| Name | Dialogue |
| 学園番長の座は誰の手に? | |
| ライラ | ようこそ、当学園へ。あなたが転入生の── |
| リオン | リオン・マグナスだ |
| ライラ | はい、リオンさん。私は学園長のライラです。今日からよろしくお願いしますね |
| リオン | ああ |
| ライラ | 緊張していますか?もっと笑ってください。その方がお友達がたくさん出来ますよ |
| リオン | 余計なお世話だ。くだらない事を言ってないで、早く転入の手続きを進めろ |
| ライラ | 手続きはもう終わってます。後は担任の先生に紹介するだけですわ |
| リオン | なら、早くしろ |
| ライラ | そうしたいのですが、職員室にいなかったんですよね |
| ライラ | そうですわ。学園の案内がてら、一緒に捜しに行きましょうか |
| リオン | 捜す?どうして僕が… |
| ライラ | いいからいいから。さぁ、行きましょう! |
| リオン | …… |
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| ライラ | …と、ここまでが校庭です。意外と広いでしょう? |
| リオン | こんな端まで案内する必要はないだろ |
| ライラ | それがあるんですよ。おそらく、この辺りに… |
| ライラ | …あ、いました!レイヴン先生!こんなところで休憩ですか? |
| レイヴン | あら、学園長。ちょっと朝の散歩をね。…と、そっちは見ない顔じゃない |
| ライラ | あなたのクラスに転入してきたリオンさんです |
| レイヴン | あー、そういや今日だったわね。ごめんごめん、おっさんすっかり忘れてたわ |
| リオン | …お前が担任か |
| レイヴン | そういう事。俺様はレイヴン。よろしく頼むな、少年 |
| ライラ | レイヴン先生。私は用事があるので彼に学園を案内してあげてください。ここまでに回った場所は──… |
| レイヴン | あいあい~。ま、始業までそんなに時間もないし適当にブラブラしながら教室向かうわ |
| レイヴン | というわけで、行こうぜ少年 |
| リオン | …ああ |
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| レイヴン | …で、ここが校舎裏。不良がよくここでサボってるからあんまし近づかない方がいいわよ |
| リオン | だったら、どうしてわざわざ連れて来る |
| レイヴン | んー、まぁ他はあらかた案内したしついでに、サボってる不良がいないか見とくかなあと思ってね |
| リオン | …まさかさっき校庭にいたのもそういう生徒を見張るためか? |
| レイヴン | まさか。それはちと買いかぶりすぎよ |
| レイヴン | …さて。ちょいとここで待っててくれる? |
| リオン | 何だ? |
| レイヴン | おっさん、急に、もよおしてきちゃってさ~小用を足してくるわ |
| リオン | …早くしろ |
| レイヴン | はいはい。んじゃ、行ってきまーす |
| リオン | …まったく |
| | キーンコーンカーンコーン── |
| リオン | …予鈴か。しまった、教室の場所を聞いて先に行っておくべきだった |
| リオン | 仕方ない、待つしかないか… |
| シャーリィ | あのー…すみません、少しいいでしょうか |
| リオン | …誰だ |
| シャーリィ | わたし、新入生のシャーリィといいます。まだ慣れなくて道に迷ってしまって… |
| リオン | 生憎だな。僕も今日転入してきたばかりだ |
| シャーリィ | あ、そうだったんですね。困ったな、どうしよう… |
| リオン | …ここで待っていれば教師が戻ってくる。奴に聞けばどうにかなるだろう |
| シャーリィ | 本当ですか!?よかったぁ…ありがとうございます |
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| ヒスイ | これに懲りたらとっとと失せな |
| 男子生徒 | す、すみませんでした! |
| スパーダ | てめぇの教室はそっちじゃねーぞ!…ったく“番長”ってのも大変だな |
| ヒスイ | 筋の通らねぇ事をする奴が許せねぇだけだ |
| スパーダ | へっ、同感だ。予鈴も鳴ったし、オレ達も教室に急ごうぜ、ヒスイ |
| ヒスイ | その前に、校舎裏も見に行くぞ |
| スパーダ | へいへい。見回りも楽じゃねーな |
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| スパーダ | ん?見慣れない奴がいるな |
| ヒスイ | 一緒にいるのは確か…セネルの妹だったな。こんな所でサボるような子なのか? |
| スパーダ | いや、真面目な子だって聞いたぜ。…って事は、あの目つきの悪い野郎に…? |
| ヒスイ | …行くぞ |
| スパーダ | おう! |
| ヒスイ | おい、お前、何してやがる |
| リオン | …誰だ |
