をやめさせるためだよ
ルークやめさせるって…ウィンドルの事か?
ユーリウィンドル?いや、どっちの国をとか、そういう話じゃねえ
ユーリ「戦争」そのものをなくしちまいたいんだよ、オレは
ユーリカケラなんてもんがあるからおかしな事になってるってんなら、それをなくしゃ話は早いだろ
ルークカケラをなくして戦争を止める…そういやミラもそんなような事言ってたよな
ユーリミラも?そうなのか?
ミラ私の場合は、マナの減少を食い止めるという事を最終目的としているがな
ミラユーリの言うように、戦争を止める事も勿論だが、それ以前に、世界はマナなくしては成立し得ない
ルークとりあえず次は…ソフィ、お前はどうなんだ?
ソフィわたしは…未来を、自分の世界を救うためにここへ来た
ソフィリチャードが元に戻って、わたし達の未来は変わった
ソフィ…でも、この世界で起こっている戦争は、今もまだ終わってない
ソフィだから、わたしはここにいる。この世界も救いたい。…みんなを守りたい
クレスソフィ…
クレス君の願いは、僕の考えている事と似ているね
クレスただ僕は……その願いをかなえるにはティルグの力だけではどうにもならないと思っているよ
クレス結局は、僕達人間が変わらなきゃ、同じ事は起きると思うんだ。何度だってね
ソフィうん…じゃあ、クレスの願いは──…
クレスうーん…まあ、具体的に何をって、考えているわけではないんだけど
ロイドへえ…。みんな、思ってた以上に、スケールの大きい事を考えてたんだな
ユーリそういうお前は何を願うつもりなんだ、ロイド?
ロイド俺か?俺は仲間のゼロスの妹が病気で苦しんでて、治してやれたらと思ってる…
ルーク妹の病気?
ロイドああ。旅先で、原因不明の奇病にかかっちまったらしい
ロイドゼロスの代わりに、ティルグにはセレスの病気を治してほしいって願おうと思ってる
ユーリ原因不明の奇病、ね。おい、ミラ?
ミラ…ああ、聞き覚えのある言葉だ。ロイド、その病気にかかった者はどこの街で発症したか、わかるか?
ロイド…?確か、ウィンドルのイニル──…
ユーリ…ビンゴだな
ミラああ
ロイド
ルーク…おい、お前ら!何勝手に納得したって顔してんだ。俺達にもわかるように説明しろっつーの
ユーリああ、悪い悪い。ウィンドルのイニル街で奇病が流行るって事件があってな
ユーリ調べたら、その原因はあの街に設置された機械、魔導器だったんだよ
ロイドじゃあ、セレスの病気はそのせいだったのか…
クレスその魔導器というのは今どうなっているんだ?
ユーリ調べたついでにオレとミラでぶっ壊しちまったよ
ソフィそういえば…イニル街に行った時、エルが言ってた。街の人の病気、少しずつよくなってるって
ユーリ何だ、ソフィ。お前エルに会ったのか?元気にしてたか?
ソフィうん
ミラ原因が取り除かれた事で病の方も沈静化に向かったようだな
ロイドよかった…じゃあ、セレスの病気はもう大丈夫なんだな
ミラああ、おそらくな
クレス…ロイド。これで、君の願いは、かなったって事になるのかな?
ロイドああ、そういう事らしいな!これで、ゼロスも安心するだろう。ありがとな!ユーリ、ミラ
ロイドセレスの病気が治って、俺の願おうと思っていた事は解決はした
ロイド…あとは、そうだな。「俺にしかできない事」を探しながらこの先を進む事にするぜ!
クレスロイドにしか、できない事?
ロイドああ!選ばれたからにはそれなりの理由があるはずだ!
ロイドそれが何なのかは、まだハッキリ掴めてねーけどさ
ロイド俺が神殿へ来る事を決めたのは、きっとそこには、俺にしかできない事があるって思ったからなんだ
ルーク自分にしかできない事、か…
ユーリさて、これでお前以外は全員話したわけだが…
ユーリお前はどうなんだ、ルーク。何を願いたくて、ここに来たんだ?
ルークお、俺はその…まだよく分からねえ。ただ願いとかそういうのは、正直、どーでもいいっつーか…
ユーリへえ、そりゃ意外だな。てっきり、あれこれたくさん出てくるかと思ったんだが
ルークわ、悪ぃかよ…!
ミラ…ふむ。己の私欲を満たすために、ティルグに会いたいと思う者は、とりあえずこの中にはいないようだな
ロイドそりゃそうだ。そんな奴は、そもそも星のカケラに選ばれたりしないだろ
クレス僕達は、お互いにもっとわかり合えると思う。ここで会ったのも必然じゃないかな
ロイドへへ、そうかもな
ソフィ…みんなが少し、仲良くなったみたい
ユーリまあ、無闇にいがみ合うより、仲良くするに越した事ねえのは確かだな
ソフィユーリも仲良くできそう?
ユーリどうだろうな。ま、なるようになるだろ
ザザ…ザザ‥
クレス…ん?何の音だろう
ズザ…ザザザ…!
ルーク下の方から…って、魔物かよ!?
ギャオオオオ!!
scene1繋がってゆく心
ミラ何とか魔物を退けたようだな
ロイドここらでひと休みしないか?ずっと階段を登りっ放しだったし、それに、ほら…
ルークん?
ルークおいマジかよ、この階段…こんだけ登ってきたのにまだあんのかもう足が棒みてーだっつーの
ソフィ…あそこに休めそうな場所があるよ。そこで少し休む?
