| Name | Dialogue |
| scene1 | ミラの行方 |
| ジュード | エリーゼ、魔物がそっちへ行ったよ |
| エリーゼ | わかりました。ティポ、行きますよ! |
| ティポ | まかせてー、エリー! |
| ティポ | とりゃー! |
| | グオオオオッ! |
| エリーゼ | ジュード、今です |
| ジュード | よし! |
| ジュード | 行くよ!はああああっ! |
| | ズガッ!! |
| | ギャウウッ! |
| | |
| エリーゼ | 何とか倒せました… |
| ティポ | ふー、やれやれってカンジー |
| ジュード | この辺りは随分と魔物が多いね |
| エリーゼ | そうですね。…でも、今朝行った湖の遺跡と比べると晶化したところは少ない気がします |
| ジュード | あそこは今まで見た中で一番晶化の進行が酷かったな |
| エリーゼ | 本当にここにミラがいるんでしょうか… |
| ジュード | 湖の遺跡で会った旅人は、ミラがこの森に向かったって言ってたけど… |
| ジュード | 森といっても広いから、すぐには見つけられないね… |
| ティポ | ミラ君どこまで行ったんだろー? |
| エリーゼ | ミラもわたし達と一緒で、晶化現象の事を調べてるんでしょうか |
| ジュード | 今この世界に来てるって事は多分そうじゃないかな |
| エリーゼ | だとしたら、やっぱり晶化現象は大精霊と何か関係が…? |
| ジュード | うーん…どうかな…。可能性はあるとは思うけど… |
| ジュード | それを知るためにも、やっぱりミラに会って話を聞いてみないと |
| エリーゼ | そうですね… |
| ジュード | とにかく、もう少しこの辺りを捜してみよう。それでいい? |
| ティポ | ジュード君のお願いならいいよー |
| エリーゼ | わたしも、大丈夫です |
| scene2 | ミラの行方 |
| ジュード | うーん、あちこち見て回ったけどミラはいないね |
| エリーゼ | どこか別の場所に移動してしまったんでしょうか… |
| ジュード | 話を聞いてから随分時間も経ってるしね… |
| ティポ | 入れ違っちゃったのかなー? |
| エリーゼ | あ… |
| | |
| ジュード | どうかしたの? |
| エリーゼ | … |
| ティポ | わー、すごいピンクー!でも、カチンコチンだね… |
| エリーゼ | こんなに可愛いお花なのに… |
| ジュード | エリーゼ… |
| | |
| エリーゼ | 初めて晶化現象を見た時は、こんなに広まってしまうなんて思いもしませんでした |
| エリーゼ | みんな結晶を見て綺麗だ、宝石みたいだって言っていましたし… |
| エリーゼ | けれど、その内木々や草花だけじゃなく動物も晶化し始めて── |
| エリーゼ | 怖かったんです…。なのに、どうしたらいいかわからなくて… |
| ティポ | エリー… |
| エリーゼ | ジュード、訪ねて来てくれてありがとうございます |
| エリーゼ | ジュードが来てくれなかったら、今も不安で何も出来ないままでした |
| ジュード | こちらこそ。エリーゼとティポが協力してくれて僕も心強いよ |
| ジュード | エリーゼの怖い、不安だって気持ちはすごくよくわかる |
| ジュード | 人間が晶化したって話も聞くしね… |
| ジュード | このままだと、住むところや食べ物に困る人も出てくるかもしれない |
| ティポ | 普通の暮らしが出来なくなっちゃうねー |
| ジュード | うん。そうならないためにも落ち着いて解決方法を探す事が大切だと思うんだ |
| エリーゼ | 解決方法…見つかるでしょうか… |
| ジュード | すぐには見つからないかもしれないけど… |
| ジュード | 例えば、今朝行った湖の遺跡とこの辺りじゃ、晶化現象の進行具合にかなり違いがある |
| ジュード | こういった小さな事だって、実際に各地を見て回らなかったらわからなかった事だよね |
| ジュード | データを見比べていけば、何か一定の法則性が導き出せるかもしれない… |
| エリーゼ | 少しずつだけど前進してる…そういう事ですか? |
| ジュード | 今のところ、核心に迫る大きな発見はないけど… |
| ジュード | 何もしないでじっとしているよりはいい方向に動いている、僕はそう思うよ |
| エリーゼ | …ジュードの言う通りですね |
| エリーゼ | 今は、わたし達に出来る事を精一杯頑張らないと… |
| ティポ | よーし、ミラ君捜し再開だー! |
| | ガサッ! |
| エリーゼ | …!今そこの草むらが揺れました…! |
| ティポ | ひょっとしてー!? |
| | |
| | グオオオッ! |
| ジュード | 魔物か…! |
| scene1 | ティポのピンチ |
| エリーゼ | ミラ…やっぱりいませんね |
| ジュード | そうだね。これだけ捜しても見つからないって事は── |
| ジュード | どこか別の場所へ移動してしまったのかも |
| ティポ | えー、そんなあー |
| ジュード | こればっかりは仕方ないね… |
| ジュード | 一度、近くの街へ行って今日は休もうか |
| エリーゼ | なら、イニル街…ですね。確かここからそう遠くないはずです |
| ティポ | よーし、じゃあイニル街へゴーゴー! |
| ジュード | ティポ、休むって聞いた途端はりきりだしたね |
| エリーゼ | 暗くなる前に森を出ましょう |
| | ガサッ… |
| エリーゼ | …?今の音は… |
| | |
| | グオオオッ! |
| ジュード | 魔物か…!二人共、気をつけて── |
| | ガブッ |
| ティポ | うわー!エリー!ジュード君ー! |
| ティポ | たーすーけーてー!ぼくがさらわれるー |
| エリーゼ | そんな…、ティポ…! |
| ジュード | くっ…! |
| ジュード | エリーゼ、後を追いかけよう!ティポを助けなくちゃ |
| エリーゼ | はい…! |
| | |
| ジュード | 待て! |
| エリーゼ | ティポー!! |
| ティポ | エリー!ジュード君! |
| ジュード | ティポを離せ! |
| ジュード | …!? |
| | ガルルルルル… |
| エリーゼ | ジュード…!大変です、他にも魔物が… |
| ジュード | これは…! |
| ジュード | もしかして僕達は誘い出されたのか…? |
| | グルルルル…! |
| エリーゼ | … |
| ティポ | 囲まれてるよー! |
| | グオオオオッ! |
| ジュード | …!エリーゼ、危な── |
| ??? | させるか! |
| | |
| | バシイッ! |
| ジュード | …? |
| エリーゼ | え…? |
| | |
| ミラ | エリーゼ、ジュード、怪我はないか? |
| エリーゼ | ミラ…! |
| ジュード | どうして… |
| ミラ | 説明は後だ、あの魔物を倒してティポを救出する |
| ジュード | うん、そうだね…! |
| | ガルルルル! |
| ティポ | たすけてー!そろそろ食べられちゃうよー |
| エリーゼ | 待っててください、ティポ!今助けます! |
| scene2 | ティポのピンチ |
| ジュード | ふう…何とか魔物は倒せたみたいだね |
| ティポ | エリー! |
