| Name | Dialogue |
| scene1 | 三人の遺跡ハンター |
| ロイド | へー。ここがシザー遺跡かここに、星のカケラがあるんだよな? |
| リタ | 断定はできないけどね。可能性はあるはずよ |
| ロイド | 昔の人も律儀だよな。降ってきた星のカケラを奉るためにわざわざこんな遺跡を作るなんて |
| コレット | 星のカケラって、今まで誰にも見つけられなかったんでしょ?リタはよくわかったね? |
| リタ | 別に大した事じゃないわ。昔の文献を漁って記述を見つけ出して…後は推論よ |
| リタ | それに遺跡は全部で4つ。星のカケラがあるとしてもここという保証はないの |
| ロイド | それを確認するために、わざわざここまで来たんだろ?早く入ろうぜ! |
| リタ | 落ち着きなさいよ。あんた、コレットの護衛なんでしょ?一人で先に行ってどうすんのよ |
| ロイド | 悪い悪い。つい… |
| コレット | ねえ、リタ。遺跡の封印を解くのに神子の力が必要だって言ってたけど、封印ってどこにあるの? |
| リタ | さあ。でも、たいていこういうのは一番奥って相場が決まっているわ |
| コレット | そっか。じゃあ、そこまで一緒に頑張ろうね |
| リタ | 当然よ。そのために、あんたに声をかけたんだから |
| ロイド | そろそろ、行こうぜ。中は危険だって話だし、離れないようにな |
| scene2 | 三人の遺跡ハンター |
| コレット | わあ~、遺跡の中って、結構広いんだね~ |
| ロイド | 結構、暗いな…。二人とも、足元が悪いから気を付けろ |
| | ドテッ!カチッ!ヒュンッ!! |
| ロイド | な、なんだ!?矢が飛んで… |
| ロイド | いや、それより、コレット、大丈夫か? |
| コレット | うん。転んじゃった…。えへへ。ドジだね、私 |
| リタ | いきなり罠とはやってくれるじゃない |
| リタ | やっぱり一筋縄じゃいかなさそうね。その分、期待できそうだけど |
| ロイド | コレットも無事だし、気を取り直して行こう |
| リタ | …そういえば、あんた達、星のカケラについてどれくらい知ってんの? |
| ロイド | 確か全部で6個あるんだろ?それを全部集めると願いがかなうとか何とか… |
| リタ | 微妙に違うわ。正確には「カケラを手にし、己に打ち勝った真 の選ばれし者だけが神殿に入れる」 |
| リタ | 「星のカケラが全て揃った時、 我は姿を現し、願いをかなえん」よ |
| ロイド | 誰が姿を現すんだ? |
| リタ | 言い伝えじゃ、光の使いって事になってる。それがなんなのかは知らないけど |
| コレット | リタはかなえたい願いがあって、星のカケラを探してるの? |
| リタ | まさか。あたしは星のカケラが実在するなら、この手で調べてみたいだけ |
| リタ | 願い事なんて興味ないわ |
| リタ | 普段は勝手に入れない遺跡だし、ちょうど研究所に調査依頼が入ってくれて助かったわよ |
| リタ | 北のウィンドルの王様が、カケラ集めに乗り出してるって噂もあるしね |
| ロイド | 俺も願い事とかは特にないけど、星のカケラは見つけたいな。宝さがしみたいで面白いもんな |
| コレット | 私は、ロイドと一緒に旅ができるだけで嬉しいよ |
| リタ | あーはいはい。そういうのは街に戻ってからやって |
| ロイド | あれ…?なぁ、行く手が扉で塞がれてるぞ?行き止まりか? |
| リタ | ここがこの遺跡の最深部よ。カケラがあるとしたら、あの扉の先のはず |
| リタ | コレット、開けられる? |
| コレット | あ、うん。試してみるね |
| | ズズズ… |
| ロイド | 扉が開いた! |
| リタ | 浮かれないの。まだ当たりかどうか分かんないんだから |
| | ギャオオオオ! |
| ロイド | くそっ、外れか! |
| scene1 | 偶然の遭遇? |
| リタ | さあ、着いたわ。ここが2つ目の遺跡シャイコス遺跡よ |
| コレット | 今度こそ、星のカケラがあるといいね~ |
| ロイド | そうだな。前の遺跡じゃ、カケラの代わりに魔物が出て来て驚いたもんな |
| リタ | 仕方ないでしょ、うっさいわね。文句があるならはっきり書かなかった昔の文献の著者に言いなさいよ |
| | |
| ??? | いよう、ロイドくんにコレットちゃん! |
| ロイド | ゼロス!? |
| リタ | 誰、こいつ? |
| ゼロス | おっと、自己紹介が遅れたな。俺さまはゼロス・ワイルダー |
| ゼロス | ゼロスくんって呼んでね♪ |
| リタ | ふーん… |
| ゼロス | おや~、冷たい反応 |
| ゼロス | ひょっとしてリタちゃん、俺さまの事、警戒してる? |
| リタ | リタちゃんとか言うな! |
| リタ | 大体、何であんたがあたしの名前知ってんのよ! |
| ゼロス | そりゃ、リタちゃん有名だからねぇ。シルヴァラントが誇る、天才美少女魔導士として |
| リタ | …あっそ。悪いけど、あたし達急いでるから |
| リタ | ロイド、コレット、さっさと遺跡に入りましょ |
| ゼロス | じゃあ、またな |
| ロイド | なんだ、行っちゃうのかよ |
| コレット | またね~ |
| ロイド | よし、俺達も行こう! |
| | |
| ゼロス | …行ったみたいだな |
| ゼロス | それじゃ、こちらも行きますかね |
| scene2 | 偶然の遭遇? |
| リタ | …ねぇ、あのゼロスって奴といつから知り合いなワケ? |
| ロイド | んー…結構前からだぞ |
| ロイド | あいつが妹のセレスと旅に出てたから会うのは久しぶりだな |
| コレット | セレスさんにもまた会いたいね。元気にしてるかなあ~? |
| リタ | …あいつ、あたしらの後をつけてきたんじゃないの? |
| リタ | 王都の中とかならともかく、こんな遺跡でバッタリなんて怪しすぎるわ |
| ロイド | たまたまだろ。そういう事もあるって |
| コレット | そうだね! |
| リタ | …あんた達、もう少し他人を疑う事覚えた方がいいわよ。どんな事企んでるかも分からないんだから |
| ロイド | 企む…? |
| リタ | 例えば、あいつも星のカケラを狙ってる、とかよ |
| ロイド | 俺達から盗むって事か? |
| ロイド | あいつがそんな事するわけないだろ! |
