| Name | Dialogue |
| 熱血!!アスベル教官 | scene1 |
| フレン | やあ、アスベル。ちょっといいかい? |
| アスベル | 何だよ?フレン。改まって… |
| フレン | うん、実は今度、騎士学校の学生が、期間限定で、騎士団に体験入隊する事になったんだ |
| フレン | それで騎士団員のうち何人かが教官として就く事になるんだが… |
| フレン | 任命された者の一覧に君の名前もあったんで知らせておこうと思ってね |
| アスベル | お、俺が!?ちょっと待ってくれ!教官なんて俺には無理だ |
| フレン | 相手はまだ学生なんだ。気負う必要はないさ |
| フレン | むしろ、自分自身がこれまで学んできた事を確かめる、いい機会になるんじゃないかな |
| アスベル | そんな簡単に言うなよ…荷が重い… |
| フレン | 心配はいらない。僕もやるし、大丈夫、君なら適任だと思うよ |
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| アスベル | 騎士たるもの、基礎体力が重要だ。普段からしっかりと鍛えておく必要があるぞ |
| 学生A | うわ~、もう無理だ… |
| アスベル | 始まったばかりなんだ自分を信じて、弱音を吐くな! |
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| アスベル | 山を走るのもトレーニングの一つだ。決められた時間で決められたコースを走りきるんだ |
| 学生B | こんなの無理だよな… |
| アスベル | やる前から諦めたら何にもならないぞ?さぁ!スタートだ! |
| アスベル | ふぅ… |
| フレン | お疲れ様。どんな具合なんだ、学生達は? |
| アスベル | うーん、まだ騎士になる心構えができていないな…。すぐに弱音を吐きすぎだ |
| フレン | まだ学生だし、体力面でも精神面でも未熟なのは仕方ないだろう |
| アスベル | それはそうなんだけど…どうにか、前向きな姿勢で取り組ませたいとは思うんだが… |
| | ガルルルル! |
| アスベル | 魔物だ!!この魔物ならあいつらでも…!よし!みんな行く…え? |
| 学生C | ひいぃぃぃっ!魔物だー! |
| 学生D | ヤベェよ!あんなの無理だよ… |
| フレン | …みんな逃げてしまった。いきなりの実戦は荷が重かったみたいだな |
| アスベル | 背中を見せると危険だというのに…! |
| アスベル | よし!フレン、行くぞ! |
| 熱血!!アスベル教官 | scene2 |
| アスベル | はぁ~…。何だか今日は1日が長かった |
| アスベル | それにしても、あの学生達の弱腰には困ったな… |
| アスベル | 俺があれくらいの頃は大切な人を守りたいって頑張っていたはずなんだが… |
| アスベル | えーっと、アルバム、アルバムっと…あ、あった、これだ |
| アスベル | ふっ、懐かしいな |
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| アスベル | この写真…今見ると何だか恥ずかしいな |
| アスベル | …俺にもこういう時期があったんだよな |
| アスベル | … |
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| アスベル | …そうだ。学生の頃は経験がなくて分からない事だらけだった… |
| アスベル | 弱腰な姿勢をたしなめるだけじゃダメなんだ。気持ちを伝える指導をしなくちゃ…! |
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| アスベル | みんな聞いてくれ。今日は予定していた訓練は中止するその代わり… |
| アスベル | マニュアルどおりの訓練ではなくみんなに合ったメニューを考えてきたんだ── |
| フレン | どうやらアスベルは一晩いろいろ考えてきたみたいだ。僕も負けていられないな |
| フレン | 今日で体験入隊も最後となる。そこで最終訓練として、実際に騎士団の実任務に就いてもらう |
| フレン | 任務内容は「魔物討伐」だ。アスベル教官の班と合同で行う |
| フレン | これまでの訓練の成果を活かして、取り組んで欲しい! |
| 学生達 | 了解しました! |
| アスベル | 随分さまになってきてはいるがさすがに実戦は危険だっただろうか… |
| フレン | 気構えを実感して欲しいんだろ?いざという時でも僕らがいれば何とかなるだろうしね |
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| アスベル | おかしいな…。魔物が出て来ないぞ |
| フレン | ああ、この辺りは割とすぐに出くわすはずなんだが… |
| | ガサガサ |
| アスベル | 来たか!? |
| | グルルルル!! |
| | グオオオオ!! |
| フレン | 魔物だ!しかも集団…!まさか僕達の接近を知って集まっていたのか!? |
| アスベル | こんなに大量に…!こうなったら…学生達は俺がまも―― |
| 学生A | 僕達も戦います!アスベル教官とフレン教官のように! |
| 学生B | もう逃げません!騎士団員として早く一人前になり、街の人達を守ります! |
| アスベル | お前達…。よし、じゃあ二手に分かれよう!俺とフレンそれぞれの援護を頼む! |
| 学生達 | はい! |
| フレン | 驚いたな。みんな昨日とは打って変わった顔をしている。アスベルの熱意が伝わったみたいだな |
| アスベル | 昔の自分を思い出したら、自然と彼らと向き合う事ができたんだ。少しでも役に立ててうれしいよ |
| アスベル | さぁて…足を引っ張るなよ、フレン教官 |
| フレン | ああ、学生達を失望はさせない |
| | よし!行くぞ! |
| 思い出の味 | scene1 |
| アスベル | 久々に休みがもらえたのはありがたいが…。突然言われてもなぁ |
| アスベル | やりたい事は山ほどあったはずなのにいざ休みとなると何をしていいか、わからないな… |
