| Name | Dialogue |
| スリを捜せ! | scene1 |
| ユーリ | …んで? 結局どうなったんだよ |
| フレン | ああ、それで、どうやらその人物が… |
| フレン | …ん? |
| ユーリ | ん?どうした? |
| フレン | あそこにいる人、様子がおかしくないか? |
| ユーリ | ああ、うずくまったまま動かねぇな |
| フレン | 体調が悪いのかもしれない。様子を見に行こう! |
| フレン | どうしました!? |
| ユーリ | 動けるか? |
| 女性 | あ、は、はい…。大丈夫…です |
| ユーリ | 大丈夫だったら、そんなところでうずくまったりしねぇだろ。無理すんなって |
| 女性 | す、すみません |
| フレン | もし良かったら、何があったのか聞かせてもらえませんか? |
| 女性 | …その、実はさっき、スリにあったんです |
| ユーリ | スリ? |
| 女性 | 財布を盗まれてしまって……どうしたらいいかわからなくてそれで気が遠くなって… |
| フレン | なるほど…。犯人がどんな人だったか、何か覚えてる事はありますか? |
| 女性 | え、えっと…。体型は、中肉中背でした。服装は、黒い上着で… |
| フレン | わかりました。さっそく騎士団で捜索します。発見次第捕縛し、取り返しますから |
| ユーリ | それはそれでいいんだけどな、それだと捕まるまで財布は返ってこないって理屈だよな |
| フレン | 犯人が財布を持っている以上、それは仕方ないだろう |
| ユーリ | ま、そりゃそうなんだけどな |
| ユーリ | …しょうがねえ、ほら、これ持ってきな |
| 女性 | え…?あの、このお金は…? |
| ユーリ | 貸してやるよ。はした金だが、無一文よりかはちったあマシだろ |
| 女性 | え、あの…!! |
| ユーリ | ほら、フレン。スリを捜しに行くんだろ? |
| フレン | ユーリ… |
| フレン | ああ、必ず見つけ出そう! |
| スリを捜せ! | scene2 |
| ユーリ | …そう簡単には見つからない、ってか |
| フレン | 縄張りというものがあるから、そう遠くに行ったとも思えないが…僕はもう一度回ってみる |
| ユーリ | ああ、わかった |
| ユーリ | さて…オレの方はもう少し捜す範囲を広げてみるか…? |
| ??? | あ、あの…! |
| ユーリ | ん?あんたはさっきの…。悪ぃな、まだ犯人、見つかってねえんだ |
| ユーリ | もう少しだけ待ってて── |
| 女性 | そうじゃないんです…! |
| ユーリ | あん? |
| 女性 | スリなんていないんです!! |
| ユーリ | いないって、そりゃ…おいおい、あんた詐欺師かなんかか? |
| 女性 | い、いえ!違います!騙すつもりなんて…! |
| ユーリ | なら、どういう事か説明して欲しいもんだな |
| 女性 | …スリがいた事は嘘です。けれど、お金がなくて、どうしていいかわからなかったのは本当なんです… |
| 女性 | 子どもにご飯を満足に食べさせてやる事ができず…頼れる人もいなくて… |
| 女性 | ついあんな事を… |
| 女性 | 本当に…申し訳ありませんでした…!お金はお返しします! |
| ユーリ | …子ども、ね。なるほど |
| 女性 | ごめんなさい…ごめんなさい…!! |
| ユーリ | …… |
| ユーリ | …あーあ。どうやら、スリは国外に逃げちまったみてぇだな |
| 女性 | え…? |
| ユーリ | 外に逃げられちまったら、捕まえるのは難しそうだ |
| 女性 | あ、あの… |
| ユーリ | あー…それと、この前財布を落としちまってよ |
| ユーリ | いくらか金額が減ってたんだけどオレがドジっちまったんだ。まあ、仕方ねえさ |
| 女性 | あの…どういう… |
| ユーリ | どうもこうもねえよ。子どもが腹空かせて待ってんだろ?早いとこ帰って飯作ってやるんだな |
| 女性 | っ…!!ありがとうございます!いつかきっと、返しますから…! |
| ユーリ | これで一応、一件落着ってとこか |
| ユーリ | …って、そういやフレンの奴戻って来ねえけど、どうすっかな |