| リタ | だったらいいんだけどね。今じゃ、誰も彼もがカケラを探してるっていうじゃない |
| リタ | 知り合いだからって、そうじゃないって理由にはならないでしょ |
| ロイド | まあ、そう言われればそうだけど |
| ロイド | …でも、ここであったのはただの偶然だ! |
| ロイド | 変な目的で俺達に近づくなんて、あいつに限ってそれはないって! |
| コレット | そうだよね。お友達だもんね |
| リタ | あんた達ねえ… |
| リタ | まあいいわ。とにかく油断は禁物って事。ほら、行くわよ |
| ゼロス | …実はまだ、すぐ近くにいたりしてな |
| ゼロス | それにしてもリタちゃん、結構鋭いのな。これは不用意に姿を見せないほうがいいか… |
| | |
| リタ | ここが最深部ね |
| ロイド | また扉があるな |
| コレット | じゃあ、また私が開けられるか試してみるね |
| | ズズズ… |
| ロイド | 開いた! |
| リタ | 今度こそ…! |
| | ギャオオ! |
| ロイド | また外れかよ!? |
| scene1 | 気高き剣士 |
| リタ | ああもう、また外れだなんて! |
| リタ | コレット、悪いわね |
| コレット | ううん、私、楽しかったよ |
| コレット | ああやって、魔物と戦ったりするのって、いかにも冒険してる感じだったしね |
| ロイド | ああ。危ない時もあったけど、本当に楽しかったぜ |
| ロイド | それに遺跡はまだ半分しかまわってないし、これからだ |
| ロイド | そうだろ? |
| リタ | あたしは別に冒険がしたい訳じゃないんだけど… |
| リタ | でもそうね。これしきで、めげてらんないわ |
| ロイド | ところで、次はどこへ行くんだ? |
| リタ | 次に目指すサザ遺跡は、ここから南へ少し行ったところにあるはずよ |
| ロイド | もうすぐ日も暮れるし、今日はこの近くのルイニス街に泊まろうぜ |
| コレット | あれ…? |
| | ガアアアアッ! |
| ロイド | 魔物!? |
| | |
| | ザシュッ! |
| ロイド | ! |
| ??? | この辺りに生息する魔物の中には強敵も多い |
| ??? | 油断していると命を落とすぞ |
| | |
| ロイド | お前、凄いな!あんな魔物を一撃で倒すなんて |
| ロイド | 今の技、どうやったんだ!? |
| ??? | …僕が初対面の人間に軽々しく技を教えると思うか? |
| ロイド | 行っちまったか…ちぇっ。教えてくれてもいいのに |
| リタ | 当然の反応だとあたしは思うけど |
| コレット | あの人も同じ方向に向かったみたい。また会えた時に頼んでみたら? |
| ロイド | それもそうだな。ありがとな、コレット! |
| コレット | えへへ… |
| リタ | …とにかく、ルイニス街へ向かうわよ |
| scene2 | 気高き剣士 |
| コレット | ここがルイニス街?落ち着いた感じのところだね |
| ロイド | まずは宿を探すか。飯がうまいところにしようぜ! |
| ??? | お前達… |
| | |
| ロイド | おっ、また会ったな |
| ??? | あの街道を無事に通って来れたのだとすると、それなりに腕は立つという事か |
| ロイド | へへ、まぁな! |
| ロイド | …あ!そうだ、あの時の技… |
| 街の男 | リオン、街の北に魔物が出た!手を貸してくれ! |
| リオン | …またか。自分達で何とかしたらどうだ? |
| リオン | 何度も言うが、僕はこの街の警備兵になった覚えはない |
| 街の男 | そう言わないで、頼む!リオンだけが頼りなんだ! |
| リオン | …仕方ない |
| リオン | お前は街の人間を避難させておけ。ケガをしたくなければな |
| | |
| コレット | あの人、街の人達からすごく頼りにされてるんだね |
| リタ | そりゃあんだけ腕が立てば、頼りにもされるでしょ |
| リタ | 本人は迷惑そうだったけど |
| リタ | まだ技を教えてもらうの諦めてないみたいだけど、忙しそうだし無理なんじゃないの? |
| ロイド | そうだな…それは仕方ないからいいんだけど…うーん… |
| コレット | どしたの? |
| ロイド | あ、いや、何でもない。…そうだよな、忙しいんじゃ仕方ないよな |
| | ガアアアアッ! |
| リタ | こっちにも魔物が! |
| ロイド | くっ…!こっちは俺達で片付けるぞ! |
| scene1 | ロイドの考え事 |
| リタ | さあ、いよいよサザ遺跡に挑むわよ! |
| コレット | わ~、楽しみだね~! |
| ロイド | … |
| リタ | 遺跡も3つ目だし、いい加減にそろそろ見つかって欲しいもんだわ |
| コレット | 星のカケラがみつかるといいね~ |
| ロイド | … |
| リタ | ちょっと、ロイド |
| ロイド | ん? |
| リタ | いつもうるさいあんたにそうやって黙ってられると、それはそれで不気味なんだけど |
| ロイド | あ、そうか。悪いな |
| コレット | ロイド、昨日から変だよ?お腹でも痛いの? |
| リタ | どうせどっかで変なものでも食べたんでしょ。あんた食い意地張ってそうだもんね |
| ロイド | 別にそういうんじゃねーけど…うまく説明できないや |
| ロイド | まあ俺の事はいいだろ。早く遺跡の中に入ろうぜ |
| コレット | あ、うん。そだね |
| scene2 | ロイドの考え事 |
| コレット | あ、扉があるね。ここが遺跡の最深部かな? |
| リタ | みたいね |
| ロイド | … |
| コレット | ロイド…まだ考え事してるの? |
| コレット | 私じゃ頼りにならないかもだけど、よかったら相談に乗るよ? |
| ロイド | ごめんな、心配かけて。大した事じゃないんだけどさ |
| ロイド | ルイニス街で会ったリオンの事をずっと考えていたんだ。あいつ、立派だったよなって |
| コレット | そだね。口調はそっけなかったけど、街の人のために一生懸命働いてたもんね |
| リタ | なによ、立派なあいつと自分を比べて、落ち込んでたってワケ? |
| ロイド | よくわかったな? |
| リタ | 馬鹿っぽい…悩んでる暇があるなら、あんたのやりたいようにすればいいじゃない。なんかあるんでしょ |