| エリーゼ | ティポ!無事でよかったです…! |
| | |
| エリーゼ | ジュード、ミラ…本当にありがとうございました |
| ミラ | 皆無事でよかった。それより、お前達はこんなところで何をしている |
| ミラ | この辺りは魔物も多く危険だというのに… |
| ジュード | それなんだけど、実は僕達、ミラを捜してたんだ |
| ミラ | 私を? |
| | |
| エリーゼ | 北東にある湖に行ったんです。そこの遺跡で会った旅人から、ミラがこの森に向かったと聞いて… |
| ミラ | ああ、魔物に難儀していた旅人か。そういえば、そんな話をした覚えがある |
| ジュード | 中々見つからないから半ば諦めかけていたんだけど、運よく会えてよかったよ |
| ティポ | これもぼくがさらわれたお蔭だねー |
| ジュード | まあ、結果オーライって事でいいのかな…? |
| ミラ | 私を捜していたと言ったな。何かあったのか? |
| エリーゼ | あ、はい。実はミラに聞きたい事があって── |
| ミラ | ──なるほど。お前達は晶化現象を調べていたのか… |
| エリーゼ | ミラ、晶化現象は大精霊と何か関係あるんでしょうか |
| ミラ | いや、その線はまずないだろう |
| ミラ | 各地で結晶を見て回ったが、大精霊の中に、あのような結晶に結び付く力を持つ者はいない |
| エリーゼ | そうですか…。少し安心しました |
| ジュード | ミラは、どうして人間界に来たの?てっきり晶化現象を調べているんだと思ったんだけど |
| ティポ | 何か気になる事があるのー? |
| ミラ | …マナに異変が起きているのだ |
| ジュード | えっ…それはどういう事?ミラ |
| ミラ | 減っている…というより、妙な感じだ。これまでに感じた事のないような違和感がある |
| ミラ | 言葉で表現するのは難しいのだが── |
| ミラ | ……む? |
| エリーゼ | ミラ? |
| ミラ | なるほど。四大に、こう話してはどうかと言われた |
| ミラ | マナは、以前のような急激な減少や変化はないのだが… |
| ミラ | マナの一部が停滞していて、僅かだが循環に支障をきたしているようだ、と |
| エリーゼ | マナが停滞… |
| ミラ | ああ。それで私達はそういったマナの変化を感じ取り、人間界へやって来たところ |
| ミラ | 世界中でこのような晶化現象というものが広まっていた、というわけだ |
| ジュード | マナの変化と晶化現象…、この二つが関わっているっていう可能性はないのかな? |
| ミラ | 十分に考えられる話だ |
| ミラ | いろいろと調べてみたが、マナの変化と晶化現象の発生時期は重なっているようだからな |
| ジュード | 大精霊の影響じゃないって事はわかったけど… |
| エリーゼ | 別の不安が出てきました… |
| ジュード | うん…。晶化現象がマナにまで悪影響を及ぼしているのかもしれないね |
| ミラ | ああ、それが心配だ |
| ミラ | こうして調べている中で、さまざまな生物が晶化している光景を目にして来た… |
| ミラ | マナの事もだが、晶化現象が世界を蝕んでいる現実がある以上、原因を突き止めるべきだと考えている |
| エリーゼ | そうですよね… |
| エリーゼ | だったら、ミラ…わたし達と一緒に晶化現象の事、調べてくれませんか…? |
| エリーゼ | …原因を知りたいんです。どうしてこんな事が起きてるのか |
| ミラ | エリーゼ… |
| ミラ | ああ、勿論だ |
| ミラ | お前達と協力出来れば私としても心強いよ |
| ティポ | やったー!ミラ君ゲットー |
| ジュード | ありがとう、ミラ |
| ジュード | …とにかく、今日はもう遅いし本格的な調査は明日からにしない? |
| ジュード | ちょうどさっき、イニル街で休もうって話をしていたんだ |
| ミラ | それもそうだな。では、早速イニル街へ向かうと── |
| | ドサッ |
| ティポ | 何なにー?今の音ー? |
| エリーゼ | そこの草むらで音がしました… |
| ジュード | 魔物ではなさそうだけど…。見に行ってみよう |
| ジュード | … |
| ジュード | …?魔物じゃない…これは… |
| エリーゼ | …大きな結晶?晶化現象、みたいですね |
| ジュード | うん…。でも、何だろうこれ。今まで見たのと様子が違う |
| ティポ | 何なにー?どこがおかしいのー? |
| ティポ | あ!わかった!中に何にもないんだ! |
| エリーゼ | …本当です |
| ジュード | そうか。今まで見た結晶の中には草花や動物とか…晶化の対象物となるものが必ず中にあったね |
| ジュード | こんな事もあるなんて…。ひょっとして、新しい発見じゃ── |
| | |
| ミラ | …!待て、ジュード…! |
| ミラ | これは──… |
| エリーゼ | ミラ…?どうかしたんですか |
| ミラ | …くっ |
| ティポ | ミラ君の顔が怖いよー |
| ミラ | … |
| ミラ | …そうか、お前達にはこの結晶の中身が見えないのだったな |
| ジュード | 見えない…って事はミラ、もしかして…! |
| ミラ | …精霊だ。この結晶の中には精霊がいる |
| ミラ | 精霊が、晶化してしまったのだ… |
| エリーゼ | そんな…! |
| ジュード | … |
| ミラ | この世界には、お前達の知る大精霊以外に、微精霊と呼ばれる存在もいる |
| ミラ | 微精霊の持つ力そのものは微力だが、…それでも、自然を保つために尽力してくれている大切な存在だ |
| ミラ | そんな彼らまでもが…晶化してしまったというのか…? |
| ジュード | ミラ… |
| エリーゼ | …この結晶に、微精霊が…。どうしたら… |
| ジュード | エリーゼ、晶化したものは、もう… |
| ミラ | … |
| ミラ | …行こう。これ以上ここに留まっていても今してやれる事は何もない |
| エリーゼ | ミラ… |
| ティポ | 行っちゃったね |
| ジュード | … |
| エリーゼ | 一体、どうしたら… |
| scene1 | 涙の答え |
| エリーゼ | … |
| | コン、コン |
| エリーゼ | はい |
| ジュード | 僕だけど、ちょっといいかな? |
| エリーゼ | はい、どうぞ |
| ジュード | 明日の話をしようと思って来たんだけど── |
| ジュード | あれ、エリーゼとティポだけ?ミラは? |
| エリーゼ | あ、ミラは… |
| ティポ | 外に行っちゃったよー |
| ジュード | こんな夜に、一人で? |
| エリーゼ | はい、少し夜風に当たってくると…。日も暮れて暗いから止めようとしたんですが… |
| ジュード | …そっか |
| ジュード | やっぱりミラ、あの晶化した微精霊の事がショックだったのかな… |
| エリーゼ | …そうかもしれません。街へ来るまでもずっと考え込んでいるようでしたし… |
| ティポ | だよねー |
| ジュード | …前にさ、ミラが言ってたんだ。四大精霊は、かけがえのない家族のような存在だって |
| ジュード | それと同じように、微精霊達もミラにとっての友達や仲間…、そういう大切な存在なんだと思う |
| エリーゼ | 友達… |
| ジュード | 僕達はまだ、実際に人が晶化しているのを目にしていない。けど、もし見たとしたら… |
