NameDialogue
scene1襲撃
ミラウンディーネ!イフリート!シルフ!ノーム!
ミラ一体どこへ行ってしまったのだ…。こんな事は今まで一度も――
ミラ…む?
ミラこのただならぬ気配は一体…
ミラまさか、人間界で何か異変が起きているのか…?
ゴゴゴ…
ミラ…!?何だ、この音は…
ゴゴゴゴゴ…!
メリッ…!
ミラなっ…空間に穴が空いた、だと!?
ミラ何という力だ…このままでは吸い込まれて――
ゴォォォ!!
ミラくっ…!これまでか…
ミラ
ミラう…
ミラむ…?
ミラここは……人間界か?
ミラ…!
ミラこれは一体どういう事だ…!?地面は大きく割れ、辺り一面が荒廃している…
ミラそれに、このマナの激減…。さっき感じた人間界の異変の原因は、これだったのか…
ミラまさか、ウンディーネが話していた戦争再開が原因か?
ミラ…いずれにせよ、地上にこれほどの影響を及ぼすほどのマナの減少はいまだかつて見た事がない…
ミラん?これは、精霊達の気配…
ミラ
ミラ激減したマナの影響を受けこの世界の精霊達に何か異変が生じているようだ…
ミラ今のは…ウンディーネの気配…!?
ミラ…そうか、あいつらも私同様人間界へ落とされていたというわけか
ミライフリート達も気がかりだが、まずは気配が一番近くに感じられるウンディーネを捜そう
ゴゴゴゴゴ…!
ミラ地震か!?強い揺れだ…!
ミラおそらく、この地震もマナの減少が原因なのだろう
ミラ…この激減したマナを元に戻さねば、近い将来、人間界は滅びる
ミラそれだけではない。人間界と精霊界は表裏一体、精霊界にも大きな影響が出るだろう
ミラ…今思えば、精霊界で突然空間に穴が空いたのも、人間界のマナが激減した事が原因だったのだろう
ミラ…クレスやユーリ、ルーク、それにロイド…。皆はどうしているだろうか?
ミラ無事であってくれるといいが…
scene2襲撃
ゴゴゴ…!
ミラまた地震か…
ミラ早く四大と合流し、マナ減少の原因を突き止めなければ…
???そう上手くいくかな?
ミラ…む?お前達は…
ミラ…どうやら友好的な雰囲気ではなさそうだな
ミラ私に何の用だ?
???おやおや、強気な態度だねぇ。俺達なんて恐れるに足らないって事か?
ミラそれもあるが、そもそも私はお前達に行く手を阻まれる理由などないからな
???理由がない?ははは、度胸はいいけど、察しはあまりよくないみたいだな
???君は俺達の目的を邪魔しようとしている。行く手を阻まれるのには十分な理由だと思うが?
ミラ何だと…?お前達は何者だ?
???今ここで死んでいく君に名乗る必要なんてないだろ?
ゴゴゴゴゴ…!
ミラくっ…こんな時に地震か!?
ズザッ!
ミラ地面に亀裂が…
???くく…順調だな
ミラ…順調?何の話だ?
???ま、直にわかるさ
部下リドウ様。この女の始末は、我らにお任せください。リドウ様は精霊の回収を
リドウ精霊の方は既に手は打ってある
リドウ…けど、やらなきゃならない事は山積みだしな。ここは君達に任せるとしよう
ミラ精霊の回収だと…待て!お前は一体何を…!
部下おっと。貴様の相手は我らだ
ミラ邪魔をしないでもらおう!奴にはまだ聞きたい事がある!
scene1思いがけぬ再会
ミラはあ…はあ…
ザッ、ザッ…
ミラなっ、新手だと…!?
部下この女は弱っているぞ!全員で挟み撃ちにするんだ!
ミラくっ…!
部下逃がすな、追え!
ミラ行ったか…?
ミラあの程度の敵をさばき切れぬとは…四大の助力なしだと、私はここまで無力なのか…
ミラそれにしても、あの男…リドウといったか
ミラ精霊の回収と言っていたが、何を企んでいる…?
ミラそもそも人間界において、精霊の存在を知る者は限られていると聞く
ミラそれに地震で生じた亀裂を奴が見た時の反応…
ミラマナ減少の原因にも、何か関係があるとみるべきだろうな
ミラあの男…リドウにはもう一度会って、詳しい話を聞き出さなければなるまい
ミラそのためにも、まずは四大を捜し出し、力を取り戻さねば…
ミラ早くウンディーネの元に…
ミラうっ……
ミラだが、思っていた以上に、身体に傷を負ってしまったようだな…
???あれ――?もしかして、ミラ?
ミラ…!ジュード!
ジュードミラ、どうしてこんなところに――
ジュード…ちょっと待って!ミラ、全身傷だらけじゃない!?
ミラ…心配するな、ジュード。これくらい、どうという事はないよ
ジュードそんなの駄目だよ!すぐ治療するからそこに座って!
ミラ楽になった…ジュード、ありがとう
ジュード…ミラ、何があったの?ミラがこんなに傷だらけになるなんて…
ミラ……。話をすると長くなるが…
ジュード…じゃあ、今多発している地震は人間界のマナが激減している事が原因になっていたんだ…
ミラおそらくな。だから、私は一刻も早く四大を捜し出し、マナ減少の原因を取り除かねばならない
ジュードミラを襲ったリドウっていう人も何か知っていそうだね
ミラああ。私もそう考えている
ミラ奴にはもう一度会って、詳しい話を聞き出さなければなるまい
ジュード(…でも、四大精霊の力がない ミラをこのまま一人で 行かせたら――)
ミラところで、ジュードは何故こんなところにいたのだ?
ミラ街からもだいぶ離れた場所のようだが…
ジュード僕は知人に頼まれ事をされて、エリーゼと一緒にカン・バルクへ向かっているところだったんだ
ミラエリーゼも一緒だったのか?