| ロイド | うーん… |
| リタ | 何よ、ないのに悩んでんの? |
| ロイド | ないってわけじゃねーけど、何ていうか、その… |
| リタ | …付き合ってらんない。コレット、扉よろしく |
| コレット | あ、うん。 |
| | ズズズ… |
| コレット | 今度はどうかな…? |
| | ギャオオ! |
| リタ | また!? |
| scene1 | 束の間の休息 |
| コレット | …遺跡の中にいる間に、すっかり日が暮れちゃったね |
| リタ | また外れた…今度こそって思ってたのに |
| コレット | 元気出して、リタ。残る遺跡はあと1つなんでしょ? |
| リタ | まあね… |
| コレット | きっと、次の遺跡では見つかるよね? |
| リタ | 遺跡は4つだけだから、それはそうであってくれないと困るんだけど、できればあそこはね… |
| コレット | …? |
| ロイド | コレット、リタ。すぐそこに空き小屋を見つけたんだ |
| ロイド | この辺の魔物は強いし、夜道を歩くのは危険だ。今日はそこで休もうぜ |
| コレット | うん、そだね |
| リタ | ところであんたの悩みはもう解決したの、ロイド? |
| ロイド | してねーけど…ただ悩んでても仕方ないかと思ってさ。あまり気にしない事にした |
| リタ | なによそれ |
| リタ | でもそれでいいんじゃない。どうせあんたの頭は難しい事考えるのに向いてなさそうだし |
| ロイド | まあな! |
| リタ | …なんでそこで嬉しそうな顔すんのよ |
| リタ | まあいいわ。それじゃその小屋に案内して |
| コレット | なんだかワクワクするね~ |
| ロイド | 本当だな!よし、じゃあ行くか |
| リタ | はあ…いいわね。お気楽で |
| ゼロス | なるほど… |
| ゼロス | あと1つか… |
| scene2 | 束の間の休息 |
| ロイド | ふう。飯も食ったし、あとは寝るだけだな |
| リタ | あたしは持ってきた文献を調べたいから、もう少し起きてる |
| リタ | 邪魔すんじゃないわよ |
| ロイド | コレットはまだ寝ないのか?疲れが取れなくなるから、あまり夜更かししちゃ駄目だぞ |
| コレット | あ、うん。それはわかってるけど…もう少しロイドとお話ししたくって |
| ロイド | それなら、少し外に出ようか |
| コレット | うん! |
| | |
| コレット | えへへ。嬉しいな |
| コレット | 明日、最後の遺跡に行ってこの旅も終わりになるのかな? |
| ロイド | そうだなあ…星のカケラが見つかれば、明日で終わりだな |
| ロイド | そしたらすぐに王都メルトキオに戻らないといけないんだろうな |
| ロイド | コレットは元々カケラが見つかるまで、って約束だったし |
| コレット | 私、こうやってロイドと一緒に旅ができて、嬉しかったよ |
| コレット | リタには悪いけど、星のカケラがすぐに見つからなくて、よかったって思う |
| ロイド | 王都にいる時のコレットは、いつも大変そうだもんな |
| ロイド | 神子だから仕方ないんだろうけど |
| コレット | みんなが私を神子だって特別扱いするけど…ロイドだけは昔からずっと一緒だよね |
| ロイド | コレットはコレットだろ。神子だろうとなんだろうと、俺の幼なじみなのは変わらないしな |
| コレット | ありがとう、ロイド |
| コレット | あ、あのね。私…ロイドにずっと言いたい事が… |
| ロイド | コレット… |
| | ガサッ |
| ロイド | …うん? |
| | ギャオオオオ! |
| コレット | 魔物!? |
| リタ | 邪魔すんなって言ったでしょ!ぶっ飛ばす! |
| scene1 | 消えた神子 |
| ロイド | おーい、コレット、リタ、朝だぞー!おーい! |
| リタ | うっさい…大声出さないでよ… |
| ロイド | おはよう、リタ!コレットはまだ寝てるのか? |
| リタ | そうなんじゃないの?多分… |
| ロイド | 起こして来てくれよ。朝飯ができたからさ |
| リタ | はいはい… |
| | |
| リタ | え、嘘?どういう事!?コレット?コレット!! |
| ロイド | どうした!? |
| リタ | コレットがいないの。あんた見てないの? |
| ロイド | 何だって!? |
| リタ | 布団が冷たい…もう起きてから時間が経ってるみたい。一体どこに行っちゃったの…? |
| ロイド | 手分けしてその辺りを捜そう。俺はそっち、リタはあっちを頼む! |
| リタ | わかった |
| | |
| ロイド | いたか!? |
| リタ | いない…どこにも… |
| ロイド | ああ、くそ!どこ行ったんだよコレット! |
| リタ | 他に行けそうな場所…もしかしたら一人でルイニス街に戻ったとか…? |
| ロイド | 何でだよ!? |
| リタ | 分からないわよ!あたしに聞かれたって! |
| ロイド | …悪い |
| ロイド | 他にアテもないし…とにかく、ルイニス街に行ってみよう! |
| scene2 | 消えた神子 |
| ロイド | はあ…はあ…リタ、大丈夫か? |
| リタ | あたしは平気…それより早くコレットを見つけないと… |
| ロイド | くそ…コレットの奴、どうして一人で行っちまうんだよ… |
| リタ | …ねえ、コレットは本当に一人で行ったんだと思う? |
| ロイド | どういう意味だ? |
| リタ | だっておかしいと思わない?あたし達に何も言わずに一人でどこかに行くなんて |
| ロイド | …確かに |
| リタ | もしかしたら、誰かにさらわれたとか… |
| ロイド | ま、まさか! |
| リタ | もしそうなら、あたしのせいだ。一緒の部屋にいたんだから… |
| リタ | いや、そもそもあたしが、遺跡探索をするからって、コレットを連れ出したりなんかしなければ… |
| ロイド | リタが悪いんじゃない。もしコレットが誰かにさらわれたなら責任は全て俺にある |
| ロイド | 俺はコレットの護衛役なんだから。俺がコレットを守らないといけなかったんだから |
| リタ | ロイド… |
| ロイド | とにかく、急いでルイニス街へ戻ろう。何かわかるかもしれない |
| リタ | うん… |
