| Name | Dialogue |
| トマト争奪!収穫祭リレー! | |
| ユリウス | …これが噂に聞く収穫祭か。すごい人混みだな。ルドガー、エル、迷子になるなよ? |
| ルドガー | 俺まで子ども扱いして…兄さんこそ、随分楽しそうじゃないか |
| エル | トマトなげにトマトおもさくらべ、トマトすくいにトマト仮装大会…?なんかこのお祭り、トマト多いー… |
| ルドガー | この街の特産品の一つがトマトだからな。兄さんがはしゃぐのも無理ないさ |
| ルル | ナァ~ |
| エル | ルルも、メガネのおじさん今日テンション高いって! |
| ユリウス | 今日はガイアス王に招待されてみんなでこうして来られたんだ。楽しまないとむしろ失礼だろう? |
| ユリウス | このお祭り用の正装だってわざわざ用意してもらったしな。これは、たぶん高級品だぞ |
| エル | うん、トマトばっかりなのは嫌だけどこの服は悪くないよね。かわいいし、エルにぴったり! |
| ??? | ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ♪ |
| ??? | 楽しんでいるようで何よりだ |
| エル | 王様とミュゼ!みんなおそろいなんだ! |
| ミュゼ | ええ、みんなに似合うようにオーダーメイドで作ってもらったの |
| ルドガー | 旅費から衣装代に宿代…何から何まで手配してくれてありがとうガイアス。楽しませてもらってるよ |
| ガイアス | こちらから呼びつけたのだ、気にするな。それより、今はアーストと呼んでもらおう |
| ミュゼ | 今日はお忍び参加なの。だからバレないように協力してくれる? |
| ユリウス | そういう事であれば、勿論協力させてもらうさ、アースト。…こんな感じで大丈夫だろうか? |
| ガイアス | ああ。ところでお前達、この祭りのメインイベントについて知っているか? |
| ルドガー | あっちでやってるトマト投げかな。それとも、新鮮野菜大食い大会? |
| ユリウス | それらも有名だが、この祭りの目玉は「収穫祭リレー」だ、ルドガー |
| ユリウス | 大昔、この街を統治していた領主は変わり者だったらしくてな。祭りの度一族郎党を率いて競争したそうだ |
| ユリウス | その伝統が今もこの街には残っていて三人一組のチームで速さを競う──それが「収穫祭リレー」という話だ |
| ガイアス | ほう、詳しいな。ならば話が早い。お前達、収穫祭リレーに出場する気はないか? |
| エル | エルたちが? |
| ミュゼ | 収穫祭リレーの出場条件は「大人二人に子ども一人」なの。あなた達、ぴったりじゃない? |
| ガイアス | お前達ならば優勝も狙えるだろう。優勝商品は、この街の特産品である最高級トマト一樽分だ |
| ユリウス | …収穫量も少なく、市場には滅多に出回らないあのトマトを一樽か。それは豪華な話だな |
| エル | …。ね、ルドガー。エル、収穫祭リレーに出たい! |
| ルドガー | ?出るのは構わないけど…優勝してももらえるのはトマトだぞ? |
| エル | あ。えっと…エル逃げるの得意だし、なんか面白そう、って思って |
| ユリウス | 子どもの部の種目は障害物競走か。エルが同世代の子ども達と触れ合ういい機会じゃないか? |
| エル | そ、そう!せっかくのお祭りだもん、エルも楽しいことしたい! |
| ルドガー | …そうだな。それじゃ俺達三人で収穫祭リレーにエントリーだ! |
| ガイアス | よく言った。手続きはこちらで済ませておこう。やるからには全力を尽くせよ |
| ミュゼ | それなら、動きやすいいつもの服に着替えた方がいいかもしれないわね |
| ルドガー | 確かに、その方が全力を出せそうだ。この服のままだと汚しそうで心配だしな |
| エル | えー、もうきがえちゃうのー?…まぁ、めざすは優勝だもんね。うん、きがえてがんばる! |
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| 実況スタッフ | 今年もやってきました収穫祭リレー!解説は大富豪のご子息アーストさんと付き人のミュゼさんでお送りします! |
| ガイアス | アーストだ。よろしく頼む |
| 実況スタッフ | リレーは野菜食い競争、障害物競走、借り人競争の計三種目!ミュゼさん、注目しているチームはありますか? |
| ミュゼ | そうね、気になるのはやっぱり初参戦のルドガーチームかしら。第一走者のユリウスもやる気十分よ |
| ユリウス | 野菜食い競争…要はパン食い競走と同じだな。トマトだったら好順位でエルにバトンを繋げそうだが… |
| 実況スタッフ | 第一種目は、各走者ごとに用意された野菜を食べきらないと次走者にバトンを渡せない点に注意です! |
| 実況スタッフ | それではいよいよ開始です。収穫祭リレー、用意──スタート!! |
| ユリウス | ッ!! |
| ガイアス | ルドガーチームのユリウスが首位を取ったな。反射神経、加速力──いずれも見事なものだ |
| ユリウス | よし、このまま野菜を…なっ…!?こ、これは…!? |
