| Name | Dialogue |
| 召喚!英雄クローディア | |
| ??? | …ここは、どこなんでしょうか…私は…一体… |
| ??? | マスター…?マスター、どこにいるのですか…? |
| ??? | マスターに…会いたい…! |
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| クローディア | ──はっ!ここは… |
| クローディア | 森…?見慣れない場所ですね。それに、この祭壇のような物は… |
| クローディア | …そうだ、マスターは!? |
| クローディア | コアクリスタルとのリンクは途切れていない…。そう離れてはいないはずですが… |
| クローディア | マスター!マスター、どこですか!? |
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| | ドゴォン! |
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| クローディア | ──!これは、戦闘音!?まさか、マスター!? |
| クローディア | 急がないと! |
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| ザビーダ | 何だ、この魔物。初めて見るが、妙に手強いじゃねぇか |
| | グォォォッ! |
| ザビーダ | おっと、やべぇ…! |
| クローディア | はぁっ! |
| | ズバッ! |
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| | ギャウゥ…! |
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| ザビーダ | うぉ、すげぇ |
| クローディア | マスターではなかったのですね。お怪我はありませんか? |
| ザビーダ | ああ、だいじょ── |
| ザビーダ | 待て、俺が見えてんのか。お嬢ちゃん、一体、何もんだ? |
| クローディア | 申し遅れました。私は英雄のクローディアです |
| ザビーダ | はっ、自分で英雄を名乗るとは面白れぇお嬢ちゃんだな |
| クローディア | もしかして、あなたも英雄ですか? |
| ザビーダ | 俺様はそんな立派なもんじゃねぇよ。天族のザビーダだ。さっきは助かったぜ、ありがとな |
| クローディア | いえ、お礼には及びません。魔獣討伐は英雄の仕事ですから |
| ザビーダ | さっきのやつ魔獣って言うのか |
| クローディア | ところで、マスターを見ませんでしたか? |
| ザビーダ | マスター? |
| クローディア | 王ですよ。見ていませんか? |
| ザビーダ | あぁ、王だったらさっき森の外を騎士団引き連れてぞろぞろ歩いてたぜ |
| クローディア | 本当ですか!?マスター! |
| ザビーダ | あっ、おい!そっちじゃねぇって! |
| ザビーダ | …ったく、しょうがねぇな。案内してやるか |
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| ザビーダ | あそこにいるのがこのウィンドルの王、リチャードだ |
| クローディア | あの方が…この国の王?マスターじゃない… |
| 騎士団員 | ん?何用だ、陛下に用事か? |
| クローディア | いえ。人違いのようです。すみません、この辺りで他に王を見かけませんでしたか? |
| 騎士団員 | 他の王?どこの王の事だ。ア・ジュールか?キムラスカか? |
| クローディア | ア・ジュール…キムラスカ…聞いた事のない国の名です… |
| リチャード | 騒がしいね。どうかしたのか? |
| 騎士団員 | こ、これは、陛下!いえ、この二人が人を捜しているそうでして… |
| リチャード | そうか。我々で力になれるといいのだが |
| ザビーダ | …待て。今、二人って言ったか?もしかしてお前らにも俺の姿が見えてんのか? |
| リチャード | 見えているよ。そんな事を聞くという事は…もしかして君は天族なのかい? |
| ザビーダ | ああ。どうして見えちまってるのかはさっぱりわかんねぇけどな |
| リチャード | 何か事情がありそうだね。話を聞かせてもらえるかな? |
| クローディア | はい |
| クローディア | …というわけで、私達英雄は、王であるマスターに仕え魔獣と戦い、国を発展させてきました |
| クローディア | 私の使命はマスターをお守りする事。そのために早くマスターのもとへ戻らねばならないのです |
| リチャード | なるほど…。状況から推測すると、君はおそらく別の世界から来たのだろうね |