| | ガササッ! |
| ロイド | む…? |
| | ギャオオッ! |
| リタ | 魔物!こんな時に! |
| ロイド | 邪魔をするな! |
| scene1 | 大切な存在 |
| ロイド | やっと着いたな。手分けして街の人達に話を聞こう |
| リタ | ええ |
| | |
| ロイド | すいません、そこの人!ちょっとおっとりした金髪の女の子を見ませんでしたか? |
| 街の女 | …知らないねえ |
| ロイド | あ、すいません、そこの人! |
| ロイド | 駄目だ…誰もコレットを見ていない。ルイニス街へ戻って来たのは、見当違いだったのか…? |
| リオン | む…? |
| ロイド | あ…リオンじゃないか! |
| リオン | …またお前か。相変わらず騒々しいな。何かあったのか? |
| ロイド | それが、聞いてくれよ! |
| ロイド | 実は… |
| リオン | そんな事になっていたとは…。そういえば街に住む狩人から、気になる話を聞いたな |
| リオン | その狩人が今朝、南にあるシーブル村へ向かう街道で、妙な旅人に会ったらしい |
| リオン | 旅人は袋に入った大きな荷物を背負っていたが、道中、その荷物に話しかけていたそうだ |
| リオン | 生け捕りにした動物に話しかけている奇妙な奴、という話だったが、それがもし人だったとすれば… |
| ロイド | まさか…コレット! |
| リオン | 今からすぐに向かえば追いつけるかもしれない。行くなら急ぐんだな |
| ロイド | ああ、そうする。貴重な情報をありがとう、リオン! |
| リオン | …行くからには、必ず助けてやるんだな |
| ロイド | もちろんさ! |
| リオン | … |
| リオン | …僕は…守れているだろうか… |
| リタ | あっ、ロイド!どうだった!? |
| ロイド | リタ、いいところに!重要な情報を手に入れたぞ。すぐシーブル村に向かおう! |
| scene2 | 大切な存在 |
| ロイド | 結構歩いたよな。なのに、行けども行けども森だ… |
| リタ | そうね。人通りもほとんどないし…いかにも魔物がたくさんいそう |
| ロイド | コレットをさらった犯人がこっちに逃げたんだとしたら、目撃者がほとんどいなかったのも頷けるな |
| ロイド | それにしても…くそ!一体どこのどいつなんだよ! |
| リタ | あのゼロスって可能性はない? |
| ロイド | ゼロスが?それはない、あいつは仲間だ |
| リタ | 本当に言い切れる?ずっとあたしらに隠れて、こっそり後をついて来てたのかもしれない |
| リタ | 星のカケラじゃなく、コレットを攫うために… |
| ロイド | 何のために?ゼロスがコレットをさらわなくちゃいけない理由なんてないだろ |
| リタ | 誰かの命令で動いてるって可能性は?コレットが神子である事を、快く思わない連中がいるんじゃない? |
| ロイド | うーん…それもどうかなあ… |
| リタ | …とにかく誰だろうと許せない。見つけたら黒焦げにしてやるわ |
| ロイド | とにかく今は、コレットを無事に取り戻す事が先決だ。ほかの事は、あとだ |
| リタ | ええ、分かってる |
| | ガササッ! |
| リタ | 何かいる! |
| ロイド | 出やがったか! |
| scene1 | 海沿いの村、シーブル |
| ロイド | ここがシーブル村か。コレットが見つかるといいけど… |
| ??? | あれ?また旅人? |
| | |
| ??? | この村に、立て続けに来るなんて珍しいなあ |
| リタ | また…? |
| ロイド | 俺達の前にも誰か来たのか? |
| ロイド | どういう奴だった? |
| ??? | 赤い髪の男と、金髪の女の子だったよ |
| ロイド | コレットだ! |
| リタ | 赤い髪の男って、ゼロスでしょ!?やっぱりあいつの仕業じゃない! |
| ロイド | そんな… |
| リタ | で、二人はまだ、この村にいるの? |
| ??? | いや、もういないよ。ここから東にあるスールズ村に向かったと思う。道を聞かれたから |
| ロイド | 東だな?よし、俺達もすぐに向かおう! |
| リタ | ちょっと待って |
| リタ | その二人について、他に何か気付いた事はない? |
| ??? | …ひょっとしたらあの人、星のカケラを探してたのかも |
| ロイド | 星のカケラだって? |
| ??? | オレの聞き間違いかもしれないけど男のほうが、星のカケラがどうとか言ってたよ |
| ??? | 星のカケラを持っていれば、光の使い・ティルグが願いをかなえてくれるって話だし |
| リタ | 伝説の内容が微妙に違うわね… |
| リタ | まあ、いいわ。それより、そのティルグって何? |
| ??? | オレのジィちゃんが言うには、光の使いは「ティルグ」って名前らしいんだ |
| リタ | 光の使い、ティルグ… |
| ロイド | リタ!行くぞ! |
| リタ | え、あ、そうね |
| リタ | あ、そうだ、あんた、名前は? |
| シング | オレはシング。シング・メテオライト |
| リタ | シングね、覚えとく |
| リタ | 情報ありがと、恩に着るわ! |
| シング | あわただしい人達だなあ… |
| scene2 | 海沿いの村、シーブル |
| ロイド | リタはスールズ村の事は何か知ってるのか? |
| リタ | 名前くらいね。次に行く遺跡のすぐ近くにあるから、そのうち行くかもとは思ってたけど |
| ロイド | 次に行く遺跡…じゃあゼロスの目的は… |
| リタ | あいつが本当に行きたいのは、村じゃなくて遺跡のほうでしょ。これだけ証拠がそろえば間違いない |
| リタ | コレットを遺跡に連れて行って、星のカケラを手に入れるつもりなのよ、あいつ |
| ロイド | … |
| リタ | やっぱりあたし達の後を、ずっとつけてたのね…油断した。その可能性もあるってわかってたのに |
| ロイド | もし本当にゼロスの仕業なら…あいつはどうしてそこまでして、星のカケラを欲しがるんだろうな |
| リタ | どうでもいいわよ、あいつの事情なんか |
| ロイド | よくない。何の理由もなく、あいつがこんな事をするもんか。きっと、よほどの事情があるはずだ |
| リタ | 何でそんなにあいつの肩を持つのよ。いい?あいつは、コレットをさらったのよ? |