ジュードうん。でも、向かっている最中、ウィンドルとア・ジュールの国境地帯で大きな地震に遭って…
ジュード地面が崩落するぐらい大きな揺れだったんだけど、身を伏せて何とか凌いだんだ
ジュードでも…、気付いたらエリーゼがいなくて…
ミラはぐれてしまった、というわけか
ジュードうん…。あちこち捜してみてはいるんだけど、見つからなくって…
ミラそうか…。エリーゼ、無事だといいが…
ミラ…ジュード。すまないが私は先に急がねばならない。エリーゼの事は頼むぞ
ジュード
ジュード…ねえ、ミラ。僕も一緒に行っていいかな?
ジュード今のミラは四大精霊の力が使えないんでしょ?ミラを襲った人達の事もあるし、放っておけないよ
ミラ…エリーゼの事はどうする?
ジュードわかってる。エリーゼの事だって諦めたわけじゃないよ
ジュードこれだけ捜したのに見つからないのはエリーゼがもう別の場所に移動しているからだと思うんだ
ジュード僕もここから移動するんだったら、あてもなく移動するより、ミラと一緒に行動した方がいい
ジュードそれなら、ミラの手伝いも出来るし、行く先々でエリーゼを捜す事も出来るでしょ?
ミラ……
ジュード僕じゃ四大精霊の代わりとまではならないだろうけど、出来る限り力になるから
ジュード駄目、かな…?
ミラふふふ…。相変わらず君はお節介だな
ミラでは、共にエリーゼを捜しながら行く事にしよう。私もエリーゼの事が心配だからな
ジュード…ありがとう、ミラ!
ミラでは、まずここから南へ向かおう。先ほどからウンディーネの気配を感じる。そう遠くはないはずだ
ジュードわかった。この辺りは国境付近だから、戦争に巻き込まれないように気を付けよう
scene2思いがけぬ再会
ミラ…ここは、汽水湖か
ジュード確かここは、テレヌ湖……って、あれ?こんなに大きな湖だったかな?
ミラふむ、異変の影響が地形にも変化を及ぼしているのだろう。…さて――
ミラウンディーネ、私だ!出て来てくれ!
ゴオオ…
ジュード水面に渦が…
ゴオオオオ…!
ウンディーネ
ジュードこれが水の大精霊ウンディーネ…?
ミラウンディーネ、無事か?もう大丈夫だ。さあ、私の元へ…
ウンディーネウウウ…
ジュードミラ、ちょっと待って。何だか様子がおかしい――
ウンディーネグオオオオッ!
ミラウンディーネ…何をする!?私がわからないのか…?
ウンディーネガアアアアッ!
ジュード駄目だ!ミラの声は、ウンディーネに届いていないみたい!
ミラどうしたというのだ…!?ウンディーネ…!
ウンディーネグオオオオッ!
ミラうっ…!
ジュードミラ!!
ジュードこうなったら…力づくでも止めないと…
ミラ待て、ジュード。ウンディーネを攻撃するのは…
ジュードでも…このままだとミラが傷つく一方だよ!
ミラ…だが!くっ、どうすればいいのだ…
ウンディーネグアアアアッ!
ミラ…!
バシィッ!
ウンディーネグアッ!
ジュード君は…?
???大丈夫か
ミラあ、ああ。すまない…
???何をためらっているのか知らないが、相手は本気だ。このままだと、二人共死ぬぞ
ジュードミラ…
ミラ
ミラ…止むを得まい。ウンディーネを止める
ミラジュード、力を貸してくれ!
ジュードうん!わかった、ミラ!
ウンディーネグルル…
???また来るぞ!
scene3思いがけぬ再会
ウンディーネウウ…
???…よし、何とか倒せたようだな
ミラ
???…どうした?
ミラウンディーネがこうなってしまった原因もマナだろう
ミラマナが減少し、自我を保てなくなっているのかもしれん
ミラこの様子だと、ウンディーネに限らず他の精霊達も自我を失い、暴走状態にあるやもしれん
ジュード暴走状態…
ミラ…何としてでもマナ減少の原因を突き止めなくては…
???おい、お前達…見ろ!
ジュードウンディーネの身体が…消えていく…?
ミラいや、これは…
???何が起こった?新たな攻撃か?
ミラそうか…。もう大丈夫なのだな
ジュードミラ、ウンディーネは…?
ミラ…ああ、心配ない
ミラウンディーネは私の元に戻った事により姿を見せる必要がなくなっただけだ
ジュードそっか、よかった…
???よくわからないが…もう危険はないと考えていいのか?
ミラ大丈夫だ。さっきはすまなかったな、礼を言う
ジュードありがとう、お蔭で助かったよ。僕はジュード、こっちはミラ。君は?
セネルセネル・クーリッジ、シーブル村のマリントルーパーだ
ミラふむ…そうか
セネル…?誰に返事をしている?
ジュードさっきの精霊…ウンディーネと話しているんだよ。ミラ、何かわかった?
ミラいや…ウンディーネにも今この世界で何が起きているのかはわからないようだ
ミラただ、このマナの減少は、やはりウィンドルとア・ジュールの戦争再開が関係している可能性が高い
ミラ人間界のマナが急激に減少したのは二国間で戦争が再開された後からだ
ミラウンディーネ達が、私の前から急に姿を消したのも、戦争によって急激にマナが減少した事が原因だろう
ジュードそうなると、マナに大きな影響を与えるような原因が戦争にはある、って事になるよね
セネル…やっぱりあいつらの推測通りか…
ミラ…?セネル、お前何か知っているのか?
セネルここでお前達と会う前に、似たような事を話す奴らと会った
セネルこの天変地異の発生は、戦争で使われた兵器が原因かもしれない、…そう話していた
ミラ兵器だと…?その話をしていた者達は、今どこにいるか知っているか?