| スパーダ | あん?てめぇ、番長のヒスイを知らねぇのか? |
| リオン | 知らん。何の用だ |
| ヒスイ | 何してんだって聞いてんだ |
| リオン | 答える義理はない |
| スパーダ | …って事はやっぱり人に言えないような事をしてやがったんだな! |
| リオン | お前達には関係ない |
| ヒスイ | ああ?いいぜ、てめぇは勝手にしろ。だが、その子は別だ |
| シャーリィ | え、わたしですか…? |
| ヒスイ | てめぇがサボるのに新入生を巻き込むんじゃねぇ。その子をこっちへ渡せ! |
| リオン | ふん。巻き込まれているのはこちらだ |
| スパーダ | ちっ、押し問答してる時間はねぇ。ヒスイ、こうなったら力尽くで! |
| リオン | …来るなら来い |
| シャーリィ | あ、あの、待ってください。何か話がおかしい気が… |
| レイヴン | お待たせ──…あら?これどういう状況? |
| シャーリィ | 先生!よかった…実は… |
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| レイヴン | えーと、つまり…ヒスイ達は、リオンを誤解してシャーリィちゃんを助けようとした |
| ヒスイ | ああ |
| レイヴン | で、リオンは不良に絡まれたと思ってシャーリィちゃんを守ろうとしたと。かっこいいねぇ |
| リオン | 茶化すな。ただの成り行きだ |
| レイヴン | ま、どっちも正しい事をしようとしたわけだけど、誤解があったって事だねぇ |
| レイヴン | ヒスイ達はこう見えて不良達の面倒見てくれてるのよね |
| スパーダ | 先に誤解したのはオレ達だ。謝るぜ。すまねェ、リオン |
| ヒスイ | 悪かったな。始業までにシャーリィを教室に送ってやろうと思ったからよ |
| レイヴン | おっと、そうだった。嬢ちゃんはもういいから、教室に行ってな |
| レイヴン | 教室はあっちの方にずっと行って、右に曲がった辺りから入ればわかるわよ |
| シャーリィ | はい。あの、皆さん、誤解とはいえわたしを守ろうとしてくれてありがとうございました |
| シャーリィ | ではお先に失礼しますね |
| レイヴン | 気を付けてねー |
| レイヴン | …で、問題はこっちの三人か。ま、誤解はもう解けたんだからリオンも謝って、終わりにしようや |
| リオン | …なぜ僕が謝らなければならない。勘違いしたのは、そいつらだろう |
| レイヴン | いや、それはそうだけどさ |
| リオン | そもそも、威圧的に番長だのと名乗り力尽くで相手を制そうとするからこういう事態になるんだ |
| スパーダ | おい、待てよ。黙って聞いてりゃ、お前の方こそ勘違いしてるぜ |
| スパーダ | ヒスイは、みんなから頼られてるから親しみを込めて番長って呼ばれてるんだ |
| リオン | どうだかな。バカな不良仲間に慕われてるだけじゃないのか |
| ヒスイ | おい、聞き捨てならねぇな。俺を慕ってくれてる奴らまでバカにするんじゃねぇ! |
| レイヴン | あーあー、まとまりかけてたのにどうしてややこしくしちゃうのよ |
| リオン | 事実を言ったまでだ |
| スパーダ | 待てよ、人の勘違いを責めておいて自分は好き勝手言いたい放題かよ |
| リオン | 違うというのなら証明してみせろ |
| レイヴン | あー、じゃあ、慕われてるって証明するために選挙すれば? |
| ヒスイ | おいおい、先生。生徒会長を決めるってんじゃねぇんだぞ |
| スパーダ | 適当に誤魔化して終わらせようとすんなよ。オレ達のメンツがかかってんだ! |
| リオン | そんな事をして何になる。もう少し考えて発言するんだな |
| レイヴン | ええ~、ダメ~? |
| レイヴン | (よしよし、怒りの矛先は 俺に向いた…っと。 後は適当に謝って解散にすれば…) |
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| ??? | いいですわね。やりましょう! |
| レイヴン | へ? |
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| ライラ | シャーリィさんから話を聞いて来てみれば…さすがレイヴン先生ですね |
| ライラ | 番長だって学園の生徒を代表する存在です。正式に選挙で決めましょう! |
| スパーダ | いや、番長ってそういうものじゃないだろ。他の不良連中が納得するかどうか… |
| リオン | ふん、やはり生徒に認められてなどいないのだろう |
| スパーダ | 何!? |
| ヒスイ | そこまで言われちゃ引き下がれねぇな。その勝負、受けて立つぜ! |
| スパーダ | ヒスイ。オレも手伝うぜ。他の連中にも声かけてすぐに票を集めてやる |
| リオン | くだらんな、勝手にしろ |
| レイヴン | あーらら。適当に言った事がまさか実現しちまうとはねぇ |
| ライラ | これこそ青春ですわ!どんな結果が出るか楽しみですわね♪ |