| ミュゼ | ユリウスの野菜は…あら、おっきく黒々と実った、アレは… |
| ユリウス | ナスだと!?くっ、なんて事だ…! |
| 実況スタッフ | おっと、ユリウス選手止まってしまった!なかなかナスに食いつけず次々と後続に抜かされていきます! |
| エル | 大変!メガネのおじさん、ナス嫌いだ…! |
| ルドガー | 兄さん…! |
| ユリウス | …弟達の前で、格好悪い姿は晒せない |
| ユリウス | うおおおおお! |
| ガイアス | 見事だユリウス。このまま次走のエルに繋げれば十分に遅れは取り戻せるな |
| ユリウス | ハァ、ハァッ…!すまないエル、リードを失ってしまった…! |
| エル | ううん、後はまかせて、メガネのおじさん! |
| 実況スタッフ | 第二種目は障害物競走です!ルドガーチームのバトンを継いだエル選手、現順位は三位ですが── |
| ミュゼ | あら、すばしっこい。どんどん障害物を抜けてくわね |
| エル | いつもルルの子分達とおいかけっこしてるもん! |
| ユリウス | ははは、すごいぞエル!しかし、エルがここまでやる気になるとは… |
| 実況スタッフ | エル選手、小柄な身体を活かし二位まで順位を上げました!そのままアンカーへとバトンを渡します! |
| エル | はぁ、はぁ…!ルドガー! |
| ルドガー | ナイスだ、エル!後は任せてくれ! |
| エル | うん…がんばって!メガネのおじさんのために! |
| 実況スタッフ | 各チーム、アンカーにバトンが渡りました。トップに躍り出たのはルドガー選手!! |
| ガイアス | ルドガーの独走か。だが、第三競技の正念場はここからだ |
| ミュゼ | クジを引いて、書かれているお題に沿った人を連れてこないとゴールは出来ないのよね。ルドガーのお題は… |
| ルドガー | …「偉い人」…? |
| 実況スタッフ | 「偉い人」!ルドガー選手のお題は「偉い人」のようです!果たしてこの会場で偉い人を見つけられるのか!? |
| ミュゼ | 他チームの選手は「顎髭のある人」「執事」「白衣を着ている人」「新聞記者」なんかを引いたみたいね |
| ルドガー | あの、そこのおじいさん!実は偉い人だったりしないですか!?あ、違いましたか…そうですか… |
| ルドガー | くっ、偉い人が全然いないぞ!?でも、お忍びで参加しているガイアスを頼るわけにはいかないし… |
| ミュゼ | ルドガー、ガイアスがお忍びだから声をかけないのね |
| ガイアス | あいつはそういう男だ |
| エル | えらい人ー!えらい人いないー!? |
| ユリウス | ルドガー、こっちだ!こいつを連れていくんだ! |
| ルル | ナァ~~~♪ |
| ルドガー | 兄さん!?どうしてルルを…いや、確かに近所じゃボス猫だけど! |
| ユリウス | 説明している時間はない。俺を信じてくれ、ルドガー! |
| ルドガー | …わかった! |
| 実況スタッフ | ルドガー選手、猫を抱えてゴールへ向けてラストスパート!他チームの選手をごぼう抜きです! |
| ルドガー | うおおおおおおおおおおおおおっ!! |
| 実況スタッフ | ルドガー選手、一着でゴ───ル!!しかしお題の方は大丈夫でしょうか?審判の判定は── |
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| エル | ルドガー、優勝おめでとう!! |
| ガイアス | …なるほど。収穫祭の創始者は猫に爵位を与え、人と同等に扱う愛猫家だった、というわけか |
| ミュゼ | だからルドガーは「偉い猫」でも合格だったのね。それにしてもユリウス、よく知ってたわね? |
| ユリウス | たまたま昔、本で読んだのさ。お蔭で優勝出来たんだから何気ない豆知識も侮れないな |
| エル | ルドガーやったね! |
| エル | これでメガネのおじさんにおいしいトマト、お腹いっぱい食べさせてあげられるよ! |
| ルドガー | みんなのお蔭さ。エルもありがとう |
| エル | えへへ…エルはルドガーのアイボーだし! |
| ルドガー | そうだな。さて、それじゃ今日は腕を振るうぞ。何しろ、最高級のトマトだからな! |
| ユリウス | トマト嫌いのエルがあれほどやる気を出すのは妙だと思ったが…。俺のためだったのか |
| ルドガー | はは、そうだよ。今日はトマトソースパスタも作るから、期待しててくれよ? |
| ユリウス | 全く…お前達は。…。ルドガー、エル…ありがとうな |
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| ミュゼ | あらルドガー。何を作ってるの? |
| エル | あっ、それア・ラ・モード!?エル、それ好き! |
| ガイアス | この匂い…なるほど、甘味か。ルドガーの腕前は承知している。その技巧、今こそ俺に見せてみろ! |
| ルドガー | うわっ!?みんな落ち着け、まだ調理中…待てガイアス、つまみ食い厳禁だ! |
| ユリウス | やれやれ…だが、こんな賑やかなのも悪くないな |