| クローディア | べ、別の世界…!? |
| ザビーダ | 根拠なしに出せる推測じゃねぇよな。何か知ってんのか? |
| リチャード | 勿論、根拠はある。順に説明するよ |
| リチャード | まず、君はあの謎の魔物達…魔獣と言ったか。あれを知っているんだろう? |
| クローディア | はい。魔獣とはずっと戦ってきました |
| リチャード | 僕達は違う。魔獣は数日前、突如として世界中に姿を現したんだ |
| リチャード | 数が多く、対策が必要という事で、ついさっきまで四大国の代表者が集まる会議が開かれていた |
| リチャード | その会議の場で公表された最新の研究結果が── |
| リチャード | 魔獣達は、別の世界から来た…というものだった |
| クローディア | 別の世界… |
| リチャード | その理由は、魔獣が落とした── |
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| 騎士団員 | 陛下!お話中失礼いたします!緊急事態です! |
| リチャード | どうした |
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| 騎士団員 | この近くでシルヴァラントの部隊が謎の魔物と交戦中との事! |
| リチャード | わかった、救援に向かおう。総員、戦闘準備!シルヴァラントの部隊を援護せよ! |
| リチャード | 二人とも、すまない。続きは後で話そう |
| クローディア | そうですね。魔獣の討伐は英雄の仕事です、私にもお手伝いさせてください |
| ザビーダ | 仕方ねぇ、ついて行くか。肝心な事がまだ聞けてねぇからな |
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| | グアァァァッ! |
| エレノア | くっ…!何の、甘い! |
| エレノア | はぁっ! |
| | グオォッ…! |
| エレノア | そんな…!これでも倒れないなんて…! |
| クローディア | 大丈夫ですか!?あとは私に任せてください! |
| | ズバッ! |
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| | ギャアアアッ! |
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| エレノア | すごい…あなたは、一体… |
| クローディア | 英雄のクローディアです。まだ付近に魔獣がいるようです…油断しないでください |
| リチャード | 遅ればせながら、ウィンドル騎士団、加勢する |
| ザビーダ | 面倒くせぇ、さっさと片付けるぜ。まとめて吹き飛ばしてやる |
| エレノア | 陛下直々に…!それにこの力、もしや天族…!? |
| エレノア | こんなに心強い援護はありません!みなさん、ありがとうございます! |
| リチャード | さて、英雄殿。魔獣との戦い方、手ほどきいただけるかな? |
| クローディア | 勿論です。実戦でお見せします。さぁ、行きましょう! |
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| | ズバズバッ! |
| | ギャウゥ… |
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| クローディア | これで最後ですね |
| エレノア | 助かりました。みなさん、ありがとうございます。リチャード陛下まで… |
| リチャード | 気にしないでくれ。四大国会議の出席者に何かあったら大変だからね |
| ザビーダ | さてと、魔獣も片付けた事だしその会議に関する話の続き聞かせてくれよ |
| エレノア | 会議の話…ですか? |
| リチャード | ああ。クローディアさんが魔獣と同じく異世界から来た可能性があるんだ |
| エレノア | 異世界から…!本当ですか!? |
| リチャード | ああ、それを確認するために会議で話題になったアレを彼女に見せようと思うんだ |
| リチャード | エレノアさん、例の物は回収出来たかい? |
| エレノア | 魔獣が異世界から来たという証拠となった物ですね。先ほどの魔獣も持っていました |
| エレノア | これです |
| クローディア | これは…!小さいですが、マザークリスタルのように見えます |
| リチャード | この世界には存在しない物質で構成されているらしい。やはり君は知っているんだね? |
| クローディア | これは初めて見ますが…よく似た物を知ってます |
| クローディア | マザークリスタル…未知の力を秘めた宝石で、国に様々な恩恵をもたらします |
| クローディア | 例えば…英雄の召喚とか… |