| リタ | あんた、あいつが旅に出てたって言ってたわよね。これは推測だけど、それってウィンドル王国じゃない? |
| ロイド | どこかは聞いてねーけど…どうしてそう思うんだ? |
| リタ | 前も言ったでしょ?あの国の王様も、星のカケラを集めてるって |
| ロイド | ゼロスはウィンドル国王の命令で動いてるって事か? |
| リタ | かもしれないって事よ |
| ロイド | うーん…どうなんだろうなあ… |
| | ガサッ! |
| ロイド | 何かいるぞ! |
| | ギャオオオオ! |
| リタ | また魔物!? |
| scene1 | 村の外れの協力者 |
| リタ | やっと着いた。ここがスールズ村か。ずいぶん静かなとこね |
| ロイド | ゼロスとコレットは、もうここにはいないかもしれねーけど、一応、村の人に話を聞いてみよう |
| ロイド | もしかしたら新しい情報が手に入るかもしれないしな |
| リタ | そうね |
| ロイド | リタ、そっちはどうだった? |
| リタ | やっぱり少し前に、それらしい二人組が村を訪れて、そのまま遺跡に向かったみたい |
| ロイド | 俺が聞いた話と同じだ。決まりだな。それじゃ俺達もすぐに行こう! |
| リタ | 待って。そう簡単にはいかないわ |
| ロイド | 何でだよ? |
| リタ | どうしてあたしが、この遺跡を最後まで残してたと思う?あそこが一番厄介だからよ |
| ロイド | どういう事だ? |
| リタ | あそこの遺跡は、これまでのどの遺跡よりも侵入者撃退のための仕掛けがたくさんあるみたいなの |
| リタ | これは噂だけど、今までに挑んで戻った人は誰もいないらしいわ |
| ロイド | だからって、行かないわけにはいかねーだろ?今更怖気づいたのか? |
| リタ | あんたこそ落ち着きなさいよ!闇雲に行くのは危険だって言ってんのもっと情報が必要だわ |
| リタ | 村外れの小屋に住んでるヴェイグって人が詳しいらしいの |
| ロイド | じゃあまず、そのヴェイグって奴に話を聞けばいいんだな?よし、行ってみよう! |
| scene2 | 村の外れの協力者 |
| リタ | あの小屋がそうらしいわね |
| ロイド | 声をかけてみよう。おーい! |
| ??? | 誰だ、お前達…? |
| | |
| ロイド | あんたがヴェイグか? |
| ヴェイグ | そうだが…なぜオレの名前を知っている |
| ロイド | あんたがこの近くにある遺跡の事をよく知ってるって、村の人に教えてもらったんだけど |
| ヴェイグ | ヴィズリー遺跡の事か…遺跡目当ての人間に話す事など何もない |
| ロイド | 頼む!俺の大切な幼なじみが、遺跡に連れていかれたんだ!どうしても助けないと! |
| ヴェイグ | 幼なじみだと…? |
| ロイド | ああ |
| ヴェイグ | …。詳しい話を聞かせてもらおうか |
| リタ | なによ、幼なじみって言った途端、急に態度が変わったわね… |
| ヴェイグ | なるほど…そういう事か… |
| ロイド | 遺跡の中にある仕掛けについて、教えてくれないか? |
| ヴェイグ | ああ、いいだろう…。だが、オレが仕掛けを突破したわけじゃない |
| ヴェイグ | …オレがこれまで調べたところでは、あの遺跡で特に難所とされる仕掛けは三つある |
| ヴェイグ | 一つ目は「登れずの壁」、二つ目は「抜けれずの回廊」、三つ目が「通れずの扉」だ |
| ロイド | 「登れずの壁」に「抜けれずの回廊」「通れずの扉」か… |
| ヴェイグ | 神子の力なしで、これらの仕掛けを突破するのは至難の業だろう |
| ロイド | それでも、行くしかない。色々聞かせてくれてサンキュー |
| ヴェイグ | …幸運を祈る |
| | |
| ロイド | 話が聞けてよかったな |
| リタ | そうね。後は早く遺跡に向かいましょ |
| | ギャオオッ! |
| ロイド | また魔物か!そこを通らせてもらうぜ! |
| scene1 | 最後の遺跡へ |
| リタ | スールズ村で聞いた話が本当ならコレット達は、このヴィズリー遺跡にいるはずだけど… |
| ロイド | ここが…。これまで行った、どの遺跡よりも、でかそうだな |
| リタ | 規模だけじゃなくて危険度もよ。忘れないで |
| ロイド | でも、コレットがここにいるなら俺は行く |
| リタ | ヴェイグから聞いた話以外にも、ここには何があるかわからない。油断しないでよ |
| ロイド | ああ、わかってるさ |
| ロイド | それじゃ、さっそく… |
| ロイド | うん?あれは… |
| リタ | 遺跡の中から誰か出て来た…? |
| | |
| 冒険者 | あんた達、この遺跡に入る気か?魔物と仕掛けだらけで、命がいくつあっても足らんぞ。やめとけ |
| ロイド | なあ、あんた。赤い髪の男と、金髪の女の子を見なかったか? |
| 冒険者 | なんだ、あいつらの知り合いか?それならさっき来て入って行ったよ。散々やめろって言ったのに |
| ロイド | やっぱりここか。よし、俺達も急ごう! |
| リタ | そうね |
| ロイド | コレット、今行く!もう少しの辛抱だからな。待っててくれ! |
| 冒険者 | どうなっても知らねえぞ! |
| scene2 | 最後の遺跡へ |
| | グオオオッ! |
| ロイド | はああっ! |
| リタ | 吹っ飛べ! |
| | ギャウウーーーン! |
| ロイド | まったく…次から次へと魔物が襲ってくるな |
| リタ | ロイド!足もと! |
| ロイド | うおっ!? |
| | ジャキン! |
| | |
| ロイド | 床からいきなり槍が飛び出してきた…危うく串刺しになるところだった |
| ロイド | リタのおかげで助かった。サンキュー |
| リタ | 魔物も多いし、仕掛けも多い…聞きしに勝る厳しさね |
| ロイド | ゼロスとコレットもここを通ってるんだよな。無事でいてくれよ… |
| リタ | ヴェイグも話していたように、向こうは神子の力がある分、あたし達より通りやすいのかも |
| ロイド | そうだな…あっちは神子が二人だしな |
| リタ | 神子が二人? |
| ロイド | ああ、言ってなかったっけ?ゼロスもコレットと同じ神子なんだよ |
| リタ | あいつが神子…って、早く言いなさいよ、そういう事は! |
