NameDialogue
陛下への配慮scene1
ガイアスここか?事故が頻発しているというのは
ジェイドはい。わずか一週間の間に馬車の転倒や衝突だけで十数件発生しています
ガイアス確かに見通しの悪い場所ではあるが、それだけで突然事故が続くようになるとは思えんな
ジェイド流通の要衝ですし、なんであれ早々に原因を取り除かなければなりません。参りましょう
ガイアスなるほど、いかにも事故につながりそうな箇所がそこかしこにある
ジェイドなにぶん、古い通りですから。直ちに補修を手配します
ガイアス…ジェイド。そろそろ本題に入れ
ジェイド本題、と仰いますと?
ガイアス街路の整備くらい、誰か送ればそれで事足りる
ガイアスわざわざお前が自ら出向いて来たのは他に理由があるからだろう
ジェイドわざわざ、ですか
ジェイドそういう陛下だって無理矢理ついてきたんじゃありませんか
ジェイド国王御自ら出向かれるような話ではないと申し上げましたよ、私は
ガイアス俺なりに思うところあってな。それで?
ジェイド…実はここで事故を起こした馬車の多くが略奪を受けているのです
ジェイド当初、単なる盗賊団かとも思われたのですが、どうもさらにその背後に別の組織がいるようでして
ガイアスやはりそんなところか。だがそれでもお前が──
???…やっぱりだ。本物だ、間違いねえ!
???信じられねえ。国王とその腹心がまとめて現れるなんざ、千載一遇のチャンスじゃねえか
ジェイド…その組織というのが以前から追っていた国家転覆を狙う過激集団、とまあ、そんな次第です
ガイアスなるほどな。それで自分を囮にしようと考えたか
ジェイドそんなところです
ジェイド囮にするには少々、大きすぎる餌になってしまいましたが
盗賊団何をごちゃごちゃ言ってやがる。我らの大望のため、死んでもらう!覚悟!
陛下への配慮scene2
ガイアス誰を相手にしているか理解しきれていなかったようだな
盗賊団うう…つ、強ぇ…
ジェイド少しは加減してください、陛下
ジェイドこれでは尋問するどころか、当分、病院生活じゃありませんか
ガイアス意識は残してある。それに下手な加減をすると、足元をすくわれる事もある
ジェイドまったく陛下御自ら盗賊退治などと知れたら大事ですよ
ジェイド宮廷の方々に小言を言われる身にもなってください
ガイアス気晴らしにはなった。それについては礼をいう
ジェイド礼、ですか?
ガイアス俺が外に出たくなるように、わざと聞こえるところで話をしただろうが
ジェイド何の話ですか、それは
ジェイドほら、市民に気付かれないうちに帰りますよ
ガイアスふっ…まったく…
これでも必死なんですよ?scene1
ルークううう…
ミュウ…っくしゅん!
プレセア大丈夫…ですか?
ミュウだ、大丈夫ですの!
ルークうう~~~~!さみぃ!マジでさみぃ!!
ルーク何なんだよ!この寒さ!
ジェイドア・ジュールは見ての通り、ほとんどが雪に覆われた国ですからね
ジェイド他国の方々にしてみたら寒いのも当然でしょう
ジェイドそれでも、今日はそこまで寒くない方ですよ
ミュウみゅっ!これでも寒くないですの!?
ルークもっと寒い日があるってのかよ!?信じられねぇ…
ジェイド本当です。吹雪の時などは命にかかわる事さえあるくらいですから
ジェイドこの国の人間といえどもやはり限界はあります
ジェイドかく言う私も先程から寒くて寒くて
プレセアでも、ジェイドさんが一番暖かそうな服装です
ルークそれに平然としやがって、ちっとも寒そうって顔してねーじゃねーか
ジェイドおや、そう見えますか?これでも今にも凍えて挫けそうなんですが
ジェイドああ、寒い寒い
ルーク嘘くせぇ…
…ォォォオォォ…
プレセア…?
ルークん?どうかしたか?
プレセア今、妙な音がしました…
オオオオォォォオオ!!!!
ルークなっ!
プレセア魔物です!
ミュウ血だらけで怖いですのー!
ジェイドどうやら怪我を負って凶暴化しているようですね
ジェイド来ますよ!気をつけて下さい!
これでも必死なんですよ?scene2
プレセア敵、殲滅完了しました
ミュウびっくりしたですの…
ジェイド皆さん無事で何よりです。さすがですね
ジェイドそれに、動いた事で身体も暖まったんじゃないですか?
ルークあー、そう言われてみれば寒さはそんなに感じなくなったな…
ルークつーか!お前全然戦ってなかったじゃねぇか!
ジェイドおや、またとんだ言いがかりですね。見間違えたのではないですか?
ルークいーや、上手い事戦ってるように見せてたけど、全然攻撃してなかった!
プレセアはい…私も見ていました
ジェイドおっと、これはさすがに言い逃れできませんか
ジェイドでも仕方のないことなんですよ
ジェイドなにせ私も歳ですのでね。お若い皆さんと同じようにはいかないんですよ
ジェイド加えてこの寒さです。足手まといにならないようにするのが精一杯でして
ミュウみゅっ!そうなんですの?
ジェイドええ、そうなんです
ルーク嘘に決まってんだろ!ったく、こいつは…
…グラグラ…
プレセア木が…揺れてる…?
バサバサァッ!!
ミュウジェイドさん危ないですの!
ジェイドフレイムバースト!!
ミュウすごいですの!
ミュウ上から降ってきた雪の塊を術で溶かしちゃったですの!
ジェイドいやぁ、危うく雪まみれになってしまうところでした
ルークでした…じゃねえよ!さっきの魔物、この術で一掃できただろ!
ルーク動きにくくたって、関係ねーだろ!
ジェイドはっはっは。そう言われてみればそうですね
ジェイドいや、これは気が付きませんでした
ルークこいつ…
プレセアやっぱり信用できません