| Name | Dialogue |
| 万能アイテム | scene1 |
| リリス | 今日の夕飯は何にしよう…。昨日はマーボカレーだったから…う~ん… |
| リリス | そうだ、市場でよさそうな食材を見つけてから決めよう |
| リリス | ついでにおたまの予備も買って── |
| ??? | あら、リリスじゃない |
| リリス | あ!ルーティさん、こんにちは! |
| ルーティ | 夕飯の買い物? |
| リリス | はい!それと、ついでにおたまを買おうかと思ってたところです |
| ルーティ | おたま? |
| リリス | はい!おたまの予備が2、3本ほど欲しいなって思ってまして |
| ルーティ | …ああ、あのおたまの使い方じゃ何本あっても足りないものね |
| リリス | そうなんです!本当なら10本、20本…それ以上欲しいところです! |
| リリス | おたまの予備に余裕がないと、ちょっとだけ不安になっちゃうんですよね |
| ルーティ | そんな事で不安を感じるのって多分あんたくらいよ… |
| 子ども | わああぁぁぁっ!! |
| | グアアアアアッ!!! |
| ルーティ | …魔物の声!? |
| 男性 | 大変だ!街の外で子どもが魔物に襲われてる!! |
| リリス | 子どもが…!?大変!! |
| ルーティ | ちょ、ちょっと待ちなさい!あんた武器持ってないでしょ!? |
| リリス | そう思いますよね!ですが!実は!持っているんです!肌身離さず! |
| ルーティ | あ…うん。そう。肌身離さないんだ…おたま… |
| リリス | はい!じゃあ私、行きますねっ! |
| ルーティ | ま、待ちなさいよ! |
| ルーティ | ったく、向こう見ずなところがほんっと、誰かにそっくりよね… |
| 万能アイテム | scene2 |
| | グオオオォォォォ… |
| リリス | ふう…これで一安心っと!ルーティさん、ありがとうございました! |
| ルーティ | …どういたしまして。あんたが一人で突っ込むからヒヤヒヤしたわよ |
| リリス | あはは…す、すみません |
| リリス | ええと、あなたは大丈夫?怪我はない? |
| 子ども | ひっ…、ひっく…!怖かったよぉぉおお!! |
| ルーティ | これだけ泣く元気があるなら大丈夫そうね |
| リリス | 街の外には怖い魔物がたくさんいるんだから、一人で出てきちゃ駄目よ? |
| 子ども | ぐすっ…ひっ、ひっく…!ご、ごめんなさいぃぃい… |
| ルーティ | ほら、はやく家に帰りなさい |
| 子ども | ひっく…う、うん…。ありがとう、お姉ちゃん達… |
| | |
| リリス | ふー… |
| リリス | まさか夕飯の買い出しに来て魔物と戦う事になるとは思いませんでした |
| ルーティ | 魔物と戦うのにおたまが武器ってのもどうかと思うけど |
| ルーティ | あんたって、本当にいつもおたまを肌身離さず持ち歩いてるのね |
| ルーティ | 買い物には必要ないでしょ |
| リリス | いえ、おたまはいつでも使える便利なアイテムなんですよ! |
| リリス | 武器として使えますし、料理にも使いますし! |
| リリス | それになかなか起きないお兄ちゃんの目覚まし、「死者の目覚め」にも欠かせません! |
| リリス | おたまは万能なんです! |
| ルーティ | いや、料理が一番最初だから…。武器として使ってるのはリリス、あんたくらいよ… |
| 手が焼けるお兄ちゃん | scene1 |
| リリス | …うん!味もいい感じ。これで昼食も完成! |
| リリス | あとはお兄ちゃんを… |
| | コンコン! |
| リリス | あ、はーい!開いてますよ!どうぞ! |
| ルーティ | お邪魔するわね |
| リリス | こんにちは、ルーティさん! |
| ルーティ | 何だか悪いわね。昼食に呼んでもらえるなんて |
| リリス | いえ!ちょうどいい時にお会いしましたし |
| リリス | それに、大勢で食事した方が楽しいですから! |
| ルーティ | そ、ありがと。それにしても… |
| ルーティ | あんた本当に料理が得意なのね。すっごいいい匂いがするわ。お腹鳴りそう |
| リリス | ありがとうございます!今日も私、頑張りましたから!自信作です! |