クレス
クレスいや、ここは多少無理してでも、急いで階段を登り切った方がいいと思う
クレスさっきの魔物のせいでかなり脆くなっているからね
ギィ…ギィ…
ミラふむ…この強度だと、いつ崩れてもおかしくはなさそうだ
ミラ皆、ここはこの階段を登りきる事を先決としよう
ロイドうーん…確かにその方がよさそうだな
ユーリんじゃま、さくっと登っちまおうぜ
ルーク…マジかよ、たりぃなあ…
scene2繋がってゆく心
クレスソフィ、さっきはありがとう
ソフィ…?
クレスユーリとロイドの事だよ。みんなで進む事を、二人に話してくれたんだろう?
ソフィうん、わたしもそうした方がいいって思ったから
クレス…そうか、ありがとう。君がいてくれてよかったよ
クレス僕一人だったら、あのままみんな、バラバラになってしまっていたと思う
ソフィ…わたし一人でもだめだったよ
ソフィでもね、あの時みんなと話してみんなの事を知って…うれしい気持ちになったの
ソフィ…わたしの世界のひと達も、みんなで話し合って、うれしい気持ちがたくさんになったらいいな
クレス…ソフィ
ロイドミラ、ずっと歩きっぱなしだけど、大丈夫か?
ミラああ、問題ない。ロイドこそ大丈夫なのか?
ミラ結局、休憩できず終いになってしまったが…
ロイド俺は、まだまだ大丈夫だぜ!
ロイド…でも、少しくらい休んどいた方がよかったかもってのが本音だけどな
ミラ自分の事だけではなく、他の者の事も考えていたんだな
ロイドああ、いや、そんな大層な事じゃないけどさ
ロイド何だかんだいっても、ミラやソフィよりは体力はあると思うんだ
ロイドまだ先は長いし、ちょっと休めたら少しは楽になるかなって思ってただけだよ
ミラ…ロイド
ロイドん?
ミラいや…
ロイド…?
ミラ…その、さっきは悪かった
ロイド…ミラ?
ミラここにいる皆や、道中に行動を共にした仲間達…
ミラ少なくとも、私が出会った人間達は皆、お前のように相手を思いやれる心を持っていた
ミラ…なのに、些細な出来事だけで、人は皆、争いを好んでいるような言い方をしてしまった
ミラすまなかった
ロイドああ…いや、俺の方こそ何かムキになっちまってさ、かっこわりーよな
ロイド…ミラ、ごめん
ロイドあと、ありがとうな
ルークったく、どんだけ長ぇんだこの階段…
ユーリ見た感じ、全体の8割ってとこか。まあ、真っ直ぐ登ってりゃあ嫌でもその内着くだろ
ルーク…って思いながら、ここまで来たっつーの!
ルークあー…うぜぇ。こんな事になるくらいなら、光の神殿なんか来るんじゃなかったぜ
ユーリそうぼやくな。…そういやルーク、お前は、かなえたい願いとかそういうのはないって言ってたよな
ルークん?ああ。何だよ、悪いのかよ
ユーリそうじゃねえって。ただ…だったらお前が星のカケラに選ばれた理由は何だろうって思ってな
ユーリクレスやソフィには「願い」があってそれをかなえたいと思う強い意志がある
ユーリはっきりした願いこそねえものの、オレやミラには、「目的」がある
ユーリロイドは…そうだな、あいつの願いは思いもしねえところでかなっちまったわけだが――
ユーリそれ以前に、ここへ来る事に対して強い信念を持ってる
ユーリで、お前だ。ルーク、お前は何で星のカケラに選ばれたんだ?
ルーク
ルーク…そんなのわかんねーよ。ジェイドは、俺の成長がキッカケだどうのって言ってたけど
ユーリ成長?
ルークああ。つっても俺自身は大して何が変わったっつー事もねーし
ユーリ何かあんだろ。例えばすごく衝撃を受けた事とか
ルーク衝撃か…そういえば前にウィンドルの奴らがア・ジュールのリンネルって村に攻め込んでるのを見たな
ルーク…めちゃくちゃになってる村とか怯えてる村人とか…すげー胸糞悪くなる光景だった
ルークあれ以来、戦争ってもんがマジで嫌だって思うようにはなったっけな。人が…たくさん死ぬなんて
ユーリなるほどな。それでウィンドル出身のオレやクレスを毛嫌いしてたってわけか
ルークああ。…でもよ、クレスと話してわかったんだ
ルークウィンドルだからっつって、みんながみんな、ああじゃねーって。…だから、その……
ユーリん?
ルーク…さっきはよ、その…なんつーか…悪かったな
ユーリお前…
ユーリま、分かってくれりゃ、それでいいさ
ユーリオレは気にしてねえし、お前も気にすん――
ユーリん…?ちょっと待て。何か聞こえる
ギギ…ギ…
ロイドあ、あれは…さっき倒した魔物!?
グオオオオッ!
ビシッ!バキバキバキッ!
ユーリいや、よく見ろ。さっきの奴とは比べ物にならねえほどでかいぜ
ルーク…ちっ、好き放題暴れやがって…階段が崩れたらどうすんだ!
ソフィどうしたら…走って登りきる?それとも、ここで迎え討つ?
ミラいや、頂上はまだ見えない現状、登りきるという判断は厳しいだろう
ロイドだったら、ここで迎え討つ!それしかねーよな!?
クレスああ!みんな、協力して一気にカタをつけよう!
scene1守りたい存在
ミラ何とか魔物は倒せたが…ソフィ、起き上がれるか?
