| Name | Dialogue |
| 陛下からの贈り物 | scene1 |
| ジェイド | お呼びでしょうか、陛下 |
| ガイアス | 大した話ではないのだが |
| ガイアス | 先日の遠征時に立ち寄った村でこれを渡されてな |
| ジェイド | これは…浴衣、ですか |
| ガイアス | ああ。数ある浴衣の中でも指折りの一級品と言っていた。お前が使うといい |
| ジェイド | それほどまでに貴重なものなら陛下ご自身でお召しになった方がよろしいのではないですか? |
| ガイアス | 俺は王という立場ゆえ、それを着る機会を作れそうもない |
| ガイアス | 浴衣も着てもらってこそ本望だろう |
| ジェイド | …そうですか |
| ジェイド | では、お言葉に甘えてありがたく頂戴致します |
| ガイアス | 雪国である我が国ではもともと着る機会が少ないかもしれないがな |
| ジェイド | 確かにそうですね |
| ジェイド | ですが、せっかくの貴重な賜り物です。なんとか機会を探してみますよ |
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| ジェイド | しかし浴衣とはまた懐かしい。最後に着たのは一体いつのことやら思い出せませんね |
| ジェイド | 陛下にはああ言ったものの、実際、そうそう機会があるとも思えませんし |
| ジェイド | せめて試着くらいはしておくとしましょうか |
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| ジェイド | …… |
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| ジェイド | ふむ、少々心許ない気もしますが、身軽で、これはこれで軍服にはないよさがありますね |
| ジェイド | …おや?なんだか外が騒がしいですね… |
| ??? | 大佐!いますか、大佐~! |
| ジェイド | …その声はアニスですか。一体何の騒ぎです |
| アニス | はぅわ!何ですかその恰好!? |
| ジェイド | 見ての通り、浴衣ですよ。陛下に頂きましてね |
| ジェイド | それより、外が騒がしいようですが |
| アニス | そ、そうでした!街の外で魔物が暴れてるんです! |
| ジェイド | 被害と、状況は? |
| アニス | ぎりぎりのところで兵士達が頑張って食い止めてるんですけど… |
| アニス | 侵入してくるのも時間の問題かなーって… |
| ジェイド | …やれやれ |
| ジェイド | 仕方ありませんね、私も行きましょう |
| アニス | むむむ… |
| アニス | でも、大佐!雪空の中その恰好で行くんですか?なんか凍えちゃいそうですよ? |
| ジェイド | 勿論着替えて行きますよ。アニス、先に現場へ向かって応援を。頼みましたよ |
| アニス | 分かりました!大佐も早く来てくださいよー! |
| 陛下からの贈り物 | scene2 |
| ジェイド | どうやら退治できたようですね。少々厄介な魔物でしたが |
| ジェイド | アニスもいい戦いっぷりでした。助かりましたよ |
| アニス | えへへ。アニスちゃん、頑張っちゃいました! |
| アニス | 大佐は、やっぱり軍服の方が大佐って感じがしますねー |
| ジェイド | おや、そうですか? |
| ジェイド | それなりに浴衣も悪くないと思っていたんですがねぇ |
| ア・ジュール兵 | 大佐!状況を報告いたします |
| ア・ジュール兵 | 魔物は殲滅、負傷者は多数ですが死亡者はおりません!国民への被害もありません! |
| ジェイド | よろしい |
| アニス | ちょっと思ったんですけど、今回の件、警備が手薄だったんじゃないですか? |
| ジェイド | ふむ、確かにそうかもしれません |
| ジェイド | 少数でも務まるよう、慎重に選抜した兵で編成したつもりでしたが… |
| アニス | あのー大佐、目が怖いんですけど… |
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| ジェイド | 失礼します、陛下 |
| ガイアス | どうした? |
| ジェイド | はい、先ほど街の外に魔物が現れました |
| ジェイド | 無事一掃しましたが、警備が突破されて街への侵入を許す恐れがありました |
| ジェイド | 原因は戦力不足です。警備の増強を行うべきかと |
| ガイアス | 兵達の統率に関してはお前に全て任せている |
| ガイアス | だが、士気が落ちてきているのならば俺が直接指示を出す必要があるだろう |
| ジェイド | いえ、陛下のお手を煩わせるつもりはありません |
| ジェイド | 今のは単に私の失策の報告です |
| ジェイド | ああ、そういえば例の浴衣ですが、改めてお礼を申し上げますよ |
| ガイアス | そうか。もう袖は通したのか? |
| ジェイド | ええ、勿論 |
| ジェイド | さすが貴重な浴衣だけあってなかなかの着心地でした |
| ジェイド | あいにく試着した途端に魔物襲撃の知らせがあったのですぐに着替えてしまいましたがね |
| ジェイド | どのみち、これから部隊の再編成と兵の再教育をするのに、浴衣では都合が悪いですし |
| ジェイド | また着る機会はしばらくお預けになりそうですよ |
| ガイアス | ジェイド…どこか楽しそうに見えるが? |
| ジェイド | おや、これは心外ですね。私は自分の職務を全うしようとしているだけですよ |
| ジェイド | では失礼します |
| ガイアス | ふっ、恐ろしい男だ |
| 大佐とお祭り | scene1 |
| ジェイド | どうやら着いたようですね。これがキムラスカの首都バチカル、ですか |
| ジェイド | なるほど街並みも祭りもなかなかの賑わいですね |
| ジェイド | ティアの招待に応じた甲斐があったようです |