| リリス | ちょっと待っててくださいね。お兄ちゃん呼んできますから |
| ルーティ | スタン、出かけてるの? |
| リリス | お兄ちゃんなら、物置にいますよ |
| リリス | 何かしてもらわないとだらだらと昼寝しちゃうんでお掃除をお願いしてるんです |
| リリス | すぐ呼んできますね! |
| ルーティ | はいはい、いってらっしゃい。急がなくていいわよ。こっちはごちそうになる身なんだから |
| 手が焼けるお兄ちゃん | scene2 |
| リリス | お兄ちゃ~ん!お昼ごはん出来たわよー! |
| スタン | くかー…すぴー… |
| リリス | もう!また寝てる! |
| リリス | こらっ!お兄ちゃんっ!! |
| スタン | うううう、うわあっ!!ちゃ、ちゃんと掃除してるって! |
| リリス | してないでしょ?さっきと何も変わってないもん! |
| スタン | う…ごめん。つい、うとうとしちゃって… |
| リリス | ルーティさんが来たわよ!もうここは後でいいから、ご飯にしましょ! |
| スタン | ああ、わかった! |
| | |
| スタン | ごめん、待たせたみたいだな |
| ルーティ | その調子じゃ、また寝てたのね |
| リリス | そうなんですよ!お兄ちゃんったらまた── |
| スタン | おー、今日の昼ご飯は豪勢だな。それじゃあ、早速── |
| リリス | お兄ちゃん!話聞いてないでしょ!それに、食べる前にはちゃんと手を洗ってって言ってるでしょ! |
| スタン | ああ、そうだったな。ごめん、リリス!今洗ってくるから! |
| ルーティ | …やれやれ騒がしい兄妹ね |
| スタン | ふー!ご馳走様でした! |
| リリス | お粗末さまでした! |
| ルーティ | あー美味しかった!リリス、また料理の腕が上がったんじゃない? |
| リリス | ホントですか?ありがとうございます! |
| リリス | 今お茶を淹れますね! |
| | コンコン!コンコン! |
| 男性 | スタン君、いるかい? |
| スタン | あ、はい!いますよ! |
| 男性 | お昼時にすまないね。ちょっといいかい? |
| スタン | 食べ終わったところだったんで大丈夫ですよ |
| リリス | どうしたんですか? |
| 男性 | 最近、街の付近に魔物の群れが出現するようになってね… |
| 男性 | 急遽討伐隊を結成して退治しに行く事になったんだ |
| 男性 | スタン君も参加してもらえないかい? |
| スタン | もちろんですよ!今からですか? |
| 男性 | ああ、急ですまない。危険だから、行商人が来る前に何とかしたくてね |
| スタン | わかりました! |
| ルーティ | あたしも行こうか?食事のお礼ってワケじゃないけど |
| スタン | んー…ルーティとリリスは何かあった時のために救急道具を準備してもらえるか? |
| ルーティ | オッケー。任せておいて |
| リリス | お兄ちゃん、気をつけてね! |
| スタン | うん!それじゃ、行ってくるよ! |
| ルーティ | 食べたばっかりなのに、慌ただしいわね |
| リリス | 家の事を頼んでも、よくさっきみたいに頼まれ事されて出かけちゃうんですよね |
| ルーティ | ふうん。大変ね |
| リリス | その度に怪我して来たり、服を汚して来たり… |
| リリス | お兄ちゃん、慌てて出てったけど大丈夫かなあ…。寝起きだしまた怪我して来るんじゃ… |
| ルーティ | スタンも戦う時くらいは起きてるでしょ。心配ないわよ |
| リリス | でもこの前だって… |
| リリス | って、あーーーーっ!? |
| ルーティ | なななな、何っ!?急に大声出して…! |
| リリス | お兄ちゃん、剣忘れて行ってる! |
| ルーティ | はぁ!?あいつ…どこまで抜けてんのよ! |
| リリス | 大変!届けてあげなくちゃ…! |
| ルーティ | あたしが届けるわよ、あんたは家に… |
| リリス | ルーティさん!少しの間、留守番お願いしますね! |
| ルーティ | え、ちょっと! |
| ルーティ | …行っちゃった… |
| ルーティ | あの子、ホント、スタンの事となると他の事が目に入らなくなるわね… |