| ティポ | ガーンってなるよねー。ミラ君みたいにー |
| エリーゼ | … |
| エリーゼ | …ミラが心配です。ジュード、少し様子を見に行きませんか…? |
| エリーゼ | 正直ミラに何て言ってあげたらいいのか、わかりません… |
| エリーゼ | でも…その…… |
| ジュード | エリーゼは、ミラのために何かしてあげたいんだね |
| エリーゼ | はい…! |
| ジュード | じゃあ、ミラのところに行こう。エリーゼのその気持ちを伝えればいいんじゃないかな |
| ティポ | よーし、みんなでミラ君のところに行こー! |
| | コン、コン |
| ティポ | ミラ君が帰って来たのかな?…と思ったら、あれー? |
| 宿の主人 | 悪いね、こんな夜遅くに…。お客さん、あんたお医者さんだって言ってたよな? |
| ジュード | え…僕ですか?ま、まあ…正確にはまだ研修中の── |
| 宿の主人 | よかった、助かった! |
| 宿の主人 | 実は、別の部屋に泊まってるお客が、急に腹が痛いって言い出してさ。悪いけど、診てもらえないかな |
| ジュード | わかりました。僕でよければ、是非 |
| ジュード | …ごめん、エリーゼ |
| エリーゼ | わかりました。わたし、ミラのところへ行ってますね… |
| ジュード | 様子を見て、患者さんが大丈夫そうなら僕も後から行くよ |
| ジュード | ミラが見つからなくても、街の外まで行かないようにね。くれぐれも気をつけて |
| ティポ | 大丈夫だよー、エリーにはぼくがいるからー |
| エリーゼ | …じゃあティポ、ミラのところへ行きましょう |
| ティポ | うん!レッツゴー! |
| scene2 | 涙の答え |
| エリーゼ | ミラ…どこまで行っちゃったんでしょうか… |
| ティポ | あ!見て、エリー。あれミラ君じゃないー? |
| | |
| ミラ | … |
| エリーゼ | ミラ…!見つけました… |
| ミラ | エリーゼにティポ…。お前達、どうしてここに…? |
| | |
| エリーゼ | えっと…それは──… |
| ティポ | ミラ君が落ち込んでるんじゃないかって心配になって見に来たんだよー |
| エリーゼ | ティ…ティポ…! |
| ミラ | 私が…?それでわざわざ捜しに来てくれたのか? |
| エリーゼ | …は、はい |
| ミラ | …心配をかけてしまったか。平静を保っていたつもりだったが… |
| ミラ | …エリーゼ、すまなかったな |
| エリーゼ | そんな…ミラが謝る必要は全然ないです…! |
| エリーゼ | あんな光景を目の当たりにしたらびっくりして…悲しいのは当然です |
| ミラ | … |
| エリーゼ | ジュードが言っていました。ミラにとって、精霊達はすごく大切な存在だって |
| エリーゼ | 上手く言えませんが…そんな大切な存在が晶化してしまったら、辛くないわけありません |
| エリーゼ | わたしだって…ティポやジュード、それにミラが晶化してしまったら…… |
| エリーゼ | …そう考えただけで、すごく怖くて… |
| エリーゼ | わたしにとって、三人共すごく…大切なんです。だから──…… |
| エリーゼ | 一人で抱え込まないでください… |
| ティポ | …エリー、泣いてるのー? |
| エリーゼ | あれ…?どうして、こんな…… |
| ミラ | エリーゼ… |
| エリーゼ | ごめんなさい、ミラ…。わたし…こんなつもりじゃ… |
| ミラ | いや、構わないさ。…エリーゼ、礼を言うぞ。私はもう大丈夫だ |
| ミラ | ああいう事態を予想していなかったからな、意表を突かれたというのは事実だ |
| ミラ | しかし、ただ動揺ばかりしていたわけではないぞ |
| ミラ | あの晶化した微精霊のためにも、晶化現象の実体を探り事態の進行を食い止めねば… |
| ミラ | そう己に言い聞かせていたところだ |
| ティポ | それって、ミラ君はもう元気になったって事ー? |
| ミラ | ふふ、まあそんなところだ |
| エリーゼ | …よかったです。それを聞けて少し安心しました… |
| エリーゼ | わたしなんかじゃ、大した事は出来ないかもしれません… |
| エリーゼ | でも、ミラと同じ気持ちです。みんなと一緒に、晶化現象を何とかしたいです |
| ティポ | ぼく達も協力するよー |
| ミラ | …ありがとう |
| ミラ | そうだな…私は一人ではない。四大もいるし、エリーゼ達もいる |
| ミラ | 打つ手は必ずあるはずだ。そう信じて、一緒に頑張ろう |
| エリーゼ | …はい! |
| ティポ | がんばろー! |
| ??? | ──話もまとまったところで、そろそろ宿に戻らない? |
| エリーゼ | …え? |
| ジュード | 明日から、より気合を入れて晶化現象を調べないといけないのに風邪でも引いたら大変だよ |
| ティポ | ジュード君ー! |
| ミラ | いつからいたのだ? |
| ジュード | 少し前にね。それより安心したよ、ミラが元気になってくれて |
| ジュード | これもエリーゼのお蔭だね |
| エリーゼ | そんな…わたし全然何も… |
| ミラ | …いや、お前達がいて、本当によかったよ。ジュードにも心配をかけたな |
| ジュード | いいんだよ。それじゃ、宿に戻ろうか |
| エリーゼ | そうですね |
| ティポ | よーし、早く寝よー! |
| | |
| | うわあああ! |
| エリーゼ | 今の悲鳴は…! |
| ミラ | …!あれを見ろ! |
| ジュード | どうやら街の中に魔物が侵入してきたみたいだ…! |
| エリーゼ | 大変です…!魔物を退治しないと… |
| ジュード | うん、行こう! |
| scene1 | イニル街の二人 |
| ティポ | おひさまがぽっかぽかー |
| エリーゼ | はい、気持ちのいい朝です |
| ジュード | 夕べ話した通り、次はシルヴァラントへ向かうって事でいいかな? |
| ミラ | ああ、それで問題ない。あの大陸はまだ私も調べていない |
| ミラ | それに、お前達が耳にしたというアグニラス山の話も気がかりだ。次の目的地としては妥当だろう |
| エリーゼ | 周辺の地域より、晶化現象が進んでいるって話ですよね… |
| エリーゼ | 昨日行った湖の辺りと、どっちが進んでいるんでしょうか… |
| ジュード | うーん、どうなんだろう…。それを確かめるためにもやっぱり行ってみるしかないね |
| ティポ | よーし、じゃあシルヴァラント目指してレッツ── |
| ??? | わあ…!ぬいぐるみがしゃべってる…! |
| エリーゼ | …? |
| エル | しゃべるなんて変なぬいぐるみー!どこで買ったの? |
| エリーゼ | えっと…それは… |
| ミラ | エル…?やはりエルではないか |
| エル | ミラ…!どうしてここにいるの? |
| ジュード | ひょっとしてミラ、この子と知り合いなの? |
| ミラ | ああ、彼女はエル・メル・マータ。以前この街へ来た時に世話になったのだ |
| ミラ | ルドガーとユリウス、二人の事はお前達も知っているだろう?エルは彼らと共に暮らしている |
| エリーゼ | ルドガー達と…そうなんですね |
| エル | この人達、みんなミラのお友達? |
| ミラ | ああ。彼女はエリーゼ、それにジュードとティポだ |