クレス手を貸すよ。ほら、掴まって
ソフィうん。ありがとう
ミラ…あまり無理はするな。まだ先は長い
ソフィこのくらい、平気だよ
ロイド…にしても、この階段、酷いな。あちこちがボロボロだぜ。それに、ほら…
ルーク…こ、この高さはやべーな…。底がまるで見えねえ。落ちたら間違いなく即死だな
ユーリ…とはいえ、のんびり進んでるわけにもいかねえだろ。ま、足元に注意して進もうぜ
ガラガラガラ…ガラガラ…
ミラどんどん崩れ始めている…。皆、先を急ぐぞ
scene2守りたい存在
ルークくそ…まだ…着かねえのかよ!
クレスもう少しだ…頑張ろう、ルーク!
ビシッ!バキ…
ロイドおい、アレ見ろよ!遂に上の階にもヒビが入り始めたぞ…大丈夫なのかよ!?
ユーリなら、崩れ落ちる前に走り抜けるしかねえだろ!
ミラああ、止まるな!そのまま進め!
ズシーン…!ズシーン…!
ソフィこの音は…?
クレス下からだ!何かが僕達の後を追って来る!
グオオオオッ!
ズシーン!
ガラガラガラ…
ロイドお、おい…あの魔物…階段をぶっ壊しながら登って来るぞ!
ルークな、何つー破壊力だ…ちっ…追い付かれてたまるかよ!
ミラ逃げ切りたいのは山々だが…そう簡単にはいかなそうだ
グオオオオオオオオ!!
クレスすごいスピードだ…!
ソフィもう追いついて来たよ!
ロイドくそっ…どうする!?
ユーリやれやれ。奈落の底に叩き落とされる前に、何とかするしかねえだろ!
scene3守りたい存在
ユーリ…どうなる事かと思ったが、何とか倒せたみてえだな
ガラガラガラ…
ユーリ…さっきよりさらに階段がボロボロになっちまったな…。とにかく先を急――…
ギギ…ギ…
ロイドあれは…どういう事だ!?倒したはずの魔物が…
グオオオオッ!
ビシッ!バキバキバキッ!
ルークば、馬鹿野郎!そんなに暴れるなっつーの!このままじゃ階段が…!
ソフィ上の方にもヒビが…このままじゃ階段ごと、みんな下に落とされちゃうよ!
ユーリったく、仕方ねえ。こうなったら…
ユーリお前らは先に行け。ここはオレが食い止める
クレス食い止めるって…まさか一人で、ここに!?
ユーリこのまま全員おだぶつになるよかマシだろ。とっとと――…
ルーク…な、何言ってんだ、お前!わけわかんねえ事言ってんじゃねえよ!
ユーリガキみたいに喚くなっての。時間がねえんだ、早く行けよ
ソフィユーリ…ダメ…!
ロイドお前一人を残して先になんて行けるかよ!
ルークそうだ、一人でカッコつけてんじゃねえぞ!勝手にいなくなるとか許さねえからな!
ユーリおいおい、何を急に…
ユーリ…ふっ
ルークなっ…こんな時に…!!ヘラヘラ笑ってんじゃねえよ!
ユーリいや…お前が星のカケラに選ばれた理由が少しわかった気がしてな
ルークちっ、茶化すんじゃねーよ!俺は人が死ぬのは嫌なんだっつーの!
ユーリははっ
ユーリさあ、マジで時間がねえ。アイツがここにたどり着く前に早いとこ行ってくれ
ユーリ心配すんなって。アイツ仕留めたら、オレも後から追いかける
ルーク…けど!
ミラユーリ…どうやら決意は固いようだな
ユーリ…あいにくとな。その代わり、そっちの世話は任せたぜ
ミラ
ミラわかった。皆、ここはユーリに任せて、行こう!
ロイドだけど!
ミラユーリの意志を無駄にするな!急げ!
ロイド…ちくしょうっ!
ソフィユーリ!
クレス…くっ!
ルーク
ユーリ
グオオオオッ!
ユーリ…ああは言ったものの、階段は崩壊寸前、言ってる間に魔物は目の前、と
ユーリこれ以上ないってくらい状況は最悪。さて、どうしたもんかな
ユーリ…しょうがねえ、腹ぁくくるとするか!
ガタガタ…
ユーリやべえ、階段が崩れそうだ
ユーリ崩壊が先か、魔物の死が先か…一か八か、賭けてみるか
ユーリはあああああっ!!
グギィィ…
ユーリよし…!これで――
ゴオオオ!ガタガタガタ…
ユーリちっ、階段が…!
ルーク…お、おい!下の方、階段が崩れて…!
ミラくっ…!落ちたか…
クレスユーリ…!
ソフィそんな…!
ロイド…!いや、見ろ!瓦礫に掴まって何とか持ちこたえたみたいだ…!!
ロイドお、おい、ルーク!?
ルークくそっ!!持ちこたえろ!!落っこちんじゃねえぞっ!!!
ミラルーク…!私達も、行くぞ!まだ間に合う!
ロイドああ!
ユーリ…くっ、絶体絶命ってか
ルークユーリィィィ!!今行く!!そんまま踏ん張ってろ!!
ユーリルーク…!?何戻って来てんだ、あの馬鹿!
ユーリ来るんじゃねえ!!お前まで落ちるぞ!
ルークうるせー!行くっつったら行くんだよ!!
バキバキバキ…!
ユーリ!!
ルークユーリ!!!
ユーリ
ユーリ…ありがとな
ルークなっ…!
ルークそん…な
ソフィ…間に合わなかった
クレス…ユーリ
ロイド馬鹿野郎…っ!!
ミラ……
ルーク嘘…だろ
ルーク後から追いかけるってそう言って…
ルークユーリ…
ルークユーリィィィィィィ!!!!
scene1前進
クレスはあ、はあ………
ビキッ!バキッ!
ミラ…今にも崩れそうだな
ロイドあと少しだ!あきらめなければ、絶対何とかなる!だから、走れ!