| ユーリ | …ま、いいか |
| 海の魅力 | scene1 |
| ユーリ | ふぁーあ。何も用事がねぇってのも久しぶりだな |
| ユーリ | 最近はなんだかんだ頼まれ事も多かったしな |
| ユーリ | せっかくだから今日はのんびりさせてもらうとするか |
| ??? | あっ!ユーリ!! |
| パティ | ユーリ~!こんなところで会えるとは! |
| パティ | やっぱりうちとユーリは赤い糸で結ばれてるんじゃな! |
| ユーリ | たまたま会っただけで結ばれてたら糸が何本あっても足りねぇよ |
| パティ | む~、つれないのう! |
| ユーリ | それはそうと、お前ら二人だけか?珍しい組み合わせだな |
| カロル | うん、これから海へ釣りに行くんだ! |
| パティ | みんなにもっと海の良さを知ってもらおうと思っての |
| パティ | きっかけ作りに色んな人を誘って釣りを教えておるのじゃ! |
| ユーリ | なるほどな。で、カロルの番ってわけか |
| パティ | うむ! |
| パティ | そうじゃ!ユーリも一緒にどうじゃ? |
| カロル | そうだね! |
| カロル | ね、ユーリも一緒に行こうよ! |
| パティ | 釣れた魚は、その場でうちが捌いて料理してやるぞ? |
| ユーリ | へぇ、そりゃいいかもな |
| ユーリ | ちょうど今日は休む予定だったし、たまにはのんびり釣りをするのも悪くねぇか |
| カロル | やった!決まりだね!! |
| パティ | まかせておけ!うちが刺し身から鍋までとびきり美味いのを作ってやるのじゃ! |
| ユーリ | そりゃ楽しみだ |
| カロル | よーし!いっぱい釣ろうね! |
| カロル | それじゃ、海へしゅっぱーつ! |
| | |
| カロル | … |
| パティ | … |
| ユーリ | … |
| カロル | …全然…釣れないね |
| ユーリ | そうだな |
| パティ | 気長に獲物を待つのも釣りの醍醐味なのじゃ |
| カロル | でも、ずいぶん待ってない? |
| ユーリ | 確かに、結構な時間待ってる気がするな… |
| ユーリ | このまま一匹も釣れないってのはさすがに勘弁願いたいな |
| ユーリ | 一度、休憩するなり場所を変えるなりした方が── |
| | ググググッ! |
| カロル | わわわっ!! |
| ユーリ | おっ!カロルの竿、アタリか? |
| カロル | す、すごい重いよ…! |
| パティ | 手伝うのじゃ! |
| パティ | せーの! |
| | ザバァッ! |
| | ギャォォォオオオ!!! |
| カロル | うわぁっ!まままま、魔物!? |
| ユーリ | さすがカロル先生。魔物を釣り上げちまうとはな |
| カロル | う、海からいっぱい出てきたよ! |
| パティ | 来るのじゃ! |
| 海の魅力 | scene2 |
| カロル | ううう…びっくりした… |
| カロル | 疲れちゃったし、もう帰らない…? |
| パティ | でも、まだ一匹も釣れてないのじゃ |
| ユーリ | そういや、そろそろ腹も減ってきたな |
| パティ | うーん、そうじゃの… |
| パティ | この魔物ども、部分的には魚みたいな形をしておるし、捌けば食えるかもしれんの |
| カロル | え!?そ、それはちょっと… |
| ユーリ | 勘弁してくれ… |
| カロル | 魚は全然釣れないし…やっと釣れたかと思ったら魔物だし…もう嫌だよ〜 |
| パティ | 何を言っておるのじゃ!まだまだ海の魅力は── |
| ユーリ | だったら潮干狩りならどうだ? |
| ユーリ | それだったら釣りみたいに暇になったり、突然海から魔物が飛び出してくる事もねぇだろ |
| パティ | おおお、名案なのじゃ!さすがユーリ |
| カロル | うん!それなら簡単にできそう! |
| カロル | 僕、道具を借りてくるね! |
| パティ | うちは貝を使った料理を考えておくのじゃ |
| ユーリ | ああ、頼んだ |
| カロル | うん! |
| パティ | 任せるのじゃ! |
| ユーリ | 砂浜ほじくり返して貝探し、か。ま、たまにはこういう休日も悪くねえだろ |