| エリーゼ | よろしく…お願いします |
| ジュード | よろしくね |
| ティポ | よろし──… |
| エル | … |
| ティポ | そんなに見つめられるとぼく困っちゃうー |
| ジュード | 随分と気に入られたみたいだね、ティポ |
| ミラ | 元気そうで何よりだ、エル。ルドガーやユリウスも変わらず元気にしているか? |
| エル | うん!でも、ルドガーは今いないよ。ショーカのこと調べに行ってるの |
| エリーゼ | ショーカ…あ、晶化現象の事でしょうか…? |
| エル | うん |
| ジュード | ルドガーも僕達と同じように、晶化現象の事を気にかけていたんだね |
| ミラ | もう少し早く会う事が出来れば協力する事も出来ただろうが…惜しい事をしたな |
| エリーゼ | ユリウスさんも一緒でしょうか… |
| エル | あ、メガネのおじさんなら── |
| ??? | …エル。なかなか戻って来ないと思ったらこんなところにいたのか… |
| ユリウス | ルドガーと約束しただろう?今は出来るだけ、晶化したものには近付かないと── |
| ユリウス | …ん?君達は… |
| ミラ | ユリウス、久しぶりだな |
| エリーゼ | お久しぶり…です |
| ユリウス | …まさか君達がこの街に来ていたとはな。変わりないようで安心したよ |
| ユリウス | ルドガーもこの場にいたら君達との再会を喜んでいただろうが… |
| ジュード | 晶化現象を調べに行ったんですよね。エルから聞きました |
| エリーゼ | ルドガーは何か、晶化現象についてわかったんでしょうか…? |
| ユリウス | いや、家を出たきり戻って来ないところを見ると、難航しているんだと思う |
| エリーゼ | そうですか… |
| ティポ | せっかく話が聞けると思ったのにー |
| ユリウス | 君達も晶化現象の事を調べているのか? |
| ミラ | ああ…と言っても、私達もまだ大した手がかりは掴めていないが |
| ユリウス | そうか…。やっぱり、そう簡単には── |
| エル | ねえねえ、おじさん |
| ユリウス | ん?エル、どうかしたのか? |
| エル | 立ちバナシもなんだし、ミラ達をお家にショータイしてそこでお話したらどう? |
| ユリウス | ああ、確かにエルの言う通りだな。話に夢中で全然気がつかなかったよ |
| ユリウス | …という事で、みんな、話の続きは家でどうだろう? |
| ユリウス | まあ、ルドガーがいないし大したもてなしは出来ないかもしれないが… |
| エリーゼ | …どうしますか? |
| ミラ | …ふむ、ユリウスもこう言ってくれている事だ、その言葉に甘えるとしようか |
| ティポ | わーい、サンセー! |
| ジュード | じゃあ、少しだけ…。何だか気を遣わせちゃってすみません |
| エリーゼ | エルも、ありがとうございます |
| ユリウス | よし、じゃあ早速行こうか。エル、みんなを家まで案内してやってくれないか? |
| エル | うん!エルに任せて! |
| scene2 | イニル街の二人 |
| ルル | ナァ~ |
| ティポ | なー |
| ルル | ゴロゴロゴロ… |
| ティポ | ごろごろー |
| エル | …あ!ティポ、今のルルのマネっこでしょ |
| ティポ | 似てるでしょー。エルのマネっこだって出来ちゃうんだよーぼく |
| エル | えー、本当? |
| エリーゼ | …みんな、とても仲良しになったみたいです |
| ジュード | ふふ、本当だね |
| ミラ | ところで、お前達も晶化現象を調べていると言っていたが… |
| ユリウス | ああ。以前の異変の事もあって、俺もルドガーも大精霊との関連が気がかりではあったんだ |
| エリーゼ | …やっぱり、真っ先にそう思っちゃいますよね |
| ユリウス | だが、君達と会った事で大精霊の関与はないとわかった。これは新たな発見だな |
| ユリウス | 同じ目的で動いている君達なら、旅の道中でルドガーに会う事もあるかもしれない |
| ユリウス | その時は、是非この事実を知らせてやってくれ |
| ジュード | 勿論です |
| ユリウス | それにしても、ルドガーは今どこにいるんだろうな… |
| ユリウス | 君達はこの後、どこに向かうつもりなんだ? |
| エリーゼ | シルヴァラントです。晶化現象が進んだ地域があると聞いてそこを目指そうと… |
| ユリウス | シルヴァラントか… |
| ユリウス | そう言えば、新たな天啓の石碑が出現したらしいな。どこもその噂で持ちきりのようだ |
| ミラ | 天啓の石碑…?それは一体何だ? |
| ジュード | …あ、そうか。ミラは知らないかもしれないね |
| ジュード | 天啓の石碑っていうのは、時々この世界のどこかに出現する不思議な石碑の事だよ |
| ジュード | そこには、時代の節目となるような過去の出来事が記されていて、それを天啓って呼んでるんだ |
| ミラ | 誰かが記録として残しているという事か? |
| エリーゼ | それは…わからないんです |
| ミラ | わからない? |
| ジュード | うん。何せ、ある日突然現れるからね |
| ジュード | その場所がわかるのも、その石碑を読めるのもシルヴァラントの神子だけって話なんだ |
| ユリウス | 天啓の石碑の出現自体は、遥か大昔の時代から確認されているようだが── |
| ユリウス | 現代科学をもってしても、未だその原理は解明されていない |
| ミラ | …ほう。で、その天啓の石碑が出現したと… |
| エリーゼ | その話が本当ならそれも不思議なんです |
| ミラ | 何故だ? |
| ユリウス | 先日、百年の時を経て天啓の石碑が見つかったばかりなんだが… |
| ユリウス | またすぐ次の石碑が出現したらしい。こんなに短い期間で現れた事は過去の記録にはないとの事だ |
| ミラ | ふむ… |
| ジュード | まあ、今までの出現に関して規則性があるわけじゃないからたまたまかもしれないし── |
| ジュード | 昔過ぎて、その記録もアテに出来ないかもしれないけどね |
| ユリウス | それよりも気がかりなのは、前回公表された天啓の内容の方だ |
| ジュード | 過去の出来事と符合しないっていうのは、これもまた不思議な話ですよね |
| ミラ | いずれにしろ、例のない事態が続いて注目を集めているというわけか |
| エリーゼ | はい… |
| ティポ | … |
| エリーゼ | …ティポ、もう遊び終わったんですか? |
| ティポ | しー!エルもルルも遊び疲れて寝ちゃったよー |
| エリーゼ | …え? |
| エリーゼ | … |
| エリーゼ | …ふふ、本当ですね |
| ミラ | さて、そろそろ出発するとするか。ユリウス、いろいろと聞かせてくれてありがとう |
| ユリウス | 余談が過ぎてすまなかった、随分長く足止めさせてしまったな |
| ジュード | いえ、こちらこそ。お茶までご馳走になってありがとうございます |
| ユリウス | そうだ、シルヴァラントに行く、と言っていたな… |
| ユリウス | 最後にもう一つ、いいだろうか |
| ユリウス | 赤の騎士団について行商人から気になる話を聞いた |
| エリーゼ | 赤の騎士団…? |
| ユリウス | ああ。リチャード国王の晶化後、セルディク大公が新たに作った騎士団だ |