セネル真相を探るために、ア・ジュールへ向かったようだ
ジュードア・ジュール…
セネルさて、俺はそろそろ行く
セネルお前達がこの先、この異変の原因を追究しようと考えているなら、…またいずれ会う事になるだろう
ミラセネル、お前はこれからどうするのだ?
セネルお前達やあいつらの話が本当なら、この異変を放っておく事は出来ない
セネル未だに地震は頻発しているし、被害も一向に減る気配がない。…もはや根本の原因を取り除く他ないだろう
ミラ私達もお前も目指すところは同じ、という事だな
セネルああ。俺は海の見回りをしつつ引き続き情報を集める事にする。何かわかったら知らせよう
ジュードありがとう、セネル!気を付けてね
ジュードさて、僕達も行こうか。次はどこかな?
ミラ少し待っててくれ
ミラ……。ここからさらに南の方角に、シルフの気配を感じる
ジュードじゃあ、このまま南に進もう
ミラああ。ウンディーネの事もある、早くシルフを捜し出そう
ミラ(…マナ減少の原因は戦争の再開。 では、リドウの行動も 戦争と何か関係しているのか?)
ジュードミラ、どうかしたの?
ミラいや、何でもない。それでは、出発しよう
scene1精霊を案ずる者
ジュード森に入ってしばらく経つね。結構奥の方まで来たけど、ここにシルフがいるの?
ミラああ。正確には森を抜けた先だが。おそらく、風の通りがいい場所にいるのだろう
ジュードなるほど……ん?
ジュード…!ミラ、あれ!
ガアアッ!
???うっ…!
ジュード魔物相手に、苦戦をしているみたい!ミラ!
ミラわかった。行くぞ、ジュード!
ミラはああっ!
ズバッ!
???…!?
ジュード下がっていてください!いくよ!僕達が相手だ!
ジュードもう魔物はいないね。怪我はありませんか?
???ああ、大丈夫だ。君達のお蔭で助かった。感謝する
???む…?これは精霊の気配か…?
ミラ人間にしては感覚が鋭いな。ウンディーネが私の傍らにいる
???ウンディーネといえば…水を司る大精霊じゃないか!まさか契約に成功したという事か?
ミラ契約?何だそれは?
???精霊を喚び出すには、その精霊と「契約」を交わす必要がある。どの文献にもそう書いてあるだろう?
ミラ…?人間の知識や常識で、私を測られても困るのだが…
ジュードま、まあまあ!話がややこしくなりそうだからその辺りで…
???そうか、すまない。精霊の話を聞くと冷静さを欠いてしまうようだ。助手にも注意されているんだがな
クラース私はクラース・F・レスター。精霊の研究をしている
クラース最近頻発している大地震の影響で、世界各地の精霊達に異変が起きているのではないかと、私は考えていてな…
クラースそれを調べようと、この森に来たんだが、さっきの魔物と鉢合わせてしまった
ミラ精霊の異変…?お前も気付いていたのか。人間ながら大したものだ
クラース…私にも理由はよくわからないが、精霊の気配のようなものは、昔から感じる事が出来るようなんだ
クラースだから研究者を志しているのかもな。…さて、その話しぶりだと君達も精霊の異変に気付いていたようだが
ミラああ。彼らは今、暴走状態に陥っている可能性が高い
クラース暴走状態…?精霊が暴走とは…信じられんな。やはり地震が関係しているのか…?
ジュード僕達は、その精霊達を救うために動いてるんだ。…って言っても、目的はそれだけじゃないんだけどね
ジュード
ミラ大丈夫だ、ジュード。…エリーゼも必ず見つかる
クラース
ミラどうだクラース、お前も私達と共に来るか?
クラース君達があのウンディーネと共にあるというのならば、研究者である私にとっては願ってもない話だ。頼む
クラースジュード、といったか。そのエリーゼという人を捜すのも、手伝わせてもらおう
ジュードありがとう、クラース
クラースしかし…君は一体何者だ?契約なしにウンディーネと共にあり、精霊が暴走しているという情報まで…
ジュードその辺りはあまり気にしない方向で…とにかく、先へ進まない?
ミラああ、そうだな
scene2精霊を案ずる者
クラース…なるほど。話は理解した。まさか精霊達の異変の背景でそんな事が起きていたとはな…
ミラこの状況を打破するためにも四大の力は必要不可欠だと考えている
クラースしかし、何度聞いても驚かされる。契約もなしにウンディーネと行動を共にしているなど…
ミラ信じられないか?
クラースいや、そういうわけではない。現にこうして気配を感じているからな
クラース精霊を研究している私からすれば何としてもその原理を解き明かしたいところではあるが…
クラース契約をしていないとなれば、精霊との関係性の違いか…?ミラ、一つ質問をさせてもらおう
クラースミラから見て、四大精霊はどういう存在なんだ?
ミラそうだな。口うるさい小姑みたいな奴ら…という感じだろうか
クラースこ、小姑…!?
ミラ驚く事でもないだろう?精霊にも人間と同様感情があるし、性格も、皆それぞれ違う
ミラ例えば、ここにいるウンディーネは温厚だが、シルフは少々皮肉屋な性格だ
ミラ皆それぞれ私への接し方が違うが、私に世話を焼きたがるところは変わらないな
クラースなるほど…。非常に興味深い話だな
ミラそうか?人間同士でも、そういう事はあるだろう?
クラースそうかもしれないが、人間同士でも、なかなか他人を指して「口うるさい小姑」とは言えないものだ
ジュードミラにとって、四大精霊はきっと家族のようなものなんだね。お互いを理解し合っている感じがするよ
ミラ家族か…。ふむ…深く考えた事はなかったが、そうなのかもしれないな
クラース人間と精霊が互いを理解し合う、か…確かにそのような関係を築ければ契約など必要ないのかもしれないな…
ジュードあはは…そうだね、僕もそう思うよ
ヒュウウ…
ジュードん?風が…
クラース周囲の気配が変わったな。これは…
ミラよく気付いたな。ここにシルフがいる
クラースシルフ…風の大精霊か…!