ソフィあそこで階段が終わってるよ!
ビシッ!バキバキバキ…!
クレスくっ…!間に合うか…?
ミラ皆、飛べ!はああっ!
ソフィやっ!
クレスたああっ!
ロイドせやっ!
ルークだああっ!
ズズーン!ガラガラガラ……!
クレス階段が…崩れていく…
ロイドほら見ろ…何とかなっただろ…ぜえ…はあ…
ソフィでも…ユーリが…
ルーク…くっ…!!
ルークあいつ、最後まで格好つけやがって…それで落ちてちゃしょうがねえじゃねーか…!
ロイド軽々しく最後とか言うな!ユーリはきっと生きてる!
クレスロイド…君がそう思いたい気持ちは、よくわかるけど…
ルーク…お前も見ただろ!?俺達の目の前であいつが落ちてくのを…
ロイド…それはそうだけど、でも!ユーリは生きてる、絶対そうに決まってる!
ロイドあいつとは会ったばかりだったけど、どんな奴か、何となくわかるんだ
ロイドあいつはキザなところもあったけど、ただのかっこつけじゃなかった。言う事、やる事に必ず中身が伴ってた
ロイドそんなユーリが、軽々しく自分の命を捨てるはずがない。きっと勝算があって、ああしたはずだ
ロイドそうさ…そうに決まってる。あいつが死ぬなんて…そんなの認められるかよ…
クレスロイド…
ルーク…んなの…俺だってそう思いてえっつーの!
ロイド
ロイドミラ…お前はどう思うんだ?
ロイドお前は、俺よりユーリの事に詳しいんだからわかるはずだろ。俺の言ってる事、間違ってないよな?
ミラ
ミラ…あの状況で、ユーリが生きているとは正直、考えがたい
ロイド何だよ…!お前までそんな事を…!
ミラだが…ロイドと同じように、信じたいという気持ちもある
ミラ確かにあの男は、そう簡単にあきらめるような性格ではなかった。そこに、いちるの望みを賭けたい
クレスミラ…
ミラそして一つ、はっきりしている事は…ここで私達が悲嘆に暮れるのを、ユーリは望むまいという事だ
ミラあいつが生きているにしろ、いないにしろ、な
クレス…そうだね。僕達にはもはや、先へ進むしか道がない。立ち止まるわけにはいかないんだ
ルーク…俺は行くぜ。でないと、あいつにまた嫌味言われちまうからな
ロイドそうだな…その通りだ。よし、行こう!
クレスああ!
ロイドミラ、その…ありがとう。俺の事、励ましてくれたんだよな?
ミラフッ…どうだろうな。お前の暑苦しさに、いささか当てられたのは確かだが
ソフィう…
ルークソフィ?どうかしたのか?
ソフィううん…何でもないよ
ガシャーン!
ロイド何だ、この大きな柵は!?
ミラまるで、私達を追い立てようとしているかのようだな
ルークったく…次は何が待ち受けてるってんだよ
scene2前進
ガシャーン!
ロイドくっ、まただ…また柵に行く手を塞がれたぞ
クレスじゃあ、こっちはどうだろう
ガシャーン!
ルーク駄目だ、こっちも塞がれた!
ミラ随分広い部屋に出たと思ったが、自由に動ける場所はほとんどないな。ちょっと進むたびに、柵に遮られる
ロイドくそっ、どういう事だ…!
ソフィ
ルークおい、ソフィ
ソフィえ…?
ルークえ、じゃねえよ。さっきから何か変だぞ、お前。顔色も悪ぃみてーだし…
ソフィううん。平気だよ
ルーク本当かよ…あんまり無理すんじゃねーぞ。ぶっ倒れても知らねえからな
ソフィうん、大丈夫。ありがとう…ルーク
ルークれ、礼とか言ってねーで、とにかく無理すんなよ。いいな!
ガシャーン!
ガシャーン!
ミラ今度は左右を塞がれたか…どうやらこのまま、まっすぐ進めという事らしい
ロイドおい、向こうに何かいるぞ!
クレスあれは…
ルークあの魔物のとこにしか進めねーって事か。くそっ、ふざけやがって
ソフィくっ…
グオオオオッ!
ロイドまた厄介そうなやつが…
クレスああ…。でも大丈夫、みんなで協力すれば必ず倒せるはずだ
クレス僕達は、先へ進まなきゃならない。何としてでもね
ソフィ…うん。こんなところで、倒れるわけにはいかない…わたし達は、負けない!
ミラああ、では行くぞ!
scene1傷ついた少女
クレスロイドの言った通り、かなり強い魔物だったけど何とか勝てたね
ロイドああ。でも…今の戦いでみんな、結構無理しちまったんじゃないのか?
ルーク無理も何も、へとへとだっつーの。今みてーな戦いが何度も続いたら…
ソフィ
ミラソフィ、どうした?
クレスソフィ!?
ルークおい、しっかりしろ!
ソフィルーク…
ルークやっぱお前、変だぞ…平気、とか何とか言ってたけど…
ソフィっつ…!
ミラ…ソフィ、これはあの時魔物にやられた――
ソフィこのくらい大丈夫…みんなだって、傷付いてる。わたしだけじゃない…
ルーク……ったく、何でさっき聞いた時に言わねーんだよ
ルークだいたいお前、小さい身体のくせして無理しすぎなんだよ
ロイドルーク、そんな言い方…
ルークおら、ソフィ。背負ってやっから、乗れ
ソフィだめ…ルークが大変になる
ルークだーもう、いいから、ぐだぐだ言ってねえで乗れっつーの!
ミラフ…
ミラソフィ。ルークがここまで言うのだから厚意に甘えてはどうだ?