| リタ | でも待って…だとしたらゼロスがコレットをさらった理由ってなに? |
| リタ | あいつも神子だっていうなら、遺跡の封印はコレットがいなくても自分で解く事ができるはずじゃない |
| リタ | …… |
| リタ | 足止め…?あたし達はコレットが居なければ封印を解く事ができない |
| リタ | それを見越してあいつはコレットをさらったのかも。あたし達がカケラの元へ辿り着けないように… |
| ロイド | うーん… |
| ロイド | … |
| ロイド | もし…もし仮にリタの推測通りだったとしても、きっと何か理由があっての事だ |
| ロイド | あいつは、そんな簡単に仲間を裏切るようなヤツじゃない。俺はやっぱりそう思うんだ… |
| リタ | まだそんな事言ってんの?あんたいい加減に… |
| | ギャオオオオ! |
| ロイド | また出たか! |
| scene1 | 登れずの壁 |
| リタ | …ねえ、あんたとコレットって、昔からずっと一緒なんだっけ? |
| ロイド | ああ、幼なじみだからな |
| ロイド | コレットに神託が下って、神子候補になる事がなければ、今も故郷にいただろうな |
| リタ | コレットが神子候補になった時点で、よく疎遠にならなかったわね。住むところも変わったんでしょ? |
| ロイド | コレットが王都に行く事になって、一人じゃ心細いって言うから、俺も護衛役でついて行ったのさ |
| リタ | ふーん。それで今も一緒ってわけ |
| リタ | なるほど。だからあんたはそこまで必死なワケね |
| ロイド | そうさ。だから何としても、俺があいつを守ってやらないと |
| ロイド | そういえば…ヴェイグの言ってた三つの難所って、もう越えたのかな? |
| リタ | そんな都合よくはないでしょ。きっとこれからよ |
| | ドドド… |
| ロイド | 何の音だ? |
| リタ | 分からない。何だか地響きみたいだけど… |
| | ドドドドド… |
| ロイド | … |
| ロイド | 奥に進むにつれて、どんどん音が大きくなっていくみたいだな… |
| リタ | この先に一体何があるっていうの…? |
| scene2 | 登れずの壁 |
| | ドドドドドドドド…! |
| ロイド | これは…滝じゃないか!音と地響きの正体はこいつか! |
| リタ | 遺跡の中にこんな大きな滝があるなんて… |
| ロイド | 滝の流れ出しているところに先へ進めそうな通路があるけど、あそこまでどうやって行くんだ? |
| リタ | なるほど、これが一つ目の試練ってワケね。確かにこれは登れない壁だわ |
| ロイド | 何かいい案はないか? |
| リタ | そうね…これだけ水の勢いが強いと、無理矢理登るわけにもいかないし |
| ロイド | こういう滝って、割と裏側に抜け道があったりするものだけど、ここはどうなんだろうな? |
| リタ | そんなありがちで都合のいい話が、簡単にあるわけ… |
| ロイド | …あった |
| リタ | え?嘘!? |
| ロイド | ほら、目を凝らしてよく見てみろよ。滝の向こう側に洞穴みたいなのが見えるだろ? |
| リタ | …本当。なによこれ。考え過ぎて損したじゃない |
| ロイド | な?上の通路は見せかけで、滝の裏側が本当の道なんだよ |
| ロイド | そうと決まれば話は簡単だ。さっさと先へ進もうぜ |
| リタ | …ちょっと待って。洞窟から何か出て来る! |
| ロイド | 何っ!? |
| | ギャオオオオッ! |
| ロイド | こいつは! |
| scene1 | 抜けれずの回廊 |
| ロイド | やっと魔物を倒して、滝の裏側に進めたな |
| リタ | 一つ目の難所の正体は滝そのものじゃなくって、むしろあそこにいた魔物だったみたいね |
| ロイド | そうみたいだな。まあとにかく、無事に越えられてよかったよ |
| ロイド | 次は「抜けれずの回廊」だっけ?そこもさっさと突破しようぜ |
| リタ | 抜けれずの回廊か…言葉通りなら、道が複雑で、迷いやすくなってる、とかよね |
| ロイド | そういう時は右手を壁に当てて、離れないようにしながら進むといいって親父に聞いたな |
| リタ | 確かに、ただの迷路だったら、そのやり方でいつか出口までたどり着けるけどね |
| リタ | わざわざ二つ目の難所っていうからには、そんな簡単じゃないでしょ |
| ロイド | おいおい、脅かすなよ |
| リタ | …? |
| ロイド | どうした? 急に立ち止まったりして |
| リタ | ここ、さっきも通らなかった? |
| ロイド | まさか。俺達ずっと前に進んで来て、一歩も引き返したりしてないだろ |
| リタ | …間違いない。ここの壁の割れ目に見覚えがある。あたし達、前もここを通ってる! |
| ロイド | そんな…一体どうなってんだ? |
| リタ | そしてあたしの記憶が確かなら、次の角を曲がってすぐの床に、大きな石が転がってるはず… |
| ロイド | …確かめてみよう |
| リタ | 見て! |
| ロイド | 本当に石が転がってた…あれなら俺も見覚えがあるぞこれってつまり… |
| リタ | …あたし達はもう、「抜けれずの回廊」にいるって事ね |
| scene2 | 抜けれずの回廊 |
| ロイド | まただ…また同じところに戻っちまった |
| リタ | 後ろに引き返す事はできても、先へは決して進めない…まさに「抜けれずの回廊」ね |
| ロイド | くそ。何とかならないのか?さっきみたいに、抜け道みたいなものも見当たらないし… |
| リタ | たぶんこの回廊のどこかに、仕掛けを解除するスイッチのような物があるんだと思う |
| リタ | それでさっきから、あちこち注意して見てるんだけど、こうも見た目が似てると… |
| ロイド | スイッチか…せめて何か目印でもあればな…よっと |
| ロイド | こうやって目線を下げたら、何か見えてくるといいんだけど… |
| ロイド | ん…? |
| リタ | どうしたの?滝の時みたいに、また何か見つけた? |
| ロイド | あそこの壁の下のところから、鎖みたいな物が出てる… |
| ロイド | これは…コレットの首飾りの鎖だ! |
| リタ | 本当に!? |
| ロイド | 俺があげた物なんだから間違いない。でもどうして、これが壁の下から出てるんだ? |
| リタ | もしかしたらこの壁の向こうに抜け道があるのかも。近くを探してみて! |