| ユリウス | だから、国王承認の騎士団とは言えないのだが… |
| ユリウス | その行商人がシルヴァラントとの国境付近の街で、赤の騎士団を見かけたらしい |
| ユリウス | 魔物や盗賊の討伐というよりも、調査か捜索をしに行くといった風情だったそうだが… |
| ジュード | わざわざ他国に出向いて…?一体何があったんだろう |
| ティポ | おかしな事にならないといいねー |
| ミラ | ああ。いずれにせよ、用心すべきだな |
| エリーゼ | ユリウスさん…忠告ありがとうございます |
| ユリウス | ああ、気をつけて |
| ジュード | よし、それじゃあ行こう |
| scene1 | 港での再会 |
| ティポ | シルヴァラント港についたー! |
| エリーゼ | ふう… |
| ジュード | エリーゼ、大丈夫?船に酔わなかった? |
| エリーゼ | はい、何とか… |
| ジュード | よかった。じゃあ、降りようか |
| | |
| エリーゼ | 人がたくさんいます… |
| ミラ | ちょうど別の船も、到着したばかりのようだ。そのせいで港が混んでいるのだな |
| ジュード | あ、どうやらア・ジュールからの船みたいだね |
| ミラ | む…? |
| ジュード | ミラ、どうかしたの? |
| ミラ | 今、見知った顔が混じっていたような… |
| ジュード | え?本当に? |
| ミラ | … |
| ミラ | …見失ってしまったようだ |
| ジュード | これだけ人が多かったら捜すのは難しそう──…あれ?エリーゼ? |
| ミラ | 確かに一緒に船から降りたはずだが… |
| | |
| エリーゼ | えっと…すみません…!その…通してくださ…… |
| ティポ | ムギュー!痛いよー! |
| エリーゼ | ティポ…!きゃっ…! |
| | |
| ミラ | まずいな…人混みに流されてしまったか |
| ジュード | エリーゼ!どこ? |
| ティポ | ミラ君ー!ジュード君ー!助けてー! |
| ジュード | ティポ…?いた、あそこか…! |
| | |
| エリーゼ | すみません、あっちに行かせてくだ… |
| エリーゼ | 押し潰されて……う… |
| ??? | すみませーん!ちょっと通してください! |
| エリーゼ | …? |
| スタン | よっと! |
| エリーゼ | きゃっ…!? |
| ティポ | エリーが浮いたー!? |
| スタン | はあ…こんな小さな女の子が押し潰されそうになってるのに、みんな我が先にと…全く… |
| スタン | 君、どっちに行きたいんだ…って、あれ!?君は確か… |
| ジュード | エリーゼ、大丈夫!? |
| ティポ | うわー!エリー抱っこされてるー!離せ―!怪しい奴めー! |
| エリーゼ | 降ろしてください…! |
| スタン | ええ!?ちが、怪しい者じゃ…今降ろすから、暴れないでくれ…! |
| エリーゼ | … |
| スタン | ふう… |
| ジュード | ありがとう、スタン。危うくはぐれてしまうところだったよ |
| エリーゼ | ありがとう…ございました…。スタンとは気付かなくて… |
| スタン | はは、周りの人から変な目で見られちゃったな |
| ティポ | だってビックリしたんだもん。ね、エリー |
| ミラ | 見たような顔だと思ったらお前だったか、スタン |
| スタン | ああ、久しぶりだな!まさかこんな形でミラに会えるとは思ってもみなかったよ |
| スタン | 港には今着いたところか? |
| ミラ | ああ、ウィンドルからの便でな |
| スタン | そっか。俺達も今ちょうどア・ジュールからこっちに帰って来たところなんだ |
| ティポ | ア・ジュールにいたのー?それに、俺達ってー? |
| スタン | あ、あれ?そう言えばあの二人はどこに… |
| ??? | お兄ちゃーん! |
| ??? | ちょっと、もう!急に一人で走って行くからびっくりしたじゃない |
| ??? | 本当だぞ。せめて声くらいかけて──…ん?お前達は… |
| スタン | ああ、紹介するよ。こっちはエリーゼとティポ、それにミラとジュード |
| スタン | みんな、前に一緒に旅をしていた仲間だ |
| ??? | あなたがミラさん…!兄から話は聞いています |
| リリス | 私、リリス・エルロンと申します。うちの兄がいつもお世話になってます |
| ミラ | お前がスタンの妹か…。前に話を聞いた事があるぞ、こちらこそよろしく頼む |
| キール | ぼくはキール・ツァイベル。よろしく |
| ジュード | こちらこそ、よろしく |
| エリーゼ | よろしくお願いします… |
| スタン | ところで、みんなは何の用でシルヴァラントに? |
| ジュード | ああ、実は僕達、今晶化現象について調べていて、アグニラス山へ行こうと── |
| スタン | 晶化現象を…?実は俺達もなんだ! |
| エリーゼ | スタン達も…? |
| スタン | ああ、俺達がア・ジュールに行ってたのもそのためだったんだ |
| ジュード | ルドガーといい、スタンといい…晶化現象に不安を感じてたのはやっぱりみんな同じなんだね |
| リリス | みなさんが向かおうとしているアグニラス山へは、私達、少し前に行ってきました |
| ティポ | えー、そうなのー? |
| エリーゼ | その山では晶化現象が進んでると聞いて、わたし達ここまで来たんです… |
| エリーゼ | よかったら、状況を教えてもらえませんか…? |
| ジュード | ──じゃあ、アグニラス山では特にめぼしい情報は得られなかったんだね |
| スタン | ああ。晶化現象が進んでいるのは進んでいたんだけど、それ以上は… |
| ミラ | …となると、私達も行ったところでわかる事はなさそうだな |
| リリス | そうかもしれません… |
| エリーゼ | これからどうしましょう… |
| スタン | それなら、俺達と一緒に来ないか? |
| スタン | 俺達、これから一旦ルイニス街に戻って、リオンと合流する予定なんだ |
| スタン | リオンもリオンで晶化現象を調べているから、何か有力な情報を掴んでいるかもしれない |
| キール | …そうだな、一度みんなの情報を擦り合わせればいいんじゃないか? |
| ジュード | うん、いい考えだね。そうさせてもらおう。いいかい?みんな |
| エリーゼ | はい…!いいと思います |
| ミラ | 私も異存はない |
| ティポ | 決まりだねー |
| リリス | じゃあ、一緒にルイニス街を目指しましょう |
| エリーゼ | はい…! |
| scene2 | 港での再会 |
| スタン | ──まさか精霊まで晶化してしまうなんて… |
| キール | ぼく達は自分の目で精霊をじかに観察する事が出来ない |
| キール | だからその事実を知る事が出来たのは貴重だな |
| リリス | となると、もしかして今まで見た結晶の中に、精霊がいたかもしれないんですね… |
| スタン | 晶化現象が大精霊に関わるものじゃないって事がわかったのはよかったけど… |
| スタン | 別の疑問が出てきたな… |
| キール | ミラが感じているマナの変化も気になるな |
| リリス | 一体何が 起こってるんでしょう… |
| ジュード | まだわからない事だらけだけど、それでも、徐々に新しい情報を得られていると思う |