クレスうん、そうだね。僕もそれがいいと思う
ソフィ…わかった。じゃあ、お願いするね
ソフィ…重くない?
ルーク全然。これくらい楽勝だぜ
ロイドへへ…ルーク、お前偉そうだけど、実はいい奴なんだな
ルークるせえ。偉そうは余計だっつーの
ルーク言っとくけど、ずっとこのままじゃねーからな。元気になったら、すぐ降ろすぞ
ソフィうん…本当にありがとう
ミラよし、では行くとしよう
クレス向こうに通路が見える。行ってみよう!
ミラここは…どうやら、さっきとは別の部屋へ出てきたようだな
ソフィルーク、大丈夫?
ルーク…へっ。これくらい、どうって事ねーよ
クレスうん…?そこにいるのは魔物か!?
ミラ…いや、魔物ではないな。あれはただの彫像だ
ルーク何だよ、驚かせやがって
ロイドよく見ると、同じような彫像が、あちこちにあるな
クレス何だか気味が悪いな。…先を急ごう
scene2傷ついた少女
…チャリン!
クレスルーク、星のカケラを落としたよ
ルーク今ソフィを背負ってて両手が塞がってて拾えねーんだ。拾っといてくれ
クレスわかった
ロイドそういや星のカケラって、選ばれし者になれなかった奴が手にすると、邪念に侵されるんだっけ
ミラウィンドルの国王がそうだったという話だったが、具体的にはどうなってしまうのだ?
ソフィ全てのカケラが欲しくなって、そのためだったら何をしてもいいと思うようになるんだって
ソフィ怒りや憎しみで胸がいっぱいになって自分が自分でなくなる…って、リチャードは言ってた
クレス僕達の中には、自ら望んだわけでなく偶然カケラを手にした者も多い
クレスもしカケラに選ばれなかったら、その時邪念に侵されていたのかもしれないと考えると、ぞっとするよ
ルークう…そう言われると、そうだな
ミラ今回、何より問題だったのは、その邪念に侵されたのが、ウィンドルの国王だった事だな
ソフィうん…リチャードは何とか元に戻ったけど…
ミラもはや国王が元に戻っただけでは、事態の解決にはならん。戦争が始まってしまった以上はな
ロイドそうだな…そこを何とかしない事には、根本的な解決にならないんだよな
ソフィ
…ズシン!
ロイド今の音は何だ?
ルークお、おい、また何か、出てくるんじゃねーのか
クレス言ってるそばから出たぞ!
ソフィルーク、わたしを下ろして。もう平気だから
ルーク本当に大丈夫かよ?今度こそ無理すんじゃねーぞ
ソフィうん
グオオオオッ!
ミラよし、全員で力を合わせて、あいつを倒すぞ!
scene1絶体絶命
ルーク勝ったぞ!どうだ参ったか!
ミラ油断するな。完全に終わったと決め付けるのは、まだ早い
ロイドわかってる。それで今まで、痛い目を見てきたもんな。らせん階段の二の舞はごめんだ
ソフィ今度はどう…?
クレス…!?彫像の目が光った…?
ロイドおい、見ろ!さっき倒した魔物が…!
ガアアアアッ!
ルークま、また動きだしやがった!
ミラ皆、もう一度だ!
クレスうおおおおっ!
ソフィはああああっ!
ロイドはあ…はあ…さすがにこれで、終わりなんじゃないのか…?
ミラそうだといいが…
クレスまた彫像の目が…!
グオオオオッ!
ルークまただ!絶対に倒したのに!一体、どうなってんだよ!
ソフィはあ…はあ…
ロイドソフィ、大丈夫か?
ソフィう、うん…
ミラいつまでも、こいつの相手ばかりしていては身がもたん。ここは振り切って、先へ進もう
クレスそうだね。ソフィも心配だし…そうしよう
ガアア…!
ロイド今だ、みんな走れ!
グオオオオッ!
ソフィ魔物が後を追って来るよ!
ルークだーっ!しつこいんだよ!
scene2絶体絶命
グオオオオッ!
ロイドあいつ、まだ追って来るぞ!
ルークしつこいにも程があるぜ。いい加減にしろっつーの!
ソフィく…
ドサッ!
ミラソフィ、しっかりしろ!
ソフィごめんなさい…みんなは、早く行って…
ロイド何馬鹿な事言ってんだ!ここでソフィだけ、見捨てていけるか!
ルークおら、歩けねーんなら、また俺が背負ってやる
ソフィ
ミラ魔物に追いつかれるぞ!
クレスやむを得ない…ここで迎え撃とう!
ロイドこのおおおっ!
ルークうらあああっ!
ガアアアアッ!
ミラ魔物の動きが止まったが…今度はどうだ…?
クレス問題はこの後だ。まわりにある彫像の目が光ったら、また動き出すかも…
ソフィ彫像の目が光ったよ!
グオオ…!
ロイドクレスの言った通りだ。魔物がまた動き出そうとしている!
ルークくそっ、何度も何度も…キリがねえ
クレス彫像の目の効果で、魔物は再び動き出す…
クレスあ…ひょっとして、あの彫像を破壊すればいいのか…?
ミラああ、おそらくな。だが、こうも数が多いと彫像までは――…
ズバッ!
ミラ何だ…?
ソフィ彫像が壊れた…?
ズバッ!
ロイドお、おい!一体何が起きてるんだ…!?
???よし。これで目障りな彫像は、全部ぶっ壊し終わったな
ミラ…!その声は…
ソフィまさか…
ロイド今の声は間違いなく…
ユーリ!!!