| ロイド | わかった。ええと…スイッチ…スイッチ… |
| ロイド | あったぞ!ここにはまってる石だけ、奥に押し込めるようになってる! |
| リタ | 押してみるわよ! |
| | ガコン! |
| | ズズズズズ… |
| ロイド | 壁が開いて…向こうに別の通路が! |
| リタ | やっと見つけた…これで回廊を抜けられるはず! |
| ロイド | やっぱりコレットの首飾りだ。きっと目印として、ここに置いといてくれたんだな |
| リタ | ええ、きっとそうね |
| ロイド | …サンキュー、コレット。すぐに追いつくからな |
| | ガルルルル…! |
| リタ | 魔物…! |
| ロイド | それがどうした! |
| scene1 | 通れずの扉 |
| ロイド | あの回廊を抜けてからは、順調だな |
| リタ | あれからかなり進んだし、もうだいぶ奥まで来てるはずだけど… |
| リタ | そういえば回廊で拾ったコレットの首飾り、ちゃんと持ってる? |
| ロイド | もちろん。コレットに返さないといけないしな |
| リタ | ならいいけど。ちゃんと大事に持ってなさいよ |
| ロイド | 残る難所は一つか。「通れずの扉」…どんな仕掛けなんだろう? |
| リタ | 普通に考えたら、開かない扉が道を塞いでて、開け方を探さないと行けないってパターンね |
| リタ | 時間を取られそうで、嫌な予感がするわ |
| ロイド | カギが開かないっていうなら、ぶっ壊せばいいだけだろ。簡単な話さ |
| ロイド | ドワーフの誓い第16番、「成せばなる」だ! |
| リタ | …呆れた。馬鹿なんだか、素直なんだか |
| リタ | けど、あんたのその単純さのお陰で先に進めた面があるのも確かね。次も一応、期待はしとくから |
| ロイド | おう、任せとけ! |
| リタ | それじゃ、行くわよ |
| scene2 | 通れずの扉 |
| ロイド | こいつは!? |
| リタ | 魔物! |
| | … |
| | |
| ロイド | おや…? |
| | … |
| ロイド | こいつ、よく見たら寝てる。起こさないように進んだら、横をすり抜けられるんじゃねーか? |
| リタ | ちょっと本気?そんなのうまくいくワケ… |
| ロイド | とにかく試してみよう。そーっと、そーっと… |
| リタ | … |
| | グオオオオ! |
| ロイド | うわあっ!駄目か! |
| | … |
| リタ | この魔物…ロイドが離れたらまた寝た。どうなってるの? |
| ロイド | もしかしてこいつが、三つ目の難所なんじゃねーか? |
| リタ | 確かに、通路を通せんぼするみたいに塞いでるけど…扉ってそういう事? |
| ロイド | もう一度横を抜けられるか、試してみよう。そーっと…そーっと… |
| リタ | … |
| | グオオオオ! |
| ロイド | やっぱりそうだ。こっちが横を抜けようとすると起きて攻撃してきやがる |
| リタ | だったら、あたし達の取る手は… |
| ロイド | 決まりだな。「成せばなる」だ! |
| リタ | 当然!ここまで来て、引き返すなんて冗談じゃないわ |
| ロイド | じゃあ今度は同時に行くぞ! |
| | グオオオオ! |
| scene1 | 信じる気持ち |
| ゼロス | 向こうにでかい扉が見えるな。どうやら一番奥まで来たらしい |
| コレット | … |
| | |
| ゼロス | 俺さまを罵っていいんだぜ、コレットちゃん。俺さまはそれだけの事をしたんだ |
| ゼロス | それでも…扉の封印は、解いてもらうけどな |
| コレット | …?封印は神子の力で解けるってリタが言ってたよ |
| コレット | ゼロスも神子なんだから自分で解けるよね? |
| ゼロス | … |
| ゼロス | さすがのリタちゃんでもこの情報は知らなかったか |
| ゼロス | この遺跡の扉はこれまでのとは違う…同じ神子でも俺さまじゃ開ける事はできない |
| ゼロス | この扉を開けれるのは、神子の中でも特別なチカラを持つコレットちゃん、ただ一人――… |
| | |
| ロイド | 見つけたぞ、ゼロス! |
| リタ | 今すぐコレットを返しなさい! |
| コレット | ロイド!リタ! |
| ゼロス | あいつら…追いついて来やがったのか! |
| ゼロス | けっ、ここまで来て、捕まってたまるかよ! |
| ロイド | あ、こら、逃げた! |
| コレット | ロイドー! |
| ロイド | コレット!今助ける! |
| scene2 | 信じる気持ち |
| ロイド | ゼロス、ここまでだ! |
| ゼロス | くっ… |
| コレット | ロイド… |
| ロイド | コレット、遅くなってごめん。もう大丈夫だから |
| コレット | うん! |
| リタ | さっさとコレットを返しなさい。おとなしく従うなら、少しは温情をかけてあげるから |
| ゼロス | 温情ね…さしずめ死刑が永久禁固になるくらいか?神子の誘拐は重罪だろうしな~ |
| ロイド | とにかく、まずはコレットを離せ。それから話し合おう |
| リタ | 話し合う?あんた、何言ってんの? |
| ゼロス | リタちゃんの言う通りだぜ、ハニー。今更、俺達の間で何を話すんだよ? |
| ロイド | ゼロス、お前がこんな事をしたのにはわけがあるんだろ? |
| ロイド | そのわけを知りたいんだ |
| ロイド | 困ってるなら相談に乗る。俺達、仲間だろ? |
| リタ | ロイド、あんたねえ… |
| ゼロス | … |
| ゼロス | くっ…、くくく…! |
| ゼロス | ハニー。お前は本当にいい奴だな。今の言葉を聞いて、俺さま… |
| | |
| ゼロス | …すげえむかついたぜ |
| ゼロス | 相談に乗る?仲間だろ?嘘をつけ。本当は腹の中で、俺に腹を立ててるんだろ? |
| ゼロス | だったらそれをぶつけてみろよ。この期に及んで善人ぶんな。ぶちのめしたけりゃぶちのめせ |
| ゼロス | でないと…俺さまがぶちのめすぜ? |
| ゼロス | てやっ! |
| リタ | きゃっ!? |
| ロイド | ゼロス…本気なんだな |
| ゼロス | 冗談でこんな事ができるかよ! |
| ロイド | よし。わかった。俺も、本気でお前と戦おう |
| コレット | ロイド、それは…! |
| | |
