| Name | Dialogue |
| 一向に進まない | scene1 |
| クラース | ふむ、こう天気がいいと気持ちがいいな |
| アーチェ | だね~。お弁当でも持ってくればよかったかな~ |
| クラース | 一応断っておくが、ピクニックに来たわけではないぞ |
| アーチェ | はいはい、わかってるってば!あたしの魔術が見たいんでしょ?クラースに使えない、ま・じゅ・つ! |
| クラース | ぐっ…!妙な言い方をするな。私でも魔術を使える方法を模索しているからであって… |
| ??? | おーい! |
| チェスター | よ、アーチェ、クラース。何やってんだ? |
| クラース | チェスター!こんなところで会うとは奇遇だな |
| クラース | アーチェに依頼して、私の魔術研究の仮説を実証しようとしていたところだ |
| アーチェ | そゆこと。天才魔術師アーチェさんじゃないとこの仕事はできないってワケ! |
| クラース | チェスターは狩りをしていたのか? |
| チェスター | ああ、そうだ。そろそろ食料を調達しておかないといけないからな |
| アーチェ | あんたに獲物を仕留められるの~? |
| チェスター | なんだと!? |
| クラース | 会うなりこれか。喧嘩は私の用事が終わってからにしてくれないか |
| クラース | アーチェ、始めるぞ |
| アーチェ | ちぇっ。はいはい |
| アーチェ | …えっと、とりあえず術を出せばいいんだよね |
| クラース | ああ。炎の魔術をあの木の辺りに向かって頼む |
| アーチェ | 了解~!行っくよー! |
| アーチェ | ファイアボール!! |
| | カサッ… |
| チェスター | おい、ちょっと待て…物音がしたぞ |
| | ガサガサガサッ |
| アーチェ | ウソ!?人だったらマズいじゃん! |
| クラース | いや、待て!魔物だ! |
| | ボゥゥッ! |
| | ギャァァアアアア!!! |
| アーチェ | あ、当たっちゃった~!ワザとじゃないんだけど…怒ってる…よね? |
| クラース | それは「攻撃された」とみなすだろう!こっちに来るぞ! |
| チェスター | 何やってんだよ、この馬鹿! |
| アーチェ | あ、あたしのせいじゃないもん! |
| クラース | …こら!二人とも、喧嘩は後だ!構えろ、来るぞ! |
| 一向に進まない | scene2 |
| クラース | 偶然とはいえ魔物が飛び出してくる事もあるのだな。気をつけて検証を進めねば |
| クラース | アーチェ、次は水の魔術を… |
| アーチェ | あ!チェスター!あたし、いい事思いついちゃった! |
| アーチェ | さっき倒した魔物、あんたの獲物にすればいいじゃん!せっかくだからあたしが料理してあげてもいいけど? |
| チェスター | は?馬鹿言うなよ!誰がお前の料理なんか食うかよ!オレは自分で獲物を仕留めてみせる! |
| クラース | やれやれ。また始まったか…。この二人は顔を合わせれば喧嘩しかしないな… |
| クラース | 頼むから、終わってからに── |
| チェスター | そもそもお前の術のせいで食えるようなところが残ってねえよ! |
| チェスター | 第一、持って帰れたとしてお前に料理を任せるわけねえだろ! |
| アーチェ | むっかー!そこまで言う事なくない!? |
| クラース | …… |
| チェスター | あるっつーの!この××料理人! |
| アーチェ | なんですってー!? |
| クラース | …二人とも!!いいかげんにしろ! |
| クラース | まったく何度言ったらわかるんだ!私はお前達を遊びに連れてきたんじゃない! |
| クラース | アーチェ、お前には対価を払う約束をした。チェスター、お前にも私の護衛を正式に依頼してもいい |
| クラース | …了承するならば依頼者である私の指示に従ってもらいたい。…異論がある者は? |
| アーチェ | ありませーん… |
| チェスター | す、すまねえ… |
| アーチェ | ほらぁ!あんたのせいで怒られちゃったじゃん! |
| チェスター | お前が馬鹿な事言うからだろうが! |
| クラース | …こほん!今、喧嘩のようなものが聞こえたが私の気のせいか? |