ユーリよう。お互い無事でなによりだ
ルークユ、ユーリ、お前…
ユーリおっと、積もる話は後にして、先にあの魔物を片付けようぜ。今度こそとどめを刺せるはずだ
クレスよし!みんな、もうひと踏ん張りだ!
scene1選ばれし者達
ユーリよし、もう動き出す気配もねえな
ユーリやっぱり彫像の放つ光が、魔物を復活させてたってこったな
ソフィユーリ…
クレス本当にユーリ…君なのかい?
ユーリああ。そっくりさんでも、幽霊でもねえぜ。正真正銘の本物だ
クレスよかった…。ユーリが無事で、本当によかったよ
ミラ…よく生きていたな、ユーリ。これで、ロイドが話していた通りになったな
ロイドほら見ろ!だから言っただろ?ユーリは絶対生きてるって!
ユーリ信じてくれてたってわけか。ありがとさん
ルーク
ユーリ
ユーリどうした、ルーク。んな妙な顔して。てっきり死んだとでも思ってたか?
ルークなっ…
ルークあ、あんなとこから落っこちたら普通は死んだと思うっつーの!
ユーリほう、みんなはオレが生きてるってずっと信じてくれてたのに、お前は冷てぇんだな
ルークち、違…!俺も信じてたっつーか…生きてればいいなって思ってたっつか…だから、その……
ユーリ冗談だよ、本気にすんなって
ユーリ…あん時、オレを助けようと必死に走ってきてたお前の姿は、ハッキリちゃんと覚えてるぜ
ルーク…!!ぐっ、あれは――…
ユーリありがとな
ルーク…お、おう
ソフィえっと、さっきは下まで落ちずに済んだって事?
ユーリ平たく言えばそんなとこだ
ユーリ何とかあっちこっちと飛び移ってるうちに、うまい場所を見つけてな
ユーリ苦労したぜ?何せ、階段がなくなったところを、またえっちらおっちら登ったんだからな
ユーリようやく追いついたと思ったら、お前らときたら鬼ごっこなんかしてるときた
ユーリで、いかにも怪しそうな彫像があったんで壊してみたらこれが大正解だったってわけだ
ミラお前の機転がなかったら、私達の方が力尽きていただろう。感謝する
ユーリ留守の借りを返したってとこだ。気にすんなよ
クレス借りだなんて…それはむしろ、僕達がユーリに言いたい事だよ。とにかく、ありがとう
ソフィこれでまた、六人で揃って進んで行けるね
ルークそうだな
ロイドん、あれは…みんな、向こうを見てみろよ
ミラ石が階段状に並んで浮いている…次はあそこを進む事になりそうだな
ロイドこの先、どこまでこの神殿が続くのかわからないけど、俺はもう、何も心配してないぜ
クレスそうだね。僕達六人が力を合わせればどんな困難も乗り越えて行ける…そんな気がするよ
ソフィ…うん。わたしもそう思う
ミラ私もだ
ロイドああ、俺も!
ルーク異論はねえよ
ユーリだな
クレスよし、それじゃあ行こう、共に!
scene2選ばれし者達
ルークよっ…、ほっ…
ユーリこうやって浮かんでる石を飛び移りながら上に登るってのは、なかなかスリルがあるな
ロイドみんな、くれぐれも注意しろよ。足を踏み外したら大変だからな
ソフィロイドも、落ちないように気をつけて
クレスソフィの言う通りだよ。僕達の事を心配しすぎて、自分の足下を疎かにしないでくれ
ミラまったくだ
ユーリそういや、ティルグにかなえてもらう願いだが…
ユーリ結局、誰の願いにするかうやむやだったな
ルーク…それなんだけどよ。その…あー…笑うんじゃねえぞ?
ソフィ…?
ルーク俺達がそれぞれかなえたいと思ってる願いって…実はあんまし変わんねーんじゃねーかっていうか…
クレス…確かにそうだね。明確な願いがあるにしろ、ないにしろ…
クレスここにいる全員の根っこにあるのが、「この世界を何とかしたい」という思いなのは、間違いないだろうし
ロイドまあ…そうかもな
ミラ方法の一つは、今起きている戦争をやめさせる、という事になりそうだが
ソフィじゃあ、ティルグに会ったら、その事を願うの?
ロイドそれは、前にクレスが言ってたように根本的な解決にはならないと思うな
ユーリ…かもな。カケラの件がなくてもこれまで戦争はいくらでもあった
ユーリそもそも手前で巻いた種を、光の使いに尻拭いをしてもらうってのも都合のいい話だが
ユーリたとえ、そうしたところでおおもとが変わらなきゃ、また同じ事が繰り返されるんだろうよ
クレス
クレス…だったら、僕達の願う事、僕達にできる事は一つ
ルークって事は…
ロイドみんなの願いが全て、その一つでかなっちまうって事だよな?
ミラああ、そういう事だな。さらには懸念していた事も、解消される事になる
ミラ…私達に課せられるものは大きいがそれを成し遂げた時、きっと新しい未来が開けるはずだ
ソフィうん…
ユーリよし、願い事も決まった事だし、後はいよいよティルグに会うだけってわけだ
ズルッ…!
ロイドうおっ!足が滑…!
ユーリおっと、大丈夫か?
ロイドへへ、助かったぜユーリ。サンキュー!
ソフィだから気をつけてねって言ったのに…
ロイドごめんごめん。嬉しくなって、ついはしゃいじまった
ロイド
ロイド俺さ、何かわかった気がするよ。選ばれし者として神殿に来た理由が
ルーク…?何なんだ?
ロイドま、教えてやんねーけどな!
ルークは?何だよそれ!じゃあ、最初っから言うなっつーの!