| ジュード | みんなで力を合わせればきっと道は開けるよ |
| エリーゼ | ジュード…。そうですよね |
| ティポ | 頑張らなくちゃ。ね、エリー! |
| エリーゼ | はい…! |
| | ガサ… |
| ミラ | …!今の音は… |
| スタン | そこの草むらだ。何かいるぞ! |
| エリーゼ | ひょっとして、魔物じゃ… |
| | |
| | グルルルル! |
| ティポ | 出たー! |
| キール | …!しかも、よりによって厄介な奴と出くわしたな… |
| スタン | ああ… |
| ジュード | 厄介な相手ってどういう事? |
| スタン | あの魔物は、この辺りに棲息する魔物の中でも特に危険な奴なんだ…! |
| キール | 奴らは群れで動く…!近くに仲間が… |
| | グオオッ! |
| エリーゼ | …! |
| リリス | やっぱり、いましたね…! |
| スタン | ミラ、ここは手分けして当たろう。俺とキールとリリスは正面を引き受ける! |
| ミラ | わかった。エリーゼ、ジュード、ティポ、私達は背後の新手を片付けるぞ! |
| ジュード | 了解! |
| エリーゼ | わかりました…!ティポ、準備はいいですか? |
| ティポ | おっけー、エリー! |
| scene3 | 港での再会 |
| ミラ | …よし、終わったな |
| エリーゼ | こっちにいた魔物は全部倒せました… |
| ジュード | スタン、そっちはどう?怪我はない? |
| スタン | ああ、大丈夫だ |
| キール | やれやれ… |
| リリス | みんなで一緒だったから何とか撃退出来ましたね |
| リリス | …!エリーゼ!後ろ… |
| | |
| | ガサッ! |
| エリーゼ | え…? |
| ミラ | くっ、まだ残っていたか…! |
| | ギャウウウウ! |
| ジュード | エリーゼ!危ない! |
| エリーゼ | …! |
| | ドサッ |
| | ピキ…ピキピキ… |
| エリーゼ | え……? |
| | ピキピキピキッ…! |
| | |
| ジュード | なっ!?ま、魔物が──… |
| ミラ | これはまさか…! |
| スタン | … |
| スタン | これは一体…どういう事なんだ…? |
| キール | 魔物が…晶化した、だと…… |
| リリス | こんな一瞬にして… |
| ミラ | … |
| ティポ | エリー、怪我はない? |
| エリーゼ | わたしは大丈夫です…、そんな事より…… |
| ジュード | 驚いた…あんなに激しい動きをしていたのに… |
| スタン | まさか魔物が晶化する瞬間を目の当たりにするなんて |
| ミラ | … |
| ミラ | そうか…そういう事だったのか… |
| ジュード | ミラ?そういう事って…何かわかったの? |
| ミラ | …ああ、この結晶の正体だ。目の前で見て、初めてわかった |
| スタン | 結晶の正体だって!?それは一体…… |
| ミラ | …マナだ。おそらく、そう考えて間違いない |
| ジュード | 何だって…? |
| エリーゼ | 結晶の正体が…マナ…… |
| scene1 | 結晶の正体 |
| エリーゼ | ──ミラ、結晶の正体がマナって、どういう事ですか…? |
| ミラ | マナは、あらゆる生命の源だ。精霊以外でも、どんな生物であれマナの恩恵を受けている。魔物もだ |
| ミラ | だが、先ほど魔物が飛び掛かり、晶化した瞬間、魔物の周りのマナまでもが動きを止め、固まった… |
| ジュード | マナが、固まる… |
| ティポ | マナが、氷みたいに固まっちゃったーって事ー? |
| ミラ | ああ、まさにそんな感じだ。固まると同時にこのような結晶となり皆にも見えるようになった… |
| ミラ | マナは消失したわけではない。だからこうして晶化する様を目の当たりにするまでは私もわからなかった |
| スタン | うーん…。つまり、マナはなくなったわけじゃないけどマナとしての意味がなくなってる… |
| スタン | それって、マナが減ったって事と変わりないんじゃないのか? |
| ミラ | そうだな…。本来の働きが出来ないという意味ではそうだろう |
| スタン | 待ってくれ!って事は、このまま晶化現象が進行し続けたら… |
| ミラ | …マナは循環する事によって、世界に調和をもたらすという本来の役割を果たす |
| ミラ | その循環が滞り、役割を果たせないとなれば… |
| ジュード | その調和が崩れ、世界中にさまざまな弊害が出るって事だよね |
| エリーゼ | そんな… |
| ミラ | 魔導器を使用した過去の騒動のような局所的で、大規模な変化ではない |
| ミラ | 急激に環境が悪化し、世界の均衡がすぐさま崩れる、という事はないだろうが… |
| キール | だが、世界中のマナが蝕まれている現実は変わらない… |
| スタン | という事は、いずれは大精霊も晶化してしまうんじゃ… |
| ミラ | …その危険性は、人間も、大精霊も同じだ |
| ミラ | さっきも言ったように、急激な変化ではない |
| ミラ | 以前のような事態にすぐはならないだろう… |
| ジュード | だとしても…。やるべき事は変わらないね |
| エリーゼ | はい…。植物も、人間も精霊も…こうして晶化しているのを見るのは辛いです |
| リリス | その前に、このままでは食糧に困ってしまう事になるんじゃないでしょうか |
| キール | 悠長な事を言ってられる状況じゃないな |
| スタン | 早く、晶化現象の原因を突き止めないと…! |
| ミラ | ああ。今は何よりも必要なのは晶化につながる手がかりだ |
| スタン | そうだな。早くルイニス街に戻ってリオンと合流しよう |
| キール | すまない、ぼくはここで。一旦コルテア街へ帰る |
| キール | 結晶がマナの塊だという事がわかった |
| キール | それを踏まえながら、情報を整理していろいろと調べてみる |
| スタン | そっか、わかった。キール、いろいろとありがとう |
| リリス | 本当にお世話になりました。街までの道のりも気をつけてください |
| キール | ああ。何かあればまた知らせる。それじゃあ |
| スタン | それじゃ、俺達も行こうか |
| エリーゼ | はい |
| scene2 | 結晶の正体 |
| リオン | 家も見てきたが…どうやらスタン達はまだ戻っていないらしいな |
| スレイ | いつごろ戻ってくるか、わからないんですか? |
| リオン | 距離的にはあいつらの方が先に帰っていると思っていたが… |
| ヴェイグ | 目的地がコルテア街なら、ここからそう遠くない。その内戻って来るだろう |
| ルドガー | 今は待つしかないな |
| ミクリオ | …いろいろ気がかりだね。そもそも、そのスタンという人間が、目的の人物と会えたのかどうか… |
| ライラ | 時間がかかっているという事は何か別にやる事が出来てしまったのかもしれませんね |
| スタン | さ、着いたぞ! |
| エリーゼ | ここがルイニス街… |
| ティポ | きれいな街だねー |
| エリーゼ | 確か以前、街全体が氷漬けになってしまったと聞きました |
| ジュード | その時の街の光景は今でもはっきり覚えてるけど…まるで見違えたね |
| リリス | これも全部みなさんのお蔭ですね。本当に感謝してます |
| ミラ | いや、この街が救われたのはスタンやリオンの強い想いがあったからだ |