| ロイド | ただし!俺が戦うのは、あくまでお前の目を覚ますためだ! |
| scene3 | 信じる気持ち |
| ゼロス | うぐ… |
| リタ | コレット、こっちへ!怪我はない? |
| コレット | う、うん。だいじょぶ。二人とも、助けに来てくれて本当にありがとう |
| ロイド | さあゼロス、わけを聞かせてもらうぜ |
| ゼロス | どうしてそんなにしつこいんだよ… |
| ロイド | 何度も言ってるじゃないか。仲間が困ってるんだぞ。力になりたいと思うのは当然だろ? |
| ゼロス | バカか…いつまでそんな寝言を… |
| ロイド | バカはお前だ、ゼロス。お前だって今まで俺の事を、ずっと友達だって言ってただろ? |
| ロイド | 友達ってのは、そんなに軽いもんじゃないんだ。そう簡単にやめられるかよ |
| リタ | …どこまで単純なのよ、あんた |
| コレット | そうだね。でもこれが、ロイドなんだよ |
| ゼロス | … |
| ゼロス | …セレスが重い病にかかっちまった |
| コレット | セレスさんが!? |
| ゼロス | 俺達はこの間まで旅に出てたんだ。途中、ウィンドル王国内にあるイニル街ってとこに辿り着いた |
| ゼロス | その街に居座ってしばらく経ったある日、急にセレスが原因不明の病にかかっちまってな |
| ロイド | 原因不明の病… |
| ゼロス | もちろん、ありとあらゆる手を尽くして治そうとはした。でもどうやっても駄目で… |
| ゼロス | そんな時、ウィンドルの国王から使いが来て、ある取引きを持ちかけられたのさ |
| リタ | 「シルヴァラントにある星のカケラを 持って来たら、妹を治療してやる」とでも言われたわけ? |
| ゼロス | …まあな |
| コレット | ひどい…人の弱みにつけこむなんて |
| ロイド | …話はわかった。じゃあ、ここにある星のカケラを持っていくといい |
| リタ | ちょっと! |
| ロイド | 人の命が懸かってるんだぞ。カケラだって誰かの役に立てるほうが嬉しいさ。コレット、頼む |
| コレット | うん、わかった |
| | |
| | ズズズ… |
| | |
| ロイド | よし、扉は開いた。今度はどうだ? |
| ロイド | これは…笛? |
| リタ | 星のカケラは…どこ?まさか…この笛についてる石が…!? |
| コレット | 光り出した…? |
| ロイド | うっ、眩しい…! |
| ロイド | この光は…ど、どうなってんだ? |
| | |
| ゼロス | この光輝く石はまさか… |
| リタ | …!これって…… |
| リタ | もしかしてロイド、あんた、真の選ばれし者になったんじゃない?言い伝えの内容、覚えてる? |
| コレット | 「カケラを手にし、己に打ち勝った者 だけが、真の選ばれし者として神殿 に足を踏み入れる資格を得ん」… |
| コレット | ロイドが…真の選ばれし者に…? |
| ゼロス | これが、星のカケラ… |
| ロイド | マジかよ!?何で俺が…一体、どうすりゃいーんだ? |
| リタ | そんなの決まってるでしょ。言い伝え通り、光の神殿に行くのよ。選ばれし者にしかできないんだから |
| ロイド | 行くったって、どうやって… |
| コレット | カケラが光ってるよ。任せろ、って言ってるみたい |
| ロイド | そうか… |
| ロイド | どうして俺なのかわからねーけど…選ばれたからには、俺にしかできない事があるのかもな… |
| ロイド | よし、じゃあ俺、光の神殿に行って来る |
| ロイド | ゼロス、悪いけど、カケラを渡すのはもう少し待ってくれ |
| ロイド | その代わり…セレスの病気の事も、俺がきっと何とかするから |
| ゼロス | …… |
| ゼロス | セレスの命がかかってるとはいえやっちゃいけない事をしたってのは自覚してるつもりだぜ |
| ロイド | …ゼロス |
| ゼロス | …俺さまの事は気にすんな。もし光の使いに会えたら、ついでに願ってくれればいいさ |
| ロイド | コレット、ごめん。すぐに帰って来るから |
| コレット | 私の事なら、だいじょぶ。ロイドこそ、気をつけてね |
| リタ | 神殿に行ったら、中がどうなってるかちゃんと見て来るのよ!帰って来たら聞かせてもらうから! |
| ロイド | ああ、わかった。それじゃ! |
| | |
| ゼロス | 行っちまった…本当に大丈夫なのかよ |
| コレット | 平気だよ。ロイドは約束した事を、必ず守ってくれる |
| リタ | さてと、ここで待っててもしょうがないし、あたしらも外に出ましょ |
| リタ | …あんたも来るんでしょ |
| ゼロス | へいへい |
| | |
| リタ | さて、と。とりあえずスールズ村まで戻ってきたわね |
| リタ | ひと休みしたら、コレットを王都まで送り届けるとして、ゼロス、あんたは… |
| ??? | すいません!この村の人ですか? |
| リタ | え?違うけど… |
| ゼロス | レイアちゃーん!こんなところで会うなんて、偶然~! |
| レイア | ゼロス!? |
| コレット | ゼロスの知り合い? |
| ゼロス | ああ。ウィンドルの王都に行った時に会ったのさ |
| ゼロス | レイアちゃん、元気してたかい?その様子じゃ、まだメルディちゃんを捜してるのかな? |
| レイア | 当たり。全然手がかりがなくって…あの子、一体どこへ行ったんだろ |
| レイア | あ、ところでゼロス知ってる?イニル街の奇病が原因がわかったって |
| ゼロス | 何…?それは本当か!? |
| レイア | うん。旅の途中で会った、ミラって人に聞いたんだけど |
| レイア | しかも、その原因もすでに取り除いてくれたみたいだから、街の人も、もう大丈夫だと思うよ |
| ゼロス | それが本当なら…こうしちゃいられない! |
| ゼロス | すぐに戻らないと…でも… |
| コレット | いいよ、ゼロス。セレスさんのところへ行ってあげて |
| ゼロス | すまない、コレットちゃん!恩に着るぜ。この借りは必ず返すから! |
| レイア | ちょっと、ゼロス!? |
| リタ | いいの、コレット?あんただってあいつにひどい目に遭わされたのに |
| コレット | これでいいんだよ。ロイドがいたら、きっと同じようにしたと思う |
| コレット | ロイド…無事に戻って来るのを、待ってるからね |