ミラシルフ!私だ!
シルフ
ジュードこれがシルフ…!
クラースこれぞまさしく文献で見た大精霊…!確かに様子がおかしいようだな…。どれどれ…文献との違いは…
ジュード不用意に近付くのは危険だよ!
シルフグオオオオッ!
クラースうおっ!?
ジュードクラース、大丈夫?
クラースああ、すまない。本物の大精霊を見るのは初めてでやや興奮してしまったようだ
ジュード気持ちはわかるけど、今のシルフは危険だよ
ミラシルフ…やはりお前も暴走して、我を失っているようだな
ジュードミラ…
ミラああ、わかっている
ミラシルフ…少しの間、がまんしてくれ。すぐに正気に戻す!
クラースなっ…大精霊と戦うというのか!?確かに暴走状態とは聞いていたが、そんな無謀な事は――
シルフグアアアアッ!
ジュード来るよ!ミラ、クラース、気を付けて!
scene3精霊を案ずる者
シルフウ…ウ…
クラースはあ、はあ…。ま、まさか世界を支える存在と戦う事になるとはな…予想もしていなかった…
ジュードミラ、どう?
ミラシルフ…すまなかったな。もう大丈夫だ
クラース消えた…だが、気配はまだここにあるな。一体どういう状況なんだ…?
ジュードええと、ウンディーネの時もそうだったんだけど、安定したからもう姿を見せる必要がないんだって
クラースそうか…無念だ…。文献との違いを検証したかったのだが…
ミラ心配ない。今はウンディーネと共に私のすぐ傍にいる。だが……
ジュード…どうかしたの?
ミラ…いや、ウンディーネもそうだったのだが、シルフも弱っているように見えるのが気になってな
ミラお前達、どうしたのだ?
ミラそうか…そういう事か…
ジュード何かわかったの?
ミラ…ウンディーネもシルフも、マナ減少の影響で、力が弱体化してしまっているようだ…
ジュードじゃ、四大精霊の力を取り戻しても、ミラの力が完全に元通りになるわけじゃないって事…?
ミラああ…マナの減少を食い止めなければ、状況は悪くなる一方だ
クラース
クラースシルフだけでなく、四大精霊を取り戻すだと…?何とも信じがたい…
クラース…いや、しかし現にシルフの気配は彼女の傍にある。ふむ…信じざるを得ないようだ…
ミラ……。すまないが、先を急ごう
ジュード…そうだね。四大精霊を捜し出さないといけない状況は変わらないし
ミラああ…。次はノームのところへ向かおうと思う
クラースノーム…地の大精霊か。ミラは居場所がわかるのか?
ミラここからさらに南…シルヴァラントの方だな
ジュードシルヴァラント…。大陸を移動する前にエリーゼに会えればいいんだけど…
ミラジュード…
scene1ロイドの友
クラースよし、シルヴァラントへ入ったな。この辺りで一休みしていくか?
ミラ私は別に疲れてはいない。それより…
ジュード…やっぱり見つからない
ミラエリーゼの事か?
ジュードあ、ああ…ミラ!ごめん、知らない間に二人から離れちゃってたみたいだね…
ジュード結局ここまで、何の手がかりも掴む事が出来なかったなと思って…
ジュードこれだけ捜しても会えないって事はひょっとして、あの国境地帯の亀裂と一緒に飲み込まれてしまったとか…
ミラ…。可能性は否定出来んが、まだそうと決まったわけではない
ミラ大陸が分断された際に亀裂を隔てて離ればなれになった可能性だってある
ジュード…だとしたら、エリーゼはア・ジュールに…?
ミラああ。あくまで可能性の一つに過ぎないが…
ミラ…とにかく、諦めるのはまだ早い。エリーゼの事は私も心配だ。一段落着いたらア・ジュールへ行ってみよう
ミラ戦争の事もある。なるべく早く捜しに行かねばな…
ジュードミラ…。そうだね、ありがと――
ミラおっと…
若い女1ちょっと、何ぼーっとしてるのよ!
???まあまあ、抑えて抑えて、俺さまのかわいい子猫ちゃん達ーそこのクールな彼女ー、怪我はない?
ミラこの程度で怪我などしていたら、身がもたないぞ?
若い女2んまあ、何その態度!せっかくゼロス様が心配して、声をかけてくださったというのに!
クラースやれやれ。世界がこんな状態だというのに、呑気な奴らもいるものだ…
若い女3何よこのオッサン!ゼロス様は大地震の中私達を助け出してくれた王子様――
ジュードああ、火に油を…ど、どうもすみませんでした!ほら、もう行こう、ミラ
ゼロスミラ…?もしかして光の神殿へ行ったミラか?
ミラああ、そうだが
ゼロスそうか!あんたがあのミラさまか!いやあ、会いたかったぜ~!
ゼロスロイドくんから話は聞いてるぜ。一緒に光の神殿へ行ったって
ミラなるほど。ロイドの知り合いだったか
ゼロスミラさまには、是が非でも言わなきゃならねえ事があるんだ。と、その前に…
ゼロス子猫ちゃん達をすぐそこの街まで送り届けてくるから、少しここで待っててくれ
ジュードえ…でも…
ゼロスなぁに、すぐ戻るからよ!
ミラ…。騒々しい男だな
ゼロスまず礼を言わせてくれ。妹のセレスを助けてくれて、ありがとな!
ミラ妹…そういう事か。話が繋がったぞ
ミラロイドが星のカケラに願い、救おうとしていたのはお前の妹の事だったのだな
ゼロスああ。ミラさまのお蔭でセレスもすっかり回復してる。本当にありがとう
ミライニル街の事は、私だけの功績ではない。ユーリ、エル…皆で力を合わせたからこそ成し得たのだ
ミラ…それにしても、不思議な巡り合わせだな。まさかこんな形でロイドの友人に出会うとは…
ミラ今、ロイドはどうしているのだ?