| ティポ | あー!リオン君はっけーん!何かたくさん人がいるよー |
| スタン | 本当だ。誰だろう。ルーティはいないみたいだけど… |
| スタン | おーい、リオン! |
| リオン | …?今聞き覚えのある声が… |
| スレイ | ひょっとして、あの人達が…? |
| | |
| スタン | ごめんごめん、待たせたか? |
| スタン | …あれ、そこにいるのって… |
| エリーゼ | ルドガーです…! |
| ジュード | まさかこんなに早く会える事になるなんてね |
| ルドガー | 久しぶり、スタン。まさかミラ達と一緒だったとはな |
| スタン | そういうルドガーこそ、何でリオンと一緒に? |
| リオン | 途中で会ったからだ |
| リオン | お前は何故ミラと一緒にいる。居所は知らないと言っていたはずだが |
| スタン | さっきシルヴァラント港で偶然会ったんだ |
| リオン | 港だと…? |
| リオン | コルテア街へ行ったはずじゃなかったのか?キールはどうした |
| ミラ | キールも一緒だったが、今しがたコルテア街へ帰ると別れたばかりだ |
| | |
| エリーゼ | 何だか人がたくさんいますね…。初めて見る人も… |
| リリス | エリーゼ、緊張してるの? |
| エリーゼ | はい、少し… |
| ティポ | 大丈夫だよ、エリー。ぼくがついてるから |
| ミラ | ん?もしかして、そこにいるのは… |
| ジュード | 君は確か、前に遺跡で会った… |
| スレイ | はい、スレイです |
| スレイ | 覚えてもらえてて嬉しいです。な、ミクリオ? |
| ミクリオ | … |
| ミラ | む…?お前は…それに奥の女も… |
| スタン | えっと…。スレイ、ルドガー以外は初めて会うよな? |
| スレイ | …実はあの時、ミクリオも一緒にいたんだ。みんなには見えてなかっただけで |
| ミクリオ | …スレイ、話すのか? |
| スレイ | 機会がなくて、ちゃんと話せてなかったけど、このままじゃ面倒な事も多いだろ? |
| ミクリオ | …まあ、そうだけどね |
| スレイ | あの時俺が話してた天族の話、覚えてますか? |
| ジュード | えっと、確か…普通の人間には見えないとか |
| リオン | ミクリオがその天族だと言うのか? |
| スタン | えええ!? |
| スレイ | ミクリオだけじゃなくて、こっちのライラも天族なんだ |
| スレイ | いろいろあって、今は普通の人にも見えるようになってる |
| ルドガー | ライラもなのか!? |
| ライラ | ふふ。実はそうなんです |
| ミラ | …なるほど。どうりで不思議な気配を感じるわけか |
| ヴェイグ | どう見ても人間だが…。全く気付かなかった |
| ルドガー | 俺もだよ。でも、そうだと言われたら何故か妙に納得出来る気はするかな |
| スタン | ところで、リオンと一緒にここへ来たって事は、やっぱりみんなも晶化現象の事を調べてるのか? |
| ルドガー | ああ。君達がそのために動いていると聞いて、一緒に来たんだ |
| エリーゼ | …みなさん、晶化現象の事を調べていたんですね。何だかうれしいです |
| ティポ | 仲間がいっぱいー |
| リリス | そういえば、リオンさんはクラースさんと会えたんですか? |
| リオン | …いや、間に合わなかった |
| スタン | 間に合わない…?それってどういう── |
| | |
| ヴェイグ | 晶化だ… |
| | |
| エリーゼ | え…? |
| リオン | クラースは、晶化してしまったんだ… |
| ミラ | 何…!? |
| ジュード | そんな…! |
| スタン | …リオン、詳しい話を聞かせてくれ |
| リオン | … |
| scene1 | 結びつく符合 |
| スタン | クラースさんに、クレアさんか… |
| スタン | …ヴェイグ、クレアさんの事は何て言えばいいのか… |
| スタン | 俺も、リリスがルイニス街で氷漬けになった時は本当に辛かった。今はこうして元気だけど… |
| スタン | だから、クレアさんもきっと助け出せる。俺も一緒に頑張るよ |
| ヴェイグ | ああ…。ありがとう、スタン |
| リリス | クラースさんも心配ですね… |
| リリス | ルーティさんの面倒見ているという子ども達も、クラースさんを見てびっくりしたでしょうし… |
| スタン | うん、ルーティがバロニアに戻るのも仕方がないな |
| リオン | 精霊も晶化か…。くそっ、一体どうなってるんだ |
| ライラ | 事態は、私達が想像していた以上に複雑で、深刻なのかもしれませんね |
| ミクリオ | ああ…。考えを根本から改める必要がありそうだ |
| スレイ | 人間も、精霊もって事は、やっぱり天族にも… |
| ミクリオ | 勿論。念頭に置いておくべきだ… |
| エリーゼ | 結晶の中の命が無事だとわかって少し安心はしましたが… |
| エリーゼ | でも、それも…いつまで無事でいられるかはわからないんですよね… |
| ルドガー | …ああ。一刻も早く助け出してやらないとな |
| ルドガー | ともかく、ミラの話を聞いて大精霊が関わっていないという事がわかったな |
| ルドガー | それと、結晶の正体もだ |
| リオン | 結晶がマナだとはな… |
| スレイ | 世界を司るエネルギーで、人間や精霊、世界そのものを支える生命の源…それがマナなんですよね |
| ライラ | 水が凍ったり、大地から石や鉱物が生まれる事は自然の摂理です。ですが、マナの結晶化は… |
| ミラ | 言える事は一つ…晶化現象が起きれば、マナは本来の働きを失う |
| ミラ | マナの減少に等しい状況を生み出している、という事だ |
| スレイ | これからどうなるんだろう… |
| リオン | このまま晶化現象が進み続ければ悪影響が出るだろうな。晶化現象それ自体が厄介だというのに… |
| スレイ | 悪影響… |
| ヴェイグ | 結晶がそのマナというものだとわかったが、どうして結晶になってしまうのかはわからないままか… |
| スタン | それに加えて、天啓の事も気になる。赤の騎士団の事はア・ジュールで耳にしたけど… |
| リオン | …まさか、お前がア・ジュールにまで行って牢屋に入れられたとはな。よくも無事で帰って来たものだ |
| リリス | 本当に肝を冷やしました… |
| ルドガー | でも、話を聞いてわかったよ。バロニアで見かけた黒ずくめの怪しい男の正体が… |
| スレイ | あの男がスタンさんの言うウィンガルって人だとしたらバロニアでの目的は、偵察? |
| リリス | かもしれません…。赤の騎士団を警戒していたみたいですから… |
| ヴェイグ | メルトキオでの一件を考えるとウィンドルも天啓に深い関心がある事は明らかだ |
| ジュード | じゃあ、ユリウスさんが見たっていう赤の騎士団の動きも… |
| ヴェイグ | これまでの経緯から言って石碑捜索のために、神子が必要なんだろう |
| エリーゼ | え…。じゃあ、いろんな国が神子を捜しているって事ですか? |
| ティポ | 神子が危ないって事ー? |
| リリス | どこかに身を潜めているとはいえ…ずっと隠れているわけにもいかないですし、かわいそうです |
| エリーゼ | …どうしてどの国もそんなに天啓を気にするんですか? |