| ザビーダ | って事は、英雄であるお嬢ちゃんはそのクリスタルの力でこの世界に召喚されたって事か? |
| クローディア | 可能性はあります。でも、不思議ですね… |
| クローディア | 世界を隔てるほどマスターと離れているのに、マスターとのリンクは切れてません |
| リチャード | これだけ不思議な事が起きているんだ。何があってもおかしくないさ |
| リチャード | それに…森の祭壇のような場所で目覚めたと言ったね? |
| クローディア | はい |
| リチャード | あそこは過去に、僕の親友がある少女と出会った場所なんだ |
| リチャード | 彼女は、その時の世界に必要な人だった… |
| リチャード | だから特別な力を与えられて現れたのだと聞いた |
| クローディア | では、私も今の世界に必要だから特別な存在として呼ばれたという事でしょうか |
| クローディア | 特殊な力の働いた召喚だからマスターとのリンクが維持されている…と |
| リチャード | あくまで仮説さ |
| ザビーダ | クローディアの件はそれで説明つくが天族の俺が見えるようになった理由がまだわかんねぇな… |
| エレノア | あの…それについては心当たりがあります |
| エレノア | そのクリスタルから、不思議な力が広がって、空間を満たしているのを感じるんです |
| エレノア | 何となくですけど、この力が天族を可視化させているのではないかと… |
| ザビーダ | そういや森で魔獣と戦ってから変な感じだったな。あいつもクリスタルを持ってたのか |
| クローディア | クリスタルには様々な力があります。そういう事もあるかも── |
| クローディア | ……!このクリスタル…力だけでなく、マスターとの絆も感じます! |
| ザビーダ | マスターって、お嬢ちゃんが捜してる王様か? |
| クローディア | はい。森でもマスターの気配を近くに感じていましたが、あの魔獣のクリスタルだったのですね |
| クローディア | この世界に突如現れた魔獣…魔獣の持つ小さなマザークリスタル…それを通してマスターを感じる… |
| クローディア | そういう事ですか…。マスター…私、わかりました… |
| クローディア | リチャード陛下。お願いがあります |
| リチャード | 何だい? |
| クローディア | 先程の仮説の通りなら、私はマスターの英雄でありながら使命を持ってここに呼ばれました |
| クローディア | つまりここに来た事は…マスターに仕える英雄として私に必要な事なのだと思います |
| クローディア | それに、この世界のみなさんが魔獣の事で困っているのであれば見過ごすわけにはいきません |
| クローディア | どうか私に、魔獣を倒す事、そして国を盛り上げる事を手伝わせていただけないでしょうか |
| リチャード | ああ。魔獣に関しては是非とも力を貸していただきたい |
| リチャード | 国の事はさすがにお願いできないけどクローディアさんの国の事をいろいろと聞かせてくれると嬉しい |
| クローディア | わかりました。では魔獣の事はお任せください。私が何とかして見せます |
| ザビーダ | 水を差すようだが、魔獣は世界中にうようよいるぜ。何か策はあんのか? |
| クローディア | はい。クリスタルを集めれば解決出来ると思います |
| クローディア | マザークリスタルの力は上手く使えば魔獣を味方にする事すら可能ですからね |
| エレノア | 味方に…!それはすごいですね |
| リチャード | なるほど。そういう事なら、確かにクリスタルを集めれば事態を治められるかもしれないな |
| クローディア | それに、このクリスタルから感じるマスターとの絆… |
| クローディア | きっとこれを集めれば私はマスターのもとに帰れると思うんです |
| ザビーダ | クリスタルに始まりクリスタルに終わるって事か。まぁ納得だな |
| ザビーダ | そのクリスタルが少なからず天族にも影響してるんなら、他人事ってわけにもいかなさそうだな |
| ザビーダ | 乗りかけた船だ。俺も手伝ってやるよ |
| リチャード | ありがとう。他の国にも協力を要請して魔獣を倒し早急にクリスタルを集めよう |
| 英雄と王都と一時の休息 | |
| クローディア | マスター…クリスタルも随分集まり、この保管部屋も狭く感じるほどになってきました |
| クローディア | まだマザークリスタルの力には及びませんが… |
| クローディア | マスターとの絆は当初よりずっと強く感じられるようになりましたよ |
| クローディア | ………… |
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| クローディア | 誰も見てませんよね…?では大量のクリスタルの中に身をうずめて… |
