| Name | Dialogue |
| 聖夜のプレゼント大作戦 | |
| ロゼ | ──と、いうわけでよろしくね |
| ローエン | ええ、お任せください。しかしサンタクロースですか。夢のあるお話ですね |
| ロゼ | ま、宣伝活動の一環なんだけどね。みんなが喜んでくれるなら一石二鳥! |
| ローエン | それでも、商品を無料でプレゼントするなどそう出来るものではありませんよ |
| ローエン | それもサンタに扮して夜中にこっそり配る…なんとも粋ではありませんか |
| ロゼ | でしょ?まぁ商品といっても売れ残りだし、懐はそんなに痛まないんだよね |
| ローエン | いくらかけたかは関係ありません。これはロゼさんのお優しい心があればこそ |
| ローエン | 子ども達を喜ばせようというそのお気持ちに私は感動したのです |
| ロゼ | いやぁ、そんなに言われると照れるなぁ |
| ローエン | そのような素晴らしいお話の主役に選んでくださるとは…ジジイ頑張りますよ! |
| ロゼ | あはは!こっちこそ、快く引き受けてくれて助かるよー |
| ロゼ | サンタ役が足りないなぁって思ってた時にローエンさんを見て、この人しかいない!って思ったんだ |
| ローエン | いやはや、光栄ですな。お力になれる事がありましたら何なりとお申し付けください |
| ロゼ | …あ、それだったら、実はもう一つ手伝ってほしい事があるんだけど…いいかな? |
| ローエン | 勿論。私に出来る事でしたら |
| ロゼ | この時期、人手が足りてないからほんと助かるよー。それじゃ、こっち来て |
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| ローエン | ここは…地下倉庫ですか |
| ロゼ | うん。みんなへのプレゼントがここにあるんだけど |
| ロゼ | ラッピングを手伝ってくれないかな。プレゼントたくさんありすぎて間に合わなくってさ… |
| ローエン | なるほど、お安い御用です |
| ローエン | ラッピングは重要ですからね。美しい装飾を見ただけで心が踊ります |
| ロゼ | そうそう。中身も重要だけど子ども達を喜ばせるには見た目も大事だと思うんだよね |
| ロゼ | 朝、目が覚めて、枕元に置かれたプレゼント!まず目に入るのはラッピング! |
| ロゼ | 綺麗なリボンに包装紙。そこに感じるワクワクこそがクリスマスの醍醐味だと思うんだ |
| ローエン | ええ、同感です |
| ローエン | では、早速始めましょうか。包装するには少々時間が必要ですから |
| ロゼ | そうだね。じゃあ、この木箱に入ってるラッピングセットで── |
| ロゼ | ──あれっ!? |
| ローエン | …何もありませんね |
| ロゼ | おっかしいなぁ。確かここに… |
| 商人 | あっ、もしかしてラッピングセット探してます? |
| ロゼ | うん。どこにあるか知ってる? |
| 商人 | それが在庫切れで…。プレゼント用に包装してほしいってお客さんが予想より多くて… |
| ロゼ | えぇっ!?新しく発注はしたの? |
| 商人 | はい。ただ、今の時期は品薄らしく店で使う分がやっと入った状況で… |
| ロゼ | わかった。じゃあ、それは店で使って。こっちは何とかするから |
| 商人 | わかりました |
| ローエン | ふむ、困りましたな… |
| ロゼ | とりあえず街に出てみよう。馴染みの店がいくつかあるから交渉したら分けてもらえるかも |
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| ロゼ | …なんて、甘かったかー |
| ローエン | どこのお店でも似た状況のようですね |
| ロゼ | どうしよう。何か他の方法を考えないと… |
| ??? | …お?そこにいるのはロゼとローエンか…? |
| ユーリ | よう、お二人さん。何だ、随分と辛気臭い顔してんな |
| ロゼ | ユーリ!いやぁ、実はちょっと、困った事になっててさ… |
| ロゼ | って、あれ?ユーリ、その恰好…もしかしてサンタやるの? |
| ユーリ | ああ、子ども達にプレゼントを渡すサンタ役を頼まれちまったんだよ |
| ユーリ | ガラじゃねぇが手が空いてたしな |
| ローエン | なんと素晴らしい…ロゼさんも、ユーリさんも、愛があふれておりますな |