ゼロスロイドなら、シルヴァラントのある街を救うために、王都を飛び出したって話なんだけど…
ゼロスそれ以降の足取りが掴めなくて、俺さまも今こうして捜してるってわけ
ゼロスロイドには、いろいろ世話になったし力になれる事があんなら…と思ってな
ミラ友人を捜しているという割には、女子を脇にはべらせて、楽しそうにしているようだったが
ゼロスさっき子猫ちゃん達も言ってただろ?俺さまは、困ってるあの子達を助けてあげただけ!
ゼロスま、俺さまってばどこへ行っても大人気だからさ、あの子達が懐いちゃうのも仕方ないんだけどな
ジュード何か、変わった人だね…
ミラ何はともあれ、ロイドが無事だとわかって安心したぞ。また会えるとよかったのだがな
ゼロス…だったら、ミラさまも俺さまと一緒にロイドを捜すのを手伝ってくれない?
ミラふむ…。そうしたいのは山々だ。だが、マナの減少を食い止めなければこの世界が滅びてしまうからな
ゼロス世界が滅びるだって?何か、やばそうだけど詳しい話を聞かせてくれ…
ゼロスまさか、そんな状況だとは…
ゼロス…。だったら、俺も一緒に行くぜ
ジュード…!でも、その友達は…
ゼロス別にその四大精霊って奴を集めながらでも、ロイドは捜せるだろ?どこかでバッタリ会うかもしれねえし
ゼロス何より、そんな話を聞いて、放っておけるわけねえだろ
ゼロスミラさまにも恩がある、そいつも返さないといけねえしな。俺さま、案外役に立つぜ?
ミラ…やはりロイドの友、だな。いいだろう、こちらとしても助かる
ゼロス…?
ゼロスあ、そういや俺さまちゃんと名乗ってなかったよな
ゼロス俺さまはゼロス・ワイルダー。よろしくな!
ジュードゼロス、だね。僕はジュード、あと、こっちはクラース
ジュード改めて、これからよろしく――
ゼロスあ、野郎はどうでもいいやそんな事より、はりきって行こうぜ!
クラース何というか…軽そうな男だな
ジュードそ、そうだね…
scene2ロイドの友
ミラそれにしても…ウィンドルとア・ジュールは、何故戦争を再開したのだ?
ミラ私達は光の神殿で、世界中に満ちていた負の感情を浄化する事をティルグに願い、かなえられた
ミラその上で、実際の世界平和は自分達の手で成し遂げると、皆で誓い合った
ミラ現に両国は戦いをやめ、和平交渉を開始するところまで進んでいたはずだ
ミラそれなのに、何故…。お前達は戦争が再開された理由を知っているか?
ゼロス何でも、ア・ジュールが突然攻撃を仕掛けてきたのがきっかけって話だぜ
ゼロスま、元々のあの二国の争いは星のカケラを求めてア・ジュールに攻め入ったウィンドルの国王が原因だ
ゼロス今更態度を改めたところで、ア・ジュールが許せるはずがねえと思っても、不思議じゃねえよな
ゼロス…何にせよ、今はこの異変の影響で戦争どころの騒ぎじゃなくなっちまってるけどな
ジュードそっか。これだけ地震や地割れが多発していると、軍の被害も大きくなるもんね
ゼロスああ。特に戦場だった国境地帯が巨大な地割れで崩壊しちまったからな
ゼロスどっちの軍も撤退を始めて、いまじゃ事実上の停戦状態になっているらしいぜ
クラース私も、戦争のきっかけについてはゼロスと同じ認識だ
ミラア・ジュールの攻撃か…。これについてもちゃんと調べる必要がありそうだな…
ジュードこのまま戦争が続くと、ますますマナが減っていくっていう事だよね?
ミラセネルの話だと戦争に、何らかの兵器が使用されているらしい。おそらくそれが原因の可能性が高い
ミラ今は停戦状態とはいえ、戦争が再開されれば、さらにマナの枯渇は進む。そうなる前に――
ゴゴゴ…!
ゼロスおっと、地震か
ゼロスこれもそのマナの減少が原因なんだよな…
ゼロスまさか、この大地震の背景にそんなスケールのでかい話が隠れていたとはな…
ジュードエリーゼ…無事だといいけど…
ミラジュード、君だけでもエリーゼを捜しに行ってもいいのだぞ?
ジュードううん。一人でもやれる事は今とあまり変わらないからね。だったら、ミラの手伝いをしながらの方が――
ガサ…
クラースむ…?
ギャオオオオ!
クラースみんな、気を付けろ。魔物だ!
scene1寂寞の荒野
ゼロスこりゃまた…随分と荒れ果てた、寂しいところに来たもんだな
ジュードここにノームがいるの?
ミラああ。間違いない
クラース確かに精霊の存在を強く感じる。興味深い場所だ
ゼロス興味深い、ねえ…。俺さまにはその感覚はわかんねえなー
クラースそれは残念だ。お前との感性の違いという奴だろう。そもそも精霊というものはだな――
ゼロスあー!俺さま話を聞くなら、野郎よりミラさまがいい!出来れば、二人っきりで
クラース…確かにミラには劣るが、私にも精霊の知識はあるっ!
ジュードまあまあ、二人ともその辺りで
ミラむ…
ジュードどうしたの、ミラ?
ミラ気配が乱れている…
クラース…ああ、確かにこれまでの様子とはまた少し異なる
ゼロス俺さまは何も感じないけどなー。ジュード、お前は?
ジュード僕も何も…
ミラこの先にノームがいる
ミラだがこの気配は……誰かと戦っているのか…?
ジュード戦ってるって…一体誰が…
ゼロス俺さま達の他にも、四大精霊を正気に戻そうとしてる奴がいるって事か?
ミラ…!まさか、リドウ…?