| アーチェ | あ、うん!気のせいに決まってるじゃん!今すっごい仲良くしてたよ!ね! |
| チェスター | お、おう!全然喧嘩なんてしてねえぜ!な! |
| クラース | やれやれ、まったく…この調子じゃ、いつ終わる事やら… |
| 未知の領域 | scene1 |
| クラース | 目的地までは…あと半分くらいか |
| クラース | 仮説には実証が必要とはいえ、外に出るのはなかなか骨が折れるな |
| クラース | だが、今のところ何事もなく進んでいるし、予定より早く着きそうだ |
| クラース | そろそろ小腹も空いてきたな。弁当もあるし、ここらで休憩していくか… |
| クラース | ふぅ…。天候も良好、弁当も美味い… |
| クラース | これで術の研究が上手く行けば言う事なしだな! |
| | ドカーーーーーン!! |
| クラース | うわっ!な、何だ!? |
| | ガサガサッ |
| すず | クラースさん!? |
| クラース | す、すず!?一体、何がどうなって…? |
| | ガァァァアアア!!! |
| クラース | 魔物!?数が多いな…! |
| すず | 任務で魔物討伐にあたっていたのですが想像以上に数が多く… |
| クラース | この大群を一人で相手していたのか!? |
| クラース | まったく無茶をする… |
| クラース | 仕方ない、私も手伝おう |
| すず | ご心配無用です。これは私一人で完遂すべき任務ですから |
| クラース | どうやら、そんな事を言っている状況ではないようだぞ |
| すず | くっ…! |
| 未知の領域 | scene2 |
| クラース | 怪我はないか?すず |
| すず | ありません。クラースさんは…? |
| クラース | 私も大丈夫だ。…何とか始末できてよかったよ |
| すず | すみません。私が未熟だったばかりに… |
| クラース | 誰であろうとあの大群を相手にするのは厳しいだろう。気にする事はないさ |
| すず | …はい… |
| すず | ところで、クラースさんはこんなところで何をされていたのですか? |
| クラース | 私の研究で論文を書くにあたり実証が必要になったのでね。外に出る必要があっただけだ |
| すず | そうだったのですね。クラースさんは研究熱心で…素晴らしいと思います |
| クラース | そう言って貰えるとありがたい。私の研究テーマである精霊や魔術にはまだまだ私達の知らない事が── |
| | ぐぅぅう~~~~… |
| すず | っ…!! |
| クラース | はっはっは!かなり動き回ったからな。腹も減っただろう |
| クラース | 弁当があるんだが、よかったら食べないか? |
| すず | お気遣い頂きありがとうございます。ですが結構です。私も食料を持ってきていますので |
| | ガサガサ… |
| クラース | ふむ…?豆のようにも見えるが、それは…? |
| すず | 忍びの持つ、非常食のようなものです |
| クラース | 忍者の非常食!なるほど、興味深いな… |
| すず | よければお一ついかがですか? |
| クラース | いいのか?では、お言葉に甘えて… |
| クラース | … |
| クラース | んぐっ…!!! |
| クラース | あ、甘っ…!凄まじく甘いぞ!こういうものは無味なものだと想像していたが |
| すず | 動くのに必要なエネルギーを効率よく補給する事を第一に考えて作られています |
| クラース | そ…そうか…。うっ…!何を入れたらこうなるんだ…!あ、甘過ぎる…!! |
| すず | …クラースさんのお口には合いませんでしたか… |
| すず | でしたらこちらはいかがでしょうか。苦いものや酸っぱいものもあります |
| すず | 一緒に口に入れれば、甘さが緩和されるかも知れません。…保障はできませんが |
| クラース | い、いや!いい!ありがとう。参考になった |
| すず | そうですか。では、私はこれで。クラースさん、この度は助けて頂いてありがとうございました |
| クラース | 忍者は…修行だけでなく食事までもが過酷なものなのか… |
| クラース | 世の中には、まだまだ私の知らない事がたくさんあるな… |