| アスベル | とりあえず、このまま街を散策するか |
| アスベル | うーん…やっぱり、これといってやりたい事が思いつかないな |
| アスベル | ん?あれは…ヒューバートか? |
| アスベル | おーい、ヒューバート!奇遇だな |
| ヒューバート | 兄さん、どうしたんですか? |
| アスベル | 急な休みでやる事がなくて、街をブラブラと散策していたんだ |
| ヒューバート | そうですか…それで、ぼくに何か用ですか? |
| アスベル | 用というか…お前も暇ならちょっと付き合えよ |
| ヒューバート | ぼくは兄さんと違い、忙しいんです。では、失礼しますね |
| アスベル | お、おい!ちょっと待てよ! |
| ヒューバート | 引っ張らないでください。服が伸びるじゃないですか… |
| ヒューバート | … |
| ヒューバート | ふぅ…わかりましたよ。付き合いますよ |
| アスベル | よし!じゃあ行こう! |
| アスベル | そういえばさ…この前、騎士学校の学生達が体験入隊する機会があって、その教官を頼まれたんだ |
| アスベル | 学生達を見ていたら、ふと自分の学生時代を思い出してな |
| ヒューバート | 兄さんの学生時代ですか…少しだけ興味がありますね |
| アスベル | あの時は仲間で夢を語り合ったな…。いつものカレー屋で… |
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| アスベル | ほんとここのカレーは絶品だよな!このカレーがあれば、他には何もいらないな! |
| 仲間 | お前、ほんとカレー好きだよな。ここまで来ると本物だよ… |
| アスベル | 俺は、立派な騎士団員になってこの街と、このカレーを守りたい! |
| 仲間 | ハハハ。なら、俺の好きな中辛カレーもついでに守ってくれよな! |
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| ヒューバート | 兄さん… |
| ヒューバート | 何か、いろいろと間違っていると思うのですが… |
| ヒューバート | まあ、気にしないでおきましょう… |
| アスベル | そういえば…あのカレー屋、忙しくて最近来てなかったけど… |
| アスベル | あ、あそこだ |
| アスベル | よし、久しぶりに覗いてみよう |
| アスベル | 行くぞ、ヒューバート |
| ヒューバート | ちょ、ちょっと、兄さん!? |
| ヒューバート | …まったく |
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| アスベル | まだ店が残っていてよかった。懐かしいな |
| アスベル | ん?何だ?随分騒々しいが…店の中か? |
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| 男性 | この店のカレーを食ったせいで、仲間が倒れたんだよ! |
| 男性 | 金だ!慰謝料を払えっつーんだよ!…まあ、払わねえって言ったところでもらっていくがな! |
| 店主 | やめてくれー! |
| アスベル | ちょっと待つんだ。奪ったお金を置いていった方が身のためだぞ |
| 男性 | あ!?俺に指図するのか?いい度胸してんじゃねえか…。覚悟しやがれ! |
| アスベル | やるしかないようだな… |
| ヒューバート | まったく…面倒事にいつもぼくを巻き込んで… |
| 思い出の味 | scene2 |
| 男性 | ぐはっ!つ、強い… |
| アスベル | 今は手加減しているが次は本気でいくぞ! |
| 男性 | こ、こいつは騎士団の…!す、すみませんでした~!お金はちゃんと返します!! |
| アスベル | これで、一件落着だな… |
| ヒューバート | まったく… |
| アスベル | ヒューバート、そう不機嫌になるなよカレーおごるからさ! |
| アスベル | 街の平和も守ったんだし、よかったじゃないか。なっ? |
| ヒューバート | …まあ、そうですね。街の治安維持、それでよしとしましょうか |
| アスベル | 俺はこいつらを騎士団に連れて行く。すぐに戻るから、お前は先に食べていていいぞ |
| ヒューバート | わかりました。途中で逃がしたりしないよう注意してくださいよ? |
| アスベル | ああ。それじゃ、行ってくる |
| ヒューバート | やれやれ…じゃあ、お言葉に甘えて先にいただくとしましょう |
| ヒューバート | う~ん、どれにするか迷いますね。オムカレー…、いや、まずはベーシックなものからですかね |
| ヒューバート | すみません、このレギュラーカレーを1つ、お願いします |
| 店員 | お待たせいたしました。レギュラーカレーでございます |
| ヒューバート | うん、とてもいい匂いですね。スパイスの香りが胃袋を刺激する…。この感じ、何とも言えません |
| ヒューバート | さて、ではいただくとしましょう。どれどれ… |
| ヒューバート | うっ!!これは…!! |
| ヒューバート | うううううう!!か、辛い!いや、むしろ痛い! |
| ヒューバート | に、兄さんは甘口カレーしか食べられないはずなのに…本当にこれが思い出の味なのか!? |
| ヒューバート | うう…だ、駄目だ…辛すぎる… |
| ヒューバート | に、兄さん… |
| | ドタッ |
| 店員 | お客様、大丈夫ですか!?お客様ーっ! |
| ヒューバート | う…一瞬、気が遠のいた… |
| ヒューバート | このお店…甘口カレーは…甘口カレーは…ないのですか…? |
| 店員 | えっ!?うちは激辛カレー専門店ですが… |
| 店員 | 去年オープンしまして…。あ、でも、以前ここにあったカレー屋さんにはおそらく甘口があったかと… |
| ヒューバート | なんて事だ…!兄さん… |
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| アスベル | 楽しみだな、久々に食べる懐かしのカレー |
| アスベル | もういらないってくらい腹いっぱい食べるぞ! |