クラースお、おい!ミラ!?どうしたんだ突然…!
ジュードリドウって…確かミラを襲った…
ゼロスジュード!お前も早く来い!
ジュードう、うん!
scene2寂寞の荒野
???グオオオオッ!
???このヤロウ、コハクを離しやがれ!
ミラあれは…リドウではなかったか
ミラノーム!やめろ!
ジュード傍に人が…やっぱり戦ってるみたいだ!
クラース一人はノームに捕まっているんじゃないか?
ゼロス女の子の前でかっこつけようとして、いらんちょっかいでも出したのかね
ジュードすぐに助けないと!
ノームグオオオオッ!
???危ない…!お兄ちゃん避けて!!
???くっ…駄目か…!
ガシッ!
???え…?
ミラ間に合ったか…おい、大丈夫か?
???ああ、ギリギリ何とかな。…ところでお前達は――
ミラ説明は後だ。それよりあの娘は…
???俺の妹のコハクだ
ゼロス妹だと…?
???ここを歩いていたら、いきなりあのヤロウに襲われて…
クラースあのヤロウ呼ばわりは感心しないな。あれは地の大精霊、ノームだぞ!
???ああ?そんな事知るかよ!精霊だろうが何だろうが、コハクを傷つけるヤツは許さねえ!
ゼロスふっ…
ジュードゼロス…?
ゼロスそれだったら…かっこいいとこ見せねーとな
ノームグアアアアッ!
???くっ、また…!
ザンッ!
ゼロスおいたはここまでだぜ
クラース…まるで別人のような動きだったな、ゼロス。どうかしたのか?
ゼロスなーに、妹を守ろうと必死になっているそこの兄貴にちょっとばかり共感しただけ
ゼロス兄貴ってのは…妹を守るもんだからな
ゼロスそれにまあ…ロイドくんの熱血ぶりに感化されちまったのかもな
ミラ…大口を叩くだけあって腕も確かなようだな。見直したぞ
ゼロスだろ?
ミラ…それにしても、あの温厚なノームが人に襲い掛かるとは…
ノームグオオオオッ!
ミラ待っていろ、今正気に戻してやるぞ…!
scene3寂寞の荒野
???ふう…助かったぁ…
???コハク!大丈夫か!?
ゼロスコハクちゃん、俺さまの活躍見てくれた?キミのために、俺さま頑張ったんだぜ
???ゴルァ!俺の目の前で、コハクをナンパしてんじゃねー!
コハクあ、あはは…
ジュードゼロス…戦ってる時は、あんなにきりっとして、かっこよかったのに…
クラースこれがノーム…地の大精霊か。ふむふむ…なるほど…!やはり、ついてきた甲斐があった…!
ミラよく頑張ったな、ノーム
???あいつ、何やってんだ?倒した魔物を嬉しそうに眺めて
ジュード魔物じゃなくて「精霊」だよ。クラースが聞いたら、また怒るよ…
コハクえ…あれ…?さっきの魔物…じゃなくて、精霊が消えた…
???一体何が起きたんだ…?
クラース話せば長いが、あのミラという女性につくと、姿を現す必要がなくなるそうだ
???へぇ。わかったようなわかんねぇような…危険がねぇなら問題ないけどよ
ミラああ…わかっている。マナ減少の影響で、お前達の力が元に戻っていない事も
ミラ精霊界と人間界、そしてお前達のためにも必ずマナ減少の原因を取り除く
ミラそのためにはノーム、お前の力が必要なのだ。…すまないが力を貸してくれ
ミラありがとう…。あとはイフリートが戻れば再び皆が集まる。もう一息だ…
クラース
クラース…なるほどな。うむ。今なら理解出来る
ジュードん?何が?
クラース前に話した事を覚えているか?お前はミラと精霊は家族のようなものだ、と言った
クラース私は精霊と繋がるには、契約しかないと考えていた。だが…違う。今確信したよ
クラース彼らには契約など必要としない、深い絆がある。心から繋がっているんだ
ジュードクラース…うん。そうだね
コハクあの、さっきは助けてくれて本当にありがとう!わたしはコハク、こっちは兄のヒスイだよ
ジュードコハクとヒスイ、だね。君達はどうしてこんな何もないところを歩いていたの?
コハクわたし達、行方不明になった友達を捜していて、たまたまここを通りかかったの
ヒスイまあ、俺はシングなんてどうでもいいがな
コハクあなた達、シングを見なかった?すごく元気がよくって、明るい男の子なんだけど…
ジュードシング…うーん、聞いた事はないな…。力になれなくてごめんね
ゼロス俺さまも記憶にねえな。しかし、そっちも人捜しなんてな…大地震の影響を改めて思い知らされるぜ
ジュードエリーゼの次は、シングか…地震のせいで行方がわからない人って他にもたくさんいるのかもしれないね
ゴゴゴ…!
コハクあ、地震…
ヒスイまたか…。この地震は一体いつまで続くんだ?本当にいい迷惑だぜ
ミラ酷くなる事はあっても、まだしばらくは収まるまい…
ヒスイ…それはどういう事だ?
ゼロス…というわけだ。ま、俺さまも精霊やマナ云々の事はあんまりよくわからねえけどな
コハク不思議な力のはびこった亀裂があちこちに出来てるって話だし、何か変だとは思ってたけど…
コハクまさか、そんな状況だなんて…
ヒスイ
ジュードミラ、次はどこへ?
ミラ次はイフリートだ。これで全ての四大が揃う事になる
ゼロスそいつさえ取り戻せば、ミラさまも本調子になるってわけだな!んじゃ、はりきって行こうぜ!
コハクあの、わたし達も、一緒に行っていいかな?