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| クローディア | あぁっ、マスター…!こうしてクリスタルに囲まれているとマスターを強く感じます…! |
| クローディア | まるで傍にいるみたいです…!マスターの優しい顔が目に浮かんできます…! |
| クローディア | マスター、私がいなくても大丈夫ですか…?あぁ、マスター…私は…! |
| リチャード | クローディアさん、ここにいるのかい?声が聞こえたけど… |
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| クローディア | はっ…! |
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| リチャード | やはりここだったか。…と、出直した方がよかったかな? |
| クローディア | い、いえ。な、何かご用でしょうか…! |
| リチャード | 今は魔獣の出現情報もないしよかったら、僕の国を見て回らないかと思ってね |
| クローディア | それは、願ってもない事ですが…よろしいのですか? |
| リチャード | 勿論。君の目から見てウィンドルがどう見えるか聞いてみたいからね |
| クローディア | ありがとうございます。ではお言葉に甘えて、街を見させていただきます |
| リチャード | ああ。ゆっくり羽を伸ばすつもりで見て来るといいよ |
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| クローディア | ──とは言ったものの、どこから見て回りましょうか… |
| ザビーダ | よう、お嬢ちゃん、散歩か?よかったら案内するぜ |
| クローディア | ザビーダさん。奇遇ですね |
| ザビーダ | そうでもねぇよ。王様から、今日あたり散歩に出るって聞いてな |
| ザビーダ | どうせ俺も観光するつもりだったし一緒にどうかと思ってな |
| クローディア | そうだったんですか。ありがとうございます。ではご一緒させてください |
| ザビーダ | 任せな。で、どこか行きたいところはあるか? |
| クローディア | 具体的な場所は決めてませんが、この国の事をもっと知りたいです |
| クローディア | 街の規模や建築様式なんかは資料で見せていただいてますから… |
| クローディア | 文化を知るために商店を巡りたいのですが、いいでしょうか? |
| ザビーダ | よし、俺についてきな |
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| ザビーダ | この店はバロニアでも結構有名らしいぜ |
| クローディア | ふむふむ…。あれ、あそこにいる人は… |
| エレノア | あら?クローディアさんとザビーダではないですか |
| クローディア | エレノアさん!確か隣国にお住まいのはずでは…? |
| エレノア | はい。今日は騎士団の用事でウィンドルに |
| クローディア | という事は、隣国の騎士団が、買いに来るような特別な物がここに売っているのですか? |
| エレノア | いえ、もう用事は済んで、今は個人的な買い物です |
| エレノア | 知り合いからお土産を頼まれまして何がいいか悩んでいたところなんです |
| クローディア | お土産…!いいですね、私もマスターに何か買っていきたいです! |
| 店主 | お嬢さん達、ウィンドル土産を探してるのかい?だったら、これはどうだね? |
| クローディア | これは…何ですか? |
| 店主 | ウィンドルの遺跡から出土した古代のかざぐるまだ。ウィンドルといえば風だからな |
| 店主 | 何千年も風を受け続けて、魔法の力を得たって一品よ。特別に一万ガルドでいいぜ |
| ザビーダ | 風の力なんて感じねぇな。本当に遺跡から出た物か? |
| 店主 | 何…?古物商から八千ガルドで仕入れた品だ偽物なわけないだろう! |
| ザビーダ | だったらいいがな。残念ながら俺様なら千ガルドでも買わねぇ代物だ |
| 店主 | まさか…あの古物商に騙された…?くそ、今度会ったら問い詰めてやる! |
| クローディア | 遺跡に古物商…それに風…ですか。なるほど… |
| クローディア | この国の文化が少しわかった気がします |
| エレノア | それはよかったですね |
| エレノア | 確かに風はウィンドルの象徴…。知り合いへのお土産は、風車小屋の模型にします |
| 店主 | それなら五百ガルドだ |
| ザビーダ | 妥当だな |
| エレノア | クローディアさんはお土産どうします? |