ロイドへへっ
ミラ
ミラ…不思議なものだな。始めは皆、警戒心が先に立っていて、協力し合える空気ではなかったのに…
ミラ今はこうして、ごく自然に、互いの手を取り合っている
クレスそうだね。ようやく僕達は互いを理解し、信じ合えるところまでたどり着く事ができたんだ
クレス…僕は、人と人は、必ずわかり合えると思ってる
クレスだから…たとえ困難な状況にあっても、わかり合うための努力を決して放棄してはいけないんだ
ミラ…ああ
ユーリお…、どうやらようやく飛び石が終わるみたいだな
ソフィ向こうの方で、何か光ってる…
ルーク何の光だ?もしかして、ティルグか?
ズズン!
ロイド出たか…!そろそろ何か来る頃だと思ったぜ
ユーリもし向こうの光がティルグなら、その手前にいるこの魔物は、さしづめ最終関門ってところだな
ルークけっ、ここまで来たら、今さら何も怖くねえっつーの
ミラでは、乗り越えるとしよう。私達全員の力で!
ソフィうん!
グオオオオッ!
scene3選ばれし者達
ソフィ勝った…
ルークおい見ろよ、光が…
クレス大きくなってる?
ロイド行ってみようぜ!
ユーリどうやらこの光は、ティルグそのものってわけじゃなかったようだな
ミラ随分と神々しい光だな…
ソフィあ…
ソフィみんな、今の…聞こえた?
クレスああ。星のカケラが、語りかけてきたような気がするよ
ルークこの光の中へ入れ、か…?それじゃ、この先にティルグが…?
ミラ皆、覚悟はいいな?
ロイドもちろんさ。そんなの、聞くまでもない
ユーリんじゃ、腹くくってご対面といくとしようぜ!
光の祭壇
ミラここは…
クレスまるで祭壇みたいだ
ソフィ何か書いてあるよ。あれは…魔法陣?
ロイド魔法陣か…。いかにも何か出てきそうだな
ルークへ、変な事言うなっつーの。本当になったらどうすんだ
ユーリ文字みたいなのが書いてあるな。誰か読めるか?
ソフィわからない…
ロイド俺もだ
クレス誰にも読めないのか…
ユーリおっ…?
ルークおいミラ、何か光ってんぞ
ソフィそういうルークも、光ってる
クレスみんな同じ…?この光の正体は…
ミラ皆の持つ星のカケラか…?
ロイドあっ、俺のカケラが…!
ユーリ勝手に浮き上がりやがった…
クレス魔法陣が!
ミラ光り出した…これは…
ルークな、何だこれ、星のカケラと共鳴してるのか?
ソフィ……っ!
ロイドまぶしすぎる…!これじゃ目を開けてられないぞ!
ユーリちっ、何だ一体!?
ルークお、収まったのか…?
クレスあ、あれは…!?
光の使いティルグ
ユーリどうやら、この神殿の主のおでましみたいだな
ルークじゃあ、あいつが光の使い…ティルグって事かよ?
ミラまだ断定はできないが、ただ者ではなさそうなのは確かだ
クレスあれがティルグだったら、本当に願いをかなえてくれるのか?
ソフィこの感じ…違う…
ロイドそうだな。どっちかって言ったら、願いをかなえるより、ぶち壊すほうが得意そうに見えるぞ
ルーク面倒くせえ。どっちかなんて試してみりゃ分かるだろ
ミラルーク!不用意に近付くな!
ユーリやべえ、来るぞ!みんな伏せろ!
クレスくっ…!みんな、大丈夫か!?
ロイドああ、何とかな
ソフィ危なかった…。だけど、今なら大丈夫
ルークへっ、あれぐらい、今さらどうって事ねーっての
ミラどうやら戦うしかなさそうだな
ユーリらしいな。さっさとケリつけるとすっか
ソフィうん…!
ロイドよーし、やってやる!これですべてを終わりにしてやる!
クレス(これは…! 前に見た夢の光景 そのままじゃないか)
クレス(そうか…そうだったのか。 僕はあの時… これを見ていたんだ)
ミラどうした、クレス?
クレス…やっとわかったんだよ。ずっと疑問に思っていた事にようやく答えが出たんだ
クレスあの時、僕は…確かこう言ったはずだ。僕の持つ力全てを出し切ってみせる!
ユーリ力合わせりゃ何とかなんだろ。けど、油断はすんなよ
ミラああ。私達はもう、ただ旅をともにしただけの間柄ではない
ソフィ一緒に戦う仲間だから
ロイドみんな、準備はいいか?
ルーク任しとけっつーの
クレス(そうだ…ここまで来たら信じよう。 みんなでここまでたどり着いた、 絆の力を!)
クレスよし、やるぞ!
はあああああっ!
明日へ
ソフィはあ…はあ…
ミラ終わったのか…?
ユーリあんだけやったんだ。そう願いたいもんだな
ルーク俺達の勝ち…なんだよな?
ロイドよーし!終わったぞ!
クレスいや、まだ油断はできない
クレス(前に見た夢がもし本当なら… この後…)
ロイドこの光は…?
ユーリちっ、まだ終わりじゃねえってか!?
ルーク一体どうなってんだ?
クレス(やはり… あの夢の通りなのか…)
ソフィあ…!あれは…
クレスえ…?
クレス違う…夢の通りじゃない
ミラお前は誰だ?
ティルグ我が名は…ティルグ
ティルグこの世界に舞い降りし、光の使いなり…
ソフィきれい…
ユーリ…こいつがティルグの本当の姿だってのか
ティルグ選ばれし者達よ…
ミラ私達の事か?
ティルグ我が取り込まれし闇を払い、我を解放せし事に感謝する
クレス取り込まれたって、どういう事なんだ?