ヒスイコハク?まさか…
コハクこのままだと世界が崩壊してしまうって事でしょ?そんな話聞いて、放っておけないよ
コハクそれに、みんなも人捜しをしてるなら協力し合えるかもしれないし
ミラコハク…
ゼロス勿論!コハクちゃんなら大歓迎さ。あ、野郎は別にいいから
ヒスイ俺も行くに決まってんだろ!コハクがあのノーテン菌を捜しに行くってだけでも心配だってのに…
ヒスイお前みてえな野蛮な男がいるところにコハクを任せられっかよ!
ゼロスちぇっ、うるさい兄貴付きかよ…
ゴゴゴ…
クラースむ…?またか…。地震発生の頻度が増しているように感じるのは気のせいか?それに――
ゴゴゴゴゴゴ…!!
ミラ…何だ!?このすさまじい揺れは!
ジュード立っているのもやっとだ…!
ズガッ!
コハクそ、そんな…地面に亀裂が…!
ヒスイくっ、風も強いぞ…!何なんだ突然…何が起きてる!?
ミラ大地が震えている…これは、まさか…
scene1成すべき事は…
ゴゴゴ…
コハクようやく収まったみたいだね…
ミラ
クラース
ジュード今度の地震は、随分大きかったね
ヒスイああ、今までの地震とは比べものになんねぇな。こんなにでっかい亀裂まで出来ちまって…
クラース
ジュードクラース?それにミラも…二人共どうしたの?急に黙りこくって…
ミラ
クラース私は精霊と話が出来るわけではないがかなり危険な予感がする。何故だか違和感を覚えた…
クラースこれは…精霊達からの警告…なのか?
コハク精霊達からの…警告?
ミラ…事態は、想像以上に深刻な状況にある、という事だ
ミラ世界のマナの残量からして、枯渇寸前とはいえ、もう少し余裕があるものだと思っていた
ミラ…だが、マナは予想だにしない速さで今も尚、減り続けている
ジュードマナが?…でも、どうして?原因だった戦争は今は停戦状態なはず…
ジュードそうなると、戦争の他にもマナを減少させる原因があるっていう事?
ミラ…おそらくな。その原因として考えられるとすれば、大精霊達の暴走の影響…
ジュード大精霊…?それってイフリート達の事?
ミラいや、違う
クラース大精霊とは、精霊の中でもより強大な力を持つ精霊達の事だ。そこに分類される精霊は、四大精霊だけではない
ジュードそんな…
ミラその大精霊達が暴走する事で、自然の均衡が崩壊し、マナの減少を加速させている
ミラ…あくまで、これも推測に過ぎんがな
ゼロスミラさまの言う通りなら、それって相当やばいって事?
ミラ
クラースとにかく…一刻も早くイフリートの元へ行った方がよさそうだ
ミラああ…この大地震は、世界のうめきそのもの…
ミラ早急に手を打たなければ、本当に取り返しのつかない事になる…
ジュードあ…ミラ!クラース!
ゼロス…行っちまったぜ
ヒスイあの二人、相当ピリピリしてやがったな
ジュード仕方ないよ…。あの二人…特にミラは精霊達の事やマナについて直に感じ取る事が出来る…
ジュードきっとそれほどまでに切羽詰まった状況って事なんだと思う
コハクミラ…
ゼロスとにかく、見失う前に早くあの二人を追いかけようぜ
コハクうん、そうしよう!
ジュード
ジュードミラ…
scene2成すべき事は…
コハクアグニラス山がこんな火山になってるなんて…。本当にここにイフリートが?
クラースああ、強い気配を感じる。…それにしても、いかにもイフリートが好みそうな場所だ
ミラ
ヒスイおい、ミラ!一人で突き進むのは危険――
ヒスイったく…何だありゃ。人の話をまるで聞いてねえ
コハクわたし達…ひょっとしてついて来なかった方がよかったかな?
ゼロスないない、それはないって。ミラさまは今、少しばかりナイーブなだけ!
ゼロスコハクちゃんが心配する必要は全くないから!
ジュード
ミラ急がねば…
ジュードミラ、気持ちはわかるけど、そんなに焦るのはよくないよ
ミラ…焦らずにいられる状況だと思うか?今世界がどれほど危うい事態なのか君達はわかっていないのだ
ジュード確かに僕達はミラみたいに精霊やマナ、それに世界の状況を把握出来ていないのかもしれない
ジュード…けど、今のミラが明らかに冷静さを欠いているって事はわかるよ
ミラ…何だと?
ジュードイフリートに会って、正気を取り戻させるために戦うんでしょ?
ジュード…なのに、ミラがそんな状態じゃ危険だと思うよ
ミラ
ゼロスジュードくんも大変だねえ。せっかく尽くしても、肝心のミラさまがあれじゃな
ジュード別に僕は尽くしているつもりはないよ
ジュードミラが焦るのも仕方ないと思う
ジュード…ただ、今のミラはいつもと違うからすごく心配なんだ
ゼロスジュードくんは健気だね
ミラこの辺りか…
クラースああ、私も感じる。濃密な気配を
ミライフリート、私だ。出て来い!
コハク…!ねえ、お兄ちゃん…この空気の感じ…
ヒスイああ。張りつめてきやがった。何が出て来るんだ?
イフリート
ゼロスあれが…イフリートか?
クラースああ、あれこそが火の大精霊…だが、これは…
ジュード今までに会った他の四大精霊の時とは雰囲気が全然違う…!
クラース暴走がそれだけ、深刻化しているという事か…?
イフリートグオオオオッ!
ゼロスおっと、いきなりかよ。あっぶねー
クラース相当気が高ぶっているようだ。こちらも覚悟してかからなければ間違いなく返り討ちに遭うぞ
ジュードそうだね。全員で協力して…
ミライフリート!すぐに元に戻す!
ジュードなっ、ミラ!!一人で先走るのは危険だ!
イフリートガアアアアアッ!