| クローディア | うーん…風車小屋の模型もいいですが… |
| クローディア | あの、この赤くてプニプニした物は何でしょう…? |
| 店主 | ん?ただのアップルグミだが…食べると体力が回復する… |
| クローディア | 何と、そんな効果が…!不思議な食べ物ですね。マスターへのお土産にします! |
| エレノア | どうやら異世界の人には珍しいようですね |
| ザビーダ | ああ。いろいろ見せてまわんのが楽しみになってきたな |
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| ザビーダ | さて、買い物も終わったし次は何か見たいもんあるか? |
| クローディア | アップルグミ…とても不思議です。食文化に興味がわいてきました。他にはどんな食べ物が…? |
| リチャード | 楽しそうだね。ご一緒してもいいかな? |
| エレノア | リチャード陛下! |
| リチャード | しーっ。今はお忍びだ。あまり大きな声で呼ばないでくれ |
| ザビーダ | 王様も一緒に行くのか?だったらお薦めの店を教えてくれよ。詳しいだろ? |
| リチャード | わかった。僕のお気に入りの店を紹介するよ |
| クローディア | 王が自ら…ありがとうございます。王室御用達の料亭などでしょうか? |
| リチャード | いや、街のアイスクリーム屋さ。これが美味しいんだ |
| クローディア | アイスクリーム…!いいですね |
| クローディア | さすがにお土産に持って帰るのは無理そうなのが残念ですが… |
| エレノア | ふふ。クローディアさん、よほどマスターという方を大切に想っているんですね |
| クローディア | はい、マスターは私にクローディアという名をくれた方…命を賭してお守りすると誓っています |
| リチャード | 確かに先ほどもクリスタルの保管部屋で── |
| クローディア | わぁぁぁっ!い、言わないでください!というか、聞こえていたのですか!? |
| リチャード | ふふ、冗談さ。聞こえなかったよ |
| エレノア | …? |
| ザビーダ | お嬢ちゃん…マスターの話をしてる時はいい顔してやがんな |
| エレノア | あ、ザビーダも感じていましたか。最初出会ったときは凛とした戦士という印象でした |
| エレノア | それに異世界の人で文化も違う…正直、少し身構えていた部分もありましたが… |
| エレノア | こうして見ると、私達と何も変わらないんだって感じますね |
| ザビーダ | だな。面白いお嬢ちゃんだ |
| クローディア | …?二人して私を見て、どうかしましたか? |
| ザビーダ | 気に入ったって話してただけだ |
| クローディア | そうですか…?それは、とても嬉しいです |
| クローディア | 私も皆さんの事、大切な仲間だと思っていますからね! |
| リチャード | 嬉しいね。それじゃあ、行こうか。今は一時の休息を楽しもう |
| クローディア | はい! |
| 誓いのリユニオン | |
| リチャード | 小さなクリスタルもこれだけ集まると壮観だね |
| リチャード | それに、僕にもわかるぐらい不思議な力を放っている…。これがマザークリスタルの力かい? |
| クローディア | いえ、これでもマザークリスタルには及びません… |
| クローディア | ですが、マザークリスタルに近い力を発揮しているのは確かです。マスターとの絆も強く感じますし… |
| リチャード | 感謝するよ。君のお蔭で、魔獣も姿を見せなくなった |
| リチャード | 今日はささやかながら、そのための祝賀会を開くよ。勿論、主役は君だ |
| クローディア | そんな…私は英雄としての使命を果たしたまでです |
| リチャード | 使命を果たした、という事はお別れも近いかもしれない…。寂しくなるね |
| クローディア | そうですね…。最初は早くマスターに会いたいとそればかり考えていましたが… |
| クローディア | 今は、また皆さんと一緒にアイスクリームを食べたいと…そう思っています |
| リチャード | 君さえよければ、ずっといてくれて構わないが…そうもいかないんだろうね |
| クローディア | はい。名残惜しいですが…それでも私の一番の使命はマスターをお守りする事です |
| クローディア | …マスターにはたくさんのお土産が出来ました |
| クローディア | アップルグミなどの不思議なアイテムもですが… |
| クローディア | この世界で経験した全ては、きっと今後の国作りにも役立つでしょう |
| リチャード | そういえば、まだ聞いてなかったね。君から見て、この国はどうだった? |
| クローディア | 私のいた世界とは環境も目指すものも違いますから簡単に評価する事は出来ませんが… |