| ジェイド | しかし、アニスの姿が見えませんね。もう着いていていいはずですが |
| ジェイド | …まあいいでしょう |
| ジェイド | それよりそろそろ目立つ軍服から着替えた方がよさそうですね |
| ジェイド | ガイアス陛下から、現地で開けろと着替えの包みを渡されましたが、さて何が入っているやら… |
| ジェイド | …これは…あの時の浴衣、ですか |
| ジェイド | まったく、冗談なのか本気なのか、陛下らしいといえばそれまでですが… |
| ジェイド | 仕方ありませんね。祭り向きということで大人しく着替えるとしましょうか |
| ジェイド | ほう…色々な店がありますね。ア・ジュールにはないものがあってなかなか興味深い |
| ??? | おい、ジェイド! |
| ジェイド | おや、ルーク。ティアも… |
| ティア | 大佐、ようこそキムラスカへ |
| ルーク | ほんとに来やがったんだな |
| ルーク | っていうか何だ、その恰好?浴衣なんか着て… |
| ジェイド | せっかく名高いキムラスカの祭りにお招きいただいたのですから、それに相応しい姿でないと失礼と思いまして |
| ジェイド | ア・ジュール、キムラスカ間の交流の一環としては、いささか意外な形ではありますがね |
| ジェイド | それにしても、これでも目立たない姿のつもりだったんですが、簡単に見つかってしまいました |
| ジェイド | 私もまだまだですねえ |
| ルーク | 目立たないって…存在感ありすぎだっつーの! |
| ティア | でも確かに大佐が浴衣だなんて、何だか意外です |
| ルーク | だよな、てっきり寝てても起きててもあの軍服を着てんのかと思ってたぜ |
| ジェイド | はっはっは、まさか、そんなことはありませんよ |
| ジェイド | あなたじゃあるまいし |
| ルーク | けっ、相変わらずいけ好かないやつ |
| ジェイド | そういえばアニスも来ているはずなのですが… |
| ジェイド | お二人は見かけませんでしたか? |
| ティア | アニスが? |
| ティア | いえ、見ていません |
| ティア | 捜すならお手伝いしますが… |
| ジェイド | ああいえ、それには及びません。見物がてら、私が行ってきますよ |
| ティア | そう…ですか。大佐がそう仰るのなら… |
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| ジェイド | さて、どこかで魔物に襲われていなければよいのですが |
| | ガサガサ |
| ジェイド | おや? |
| | ガルルル! |
| ジェイド | やれやれ…魔物と待ち合わせた記憶はないんですがねえ |
| 大佐とお祭り | scene2 |
| ジェイド | ふむ、浴衣で戦うというのは思った以上に動きにくいものですね |
| ルーク | おいジェイド!何やってんだよ! |
| ジェイド | おや、ルークどうしました? |
| ルーク | どうしたじゃねえよ!お前がなかなか戻ってこねーからティアに見て来いって言われたんだよ |
| ルーク | ったく!面倒かけるなっつーの! |
| ジェイド | それは申し訳ありません。ちょうど魔物に出くわしたものですから |
| ルーク | ったく、そんな浴衣なんか着てるからもたもたするんだろ |
| ジェイド | それもそうですね。少々名残惜しい気もしますが、着替えるとしましょうか |
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| ジェイド | やはりこちらの方が性に合ってますね。目立ってしまうのはこの際、目をつむりましょう |
| ティア | おかえりなさい、大佐 |
| ティア | あら…浴衣はやめたんですか? |
| ジェイド | はい、お祭りには不釣合いですがやはりこちらの方がしっくりきますのでね |
| ティア | それで大佐、アニスは見つかったんですか? |
| ジェイド | いいえ |
| ジェイド | ですが、まあアニスの事ですから、心配せずともそのうち会えるでしょう |
| ルーク | なあ、思ったんだけどよ |
| ルーク | ジェイドってその軍服でも全然浮いてないんじゃねぇか? |
| ティア | 確かに… |
| ティア | お祭りでもっと奇抜な格好をしている人もたくさんいるから軍服でも目立たないわね |
| ジェイド | 一応、お二人に言っておきますが |
| ジェイド | 別に私は目立ちたくて軍服を着ているわけではありませんよ? |
| ティア | あ…いえ、そんな意味では… |
| ティア | すみません |
| ジェイド | しかし、こうしてみると確かに先ほどに比べ、浴衣以外の服装の方が増えてきているようですね |
| ジェイド | 何が始まるんですか、ティア? |
| ティア | ええと、すみません。私も詳しい事は… |
| 街の男 | おい、あんた! |
| | ? |
| 街の男 | あんただよ、あんた。そこの軍服のにーちゃんだよ! |
| ジェイド | 私…ですか? |
| 街の男 | そうだよ!ほら、早くしないと始まっちまうぞ! |
| ジェイド | おやおや強引ですね |
| ルーク | お、おい! |
| ルーク | ジェイドのやつ、連れて行かれちまったぞ… |
| ティア | …一体何なのかしら追いかけましょう |
| ジェイド | 引かれるまま来てしまいましたが…これはまた随分と個性的な格好をした方が集まっていますね |
| イベント司会者 | はーいそれでは!ただ今より!夏祭り仮装大行進をスタートします! |
| ジェイド | 仮装…ですか |
| ルーク | わはははは!ジェイドのやつ、仮装行列の参加者と間違えられてやんの! |
| ティア | ちょっとルーク!大佐に失礼よ! |
| ジェイド | やれやれ、両国の交流のためとはいえ、花火でも打ち上げたい気分ですね… |