ヒスイ突っ込んで来るぞ!みんな、備えろよ!
scene3成すべき事は…
ヒスイったく、キツイ戦いだったぜ…
コハクすごい力だったね…これが暴走した四大精霊…
ミラ全く…時間がないというのに…
ゼロスミラさま…。ノームと戦った後はもう少し優しかったのに…
クラースよほど余裕がないのだろう
ジュード
ジュードあ…イフリートが動いて…
ジュード危ない!ミラ!!
ミラ…!
イフリートグオオオオッ!
ズガッ!!
ジュードう…っ
クラースジュード!
ゼロス大丈夫か!?
コハク大変!
ヒスイしっかりしろ!
ジュードぐっ…
ミラジュ、ジュード…
ミライフリート!目を覚ませ…!!
ザシュッ!!
イフリート
ミラくっ…
ジュードん…
ミラジュード、大丈夫か!?しっかりしろ!
ジュードあ、あれ…僕は…?
クラースイフリートの攻撃からミラをかばった後気絶したんだ。痛むところはないか?
ジュードえっと…うん、大丈夫だよ
ジュード…って、そうだ!イフリートは…!?
ミラああ、無事正気を取り戻した。今、お前を心配そうに覗き込んでいる
ジュード…成功したんだね!よかった…
ジュードこれで無事、四大精霊がみんな揃ったって事だよね
ミラジュード…
ミラ…すまない、君の忠告を聞き入れるべきだった。確かに私は、焦るあまり冷静さを欠いていた
ミラそれゆえに、イフリートの状態を見極める事も出来ずに、がむしゃらに挑んでいき…結果、君を傷付けた…
ジュードミラ…
ミラ世界の事もそうだ。目的を成す事だけに囚われていた
ミラマナや精霊、世界の動きにもっと目を向けながら動いていれば、事態は変わっていたかもしれない…
ジュード…何もかもを一人で抱えすぎないで大丈夫だよ
ミラ…?
ジュード確かに、マナや精霊達を感じ取れるミラと僕達は立場が違う…
ジュードでも、この世界に生きているという点では、一緒のはずでしょ?
ミラ
ジュードこの世界を何とかしたい、何とかしなくっちゃって気持ちを、誰もが持っているはずなんだ
ジュードだから…一人で背負わず、僕達の事を頼ってほしいんだ
ミラジュード…
ミラお前達…
ミラ…ああ、そうだな
クラース四大精霊と話をしているのか?
ミラああ、四大に叱られた。ジュードの言う通りだとな
ミラ…皆、すまない
コハク謝る必要はないよ、ミラ
コハクあなたが世界を救いたいと思う強い気持ちがあるからこそ、必死だったんだと思うの
ヒスイシングのヤツも突っ走りがちだけどお前もそういうタイプだったとはな。意外だったけど、悪かないと思うぜ
ゼロスそれにさ、自分の駄目なところに気付いたなら直していけばいい。それだけの話だろ?
クラース人は失敗を重ね、誤りを自覚する事で成長するものだ。何も気にする事はない
ジュードミラは一人じゃないよ。僕も…みんなもいるから
ミラジュード、それに皆…ありがとう
クラースでは、気を取り直していくか
ゼロス次のミッションは、マナの減少を食い止める、だっけ?
ミラああ、そうだ。そのためには、マナを減少させている全ての要因を潰す必要がある
ミラマナをここまでの状況に追いやった根本の原因は、ウィンドルとア・ジュールの戦争のはずだ。だが…
コハク今は、停戦を余儀なくされている、…だよね?
ジュード…という事は、さっきミラが言ってた大精霊達の暴走を鎮めて自然の均衡を元に戻す事に注力すべきなのかな?
ミラそうなるな。…とはいえ、二国の戦争も遅かれ早かれ再開する事になるだろう
ミラこちらも、早々に対処する必要はありそうだが…
クラースそっちも警戒しつつ動くしかないだろうな
ヒスイああ、そうだな
ミラ…ところで、ジュード…それにクラース、ゼロス、コハク、ヒスイ。お前達はこの先どうする?
ミラ皆、それぞれ目的があるだろう?
ミラ各地にいる大精霊達を鎮めるとなれば辺境の地へ赴く機会も増える
ミラ戦争が再開されれば、戦地に行く事もあるかもしれない。そうなると再会出来る機会も…
クラース大精霊に会える機会など滅多にあるものではない。無論、私は同行させてもらう
ゼロスミラさまったら、水臭えな。ここまで来たら俺さまも最後まで一緒に行くぜ?
ゼロスロイドの奴がここにいたら、きっと間違いなくミラさまと一緒に行く道を選ぶと思うぜ
ゼロスそう考えれば、ミラさまに協力する事は、俺さまからすりゃあいつに力を貸してるも同然だろ?
コハクわたし達も一緒に行くよ、ミラ!シングを捜してるのは今も一緒、だけど…
コハク無事会えたとしても、この世界がなくなってしまったら本末転倒でしょ?
コハク大精霊達を鎮めていく中でシングに会えないとも限らないし。ね、お兄ちゃん?
ヒスイ…シングの奴はどうでもいいが、コハクがミラと共に行くというなら俺も一緒に行く、それだけだ!
ミラクラース、ゼロス、コハク…それにヒスイ…感謝する
クラースジュード、お前はどうする?兼ねてから捜しているエリーゼを捜しに行っても、誰も咎めはしないぞ
ジュードううん、僕も一緒に行く。エリーゼが気がかりなのは今も変わらないよ
ジュードだけど、これ以上マナが減少したら、この世界そのものが破滅しちゃうかもしれない…
ジュードだから、そうしないためにも、僕はこのままミラを手伝うよ。勿論、エリーゼを捜しながらね
ゼロスぐぬ…まだ見ぬエリーゼちゃんと麗しのミラさまを両天秤に…
ゼロス今のは聞き捨てならねえセリフだな、ジュードくん~?
ジュード…え?あの…僕、そんな意味じゃ…
クラースま、何はともあれ話はまとまったか。では、時間もない事だ、早速動き出すとしようか
ミラああ!