| ユーリ | あふれた分、たまには配らないとな。…ん?ロゼも…って事は… |
| ロゼ | うん、実はね… |
| ユーリ | …なるほど、それで難しい顔して唸ってたわけか |
| ユーリ | それなら少し余ってるから、分けてやろうか? |
| ロゼ | えっ、いいの!? |
| ユーリ | ああ。オレの渡す分はもう包み終わってるし、ちょっとは足しになるだろ |
| ロゼ | ありがとう!助かる! |
| ローエン | …なるほど。よい作戦かもしれませんね |
| ロゼ | ん、何が? |
| ローエン | 街のみなさんから余っているラッピングセットを少しずつ分けていただくのです |
| ロゼ | そっか、それいいね!ちょっとでも積もれば山となる…ってね! |
| ユーリ | だったらオレみたいにプレゼントをたくさん用意してる奴を捜せばいいんじゃねぇか |
| ユーリ | 足りないかもしれないと思えば、多めに用意するだろ? |
| ロゼ | 確かに! |
| ??? | では大きなパーティーに参加する人に聞いてみるのもよいのではないでしょうか |
| エレノア | 私の参加するパーティーでもプレゼントをたくさん用意した分、ラッピングセットも多く用意しました |
| エレノア | 少しはお渡し出来ると思いますから後で聞いてきますね |
| ロゼ | エレノア!聞いてたの? |
| エレノア | ええ、立ち聞きするつもりはなかったのですが、困っていると聞こえたもので、つい… |
| ローエン | いえいえ。ご提案くださって助かりましたよ |
| ロゼ | なるほど、パーティーか。いいねいいね、希望が出てきたよ。それじゃあ、声をかけるのは… |
| ロゼ | プレゼントをたくさん持ってる、サンタの格好をした人とか、パーティーに参加しそうな人! |
| ローエン | パーティーに参加しそうな人…着飾っている方という事でしょうか? |
| ロゼ | そうそう。それもエレノアみたいにクリスマス!…って感じが全身から出てる人ね |
| ユーリ | おいおい、まあしょうがねぇ、それっぽい奴に声かけてくか |
| エレノア | そうですね、手分けして声をかけていきましょう |
| ロゼ | 手伝ってくれるの!? |
| エレノア | はい。困っている人を放ってはおけませんから |
| ユーリ | ま、乗りかかった船だしな。…っと、早速、サンタ発見! |
| ロゼ | ほんとだ!おーい! |
| コハク | え? |
| コハク | そっか、ごめんね。ラッピングセットは持ってないの |
| コハク | けど、みんなに聞いて回る事ぐらいは手伝えるよ! |
| ローエン | おお、コハクさんも…。ありがとうございます。みなさん、本当にお優しい… |
| ロゼ | それじゃあ、みんなで── |
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| ??? | 危なーい! |
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| ロゼ | えっ?わぁっ!? |
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| スレイ | ふぅ、ギリギリ止まったー。ごめん!大丈夫だった?勢いがつきすぎちゃってさ… |
| ロゼ | スレイ!?大丈夫だけど…どうしたの、それ? |
| スレイ | ロゼの店に行ったら、今は忙しいって聞いてさ |
| スレイ | オレも手伝おうと思って、配達の手伝いをしてたんだ。ソリで移動したら速いだろ |
| ロゼ | ありがと!助かるけど、安全第一!気をつけて |
| スレイ | うん、ごめん。気をつけるよ |
| コハク | ねぇねぇ、ロゼのお店の手伝い中ならスレイにも手伝ってもらったらいいんじゃない? |
| ロゼ | そうだね。じゃあスレイは、配達先でラッピングセットが余ってないか聞いてみて |
| スレイ | よくわからないけど、ラッピングセットを集めるんだな。わかった! |
| ユーリ | これだけの人数で手分けすればどうにかなんだろ |
| ローエン | ええ、善は急げ。配る前にラッピングする時間も必要ですから |
| エレノア | そうですね。みなさんもそれぞれ予定があるでしょうし |
| ロゼ | うん、急ごう!それじゃ、行動開始! |