| クローディア | ウィンドルは活気に溢れ、歴史や伝統を大切にする文化もある素敵な国だと思います |
| リチャード | 評価…というより感想のように聞こえるね |
| クローディア | そうかもしれません。私はこの国を好きになりましたからどうしても主観が入ってしまいます |
| リチャード | それは、何よりも嬉しい評価だよ。ありがとう |
| クローディア | それと、外交面についてもとても勉強になりました |
| クローディア | 特に魔獣を倒すために手を取り合った同盟国の姿には感銘を受けました |
| クローディア | あなた方のような王達がいればこの世界はこれからも発展していくと確信しています |
| リチャード | もったいない言葉だな。そう一筋縄ではいかないだろう |
| リチャード | けれど、魔獣の一件で各国の絆がより深まったのも事実だ |
| クローディア | はい。実は、考えていたのですが… |
| クローディア | 私や魔獣がこの世界に現れたのはこの世界の国々が絆を深めて発展するためだったのではないかと… |
| リチャード | …確かにそうかもしれない。君達に恥じないよう、この同盟関係を大切にしていかないとね |
| | |
| クローディア | ありがとうこざいます。そう言っていただければこの世界に思い残す事はありません |
| リチャード | …クローディアさん? |
| | |
| クローディア | そろそろお別れのようです。クリスタルの力が…マスターとの絆が強まっているのを感じます |
| リチャード | そんな…せめて祝賀会まで待てないのかい? |
| クローディア | ごめんなさい。皆さんにもよろしくお伝えくださ── |
| エレノア | ここですね! |
| ザビーダ | 間に合ったか? |
| クローディア | エレノアさん、ザビーダさん!?どうしてここに… |
| エレノア | 祝賀会に招待されて来たんです。そうしたらこの部屋から急に強い力を感じたので、もしや…と |
| ザビーダ | 元の世界に帰っちまうんだろ?挨拶もなしに酷ぇじゃねぇか |
| クローディア | すみません。でも、最後にお二人に会えてよかったです |
| エレノア | 最後だなんて言わないでください。また会えるかもしれないって信じたいじゃないですか |
| クローディア | …そうですね。マザークリスタルの力ならばまたいつか… |
| リチャード | その時は国を挙げて歓迎するよ。何しろ君は、この世界でも英雄だ |
| ザビーダ | それに、俺達の仲間だ。だろ? |
| クローディア | はい。皆さん、本当にありがとうございます |
| エレノア | お礼なんて水くさいですよ。それより約束です |
| エレノア | 元の世界に戻っても私達の事を忘れないでくださいね |
| クローディア | 勿論です。皆さんの事…決して忘れません! |
| ザビーダ | よし。ってなわけだ、二人とも |
| ザビーダ | お嬢ちゃんが世界を隔ててもマスターとの絆を感じてたように俺達の絆ってやつも繋がり続ける |
| ザビーダ | これは別れじゃねぇ。ただ遠くに行くだけだ。だから引き止める理由はねぇよな |
| エレノア | ええ、そうですね。別れではありませんから |
| リチャード | 名残は尽きないが、悲しむ必要はないという事か |
| クローディア | ありがとうございます。ザビーダさん… |
| クローディア | エレノアさん… |
| クローディア | リチャード陛下… |
| | |
| クローディア | 出来る事なら…また、いつか… |
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| エレノア | …!クローディアさん!そんな、もう… |
| ザビーダ | 帰っちまったか。ま、これで一件落着ってわけだな |
| エレノア | …このクリスタル、もう何の力も発していませんね |
| ザビーダ | ああ。じきに俺も見えなくなるだろうぜ |
| リチャード | そうか、ザビーダさんともお別れになるのか… |
| ザビーダ | しけた面すんなって。俺はその気になりゃ会える |
| ザビーダ | とはいえ、祝賀会の途中で消えたら騒ぎになっちまうからな。悪いが俺はやめとくぜ |
| リチャード | わかったよ。残念だけど仕方ないね |
| リチャード | エレノアさんは参加出来るんだろう?クローディアさんの事を説明するの手伝ってくれるかい? |
| エレノア | はい、喜んで |
| リチャード | それじゃあ、行こうか |
| リチャード | ………… |
| リチャード | クローディアさん。いつかまた、この世界に来た時に、あなたに笑われないように… |
| リチャード | みんなと協力して、この国と世界を立派に発展させると誓うよ |