| ミクリオ | …一つは自国の利益のため。赤の騎士団については少なくともそうだと聞いている |
| ミクリオ | 彼らは、以前の天啓が未来予知であるという説を信じているみたいだからね |
| スタン | ア・ジュールの真意はわからずじまいだったな… |
| ヴェイグ | しかし、ア・ジュールまで動き出したとなれば、状況は更に緊迫するだろう… |
| ライラ | クレアさんを誘拐した二人組はどこかの国の刺客だったのでしょうか |
| ミクリオ | さっきのウィンガルの例もある。可能性は否定出来ないけど… |
| リオン | いずれにせよ、メルトキオ襲撃を企てる連中だ。シルヴァラントに害を加えようとしているのは明らかだ |
| ルドガー | …さてと。今わかっている事はこのくらいか |
| スタン | 問題は、ここからどう動くかだな |
| ミクリオ | 結晶の正体や各国の動向と、僕達が把握出来た事は多い。ただその上で── |
| スレイ | …うん。やっぱりまずは、晶化現象の原因を突き止めなきゃいけないと思う |
| ルドガー | そうだな。マナの異変とも関係しているならより一層早く手を打つ必要がある |
| ヴェイグ | だが、具体的にどう動けばいいのか… |
| ヴェイグ | マナを感知出来るミラですら、どうして結晶化してしまうのかはわからないのだろう |
| ミラ | …ヴェイグの言う通りだ。これが未知の現象である事は変わらない |
| ルドガー | つまり、情報は得られたものの、状況に大きな進展はなしって事か… |
| スレイ | でも、だからこそ何か行動を起こさないと |
| スレイ | ちゃんとした確証がなくても止まったままよりはずっといいと思うんだ |
| スタン | …だったらさ、天啓を調べてみるっていうのはどうかな? |
| エリーゼ | 天啓を…ですか? |
| スタン | ああ。ひょっとしたら、晶化現象と天啓…この二つは何か関わりがあるかもしれない |
| エリーゼ | … |
| scene2 | 結びつく符合 |
| ヴェイグ | 晶化現象と天啓に関わりがあるというのはどういう事だ? |
| スタン | ここに来る前にキール達と話してたんだ |
| スタン | 前回の天啓は、リチャード国王晶化の一件を暗示した未来予知だっていう話もあるし… |
| スタン | …もしそうだとしたら、新しい天啓にも、何か晶化現象の事が書かれてるかもしれない |
| スタン | …まあ、何か確証があるってわけじゃないんだけど |
| スレイ | そう言えば、前にミクリオも… |
| ミクリオ | 僕のはただの勘だけどね |
| ミラ | ちなみに、以前公表されたという天啓はどういった内容なのだ? |
| スレイ | えっと、確か… |
| スレイ | 『命源は燦爛たる結晶となり、猛き君主を醒めぬ夢へ攫った』… |
| スレイ | 『零れ落ちた星の雫は、波紋の如く世界に広がる──』 |
| スレイ | これで全文、かな |
| エリーゼ | 燦爛たる結晶…多分これが晶化現象の事だってみなさん考えてるんですよね |
| ミラ | 猛き君主…これがリチャードを示すと… |
| ジュード | …?あれ、ちょっと待って |
| ジュード | だとしたら、その「命源」ってひょっとしたら、マナの事を指してるんじゃない? |
| エリーゼ | …!本当です… |
| ライラ | 世界を司る生命の源であるマナ。確かに意味合いとしては一致しますね |
| エリーゼ | やっぱり、前の天啓が未来予知だという、あの噂は本当なんでしょうか… |
| スレイ | …単なる偶然にしては、当てはまるものが多すぎると思う… |
| スタン | … |
| スタン | …みんな、やっぱり天啓について調べてみないか? |
| スタン | 天啓については、存在自体が未知のものだし断言は出来ないけど |
| スタン | それでもやっぱり調べてみる価値はあると思うんだ |
| スタン | このまま各地の晶化現象の状況を見て回ってるだけじゃ、どうにもならないし… |
| ルドガー | 違った角度から探ってみるのは悪くないと思うが… |
| ヴェイグ | …オレは異存はない。晶化現象に関する情報が得られるなら何であろうと構わない |
| ミクリオ | …半信半疑ではあるけど、当座の目標とするという事なら問題はないと思う |
| エリーゼ | …じゃあ、決まりですね |
| ヴェイグ | なら、まずはメルトキオへ行き、コレットの居場所を調べるのはどうだ |
| ヴェイグ | …神子の協力を得て天啓の石碑を探し出すんだ |
| スタン | 神子か…。そういえば、ゼロスは一人で街を出て行ったって話だっけ。大丈夫かな… |
| エリーゼ | ア・ジュールまで神子を捜してるんですよね…。心配です |
| ミラ | ああ、一人は危険だ…。会う事が出来ればよいのだが… |
| ヴェイグ | 会える見込みが少しでもあるとすればコレットだろう。彼女の行方はフィリア司祭が知っているはず |
| ジュード | けど、その人に聞いても神子の居場所教えてもらえないんじゃないかな? |
| ジュード | 仮にも王命でその身の保護を受けているわけだし… |
| ヴェイグ | わからないが、今は彼女が頼みの綱だ |
| ヴェイグ | それに、仮にフィリア司祭が駄目だったとしても、神子の居場所に繋がる鍵はあの街をおいて他にない |
| ルドガー | …確かに、ヴェイグの言う通りだな |
| スタン | よし、そういう事ならとにかくメルトキオへ行こう。あの街に行って── |
| リオン | スタン。僕はこの街に残る |
| スタン | ええ!?どうしてだ、リオン? |
| リオン | さっき言っていた二人組だ。ルイニス街とメルトキオは目と鼻の先だ |
| スタン | そう言えばそうだな…。確かに危ない…じゃあ、俺も残った方が… |
| リオン | 僕一人で十分だ。その代わり、お前は晶化現象の事を何とかしろ。必ずな |
| スタン | …わかった、街の事は任せた。晶化現象の事は任せてくれ! |
| リオン | 早速、街の様子を見て回ってくる。街の人間にも警戒するよう伝えなくてはな |
| ミラ | 相変わらずだな、リオンは… |
| ミクリオ | 彼はいつもああなのか? |
| スタン | まあ、大体は。でも、ああ見えてリオンは本当にいい奴なんだ |
| スタン | …リリス、お前もこの街に残ってくれないか? |
| リリス | えっ…。でも、お兄ちゃん… |
| スタン | リオンの手助けをして一緒にこの街を守ってほしいんだ |
| リリス | うん…。それはわかるんだけど… |
| スタン | いくらリオンの腕が立つと言っても、何かあった時に一人で街を守るのは大変だろうし |
| リリス | わかったよ。家の事も、街の事も心配だものね。こっちの事は任せておいて |
| リリス | でも、これだけは約束して!みなさんの言う事ちゃんと聞いて、無茶な行動しないでね! |
| リリス | 周りに迷惑かけちゃダメだよ!怪我もしないで、早く帰って来てね!あと、ちゃんと朝起きる事! |
| スタン | わ、わかったよ、リリス |
| ライラ | ふふ、いい妹さんですね |
| ティポ | 仲がいいんだねー。ぼくとエリーもだけどー |
| スタン | はは…。リリスも、いつもあんな調子なんだ |
| スレイ | じゃあ改めて、オレ達も出発の準備だ! |
| エリーゼ | そうですね |
| エリーゼ | 天啓…。晶化現象の謎を解く鍵となるんでしょうか… |