ティルグ我は夢を見ていた。初めは健やかな夢…だが、それがいつからか、悪夢に転じた
ティルグ果てなき争い、憎しみの連環…終わる事なき悪夢が深き闇となりて我を取り込んだのだ
ユーリなるほどな。だから最初、あんな姿をしてたってわけだ
ティルグ選ばれし者達よ。なんじらは何を求めて、神殿に足を踏み入れた?
クレス僕は…宿敵のダオスを倒した時に、世界をこのままにしておいてはいけないと思って
ユーリカケラが全部そろえば、くだらねえ戦争も終わるかもしれねえって思っただけだよ
ルーク俺の場合は、気が付いたらここにいた…っつーかまあ、成り行きだな
ロイド自分がカケラに選ばれたからには、自分にしかできない事がここにあるんじゃないかと思って
ソフィわたしは自分の世界を救うためにこの世界に来たの。そしたら、この世界も救いたくなって
ミラマナの減少を食い止めるためには星のカケラを全て集めるのが最善だと判断したからだ
ティルグ…なるほど
ティルグなんじらの話を聞き、さらに、この目に世界のありようを映して…我は理解した
ティルグなぜ我が闇に取り込まれたのか…その理由をな
ロイド世界のありようを映すって、どういう事だ?
ソフィ…!あれは…
ルークお、俺達の世界が…
ユーリくそっ、ここまで切羽詰まっちまってるのか
クレス果てなき争い、憎しみの連環…ティルグの言った通りだ
ソフィたくさんの負の感情が、渦巻いている…
ルークこんな事ばっかやってたせいで、ティルグがおかしくなっちまったっていうのかよ?
ミラおかしくなったのは人も同じだ。負の感情が欲望に火をつけ、遂にはマナの危機までもたらした
ロイドこれが、俺達人間のしてきた事なんだな…
クレス
ソフィ
ルーク
ミラ
ユーリ
ティルグさて…選ばれし者達よ
ティルグ「全てのカケラが合わさった時、 我は姿を現し、願いをかなえん」
ティルグなんじらは見事に心を合わせ、全てのカケラを集めただけでなく、闇に取り込まれた我をも救った
ティルグなんじらこそ真の選ばれし者達。今こそ願いをかなえよう。なんじらは、何を望む?
ミラ願いか‥
ロイドそれだったら、もう決まってるよな
ユーリ…だな
ソフィじゃあ、みんなで一緒に言おう?
ルークうぜーな、なんでそんな事……って分かった、分かったよ。言えばいいんだろ、一緒に
クレス光の使い、ティルグよ。僕達の願いは…
世界の平和――
ユーリ今、争いを煽ってる負の感情ってやつを消してくれるだけでいい。あとはオレ達が自分でやるさ
ロイド確かにそれが、俺達全員の願った事だよな
ティルグ…その願い、かなえよう
ティルグもうじき、この神殿は役割を終え、姿を消す…なんじらを外まで連れて行こう
ティルグ本当にこれが、なんじらの願った事なのか
ティルグ世界の平和そのものを願う事もできたのだぞ。それなのに、なぜ…
ルークあんな恥ずかしい事、何度も言わせんなっつーの
ミラ誰かに与えられた平和では、いずれ同じ事の繰り返しになる。大切なのは自ら平和を願い、成す事だ
クレス世界の平和は、僕達自身の手で成し遂げなければならない…みんなで話し合って、そう決めたんだ
ソフィそう。それがたとえ、どれほど困難な道のりだとしても
ユーリいつか自分らの力で平和を守れるようになってみせる。…ずっと誰かに面倒見続けてもらうんでなく、な
ティルグなるほど。なんじらの覚悟、しかと見届けた
ティルグなんじらがその気持ちを持ち続ける限り、我も希望を抱き続ける事ができそうだ
ティルグさて…なんじらに興味は尽きぬが、そろそろ別れの時のようだな
ティルグ我は再び長き眠りに就くとしよう。新たな選ばれし者達が現れる、その日まで
ミラさらばだ、ティルグ
ソフィおやすみ
ロイドまたな!
ルークまた悪い夢見てうなされんじゃねーぞ
ユーリま、そん時はオレ達がまたしっかり目を覚まさせてやるさ
クレスティルグ、ありがとう
ティルグでは…さらばだ
ロイドいっちまった…
ソフィあ…神殿も…
クレス消えていく…
ユーリまるでオレ達まで、長い夢を見ていたみたいだな
ルークおい、変な事言うなっつーの。これは夢じゃねえよな?なあ?
ミラああ。夢などではない。たしかに現実だ
クレス大事なのはこれからだ。ティルグに宣言した通り、世界の復興を果たさなくては
ロイドティルグがいい夢を見られるように
ミラソフィが自分の世界へ帰っても、安心できるようにしておかなくてはな
ソフィみんなの事は信じてるよ。わたしも、わたしの世界で頑張る
ユーリそんじゃま、そろそろ帰るとすっか
ルークふいー、やっと家に帰れるか…
ミラ初めに顔を合わせた時はどうなるかと思ったが…
ロイドこの六人で行動するのも、悪くはなかったな
ソフィうん、すごく楽しかったよ
ルークへっ、俺はもうこりごりだけどな
クレスそうかな?僕には楽しそうに見えるけど。君の顔を見れば分かるよ
ロイドまた会えるかな、俺達
ユーリどうだろうな。けど、本気で願えばどうとでもなんだろ
ミラでは出発しよう
クレスそれぞれの道へ
ユーリそれぞれの未来へ、だな
ロイドみんな、またな!
ルーク元気でやれよな、お前ら!
ソフィきっとまた会おうね。約束だよ!